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1611件



国際
「ユダヤのジェノサイドを援護射撃するモロッコ」【西サハラ最新情報】  平田伊都子
120 「木曜日2月8日、この部屋で、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が午後12時30分から記者会見を行います。彼はあなたに話すだけでなく、この場で質問を受けます。新年あけましておめでとうございます」と、2024年2月6日の国連定例記者会見で報道官が発表しました。 立春も過ぎた今頃、「新年おめでとう」?! しかも、2月5日の国連総会でも、事務総長は、「新年おめでとう」と、ご挨拶。 事務総長さんもマジボケ?(2024/02/10)


欧州
17年住んでも、納得いかないこと〜チャオ!イタリア通信(サトウノリコ)
2007年に結婚してイタリアに住み始め、早17年にもなりますが、どうしても納得のいかないことがあります。それは、医療制度。(サトウノリコ=イタリア在住)(2024/02/01)


国際
「南アに続く虐げられた人々」【西サハラ最新情報】  平田伊都子
120   2024年1月15日の米大統領共和党指名争いアイオワ州初戦で、トランプ前大統領が圧勝しました。<もしトラ>が<ほんトラ>になりそうです、、 (2024/01/20)


人類の当面する基本問題
「CO2温室効果が温暖化・気候変動の原因」の問題点:再論 落合栄一郎
120  気候変動に関して、何回か小論を発表した [1, 2, 3, 4]。[4]では、CO2その他の温室効果ガスが温暖化の原因であることの間違いについて簡単に検討した。今回は、それをもうすこし詳細に考えてみる。(2024/01/18)


欧州
一人の女の子の死から考える―「女性に対する暴力撤廃の国際デー」〜チャオ!イタリア通信(サトウノリコ)
 11月25日は、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」でした。イタリアでも毎年この活動が行われていますが、今年は特に多くの若い女性が集会に参加し、スーパーの前でも「国際デー」をアピールするチラシが配られるなど、今までにない活動が見られました。 (2023/12/03)


中東
ネット空間を支配する反パレスチナに対抗するさまざまの運動に参加を! JCA−NETがキャンペーン
 インタネット空間の市民自治を掲げて活動しているJCA−NETでは、ネットを通じてのガザ支援のキャンペーンを行っています。この分野でも、市民としてやれることはたくさんあります。JCA—NETの小倉利丸さんは「以下の署名運動やeSIMの寄贈の運動にぜひ協力してみてください。団体のみの署名もありますが、個人で署名できるものもあります。いずれの署名運動もあまり日本では拡がっていません。」と呼びかけています。(大野和興)(2023/11/29)


教育
【国立大学法人法】第二の学術会議問題を引き起こすな 国立大学法人法改定案の廃案を求めて大学教員らが集会開催
120  政府が10月31日に国会に提出した国立大学法人法改定案について、これに反対する大学関係者らが、廃案を求めて14日に都内で集会を開催した。本法案では、一定規模以上の国立大学内に外部の有識者などを想定した「運営方針会議」を設置し、大学の運営・研究・教育に関する方針や資源配分の在り方などに関して決定権限を与える。同会議を構成する委員の任命については、文部科学大臣の承認が必要になることから、立憲民主党の白石洋一衆院議員は、「大学の自治を侵し、日本学術会議のような事態になりかねない」と、大学への政治介入に繋がり得る法案に警鐘を鳴らした。(岩本裕之)(2023/11/14)


中東
「パレスチナ人は人間だ」【西サハラ最新情報】  平田伊都子」
120  2023年11月9日、ホワイトハウス報道官でもあるジョン・カービー戦略広報調整官は、「イスラエル軍が地上侵攻を強めるパレスチナ自治区ガザ北部で、住民避難のため1日4時間、戦闘を休止する」と、発表しました。 発表に先立ってネタニヤフ・イスラエル首相は「停戦はない」と明言し、バイデン米大統領も停戦を否定しました。 <住民避難>とは、<住民強制排除>のことです。 (2023/11/11)


中東
空爆という大虐殺をやめろ!10.27イスラエル大使館前ダイ・イン
120  10月27日、パレスチナ自治区ガザ地区への空爆を繰り返すイスラエル政府を批判する抗議活動が駐日イスラエル大使館前で取り組まれた。(2023/10/31)


コラム
報道の冬の時代と、次のメディアの時代  〜「報道」限界集落化を克服する道〜
120 2012年末あるいは2013年初頭に始まった第二次安倍政権は、すでに1990年代のデフレスパイラルと2008年以後のリーマンショックのダブルパンチで追い詰められていたテレビの世界の調査報道番組あるいは報道番組の制作者・ディレクターたちにとどめの一撃となった。もちろん、今も活躍している人はいるとしても、10年前と比べると、あるいは20年前と比べると厚みがかなり減っていると思われる。私の身の回りだけでも、第二次安倍政権が始まる前からすでに、報道に半生を捧げてきたような先輩方たちが彼らの報道が金食い虫であることを理由に企業の窓際に追いやられたり、退職をしたりを余儀なくされていた。(2023/10/15)


中東
「元モサド長官も誉めたハマス軍事作戦に100倍返し」【西サハラ最新情報】  平田伊都子
120  「残念ながら作戦としては大成功。良く調整されていた」と、エフライム・ハレビ元モサド(イスラエル情報特務庁)が、2023年10月7日にCNNインタヴューで、ハマスの軍事作戦<アル・アクサ大洪水>を称賛しました。 (2023/10/14)


検証・メディア
テレビにおける啓蒙と野蛮 〜国会パブリックビューイングが照らし出したメディアの問題点
120 法政大学の上西充子教授らが立ち上げた国会パブリックビューイング(以下、国会PV)という運動は、コロナ禍に入る前は大きく盛り上がっていたのを覚えている方も多いでしょう。安倍政権時代に国会で野党が質問をしても、まともに答えようとしない極めて不誠実な首相や内閣の実像がそこに如実に映し出されていたのです。国会PVが行われていたのは新宿駅西口の地下が多かったのですが、大衆が通る道の脇の一角に白幕を張ってそこに国会の質疑応答を記録した動画を上映し、適宜解説を入れる、というものでした。その特徴の一つが、国会の質疑応答をなるだけノーカットでみんなに見てもらう、ということにありました。(2023/10/06)


【入管問題】名古屋入管死亡事件 入管幹部再び不起訴 国賠訴訟では国側が医師の意見書提出
120  2021年3月に名古屋出入国在留管理局でスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなった問題について、名古屋地方検査庁が29日、遺族らが殺人などの容疑で起訴を求めていた当時の入管局長ら13人を「殺意や故意性がない」として不起訴にした。同日遺族らが会見を開き、ウィシュマさんの妹であるワヨミさんが「なぜ処罰されないのか理解できない」と語った。(岩本裕之)(2023/09/30)


検証・メディア
特定のテレビ局を越えて、今、テレビの意味が問われている〜 テレビにおける啓蒙と野蛮〜
私は日刊ベリタでこれまでも度々、NHKや民放などのテレビ局を批判してきましたが、同時に過去には個別の番組や制作者という形で称賛もしてきました。第二次安倍政権以後、テレビ局はNHKが象徴的ですが、政府が右と言うものを左と言えなくなりました。たとえ個別番組で批判できても全体的には政府寄りの報道が基軸になっています。これは与党にとっては広告料なしで、莫大な広告PRを毎日打っていることと同じ効力があります。卑俗な言い方で恐縮ですが、与党にとってはたまらんうまさです。要するに、それが批判的報道であるか、肯定的報道であるかは、広告効果が180度違いますから、その意味で第二次安倍政権以後は、テレビは総じて与党の宣伝媒体になったと言っても過言ではないでしょう。さらに、選挙報道では平等に扱わないと電波停止にする、と高市早苗総務大臣(当時)が圧力をかけました。(2023/09/29)


経済
Amazonが米・連邦取引委員会(FTC)と17州から訴えられる 
米・連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission )と17州がアマゾンを不公正な取引を強要し、公正な競争を阻んでいるとして訴えたことがニューヨークタイムズで報じられました。連邦取引委員会がというのはわかりますが、17州というのはかなりな数です。たとえば、具体的な中身としては、アマゾンがそのサイトに出品する業者たちに、価格を統制していたこと(アマゾン以外で売る時は、アマゾンでの価格以下に下げないように圧力を加えていたこと)などをあげています。これは競合相手の流通業者にダメージを与える手法だとされており、その他のケースも含め、訴えは172頁に及ぶと書かれています。(2023/09/27)


コラム
「上か下か」は政治言説としては曖昧である(と私は思う)
「右か左かではなくて、大切なのは上か下かです」こうした言説を耳にすると、これは政治家の言説であっても、ジャーナリズムがこれに追随することはできないだろうと私は思う。というのは、「上か下か」という言葉は、ニュアンスとしては伝わって来るし、気分としてもわかるけれど、明快さを欠く。何をもって「上」で、何をもって「下」か、ということだ。そこが曖昧で、受け取る人の主観次第であれば、このメッセージは結果的にいつかは曖昧さの結果責任を伴うことになるだろう。特に、もしその言説をアピールする野党が政権与党の座をつかんだ時、上と下はどうなるのか、ということでもあるし、最終的に政策を実行する時、具体的に何をやるか、というところで、歴史的な意味での右か左か、という解釈をされてしまうだろうからだ。この右か左か、という考え方は、基本的には世界のジャーナリズムで通用している考え方なのである。(2023/09/23)


コラム
投票率低下の背景にあるもの 〜政治や経済のメカニズムが全くわかっていない人が国民の半数以上を占めるのではないだろうか。
国政選挙があるたびに低投票率が戦後の記録を更新して下がっていきます。有権者はますます投票に行かなくなっています。その理由には様々な要因があるでしょうが、もっと注目されるべきなのは〜私の仮説ですが〜有権者=国民の知的空白が拡大してきた、ということではないかと思います。つまり、インフレとか、金利とか、限界消費性向とか、あるいは新自由主義とか、民主社会主義とか、ヘッジファンドやポツダム宣言、三権分立など基本的概念が理解できない人々が国民の過半数を超えてしまったのではないでしょうか。多少言葉は聞いたことがあっても、その理解が浅すぎて、世界で、日本で起きている現象と関連づけて考えることがまったくできない人々です。こんなことを書くと、お前はいったい何様なのか、と批判されるでしょうが、それでも現状を冷徹に見ることは重要だと思っています。(2023/09/14)


アジア
新生カンボジア30周年(3)「カンボジアは地雷だらけ」の虚構と高田さん殺害事件 宇崎真
 1993年5月4日、カンボジアPKO(国連平和維持活動)に派遣されていた文民警察官の高田晴行警部補(当時)が西北部バンテアイミエンチャイ省のアンピル付近の路上を走行中クメールルージュ(ポルポト派)の銃撃で殺害された。日本を揺るがす事件であった。このニュースを筆者はバンコクで同日午後知った。その数日前まで西北部のタイ国境地帯に取材で行ってそのまとめのためバンコクの事務所に戻ってきていたのだ。即日夕刻から四輪駆動のパチェロでまず国境の町アランヤプラテートに向かった。(2023/09/07)


環境
「地球温暖化が人為的に増えた温室効果ガスによる」という説の誤り 落合栄一郎
120  現在の温暖化・気候変動の原因として、人類が過去数世紀に放出したCO2の温室効果だとする現在の気候変動人為説の根底にあるCO2による温室効果なるものが、実は根本的に間違いなのである。しかし、こうした温室効果なるものを提唱したアーレニウスがノーベル賞を受賞したことと、最初に提唱した政治家が科学者であったイギリス首相のサッチャー女史であったこともあって、多くの首相レベルの政治家が巻き込まれ、そしてその威光(意向)に沿って格を上げたい科学者の努力で、温暖化=CO2温室効果なる説が定着してしまった。そうした関係者が、温暖化とそれに基づくとされる危機を煽ることに専念していて、多くの人は、そうした危機の原因としてCO2=悪と思い込まされてしまったようである。(2023/09/07)


コラム
岸田首相はウクライナ国防省の腐敗に抗議したのか?日本人の税金への責任感はあるのか?
ウクライナの国防大臣が国防省の腐敗の責任を取らされて更迭された。もともとわいろが伴う腐敗した政治風土だったとされるが、ロシアとの戦争の1年目では支援国も目をつぶっていた。しかし、2年目に入り、ついに米議員たちが文句をつけ始め、ウクライナ国防省が腐敗しているならもう米国からの支援を減らせ、という議論を始めた。このことが即、ウクライナの国防大臣の更迭につながったらしい。これはニューヨークタイムズの報道である。(2023/09/05)


農と食
山びこ学校と無着成恭さん(下) そのリアリズムに見る戦後農村の時代精神
 作文集『山びこ学校』のハイライトは、なんといっても江口江一の「母の死とその後」でした。「僕の家は貧乏で、山元村の中でもいちばんくらい貧乏です」で始まるこの作文は、自分の家のくらし、仕事、母親の死さえ冷静に的確にとらえ、その原因を分析し、その悲しさを描写していて、いま読んでも心がゆさぶられます。(大野和興)(2023/09/03)


欧州
イタリアから里帰りで思うこと〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
 今回、筆者は里帰りで日本に来ています。毎年一度の里帰り生活は、今年で16年目になりました。いつも一カ月ほどの滞在ですが、最初の1週間から2週間は、少し浦島太郎状態で、日本の生活に慣れる期間です。その後は、だんだん慣れてきて、ずっと日本に住んでいるような気分になってきます。そんな快調な気分の時に、イタリアに帰ることになるので、毎回後ろ髪を引かれる思いで帰ることになります。(サトウノリコ=イタリア在住)(2023/09/02)


環境
福島の核汚染水放出に関するNYTの報道 東京電力のウェブサイトによると「約47万3千トンのタンクの水のうち、完全に処理されたのは30%」
24日にも福島の核汚染水の放流が迫っているとされ、世界でも大きく報道されています。この汚染水は一応、放射能除去の処理を受けたとされ、残るのは微量のトリチウムだけ、と喧伝されていますが、ニューヨークタイムズは、そこまで処理されたのは30%だと報じました。この出典は東京電力のウェブサイトにそう書かれているとされます。(2023/08/22)


国際
[戦争の代償・ドローン合戦でウクライナ敗北?」【西サハラ最新情報】  平田伊都子
120  「来年の春まで待とうと、ウクライナ軍の反転攻勢を延期させることが欧米で検討されている」と、アメリカのウオールストリートジャーナルが伝えています。 マジな話です! (2023/08/19)


文化
AIという妖怪に立ち向かえるのか 宇崎真
 全く久しぶりにバンコクで映画館に入った。トム・クルーズ主演の話題作「ミッション・インポッシブルーデッドレコニング Part One」というスパイ諜報戦のアクション映画である。勿論その宣伝に一役買おうということではなく、トム・クルーズが動転境地の危険なアクションをスタントマンでなく全て彼自身が挑戦したシーンを見たかったからである。一貫して彼は自身の肉体と精神力で信じられないリスクを冒していく。そこにトム・クルーズのファンは痺れ次作を期待する。(2023/08/16)


みる・よむ・きく
全労連のフランスの福祉事情についての記事 『社会連帯は安心な生活の保障から─フランスの取り組みより』フランス子ども家庭福祉研究者 ( 安發 明子)
全労連の1つの記事がじわじわ話題となっています。自民党の女性局の議員などの一行がフランスで行った「研修」がわずか6時間の観光旅行に近いものだったことなどが庶民の怒りを呼んでいます。一方で、この全労連の記事はフランスで本当に学ぶべき福祉のあり様があるとしてSNSで拡散されています。『社会連帯は安心な生活の保障から─フランスの取り組みより』 フランス子ども家庭福祉研究者 安發 明子(2023/08/13)


コラム
田中小実昌と彷徨の文学  髭郁彦:記号学
6月17日から8月13日迄、練馬区立石神井公園ふるさと文化館で「田中小実昌―物語を超えた作家―」展が開かれている。田中が死んでから30年も経った今、何故この展覧会が開かれているのかという理由を、私は知らない。かつては人気作家であった田中小実昌だが、彼の作品に現在も多くの読者がいるとは思われない。それゆえ、何故という問いを発したのだが、こんな疑問には大して意味はない。私は数十年前から田中の作品を熱心に読み続けている一人の友人と共にこの展覧会に行き、この作家に興味を持ったのである。(2023/08/03)


コラム
自民党女性局に自民党をぶっ壊せるか? 自民党と男尊女卑思想
自民党女性局の松川るい議員がフランスの集団研修旅行に子供を連れていき、大使館員に世話をさせていたことが露見して、この話題に新たな火種を提供しています。日本はジェンダーギャップレポートで総合力で国際順位が底辺に近く、政権与党である自民党の女性局は、海のないチェコの海軍省みたいな存在にすら感じられます。もし、松川るい議員が「男社会の自民党をぶっこわす!」と、小泉純一郎みたいにタンカを切って、既存の自民党に宣戦布告しておれば、庶民はもっと共感してくれたのではないでしょうか?問題は、そうした意気込みが感じられないことです。(2023/08/03)


コラム
新聞について 新聞に最低限必要なものは何なのか?
新聞にあって欲しい情報とは何だろうか?私は昔、ドラマの教育を受けた時、演劇にとって最低限必要なものは何か?という問いを講師からぶつけられたことがあった。台本は必要か?俳優は必要か?演出家は必要か?観客は必要か?劇場は必要か?最低限、絶対にそれなしでは演劇が成り立たない要素は何か?こういう問いは、その活動をラディカルに考え直すときに必要になる。(2023/07/21)


国際
「黒海穀物取引は頓挫か?」【西サハラ最新情報】  平田伊都子
120  「ゼレンスキー閣下はアメリカとNATOと国連に騙された」と、評判です。 「プーチン大統領は国連黒海穀物取引に騙されるか?」と、7月17日で賞味期限切れになる国連黒海穀物取引を巡って、国連報道室はざわついています。 (2023/07/15)


コラム
どうやって権力者を怖がらせるか? 〜暴君が生まれるのは人々が跪くから〜
2016年3月31日にNuit Debout(立ち上がる夜)というパリ市民による政府への抗議集会がパリ共和国広場で始まり、夏まで毎日、人々が数千人広場に集まっては様々なテーマで討論を始めました。その運動は「服従しないフランス(LFI)」という後に野党共闘の中心政党に結実しました。ところが、日本のマスメディアはこの市民運動をそろって無視していたのです。メディアのパリの支局の人びとは、お菓子やハンドバッグの情報については感度が良くても、政治や社会性のあるテーマには大変弱い。さらに、彼らは革命を怖れているので、恒例の華やかな革命記念日の式典の取材はできても真の革命的な運動は直視できないのです。(2023/07/14)


政治
<プロ>の政治家たちは政治学の教養があるのか?  仏歴史家・哲学者ピエール・ロザンヴァロンの重すぎる問いかけ 
フランスの著名な歴史家・哲学者で、コレージュ・ド・フランスという権威のある教育機関で講義をしているピエール・ロザンヴァロンという人がいます。『福祉国家の危機』や『良き統治』『カウンター・デモクラシー』などの著書があります。この人はTVにもよく出演していますが、マクロン大統領の政治について、興味深い発言をしています。マクロン大統領の政治スタイルは、自分に反対する人々を徹底的に警察力で封じ込めることが特徴でした。警察の放ったLBDと呼ばれるゴム弾で多くのデモ参加者が片目を失明しています。(2023/07/12)


コラム
「アパルトヘイトは合法だった」 皆、歴史の審判を受ける
120 フランスでは移民の子弟である17歳のナヘルという名前の若者が交通違反をし、その取締りにあたった警察官に射殺されるという事件がありました。警察官がこの若者を撃ち殺す必然性がなかったことが映像で広まり、全国的に大きな怒りを巻き起こし、その暴動から逮捕者数千人という事態となりました。そして、そんな最中に私は1枚のメッセージをSNSで目にしました。(2023/07/07)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(38)慢性的停電と軍の蛮行情報のなかで日常はつづく 西方浩実
120 3月13日。「おはよう。昨夜は電気きた?」。最近、朝の挨拶とともに、電力事情の共有をするのがお約束になっている。とにかく毎日、街中のあちこちで停電しまくっているからだ。もともと水力発電が主力のヤンゴンでは、乾季(11月〜5月)になると水不足のため、停電が多い。だがそれにしても、今年は異常だ。たとえば先週のある日、私の自宅のあるエリアでは、正午に停電してから深夜まで、電気が供給されていたのはわずか2時間半だった。(2023/06/30)


入管
市民団体が入管法の改悪について総括 到底容認できない
120  入管問題に反対する市民団体が6月24日に全国集会を開催し、入管法の改悪を阻止するためのこれまでの取り組みを総括した。集会に参加したウィシュマ・サンダマリさんの妹であるワヨミさんは、「今回のような改定案が成立することは遺族として到底容認できるものではない。この状況を市民の皆さんの力によって、変えて欲しい」と、今国会で成立した入管法に対する思いを語った。(岩本裕之)(2023/06/25)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(37)クーデターから一年目の沈黙 西方浩実
120 2022年2月1日。ヤンゴンは静かだった。半月ほど前からオンライン上で呼びかけられていた「サイレントストライキ」は、武力衝突が起きている国とは思えないような、とても平和な抵抗だった。(2023/06/23)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(36)PDFへの期待とうしろめたさの涙 西方浩実
120 1月26日。悪夢のクーデターから、もうすぐ1年。最近のミャンマーはどうですか、と聞かれると、言葉に詰まる。ヤンゴンは一見、すっかり元どおりだ。市場には色とりどりの野菜が並び、人々は冗談を言って笑い合っている。だけど一人ひとりの肩には、遠くから錘(おもり)を背負って歩いてきたかのように、疲労が蓄積している。同僚に、最近どう?と尋ねてみると「出口が見えない」と泣き笑いのような表情を浮かべた。(2023/06/19)


国際
「アルジェリア大統領、ロシア公式訪問」【西サハラ最新情報】  平田伊都子
120  アルジェリアが国連安保理非常任理事国として、来年から2年間、国連安保理で活躍します。 モロッコを除く、アフリカ大陸の国々が大喜びです! 特に西サハラの難民や被占領民や亡命者は、独立のチャンスが巡ってきそうだと実感しています。 (2023/06/17)


核・原子力
ALPS処理水放出 懸念される海洋汚染
 今年1月、政府は東京電力(東電)の福島第一原子力発電所で発生する処理水の処分に関する関係閣僚会議を開き、今夏から福島第一原子力発電所に貯蔵されているALPS処理水を海に放出する方針を固めた。(小栗俊也)(2023/06/12)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(35)アウンサンスーチー氏への思い 西方浩実
120 12月27日。「今年は、つらいクリスマスになってしまったわね」。クリスマスのあと、久しぶりにクリスチャンの知人を訪ねると、その初老の女性はそう言って微笑んだ。そしてその表情のまま、じわっと涙を浮かべた。(2023/06/01)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(33)ササガワ来る、日本への失望高まる 西方浩実
120 11月26日。「日本も、ほかの外国もアテにしない。もういいんだ。僕たちは自分たちでなんとかする」。ある友人から初めてハッキリとそう言われたのは、確か6月頃だったと思う。彼はその後も、例えば9月のD-dayの宣言のあとなどに電話をかけてきては「君たち日本人にわかってもらえなくてもいい。これは僕らの問題だ」と繰り返し言った。そのわりに「君は僕たちが武力で反撃することについて、どう思う?」と私に尋ね、私の回答が曖昧だったりすると「どういうこと?もう一回言って」とそのニュアンスまでも正確に聞きたがるのだった。(2023/05/21)


検証・メディア
「捜査関係者」とはどういう人? 江戸川殺人事件にみる犯罪報道のゆがみ
 マスメディアは同じ過ちを何度繰り返せばわかるのか、テレビや新聞報道を見るたびにそんなことを考えている。江戸川殺人事件のことである。これまでの報道はほとんどが「捜査関係者に取材してわかった」ということで確証も物証もないまま捜査側のリークで容疑者が次第に犯人になるという経過をたどっている。その手法は過去のえん罪事件をそのままなぞっているように見える。えん罪事件は例外なく捜査当局のリークによる誘導にメディアが乗って作られてきた。この事件がえん罪であるかどうかは問わない。いえるのは、メディアが捜査側に誘導されて犯人を作るという行為が、何の反省もなく繰り返されているということだ。(大野和興)(2023/05/19)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(32)軍政打倒へPDFへの市民の密かな支援拡大 西方浩実
120 11月11日。「PDF(国民防衛隊)が、本格的にヤンゴンで動き始めたみたい」。そう聞いたのは、2週間ほど前のこと。一見落ち着きを取り戻していたヤンゴン市内で、爆発や銃撃がまた増え始めていた。(2023/05/18)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(31)軍政打倒へ「国民防衛隊」という希望 西方浩実
120 10月15日。D-day(戦闘開始)の宣言から1ヶ月以上がたった。ヤンゴンでの生活に、変わったところはない。いや、むしろ街には以前よりも活気が戻っている。急激なインフレ下にあっても、ショッピングモールは人で溢れているし、渋滞も増えた。ヤンゴン中心部の湖畔には、犬を散歩させる家族連れや、いちゃつくカップルの姿。(2023/05/09)


コラム
本の文明とデータの文明
20世紀の終わりから今世紀の最初のほぼ四半世紀に人類の文明はいろんな面で大きく変化を遂げました。本の文化もその1つでしょう。紙の本は次第にデジタル書籍へと変わりつつあります。また、町のリアルな書店がどんどん消滅しつつあります。これは、単に本の消費のされ方が紙の本からデジタルというデータの集積に移行した、というだけの変化なのでしょうか。(2023/05/06)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(30)民主派「国民統一政府」が戦闘開始を宣言 西方浩実
120 9月7日、朝8時半。「ついにD-dayがアナウンスされたぞ!」。同僚からのそんな電話で、寝ぼけていた頭が一気に覚めた。D-day、つまり戦闘開始の宣言。民主派勢力の国民統一政府(NUG)の副大統領が、軍への武力による反撃を宣言したのだ。電話を切り、そわそわとベランダに出て、外を眺める。いつもの花売りのおばちゃん。野菜を手に市場から帰ってくる、ご近所さん。のんびりと晴れた朝。(2023/05/05)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(29)「革命」への戦闘がはじまる 西方浩実
コロナが落ち着いてきたミャンマーに、火薬の匂いが漂っている。「もうすぐ、戦いが始まるよ」。地方に住む友人からそんな電話がきたのは、8月20日頃のこと。「その情報、どのくらい信憑性があるの?」と聞くと、彼は「本当だよ、僕たちはやるって信じてる」と明るい声で答えた。いつかじゃない、近い将来。それも、かなり近い将来だと思う。彼は力強く、そう繰り返した。(2023/04/30)


人権/反差別/司法
抗議声明   人の命を危うくする 入管法改悪を、 やめさせよう!
2021年の通常国会で廃案になった入管法改定案とほぼ同じ内容の法案を、今通常国会に提出することが、3月7日閣議決定されました。私たちは、この閣議決定に抗議し、入管法を改悪する今回の法案に反対します。そして、一緒に反対の声を上げてくれるようみなさんに呼びかけます。今回の法案は、次のように、難民を虐げ、在留資格のない人の命を危うくするものです。(2023/04/22)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(28)刑務所から反軍政の不屈の叫び 西方浩実
120 7月28日。カンカンカンカン…先週金曜日、昼ごはんを終えて眠気と闘っていると、とつぜん鍋を叩く音が聞こえてきた。びっくりして窓から顔を出すと、アパートの住民たちが何人か、ベランダで金物を叩いている。あれ、今日何か鍋叩きの呼びかけあったっけ?と、あわてて台所に金物を取りにいきながら、片手でFacebookをスクロールする。(2023/04/16)


人類の当面する基本問題
(53)人類は自滅の危機に瀕している (V)医学関係/気候関係の(真の)科学の消滅の背景 落合栄一郎
 科学といえば、すぐに思いつくのが、物理学/化学であり、関与する要素が比較的少ない現象を扱うので、かなり正確に、追求できる。そして、科学世界内ばかりでなく、一般の社会にも正確に伝えるのが容易である。そのため、こうした分野では、誤った発表は、比較的少ない。その上、誤りは比較的容易に指摘され、訂正できる。(2023/04/13)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(27)変わりゆくロヒンギャへのまなざし 西方浩実
120 6月29日。「正直言うと、私はクーデターが起きるまで、少数民族の人たちよりも国軍の方に親近感を持っていた」。ビルマ族の友人が、そう打ち明けてくれた。「でも今は違う。クーデター後の軍の仕打ちを見て、少数民族の人たちがどんな目に遭ってきたか、ようやく理解したの」。(2023/04/11)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(26)現金がない!未明から銀行前に長蛇の列 西方浩実
120 5月14日。「今日は夜中3時半から銀行に並んだの」。・・・は!?夜中3時半??驚く私に、彼女は疲れた声で、さらに驚くことを言った。「でも、もうその時点で、100人もの行列ができていたの。朝9時に窓口が開くまで6時間ちかく待ったけど、結局私はお金を下ろせなかった」(2023/04/06)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(25)軍に隠れてコロナ診療をするCDM医師たち 西方浩実
120 8月3日。「陽性者の隔離センターには入っちゃダメだ。食べ物も、設備も、医療者も、治療も、何もない」。電話をかけてきたのは、地方の小さな街に住む友人。昨日、体調の悪いお父さんを公立病院に連れて行ったところ、検査で陽性になり、自動的に軍政が運営する隔離センターに移送されたのだという。(2023/04/01)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(23)迫りくる新型コロナの悪夢 西方浩実
120 6月6日。ミャンマーに、コロナが戻ってきた。クーデター後も毎日、数人〜20人くらいの感染者が確認されていたのだけれど、5月末、それが突然90人台に跳ね上がった。そして、6月3日は122人(陽性率 8.4%)、6月4日は212人(陽性率 12%)と、一気に増えつつある。(2023/03/23)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(22)「わが子を学校に通わせるべきか否か」 西方浩実
120 「うちの子は、小学校には通わせない」。もしそう言う親がいたら、どう思うだろうか?子どもがかわいそう?親の身勝手?ミャンマー全土では今、多くの親が頭を抱えている。我が子のために、学校に通わせるべきか、否か。(2023/03/19)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(21)子どもたちの未来を奪う愚民化教育の再開 西方浩実
120 5月1日。教育と、情報統制と、ワイロ。軍政時代を知らない私が「軍政になると何が嫌なの?」と、周囲の人に聞いたときのトップ3だ。「僕たちは、愚民化されていたんだ」。私が教育について聞くと、30代の友人は怒りに言葉を震わせた。ふだん穏やかで、ちょっと斜に構えたタイプの彼がこんな風に怒りをあらわにするのを見るのは初めてで、少し驚く。(2023/03/15)


