2024年10月02日16時33分掲載  無料記事
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「ヘイトは社会の敵」 スタンディングで訴える地元住民の姿

 「クルド人排斥」を訴えるデモ行進が川口市や蕨市で繰り返し実施されるようになってから、はや一年。外国人集住地域のある川口市では、これまでも「外国人排斥」を訴えるヘイトデモが取り組まれることもあったが、この一年間でその数は激増。川口市では先月も市民団体による無告知のヘイトデモが実施された。 
 
 だが、その一方で、ヘイトデモに対抗する運動も広がりつつある。昨年の秋頃から、クルド人など特定の民族に対するヘイトスピーチをやめるよう訴えるスタンディングが川口市内などで取り組まれるようになった。このスタンディングを呼びかけるのは、地元の市民有志でつくる「ストップ・ヘイト 川口・蕨」(通称:「SHKW」)。SHKWを立ち上げたメンバーは「ヘイトスピーチに反対している地元住民がいることを多くの人たちに知ってもらいたい」と語る。彼らは不定期で駅前等に集まり、「ヘイトは社会の敵」などと書かれたプラカードを手にサイレントスタンディングを行っている。 
 
 また、SHKWは、同じくヘイトスピーチの規制を求め活動する市民団体「埼玉から差別をなくす会」とともに、ヘイトデモの主戦場となっている川口市等に対し、ヘイトスピーチ規制条例の制定を求める要請活動なども行っている。なくす会とSHKWは先月25日、県内各地でヘイトデモが活発化しているとして、ヘイトスピーチの対策強化を求める要請書を埼玉県に提出。要請書を通じ、「県内で発生しているヘイトスピーチの実態調査を行うこと」や「ヘイトスピーチの罰則規制を含む包括的な差別禁止条例を制定すること」などを県に求めた。 
 
 埼玉県の大野元裕知事は参院議員時代、ヘイトスピーチ解消法の起案に一部関わったとされており、今年3月に行われた会見では「ヘイトスピーチは地域社会から徹底して排除されなければならない」と口にしている。今回の市民団体による働きかけを受け、大野知事はどのような対応をとるのか、今後の動向に注目が集まる。 


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