2024年10月26日00時37分掲載
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市民活動
衆院選、あす投開票 野党共闘を支える市民活動家の思い
第50回衆議院議員総選挙の投開票が、明日に迫った。野党にとっては、裏金事件で世間の批判を浴びる自民党を追い落とす好機だ。投開票前の24日、都内各地域において野党統一候補の擁立を目指す市民連合組織「市民と野党をつなぐ会@東京」(つなぐ会@東京)の共同代表・鈴木国夫さんが、参議院議員会館内において、野党共闘がつくられた経緯や共闘に対する自身の思いを語った。主催は「平和をつくり出す宗教者ネット」。
鈴木さんが野党共闘の必要性に目覚めたきっかけは、東京都教育員会が教職員らに対して「日の丸・君が代」を事実上強制した、いわゆる「10・23通達」の問題だったという。鈴木さんは「息子の高校卒業式の際、君が代斉唱に反対した教員らが吊し上げられる場面を目にし、教育現場ではとんでもないことが起きていると驚いた」と当時を思い返す。その後、同じく通達に疑問を抱いた保護者から、「教育委員会の方針を変えるには石原慎太郎都知事(当時)を替えるしかない。対抗馬となる野党候補者を一本化しよう」との提案を受けた。そこで、都知事選における野党共闘を目指す市民団体「東京プロデュース」を発足。2007年から2024年までの間、計6回の都知事選に関わり、野党各党に対して統一候補の擁立を目指すよう求めてきた。
鈴木さんは「2016年の都知事選では初めて、鳥越俊太郎さんを統一候補として擁立することができた。野党間の調整が難航することもあったが、この活動の中で、同じ志をもつ仲間たちとのつながりが生まれたことは大きかった」と回想する。
その後、都知事選における共闘の流れが、国政にも繋がっていく。2015年9月、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ「安全保障関連法」が、安倍晋三政権の下で成立。同年12月には、これに危機感を抱いた学者らが中心となり、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)が設立された。これに呼応するように、国政選挙などでの野党共闘を目指すために、全国各地で市民連合組織が次々に誕生した。
2016年10月に行われた東京10区補選では、野党各党と市民組織が結集して野党共闘が実現。鈴木さんは当時の状況について「それまでの都知事選でつながっていた仲間たちが駆けつけてくれた」と語った。このとき、市民の連帯に可能性を感じた鈴木さんは、この機を逃すまいと都内で活動する市民組織の連絡会である「つなぐ会@東京」を設立。総選挙の場面だけでなく、常日頃から野党各党に対して、候補者調整の要請活動などを継続して実施してきた。その努力が実を結び、2014年には1議席だけであった小選挙区における野党議員の議席が、2021年の総選挙では8議席まで増加した。
鈴木さんは、野党共闘への思いを次のように語った。
「野党各党は、過去に比べると地元の市民の意見を聞いてくれることが多くなったと実感している。今年の都知事選では、各党が協力して候補者選定委員会を立ち上げ、野党候補者が分裂しない画期的な仕組みをつくることができた。今後も市民と野党が対話をしながら進んでいく野党共闘の流れは変わらない」
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このほか集会では、在沖縄米軍基地の本土への引き取りに向けた活動を行っている「沖縄に応答する会@山形」の漆山さん、平和運動などに取り組む「ストップ改憲北区の会」の大束がさんがそれぞれ発言を行った。
◯ 漆山さん
「『沖縄だけに基地を押し付けるのは植民地支配と変わらない』、『本土でも基地を公平に負担してほしい』。このような沖縄の声に応答するために活動を始めた。主に山形県内の市議会に対し、陳情や請願を提出して、議員らに沖縄で起きている問題を自分たちの問題として議論してもらえるよう頑張っている。基地問題で国民的な議論を起こすためには、地方の議員らに継続的に働きかけることが必要だ。9月には鶴岡市議会で、日米地位協定に関する請願書が全会一致で可決され、県に対して意見書が上げられた。保守系が多い地方議会でこのような請願が採択されるのは、奇跡的なことだ。行動しなければ奇跡は起こらないということで、これからも活動を継続していきたい」
◯ 大束さん
「先日、北区の『区民まつり』を訪れた。今まで知らなかったが、このお祭りでは10年以上前から、自衛隊が宣伝を兼ねて軽装甲機動車や偵察用オートバイを展示したり、親子連れに迷彩服を着させる体験などを実施しているようだ。もはや自衛隊は専守防衛から離れ、戦争をするための組織に変わっている。区民が集まるお祭りで隊員を勧誘するようなことはやめてほしいということで要望を出している。市民連合の活動を通じて、他の区とつながることも大事であると感じたため、北区、板橋区、練馬区、豊島区の4つの区で『池袋アクション』という枠組みをつくり、北区と同様の取組を呼びかけている」
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野党共闘については、しばしば各党本部間の摩擦のみが切り取られて報道されたりもするが、共闘を支える市民組織の活動に目を向けると、そこでは着々と”質”の面での向上が図られている。明日の選挙結果が注目される。
平和をつくり出す宗教者ネットワークHP http://www.jca.apc.org/ncc-j/mimiyori/mimiyori-6.htm
市民と野党をつなぐ会@東京HP https://tunagu2.jimdofree.com/
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