反戦・平和
南西諸島で進む実戦さながらの自衛隊と米軍の共同訓練 「島々を戦場にするな!」の住民の声は無視
 南西諸島では自衛隊と米軍による実戦さながらの共同訓練が連日のように行われている。沖縄を含む南西諸島の軍事化に反対し、「島々を戦場にするな! 沖縄を平和発信の場に!」と訴える住民の声は無視される。こうした事実は沖縄のメディアでは報道されているが、本土のメディアではほとんど伝えられない。「沖縄と連帯する会・ぎふ」の近藤ゆり子さんは「沖縄で何が問題になっているかを本土の人びとにも知ってほしい」と、沖縄の2紙などからの情報を発信している。以下はその最新報告である。(2023/03/13)


中東
「食料高騰と断食月」【西サハラ最新情報】  平田伊都子
120  月が夜空から消えると、世界中のイスラム教徒が断食を始めます。 日の出から日没まで飲み食いを絶つという、辛い一か月の<行>、それがラマダン・断食月です。 ところが、この断食月の食料品消費量が、ダントツに上がるのです。 それは、日が沈んだ途端、家族親類縁者が一堂に会し食事大会を始めるからです。 優しいイスラム教徒は、見知らぬ人も歓迎します。 (2023/03/11)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(20)国軍が村を焼きつくす 西方浩実
120 6月19日。最近ミャンマーで、色々なものが燃やされている。1週間ほど前には、軍の攻撃を逃れてジャングルで暮らす避難民への支援物資が、軍によって燃やされた。Facebookで拡散される画像には、黒い灰になったお米や薬の残骸。3日前には、ミャンマー中央部の乾燥地帯にあるキンマ村が焼き尽くされた。焼け跡に座り込んで号泣する人たちの動画。柵の中で黒焦げになった家畜の写真。(2023/03/11)


政治
2015年に礒崎氏について記者会見で質問を受けていた高市氏 〜安倍首相のレガシー「ご飯論法」の切れ味〜
 高市氏は礒崎氏について知ったのは今年の3月〜今月だったと国会で答弁した。ところが・・・2015年に高市総務大臣(当時)は、礒崎氏の発言について共同通信記者の質問を受けていた。これは平成27年7月28日の記録で、総務省のウェブサイトで公開されている。「高市総務大臣閣議後記者会見の概要」である。以下の答が、高市氏の発言である。高市氏は、これも改竄文書と言うのだろうか?(2023/03/09)


入管
政府が今国会成立をめざす入管法改正に反対 国内NGO5団体が声明
 日本のNGOが連名で本日7日の閣議決定された入管法改正案に対し反反対声明を出しました。同改正案は2021年の通常国会で廃案になった入管法改定案とほぼ同じ内容のもので、閣議決定を得て、今通常国会に提出されます。2021年に国会に提出された法案は、名古屋入管で収容中亡くなったウィシュマさんへの非人道的な扱いなどが批判されて、廃案となったものです。NGO声明には国際人権団体アムネシティ、移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)など7団体が名前を連ねています。(大野和興)(2023/03/08)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(19)国民防衛隊が誕生 西方浩実
120 5月19日。ミャンマーでは最近「PDF」がもっぱらの話題だ。PDF文書、ではない。People's Defense Force、国民防衛隊だ。4月に樹立された民主派の亡命政府「国民統一政府」(National Unity Government:NUG)(注1)が、5月5日に創設を宣言した人民軍で、いずれ今のミャンマー国軍にとって代わるという。(当然、軍からは速攻で、テロリストめ!と糾弾されている。)(2023/03/08)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(18)CDMから武装組織へ合流する若者も 西方浩実
120 「ミャンマーは内戦状態なの?」と聞かれることがある。私がヤンゴンで見ている答えは、NOだ。内戦どころか、銃声さえ聞かない。戦車も見ない。抑圧下で静かに暮らしている。ただ、街から軍の姿が消えることはない。(2023/03/04)


アジア
「ミャンマー外交から撤退しろ!」在日ミャンマー人が日本財団前で抗議デモを実施
120 「日本財団の笹川会長は今すぐミャンマー外交から退くべきだ!」。日本財団の笹川陽平会長に対し、“ミャンマー外交”からの撤退を求める抗議デモが22日、日本財団ビル前(港区)で実施された。主催は、在日ミャンマー人コミュニティ。(藤ヶ谷魁)(2023/02/24)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(15)人間としての自由だけは奪えない 西方浩実
120 3月20日。先日、CDM(市民不服従運動)に参加した公務員たちを支援している大学生と話す機会があった。線の細い、優しそうな青年で、柔らかな口調で英語を話す。彼はデモに参加するかたわら、公務員宿舎から追い出されてしまった公務員を、仲間と一緒に何十世帯もサポートしているのだという。安い部屋を探して大家さんと交渉したり、食料を届けたり、わずかながら金銭的なサポートもしているそうだ。(2023/02/21)


人類の当面する基本問題
(52)人類は自滅の危機に瀕している (IV)気候変動、脱炭素、農業破壊 落合栄一郎
120  現在、多くの人が、信じ込まされていて、そのために大変危険な状態が到来しそうなのが、気候変動=脱炭素問題であろう。どのような大変性なのか。危険な気候が到来して、人類が生き残れなくなるのか。気候変動問題の専門家(?)はそう主張し、大衆はそれ(脱炭素によって気候変動阻止)に添う努力を強いられている。(2023/02/20)


アジア
【2/22】ミャンマー <笹川氏の「外交」はもう要らない!!日本財団前デモ>
120  ミャンマー国民和解担当の日本政府代表を務める笹川陽平日本財団会長に対し、「ミャンマー外交」から手を引くよう求める抗議デモがSNS上で呼びかけられている。主催は、在日ミャンマー人コミュニティ。抗議デモは、2月22日午後3時から、港区にある日本財団ビルの前で実施されるとのことだ。(藤ヶ谷魁)(2023/02/16)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(13)エスカレートする軍の残虐行為 西方浩実
120 しかし翌日3月10日の夜も、再び落ち着かない夜となった。今度はサンチャウンというヤンゴン市内の地区で、日中にデモをやっていた何百人もが警察に包囲されてしまったのだ。デモ隊はかなり広い範囲に散らばっていたようだが、地区の外に抜ける路地を警官隊にすべて固められ、罠にはまった状態になってしまった。(2023/02/15)


人類の当面する基本問題
(51)人類は自滅の危機に瀕している (III)生物兵器化・人口削減 落合栄一郎
120  ホモサピエンスは、他種動物(植物も)を捕獲し食料とすることは他の動物と同じだが、他の動物たちと違って、同じ種の他体を捕獲・殺害することも必要・不必要に拘らず辞さない。そうしたことをなるべく躊躇するように自己を抑制することを人類社会で行われるように説いたのが、宗教である。ただし、一神教では、自分たちの神を信じる人たちとの間での倫理のみで、他の神を信じる人は、どう扱っても良い、むしろ迫害しても構わないとされている。こうしたことが人類の問題の根本にある。現在のウクライナ問題にも。この問題は別の機会に。(2023/02/13)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(12)バリケードを越えての帰宅 西方浩実
120 3月3日、ミャンマー軍や警察の残虐行為により、心が一度死んだ。でも、そんな私を再び笑顔にしてくれたのも、やっぱりミャンマーの人だった。あの日の翌日、地方に住む友人は、電話でこんな報告をしてくれた。「今日は警察がきたらすぐに逃げられるように、バイクでデモをやったんだ。誰も傷つかなかったから、安心して。」(2023/02/12)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(11)「恐怖からの自由」(アウンサンスーチー)を胸に 西方浩実
120 2月28日は、ヤンゴンだけでなく、ミャンマー中で同じようなことが起きていた。電話をかけてきた地方在住の友人は、悔しさを訴えるように、上ずった声で言った。「警察と兵士は、非暴力のデモ隊にいきなり催涙弾を撃ったんだ。撃つぞ、なんて一言も言わなかった!」(2023/02/09)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(10)ヤンゴンの平和は終わった 西方浩実
120 2月25日。ヤンゴンの平和は終わった。ヤンゴン中心部のスーレーパゴダ周辺には、朝から「軍支持者」たちが集った。軍の支持者なんて本当にいるのか、と驚く私に、友人は「まぁね。軍人の家族や親類縁者、あとは軍に味方することで利益を得ている人たちだよ。でも今日集まっている人たちの多くは、軍に買収された貧しい人だ」と説明する。参加者には5000チャット(約380円)が支払われているのだという。「日雇い労働だよ。いつもの軍のやり方だ」と友人はため息をつく。(2023/02/07)


人類の当面する基本問題
(50)人類は自滅の危機に瀕している (II) 原発使用を諦めきれない 落合栄一郎
 広島・長崎での眼に見える原爆による破壊は、世界中の人々に印象づけられた。爆発時の高放射線による死者は観察されたが、外傷もない、外部からの強烈な放射線による内部組織の破壊であった。原爆爆発時に放出された放射性物質(死の灰)からの放射線による内部被ばくという目に見えない、肌に感じられないし、直ちには現れない影響を受けた人々は、後々まで、深刻な健康への影響に苦しんだが、多くの人には見えなかった。いや、米国が行った原爆後の調査から得たそうした内部被ばくの健康への影響の事実・データは長い間隠蔽されていた(注1)。(2023/01/21)


アジア
ミャンマー「夜明け」への闘い(2)「スーチーさんが捕まった」の衝撃 西方浩実
 2月1日、月曜日、午前6時50分。ミャンマーの最大都市、ヤンゴン。珍しくアラームより早く目が覚めた。今何時だろう、と薄暗い室内で寝転んだままスマホを手に取ると、近所に住む友人から、不在着信とメッセージが届いていた。「スーチーさんが捕まった」。 (2023/01/09)


国際
ついにアメリカの戦争に巻き込まれて  連戦連敗の米軍の実像直視を
今起きている台湾を核とした米中の戦雲に対して、安倍首相時代に制定した憲法違反の安保法制によって日本も参戦させられる可能性があります。しかし、この戦争の最大の特徴は米国がシナリオを書いた米国のための戦争に他ならないことです。にも、関わらず、日本は参戦させられる可能性があるばかりでなく、日本本土がアフガニスタンやイラクと同じ戦場になる可能性が高いものです。しかも、20年くらいまで長期化する可能性があります。(2023/01/09)


人権/反差別/司法
国連人権勧告の実現を! 市民団体が院内集会開催
120 12月10日は、世界人権デー。これに先立ち、国連から出された人権勧告の実現を求める市民団体が、8日に同勧告の実現を求める院内集会を開催した。集会では、日本における外国人差別の実態を扱った映画「ワタシタチハニンゲンダ!」が一部上映され、映画の監督を務めた高賛侑監督が同映画を制作するに至った経緯などを説明した。(岩本裕之)(2022/12/18)


みる・よむ・きく
防衛増税の問題の核心に迫る鮫島浩氏のSamejima Times
毎週、次々と政界の問題に動画で切り込んできた鮫島浩氏のユーチューブチャンネル、Samejima Timesが、今、焦点になっている軍事増税の問題の核心を語っています。(2022/12/14)


欧州
手強いイタリアの医療体制〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
120 皆さんは、4年前に自分が何をしたか覚えてますか? (2022/12/07)


国際
ブレジンスキー昇天直前の大変身(心)――嫌露反露から米中露欧大々連立構想へ――岩田昌征(いわたまさゆき):千葉大学名誉教授
ある研究会で面識を得たK.W氏からブレジンスキーの思想的大変身を教えられた。K.W氏は、国際政治情勢の専門家成澤宗男がISF独立言論フォーラム電子面で7月13日に発表した論文で知る事を得たと言う。私=岩田は、成澤宗男が紹介するブレジンスキー論文 Toward a Global Realignment、「地球規模再編に向けて」をISF電子面(7月13日論文、注9)で一読してみた。「ロシアを追い詰める意図についてブレがない。」と言う私旧稿のブレジンスキー解釈は、彼が死(2017年)の一年余前(2016年)にThe American Interest に発表した上記論文以前では妥当する。ところが、この論文においてブレジンスキーは、ブレるどころではなく、それ以上の大変態をとげていた。あのロシア大嫌いのカール・マルクスが晩年、ロシア的共同体を肯定評価するようになった故事に匹敵するか、それ以上の転換である。(2022/12/06)


人権/反差別/司法
左翼の「革命」アレルギー  日本の野党第一党が政権交代を目指さない元凶
120 先日、私は初めて米国歌の歌詞をYouTubeの翻訳字幕で知りました。それまでメロディは腐るほど聞いていながら、歌詞については無知だったのです。米国歌の題名は「The Star-Spangled Banner(星条旗)」であり、歌詞を読む限り、独立戦争時の1775年から1783年まで8年かけで大英帝国軍と戦った時の記憶に基づいているようです。(2022/11/26)


コラム
政治家・政党とジャーナリズム 絶対権力を作り出さないために その6 右か左か 上か下か
最近、政治論議で、右か左かが大切ではなく、上か下かが大切です、という語り方をよくSNSで目にします。右か左かには戦後の社会主義のイデオロギーが関係していて、それはもう古い、という思いが込められているのではないかと思います。ただし、上か下かという表現は、権力者(富裕層)と民衆(庶民)という二分法だと思いますが、この表現は「右か左か」に存在したものが抜き取られているように私には感じられます。それは歴史というものです。(2022/11/12)


政治
歴史の終わりと日本の権威主義国家群入り 愚劣な政治でも政権交代が起きない国
昨日、あるテキストを読んでいて、日本は民主国家というよりはむしろ権威主義国家群に位置し、独裁制に近い中国やロシアと同じグループに入ったのではないか、と感じました。1992年に「歴史の終わり」というタイトルで、市場主義経済の民主国家群が鉄のカーテンの向こう側に勝利した段階をもって、歴史が終わったとする論考の本が出ました。昨日読んだものは米国の政治経済学者フランシス・フクヤマのもので、彼が30年後のこの秋、やっぱりあれは間違っていなかった、という論考を寄稿したものです。「歴史の終わり」は冷戦終結をもって、マルクス主義の勝利という思想を否定したものでした。今回の論考は「More Proof That This Really Is the End of History」(「歴史の終わりに、さらなる証拠が出た」)とThe Atlantic誌に書いたものです。(2022/10/23)


アフリカ
「西サハラの政治的地位は植民地」【西サハラ最新情報】  平田伊都子
120  【西サハラ最新情報】が、500回を迎えてしまいました。 とっくに国連西サハラ人民投票が実施され、独立国西サハラツアーにお誘いするつもりでいましたが、、なにこれ?! (2022/10/23)


国際
「イーロン・マスクのウクライナ停戦提案」【西サハラ最新情報】 平田伊都子
120  ツイッターを買収しようとしているイーロン・マスクが、 10月3日にウクライナ戦争の解決案をツイートしました。  「国民をこれ以上殺したくないのなら、停戦交渉しろ」というのがマスクの基本理念らしいです。 戦争を長引かせたいアメリカとウクライナは、マスクに大反発しました。(2022/10/09)


欧州
イタリアのコロナ状況と総選挙〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
前回、前々回と3年ぶりの日本帰国について書きました。行く前も行ってからもコロナに振り回された日本帰国となりましたが、無事に9月6日にイタリアに戻りました。(サトウノリコ=イタリア在住)(2022/10/01)


欧州
筆者が日本に行く前にコロナにかかる!Part 2 〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
日本への出発まであと12日となった時に、娘のコロナ陽性が発覚し、本当に日本に行けるのか。。。と、物凄いプレッシャーが襲いかかってきました 。私がコロナにかかった時に、日本にいる友人がコロナは自宅などで検査する簡易検査キットで陰性になっても、PCR 検査などの精密機器で検査すると、1ヶ月ぐらい陽性が出てしまう場合もあると連絡してくれました。日本政府は水際対策として、出国前72時間以内の陰性証明書を提出する義務を課しているので、私は暗澹たる思いでいました。(サトウノリコ=イタリア在住)(2022/08/30)


人類の当面する基本問題
(47)ワクチン関連のより深刻な問題−2 落合栄一郎
120  まず、人類の一部である筆者自身の周辺でのワクチンの影響とみられる現象が増えてきていることを2、3。直接の家族(息子、孫)に、ワクチンを3回摂取したにも拘らず、Covid様の症状が出たこと。幸い、孫の方は、1週間ぐらいで、健康を回復したし、息子の症状は軽かった。友人の一人は、ワクチン摂取後、心臓の具合が悪く、狭心症とされた。幸い、数週間後には、回復した。もう一人の友人は、3回目のワクチン摂取数日後に、帯状疱疹症状が出た。筆者自身には、血栓と考えられる現象が摂取後2度ほど起きた。幸い、周辺に死者はまだ出ていないが。おそらく、こうした現象は、多くの人が見聞きしているのではないかと思われるが、あまり問題視する意識が少ないようなのが、気に掛かる。おそらく、ワクチンの有効性、安全性を喧伝する政府、情報機関などの意見が、いまだに人々の意識を支配しているのであろう。洗脳に等しい。(2022/08/29)


政治
野党共闘の柱に2015年の安保法制の撤廃を  集団的自衛権という集団的妄想
 私は故安倍首相が力づくで強行採決で通した2015年の安保法制(有事法制)は違憲だと考え、野党共闘はこれまで通り、これを撤廃することを今後も共通政策に盛り込むべきだと考えています。というのも、憲法改正をしないまま、憲法解釈だけを無理やり変更し、さらに法律の制定によって憲法を停止させることはそもそも民主主義へのクーデターだと考えているからです。安保法制をこのまま放置しておくことは憲法9条への違反にとどまらず、憲法の保障する表現の自由や知る自由を中止させられることに同意したことになりかねません。(2022/08/21)


アジア
安易に日中戦争を始めれば再び食糧危機が襲う 〜 第三次日中戦争前夜の予感〜
岸田首相を含め、最近の与党や準与党勢力は、中国との戦争に対する備えを強調しています。旧統一教会と懇意だった故・安倍首相が2015年に力づくで制定した有事法制は、麻生副首相の言葉を思い返せば、憲法を改正しないままに時限的な特別法を制定するだけでワイマール憲法を中止してしまったナチスのやり方から十分に学んだと思われます。安倍元首相が暗殺された翌朝の7月9日の主要新聞紙面の同一の見出しも、表現の自由という日本国憲法が保障した重要な価値が、かつての高市総務大臣による選挙中の「公平な報道」という恫喝よりも、むしろ有事法制によって骨抜きにされ、実質的に表現の自由が失われたのだ、ということの証左に私には思えてなりません。戦時中と同様に、ずるずると誰一人責任を取らないまま、同じ深みにはまろうとしているかのようです。(2022/08/16)


反戦・平和
核抑止論が核兵器の限定使用に道を開く
ロシアのプーチン大統領がウクライナでの核兵器の使用も考慮に入れると今春、宣言したことを私は重く受け止めています。これをブラッフと考える人もいるかもしれませんが、私は可能性としてあり得ると考えています。ロシア文学を読めば、ロシア人は自己の実存をかけた賭けに出ることが少なくありません。帝国主義国家を覆した革命が起きたのがロシアだったこともその証左です。プーチン大統領の一度目の賭けはウクライナとの国境を越えたことでしたが、二度目の賭けは核兵器の使用です。もちろん、私はそれがブラッフに過ぎず、実現しないことを祈っています。(2022/08/06)


欧州
筆者が日本に行く前にコロナにかかる! ――コロナ感染体験記〜チャオ! イタリア通信 サトウノリコ
7月19日から8月20日まで、日本に一時帰国しています。3年ぶりの日本で、空港に無事着いた時は、何だか夢を見ているような気分でした。実は、日本に帰ってくる前に、私と娘がコロナに感染してしまい、無事に日本に行けるのか、出発する前まで気持ちが落ち着かなく、日本へ行く飛行機に乗った時は本当にほっとしました。(サトウノリコ=イタリア在住)(2022/07/30)


沖縄/日米安保
「死者は沈黙の彼方に」  目取真俊インタビュー・テキスト紹介  堀川信一
 2022年7月2日、目取真俊のインタビュー番組が、沖縄復帰50年シリーズの一環としてNHKで再放送されていたことを、放送後に知った。初放送は昨年8月29日。内容を知りたくて検索したところ、「電波ログテキストマイニング」というブログ〔1〕で、字幕表示部分がテキスト化されていた。ブログ作者に感謝しつつ、一気に読み終えた。(2022/07/13)


医療/健康
医療を装った人口削減策の「ウワサ」:再掲載 落合栄一郎
 先に人類の当面する基本問題(45)(注1)として、現在進行中の新型コロナによるパンデミックとそれに付随したワクチンの問題、その裏側にいるのではないかと、多くの人が懸念する、ある種の人たちの隠された意図などを検討しました。スワインフルーによるパンデミック時に、同様な問題点を検討した、以前の投稿(注2、注3、2009,2010年)が、現在の問題を検討する資料になるかと思い、再掲載します。(2022/06/28)


BeritaPress ベリタ編集委員会を立ち上げました
この度、株式会社ベリタを解散、日刊ベリタ運営・編集の主体として『ベリタ編集委員会』を立ち上げました。任意の編集グループといった感じのものです。ベリタ編集委員会のもとに置かれた運営委員会がベリタ運営・編集の基本方針を定め、日常の運営にあたります。運営委員会のメンバーはこれまでと変わりありません。(2022/06/22)


国際
【西サハラ最新情報】  「俺にはモチベーションがある!」ウクライナ戦闘員  平田伊都子
120 「俺にはモチベーション(信念)がある!ウクライナは必ず勝つ!!」と、ウクライナのアゾフ戦闘員たちが様々なメディアで、雄叫びを上げています。 故郷を守るというモチベーションは、パレスチナや西サハラの人々にも強くあります。 (2022/04/17)


文化
第一回目のゴンクール賞日本を取材して
120 3月29日に東京の駐日フランス大使公邸で、ゴンクール賞日本の受賞作が発表されました。ゴンクール賞と言えば、日本の芥川賞に相当する権威のある文学賞です。今回が日本では第一回目となります。そして、この海外版の特徴は学生が選考委員であるということです。フランスでは高校生が選ぶゴンクール賞というのがすでに長い実績を持ち、若者たちの視点が文学に注入されると同時に、若い活力を文学に呼び込む仕掛けになっているようですが、フランス以外でも26か国で学生選考委員によるゴンクール賞というのが存在しています。インドや中国でも行われているそうです。(2022/04/12)


難民
ロシア=ウクライナ戦争が明らかにしたイタリアの政界〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
120  ロシアがウクライナに侵攻して、約一か月が経ちました。毎日、ニュース番組のトップはウクライナの状況やウクライナとロシアとの対談の様子を伝える報道です。(サトウノリコ=イタリア在住)(2022/03/31)


コラム
中江兆民とウクライナの戦争  〜民主主義と時間〜
私は最近、「東洋のルソー」と呼ばれ、ルソーの社会契約論を日本に紹介した中江兆民の伝記や著書をいくつか読みました。YouTubeチャンネル「フランスを読む」で、フランスのボルドー・モンテーニュ大学で教鞭をとっているフランス人の中江兆民の研究者エディ・デュフルモン氏(ボルドー・モンテーニュ大学)にインタビューしたことがきっかけでした。いったい、なんでフランス人が中江兆民に関心を持つのだろう?というのが、私が抱いた謎でした。(2022/03/27)


核・原子力
【西サハラ最新情報】「地震、原発事故炉、原発再開、原発乱造」 平田伊都子
120  「2022年3月16日午後11時36分頃、宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測する地震がありました。この地震で気象庁は、宮城県と福島県の沿岸に津波注意報を発表しましたが、17日午前5時に解除しました。宮城県で2人、福島県で1人のあわせて3人が亡くなり、あわせて174人がけがをしました」と、NHK が速報を流しました。 (2022/03/20)


地域
【秩父市民新聞】足元の貧困に地方政治はどう向き合っているか―埼玉県秩父市議会の場合
 貧困と格差の拡大は今の日本でもっとも緊急の課題であり、メディアでも国政の場でも取り上げられることが多い。しかし、地方の小都市や農村における貧困は、目に見えず、ほとんど取り上げられることもない。だが、現実には住民のくらしの奥深くに沈みこんで拡がり、地域社会を蝕んでいる。地方政治家はこの目に見えない貧困にどう向き合っているか、筆者が住む埼玉県秩父市議会で最近あった出来事に触れながら考察する。なお、本稿では登場する議員はすべて実名表記した。選挙に立候補して選ばれ、人々の暮らしを左右する公職につくものとして、当然責任ある発言をしているはずだからだ。(大野和興)(2022/03/08)


欧州
ロシアによるウクライナ侵攻の影響〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
 今年に入ってからコロナ関連のニュースと共にトップニュースになっていたのが、ガス料金が値上がりするというニュースでした。イタリアはロシアからガスを買っているので、ロシア軍のウクライナ侵攻はガス料金に影響を与えるということが、具体的に私たちの生活にも表れています。先日我が家に届いたガス料金は昨年と比べて2倍になっていました。この問題が深刻なのはイタリアとドイツ。フランスは原子力発電所を持っているので、自国でエネルギー開発が出来るためです。かといって、イタリアが原子力発電所を造るという政策に転換するとは思えませんが。イタリアの問題は、ガスや電気など公共エネルギーを政府がコントロールしていないところともいえます。(サトウ・ノリコ=イタリア在住) (2022/02/28)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】地球の反対側で起きた巨大カルデラ噴火で津波 (下) 川内原発など火山地帯に近い原発の再稼働を許可してきた  | 規制委は、驕りを深刻に反省すべき 山崎久隆
 火山噴火により引き起こされる空気の振動は「空振」と呼ばれ、距離が近く、規模が大きければ、木が倒壊したり建物が破壊されたり鼓膜が破れるなどの被害を生ずる。遠ければ爆音として聞こえる。有史以来最大級の噴火とされる1883年のクラカタウ噴火では、4000km以上離れたところで聞こえたとされている。今回の空振は、アラスカでも観測されたというから、記録上史上最大の距離まで伝わったということになるかもしれない。(2022/01/31)


アジア
ミャンマー民主化とともに「もうひとつの日本」へ 広がる両国市民の連帯
 ミャンマーの国軍クーデターから2月1日で一年になる。民主主義の回復をもとめる広範な市民の非暴力「不服従運動」への国軍の弾圧は残虐さを増すばかりで、これに対抗する民主派武装組織と国軍との戦闘も激化している。この間、欧米諸国はミャンマー国民の側に立つ姿勢を明確にしているのに対して、日本政府はいまだに曖昧な態度をとりつづけている。それはなぜなのかを問うとともに、私たち市民のミャンマー民主化支援のあり方を考えてみたい。(永井浩)(2022/01/30)


検証・メディア
大阪府と読売新聞が連携  権力と報道の密着に批判が上がる
 先日、インターネットで署名を求める内容の書面が出ていたので読んでみたところ、大阪府と読売新聞が「包括協定」なるものを締結することに対する危惧の表明でした。「包括協定」の具体的な中身は不明でしたが、自治体と報道機関がそのような協定を結んだら、客観的あるいは批判的記事が書けないか、書けたとしても牙のないものになりはしないだろうかという危惧を誰しも抱いて当然です。(村上良太)(2022/01/06)


検証・メディア
米国政府の言論弾圧に沈黙するマスメディア  Bark at Illusions
 オスロのノーベル平和賞受賞式で「表現の自由」が祝福された同じ日に、ロンドンでは英国の高等法院(高裁)がウィキリークス創設者であるジュリアン・アサンジの米国への送還を認める判決を出した。米国政府は同国の戦争犯罪などを公にしたアサンジを “スパイ容疑” などで起訴し、英国政府に対して彼の身柄引き渡しを要求していた。判決が出たその日はまた、権威主義から民主主義を守るための“民主主義サミット”が米国政府主催で開催されていた日でもあった。なんという偽善に満ちた世界に我々は住んでいるのだろうか。(2021/12/20)


国際
【西サハラ最新情報】  「オミクロンがモロッコとアルジェリアにも、難民キャンプには?」  平田伊都子
120  <オミクロン>って、何ですか? (2021/12/19)


市民活動
情報公開法と公文書管理法の抜本的改正を 市民団体が都内で集会開催
120  臨時国会の開会日となった12月6日、奇しくも8年前の同日に強行採決で成立した特定秘密保護法の廃止を求め、市民団体が都内で集会を開催した。同集会では、特定秘密保護法を廃止に導くべく、情報公開法と公文書管理法の抜本的改正の必要性とそのための今後の取り組み等について語られた。主催は、「『秘密保護法』廃止へ!実行委員会」、「共謀罪NO!実行委員会」。(岩本裕之)(2021/12/08)


