2024年10月16日18時16分掲載
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入管
トルコ地震被災者に退去迫る東京入管 家族に再び離散の危機が迫る
トルコ出身のクルド人難民Mさん一家が再び、“離散の危機”に直面している。難民申請中のMさんは現在、目の難病を患う妻と4人の子どもたちと一緒に日本で暮らしている。妻と子どもたちは元々は日本で暮らしていたが、2011 年に発生した東日本大震災の原発事故によって子ども達が被ばくすることを恐れ、やむなくトルコに帰国した。M さんは帰国すれば迫害の危険があるため、日本で難民申請を続けていた。長い別離生活が続いていたが、昨年2月にトルコで発生した地震によって妻と子どもは被災し、住む家を失ったため、M さんを頼って来日していた。
来日後、4人の子どものうち3人は、就労・留学等の中長期的な在留資格を得ることができたが、持病を抱える妻と未成年の次男はこれまで短期滞在の在留資格を延長しながら日本での生活を続けてきた。トルコでは現在も余震が続いているほか、家族が住んでいた共同住宅は損傷が激しく、トルコ政府によって先月取り壊されてしまったため、仮に帰国したとしてもこれまで通りの生活を送ることは極めて困難な状況だ。
ところが、東京入管はこの間、妻と次男に退去を迫っている。家族は9月上旬に東京入管を訪れた際、「妻と次男のこれ以上の短期滞在の延長は認めない」として、入管側から10月4日までに出国するよう告げられたという。長年、Mさん一家を支援する「クルド人難民Mさんを支援する会」は、一家を離れ離れにさせまいと、高校進学が決まった次男は「留学」、妻は子どもの養育等を理由とした「特定活動」の在留資格をそれぞれ申請したが、入管側は「次男は1年以上の日本語教育を受けていない」などとして、二人の申請を不許可とし、11月3日までに日本から出国するよう再度求めた。
一家の支援に携わる周香織さんは「家族はすでに住む家を失っており、現地で仮設住宅が支給される保証もない。トルコでは今も断続的に余震が続いており、危険な状況であることに変わりはない」と指摘する。日本での生活に慣れ始めた矢先の出来事に一家は驚きを隠せない様子だという。
また、支援会は、Mさんの妻と次男への在留資格を許可するよう求めるオンライン署名活動にも取り組んでおり、すでに18,000筆以上の賛同が集まっている。このうち約16,000筆は東京入管に提出済みで、追加分についても随時、提出予定とのこと。第四次集約は10月20日午後11時まで。
※以下から署名に賛同できます。(署名サイトHPより)
https://chng.it/WmMr6BrH5Q
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