2025年04月29日20時54分掲載
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農と食
気候変動、動物界にも異変が
【秩父雑穀自由学校】なんだか動物界にも異変が起こっている。4月初め、夜、荒起こしもしていない田んぼ道を通り過ぎるとカエルが鳴いていた。(大野和興)
カエルは田んぼに水が入ったとたん、いっせいに鳴き出す。それまでいったいどこにいたのか、いつも不思議だった。当時、雨が数日降って田んぼに水たまりができていた。それでそのカエルは土の中から這い出して来たのか。これからどうするのか、他人事ながら気になった。
花と蜂の繋がりもずれてきている。花が咲き蜂が来る。長い年月をかけて作られてきた生き物どうしの共生の有機的な関係性が崩れ、花は咲いても蜂が来ない。双方の季節の変化への見立てが合わなくなってしまったのか。去年の梅の不作もそれが原因だった。今年もそうだろうという予感がする。
3月終わり頃、自宅から15分ほど山道を下ったところにある耕作放棄田で白い大きな鳥を見かけた。白鳥かさぎかなと思った。翌日もいたので、よく観察すると鶴だった。秩父のこの近辺で鶴を見たのははじめて。一週間後に2羽になった。つがいなのだろう。4月中下旬、2回積雪があった。雪が溶ける頃、2羽が1羽になった。旅立ったのだろう。残る1羽はそのまま荒川支流の横瀬川のそのまた支流に居ついている。長旅に耐えられない変調が起こったのだろうと思う。
その川のほとりに長生き屋という3代続く安くて美味い家族経営に居酒屋さんがあって、よく飲んで飯を食う。マスターに川に鶴が居ついてるよ、と言ったら、やっぱり鶴なんだ、と喜んでいた。どうか無事で夏を越して欲しい。
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