みる・よむ・きく
そこにいるのは「患者」ではなく「人間」 私たちは「悶え神」になる 『水俣曼荼羅』 笠原眞弓
120  水俣病は、悲惨で辛く、しかも相手は国策が絡んだ企業なので、救済され難いというのが定説です。この映画も、熊本県側が登場すると患者を見下す態度であふれています。この映画で見る限り、ちゃんと謝罪したと思えたのは、裁判で敗訴した時、潮谷義子前知事がこれまでの県の姿勢が間違っていたこと、それを自分が現知事として過去にさかのぼって謝罪すると言っただけです。(2021/12/04)


難民
「あなたたちは普通の人間ではない」 仮放免者が悲痛な訴え 学生・市民団体がオンラインイベント開催
120  就労や自治体での住民登録が認められず,公的な医療制度へのアクセスも断たれた“仮放免”の状況にある外国人は,全国に約3,000人ほどいるとされる。日本は国として難民条約に加入してはいるものの,実際に難民として認められる者はごくわずかで,難民として認められなかった者は,仮放免という不安定な立場で「いつ入管施設に収容され,強制送還されるかわからない」という不安と戦いながら日々の生活を過ごすことになる。入管施設に収容された在日外国人は実際にどのような扱いを受け,このような制度がまかり通る日本の現状をどのように受け止めているのか。11月13日に行われたオンラインイベントでは,現在仮放免の状態にある当事者がその思いを語った。主催は,BOND〜外国人労働者・難民とともに歩む会〜。(岩本裕之)(2021/11/15)


検証・メディア
人民新聞やウィキリークスへの言論弾圧は、マスメディアにとって「言及してはいけない」事実  Bark at Illusions
 今年のノーベル平和賞は、フィリピンの調査報道サイト・ラップラー共同創設者のマリア・レッサ氏と、ロシアの独立系新聞・ノーバヤ・ガゼータ編集長のドミトリー・ムラトフ氏が受賞することに決まった。それぞれの国における「表現の自由のための勇敢な戦い」が授賞理由で、2人は「民主主義と報道の自由がますます不利な状況に直面している世界」で報道の自由の「理想」のために闘っている「全てのジャーナリストの代表」なのだという。(2021/10/27)


反戦・平和
南西諸島(琉球孤)での大軍事演習に反対する!10.24集会&防衛省デモ
120 10月24日午後、文京シビックセンターで行われた「南西諸島(琉球孤)での大軍事演習に反対する!10.24集会」に70人が参加。主催は「大軍拡と基地強化にNO!アクション2021」と「戦争・治安・改憲NO!総行動」。(藤ヶ谷魁)(2021/10/27)


社会
【新型コロナ後遺症闘病記㉒】新型コロナ後遺症の器質化肺炎で絶賛入院14泊目 高士太郎
アッ(^^*)いま新型コロナ後遺症の器質化肺炎で絶賛入院14泊目(爆)の夜中だが、発症者の20%も肺炎に罹患というのが新型コロナウィルスだ(インフルエンザだと1%未満)。ステロイド治療で劇的に治癒するてゆうヒトもいるので期待したけど、そもそも肺炎て治すのに時間がかかる病気なんだネ。致し方ない。(8日)(2021/10/01)


国際
最も支援が必要な時にアフガニスタンから人も資金も逃避させる “国際社会”  Bark at Illusions
 欧米を中心とする “国際社会” は、アフガニスタンに住む人々のことなどどうでもいいようだ。米国の占領に協力してきたアフガニスタン人がタリバンの報復を恐れて国外に退避する必要があるのは理解できる。しかしタリバンのカブール制圧後、大使館職員など現地にいた外国人や現地の協力者が退避するだけでなく、 “国際社会” はアフガニスタン中央銀行が保有する資産の凍結や、経済支援を停止するなど、アフガニスタンへの資金の流入まで阻止している。(2021/09/03)


国際
【アフガニスタン】戦闘員はほとんどが対テロ戦闘の最中にタリバーンに加わった村の若者たちなのです 谷山博史
120  どうしてテレビのニュースは、来る日も来る日も空港に押し寄せる人々の様子ばかりを垂れ流すのでしょう。身の危険を感じる人たちがいることは確かです。彼らを安全に退避させるのはアフガニスタンを戦場にした国の責任でもあります。とはいえこうした垂れ流し報道は人々にの無用な不安をかき立て、「根拠のない不安」 (サビルラの言葉 )がさらに多くの人々を空港に駆り立てます。本当に救わなければならない生命すら救えなくなるのではないでしょうか。(2021/08/25)


国際
【アフガニスタン】アメリカの戦争とは何だったのか 谷山博史 
120  アフガニスタンでの対テロ戦争は講和なき戦争でした。有志連合による主要な戦闘が終わった後ボンで締結されたボン協定は、タリバーンを除くアフガニスタンの主要勢力と各国が結んだ協定で、和平協定ではありませんでした。アメリカにとって対テロ戦争はタリバーンの掃討戦争、すなわち根絶やしにする戦争だった (2021/08/22)


アジア
【ミャンマーからの手紙】銀行は閉鎖状態、やっと賃金支払い用現金を用意 O・H生
 昨日(7月30日)、やっと工場の人達200名弱のサラリー支払い用の現金を用意出来、ホット一息つけました。2月1日のクーデター勃発以後、銀行の事実上封鎖の事態となってから毎月のサラリーを用意する事に奔走して参りました。日系の銀行の日本人担当者の方たちも、殆どが日本又はシンガポールに退避されていて電話等を通じての依頼をしますが、ローカルの銀行はCDM等を理由に出金に応じてもらえません。(自分の預金が引き出せない=ペイオフ=通常で言えば”銀行破綻”)(2021/07/31)


アジア
国軍弾圧とコロナにあえぐミャンマーからの手紙
 ミャンマーで経済活動に尽力されている方から、ベリタにお手紙をいただきました。ミャンマー在住の多くの邦人、そしてミャンマーの普通の市民の思いを込めてのお便りでした。日本ミャンマー協会と軍事クーデターを起こしたミャンマー国軍との関係を報じたベリタ掲載記事に共感いただいたお手紙で、編集同人一同、感動しながら読ませていただきました。ミャンマーで暮らし、ミャンマーの人びととともに仕事をされている多くの邦人の思いを、ベリタ読者にお伝えしたく、ご本人のご了解を得て掲載いたします。(ベリタ編集長大野和興)(2021/07/29)


アフリカ
【西サハラ最新情報】   「オリンピック休戦中の戦闘」  平田伊都子
120  2021年7月16日、アントニオ・グテーレス国連事務総長がオリンピック休戦を、ビデオで宣言しました。 オリンピック開催日の前7日とパラリンピック閉会日の後7日を加えた、計59日間は戦争を止めようという呼びかけです。 1994年のリレハンメル冬季大会から、この行事が受け継がれてきました。 「人々と国家は、オリンピック休戦を礎にして、持続する停戦と恒久の平和への道筋をつけることができる、、」と、訴えるのですが、、 (2021/07/20)


国際
【西サハラ最新情報】  花開くアルジェリア外交と西サハラ
120  7月4日はイギリスから独立を勝ち取ったアメリカの独立記念日で、7月5日はフランスから独立を勝ち取ったアルジェリアの独立記念日です。ジョー・バイデン・アメリカ大統領がアブデルマジド・テッブン・アルジェリア大統領に、「独立記念日、おめでとうございます。アルジェリアとアメリカが、これからも益々、経済的文化的な絆を強めていくことを願っております」と、2021年7月1日に祝電を送りました。 社会主義諸国を天敵とするアメリカが祝電?、、珍しいことです。(2021/07/06)


【追悼伊藤由紀夫さん】なぜ少年法適用年齢の引下げ反対なのか(2)現行法の有効性と目的が見えない安倍政権の短慮 伊藤一二三
 なぜ、少年法適用年齢の引下げに反対する意見書が出るのか、その背景事情についての報告を続けたい。なお、現行少年法による、家庭裁判所でのケースワークに基づく教育的措置や、裁判官の審判による少年院送致、保護観察といった決定について、伝統的な法律用語では『保護処分』と呼ばれてきた。この『保護処分』という言葉が、一般には「甘やかし」といった誤解を生んできた面は否定できない。しかし、前回も報告したように、「刑罰に代えて教育を」という少年法の理念は、再犯防止を図る上でも極めて重要で、実態として、甘やかしではなく刑罰以上に厳しい面がある。(2020年5月29日掲載)(2021/05/24)


国際
【西サハラ最新情報】   ケンタッキー競馬に行った事務総長  平田伊都子   
120  アントニオ・グテーレス国連事務総長が、現地時間の5月1日にアメリカのケンタッキー州で行われたケンタッキー競馬にお忍びで行きました。 普通の時なら、「事務総長も賭け事が好きなんだ、、俗物だね」ぐらいで、済む話です。 しかし、世界中をコロナ禍とワクチン禍に巻き込んだ張本人が、コロナ禍でアップアップしている人々を放ったらかしにして<競馬>!? マジっすか? (2021/05/05)


医療/健康
ワクチンに感染予防効果があるどうかの議論 混同される「感染」 落合栄一郎
「感染」という言葉の意味に問題がある。感染には2段階ある。第1段は、個人AからBへと病原体が移動すること(transmission)、第2段は、その病原体がBの中で生理的反応(病気の症状)を起こす(infection)。感染問題を議論する際に、しばしば、この2つが混同されている。(2021/04/24)


アジア
クーデター後の日本政府の対ミャンマー支援 国軍との経済的関係を断ち切るためには〜日本の市民団体が院内集会を開催〜
120 ミャンマーでの軍事クーデター発生から約2ヶ月が経過。アメリカやイギリスが国軍系企業への制裁を強めていく中、日本政府は未だに具体的な措置を何一つ取っていない。これまで日本が強調してきた「国軍との独自パイプ」は一体どこへ行ってしまったのか。また、国軍の懐へと流れていく日本の公的資金をどう止めていくべきか。(藤ヶ谷魁)(2021/04/09)


アジア
「日本のお金で人殺しをさせないで!」 ミャンマー国軍支援があぶり出した「平和国家」の血の匂い
120  「日本のお金で人殺しをさせないで!」──国軍クーデターから2ヶ月後の4月1日、外務省前で行われた「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会」で、在日ミャンマー人が手にしていたプラカードである。この呼びかけは私に、日頃気づかなかった日本の平和にひそむ血の匂いをかぎ取らせてくれた。それとともに、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」と記した日本国憲法前文の「平和」の実現に何が必要なのかを考えさせられた。(永井浩)(2021/04/09)


アジア
日本政府に更なる圧力を! 外務省前「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会」の報告と呼びかけ
120  国軍クーデターから2ヶ月となった4月1日、外務省前で行われた「ミャンマーの平和と民主主義を求める集会〜日本政府に国軍の暴力を止めるための具体的な行動を求めます」に参加した「武器取引反対ネットワーク:NAJAT」の杉原浩司さんの報告と呼びかけを紹介する。写真も多数添えられている。https://kosugihara.exblog.jp/240912876/(2021/04/05)


アジア
繰り返されるミャンマーの悲劇 繰り返される「民主国家」日本政府の喜劇
 ミャンマーの国軍クーデターから2ヶ月。この政変が起きた2月1日の本サイトで、私は「日本政府は今度こそ民主化支援を惜しむな」と書いた。政府はこれまで、同国の民主化を支援するという空念仏を唱えるだけで、事実上軍政の延命に手を貸してきた事実を知っていたからである。だが、私の期待は裏切られたようだ。民主化運動への国軍の弾圧は残虐化するいっぽうなのに、「民主国家」日本の政権担当者は国軍「非難」の談話などを出すだけで、欧米諸国のような制裁には踏み切れない。なぜなのかを理解するために、私は古い取材メモなどをあらためて引っ張り出してみようと思った。(永井浩)(2021/03/30)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】福島原発千葉訴訟控訴審判決−東京高裁で東電と国の責任を認める 「対策を講じていれば、電源喪失には至らなかった」 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 2月19日、東京高裁、白井幸夫裁判長は福島県から千葉県に避難した住民ら17世帯43人が、国と東電への損害賠償請求訴訟控訴審判決で、東電にだけ賠償を命じた一審の千葉地裁判決を覆し、国の法的責任をも認める逆転判決を下した。国が東電に対する規制権限を行使しなかったことを「違法」としたうえ、東電に計約2億7800万円の賠償を命令、そのうち約1億3500万円については国と連帯して支払うよう命じた。(2021/02/20)


アジア
ミャンマーの民には義理がある! 日本軍兵士たちが戦場で見た「もうひとつのビルマ」
 ミャンマー国軍のルーツと『ビルマの竪琴』幻想にふれた拙文にたいして、いくつかの感想をいただいた。「『ビルマの竪琴』の欺瞞性は初めて知ることです。戦後日本の平和はこうした欺瞞に満ちていることを改めて感じました」もその一つである。では、作家による虚構の世界ではなく、じっさいに過酷なビルマ戦線を生きのびた日本軍兵士たちは、戦場で何を見、日本が戦火に引きずり込んだビルマの人びとをどのように思っていたのだろうか。二人の元日本兵の体験記は、ふつうの民が示してくれた優しさに戦後も深い恩義を感じ、それに私たちがどう報いたらよいのかを考えようとしている。ビルマの民のこころ根は、いま軍政に立ち向かうミャンマー市民にうけつがれているように思われる。(永井浩)(2021/02/18)


コラム
<追分だより>:大坂なおみは森発言を「本当に無知」と痛烈批判 メディアは「ちょっと無知」と歪曲報道
 大坂なおみさんは、女性蔑視の森発言を「really ignorant (本当に無知)」と痛烈に批判。ところが、国内メディアは「ちょっと無知だった」という発言にして報道しました。彼女の発言を歪曲してまで森氏をかばう日本のマスコミ。信用できません。なおみさんに対しても、失礼ではないでしょうか。(2021/02/14)


欧州
自由を手に入れるために、島を造った男〜チャオ!イタリア通信
120  コロナウィルスのために映画館が閉鎖され、我が家はもっぱらネットフリックスやAmazonプライム・ビデオで映画を見ています。イタリアはほぼ1年間映画館が閉鎖されっぱなしなので、新作映画はこういった動画配信サービスを利用して公開されています。 (2021/02/01)


コラム
俳優のジャン=ピエール・バクリさんが亡くなる
 ついこの間、フランスの俳優のクロード・ブラッスールさんが亡くなったことを書いたと思ったら、残念なことに1か月とたたないうちに、今度はジャン=ピエール・バクリさんが亡くなった。ガンによる死だという。享年69.フランス人の友人や知人たちの多くが悲しみをいろんな形で表している。バクリさんもブラッスールさんと似て、2枚目俳優ではなく、3枚目の俳優だった。バクリさんには脚本を一緒に書く奥さんで、女優で、監督でもあるアニエス・ジャウイさんだ。この二人がコンビで脚本を書いた「ムッシュ・カステラの恋」(‘Le gout des autres‘、2000年 )は本当に素晴らしかった。二人は共演し、監督はジャウイさんがつとめた。テーマの見つけ方、人間を描くときの深さなど、心に焼き付く作品で、私は10回以上見た。(2021/01/19)


国際
暴力による民主主義の破壊は、米国政府がこれまでずっと国外でやってきたことだ  Bark at Illusions
 米国の大統領選挙に勝ったのはドナルド・トランプだと信じて疑わないトランプ支持者たちが連邦国議会に乱入し占拠した事件に対して、驚きや憤りの声が広がっている。(2021/01/19)


人類の当面する基本問題
(36)人類文明の転換期日を象徴する「3.11」と「9.11」 今年は10年、20年の節目の年 落合栄一郎
 2021年3.11日は、コロナ禍のパンデミックがWHOによって宣言されてちょうど1年、東日本大震災、それに伴って発生した福島原発事故から10年の節目の年になります。そして半年後の9.11日は、アメリカ本土(ニューヨーク、ワシントン)でのいわゆる同時多発テロ事件から20年目、そして今より半世紀ほど前の1973年9.11日は、チリでの選挙で選出された大統領アイエンデ をピノチェット率いる軍事クーデターで倒すという事件。これは、実は、これによって政権を獲得した側が、アメリカの後押しで、経済の「新自由主義」的施策を始めたという画期的事件で、経済の「新自由主義」の実現(理論はもっと前から)発祥点と考えられている。こう見てくると3.11、9.11は、ともに人類文明の転換期日を象徴しているようである。(2021/01/03)


コラム
マリーヌ・ルペンの年末のメッセージ  2021年はフランスの政治に重要な1年になるだろう
かつて国民戦線(FN)だった極右政党は今、国民連合(RN)に名前を変えて、党首にマリーヌ・ルペンを頂き、政治勢力の躍進を続けている。2022年はフランスの大統領選の年であり、2017年にエマニュエル・マクロンに敗れた彼女は来年こそと勝負をかけてくるだろう。その気持ちは12月の暮れに彼女が発信したメッセージに込められていた。その言葉の中で、2020年は悲惨な年であったが、COVID−19以上に犯罪者のイスラミスト勢力が繰り返しフランスで仲間をテロで斃したと強調した。彼らにフランスを壊させてはならないと訴え、2021年には地方選挙があるので、皆さんの意志を見せてくださいと訴えた。(2021/01/01)


外国人労働者
コロナ禍で明らかになった日本の国際人権意識と市民社会の取組〜オンラインイベント「国際移住者デー2020」
今年はまさに新型コロナウイルス一色の1年だった。コロナ禍により、様々な問題点が浮き彫りになった1年とも言えるが、日本社会が抱える大きな問題点、とりわけコロナ禍により改めて直視する必要に迫られているのが在日外国人の問題ではないだろうか。 (2020/12/31)


アジア
タイの民主化デモとスラックさん 仏教の教えをいかす変革めざす
 軍政に反対するタイの若者たちの民主化要求デモのニュースを追いながら、私は毎日新聞バンコク特派員だった1980年代前半に取材したタイの人たちが現在の状況をどのようにみているだろうかと思い巡らせている。当時は、時の軍事政権を打倒した1973年の「学生革命」によって切りひらかれた民主化時代が軍部の反撃で暗転した冬の時代だった。それでも民主化運動にかかわった元学生活動家や知識人、労働者、作家、ミュージシャン、スラムの住民リーダーらは闘いをあきらめず、政治のみならずさまざまな問題について日本人記者に多くのことを教えてくれた。そのなかの一人が、スラック・シワラックさんである。(永井浩)(2020/12/03)


欧州
コロナウィルス第2波で、どうなるのかクリスマス 〜チャオ!イタリア通信
120  10月に入り、イタリアにもコロナウィルスの第2波がやってきました。9月14日に学校が始まった時点では、新規感染者数はまだ1,008名でしたが、その一か月後には7,332名、首相令が出た11月3日には28,244名と一気に増えました。11月上旬、新規感染者は40,902名となり、11月3日の首相令で、イタリアは3つのゾーンに区分されることになりました。感染者が多く危険度が高い順から、レッド、オレンジ、イエローの三つのゾーンで、主に州で区分けされています。 (サトウ・ノリコ=イタリア在住)(2020/12/01)


人類の当面する基本問題
(32)COVID-19感染者数まだ不透明 PCR検査のプライマー問題 落合栄一郎
 現在、欧米諸国、日本では、COVID-19感染者が激増していて、ほとんどの報道機関は、4,6時中,今日は感染者が過去最高の“何”名になったと言い続けている。このシリーズの最初に感染を検査するPCR検査法について次のような疑問を呈した(注1)。“この問題点の基本は、PCR検査の正確さ。すなわち、基本的には、PCR検査での陽性は、本当に検査対象者がこのコロナウイルスに感染した(症状が出るほどに充分な数のウイルス(いや、それに含まれるRNA(それから変換されたDNA))が検体にあったことを充分正確に検証できているのか。検査の正確さを期すためには、サンプルの取り方、その処理の仕方、プライマー(どのようなプライマーが用いられているか─ウイルスのRNA(を変換したDNA)のどこの、どのぐらいの長さのプライマーか)の選択、DNA複製を何回繰り返すか、その他、さまざまな問題点があるが、世界中の各所で充分な検討がなされた上で、PCR検査が行なわれているのか。PCR検査対照の選択の妥当性など。その結果の感染者数(陽性者数)は真の感染者数を表現しているか。“(2020/11/28)


人類の当面する基本問題
(31)新コロナウイルス禍の実態まだ不明−3 インフルエンザとの比較 落合栄一郎
 現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の脅威は、「インフルエンザとあまり違わない、故に、大騒ぎする必要はない」という議論があります。そこで、事実を検討してみます。(2020/11/17)


みる・よむ・きく
 よくも悪くも「群衆」が時代を作るとしみじみ思う 『国葬』『粛清裁判』『アウステルリッツ』(セルゲイ・ロズニツァ監督の3作品の同時上映)笠原眞弓
120 スターリンの死と彼の行った粛清、そして現代ドイツの人々の3作品を「群衆」というテーマで括って一挙に上映されている。監督のセルゲイ・ロズニツァは、日本で1本も上映されていないが、20本のドキュメンタリーと4本のドラマ作品があり、それぞれ国際的に評価されている実力派だ。その監督が近年発表した作品である(2020/11/15)


人類の当面する基本問題
(29)新コロナウイルスによる感染者数・死亡者数 実数はまだ不明 落合栄一郎
 現在世界中に蔓延している新コロナウイルス(SARS-CoV-2)による病気(Covid-19)が引き起こす医療・経済・社会問題、人類が初めて直面する複雑・深刻な問題のようである。まずは、深刻さを示すとされる感染者数の拡大すなわち、感染者数,死亡者数などの本当の数値を知る必要がある。2020年10月18日現在の公式の全世界の感染者(これまでにPCR検査で陽性と判断されたもの)は4千万人、死亡者数(陽性と判断された上で死亡したものの数と仮定)は百十万強となっている(ここでの議論は、ワシントンポスト2020.10.18のデータ(注1)に基づく)。(2020/10/22)


コラム
安倍首相と雄弁術
安倍首相が辞任した。7年にわたる長期政権が終わり、安倍首相の悲願だった改憲も頓挫した。安倍首相は安保法制などを強行採決で通したことで、名を捨てて実を取ったと留飲を下げているのかもしれない。いずれにしても、安倍首相は2016年あたりまでは躍進していたが、それ以後はスキャンダルや反対する人々の抵抗にあって、いつしか推進力を失ってしまった。この失墜の原因は何かと考えると、人によって答えが違うと思うが、私は安倍首相に雄弁術がなかったことが大きな原因ではなかったかと思うことがある。(2020/10/17)


文化
「映像の中の身体性」    髭郁彦(記号学)
空間的にも時間的にも隔たりのある異なる二つの言表であっても、そこに何らかの共通点、類似点、補足点といった連関性が見出されるならば、その二つの言表は対話関係を構築する。これはミハイル・バフチンが強く主張した考えである。ジュリア・クリステヴァはバフチンの主張をテクスト間の問題として捉え直し、間テクスト性という概念を提唱した。しかし、こうした関係を構築できるものは言語記号だけではない。ある絵画と他のある絵画、ある写真と他のある写真、ある映画と他のある映画においても見出し得るものである。もちろんこの関係を、ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリの用語に従って横断性と呼ぶことも可能であるが、どのような用語で呼ぶかは重要ではない。ここで探究しようと思う事柄が、以下で詳しく検討する映像作品の考察を通して想起された問題だからである。(2020/10/03)


みる・よむ・きく
ジャック・ベッケル監督「肉体の冠」(Casque d'or , 1952)
  ジャック・ベッケル監督(1906-1960)と言えば「現金に手を出すな」や「穴」など、ギャングや犯罪がらみの映画が得意な職人的監督として知られており、1952年に公開された「肉体の冠」もそうした系譜の映画です。主演は「嘆きのテレーズ」のテレーズ役など、恋人を地獄に突き落としてしまうファム・ファタール(運命の女)役で定評のあるシモーヌ・シニョレと、彼女に愛されたばかりにやっぱり悲痛な死を迎えるセルジュ・レジアニです。原題の「金のヘルメット」(Casque d'or)が邦題では「肉体の冠」と改変されていますが、「金のヘルメット」とはシニョレが金髪で、「金のヘルメット」というニックネームのついた娼婦を彼女は演じています。(2020/10/01)


米国
トランプはファシストか? ――ある意味では
 アメリカの大統領選が間近に迫る中、あらためて自問自答してみた。トランプ政権はファシストであり、ファシストとして扱われるべきだが、ドナルド・トランプ自身はどうか? まあ、ある意味ではそうなのだがーー。(ダグラス・ミラー=アメリカ在住)(2020/09/30)


みる・よむ・きく
大庭英子著「パンでごはん」  何気ないパンを自宅でご馳走にするノウハウ
西東社から刊行された「パンでごはん」(大庭英子著)は、今こそそのありがたみが今まで以上に実感できる本でしょう。トースト、サンドイッチ、ロールパンなど、スーパーで買える日常のパンに一工夫して、自家製の総菜パンを作るノウハウが詰まっています。たとえばトーストならバターを塗るだけでなく、1つ加えて、たとえばゆずこしょうバターやチーズ黒こしょうバター、バジルバターなど、トーストの世界が大きく広がります。あるいはツナマヨディップやアボカドディップのように、パンに載せて食べるディップの提案も出ています。トーストなど何十年と食べていながら、マーガリンかバター、あるいはジャムを塗るぐらいしか、やったことがありませんでした。(2020/09/28)


アジア
【声明発表と賛同署名の募集】 ---- いまこそ日韓関係の改善を ----
 元雑誌『世界』編集長の岡本厚氏ら言論界、研究会、市民運動家らが呼びかけ人(2020年9月22日現在 118名)となって9月18日、「いまこそ日韓関係の改善を」と題する声明を発表、賛同署名を募っています。声明は、安倍政治からの転換が求められているいまこそ問題解決の第一歩を踏み出すべきだとして日韓首脳会談の開催、元徴用工問題の打開を図るべきだと主張、「日本政府は、まずは輸出規制措置を撤廃すべきです」と提起しています。(大野和興)(2020/09/24)


みる・よむ・きく
エリック・ゼムール著「女になりたがる男たち」
エリック・ゼムールと言えばフランスメディアではムスリムに対して排外主義的な論客として知られていますが、この新潮新書の「女になりたがる男たち」では女性化するフランスの男性ひいては社会を批判的に語っています。フェミニストたちに男性が洗脳され、古き良き男たちの世界が没落しつつある、と注意を喚起しているのです。筆者はエリック・ゼムールは、本当に排外主義なのか、それともフランスのメディアで食っていくために排外主義的なポジションから面白おかしく風俗を語り、進歩派を皮肉る芸風なのか、判断しがたいところがあると思っています。実際、ゼムールには軽さがあって、殺意すら感じさせるような威圧感を持って話したことはありません。ですから、フランスのメディアも安心して、左翼あるいは進歩的な文化人や政治家をトークショーで特集する時はゼムールをかませて、話に陰影をつけることをしてきました。(2020/09/19)


検証・メディア
中国だけが民衆に強圧的なのか メディアは翻って日本国家の所業も問うべき Bark at Illusions
 今年6月に成立・施行した香港の国家安全維持法を巡って、中国政府に厳しい目が向けられている。国家分裂や政府転覆、テロ活動、国家の安全を外国勢力と共謀で害する行為を犯罪として処罰する同法によって香港の自由が制限され、中国が香港返還の際に英国政府と約束した「一国二制度」が形骸化するというのがマスメディアの一致した見解で、8月に親米派の活動家たちが同法違反容疑で逮捕された際には再び批判の声が高まった。マスメディアは現在香港で起こっていることについて、我々の社会とは異なる権威主義的な中国共産党に特有のものであるかのように論じているが、本当にそうだろうか。(2020/09/03)


中国
対中国外交はまるごとアメリカ追従で良いか 阿部治平:もと高校教師
最近の米中関係で画期的なできことは、ポンペオ国務長官が7月23日にニクソン米大統領図書館でおこなった演説である。彼は、習近平主席は全体主義者だとか、中国は専制支配を世界に広げているとかと、外交官らしからぬ言葉で中国を痛烈に攻撃し、ニクソン大統領以来の対中「関与政策」すなわち中国の民主化を期待する政策との決別を宣言した。 (2020/09/02)


検証・メディア
イランはアラブ諸国にとって脅威なのか  Bark at Illusions
 米国政府の仲介で、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が国交正常化で合意した。パレスチナ問題を巡って見かけ上は対立してきた両国が今回の合意に至った理由について、マスメディアはイランの脅威が背景にあると説明する。(2020/08/26)


生活
日本に生きるすべての人に平等な公的支援を!新型コロナ災害緊急アクションが報告会・政府交渉を実施
 日々変化する新型コロナウイルスの感染状況。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、8月21日、新型コロナウイルス感染症の拡大状況について、「全国的に見れば、7月27日から29日にピークに達した」との見解を発表した。7月27日に最多の817人に達して以降、新規感染者は減少傾向にあるという。一方で、同分科会で西村康稔経済再生担当大臣は「中高年層への感染拡大が見られ、重症者も徐々に増加傾向を示している」と述べており、まだまだ油断のできない状況が続いている。(岩本裕之)(2020/08/22)


関生反弾圧市民情報センター
権力は何を怖れたのか 1年9カ月の長期拘留を経た武委員長が語る反転攻勢と社会変革の道筋
 641日という長期拘留の末釈放された連帯労組関西生コン支部の武委員長を迎えて、月刊新聞『コモンズ』がインタビューを掲載した。戦後最大の労働運動弾圧が関生労組になぜかかけられたのか、権力は何を怖れたのか、武委員長は改めて関生型労働運動の本質に立ち返り、今回の大弾圧の本質を明確に解き明かした。延べ89人の逮捕者を出し、苛烈な経済的締め付けで同労働組合は大きな打撃を受けた。一方セメント資本もこれから本格化するコロナ不況と資本の進展を支えてきたグローバリゼーションの行き詰まりの中で矛盾を深めている。これからの展望について、武委員長は産業別労働運動と協同組合社会・経済構築という二本柱を軸とする反転攻勢についてもインタビューの中で明確に提示している。(大野和興)(2020/08/11)


