2025年03月09日00時58分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202503090058550
入管
名古屋入管死亡事件から４年 市民団体が追悼アクション実施 ウィシュマさんは最後まで生きようとしていた
２０２１年３月に名古屋出入国在留管理局内で亡くなったスリランカ人女性・ウィシュマ・サンダマリさんの命日となる６日、東京、大阪、愛知の各所で被収容者支援に取り組む市民団体が追悼アクションに取り組んだ。東京都港区の東京出入国在留管理局前（東京入管）では、関東周辺で支援活動などに取り組むＢＯＮＤが申し入れとスタンディングアクションを実施。参加者は、「♯ＪＵＳＴＩＣＥ ＦＯＲ ＷＩＳＨＡＭＡ」と書かれたプラカードなどを掲げながら、「人を収容する入管には、人の命を守る義務がある」「私たち市民は、絶対にウィシュマさんを忘れない」と東京入管に向かって声を上げた。
アクションに参加したＢＯＮＤの学生メンバーである真栄田早希さんは、「ウィシュマさんが亡くなってから４年が経過する。ウィシュマさんは、最後まで生きようとし、助けを求めていた。入管は、民族差別人権侵害を今すぐにやめて、人を人として扱って欲しい」と、人権を軽視する入管行政の在り方を問題視した。また、同じくＢＯＮＤの降旗恵梨さんは、「ウィシュマさん事件は全く終わっていない。家族と離れて文化が違う日本で、遺族の２人がどれだけの思いで闘ってきたと思うのか。法廷での入管や国の姿勢からは、遺族への反省の色は全く感じられない」と、遺族に対して謝罪する姿勢を見せない国や入管の姿勢を批難した。
アクションの冒頭では、収容環境や処遇に抗議するため、参加者が東京入管に対する申し入れを実施。その際の状況について、ＢＯＮＤの鎌田和俊さんは、「監理措置制度が始まったが、特に東京近郊の運用が無茶苦茶。（収容を解くために必要な）保証金の金額を高く設定されてしまうことで、これを支払うことができずにハンガーストライキをする人が出てきており、申し入れでは、この点について入管側を追及した」と説明。その上で、「入管は、『支援者からもハンガーストライキをしている人に声を掛けて』などと述べていたが、そういう問題ではない。ハンガーストライキをするに至った原因は、入管が被収容者を外に出さないことにあり、そのことを受け止めないと今の状況は変わらない」と、入管側の認識を改めるように求めた。
ウィシュマさんの命日を迎えるにあたって、遺族であるワヨミさんとポールニマさんは、法務大臣、出入国在留管理庁長官、名古屋出入国在留管理局長に対して面談を申し入れたが、入管側は訴訟中であることを理由にいずれの面談も拒否。そのため、５日には、法務大臣と出入国在留管理庁長官宛、６日には、名古屋出入国在留管理局長宛に、遺族が思いを綴った手紙を届けた。５日に入管庁職員に手紙を手渡したポールニマさんは「裁判から４年が経過する中で、裁判とは関係がないところで、入管側の改善に向けた進捗状況を尋ねたかったが、面談を断られてしまって残念」と心境を語った。また、ワヨミさんは「今でも、４年前のこの日を迎えなければよかったと思っている。姉が亡くなった悲しみを家族は感じ続けているが、それを政府が同じように感じているかはわからない。４年が経過しているのに、謝罪もなければ、正義も行われていない」と、４年の月日が経過しても変わらない入管側の姿勢を問題視した。
ウィシュマさん事件については、現在も遺族が原告となった国賠訴訟が継続しており、本件訴訟が開始して以降、遺族は基本的に日本に滞在し続けている。４年もの間、異国での生活を強いられている現状について、ポールニマさんは「私たちは自分の人生を止めて、姉のために声を上げ続けている。いつか姉の事件に関する真相究明がされ、入管がやってきたことを受け止めてくれると信じている」と強い口調で語った。
家族の死の真相を究明したいという一心で自国を離れ、４年もの間、日本での生活を続けている遺族の思いを入管はどのように受け止めているのか。形だけの対応では、許されない。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
〇 名古屋入管死亡事件国賠訴訟期日
・第１７回口頭弁論期日：2025年4月23日(水) 14:30〜（名古屋地方裁判所・第2号法廷）
・第１８回口頭弁論期日：2025年6月4日(水) 14:30〜（名古屋地方裁判所・第2号法廷）
〇 カンパのお願い
� 〔掌轍案�管死亡事件弁護団
カンパについては、以下の用途で使用。
・訴訟を続けるために必要な費用（印紙代、郵券代、コピー代、交通費、通訳費用、証拠収集費用等）
・御遺族の日本滞在費
・通訳費用・翻訳費用
・ウィシュマさんの死の真相解明のための多様な活動にかかる経費（御遺族と弁護士の出張費用、記者会見費用等）
https://wishmalawyers.wordpress.com/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%81%AE%E3%81%8A%E9%A1%98%E3%81%84/
�◆．Ε�シュマさん事件国家賠償請求訴訟弁護団
カンパについては、ウィシュマさん名古屋入管死亡事件国賠訴訟で使用。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000094#case
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。