コラム
メディアのエコロジー  荒鷲からフンコロガシまで
筆者がこのインターネット媒体、日刊ベリタに初めて記事を書いたのは2009年8月のちょうど今自分で、かれこれ丸11年になります。その頃、取っていた新聞は朝日新聞だったのですが、そこにインターネット新聞が苦境にあることが書かれた記事が掲載されたことがありました。日刊ベリタの編集長になって間もない大野和興氏のコメントも添えられていました。その記事の核は日刊ベリタではなくて、たしか同様のインターネット新聞だったジャンジャンが廃刊になったことだったと記憶しています。ジャンジャンの編集長が市民記者を育てようとしたけど、ギャラの配分でお金が不足し、経営が維持できなくなった旨が書かれていました。日刊ベリタが存続できているのは書き手が無報酬でやっているからです。(2020/08/10)


検証・メディア
PCR検査拡充の動きに水をかけるNHK  Bark at Illusions
 新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐためには、徹底したPCR検査が欠かせない。検査によって感染者を発見して隔離・治療を行う。これは国際的な共通認識であり、新型ウィルスの脅威に直面している現在、専門家でなくても理解できることだろう。ところが日本の “公共放送”NHKは、視聴者にPCR検査の拡充が重要ではないかのような印象を与えている。(2020/08/05)


コラム
初めてハンバーグを作った日
120 自分がハンバーグを家で作る日が来るだろうということは想像したことがなかった。いつかはいいキッチンをもってその時は自分で調理をしようという風には30年間思っていたけれど、その時、僕の脳裏に浮かぶ「料理」は肉じゃがとか、魚の煮つけ、あるいはビーフシチューみたいなもので、その中にハンバーグは入っていなかった気がする。それはなぜだったのだろう。ハンバーグはこの間のポテトサラダと同じで、外側から中身がわかりにくい料理だからかもしれない。だから具体的なイメージが伴わなかった気がするのだ。肉じゃがだったら牛肉、糸こんにゃく、ジャガイモ、玉ねぎで何となく作っている映像が浮かぶのである。だが、ハンバーグは肉の塊と言っても中に何が混ぜ込んであるのかよくわからない。(2020/08/04)


アジア
ソウルのろうそくデモを支えたソウル市長、朴元淳さん さようなら
120  ソウル市長の朴元淳さんが自殺をした事件は韓国のみならず、日本でも大きな悲しみを起こしています。日刊ベリタでは2016年11月にソウルのろうそくデモの記事を出しました。この記事はソウルを訪ねた在日韓国人の方の情報に基づいていました。大統領という最高の国家権力者と闘う市民の姿が描かれていていました。日本と比べると、市民の民主主義への願いの強さ、その思想および行動の力を見せつけられた気がしました。そのデモを支えていた人物がソウル市長だった朴元淳さんでした。2016年の記事をもう一度ここに掲載いたします。(2020/07/25)


みる・よむ・きく
最近読んだ本 「フランスのポスター」(京都工芸繊維大学美術工芸資料館デザインコレクション)   スギハラ シズカ
120 いつも読んで(見て?)いる本のうちの一冊. (2020/07/12)


中国
香港版「国家安全法」可決で、周庭さんが香港デモシストから脱退を表明
 香港版の国家安全法が成立したということで、一定の条件をクリアすれば一国二制度とはいえ、香港の住民が中国に送られて裁判にかけられる可能性もあると言います。このことから、香港で民主運動をしてきたアグネス・チョウ(周庭)さんが政治団体デモシストから脱退することをツイッターで本日表明しました。「生きてさえいれば、希望があります」と思いをつづっています。この言葉は個人ではもはや動かせない圧倒的な力の存在を感じさせます。(2020/06/30)


欧州
コロナウィルスに振り回された子どもたち〜チャオ!イタリア通信
120  イタリアのコロナウィルス感染状況も、5月後半からだいぶ落ち着いてきました。今も200人単位での新規感染者は出ていますが、半分以上はロンバルディア州です。州の間で論争はありましたが、6月4日からはイタリア全土で州をまたいで移動ができるようにもなりました。以前と変わったのは、マスクを着けるようになったことと、お店やバール、レストランなどあらゆるところで消毒液が置かれるようになったことです。(サトウ・ノリコ=イタリア在住)(2020/06/30)


政治
大手広告代理店とマスメディアと政府  「第四の権力」も独立を
新型コロナウイルスに関する持続化給付金の事業の電通への再委託問題で、大手広告代理店と政府あるいは自民党との関係が改めて問われています。電通が自民党のイメージ戦略にかなり以前から関与していたことが研究者によって論じられていますが、識者の中にはこのこと自体には問題がない、という人もいます。アメリカなどでも広告企業が政党や政治家のイメージ戦略を担当するのは常識だ、と。しかし、その常識は本当に正しいのでしょうか。よく言われるようにメディアは「第四の権力」です。(2020/06/12)


コラム
赤信号みんなで渡れば怖くない では、みんなで学歴詐称すれば・・・
学歴詐称がテーマになっているようです。私の場合も学歴詐称するほどの市場的な値打ちに乏しい大学卒業者なので、就職の履歴書に厚かましくも<ハーバード大学卒業>とか<モスクワ大学卒業>とか、書いてみたかった。もしそうなったら、どのように周囲の世界が変わりうるのか、実験してみたかった気がします。このことは、20世紀に作家の安部公房が生涯追いかけて描き続けたテーマと深く重なってきます。(2020/06/09)


文化
非在の存在性:岡本太郎と沖縄  髭 郁彦(記号学)
刈り取られ、だだっ広い空間だけが残った耕地。頭の上に大量の干し草を載せて運んでいる農婦。山のように積まれた干し草は農婦の顔を完全に覆っている。空は高く、からっぽの大地の中に一人。こちらに向かい歩いて来る。「岡本太郎の沖縄」という展覧会のビラに使われていた一枚の写真に私の視線が惹きつけられた。7月6日から10月30日まで、青山にある岡本太郎記念館で開かれている返還前の沖縄の写真展。それを知るきっかけとなったのはこの写真だった。岡本は芸術家であると共にフランスの民族学者・社会学者のマルセル・モースの弟子であり、思想家のジョルジュ・バタイユの友人であった。その事実を私は赤坂憲雄の書いた『岡本太郎が見た日本』を読んで初めて知った。(2020/06/06)


文化
不気味なエクリチュール  髭 郁彦
※2016年のテキストの転載です。6月11日から7月3日まで三鷹市美術ギャラリーで太宰治資料展兇開催されていた。展示物の中に「水仙」と名づけられた太宰の油絵があった。それは薄気味悪さや違和感を覚えるものである一方で、哀れさと儚さを内包しているような不思議な印象を抱かせるものであった。「この絵を描いた一年後に太宰は短編小説『水仙』を発表した」。解説文に書かれていた言葉が気になった。小説の存在を知らなかった私は絵と小説との連関性を探ってみたいと考えた。だが雑事に追われ、すぐにこの作品を読むことができず、7月の終わりになり、やっと『水仙』を手にすることができた。強く惹きつけられるような魅力ある作品ではなかったが、探究すべきいくつかの重要な問題が内在している。そう感じた私はこのテクストを書き始めた。(2020/06/01)


文化
日本会議について   髭 郁彦 (記号学)
  近代国家が成立して以降、どんな時代にも、どんな国の中にも、愛国心の重要性を叫ぶ思想は存在していた。また、愛国心をイデオロギー的中核とし、自国中心主義を主張する思想も存在していた。それゆえ、日本における反共産主義を基盤とした右翼思想に言及する発言には目新しさはない。だが、今までマスコミにほとんど取り上げられることがなかった日本会議という謎の右派組織について語るとなると事情は大きく異なる。今年の4月以降、日本会議に関する本が続々と刊行されている。(2016年に発表されていたものの転載です)(2020/05/31)


欧州
イタリアで、なぜコロナウィルスの感染爆発が起こってしまったのか〜チャオ!イタリア通信
120  5月18日、イタリアのロックダウンがかなり解除され、現在6月に再開されるとされていたレストランやバールも営業できるようになりました。ソーシャルディスタンスを守るという規定はありますが、それでも大きな前進で、私の住む町も以前とほぼ変わらない様子になってきました。(サトウ・ノリコ=イタリア在住)(2020/05/30)


司法
なぜ少年法適用年齢の引下げ反対なのか(2)現行法の有効性と目的が見えない安倍政権の短慮 伊藤一二三
 なぜ、少年法適用年齢の引下げに反対する意見書が出るのか、その背景事情についての報告を続けたい。なお、現行少年法による、家庭裁判所でのケースワークに基づく教育的措置や、裁判官の審判による少年院送致、保護観察といった決定について、伝統的な法律用語では『保護処分』と呼ばれてきた。この『保護処分』という言葉が、一般には「甘やかし」といった誤解を生んできた面は否定できない。しかし、前回も報告したように、「刑罰に代えて教育を」という少年法の理念は、再犯防止を図る上でも極めて重要で、実態として、甘やかしではなく刑罰以上に厳しい面がある。(2020/05/29)


検証・メディア
新聞労連は選挙当日の自民党の選挙広告について見解を出してほしい メディアはスポンサーを批判できるのか?
今回、黒川検事長と違法の賭けマージャンを朝日と産経の記者が繰り返していたことが発覚した問題で、新聞労連は「賭け麻雀」を繰り返さないために、という声明を出しました。そこでは次のように結ばれています。<「賭け麻雀」は市民や時代の要請に応えきれていない歪みの象徴です。 次世代の記者が同じような歪みを我慢し、市民からの不信にさらされないように、各報道機関の幹部には体質の転換に向けた具体的な行動を強く求めます。>(2020/05/27)


みる・よむ・きく
最近読んだ本 石井好子著『パリ仕込みお料理ノート』  スギハラ シズカ
120 『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』の著者石井好子さんは、パリにてシャンソン歌手としてデビューューし、数々の料理エッセイも出しています。読んでいると本当にこの方は食べることとお料理が好きなんだろうなと思う。本当に美味しそうでいい匂いがしてくる感じ。気取った料理ばかりではなく等身大。でも高カロリーそうなので、ご用心(2020/05/25)


文化
過去の物語は誰が作り上げるものなのか?  髭 郁彦 (記号学)
太宰治は『弱者の糧』の中で「映画を好む人には、弱虫が多い」と述べている。私は映画が格別好きではないが、嫌いでもない。でも、弱虫である。自慢のできる話ではないが、権力とりっぱに戦ったためしもなく、週に何度も映画館に通うということもしたことがない。弱虫の凡人である。そんな私でも、偶然知った映画が気にかかり、映画館に入ることがある。片渕須直監督作品「この世界の片隅に」を見ようと思ったきっかけは、偶然見たテレビ番組で、映画制作のために、この監督に質問を受けた一人の男性が語っていた言葉であった。(2017年の文章を掲載します)(2020/05/21)


コラム
NHK経営委員会:オリンピック重視の予算配分にリスク管理の視点が欠けていなかったか検証を
NHK経営委員会はいったい何のために存在する組織なのだろうか?そこに集まる人々は〜経営委員長を含めて〜果たして国民の代表と言えるのだろうか?あまりにも、国民や視聴者からかけ離れていなかったのか。NHKは今回、延期になった東京五輪に総額いくらの予算を組んでいたか、また番組は何本が作られることになっていたかをまずは公開することが先決だろう。(2020/05/16)


みる・よむ・きく
批評家モーリス・ナドーがロラン・バルトに切り込んだ対談「文学について」( sur la littérature)
120 新型コロナウイルスで外出を控えている昨今、長い間、読めずに積んでおいた本を何冊か手に取りました。1冊は、正味40数ページの対談なのですが、第二次大戦後、フランスで活躍した批評家・編集者のモーリス・ナド―が構造主義の大物の一人、ロラン・バルトにインタビューを行った対談の文字起こしです。ロラン・バルトと言えば、最初に読んだのは「零度のエクリチュール」という本でしたが、わかったような、わからないような。当時は構造主義に疎かったこともあって、十分に理解しきれませんでした。その後も、「物語の構造分析」とか、「記号学の冒険」、「神話作用」、「新=批評的エッセー〜構造からテクストへ〜」、「エッセ・クリティック」などなど、いつか読もうと書棚に積んでいたものの、事情で転居する際に、ほとんど全部未消化のまま、処分してしまいました。(2020/05/07)


憲法
コロナ禍の中で「5.3憲法集会2020」がオンライン配信〜安倍政権による改憲阻止に向けて〜
日本全国が新型コロナウイルスの感染拡大に頭を悩ませている中、安倍首相は先月、衆院議院運営委員会において、「国会の憲法審査会の場で与野党の枠を超えた活発な議論を期待したい」と発言し、「緊急事態条項」の導入も視野に入れた改憲議論を呼び掛けた。これに対し、国民からは「不要不急の議論だ」などと批判の声が上がっている。(藤ヶ谷魁)(2020/05/04)


日本政府は圧力一辺倒に回帰するのではなく、朝鮮政府と対話する意思を行動で示すべきだ  Bark at Illusions
 人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは安倍政権に対して朝鮮の人権問題に強い姿勢で臨むよう求めている。安倍政権は昨年3月、2008年以来続けてきた国連人権理事会への対朝鮮非難決議案の共同提出を見送り、同年5月には前提条件を付けずに日朝首脳会談の実現を目指す方針を示しているが、ヒューマン・ライツ・ウォッチは今年2月、国内外の団体や個人と共に、朝鮮の人権問題に関する決議案の提案国に戻ることなど求める公開書簡を安倍政権に提出。ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗氏は、朝日新聞(20/3/28)のインタビューで、日本政府の共同提出見送りには「日朝首脳会談を実現させたい思惑があったようだが、この1年間で日朝関係は何も変化していない。北朝鮮に対する期待が裏切られたのなら、即座に政策を戻すべきだ」と主張している。だが、圧力一辺倒だった安倍政権の対朝鮮政策への回帰は、東アジアの緊張を高めるだけで、ヒューマン・ライツ・ウォッチなどが心配する人権問題の改善にもつながらないだろう。(2020/05/01)


文化
[核を詠う](302)塔短歌会・東北の『東日本大震災を詠む』から原子力詠を読む(5)「抜けた乳歯を預かる歯医者あるという『何のために』と言いかけ気付く」 山崎芳彦
 塔短歌会・東北の歌集、『2199日目 東日本大震災から六年を詠む』(平成29年7月刊)から原子力詠を読ませていただく。この歌集の巻末に「震災のうた 三首選」と題して、塔短歌会・東北に作品を寄せている14氏が、東日本大震災にかかわる作品3首を選んで、それぞれ選んだ多くの歌人の作品についての感想、作品への思いを記すという企画による、魅力的な構成の14頁が掲載されている。東日本大震災に関わって詠まれている短歌作品は、個人歌集、合同歌集、歌誌をはじめ様々なかたちで世に出ているが、自ら東日本大震災の歌を詠み続けている歌人による「三首選」の企画は貴重だと思う。今回は、この「三首選」に選ばれている全作品を転載させていただいた。三首選をしたそれぞれの歌人の思いをつづった文章が記されているのだが、省略せざるを得なかったのは残念だが、それを読みながら、「詠む」と「読む」の交錯の深さが感じられて、短歌文学のありようについて考えさせられた。(2020/04/30)


コラム
パトリス・マニグリエ氏の論考と私たち  冷戦終結後の30年を振り返る
フランスの哲学者、パトリス・マニグリエ氏の新型コロナウイルスに対処する暮らしから私たちが発見した「公益」について、その試論「ケアの共産主義と、何もしないことによる貢献 :何かが起きている(起きる)のだろうか?」を翻訳したばかりです。フランス語のBien commune、英語のcommon goodは日本で公益と訳せるのではないか、と思います。これは英国のベンサムとか、ミルが使ったいわゆる功利主義哲学の用語の1つです。外出自粛はみんなの健康のために一人一人が行うのであり、大衆の「健康」という公益に貢献したら、たとえ、それが「外出しない」「仕事をしない」という普通ならネガティブな「行動」であったとしても、そのことでそこで形成された利益の再分配に与って当然である、という考えです。マニグリエ氏は「空気」はこの際、公益に含めず、あくまでみんなが努力して(行動しない努力も含めて)得られ、蓄積されたものに公益を限定しています。(2020/04/30)


コラム
「嬬恋村のフランス料理」 26 再出発   原田理(フランス料理シェフ)
120 軽井沢1130で送った料理人としての僕の生活は充実していました。東京での消費生活の中で失ったものを一つずつ取り戻して、新しく人生をつくるのは楽しかった。生涯にわたって記憶に残る出会いがたくさんあり、料理人として初めてともいえる師との出会いや、生涯の伴侶となる愛妻やたくさんの仲間など、ホテルの人間として生きていくために必要なことをたくさん得ることができ、また派遣社員だった僕が、最終的にホテルの一番上に近いところで仕事ができるようになるという幸運にも恵まれました。それが、師が去ったあたりで違う方向に進み始めている気がしてきたのも事実です。管理のみで直接料理を作らないもどかしさもありましたが、何より先代の五十嵐総料理長と一緒に働けないのが寂しかった。(2020/04/27)


社会
集団免疫とロックダウン解除!?―愛国主義の犠牲にはならない!! 小倉利丸
新型コロナウィルスのパンデミック化は、ナショナリズムの本質がいったいどのようなものなのかを示している。 (2020/04/24)


コラム
グズ晋のおかげで日本国家崩壊の危機
様々な現場で、様々な家庭で、自宅で、職場で、病院で「もう限界」という声が沸騰しつつあります。新型コロナウイルスへの日本政府の曖昧で煮え切らない態度、はっきりしない政策、遅くていまだに本当にもらえるのかすらも、はっきりとわかりにくい10万円の給付金。国家が仮にも成立しているのは暗黙の社会契約が根底にあるからで、個人が国家に税金などを提供する代わりに国家が個人に安全や教育などの諸サービスを提供するからです。(2020/04/20)


みる・よむ・きく
浜内千波著 「朝に効くスープ 夜に効くスープ」
スープ、というと、近年、駅構内などでもスープの専門料理店も生まれ、美味しいけれども自分で作るにはちょっと敷居が高い、と感じる人もいるかもしれません。そもそも何をもって「スープ」というのでしたっけ、というところから、考えてみると、よくわかりませんでした。味噌汁は、英語ではスープ扱いですが、本当に「スープ」なんだろうか?と思う人も少なくないでしょう。そんなスープに関する様々な疑問に答えるかのような1冊が、浜内千波著「朝に効くスープ 夜に効くスープ」ではないか、と思います。(2020/04/19)


国際
南北アメリカ地域:感染リスクにさらされる移民・難民 収容の停止を
120 カナダ、米国、メキシコ、キュラソー、トリニダード・トバゴなど、南北アメリカ諸国では、非正規移民や庇護希望者が、在留資格がないというだけで感染リスクが高い収容環境に置かれている。こうした収容は、国際人権規範、公衆衛生規則に違反している。在留資格は、人の尊厳や生きる権利とは無関係だ。(アムネスティ国際ニュース)(2020/04/18)


文化
[核を詠う](300)塔短歌会・東北の『東日本大震災を詠む』から原子力詠を読む(3)「電力と電力の間(あひ)にひとが立つ休耕田の太陽光パネル」 山崎芳彦
 塔短歌会・東北に拠る歌人たちの作品を、今回は『1099日目 東日本大震災から三年を詠む』(平成26年7月刊)、『1466日目 東日本大震災から四年を詠む』(平成27年7月刊)によって読み、原子力に関わると筆者が読んだ作品を抄出させていただく。抄出する作品以外の多くの貴重な、共感し、心うたれる作品群を読むことができる歌集が毎年編まれ続けられていることの意味は大きい。東日本に関わる歌人たちの営為が生むゆたかな果実を広く、詠う人々に限らない、多くの人々に届けて、忘れてはならない、残さなければならないこの国に生きる人びとへの発信が、さらに続けられることを願いつつ、筆者は読ませていただいている。(2020/04/17)


教育
「学習環境に不安」「経済的に苦境」大学生を直撃する新型コロナ 金沢大学の学生アンケート
 新型コロナウイルスは大学生たちも苦しめている。金沢大学の「高等教育無償化プロジェクトFREE」の学生代表が行ったメールアンケートによると、多くの学生が現在の学習環境への不安やアルバイト収入減などの経済的苦境をうったえ、大学側に適切な対応策を求めている。学生代表はまた、これらの問題は同大学生だけに限らないとして、学生や教職員、さらには保護者を対象とした全国的な署名活動を行えないか、と提案している。(2020/04/17)


欧州
コロナウィルスによる生活の変化〜チャオ!イタリア通信
120  3月11日から始まった移動制限措置により、イタリア国民の生活が一変しました。この時点で、すでに学校関係は閉鎖されていましたので、日常生活における大きな移動は仕事に関わることのみとなっていましたが、3月20日には、食料品や薬品関係など生活必需品以外の生産活動も停止となり、ほとんどの人が家にいなくてはいけないことになりました。(サトウ・ノリコ=イタリア在住)(2020/04/15)


政治
政府が憲法違反を行い、三権分立が機能せず国民の主権を侵した時、抵抗権の行使はどうなるか。
政府が憲法を侵し、三権分立を白昼堂々否定した時、国民が主権を行使して政府を替える、「抵抗権の行使」が今後は現実化してくるだろう。これは近代法哲学の基礎となったロックやルソーらの社会契約論の理論にある。今日の日本政府もこの水域に近づいてきた。では、日本国民は国民の信託を裏切った政府への抵抗権を具体的にどう行使すべきなのか。これに関して憲法学者や法学者は明快な指針を提唱すべきだろう。(2020/04/15)


みる・よむ・きく
今週読んだ本  原田マハ著「デトロイト美術館の奇跡」  スギハラ シズカ
120 史実に基づいたフィクション。 (2020/04/14)


コラム
安倍政権の日本はまだまだ下げシロがある 〜「日本を取り戻す」から「日本から解放する」へ〜
安倍首相批判のツイッターの書き込みを見ていると、「日本はもう先進国じゃない」とか、「日本はもう経済大国じゃない」とか、「中国や韓国に追い抜かれた」といった言葉が頻出している。気持ちは理解できる。しかし、そういった言葉の裏にはアジアでいち早く発展し、西欧列強に仲間入りして植民地を作ってきた日本の特殊な優越感が透けて見える。そして、その歪みが当人に自覚できていないように思える。(2020/04/12)


みる・よむ・きく
「フランス語 動詞宝典 308(初・中級編)」と「フランス語 動詞宝典 466(中・上級編)」
120 いま、1年がかりで取り組んだフランスの哲学関係の翻訳の仕事が終わったばかりです。それで最近、コツコツ読んでいるのが久松健一著「フランス語 動詞宝典 308(初・中級編)」と「フランス語 動詞宝典 466(中・上級編)」の2冊。普通なら、こうした本は学生時代に暗記して、満を持して翻訳に取り組む・・・という順序が筋かもしれませんが、筆者の場合は真逆で、翻訳に取り組んでみてから、動詞の単語力倍増が今後の課題だと思わされた次第なのです。というのも辞書で引いた動詞の多くがこれら2冊に例文と活用表つきで掲載されていたからです。最初からこれをやっていたなら、辞書を引く必要もなかったのです。(2020/04/06)


検証・メディア
「『報道の自由』守られていない」6割強 放送現場の「危機」浮かび上がる
 「現在の放送現場で『報道の自由』が守られていますか?――2月末から3月中ごろまでに放送現場で働く人たちなどを対象におこなった日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の緊急アンケート調査(中間報告)で、6割を超える人たちが「守られていない」と回答、「危機」の深まりが浮かび上がっています。(福島清)(2020/04/04)


みる・よむ・きく
長期政権と遺書と道化と文化人類学  山口昌男著「道化の民俗学」を再読
 最近、高橋康也著「道化の文学」(中公新書)と、山口昌男著「道化の民俗学」の2冊の道化論を古書店で手に入れて読みました。いずれも20年以上前に読んだことのある研究でしたが、年号も変わった今日、再び読み返したくなりました。というのは、すなわち私たちの暮らしもまた、文化人類学の対象として興味深いものであろう気がするからです。二人の著者は、所属学会こそ異なれど、いずれも1970年代から90年代にかけて〜筆者が学生だった頃〜大きな支持を集めた研究者で、アプローチは違うもののいずれも道化に大きな関心を寄せていました。(2020/04/02)


農と食
子牛も牛肉も大暴落 利権だと批判された「お肉券」の背後にある現実 大野和興
 コロナの緊急経済対策から農水省が出した「お肉券」や「おさかな券」が消えそうです。ネットで農水族議員の利権だという批判にさらされたためです。だけど、本当に利権がらみだけだったのか、どこも当事者の声と実態を伝えていません。そこで汗を流して牛を育てている肉牛農家の声を聞いてみました。(2020/04/01)


欧州
さらに広がるコロナウィルス:イタリアの現状〜チャオ!イタリア通信
120  前回の記事を2月23日に書いたのですが、約一ヶ月間にウィルスの感染者数がとうとう37860名、死亡者数は4032名(3月20日付)と急激に増え、1日あたりの死亡者数は今まで最高の627名となりました。(サトウ・ノリコ=イタリア在住)(2020/03/24)


文化
ティボー・ソルシエの1コマ漫画と料理  パンデミックで男が家に閉じ込められた時
フランスで最近出回っている1コマ漫画が、37歳のティボー・ソルシエによるもの。新型コロナウイルスで仕事場に行けなくなったお父さんと娘が台所で一緒に料理を作っている。お父さんは今までの仕事がむなしく感じられるようになり、この世界が狂っていることに気がつき始めるのだ。この漫画のタイトルは「自宅監禁の真の危険」。これは面白い視点だし、実際に、そうした男性はいるのかもしれない。職場では忙しさに追われ、調理する場所もないから、外食したり、コンビニ食をしたり、という人が多いはず。(2020/03/14)


TPP/脱グローバリゼーション
メガFTA動き出す 農と食にどんな影響が出てくるか  
 新型コロナウイルスの蔓延はグローバルに広がる人と物の移動がもつもろさを見せつけましたが、依然として国境を越えての経済の自由化は進む一方です。日本では最も新しいところで日米貿易協定が2020年1月から動き出しています。それに先立ちEUとの経済連携協定(EPA)、TPP(環太平洋経済連携協定、米国を除く11カ国)が動き出し、現在ASEAN(東南アジア諸国連合)、中国、韓国、インド、オーストラリアなど16カ国が参加するRCEPの交渉が進んでいます。こうした動きが人びとの日常に何をもたらすのか、生活に直結する食の問題を軸に追ってみました。(大野和興)(2020/03/08)


政治
米民主党予備選 ブタジェッジ、クロブシャーなどの候補がバイデン候補側に回って離脱 民主党幹部らがサンダースつぶしで結束を促しているとの報道
 米民主党予備選も佳境にさしかかり、初戦で苦戦していたジョー・バイデン前副大統領がサウスカロライナ州での勝利をきっかけにトップを走っているバーニー・サンダース候補に対して反転攻勢に出た。ポリティコ誌によると、これを転機にとバーニー・サンダース候補に敵意を抱いているとされる民主党幹部たちは中道派の候補たちに選挙戦からの離脱を迫り、バイデン候補への一本化を促そうと試みているという。すでにブタジェッジ候補、そしてクロブシャー候補らが選挙戦から離脱し、バイデン候補支持に加わるとされる。3月3日のスーパーチューズデイと呼ばれる、全米50州のうち14州と1地域での一斉投票を前に形成を逆転する動きだ。(2020/03/03)


国際
「Democratic Debacle 民主党の敗北」The defeat of Hillary Clinton was a consequence of a political crisis with roots extending back to 1964. ヒラリー・クリントンの敗北の根っこは1964年に遡る ジェローム・カラベル(社会学)
120 本論考はカリフォルニア大学バークレイ校の名誉教授、ジェローム・カラベル教授(社会学)が2016年11月の米大統領選の翌月に発表したものです。米民主党のヒラリー・クリントン候補はなぜトランプ候補に敗れたのか。その根源は1964年に遡る、というのがカラベル教授の見立てです。民主党の変遷を知ることで、それが理解できるのです。4年前の論考は、米大統領選を迎える今読んでも決して古びることのない洞察を与えるものです。それはまたサンダース候補と中道派の候補者の民主党予備選を見る時に遠近法を与えてくれるでしょう。カラベル教授の許可を得てその論考を訳しました(編集部 村上良太)(2020/02/29)


司法
少年法の適用年齢を18歳未満に引下げる必要はない 問題の本質を見すえた論議を 伊藤由紀夫
 2022年4月から「成年年齢18歳」が施行されることに合わせる必要があるとして、過去3年近く、法制審議会少年法・刑事法部会(以下、部会)において、少年法適用年齢を20歳未満から18歳未満に引下げる検討がなされてきたが、家庭裁判所の元調査官ら各界からは引き下げには問題点が多すぎるとして反対の声が高まった。このため今国会への法案提出は見送りと報じられているものの、予断は許さない。話が法的手続に関するもので、少しわかりづらいかもしれないが、問題の本質は何なのかを確認しておきたい。(2020/01/28)


みる・よむ・きく
ラジ・リ監督の傑作映画「レ・ミゼラブル」 〜郊外をめぐる2つの結末〜
フランスの映画「レ・ミゼラブル」の試写会への誘いが来ました。「レ・ミゼラブル」というと、著名なヴィクトル・ユゴーの小説が想起されますが、この映画ではその小説の舞台となったパリの東17キロにある郊外の町、モンフェルメイユが舞台になっています。直接の共通点はそれだけ。とはいえ、確かにこの映画を見終えて、深い衝撃に満たされました。モンフェルメイユの現実、大人から子供まで、民族も思想も多様な人間たちそれぞれの「存在」。そして住民間の衝突。監督のラジ・リはこの町でずっと暮らしてきた黒人の監督で、2005年にこの界隈で起きた暴動も自分でビデオを回して撮影していたのだそうです。その時に大量に撮りためた映像を基にドキュメンタリーの監督としてキャリアを始めたと言います。こうした経緯が、これまでのフランス映画にはなかった何か、新しい味わいを生み出した秘密でしょう。(2020/01/21)


市民活動
日本消費者連盟講演会:5G(ファイブジー)で激増する電磁波暴露
 現在、超高速・大容量を売り物とし、今後のIT技術を牽引するという「5G・第5世代通信システム」。日本政府は米国と中国に大きく引き離され、早くつばを付けようと焦っています。今年はその実用化に向け経済界は便利でバラ色の社会の図を描いていますが、本当にそうでしょうか。まず、飛躍的に増える電磁波による暴露が心配です。商用化の始まりで、電磁波過敏症のパンデミック(世界的な流行)が起きるともいわれています。そうした問題を考える講座が1月25日に日本消費者連盟によって開かれます。(大野和興)(2020/01/16)


コラム
カイロの猫たちの記録  ラムセス2世の死  Heather Hermit
120 ラムセス2世は孤立していた子猫で、2018年2月に大エジプト博物館の建設サイト近くで私が見つけました。そこには猫の家族が暮らしていたのですが、しかし、みんな次々といなくなってしまったのです。ラムセスはその猫家族の最後の生き残りでした。私が見つけた時はとても病んでいて、飢え、脱水症状を起こし、ほとんど死んでいたといってよいような状態でした。(2020/01/13)


社会
所得に応じて窓口負担を増やすのは「応能負担」ではない  Bark at Illusions
 政府の「全世代型社会保障検討会議」が中間報告を取りまとめ、「一定所得以上」の収入がある75歳以上の人の医療費窓口負担割合を現在の1割から2割に引き上げる方針を打ち出した。日本は高齢化による医療費の増大が今後も見込まれており、「現役世代」にこれ以上負担を強いることはできないのだから、能力に応じた負担が必要だと言われれば、「一定所得以上」の収入がある人の窓口負担を増やすことはやむを得ないのではないかと考えがちだ。果たして、本当にそうだろう(2019/12/31)


地域
水脈断ち切り62万人に影響するリニア工事に静岡県が「待った」 樫田秀樹
 東京(品川)と名古屋をわずか40分で結ぶJR東海の「リニア中央新幹線」計画。2027年に開通予定ですが、大 幅に遅れると予測する人は少なくありません。最大要因の一つは静岡県で工事が始まっていないことです。(2019/12/30)


歴史を検証する
室蘭で散った10代の朝鮮人徴用工の遺骨 62年後に返還、賃金は未払い 木村嘉代子
120  「徴用工問題」についての解説はいたるところで目にしますが、個人的にあらためて勉強し直し、断片的ですが記事をアップしました。徴用工、いわゆる朝鮮人労働者を知ったのは、10年前に、北海道室蘭市の寺にあずけられていた3体の遺骨返還を取材したときでした。遺骨となった3人は、日鉄輪西製鉄所、今問題になっている徴用工訴訟の原告と同じ日本製鉄で働き、米軍の艦砲射撃で命を落とした10代の朝鮮人労働者です。彼らの骨箱には、お金が入っていない給料袋と給料明細が残っていました。賃金などはGHQに渡ったことがわかっていたため、米軍公文書を追ったところ、結局、彼らに支払われるべきお金は日本政府に供託され、いまだ未払いのままです。(2019/12/28)


検証・メディア
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その11 東京新聞労組・宇佐美委員長の声明
120 今年3月、首相官邸前で東京新聞の望月記者の質問への官邸側の弾圧に抗議する集会が行われました。その時に新聞各社の労組の声明が伝えられましたが、望月記者が所属する東京新聞労組の委員長、宇佐美昭彦氏もマイクを握りました。以下がその声です。「東京新聞労働組合委員長の宇佐美です。望月さんは私たちが働いている東京新聞の同僚です。望月さんは記者会見で記者として聞くべき当たり前のことを行っているのだと思います。・・・」(2019/12/22)


検証・メディア
東京新聞労組が自社の新聞記事を批判 「こんな報道は本当にやめるべきだ」
東京新聞労組が自社の新聞記事を激しく批判している。偶然目にしたのだが、そういうのを見たのは初めてなので引用したい。批判の対象となった記事は<首相、報道写真展を観賞 「日本が世界で輝いた年」>という見出しで、共同が配信したもの。安倍首相の言葉も引用されていた。<「たくさんの人に日本を訪問していただいた。日本が世界の真ん中で輝いた年になった」と感想を述べた。>これについて東京新聞労組は次のようにツイッターで述べた。(2019/12/22)


文化
[核を詠う](287)『平成三十年度福島県短歌選集』の原子力詠を読む(3)「過ちはまた繰り返しますフクシマのトリチウム汚染水海へ流して」 山崎芳彦
 福島県歌人会の『平成30年度福島県短歌選集』から、筆者が原子力詠として読んだ作品を抄出・記録してきたが、今回が最後になる。毎年度の選集を読ませていただいてきているが、多くの福島歌人の作品が福島第一原発の事故によってどれほどの苦難を人びとが生きることにもたらしたかを短歌表現によって明らかにしていることへの、深い敬意を、筆者は持ち続けている。そして、その理不尽で許し難い加害「犯罪」原因集団である原子力マフィア、その中心である安倍政権と財界をはじめこの国の権力中枢とその仲間たちが、再び、三度、この国にとどまらず広く世界のどこかで核による「犯罪」を繰り返すことを許してはならないと教えられてもいる。(2019/12/10)


教育
日本国憲法と教員養成「改革」(1) 師範教育へ退行させないために 石川多加子
 2019年10月4日に召集された第200回国会(臨時会)において、給特法(「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」昭和46年5月28日法律第77号)の改正案(閣法第14号)が審議されていることは、既知の如くである。改正案の提出理由は公立学校の「働き方改革」推進を目的とし、1年単位の変形労働時間制を条例で定めて実施できるようにする等となっている。しかしながら同案が実際には、心身を蝕む長時間労働と割増賃金不払いを更に助長するであろうことは、過労死教員の親族等が強く反対している事実からも容易に推測し得よう。(2019/12/06)


反戦・平和
「世界に冠たる日本国憲法」「自衛隊派遣は有害無益」 アフガンで斃れた中村哲医師が実践した平和の理念
 「日本国憲法は世界に冠たるものである」「自衛隊派遣は有害無益」──アフガニスタンで武装勢力の凶弾に斃れた、NGO「ペシャワール会」の現地代表で医師の中村哲さんの言葉である。真の平和は、武器ではなくシャベルによって築かなければならないとの信念のもとに、アフガンの人々と共に灌漑と農業支援に尽力した中村さんは、「国際貢献」の名によって年々進む自衛隊の海外派兵に強い危機感をいだいていた。彼の発言を振り返ってみたい。(永井浩)(2019/12/05)


欧州
解決できないジレンマを抱えた町、タラント〜 チャオ!!イタリア通信(9)
120  タラントはイタリアの南部プーリア州にある都市です。プーリア州は、山もなく平地でアルベロベッロのトゥルッリなどの観光地もあり、イタリア南部では比較的豊かな州と言われています。私も一度プーリア州のレッチェに行ったことがあります。ギリシャと海を挟んで隣の州であり、ギリシャの影響を大きく受けており、建物が白く、いかにも南イタリアの日差しにぴったりというイメージでした。(サトウ・ノリコ=イタリア在住)(2019/11/30)


市民活動
高まる防衛費に「武器より暮らしを!」の声〜市民団体が結成記者会見
120 防衛省は今年8月、5兆3223億円と過去最大を更新した2020年度概算要求を発表した。しかし、暮らしに目を向けると、福島原発事故の被災者支援を始め、教育費や生活保護費、年金の切り下げなど防衛費以外にも予算を必要としているところが多くある。首相らが「桜を見る会」で税金を無駄遣いする一方で、今年10月に強行された消費増税に苦しめられ、厳しい生活を強いられる国民も多い(藤ヶ谷魁)(2019/11/18)


政治
2012年ー2019年 安倍首相の無血クーデター時代  憲法空白の7年 基盤はメディア占領から
 未来の日本の政治史を想像すれば2012年暮れに始まる安倍晋三率いる自民党の独裁政治の7年間は、まさに安倍首相の「無血クーデター」の時代だったと記憶されるだろう。クーデターとあえて綴るのは、「日本を取り戻す」をモットーに憲法改正を目指した安倍首相はすでに憲法を軽視し、国会を侮辱してきたからだ。それが何を意味するかを的確に示したのが2018年に始まった上西充子教授らによる国会パブリックビューイングという市民運動だった。この稀有な運動は、それまでの政治運動と異なり、自ら演説するのではなく、人々に国会を見せることを中心にした運動だった。国会で野党議員の真摯な質問に与党がどういう態度を取っているか、それはまさにヒトラーのナチスさながらの傲慢さだった。(2019/11/16)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】田中俊一(原子力規制委員会前委員長)語る 「日本の原発はこのまま「消滅」へ 」 柳田 真  
 日本の原発はこのまま「消滅」へというビックリする見出し・内容の発言を原子力規制委員会前委員長の田中俊一氏がおこなっている。最近発行の月刊『選択』11月号の巻頭言である。(2019/11/07)


検証・メディア
「徴用工」問題:強制労働の被害者の人権に全く関心のないマスメディア  Bark at Illusions
 韓国大法院(最高裁判所)が「徴用工」と呼ばれる大日本帝国時代の強制労働の被害者への賠償を日本企業に命じてから1年が経った。皇室の行事で来日した韓国のイ・ナギョン首相と安倍晋三の会談が行われたこともあって、マスメディアは判決以来悪化している日韓関係について論じている。しかしその内容はというと、「事実を追求するジャーナリズム」と言うには程遠く、むしろ全体主義国家のプロパガンダと呼ぶべきものだ。(2019/11/03)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  暖房なしで零下15度?!冬の夜のニューヨーク国連  平田伊都子
120  東京オリンピックのマラソンと競歩は、熱い東京から避難して札幌でやることになりそうです。 選手の皆さま、沿道で応援する皆さま、よかったですね! (2019/10/20)


政治
放送業と新聞業の分離を 放送を捨てることで新聞の価値はむしろ高まる
 日本の情報は読売新聞→日本テレビ、朝日新聞→テレビ朝日、日経新聞→テレビ東京というように、経済的に株式関係があり、人材の交流があり、テレビのコンテンツが新聞社の情報および人材に大きな影響を受けています。そして、新聞社の幹部が官邸からの指令を受け入れたり忖度したりすれば、新聞だけでなく、テレビもまたその指令のもとに置かれます。このように日本の系列関係は権力による統制が極めて楽な構造になっています。そして、同時にそのことがテレビと新聞が互いに批判しあえない、利権を同じくする仲間同士になっています。しかも、新聞社や放送局の系列の違いを超えて、同じ大学の学友たちで横につながっていて、仲間同士守りあっています。(2019/10/13)


コラム
台湾の独立運動家、史明さん死去  
先月、台湾の独立運動家として名高い、史明(Su Beng)さんが亡くなった。100歳だった。独立を目指す台湾の人々から本当に尊敬され、慕われていたようだ。もしベトナムの独立の指導者、ホーチミンが生きていたなら、少し似ているのではないか、という気がする。僕はこの人に台湾の2014年の政変の取材中に会ったことがあるのだが、すでに95歳近かっただろう、その時は車椅子だった。台湾の大学生たちが国民党政権が中国と秘密裏に結んだ自由貿易協定を数の力に任せて批准しようとしたことに反対して、議会を占拠したのだった。学生たちが立てこもって闘っているその時、史明さんは議会に若者たちの応援に駆け付けたのだった。僕はその時はオーラを放つこのお爺さんが独立運動家であることはなんとなしに知っていたが、その生涯については知らなかった。(2019/10/12)


コラム
シリーズ「明るいウンコ」
 今のNHKの放送人を一言で表すなら、上から命じられたことをまじめに全うする人たち、ということになるだろう。つまり、たとえば上から「今度、健康番組で『明るいウンコ』をシリーズ化することになったから、頑張って」と言われたら、担当チーフプロデューサー以下、スタッフみんなでウンコに関するブレーンストーミングをやって、いろんなウンコを見比べたり、いろんなトイレを訪ねたりして、それなりに立派なウンコの番組を作るだろう、ということだ。(2019/10/07)


検証・メディア
日本政府にとっては好ましかろう、NHKの日米貿易協定についての説明  Bark at Illusions
 国連総会に合わせて行われた首脳会談で、日米両首脳は貿易交渉の「最終合意」を確認する共同声明に署名した。新たな貿易協定では、日本が農産品の関税について環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と同水準の削減・撤廃を行う一方で、米国は工作機械や燃料電池などの工業製品の関税を削減・撤廃する。日本側が求めていた自動車とその関連部品の関税撤廃は無期限で先送りされることになったが、安倍晋三は会談後の記者会見で日米双方が利益を得る「ウィンウィン」の協定だとアピールしている。TPPでは日本の対米輸出額の4割弱を占める自動車分野の関税撤廃が盛り込まれていたというのに、それを行わずに農業分野で米国に対して国内市場をTPP並みに開放することのどこが「ウィンウィン」の合意だと言うのか。(2019/10/03)


検証・メディア
NHK放送局員は自局の問題を正しく処理してから、視聴者に受信料を求めよ  石原進NHK経営委員長は責任を取るべきだ
「みなさまのNHK」を自称するNHKは、昨年、かんぽ生命保険の不正販売を放送したクローズアップ現代+に対して、NHK経営委員会がNHK会長に圧力をかけ、番組の続編の放送を延期させたり、ネットから映像2つを削除するといった政治的圧力をかけていた、と毎日新聞で報道された。これは毎日新聞のスクープである。この事件は報道チームへの政治的圧力事件であり、NHK経営委員長は責任を取るべきだ。そして、また、NHKの1万人近い放送局員は制作部であれ、総務部であれ、重大な事態が内部で起きていたことに真摯に取り組み、再発防止を視聴者に約束するべきである。自分の足元に重大な問題があるとき、その放送局が果たして社会問題を本当に描けるだろうか。1本や2本、力作を放送しても、全体としてみれば必ず低迷しているはずだ。(2019/10/01)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  第74回総会の仕切りは最悪―ベテランのベイス記者  平田伊都子
120  2019年9月29日、モロッコ王室はモハンマド裟す餡Δ病気であることを発表しました。 病名は<急性両側性肺炎>で、詳しい容体は公表されていません。 9月30日のシラク元大統領国葬に息子(17才)を送ったことから、モハンマド裟い梁猟瓦噂されていました。 2017年1月に心臓発作を起こしパリの病院で治療を受けてから、派手好きなモロッコ国王が国際舞台から遠ざかっていました。 このところ公式行事の多くを、息子と弟が代行しています。 (2019/10/01)


文化
エストニアの民族楽器カンネルを現代に生かした女性演奏家Duo ”RUUT "来日公演 
 以前、ロシアのバンド、Otava Yo のミュージックビデオが秀逸だと日刊ベリタに紹介記事を書いたところ、それを読まれてなんとロシアからOtava Yo を招聘して本当に日本でコンサートを開いた音楽プロデューサーの方がいたのです。その方、小巖仰さんは兵庫県に拠点を置くハーモニーフィールズという企業で音楽家の招聘活動をされています。彼が招聘する外国の音楽家は一味ある演奏家ばかり。北欧とか、伝統音楽とか地域に根を張って、貴重な物語が見えるバンドが多いのです。前置きが長くなりましたが、今回、ハーモニーフィールズが招くのはエストニアの伝統楽器奏者のデュオ。(2019/09/22)


文化
Interview: Clarinetist Franck Russo  J'ai toujours aimé les projets originaux et m'exprimer de toutes les manières possibles. (Franck Russo)
120 In 2105, I interviewed a young clarinetist ,Franck Russo who lives in Paris. I was collecting stories on young instrumentalists and conductors in the world. Those days, Franck won a prize at international music festival in Prague. Recently Franck produced a new record with pianist and a soprano singer. It features pieces by Robert Schumann and Franz Schubert. In my interview, Franck said he loved Shumann's music. Today I post the interview which I posted 4 years ago again here, translating it in English for the sake of Franck Russo (for his birthday) . And it is also my challenge ,too.(2019/09/12)


検証・メディア
「これって、ブラックジョーク」 テレビで韓国ヘイトを連発する弁護士さんが人権問題で講演
 TBSの昼のニュースショウ「ひるおび」のレギュラーコメンテーターである八代英輝弁護士は、番組中で堂々と韓国ヘイトを連発することで知られている。つまり、公共の電波を使いヘイトスピーチを行う差別主義的人物なのだが、あろうことかその人物が滋賀県などが主催する「じんけんフェスタ」で人権について講演するということでネット世界が盛り上がっている。「出来の悪いブラックジョーク」といってしまいたくなるが、これ、現実に起こっていることです。(大野和興)(2019/09/09)


みる・よむ・きく
「美しい幾何学」を出版します  谷克彦(数学月間の会 世話人)
120 この図鑑(「美しい幾何学」技術評論社)には美しい図形や不思議な図形がたくさん出てきます。そのような図形の仕組みを「見ているだけで理解できるように」したいのです。数式を使えば正確な説明が楽にできますが,そのためには,たくさんの数学準備の回り道があり,焦点がぼけてしまいます。小学生から大学生まで,本書の図を眺めているうちに,図形に隠された仕組みが自ずとわかることを狙いました。普通の数学書のように抽象的な記述だけで終始しません。(2019/09/04)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  西サハラ難民が伝えた大統領と国会議員とSJJAの会見  平田伊都子
120  8月30日午後4時、ブラヒム・ガリ西サハラ大統領が柿沢未途衆議院議員とSJJA代表を迎えてくれました。 筆者は大統領が駐アルジェリア西サハラ大使をされていた頃から存じ上げており、故アブデル・アジズ大統領とのインタヴューを何回となくアレンジして頂きました。 ついつい馴れ馴れしくなるのを、抑えに抑えて、会見に臨みました(2019/09/02)


外国人労働者
外国人労働者を取り巻く現状はいかに〜在日ベトナム人労働者の実情〜
外国人労働者の受け入れ拡大が進み、様々な国籍の外国人が日本国内で生活をするようになる一方で、外国人を取り巻く労働環境に改善の兆しは見られない。夢や希望を持ちながら来日した多くの外国人労働者は、日本で働くにつれてその労働環境に絶望し、先の見えない日々の生活に疲れて夢や希望を失っていく。このような外国人労働者の実態はまだまだ日本国内で充分に知られておらず、苦境に立たされている外国人の支えとなる場所も少ない。(岩本裕之)(2019/08/22)


文化
宮内好江著「15分でフランス料理」 ありふれた食材を美味しく食べるための1歩
 文化出版局から出ている宮内好江著「15分でフランス料理」は装丁が若干地味ながら、中身は詰まったフランス料理のレシピ集です。15分、という短時間で普通の人が台所で作れる品々が70品ばかり紹介されています。15分とありますが、5分もあれば7分もあり、12分もあります。「えびのカクテルソース、バジル風味」は、カクテルソースの作り方が味噌でしょう。使っている調味料も、マヨネーズとか、ケチャップとか、ブランデーやウイスキー、それにバジルとカイエンペッパー、タバスコ。これらの調味料はスーパーで簡単に手に入れることができます。えびを茹でて、カクテルソースにつけて食べる。これの料理の所要時間がわずか10分。スーパーに入ったら、加工食品ではない、えびのコーナーから目が離せなくなりそうです。(2019/08/17)


コラム
NHK局員が安倍政権支配とうまくやれるワケ
過去には戦時中の加害を含めてジャーナリズム作品を多数放送してきたNHKがなぜ安倍政権による支配を唯々諾々と受け入れているか不思議に思う人も少なくないだろう。しかし、それには理由があるのだ。NHK局内を見ればわかるようにNHKで放送されている番組のかなりはプロダクションに外注しているし、局内でもかなりのスタッフが派遣社員として働いているのだ。NHK局員はそうしたヒエラルキー構造のトップに位置して、安価で外部の人間を使い倒せる立場にある。(2019/08/11)


検証・メディア
NHKの受信料を拒否する十分な理由が、我ら市民にはある Bark at Illusions
 なんともうさんくさい政党なのだが、7月の参議院選挙で「NHKをぶっ壊す」ことを唯一の公約に掲げる「NHKから国民を守る党」(N国)が議席を獲得した。具体的な政策としては、料金を支払った人だけがNHKを視聴できる制度(スクランブル放送)の導入を目指しており、NHKの受信料不払いも呼びかけている。当のNHKは7月30日、「受信料と公共放送についてご理解いただくために」と題する文書を自身のウェブサイトに掲載し、「『受信料を支払わなくてもいい』と公然と言うことは、法律違反を勧めること」になると述べて、「明らかな違法行為など」に対して「厳しく対処」すると警告した。(2019/08/10)


社会
「表現の不自由展・その後」が実証した、我が国の表現の不自由。 澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士
表現の自由は、民主主義社会の血液である。表現の自由が十分に保障されている社会こそが、活性化した民主主義社会である。表現の自由が枯渇するとき、民主主義も窒息し死に瀕する。民主主義社会においては、表現の自由は最大限尊重されなければならない。表現の自由とは何か。権力を批判する自由のことである。権威に恐れ入らない自由である。社会の多数派に与しない言動の自由である。けっして、安倍政権に忖度をする自由ではなく、天皇に阿諛追従する自由でもなく、国民の時代錯誤の差別意識に便乗して韓国や在日をバッシングする自由ではない。権力や権威や社会の多数派には、相応の寛容の姿勢が求められるのだ。(2019/08/04)


文化
表現の自由から自主撤退したあいちトリエンナーレ2019  速攻で「平和の少女像」の展示中止を決定
8月1日に始まったあいちトリエンナーレ2019という国際芸術祭で日本軍による従軍慰安婦像をモチーフにした「平和の少女像」を展示していたが、名古屋市長の抗議や市民からかかってくる電話での抗議を受けて、早々と展示から外すことになったという。そもそもこの展示は「表現の不自由展・その後」展という最初から議論を招きそうな作品を対象に選んでいる展示であるということで、その上で今、日本でホットな議論を呼んでいる作品をあえて選んだのだ。だから、主催者側は最初からそれなりの覚悟を持って展示をおこなっていたのかと思ったが、わずか3日で展示をはずす決定になったことに驚く人も少なくないだろう。(2019/08/03)


人権/反差別/司法
「再審」の門は広く大きく開くべきものだ 三鷹事件、再審認めず  根本行雄
 1949年夏、旧国鉄三鷹駅構内で無人電車が暴走して脱線し、通行人ら6人が死亡した「三鷹事件」があった。7月31日、東京高裁(後藤真理子裁判長)は、電車転覆致死罪で死刑が確定した竹内景助元死刑囚(45歳で獄死)の長男が申し立てた第2次再審請求を棄却する決定を出した。弁護側は異議を申し立てる方針である。日本の「再審の門」は依然として固く閉ざしている。「再審」の門は広く大きく開くべきものだ。(2019/08/03)


教育
「親権」とは何か?−「家族」「親子」を考えるための基礎作業(3) 池田祥子:前こども教育宝仙大学
■ちょっとタンマ! 前回(2019.7.3アップ)の原稿で、私は児童福祉法および児童虐待防止法の改訂で(6月19日)、「親による体罰禁止」が両法に規定されたことを、「日本としては画期的なことである」と評価している。そして続けて次のような希望的観測を付け加えている。―これを第一歩として「しつけとしての体罰」「親の愛情としての体罰」が真に反省され、減少していくことを望むばかりである。しかし、やはり「ちょっとタンマ!」である。学校教育ではすでに「体罰禁止」は法定され、いまも教師や部活動の監督などによる「体罰」が発覚すれば、それは即座に処罰の対象となっている。(2019/08/02)


みる・よむ・きく
空族の新作は禅の僧侶たちの葛藤を描いた「典座」(富田克也監督、相澤虎之助共同脚本)
空族(くぞく)とは変わった名前ですが、日本の気鋭の映画製作集団です。空族はこれまで疲弊する地方に生きる若者がブラジルからの移民労働者と抗争する物語を描いた「サウダーヂ」や、タイの売春婦に日本人客をあてがう日本人の風俗業者たちと売春婦たちの生を描いた「バンコクナイツ」など、いずれも3時間を超える長編力作を自前で作ってきたグループです。驚くのはたとえば「バンコクナイツ」で登場する売春婦たちが現実にその世界の女性たちであり、撮影の舞台も現実のその場所を借りて撮影した、ということです。これには本当に驚きました。現実の人がドラマを演じながら、俳優を凌ぐほどに見事に「自分」を演じ切っていたからです。空族は現実の人間に演じさせることで、プロの俳優にはできないホンモノの存在感や空気、リアリティを重視していると言えます。(2019/07/30)


コラム
選挙が済んだら、デモに行こう  Bark at Illusions
7月21日に行われた参議院選挙は、議席の過半数を獲得した与党の勝利で終わった。しかし選挙が終わったからと言って、市民の政治的役割が終わるわけではない。市民は選挙以外にも、デモや座り込みなどによる直接行動などで政治に参加することができる。選挙だけでは政治や社会は変えられない。市民の声を政治に反映させるためには、むしろデモなどによる直接行動が効果的だ。6月に注目を浴びた香港の抗議デモもそのことを示している。(2019/07/29)


みる・よむ・きく
ジョージ・オーウェル著「オーウェル評論集」(小野寺健訳 岩波文庫) オーウェルは冷戦的思考では読めない 
2013年秋の特定秘密保護法の国会審議と強行採決あたりから、日本ではインターネット世界で英国の作家、ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984年」への言及が多くなった。高橋和久氏による優れた新訳版が2009年にハヤカワepi文庫から出版されたこともその背景にあるだろう。Amazonのサイトの売れ筋ランキングを見ると、今でもハヤカワepi文庫の売り上げNo1は「1984年」だそうである。さらに、英米文学のカテゴリーでも6位に位置するのだ。オーウェルが全体主義社会の恐怖を描いた「1984年」がこれほど読まれているのは、わが国に同様の未来が待ち構えているのではないか、と不安を持つ人が多いからだろう。(2019/07/28)


政治
「政治家とは人々が政治を行うのを手助けする職業である」
今回の選挙で山本太郎氏を左派のポピュリストと言う人もいるようですが、筆者はそういう風に見ていません。欧州で筆者が最近、耳にした言葉を1つ挙げさせてください。それは哲学者が政治について語った言葉です。「政治家とは人々が政治を行うのを手助けする職業である」これがその言葉です。最初、本当に驚きました。というのはこんな発想を日本で持ったことがなかったからです。日本の政治に対する常識と180%異なる視点ではないでしょうか。というのは当地では政治家とは人々を導いていくカリスマ的リーダーが良き政治家と思われてきたフシがあります。「強いリーダーが欲しいですね」という言葉が象徴的です。(2019/07/23)


政治
福島みずほ議員(社会民主党副代表)「社民党が政党要件を確保し1議席を得ることができました」
社民党の福島瑞穂副代表(参院議員)は今回の参院選の結果をこうツイッターで述べました。福島氏「社民党が政党要件を確保し1議席を得ることができました。本当に良かったです。ただ、素晴らしい候補者たちを当選させることができず残念です。これから何をどうやっていくのか多くの人たちと話をし、力を合わせていきたいと思います。」(2019/07/22)


社会
京都アニメーションの炎上を悲しむ  オーストラリアの聾者の映画監督  ロバート・ホスキン(Robert Hoskin, Australian deaf director )
120 「京アニ」(京都アニメーション)が炎上し、スタジオにいた約70人の半数弱、34人が亡くなった。事件の前、京アニは聾者のアニメーションを作っていた。「A Silent Voice : The Movie」(映画 聲の形)というタイトルで、2016年の映画だ。去年、僕はブルーレイ盤でこの映画を買った。メルボルン郊外のフランクストンにある「JB Hi-Fi」 (小売店)で買ったんだ。(2019/07/21)


政治
れいわ新選組の演説を聞きに来た人に聞いた   
120 れいわ新選組についてTVがほとんど無視しているというので、日刊ベリタで少しでも知りえたことを書いています。昨日のJR中野駅前の演説会では公明党の山口那津男代表に挑戦している沖縄の創価学会員の野原ヨシマサ氏と代表の山本太郎氏が演説を行いました。駅前は聴衆でいっぱいになり、駅への階段も座り込む人たちが連なっていました。聞きに来たある男性に「なぜれいわ新選組の話を聞き来たのか?」と聞くと、こう答えました。(2019/07/16)


政治
安倍晋三・三原じゅん子出演の「自民党政見放送・本音版」 澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士
なっていることを教えられて、本日(7月12日)初めて、ユーチューブで閲覧した。16分の我慢というより苦行だったが、なるほどこれはひどい。正視に堪えない。三原じゅん子が、安倍晋三をインタビューする形式だが、考え得る限りでの最悪の人選。このコンビは、これ以上はない最悪の組み合わせ。聞いていて気持ちが悪くなる。異臭漂うがごとき胡散臭さだ。(2019/07/14)


検証・メディア
「日米同盟」破棄がトランプへの答えだ  Bark at Illusions
 米国のドナルド・トランプ大統領が、日米安全保障条約は米国が一方的に義務を負う「不公平」なものだと主張して、その見直しに言及した。日本政府やマスメディアは、日米安保条約は片務的なものではないと反論し、「日米同盟」の重要性を強調しているが、これを機に、「日米同盟」が本当に日本や東アジアの平和と安定に役立っているのかどうか、考えてみるべきではないだろうか。(2019/07/08)


難民
入管行政と戦う人々 〜クルド人難民申請者の現状〜
政府は、海外からの多様な人材と「共生」することを目的とし、昨年12月に出入国管理法を改正、本年4月から「入国管理『局』」を「出入国在留管理『庁』」に格上げして対応を行っているが、その実態は政府が掲げる「共生社会」とは程遠い。このような入管行政による「弊害」と戦い続けている人々がいる。(2019/07/04)


欧州
長いながーいイタリアの夏休みの過ごし方 〜 チャオ!!イタリア通信(6)
120 イタリアは6月に入ると、もうバカンス気分になります。というのも、小学校以上は大体6月10日頃に終了し、9月の第2週目まで約3カ月間、長いながーい夏休みになるからです。(サトウ・ノリコ=イタリア在住)(2019/06/27)


国際
【西サハラ最新情報】  危うしUNRWA,パレスチナと西サハラ難民の命は?  平田伊都子
120  2019年6月21日の国連報道室は、やり切れないムードに包まれていました。 この日、ピエール・クレヘンビュール・ウンルワUNRWA事務局長を招いて特別記者会見が開かれましたが、記者の誰もがウンルワUNRWA最大のスポンサーだったアメリカが拠出金を断ち切っているのを知っていました。 ウンルワUNRWAの年間予算12億ドル(約1,440億円)のうち3憶ドル(約360億円)が、削減されたことになります。 「国連事務総長はアメリカと、再交渉したのか?」、「どこの国がアメリカの拠出金を負担するのか?」、「資金繰りはどうなっているのか?」、「パレスチナ難民の食糧は賄えているのか?」、、 記者たちの質問は、食うに困っているパレスチナ難民の窮状を代弁していました。 これに対してウンルワUNRWA代表は、「当面は凌げるが、半年先の見通しは立たない」と、答えました。 これが、約540万パレスチナ難民の命を預かるUNRWAの返事です。 ?? (2019/06/26)


政治
前川喜平氏講演会「21世紀の平和教育と日本国憲法」<8>専門家任せにせず、市民が声を上げよう
 大野:では、会場からもご意見を頂戴したい。 (2019/06/24)


政治
前川喜平氏講演会「21世紀の平和教育と日本国憲法」<7>国家主義的教育にどう対抗するか
 前川氏の講演をうけて、講師と出席者との間で質疑応答が交わされた。安倍政権が進める憲法無視の国家主義的教育に対抗して、21世紀のグローバルな正義と平和の実現に向けて日本国憲法の理念をいかしていける青少年を育てていくには、私たち市民が教育を専門家任せずにせずそれぞれの立場から積極的に発言、行動することの大切さが確認された。(2019/06/22)


コラム
戦中と現代の共通点  「真実を描く努力が足りなかっただけなんだ」  自己欺瞞の渦が招く国産情報産業の地盤沈下
戦時中の新聞やラジオが検閲を受けて戦争で負けていても大勝利しているような報道を繰り返していたことはすでに知られた事実です。当時の新聞をすべて調べたわけではありませんが、媒体が自分で「この報道内容は圧力で書かされています」とは書き添えられなかったわけです。これはもちろん、そうでしょう。(2019/06/07)


みる・よむ・きく
ハリウッドの才人、ジョン・ファブロー 映画「シェフ」で己の基本に立ち返る
最近のアメリカ映画の娯楽大作として「アベンジャーズ」や「アイアンマン」などスーパーヒーローが活躍する映画が大ヒットしているが、それらの作品群の多くに監督や俳優、製作などとして深く関わってきたのがジョン・ファブローだ。監督、俳優、脚本、製作と様々な仕事をこなしている映画人である。このファブローはSFXを多用するヒーロー映画以外に、ポスト・ウディ・アレンとでも言うような、温かい人間喜劇の作り手としての顔も持ち合わせている。(2019/06/02)


中国
「魯迅の名言」検索サイトが五四運動100周年でユーザー登録殺到し、サーバーダウン
「子供の頃、作文を書くときには、文章に彩を添えるために、有名人の名言を引用することが多かった」という経験がある人はたくさんいるだろう。だがその使い方を間違えてしまうと、物笑いの種になりかねない。(JCLIFセミマンスリーニュース)(2019/05/30)


文化
日仏会館シンポジウム「イマージュと権力 〜あるいはメディアの織物〜」
120  「イマージュ」という言葉、時々耳にするけれど、イマージュってなんだっけ? イメージとどこか違うの?・・・この言葉にはそんな戸惑いを感じてきた。それに対して初めて、「あ、違うんだ」と感じさせてくれたのは日仏会館で行われたシンポジウム「イマージュと権力 〜あるいはメディアの織物〜」における小林康夫氏(青山学院大学教授)の言葉だった。「イマージュと言う言葉が私の人生を変えた」と。小林康夫氏は美術評論家・宮川淳の著書「鏡・空間・イマージュ」に20歳の頃触れて大きな影響を受けたことを語った。(2019/05/19)


関生反弾圧市民情報センター
現場で闘う女性たちのことを伝えたい  中島 由美子
120  5月10日に都内で開いた関生弾圧を跳ね返す東京集会で、集会実行委員会は全国一般労組東京南部委員長の中島由美子さんに連帯の発言をお願いした。併せて関生支部に女性組合員の派遣を要請した。中島由美子さんと青木邦子さん、二人のたたかう女性の魂が呼応しあう、とてもいい集会だった。集会後、中島さんがフェイスブックに一文を投稿してくれた。その文章に多くの女たちが呼応し、思いを寄せてくれた。関生とともにたたかう新しい流れが生まれたことを予感させる。中島さんの投稿とその投稿に寄せられた多くの女性の思いのいったんを紹介したい。(大野和興)(2019/05/17)


コラム
政治家の漢字への復讐の可能性は?  「漢字使用制限法」の可能性について
 今、国粋主義の作家の中には漢文の授業などいらない、と言っている人がいます。その作家が支持している安倍首相は漢字の読み間違えが多いです。日本の識者はしばしば安倍首相の漢字の読みの誤りを指摘します。指摘自体はもちろん当然なのですが、漢字を読めないことを軽蔑することが逆に、安倍首相へのシンパシーを大衆の中で醸している面がないか、ということは前回書きました。というのも漢字が読み書きできない人が増えているのではないか、と思われるからです。そこで以下は空想なのですが、安倍首相が漢字規制法案を提出したらどうなるか、ということなのです。(2019/05/13)


みる・よむ・きく
是枝裕和監督「三度目の殺人」 平成の時代を象徴する1本
是枝裕和監督の「三度目の殺人」(2017)は平成の時代を象徴するシンボリックな作品に思える。真実とは何かを問いかけるこの映画は黒澤明監督の「羅生門」を想起させるが、違いは多様な人間のそれぞれの真実ということではなく、一人の被告が何度も犯罪事実の供述を変えることにある。脚本が工夫されているのは拘置所に出向いて被告と陪審員裁判のための打ち合わせをする「聞き手」である弁護士の設定である。福山雅治演じるこの弁護士はこれまで法廷戦術として、真実を多少改ざんしても被告の利益になる「物語」をこれまで重んじてきた男に設定されていることだ。(2019/05/11)


コラム
あえて無知をさらすことで支持率を上げる安倍首相
安倍首相がまた台本を読み間違えたことが話題になっている。今回は左翼や知識人だけでなく、右翼も怒っていると言う。というのも、退位礼正殿の儀で安倍首相が「お二人がすこやかにあらせられることを願っていません」と読み間違えてしまったからだ。本来なら「やみません」なのだが、「いません」では意味がまったく逆になってしまう。しかし、今までにも述べてきたのだが、安倍首相がいくら漢字が読めなくても、それで支持率が下がったことはなかった。むしろ、安倍首相の無教養さを左翼や知識人が責めることで、逆に、そんな安倍首相に同情する人が多く存在するのではないか、と思えるのだ。というのも、今この国では漢字があまり読めない人が多くなっているし、書けない人はますます多くなっているのだ。安倍首相に対する軽蔑の言葉は、そのまま漢字の読めない人々に突き刺さっていくのではなかろうか。(2019/05/08)


コラム
貧乏な時代にこそイタリア語を  村上良太
連休中に平成の歴史特集が各局で行われていたけれど、平成元年は未だバブル景気の真っただ中で、テレビ東京の特番では竹藪に巨額の金がバッグに詰められて捨てられていた事件を振り返っていた。バブル時代を象徴するものの1つがイタリアンではなかろうか。イタリアのオペラやイタリア料理(当時は「イタ飯」などと言っていた)が大流行していた。当時の空前のイタリアブームは日本の金余りと結びついた現象だったように思う。たとえば作家の村上龍はその頃、アルマーニを着こなして雑誌などに登場していた。(2019/05/06)


コラム
【歩く見る聞く】何気ない日常の一コマ一コマに、 田中洋一
  何気ない日常の一コマ一コマに、これほど注意を払って暮らしている人がいることに、私は全く気づいていなかった。狭山事件で無期懲役刑が確定し、仮釈放(仮出獄)された後も無実への道を開く再審裁判を求め続けている石川一雄さん(80)のことだ。(2019/04/19)


コラム
再びフランス革命を考える時    村上良太
120 昨年「立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記」という本を社会評論社から出版しました。これはフランスで2016年3月31日に始まった市民運動「立ち上がる夜」(Nuit Debout)の参加者たちをルポしたものです。彼らの運動はいったんは終息しましたが、やがて形を変えて「黄色いベスト」に受け継がれていきました。この運動をパリや地方都市で取材していた時、何度となく、フランス人たちから「フランス革命」に関する考えを聞かされることになりました。実は僕はこの本を書くための取材をするまで「フランス革命」についてはほとんど無知でした。(2019/04/12)


欧州
フィレンツェのバス事情 〜 チャオ!!イタリア通信(3)
120 私は結婚して1年間だけフィレンツェ市内に住みましたが、その後、夫の実家近くに引っ越しました。夫の実家がある町は「ポッジョ・ア・カイアーノ」といって、プラート市(フィレンツェ市の隣)にあります。私は、そこからフィレンツェまでバスに乗って仕事に通っているのですが、このバス会社のフィレンツェにおける終着と始発のバス停留所が最近移動しました。それに伴い、バスが大きく迂回しなくてはならないのと、フィレンツェ市内の渋滞が重なり、夜7時以降のバスに乗ることもあるのですが、バスは毎回30分ほど遅れてやってくるようになりました。(サトウ・ノリコ=イタリア在住)(2019/04/09)


文化
[核を詠う](283)本田一弘歌集『あらがね』から原子力詠を読む(3)「ふくしまに生れし言葉はふるさとの土を奪はれさまよふらむか」   山崎芳彦
 本田一弘歌集『あらがね』から、筆者の読みによる「原子力詠」を抄出させていただいてきたが、今回で終る。今回の抄出歌に、「水俣は水のことばを福島は土語(つちのことば)を我等(われら)にたまふ」、「みなまたとふくしまの間(あひ) 亡き人の訛れるこゑを運ぶかりがね」、「訛りつつ生きて我等はうつたへむ しゅうりりえんえんしゅうりりえんえん」の3首があるが、本田さんが福島の地の歴史と現実を踏まえて水俣によせる思いを詠った作品に、筆者は強く、深い感銘を受け、石牟礼道子さん(1927〜2018)について思いを馳せた。本田さんの短歌作品は筆者に多くのことを教えてくれる。(2019/04/08)


文化
突出した伝統のあるリベラシオン紙の映画記事 映画批評家のジュリアン・ジェステル氏が来日 
120  昨日、フランスの日刊紙、リベラシオンの映画記者、ジュリアン・ジェステル氏が日仏会館で同紙の映画批評の歴史を話してくれました。これは今、日仏会館が取り組んでいる企画の1つで、コーディネートしているのは日本映画研究家で、日仏会館の研究者であるマチュー・カペル氏です。僕はこれまで確たる認識がなかったのですが、リベラシオンはルモンドやフィガロといったフランスの大手日刊紙の中でも突出した映画記事の伝統を持っている、ということでした。何しろ、文化部から独立した「映画部」まで抱えていて、たとえば映画雑誌のカイエ・デュ・シネマと共同でカンヌ映画祭特集号を出すこともあるそうです。実際にカイエ・デュ・シネマの記者がリベラシオンに移籍したり、またその逆もあるようで、そうした人材交流の面を見ても、日本の新聞とは異なる伝統を持っています。(2019/04/02)


社会
私の昭和秘史(12) 蹶起将校23名のうち 15名は“銃殺”された  織田狂介
 “蹶起”から“反乱”の賊徒とされた青年将校らが、事件直後、陸軍首脳らによって「武人として最期を飾れ」などと、歯の浮くような言葉で“自決”を勧められ(強要だった)のを断乎拒否し、あくまで法廷闘争で戦いぬくことを決意したため、軍首脳は止むなく彼ら全員を免官処分とし陸軍衛戍刑務所に収監した。この牢舎は江戸時代の伝馬町獄舎だったものを移転してつくられたといい、現在の渋谷・宇田川町の一角にあったが、いまでは跡形もなくなっているが、現在のNHKセンターの南側にある渋谷区役所あたりが、その跡地であるという。同区役所の西北隅には当時、処刑された青年将校たちの慰霊像が建立されてあることから、わずかに2・26事件を偲ばせるよすがになっているに過ぎない。(2019/03/29)


文化
サリンジャー:エクリチュールの向こう側へ  髭郁彦(ひげいくひこ):記号学
僕がこの導入部分を、こんなふうに書き始めたことには、ちょっとした訳がある。訳と言ってもたいした訳ではなく、小さなコメディーと言った方が正確なのだけども。そのコメディーという奴はこうだ。僕は、もうすぐこの近くでは見られなくなるある映画の、多分とてもシリアスだと予想される映画の情報をたまたまキャッチした。上映は朝一回目だけ。そのため僕は早起きをして、髪の毛に櫛を入れ、いつものダウンジャケットをひっかけ、速足で駅に向かい、電車に乗り込み、目的の映画館を目指したんだ。(2019/03/29)


国際
アルジェリアの第二革命  歴史は終わらない   村上良太
120  この春、アルジェリアで起きたブーテフリカ大統領の5選を目指す出馬に反対する民衆のデモについてアルジェリアのジャーナリストに率直に「どう見ているか」、と聞いてみた。日刊ベリタにもたびたび寄稿いただいたTV局、Canal Algerieの記者、アブデルマジド・ベンカシ(Abdelmadjid Benkaci)氏である。(2019/03/29)


政治
野党完全勝利までの道のり 4   南田望洋
 第二次安倍政権が誕生した最大の要因は東日本大震災でした。これは1000年に一度の災害で、政権を担っていた民主党にとっても不運な事態でした。当時、野党に沈んでいた自民党はこれを最大限利用しました。地震と津波が引き起こした人的損失、経済的損失に加えて、原発事故という原子力テクノロジーの崩落。この精神的外傷を自民党はできるだけ、民主党政権によって引き起こされたことだと刷り込んできました。その象徴的かつ魔法の言葉こそ「日本を取り戻す」でした。安倍首相の「日本を取り戻す」という言葉に見事に大衆は幻惑されました。強いリーダーがこの1000年に一度の国難を救ってくれる、と思ったのです。(2019/03/27)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その10  望月記者の同僚・東京新聞社会部、柏崎智子記者が登壇
120 3月14日の首相官邸前の「知る権利」を守る集会には、官邸記者会見の場で質問を妨害されてきた東京新聞の望月記者の同僚、社会部の柏崎智子記者も訪れてスピーチを寄せた。この日、様々な新聞の記者が集まり、望月記者に連帯の言葉を寄せた。だが、中でもっともインパクトがあったのは同じ職場の記者である柏崎さんの言葉だった。というのは、今日、マスメディアであるなしを越えて、様々な職場で労働者が互いにライバルにさせられ、連帯どころか商売敵か監視しあう敵であるかのような空気が強まっているからだ。背景には権力の問題だけでなく、市場が縮小する時代ということがある。こんな今日だからこそ、同じ職場の同僚が仲間を応援する言葉は新鮮だった。(2019/03/25)


私の昭和秘史(10) 「蹶起部隊」から「反乱軍」へ 天皇陛下 何と云ふ 御失政でありますか・・・  織田狂介
 さて、ここではまず『2・26事件』について記録されている多くの関係者たちの文書や日誌の中から、果してこの事件が本当に多くの一般国民(生活に苦しんでいた農漁民や市民たち)の貧乏な生活を救うための「世直し運動」であったのか、どうかを究明しならその真相に迫ってみたい。そのためにまず、さきに引用した『昭和史』(岩波新書)が記述している事件の概況を再録しておきたい。(2019/03/23)


社会
私の昭和秘史(9) 祖父から父へ そして私 黙ってはいられない  織田狂介
昭和11年2月26日早暁、歩兵第一、第三連隊、近衛歩兵第三連隊(註:近衛とは、主として天皇一家が住まわれる宮城一帯の守備、護衛に当たる人々のことを云う)等の22名の陸軍青年将校たちは、部下である千四百余名の下士官・兵を率いて反乱を起こした。これらの部隊は首相、蔵相、宮内大臣、侍従長、陸軍教育総監の官私邸、警視庁、朝日新聞社等を襲撃し、内大臣斉藤実、蔵相高橋是清、教育総監渡辺錠太郎を殺害し、侍従長鈴木貫太郎に重傷を負わせた。元老の一人である西園寺公望、牧野伸顕前内大臣も襲撃の目標とされていたが、不成功に終わった。岡田啓介(海軍大将)首相は、新聞などでは即死を報ぜられたが、のちになって秘書官の身代わりによって助かったことが判明。反乱部隊は首相官邸、国会議事堂、陸軍省、参謀本部を含む永田町一帯を占拠し、川島陸軍大臣と交渉して己たちの「要求」を実現しようとした。(2019/03/21)


文化
シャルリ襲撃で殺された漫画家、ジョルジュ・ヴォランスキの漫画1000点以上が閲覧できるサイトが登場。エロスを描いて一番のフランスが誇る漫画家
2015年1月にフランスの風刺漫画シャルリエブドの編集室が襲撃され、漫画家たちが殺されたのだが、その中の一人がジョルジュ・ヴォランスキ(Georges Wolinski)だ。かつては月刊シャルリの編集長でもあった。フランスで70年代から80年代にかけてデビューした当時の若手作家たちにとってヴォランスキは父的な存在だった。そのヴォランスキだが、日本でシャルリ事件というとイスラム教徒に対するヘイトの漫画家が殺されたのは仕方がない、みたいな反応もあった。しかし、ここに出てくるヴォランスキの漫画を見れば、そうではなかったことがわかるだろう。(2019/03/21)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  怒涛のアルジェリア  平田伊都子
120  怒涛のデモに洗われるアルジェリアの首都アルジェは、アルジェリア・イスラム主義組織が町を支配した20年前の激動のアルジェに似ています。 その頃のある金曜日、イスラム主義組織が根城にしていたカスバ(旧市街)の取材を終え階段を下りて、200メートル先にある宿泊ホテル・アレッティ(現在サフィール)に向かう通りに出ました。 ところが、来る時、デモの人で埋まっていた通りには人っ子一人いず、気味悪く静まり返っている、、 通りを50メートルほど歩いた時、「ヤ―バーニー(日本人)だ!」「撃つな!」と、通りの両サイドを囲む数階建てのビルの上から叫び声が降ってきました。 見上げると、ビルの窓は鈴なりの人で溢れかえっています。 行き先には政府軍の戦車が、ビルの陰には手製のダイナマイトやこうもり傘に仕込んだ銃を構えるイスラム主義組織の兵士とで、、まさに、戦闘が開始される寸前だったのです。 戦闘を見物する人々の声に助けられて、日本の取材陣は手を振りながら、まっすぐひたすら200メートルを歩きました。 (2019/03/18)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その7 東京新聞社会部の望月衣塑子記者が登壇
120 国民の知る権利を守るための3月14日の首相官邸前集会、スピーチを行う記者らの最後に東京新聞社会部の望月衣塑子記者が登壇した。望月記者はこの日、最初からずっと演壇のすぐ脇にいて、野党議員や弁護士、同業の記者らの話を聞いていた。今、問題になっているのが首相官邸が望月記者の質問を妨害していることである。権力側による恣意的な記者の排除をいったん認めればその先にジャーナリズム不在の恐ろしい時代が来ることは明らかだ。様々な記者が様々な立場から、この問題をどう見ているかを語り、記者の連帯を呼びかけた。では望月記者はこの日、いったい何を語るのか。一同、固唾をのんで登壇した彼女の話に耳を傾けた。(2019/03/18)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その6 「国境なき記者団」の瀬川牧子氏  
120 3月14日の「知る権利」を守るための官邸前集会では、東京新聞・望月記者への首相官邸側の質問妨害に関して抗議声明を出した「国境なき記者団」の瀬川牧子氏も登壇してスピーチを行った。瀬川氏「毎年各国のプレスランキングを発表させていただいておりますフランスのパリに本部を置く『国境なき記者団』の日本特派員の瀬川と申します。今回の望月さんへの質問妨害に関して『国境なき記者団』の方から声明文を出させていただきました。重要なところだけ読み上げさせてください・・・」(2019/03/17)


関生反弾圧市民情報センター
ストライキは犯罪か!を掲げ、大阪で大集会
120 「ストライキが犯罪か!労働組合つぶしの大弾圧を許さない!3.10集会」が、3月10日、大阪市立西区民センターにて開催され、労働組合・市民団体・個人など520人が結集。会場は参加者であふれました。この集会は、昨年からの関生支部への権力弾圧に対して、闘う労働組合や市民団体が結集して発足した「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」が主催したものです。(連帯広報委員会)(2019/03/16)


政治
首相官邸前で行われたマスメディア・ジャーナリスト・市民の抗議集会 "FIGHT FOR TRUTH” その3 新崎盛吾氏(共同通信労組 元新聞労連委員長) 
120 3月14日、首相官邸前で行われた「私たちの知る権利を守る」集会には新聞労連の委員長を以前つとめた新崎盛吾氏も駆けつけてマイクを手にした。新崎氏は共同通信労組のジャーナリストで、新聞労連委員長に選出されたのは2014年7月25日の新聞労連第124回定期大会だ。この定期大会のメーンスローガンは「労働組合の原点に帰ろう」だったとされ、すでにその頃、表現の自由に冬が訪れているという認識が広がっていた。2013年の暮れに国会で可決された特定秘密保護法や2015年の安保法制などはそれらの象徴的なものだ。新崎氏が委員長をつとめたのは2016年までだから、まさにそうした緊迫した時代を新聞労連の委員長として過ごした人物である。(2019/03/15)


外国人労働者
立ち上がった技能実習生 「平成の女工哀史」を許すまい
 厚生労働省の外国人雇用状況調査(17年10月現在)によれば日本で働く外国人労働者の国別のトップは中国で37万人(29.1%)、2位がベトナムの24万人(18.8%)である。ちなみに3位以下はフィリピン、ブラジル、オーストラリア・ニュージーランド、ネパール、韓国、ペルーの順だ。ドイモイ路線で経済発展中と言われるベトナムだが、都市と農村とか富と貧困とかの格差があるということなのかも知れない。「日本に行けばお金になる」と誘われて、渡航費用を借金で工面して日本に来たがその実態はどうか。3月2日付『京都新聞』が次のような記事を載せている。(戸津章介)(2019/03/13)


教育
降ってわいた「幼児教育・保育無償化」  池田祥子 :前こども教育宝仙大学
●自民党の選挙公約から始まった「幼児教育・保育無償化」 2017年秋の衆議院選挙の際に、首相の「解散権」への疑義などはまったく無視して、北朝鮮の脅威を誇大宣伝しつつ、国民への「リップサービス」見え見えの施策として、いきなり安倍自民党の公約として掲げられたのが、この「幼児教育・保育無償化」である。 確かに、日本の福祉財政に占める「子育てや就学前教育・保育」の割合は、専ら高比率を占める高齢者福祉に比較して低い状態であることは事実である。また、OECD各国の「就学前教育支出に占める公的支出の割合」も、アイルランド(100%)、ルクセンブルグ(99%)、ベルギー(97%)、スウェーデン(95%)、フィンランド(89%)、さらに韓国(83%)、米国(74%)などに比べても英国(48%)と並んで日本(46%)の数値は極端に少ない。(2019/03/11)


検証・メディア
国会パブリックビューイング運動の射程  村上良太
昨年始まった国会審議を公共の場で広くともに見る国会パブリックビューイング(国会PV)という運動についてその現場を訪れて、何回か記事を書きました。今後のことは未知数ですが、この運動が長く続いていくといいな、という思いを筆者は持ちました。国会審議はTVで中継されることもありますが、多くの国民や市民はそれを同時中継で見ることが実際にはできないですし、さらにTVや新聞でのちに報じられたものが、必ずしも実際の審議の場を的確に描写したり、編集したりしているかと言えばそうではないようです。そこには編集デスクやプロデューサーたちの主観も入りますし、政治的な忖度も混じることがあるでしょう。仮に政治的な忖度がなかったとしても、報じる人の主観的判断が作用しますから、様々な政治的見識や批判的精神を持つ人が社会に共存する以上、本質的にどんな報道であれ異論を持つ人が出てきてもおかしくないのです。(2019/03/09)


文化
日仏会館図書室図書室「日仏の翻訳者を囲んで」 第九回 コリーヌ・カンタン氏 ( 司会 丸山有美 )
さて、3月6日に行われた「日仏の翻訳者を囲んで」(通算で第九回)ではフランス著作権事務所のコリーヌ・カンタン代表取締役がトークを行いました。フランス著作権事務所はフランスの本の邦訳や、日本の本の仏訳など双方向で著作権交渉を行う企業です。なんと日本で翻訳されるフランス書籍の8割近くがこのフランス著作権事務所を介しているのだそうです。年間にすると150〜180冊に及ぶと言いますから、2日に1冊くらいのハイペースです。そういう意味ではフランス書籍の翻訳活動を考える人にとってコリーヌ・カンタン氏はいずれ必ずや出会うことになる人と言って過言ではありません。(2019/03/09)


欧州
「黄色いベスト」による革命の可能性 パトリス・マニグリエ(哲学者)  Le potentiel révolutionnaire des gilets jaunes Patrice Maniglier
120 ●「黄色いベスト」による革命の可能性  以下に述べることはすでに十分に明らかだろう。「黄色いベスト」という運動はフランスにおいて〜1968年の五月革命以来、いやさらにアルジェリア独立戦争以来と言ってもいいのだが〜本物の革命の可能性を明確に示した、ということである。この革命という言葉については共通理解が必要である。革命とは権力に変化が起こることである(それが政治権力の中枢にいる人々が他の利益のために追い出される場合であれ、権力構造自体が変革される場合であれ)。そしてその権力の変化が統治される「マッス」(masse:大衆、塊、集団)による不服従によってもたらされる場合である。(2019/03/08)


みる・よむ・きく
ドキュメンタリー映画『 沖縄から叫ぶ 戦争の時代』 小野田明子
120  こんなタイトルになるとは思いもよらなかったーと、2018年1月から10月までの沖縄そして、その周辺の島々を記録した湯本雅典監督が述懐する。それは、このドキュメンタリーを見る側にとっても、同じ思いだ。(2019/02/28)


沖縄/日米安保
辺野古「反対」7割超とドナルド・キーンさん死去 元米軍通訳として記した「日本兵の沖縄人食肉」の戦慄 
 米軍普天間飛行場の移設をめぐる名護市辺野古沿岸部の埋め立てについて、沖縄県民の72%が県民投票で「反対」を表明した日、日本文学研究者のドナルド・キーン氏の訃報が伝えられた。二つのニュースに直接の関連はないが、私は昔読んだ琉球新報のある記事を思い出した。「真実の苦さ」と題する大田昌秀・琉球大学教授(のちの県知事)の一文で、キーン氏の第二次大戦中の手紙が紹介されている。米軍の日本語通訳官だった若きキーン氏は、ニューギニア戦線での日本兵による人肉食で最初に犠牲にされたのが沖縄人だったことを記している。(永井浩)(2019/02/25)


地域
アベノミクスを地方から考える 「これではおカネはまわらない」  小野田明子
 青森県は、自他ともに認める賃金の安い県だ。昨年は、鹿児島県より1円高く、762円で、ビリから2番目だった。自他ともに認めるとは、客観的に全国でも最も貧しい県だということと、主観的にも、経営者も「うちは苦しい経営なので、最低賃金で」と言い、労働者も「最低賃金でも貰えるならいい。会社がつぶれては困る」と応じる県民性にある。大企業は、数少なく、ほとんどが中小企業。しかも、親族会社となると採用も身内やその周辺だとすると、「労使関係」などという緊張関係は皆無といってよいだろう。はっきり言えば、日本で一、二番を争う安い労働力を提供している、都会から移住した者から見ると本当に人の好い県民なのである。(2019/02/21)


アジア
厚労省の統計不正で想い出したこと  野上俊明(のがみとしあき):ちきゅう座会員/哲学研究
政府や議会における政策決定の基礎となる厚労省の統計調査「毎月勤労統計」に重大な不正が判明した事件は、安倍政治が官僚機構をも道連れにして底なしの劣化に落ち込み、亡国の兆しすら呈し始めたエポックとして記憶されるにちがいありません。このことで私は今から10年ほど前のミャンマーでの出来事を想い出しました。それは2007年の8月下旬に開かれた、定例のヤンゴン日本商工会議所(以下JCCY)・貿易部会でのことでした。JCCYでも貿易部会は五大商社など有力企業の責任者が出席する中心的部会で、大使館からは参事官クラスが出て政治報告をするのが通例でした。その月は数百%という石油の大幅値上げがあり、それに反対するデモ騒ぎがヤンゴンで起きて世情がいくらか騒然としておりました。(2019/02/18)


国際
現天皇は戦争責任ゼロなのか 韓国国会議長の日韓和解提案と天皇制 戸塚章介
 韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長による日本軍慰安婦問題に関する「日本を代表する首相かあるいは天皇に一度おばあさんの手を握り謝罪してほしい」という趣旨の発言について、日本共産党志位和夫委員長は12日に行われた記者会見で次のような見解を述べた(14日付『赤旗』)。「私たちは、日本政府として、真剣な謝罪が必要だと繰り返し言ってきました。とくに(安倍)首相が自らの肉声できちんと謝罪しなればいけないということは、強く言いたいと思います。ただ、天皇は日本国憲法で『政治的権能を有しない』となっているわけですから、そういうことはできないということは当然だと思います」。概ねその通りだと思うが、後段の「政治的権能を有しない」のところはちょっと違和感を感じる。「(2019/02/17)


コラム
今問題になっている厚労省「毎月勤労統計」のサンプリングについて  谷克彦(数学月間の会 世話人)
公的統計は国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報です.統計が政策の客観的な基礎になるので統計調査は政府の管理下に置き重視しています.統計法(2007年に大幅改正)には,国勢調査などの基幹統計調査での報告義務,かたり調査の禁止,地方公共団体による事務の実施などが決められています.政府の統計を監督する統計委員会は,総務省に置かれているので,政府からの独立性の懸念はあります.麻生太郎副総理・財務相は2015年10月の経済財政諮問会議(議長・安倍首相)で,「毎月勤労統計については,企業サンプルの入れ替え時には変動があるということもよく指摘されている」と発言しました.これはもちろんその通りですが,2018年のサンプル入れ替えのときに,数値上昇への忖度につながった可能性はあります.(2019/02/04)


文化
[核を詠う](277)朝日歌壇(2018年1〜12月)から原子力詠を読む(2)「汚染水八十九万トンのタンク群上空には八年目の秋雲」  山崎芳彦
 前回に引き続き「朝日歌壇」(2018年)から原子力詠を抄出するが、その前に今年1月13日の同歌壇に、安倍政権による沖縄県の辺野古沖埋め立て強行についての作品が多く入選して掲載されているので、その歌を抄出・記録しておきたい。まことに許し難い安倍政治の蛮行について、多くの主権者が強く批判しているが、詠う人々も早くから作品化してきている。今回は1月13日の「朝日歌壇」入選作品のみを記録するにとどめるが、今後どのようなかたちでか、沖縄を詠った作品をまとめたいと考えている。(2019/01/19)


韓国
韓国労働運動の息吹に触れた4日間(3)〜2018年11月労働者大会参加と日韓連帯・交流報告
120 訪韓3日目の11月11日(日)、この日は非武装地帯(DMZ)の見学ツアーだ。(尾沢孝司)(2019/01/19)


欧州
ある高校の抗議デモから、イタリアを考える 〜 チャオ!!イタリア通信(1)
120 イタリアでは、イエスの誕生日であるクリスマスから始まり、年末年始を経てエピファニアと東方三博士がイエスを来訪する日である1月6日までが冬のバカンスとなります。(サトウ・ノリコ)(2019/01/15)


中国
北京の最高気温が−5℃に 厳寒は30日まで続く見込み
北京市には強い寒波が押し寄せ、「寒い!」と悲鳴を上げたくなるような天気が続いている。(JCLIFセミマンスリーニュース)(2019/01/13)


コラム
2019年を「アベ改憲阻止の年」に  澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士
あらたまの年のはじめ。2019年の元日に、それらしいことを書き留めておきたい。まずは、今年の願い。何よりも、今年を「アベ改憲阻止の年」としたい。改憲勢力の側からすれば、「改憲断念を余儀なくされる年」。改憲派にとっては、「アベのいるうち、改憲派が両院ともに3分の2の議席あるうち」が、千載一遇の改憲のチャンスなのだ。「アベを降ろす」か、衆参どちらかの議院で自・公・維の合計議席数を3分の2以下にすれば、改憲を阻止できる。その展望は大いに開けている。アベ晋三の総裁任期は2021年秋までではあるが、選挙の顔として使えなくなれば、冷酷に取り替えられることになろう。(2019/01/02)


文化
ある詩人の肖像   髭郁彦(ひげいくひこ):記号学
「確か 英語を習い始めて間もない頃だ。/ ある夏の宵。父と一緒に寺の境内を歩いてゆくと 青い夕靄の奥から浮き出るように 白い女がこちらへやってくる。物憂げに ゆっくりと。」という言葉で始まる詩や、「二人が睦まじくいるためには / 愚かでいるほうがいい / 立派過ぎないほうがいい / 立派過ぎることは / 長持ちしないことだと気付いているほうがいい」という言葉で始まる詩を読んだことはないだろうか。ありふれた些細な出来事が誰にでも判る平易な言葉で物語られた詩。これらの詩の作者である吉野弘の展覧会が桶川市にあるさいたま文学館で10月6日から11月25日まで開催されていた。吉野の詩を初めて読んだのは中学生の頃だったと思う。彼の「夕焼け」という詩が国語の教科書に載っていたのだ。その詩の小さな物語性に私は心を打たれた。小さな物語性。そう、彼の詩にはいつも、日常的なささやかな物語が語られている。彼の詩の物語性は長く記憶に残るものである。(2018/12/28)


コラム
リチウムイオン電池と使用環境  谷克彦(数学月間の会 世話人)
120 リチウムイオン電池は使用環境に注意して用いないと危ないですね.この電池は日本製のようでかなりタフでした.リチウムイオン電池は,充電時に40℃を越えると劣化し危険なので,見張り役のサーミスタがつくほどです.このように膨れた電池は危険ですが,それでもまだ性能は保たれその耐久性には感心します.これは危険ですが,電池の責任ではありません.使用環境が過酷なためです.(2018/12/26)


文化
[核を詠う](275)波汐朝子歌集『花渦』から原子力詠を読む「核マーク付けし原発の扉(ドア)のまへ放射痕ある胸騒ぐなり」  山崎芳彦
 今回読ませていただくのは波汐朝子歌集『花渦』(雁書館、2004年5月刊)だが、福島の歌人である著者は、まことに哀惜に堪えないが、今年9月10日に逝去(享年89歳)された。朝子さんの夫である波汐國芳さんから喪中のお葉書をいただいて知ったた。「失った妻の存在は何物にも代え難いものではありましたが、ともに歩んだ日々を胸に抱き心持ち新たに新年を迎えたいと存じます。」と記され、また「波汐朝子が歌人として病に負けずに闘い抜いた記録『花渦』より一首をしたためます。」として、朝子さんの歌、「ダムのため削がれし山の痛み知る片乳のみの吾なればこそ」があげられていた。筆者は、電話で失礼ではあったが心からのお悔やみを申し上げるとともに、歌集『花渦』についておうかがいしたところ、さっそくお送りいただいた。波汐朝子さんには、國芳さんにお願いごとの電話を差し上げた時、何回かお声をお聞きすることがあっただけだが、この連載の中で歌誌『翔』を読ませていただいきた中で朝子さんの短歌作品を読み、感銘を受けることが多かった。波汐朝子さんのご逝去はまことに口惜しく、悲しい。(2018/12/22)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  ジョン・ボルトンは西サハラ支持  平田伊都子
120  日本でジョン・ボルトン米国家安全保障補佐官と言えば、拉致被害者の会が渡米した時最初に会ってくれた政府高官で、北朝鮮やイランに強硬な<スーパーコンサーバティブ>として有名です。 そのジョン・ボルトンは、1991年のミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)創設の草案に関わっていました。 そして、上司のジェームス・ベーカー元米国務長官が国連西サハラ事務総長個人特使の任務に就いた時、その右腕として人民投票実施に向けて活躍しました。(Youtu-benishiの<人民投票>をクリックしてください) さらに米国連大使(2005年~2006年)になった時には、人民投票実現に向けて努力しました。 が、人民投票を拒否するモロッコの妨害で、彼の思いは頓挫したままです。(2018/12/20)


コラム
吉田喜重監督のドキュメンタリー作品「夢のシネマ 東京の夢」 
120 映画監督の吉田喜重氏が1995年に東京MXテレビ向けに監督したドキュメンタリー作品「夢のシネマ 東京の夢」(52分)が東京の日仏会館で上映された。このドキュメンタリーは19世紀末、映画の草創期に来日して明治維新の日本をフィルムに動画として撮影したガブリエル・ベールという男にスポットを当てている。このガブリエル・ベールという男の人生がとても面白い。と同時に、とても悲しい。というのもベールはのちに映画を去っていくからだ。アルチュール・ランボーが詩を捨ててアフリカに渡ったように。そして吉田喜重氏自身も映画をある時期を境に撮るのをやめたという。つまり、このドキュメンタリーはガブリエル・ベールがなぜ映画を去ったのか、がテーマになっている。(2018/12/08)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  月の砂漠の王子様  平田伊都子
120  世界のスーパースターは、ムハンマド・ビン・サルマーン・アルサウード(33才)殿下です。 サウジアラビア皇太子で王位継承者、第一副首相、国防大臣、経済開発評議会議長、王宮府長官、などなど事実上の最高権力者、容姿も肩書も申し分ないお方です。 (2018/11/29)


農と食
【小さい直売所から】 ,海鵑頁清箸發△蠅泙
120  この春、小さい小さい野菜直売所を作りました。名前は「秩父特別支援学校朝どり野菜直売所」。埼玉県北西部の秩父市にある県立の学校です。小高い山の上にあり、小学生から高等部まで約100人の障害を持つ子どもたちが学んでいます。高校1年から3年の9人の生徒で農業グループが編成され、週2日農業実習に励んでいます。(西沢江美子)(2018/11/27)


検証・メディア
「慰安婦」問題 加害者が被害者に謝罪すべきだという常識的な判断をすることができないマスメディア  Bark at Illusions
 日韓合意(2015年)に基づいて設立された「和解・癒やし財団」を韓国政府が解散させたことに憤慨する日本政府に歩調を合わせ、マスメディアは韓国政府の対応を非難し、財団の解散が日韓関係に与える影響を懸念している。しかし日韓合意がうまくいかなかったのは、日本政府の謝罪や賠償を求める元「慰安婦」の人たちの意向が反映されていなかったからだ。日本政府が言うように「慰安婦」問題を「最終的かつ不可逆的」に解決させ、日韓の「未来志向」の関係を築きたいなら、まずは日本政府が被害者の女性らに謝罪することだ。(2018/11/27)


政治
「日本の友よ──朝鮮人の苦痛を知るや」(1921年3月4日『東亜日報』社説)
  徴用工、慰安婦、そして原爆Tシャツと、日韓の友好関係の発展をつまずかせる問題がいまだに解決できないのはなぜなのだろうか。いま最も必要とされているのは、韓国の人びとの私たちに対する問いかけの本質が何なのかを冷静に確認することだと思われる。その手がかりのひとつとして、「日帝」による植民地支配下の1921年3月4日に「東亜日報」紙に掲載された社説「日本の友よ──朝鮮人の苦痛を知るや」を私は読んでみた。以下がその全文である。(永井浩)(2018/11/23)


国際
1965年日韓協定の実質は経済協力協定、個人の請求権は未解決 醍醐聡
 韓国の大法院が日本企業に対する元徴用工の賠償請求を認める判決を言い渡したことについて、河野太郎外務大臣は猛反発し、本件請求権は1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決しており、あとは日本政府が渡した供与等で韓国政府が元徴用工1人1人に補償をすれば済む話だと発言している。本当にそう言えるのか? この問題を考える上で、重要なのは次の2つである。(2018/11/16)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  ♠米大統領レファレンダム、西サハラレファレンダム  平田伊都子
120  米中間選挙から3夜明けた⒒月9日、CBS米TVは、「♠米大統領レファレンダムで、アメリカ国民は完全に分断」と、投票結果を分析しました。 レファレンダムとは人民が直接投票をして、イエスかノーかを決める究極の民主主義です。 結果がどうなるかは、やってみないと分からない、、、民主主義を崇める国際社会は、レファレンダムを大いに推奨しましょう! (2018/11/09)


文化
「今日文学になにができるのか?」 日仏会館のシンポジウム その2
10月26日に日仏会館で行われたシンポジウム「今日文学になにができるのか?」の時に聴衆として1つ思ったことがあった。それはここで問われている「文学」にフィクションとノンフィクション、さらに登壇者のマリエル・マセ氏が力を入れて研究し自らも実践しているらしいエッセイの3つのジャンルのことである。登壇者のうち、小野正嗣氏を含めて2人は小説家である。そしてマセ氏はエッセイストの顔を持っている。しかし、ノンフィクション作家はこの日は登壇しなかった。今年亡くなったアメリカの作家のトム・ウルフはニュージャーナリズムの旗手として一世を風靡したが、それはノンフィクションが今後は文学の中心となる、と宣言したことだった。(村上良太)(2018/11/02)


コラム
被疑者下村博文に対する検察審査申立記者会見にて  澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士 
昨年(2017年)7月31日、阪口徳雄君、児玉勇二君ら同期の弁護士とともに東京地検特捜部に赴き、下村博文らに対する政治資金規正法違反の告発状を提出した。その告発の内容については、同日の下記当ブログにおいて報告済みである。●安倍政権と加計学園の癒着に切り込むー下村博文政治資金規正法違反告発(2018/11/01)


国際
再検証・「自己責任」論はいかに展開されたか 2004年のイラクの日本人人質事件をめぐって
  シリアで武装勢力とされる組織から解放されたジャーナリスト、安田純平さんに対してインターネット上などで「自己責任論」による批判が起きている。2004年にイラクで起きた武装勢力による日本人人質事件をめぐる論調の再燃である。両事件の背景などは異なるが、今後も再発しかねない同様な出来事を考えるうえで、14年前の自己責任論を再検証しておくことは無駄ではあるまい。この議論が誰によって何のために火をつけられ、メディアはそれをどう報じ、どのような政治的結果をもたらすことになったのか、また国際世論は日本の動きをどうみていたか──。(永井浩)(2018/10/28)


市民活動
<麻生辞めろ!署名運動から>財務局職員が声を上げた 市民も奮闘しよう  醍醐聡
「森友学園への国有地売却問題をめぐり、国会での真相解明を求める近畿財務局のOBらが25日、野党からの聞き取りに応じました。今年3月、文書の改ざんを指示された近畿財務局の職員が自ら命を絶った。OBらは番組の取材に対して「(文書改ざんは)公務員の発想としてはない。上からの指示がない限りできない」と述べました。(2018/10/26)


農と食
地域と運動の現場から考える種論議(中)農民の存在があってこその種子法  大野和興
120  以上、種子法廃止をめぐるこれまでの経過を簡単に振り返ってみた。廃止に反対する運動側の論理は二つに整理できる。一つは、種子は農業生産にとって基本的な要素なので、その部分をこれまで支えてきた公的枠組みをはずすことは食料主権をグロ−バル企業に売り渡すことになる、という議論。もう一つは、グローバル企業とはモンサント(最近バイエルと合併)に代表される遺伝子組み換え種子産業であり、種子法がなくなることで日本の水田は遺伝子組み換え稲に占拠される、という議論だ。簡単明瞭で、わかりやすいといえばわかりやすい。だが、こうした単純な議論の立て方には違和感も感じる。(2018/10/17)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  地球に未だある植民地  平田伊都子
120  「地球にはまだ植民地があります」と言うと、「そんなもん、過去の話でしょ?」と、返しがきます。 日本では植民地問題など、歴史の教科書に納められているようです。 が、みんなが忘れている植民地問題を追及し続けているのが国連です。 「この地球から植民地を失くそう」と、1960年12月14日に国連総会決議1514<植民地独立付与宣言>を採択して以来、西サハラも脱植民地化の対象地とされてきました。 2018年10月12日、13日、、、、と、国連総会第4脱植民地化委員会では西サハラ非自治地域(=植民地)を中心に、地球に未だある植民地問題が討議されました。(2018/10/15)


環境
全国500カ所で開催!フランスの農薬全廃キャンペーン「Nous voulons des coquelicots」第一回集会  Ryoka ( 在仏)
120 2018年10月5日、9月に発足した農薬撤廃キャンペーン「Nous voulons des coquelicots(ヒナゲシの花を取り戻そう)」による呼びかけで、フランス各地で集会が行われた。その数はなんと、海外県やコルシカ島も含めた約500の市町村。日本では考えられない数だが、政治色がなく有名な団体名が前面にでていないこと、そしてやはり人々が集会慣れしているフランスで行われたということが大きい。参加人数は市町村によってマチマチで、大都市でも人口10万人のカン(Caen)市に300人が集まったのに、それより一回り大きいリール(Lille)市で50人に留まるなど、呼びかけが行き渡ったところとそうでないところの差が大きく出ている。(2018/10/13)


みる・よむ・きく
PARC新作DVD上映会&トーク 『甘いバナナの苦い現実』   鶴見良行氏の「バナナと日本人」から約40年、フィリピン・ミンダナオ島のバナナ農民たちは今? 
120 10月4日の夜、東京・神田駿河台の連合会館の会議室で、ビデオの上映会があります。「甘いバナナの苦い現実」(78分)というタイトルのドキュメンタリーです。日本で売られているバナナの圧倒的多数がフィリピンのミンダナオ島で作られています。そのミンダナオ島の農民たちを今から約40年前に鶴見良行という研究者がフィリピン人の研究者と共同で調査を行い、のちに一冊の本にまとめます。岩波新書から出ている「バナナと日本人」です。この本はロングセラーであるだけでなく、多くの若者の生き方を変えた名作です。(村上良太)(2018/10/01)


コラム
祝・「植村隆氏、金曜日の社長に就任」  澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士
「植村裁判を支える市民の会」のホームページが素晴らしく充実している。支援の質の高さを示して、さすがというほかはない。URLは以下のとおり。http://sasaerukai.blogspot.com/そのサイトの昨日(9月26日)の記事に驚いた。「植村隆氏、金曜日の社長に就任」というもの。 金曜日とは、言わずと知れた「週刊金曜日」を発行する「株式会社金曜日」のこと。同誌は、これまでも植村訴訟支援の姿勢を堅持してきた。とは言うものの、植村さんがその出版社の代表取締役社長兼発行人に就任なのだ。私には、思いもよらなかったこと。明日(9月28日)、就任の記者会見をするという。(2018/09/28)


コラム
差別二題  根本行雄
 『週刊 新社会』紙に、辛淑玉(シン・スゴ)さんが「たんこぶ」という題名のエッセイを連載している。このエッセイを読んでいると、自分のなかに差別意識があることに気付かされることが多い。差別は、じつに根深い。差別をなくしていく闘いは、根気よく続けていくしかない。人類史の課題である。(2018/09/25)


国際
目標500万署名! 農薬大国フランスで化学農薬の全廃を求めるキャンペーン開始! Ryoka ( 在仏 )
120  ヨーロッパで一番、農薬を使っているのはフランス。世界で3番目に農薬を使っているのもフランス。でもだからと言って、フランスに住む人々が皆「農薬使っててもいいや」と思っているわけではありません。その証拠に、2週間前に始まった農薬の不必要を訴えるキャンペーンの署名がとてつもない勢いで伸びているのです。題して「Nous voulons des coquelicots(ヒナゲシの花を取り戻そう)」。Ryoka ( 在仏 )(2018/09/24)


核・原子力
『核と人類は共存できない 核絶対否定への歩み』の思想と闘いの記録を読む(3) 伊方原発訴訟での森瀧春子さんの意見陳述から  山崎芳彦
 森瀧市郎『核と人類は共存できない 核絶対否定への歩み』(七つ森書館刊)を読み、筆者なりの思いをふくめて記してきたが、前回は主として森瀧市郎・春子父娘の思想と闘いの記録を、春子さんが同書に「解説に替えて」として書いた「水棹のむ背の如くに」と題する文章を通じて森瀧市郎さんの核絶対否定への歩みについて、心を打たれながら、現在の「原子力社会」について多くのことを考えさせられた。(2018/09/19)


アジア
南シナ海の衝突で日本が戦時に入る可能性  出光・帝石とベトナム国営石油会社の石油・ガス掘削と北京
安保法制が想定する存立危機事態に入る危険が高い地域が南沙諸島沖である。ここはフィリピンやベトナムなどのアジア諸国と領海「九段線」を主張する中国との緊張にさらされている。そんな中、ベトナム国営石油会社ペトロベトナムが海底石油・ガス田の掘削事業に日本企業の出光興産および国際石油開発帝石と契約を結んだと8月に発表された。採掘現場が中国の主張する領海に近いことから、中国政府が介入してくる可能性もある、と見る人もいるようだ。(2018/09/17)


コラム
フランス、レジ袋禁止から2年 ~ トウモロコシやジャガイモなどを原料にした“レジ袋” が登場  ~ Ryoka ( 在仏 )
120 フランスで薄手のプラスチック製レジ袋の無料配布が禁止になったのは、2016年7月のこと。プラスチックごみが大半を占める海洋汚染は深刻で、エコロジストなどにとっては待ちに待った法律だった。あれから2年、法律は「レジ袋をできるだけ使わないようにしましょう」などというキャンペーンとは違って“無料配布の全面禁止”であり、いわゆる“レジ袋”は滅多に見かけなくなったが、素材や形が様々な代替品が出回るようになった。代替品の中で最も環境に配慮したものとして注目されているのが、トウモロコシやジャガイモなどを原料にした“レジ袋”だ。(2018/09/13)


核・原子力
『森瀧市郎 核と人類は共存できない 核絶対否定への歩み』を読む(2) 森瀧春子さんの「水棹のむ背の如く―解説に替えて」から   山崎芳彦
 森瀧市郎『核と人類は共存できない 核絶対否定への歩み』(2015年8月、七つ森書館刊)に、森瀧市郎さんの次女・森瀧春子さんが「水棹をのむ背の如く―解説に替えて」を書いている。森瀧市郎さんの詠った短歌を交えながら、核絶対否定への道を歩んだ歴史、足跡を父を師として、そしてともに歩んだ春子さんの「解説に替えて」は、森瀧市郎さんの人間像、思想と実践を、筆者に深く語り、教えを受けさせていただく貴重な文章であった。同書を未読の方には、ぜひ一読をと筆者は思っている。筆者も知人に教えられて読むことができたことを本当にありがたいことだと思っている。(2018/09/02)


検証・メディア
昭和天皇は戦争責任を果たしていたか?  Bark at Illusions
 戦争責任に関する昭和天皇の発言が、彼の側近だった小林忍氏の日記に記述されていたことがニュースになった。マスメディアは、昭和天皇の発言として「細く長く生きても仕方がない。……戦争責任のことをいわれる」と記述されていることなどを挙げて、昭和天皇が晩年まで戦争責任で「苦悩」していたことが明らかになったなどと伝え、あたかも昭和天皇がアジア・太平洋戦争で犯した罪に向き合い、その責任を果たそうとしてきたかのような印象を与えている。(2018/08/30)


コラム
「国家主義の誘惑」を見てー「国体論」の疑問   子安宣邦(こやすのぶくに):大阪大学名誉教授
 映画「国家主義の誘惑」の前宣伝にネット上で一役買いながら、映画そのものを見ることをしないのは無責任だと思い、猛暑の中を上映館「ポレポレ東中野」に行ってきた。もう数日前から上映は始まっていながら、ネット上にこの映画をめぐる反応がないのが気になっていた。それにこの映画の宣伝中に白井聡の名前がやたらにあることも私には気になることであった。月曜の昼下がりにもかかわらず入場者はかなり多かった。 (2018/08/19)


みる・よむ・きく
希望の光はもう消えたのだろうか―『立ち上がる夜 <フランス左翼>探検記』を読む  髭郁彦(ひげいくひこ):記号学  
120    1987年7月7日夜、パリ=シャルル・ド・ゴール空港に着く。今迄に海外に出たことは一度もなかった。それに加えて英語もフランス語も覚束ない私は、何とかRER (地域急行鉄道網) の駅まで行く停留所を見つけ、バスで駅に向かった。駅の切符売り場でパリ行きの切符を買ったはずだが、フランス語で言ったのか英語で言ったのかはっきりとした記憶はない。電車に乗り込むことができた時は夜の9時半を過ぎていたが、日はまだ落ちてはいなかった。私はその時初めて真夜中まで日の落ちない夜というものを経験したのだが、感動はなかった。言葉も地理も判らない外国に来て、3ヵ月間のビザはあったが、語学学校にしばらく通った後のことはまったく決めていなかったからだ。(2018/08/01)


文化
[核を詠う](268)『福島県短歌選集平成29年度版』から原子力詠を読む(3)「核のごみ何れ処分はできるだろう見切り発車を原発に問う」 山崎芳彦
 筆者の事情により長い間を空けてしまったことをお詫びしながら、前回に続いて『平成29年度版福島県短歌選集』の原子力詠を読み続ける。福島歌人の作品を読みながら、原発事故後7年を経ても、福島原発事故がもたらした災厄の先行きの見えない現実の中で懸命に生きて詠う人びとの作品からほど遠い、この国の原子力・核にかかわる実態について思わないではいられない。政府は「第5次エネルギー基本計画」で、原発を「重要なベースロード電源」としての位置付けのもと、原発の再稼働の推進、核燃料サイクル政策の推進、原発輸出を含む原子力技術の海外への提供などの「原子力政策の再構築」方針を決め、「福島の復興・再生」を謳いながら、原発回帰への道をさらに進める。原発推進勢力の「福島の原発事故の反省」とは、多くの人々が求める原発ゼロとは真反対の、原発の新増設・リプレイスを懐に抱えた原子力社会の維持・継続・深化への構想なのだ。(2018/08/01)


核・原子力
満期を迎えた日米原子力協定の課題と展望〜原子力資料情報室&新外交イニシアティブ訪米報告会
2018年7月17日、「原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(通称:日米原子力協定)が自動延長した。(坂本正義)(2018/07/26)


国際
「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」というトリック  Bark at Illusions
 米朝首脳会談の共同声明に「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」という文言が盛り込まれなかったことから、朝鮮の非核化を疑問視する声が依然として根強い。しかしCVIDについては核の専門家からも短期間での実現は困難だと指摘されており、現実的な解決策として段階的な非核化が提案されている。もしも合衆国政府が朝鮮の経済制裁を解除する条件として今後CVIDに固執するようなことがあるなら、朝鮮の核問題を本当に平和的に解決する意志があるのかどうか、逆に合衆国政府を疑うべきかもしれない。(2018/06/30)


終わりなき水俣
吉田道子先生のこと 牧尾 朝子
  石牟礼道子さんもメンバーだった「本願の会」の季刊誌『魂うつれ』には、この偉大な作家の死を悼む水俣病患者はじめ、地元熊本を中心とする多くのゆかりの人たちの声が寄せられた。そのなかから、ご子息の石牟礼道生さんの「母のことそして父のこと」と、石牟礼さんの小学校教諭時代の教え子牧尾朝子さんの「吉田道子先生のこと」を紹介する。(2018/06/18)


検証・メディア
マスメディアは朝鮮半島の非核化と東アジアの平和に向けた流れを止めるな  Bark at Illusions
 毎年春と夏に行われている米韓合同軍事演習は、米朝首脳会談後に会見したドナルド・トランプ大統領の意向を受けて、現在中止する方向で調整が進められている。軍事演習が中止されれば、朝鮮半島の非核化と東アジアの平和に向けてのさらなる一歩になる。しかしマスメディアからは、「譲歩しすぎだ」と言う批判の声や、安全保障への影響を危惧する声が聞かれる。(2018/06/17)


コラム
カイロの猫たちの記録( Cat in Cairo " The Beast ")  子猫ラムセスがモスクワへ行く  Heather Hermit 
120 カイロの猫について、アップデートしよう。私は4月以後、ラムセスには会っていなかった。ラムセスは今ではまったく健康そのものだ。見栄えもとてもよくなった。毛は白く、きれいだ。ラムセスは華麗な白猫になった。なんという変化か!すべての治療は終わり、ワクチンも打ってもらった。それで私は一晩、ラムセスを自宅に連れ帰った。だが、ラムセスは動物病院を出たくないように見えた。というのもそこにはたくさんの猫の仲間がいるからだ。ラムセスはとても恐れているように見えた。そのうえ、2匹の私の飼い猫(ビーストとセクメトである)もまたストレスを感じているようだった。見知らぬ猫がやってきたからだ。3匹の猫は互いに敵意を抱いているようだ。(2018/06/10)


政治
札付きの差別・レイシスト政治家が中野区長選に立候補 
 任期満了に伴う中野区長選が6月3日告示、10日投票で行われる。この区長選挙に元都議の吉田康一郎氏(50)が5月11日、無所属で立候補する意向を表明した。この人物は都議時代に差別・排外主義を掲げて活動を開始していた在特会(在日特権を許さない市民の会)を応援し、活動していた人物で、「不逞朝鮮人は出ていけ」などという言葉を叫びながら演説をしていた。日刊ベリタでは当時、吉田都議と、同都議を公認していた民主党に公開質問状を送るなどの取材活動を行ったが、一切応答がなかった経過がある。以下、当時のベリタの記事を再掲する。(編集長大野和興)(2018/05/23)


人権/反差別/司法
ネトウヨの弁護士不当懲戒請求に、きっちり責任をとらせよう  澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士
 一昨日(5月11日)の毎日新聞朝刊「ネットウオッチ」欄に、「懲戒請求被害の弁護士 広がる対抗措置の動き (ネトウヨに対して)損害賠償求め提訴へ/請求側(ネトウヨ)は動揺」との記事。(括弧内は澤藤の挿入、以下同)朝鮮学校への補助金交付は利敵行為−−などとするネット上での扇動を背景に(ネトウヨから)大量の懲戒請求を送られた弁護士たちの間で、懲戒請求者(ネトウヨ)に対し、損害賠償請求や刑事告訴など法的措置をとる動きが広がっている。これを恐れ、弁護士に和解金10万円を支払って謝罪する請求者(ネトウヨ)も出ている。ネット空間の無責任な言説にあおられた軽率な行動が、実社会で法的制裁を受けようとしている。(2018/05/14)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】原発の差止訴訟は、人格権と経済的自由の権利で争われている 山崎久隆
 原発の差止訴訟は、人格権と経済的自由の権利で争われている。経済的自由権とは、電力生産をする電力会社の権利であり、加えて電源立地地域対策交付金を受け取り、または原発関連業務による経済活動で利益を受ける地元も含む「利潤追求の権利」だ。これら「利益追及」よりも重要な権利を守れと、原発の差止訴訟が各地 (2018/05/12)


検証・メディア
朝鮮半島の非核化 問われるべきは、合衆国政府にその意思があるかどうか  Bark at Illusions
 韓国のムン・ジェイン大統領と朝鮮のキム・ジョンウン労働党委員長は、4月27日に行われた歴史的な首脳会談で、朝鮮戦争を正式に終結させて平和協定を締結するための交渉を推進することや朝鮮半島の完全な非核化を目指すことで合意した(板門店宣言)。日本のマスメディアは板門店宣言に非核化に向けた具体的なスケジュールや措置が示されていないことや、過去についての誤った認識などを根拠に朝鮮政府が本当に宣言通りに核を放棄するのか疑っている。しかし朝鮮の核問題の本質を考えれば、朝鮮半島の非核化が実現するかどうかは、合衆国政府が朝鮮に対する敵視政策をやめるか否かという問題だ。(2018/05/03)


人権/反差別/司法
反撃訴訟次回期日の傍聴をー4月26日(木)13時30分・415号法廷 ― 「DHCスラップ訴訟」を許さない・第129弾  澤藤統一郎(さわふじとういちろう):弁護士 
DHCと吉田嘉明が、私(澤藤)に6000万円を請求したスラップ訴訟。私がブログで吉田嘉明を痛烈に批判したことがよほど応えたようだ。人を見くびって、高額請求の訴訟提起で脅かせば、へなへなと萎縮して批判を差し控えるだろうと思い込んだのだ。そこで、「黙れ」という恫喝が、当初は2000万円のスラップ訴訟の提起。私が黙らずに、スラップ批判を始めたら、たちまち提訴の賠償額請求額が6000万円に跳ね上がった。なんと、理不尽な3倍増である。この経過自体が、言論封殺目的の提訴であることを雄弁に物語っているではないか。(2018/04/22)


国際
対朝鮮政策で対米協調見直し 中国、台湾カードに猛反発
北朝鮮の核‣ミサイル開発問題をめぐり、中国の習近平政権が進めてきたトランプ政権との対米協調路線を見直し始めた。習政権に近い中国の有力学者が明らかにした。(岡田充『海峡両岸論 第89号』)(2018/04/22)


政治
布施祐仁(ジャーナリスト)「自民党の国会議員から『日報を情報公開の対象から外せ』という趣旨の発言が多数出ていること自体が・・・」
安倍政権と自衛隊の日報隠しを情報公開請求で暴いたジャーナリストの布施祐仁氏がツイッターで日報隠しの力学について言及している。布施祐仁 「先崎一氏や火箱芳文氏といった陸上幕僚長経験者が『日報は機密情報を除けば隠す必要はない』と言っているのに対し、自民党の国会議員から『日報を情報公開の対象から外せ』という趣旨の発言が多数出ていること自体が、日報を本当に隠したかったのが誰だったのかを浮き彫りにしている。」(2018/04/18)


国際
シリア、北朝鮮めぐるトランプ米大統領の底意 ネオコンとは一線画す 落合栄一郎
  まずアメリカの伝統的な大統領のやり方は、前任者とはかなり違ったやり方を選挙中に誇示して、当選後はそれを実行に移す、これが選挙民への答礼。トランプ氏は、そうした選挙中の約束を守ることに必死である。それは、これまでのネオコンに支配され続けた政権とは無関係な、私的ビジネスでしか経験のない人の考え方に基づいていた。(2018/04/16)


国際
米英仏がシリアを攻撃   記者会見では本当にシリア軍が化学兵器を使った証拠があるのか?というのが記者たちが最も関心を持っている質問だった
4月13日、米国を中心に英仏が参加したシリア攻撃が始まった。以下はCBSの現地報道。安倍首相はこれを起死回生のチャンスと思うかもしれない。(2018/04/14)


コラム
アメリカに見切りをつけられた政治家、安倍晋三
 森友問題での佐川前理財局長の証人喚問で寒々しく空しい国会の映像を見せつけられ、以後、元気になったかのような安倍首相を見て再び、いや三たび唖然とした市民は多かったに違いない。だが、ここに来て朝日新聞やNHKが七転び八起きのような非常な頑張りを見せ、野党議員が共同で戦い、再び安倍首相をリングのコーナーに追い詰めようとしている。これらの人々の仕事は素晴らしいが、実際のところ、安倍首相を裏で追い詰めたのは米政権ではなかっただろうか。(2018/04/11)


文化
【核を詠う】(261)福島の歌人グループ「翔の会」の歌誌『翔』の原子力詠を読む(2)「石棺の二文字悲し原発の事故の残り火永久保存」 山崎芳彦
 今回は歌誌『翔』の第59号(平成29年4月発行)の原子力詠を読むのだが、福島第一原発の過酷事故によって核発電の重大な危険性、人々の生活の破壊や環境汚染が明らかになり、しかもその事故の全貌や原因は基本的な点で未解明である。したがって「新規制基準」が原発の安全性を担保するには程遠く、新基準に合格したからといってその原発を稼働・運転することが認められるはずもないのに、ここに来て大飯原発3号機、玄海原発3号機が再稼働することですでに7基が再稼働することになる。原子力規制委員会は、再稼働の審査申請をしている16原発26基のうち7原発14基で新規制基準への適合を認めているから、再稼働はこれからも相次ぐことが必至だ。安倍政権のもとでの原発推進政策が、福島原発の事故が現在進行中であり、多くの人びとの苦難がつづき、事故原発の後始末の見通しもつかず、核汚染廃棄物の山の前で立ち往生しているにもかかわらず、「原発回帰」、さらに海外への原発輸出の路線が、政府・大企業経済界のむき出しの癒着によって進められている。司法の判断の政権追随も目に余る。(2018/03/24)


政治
福島みずほ(社民)「政治への信頼が全くなくなっているときに、集団的自衛権の行使を認めた違憲の安保関連法の追認を改憲でやるのは本当にひどい」
社民党参院議員の福島みずほ氏は自民党がこの政局で改憲を進めていることに脅威と驚愕を感じた。以下は福島議員のツイッターから。福島「政治の私物化と虚偽文書と虚偽答弁で、政治への信頼が全くなくなっているときに、集団的自衛権の行使を認めた違憲の安保関連法の追認を改憲でやるのは本当にひどい。」(2018/03/24)


橋本勝21世紀風刺画日記
303回 森友文書の改ざん、責任とらせて安倍政権ゼロにする
120 国会は今、森友の改ざん問題で大揺れです 佐川国税庁長官げ責任とって辞任となりました 次には麻生財務相が辞めることに発展しかねません 状況は大変ややこしいことになっていますが だが本当に責任とるべきは ズバリ言えば安倍首相に他なりません(2018/03/21)


終わりなき水俣
書評:富樫貞夫 『〈水俣病〉事件の61年 未解明の現実を見すえて』 事件史を見続ける視点 熊本日日新聞論説顧問・高峰武
  水俣病事件と長年向き合ってきた法学者(熊本大学名誉教授)が水俣病事件をめぐる医学と補償の歴史をまとめたが、タイトルが本書の狙いを端的に表現している。それは水俣病に、〈 〉いわゆるヤマカギが付けられていることだ。なぜか。工場排水中のメチル水銀によって起きた健康被害を余すところなく表現するには水俣病という病名は狭すぎるし、歴史的にも認定制度によって認定されたものと同義の語として使われているため、という。水俣病は医学概念ではなく社会概念という立場である。(2018/03/13)


検証・メディア
「北朝鮮は今まで核放棄の約束を反故にしてきた」という幻想  Bark at Illusions
 合衆国のドナルド・トランプ大統領が、非核化の意思を示したキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長との会談の要請を受け入れたことで、朝鮮の核・ミサイル開発問題は解決に向けて大きく動き出した。しかし相変わらず日本のマスメディアは、この問題についての誤った認識に基づいて朝鮮政府の非核化の意思を疑っている。(2018/03/12)


政治
【ライブ動画】財務省「森友文書」書き換え疑惑 野党合同ヒアリング
ライブ配信 (朝日)なぜ、改ざんが財務省で組織的に行われたのか。(2018/03/12)


政治
財務省のホンモノの決裁文書はどこに? 
 国会は財務省の公文書偽造が問題になっている。立憲民主党の福山哲郎参院議員と希望の党の玉木雄一郎衆院議員は今日ツイッターでこう発信した。福山哲郎 「国会の審議が空転し、混乱をしているのは全て財務省の対応に起因するものであり、政府与党の責任と言わざるを得ません。北朝鮮問題、働き方改革関連等々、やるべき課題が山積しているにもかかわらず、不誠実な国会運営極まれりです。」(2018/03/08)


政治
名護市長選を取材する―2.19 「院内集会…辺野古・米海兵隊を考える」 講師:金平茂紀(TVジャーナリスト)  緒方久子・石川愛子 
この集会で名護市長選の本当のことを知り私は驚いた。参議院議員会館内の19日行動(2015・9・19に強行採決された安保法制・集団的自衛権反対で毎月19日に国会で抗議行動をしている)の前に催された。皆さんも「どうして負けたんだろう、期日前投票が44%なんて、高すぎておかしい。変!」と感じたと思われる。金平さんは今回選挙戦を取材していてこれは負けると感じたと言う。(20日掲載の浦島悦子「山の桜は泣いた―名護市長選」と合わせて読んでください)。(2018/02/26)


コラム
放送界の文化大革命  日本の紅衛兵たち
放送の世界も世代によって価値観が異なっている。バブル時代に青春期を送った世代が世界に飛び出して、世界の人々と交流しながら外国から学ぶことを大切にする傾向があったとしたら、その後の世代は真逆になっていくのである。思い出せば明らかだが、外国にさほど関心がない世代となるのだ。それからさらに世代を下れば、外国から学ぶのではなく外国に日本の素晴らしい技術や文化を教えることに中心を置く世代、となっていく。(2018/02/18)


検証・メディア
都合の悪い事実を無視して、安倍晋三の訪韓には「成果」があったと主張するNHKニュース7  Bark at Illusions
 ピョンチャンオリンピックの開会式に出席するため韓国を訪問した安倍晋三総理大臣と韓国のムン・ジェイン大統領の会談について、NHKニュース7(18/2/9)は、朝鮮の核・ミサイル問題や「慰安婦」問題についての安倍晋三の方針を韓国政府が受け入れたかのような印象を与えている。(2018/02/17)


コラム
『滝川さんは何処に向かってるのですか?』   滝川雅弘(ジャズ・クラリネット奏者) 
120 最近現場でこんな質問をされました。『滝川さんは何処に向かってるのですか?夢はなんですか?人生をやり直せるとしたらどの時点に戻りたいですか?』先ず私は元々クラシックの演奏家になりたかったのですが、大阪市音楽団、宝塚歌劇団オーケストラの試験に落ち、学校回りのオーケストラ、所謂ジャリコンの指揮者から、『君は本当に専門教育を受けたのか?』と言われクラシックは断念。人生をやり直せるとしたら、私は迷わず高校3年生と答えました。(2018/01/20)


市民活動
ノーベル平和賞受賞ICAN事務局長が来日します
1月12日から18日までの間、ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトレス・フィン事務局長が来日。被爆地の長崎と広島を訪問した後、東京での講演が企画されています。(2018/01/11)


中国
台湾:労基法改悪に反対する学者の声明(2018/1/4)
新年のNHKニュースを聞いてたら、インタビューに答えて「今年は働き方改革と賃上げの年にする」というナショナルセンター会長の声。思わず「“I am ABE”かよ!」と叫んでしまいました。(JCLIFニュース)(2018/01/10)


みる・よむ・きく
地域の人びととともに生きる 『生と性、女はたたかう 北山郁子著作集』 別所興一・編   西沢江美子
120  北山郁子とは、新聞や雑誌、また短歌で何度も会っている。そのたびに、ぜひお会いしていろいろのことを聞きたい、と思ってきた。山村で育ち、農業関係の記者として半世紀余、全国の村を歩き、農民と語ってきた私にとって、渥美半島からの北山郁子のメッセージにこれまで何度も勇気づけられた。(ジャーナrスト)(2018/01/09)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  地雷防御壁越えの過酷モロッコ・ラリー  平田伊都子
120   モロッコは本当にお利口さんです。 というより、フランスが上手にモロッコを動かしているようです。 フランスはモロッコ占領地・西サハラをモロッコ領土にしようと、UNやEUやAUに働きかけています。 フランスの狙いは、西サハラの石油、天然ガス、ウランなどの未開発地下資源と、未開発漁業資源です。 これらの天然資源は、西サハラを植民地(未確定地域)として国連が封印しているため、手を付けるにはまず領有権がないとだめです。 (2018/01/08)


人権/反差別/司法
浜田雅功のブラックフェイスはなぜ問題か? 人種差別問題に詳しいフランスの政治学者Françoise Verges さんに聞く
120 お笑いタレント「ダウンタウン」の浜田雅功が大晦日のお笑い特番で顔を黒塗りしたいわゆる「ブラックフェイス」でアメリカの黒人俳優エディ・マーフィのギャグを披露したことが批判を呼んでおり、海外紙でも報じられている。これに対して日本でも批判する声が上がっているが、同時に、顔を黒塗りすることがなぜ問題なのか、という疑問の声も上がっている。.屮薀奪フェイスを番組に使った日本人の意図や動機の問題と、△修譴鮃人がどう感じるか、あるいは黒人にとってどのような影響があるのか、という問題とこれら2つの観点を同時に考える必要がある、ということがこのテーマを論じる海外の人たちの考えの基礎にあることだ。(2018/01/08)


みる・よむ・きく
Robot-Proof: Higher Education in the Age of Artificial Intelligence (MIT Press) 「ロボット時代を生き抜くための高等教育」
未読だが、こんな本が話題になっているという意味で紹介したい。ビジネスインサイダーというITとビジネス関係の情報のウェブサイトが、ハーバード大学の教授たちに大学生が必読の本を紹介してもらう特集をしており、その何冊かの推薦書の1冊。”Robot-Proof”(ロボット・プルーフ)とは聞きなれない言葉だが、”Water-Proof”(ウォーター・プルーフ=防水)の時計という言葉が人口に膾炙しているように、直訳すればロボットを防ぐ、という意味合いになる。テクノロジーの飛躍的進歩を前にして高等教育は変わらなくてはならない、というのが中心的テーマだ。(2018/01/06)


アジア
【バンコク便り】(1)前国王の祭壇をお参りした  高田胤臣
120  明けましておめでとうございます。今日1月1日から始まる新企画をお送りします。タイに魅せられ、タイ社会に溶け込んで長年バンコク暮らしを続けているある在タイ邦人による「バンコク便り」。出版社「めこん」のホームページから、同社のご厚意で、筆者のご了解のもとに転載させていただきます。市井の人たちの息遣いが聞こえようなエッセイの数々です。第1回は前国王の死から1年、喪が明けたバンコクの様子です。(編集部)(2018/01/01)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  パレスチナとカタルーニャにメリークリスマス  平田伊都子
120  2017年の暴言大賞は、なんたって、アメリカ大統領トランプの、「知るケ~!」でしょう、、 (2017/12/25)


終わりなき水俣
「坂本しのぶです 胎児性水俣病です」 水銀国際会議で訴え 10日間ジュネーブ同行記 斎藤靖史 
  胎児性水俣病患者坂本しのぶさんが九月、スイス・ジュネーブで開かれた「水銀に関する水俣条約」の締約国会議に参加した。坂本さんは世界からの参加者を前に「水銀のことをちゃんとしてください」と訴えた。十日間にわたった坂本さんの旅の様子、会議のもようを、同行したジャーナリスト斎藤靖史さんにリポートしてもらった。(2017/11/22)


政治
野党共闘を考える 共産党幹部・植木俊雄氏に聞く 共産党はどのように共闘を決め、どのように進めてきたのか その2
120 Q 野党共闘の合意ができて、一人区の候補者の選定は粛々とできたんですか? 植木俊雄・広報部長 「結構大変でしたよ。経過を言っておきますとね、まず私たち幹部会から9月19日に共産党・中央委員会で野党共闘の提案をして、それで決定したあと、ともに闘った市民団体の方々やともに闘った4党(民主、維新、自由、社民)の各党にその提案をお届けして検討をゆだねるという風にしたわけですね。で、市民から安保法反対で立ち上がってきた学者の会の方々、それから千人委員会の方々、ママの会、シールズをはじめとした人たち。・・・」(2017/11/18)


国際
韓国軍慰安所は本当にあったのか? 山口敬之記者がインタビューしたという米軍関係者の証言  週刊新潮が検証ビデオを公開
韓国軍慰安所の存在をスクープしたという週刊文春2015年4月2日号の記事〈歴史的スクープ 韓国軍にベトナム人慰安婦がいた! 米機密公文書が暴く朴槿恵の“急所”〉の信憑性を週刊新潮が検証した。検証記事の核は山口敬之記者がインタビューしたという米軍関係者の証言だ。週刊新潮が当該人物アンドリュー・フィンレイソン元大佐(73)の発言内容を確認したところ、週刊文春の記事に出ていたようなことは言っていない、と証言した。山口敬之記者が絡む件は最近発表されたフランスのルモンド紙の記事と合わせて、もはや日本国内を越え、世界の政治的話題になりつつある(2017/11/01)


みる・よむ・きく
「読書三昧」〜 山口敬之「私を訴えた詩織さんへ」(月間Hanada) も読んでみた〜 森まゆみ (作家、エッセイスト)
本当に気ままな読書三昧のつもりで書いた「BlackBox」の感想にたくさんの反応があった。それで、片方の意見だけ聞くのは公平でないと思い、山口敬之「私を訴えた詩織さんへ」(月間Hanada)も入手して読んでみた。私は山口氏とはあったこともないので先入観もないし、直接関係ない家族に対する誹謗中傷などはもってのほかだと考える。さて山口氏は、初めて会ったのがニューヨークのキャバクラで、いかにも詩織さんが「キャバクラ嬢だった」と匂わせているが、嫌な感じである。(2017/10/31)


政治
福島みずほ(社民党) 「野党の質問時間を短縮することを政府が言う。本当におかしい。」
 社民党の福島みずほ参院議員は安倍内閣が野党の質問時間を減らせ、と言っていることを批判し、三権分立という原則を理解していないとツイッターに書きました。福島みずほ 「野党の質問時間を短縮することを政府が言う。本当におかしい。・・・」(2017/10/31)


コラム
日本の民主主義の真価が問われるのは、ここから
 衆議院選挙は与党の圧勝に終わった。自民・公明両党で3分の2以上の議席を獲得し、安倍晋三総理大臣は今後も好きなように政策を実行することができるかに見える。しかし、政治は国会だけで動くわけではない。(Bark at Illusions)(2017/10/27)


沖縄/日米安保
減り墜落炎上で高江区がヘリパットの全面停止を求める緊急決議  「住民の会」も抗議声明
120  10月12日に沖縄.高江で米軍ヘリが地元農民の牧草地に墜落、炎上した事件を受け、高江区が緊急に合代議委員会を開き、ヘリパットの使用停止を求める抗議決議を行った。同時に高江の住民による抗議声明も出された。抗議声明は北部訓練場の全面返還を求めている。(大野和興)(2017/10/13)


中国
「力と力」じゃ出口なんてない 戦争を知らない大人たちへ―丹羽元駐中国大使
北朝鮮が6回目の核実験を実施した。トランプ政権は「軍事的オプション」をちらつかせながら、北朝鮮への石油禁輸を求める決議案を国連安保理に提出した。安倍政権もトランプの対中ロ圧力強化に唱和する以外の選択肢はない。初の民間出身中国大使を務めた丹羽宇一郎・元伊藤忠会長は「日本はどんどん戦争に近づいている」と警告する。キナ臭さを増す北朝鮮情勢と、国有化5周年を迎えた尖閣諸島(中国名 釣魚島)などについて聞いた。(岡田充『海峡両岸論 第82号』)(2017/10/09)


政治
この期に及んでも「自民VS希望」の対決を売るマスメディア  最初に「踏み絵」を踏まされたのは報道各社
 自民党の安倍政権を延命するために作られたと言っても過言ではない希望の党。その正体は1週間で露呈し、すでに小池党首自身がばれたと思い、隠さなくなった。だが、小池氏は情報の露呈を逆にできるだけ利用しながら、希望の党の売り込みを図っているようだ。ところが、この期に及んでもマスメディアの中には小池新党が反自民党であり、安倍VS小池の対立路線と描いて安倍政権に対して批判的になっていた国民の意識を希望の党に回収しようとしている企業もある。だからこそ、今、それらの新聞・雑誌・TVを市民の手で1つ1つ記録に残していくことは今後のメディアの傾向を考える上で土台になるだろう。各社が掲げるこの選挙の構図を見れば各メディアと自民党との距離が如実に見えるからだ。(2017/10/05)


政治
今度は原発ゼロ「目標」で国民を煙に巻く? いち早く再稼働ロードマップを唱えた小池氏が・・
共同通信によると、希望の党が<消費税増税の凍結を前面に打ち出したほか、「2030年までに原発ゼロ」を目指すとし、安倍政権との対立軸を鮮明にした>とのことだ。だが、冷静に見ると、「2030年までに原発ゼロ」というのは公約でもなんでもなく、ただの「目標」であり、目標と言うものはどこまでも伸びていくものでは理論的には100年でも300年でも伸ばせるものなのである。そのことは日銀の黒田バズーカと2%の物価上昇を思い出してみればよい。(2017/10/04)


政治
前原党首は刑法247条の背任ではないのか 自党から公認せず他党に頭を下げて公認を求めろ、というのは 
 前原民進党党首が一存で決めたと言われている民進党議員たちを公認せず、希望の党に頭を下げてそこから立候補させる、ということは背任行為ではないのだろうか。党首だからと言って、政党の党員にそのようなことを要求する権限があるのだろうか。たとえば共産党の志位委員長が党員の議員を自民党から公認してもらって選挙に出ろ、と命じることが共産党では可能なのだろうか。(2017/09/30)


コラム
選挙とシナリオライター  野党にも練達のシナリオライターが必要な時代かもしれない
これはアメリカの政治コラムを読んで得た知識で、筆者が実際にこの目で確かめたわけではないのだが、アメリカではハリウッドのシナリオライターたちが政界のシナリオも書いている、というのである。政界のシナリオ、というのは選挙戦での逆転勝利とか、海外でのクーデターの脚本などだそうだ。僕が読んだコラムの場合は2009年のホンジュラスでのクーデターのケースだった。本当か嘘かわからないので、話半分で軽い気持ちで読んでいただけたら幸いである。(2017/09/30)


コラム
「フランス大統領選挙 決戦投票」 マージョリー・マラマク  ”French presidential election " by Marjorie Marramaque
120 今年のフランスは大統領選挙に国会議員選挙と5年に1度の政治の変化の年です。新党「共和国前進」を立ち上げたエマニュエル・マクロン大統領が大統領の座も、国会議員の多数派もともに一気に奪い、過去の二大政党制を変えてしまいました。大統領選挙の決選投票があった5月7日にマージョリー・マラマクさんはこう記しました。(2017/09/20)


文化
「嬬恋村のフランス料理」21   コックコートへの思い   原田理(フランス料理シェフ)
120 西洋料理の料理人が着る白い制服の事を「コックコート」と呼びます。言うまでもなくこの制服がわれわれの職業の象徴です。料理人の労働は基本的に長く、その間ずっとこの制服を着ているのですから、当人たちにとっては人生の大半を過ごす戦闘服でもあります。今回はそんな制服の話を。(2017/09/12)


市民活動
森友問題の佐川国税庁長官の罷免を求める署名 締め切り後も続々届く
 森友問題で国会で虚偽の答弁をしたとして、佐川国税庁長官の罷免を求める署名(本紙既報)は、目標の一万人を大きく超え、麻生財務財務大臣に提出したが、締め切り後も次々と署名が届いている。署名を呼び掛けた醍醐聰東京大学名誉教授がその模様を報告してくれた。署名者のなかには現役の税務署員もいる。(大野和興)(2017/09/10)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  泰山鳴動、商売繁盛  平田伊都子
120  <大山鳴動、商売繁盛>で、アメリカの武器商人たちだけが大儲けをして、<朝鮮戦争騒動>は彼らのハッピーエンドに終わりそうです。 連日、日本のマスコミやミニコミやマチコミに「さ~戦争だ」と、馬鹿踊りをさせたのは、トラン武器商人の営業マン、トランプ米大統領でした。 対北鮮戦争の為と騙されて、日本は超高額なアメリカ製在庫武器を買わされました。 支払いは日本庶民の税金なのに、、馬鹿みたいに踊った日本の庶民は、本当にお馬鹿さん!  (マチコミとは、<マチの噂>の事です)(2017/09/08)


反戦・平和
「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」へのご協力ありがとうございました!
8月23日、国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で開催しました「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」への多数のご参加、ご支援、ご協力ありがとうございました。(シベリア抑留者支援センター情報クリッフ゜)(2017/09/06)


終わりなき水俣
「石川さゆりコンサート」顛末記 「私たちも出来っとば見せたか」 「若かった患者の会」事務局長 徳冨 一敏
 「私たちもでくっとば、見せたか」会議の席での強い口調の一言だった。7年前、歌手、石川さゆりを招(よ)ぶ若い患者の会の活動を追っかけたドキュメンタリー映画『わが街わが青春〜石川さゆり水俣熱唱〜』の上映会とその時かかわったメンバー7人(渡辺栄一さんは体調不良で欠席)とまだ存命だった原田正純先生、映画の助監督を務めた西山正啓監督らによるパネルディスカッションを開催した。その実行委員会(水俣ば生きる会)の席で冒頭の言葉は出た。(2017/08/31)


コラム
自民党の政治家たちの危機感の”ずれ”
 今では東京新聞と並んで、この国で政府批判ができる数少ない新聞が日刊ゲンダイである。その日刊ゲンダイに自民党内で反安倍を標榜する議員が集結したという記事が出た。記事によると彼らは「日本の明日を創る会」という30人の勢力で、未だ大臣になれていない中堅議員たちだと言う。記事にはこう書かれていた。(2017/08/27)


コラム
NHKスペシャルで「前川前文科省事務次官のインタビューの真実」 を  
NHKに期待したいのは現在の報道だ。もちろん、戦時中の史実を明かす番組もよい。だが、所詮、それらの番組を作ることにさしたる勇気は必要ない。本当に勇気と覚悟を求められているのは今の時代の真実を解き明かすことだ。それができないようなら、NHKは安倍政権の下請け放送局に過ぎないと言われても仕方がないだろう。まずは国民が関心を持っている以下の番組を放送して欲しいものだ。(2017/08/25)


コラム
極右か、新自由主義か
  今年のフランスの大統領選挙は決選投票がエマニュエル・マクロン候補VSマリーヌ・ルペン候補となり、フランス人にとっては新自由主義VS極右の二者択一になってしまった。この二つの政治に反対する左派の人々にとっては、一種の悪夢的な状況が出現したのだった。純粋に経済政策だけを見ればマリーヌ・ルペン候補の方が左派に近く、一方で反レイシズムという視点から見ればマクロン候補の方が左派に近かった。マリーヌ・ルペン氏がレイシストと言えるかどうかは議論の余地があるが、少なくともイスラム教徒への言動や政策を考慮するとウルトラナショナリストとは言えるだろう(2017/08/19)


中国
偶発事件をこじらせた処理 全ては中国漁船衝突に始まる
尖閣諸島(中国名:釣魚島)3島の「国有化」から9月で丸5年。領土問題は日中関係のトゲとなり国交正常化以来、最悪の状況が続いてきた。ここにきて「一帯一路」構想への協力を糸口に、ようやく改善に向け双方の呼吸が合い始めた。しかし日本人の中国への印象は「良くない」(「どちらかと言えば」を含む)がここ数年、9割を超える。(岡田充『海峡両岸論 第81号』)(2017/08/13)


【西サハラ最新情報】 学ぶ西サハラ難民、学ばないのは? 平田伊都子
120  熱い8月6日原爆の日を、どう過ごされましたか? (2017/08/06)


文化
【核を詠う】(239)『昭和萬葉集』から原子力詠を読む(4)「汚染せし雨多く降りし夏過ぎて妻みごもりぬいかりのごとく」 山崎芳彦
 今回は『平和万葉集』の巻十二、巻十三から原子力詠を読むのだが、両巻には昭和32年(1957年)〜昭和38年(1963年)の作品が収録されている。前回に巻十、巻十一で、東西冷戦下でアメリカ、ソ連(当時)が激しい核兵器の開発・増強のための核実験を繰り広げた1950年代における「核の時代」のもとで、広島・長崎の原爆投下による悲惨な経験の記憶と明らかになるその実態を短歌表現するとともに、一層深刻・危険になる核実験競争の中でのビキニ環礁での日本のマグロ漁船の第五福竜丸の被曝、漁船員が受けた「死の灰」被害、無線長・久保山愛吉さんの原爆症による無念の死、日本各地にも降った高い濃度の放射能雨、核実験禁止要求運動の高まりなどを映す短歌作品を読んできたが、今回の巻十二、巻十三でもそれを引き継いでの原子力詠が数多く、多彩に収録されている。(2017/07/27)


文化
「嬬恋村のフランス料理」19 〜総料理長への手紙 〜 原田理(フランス料理シェフ)
120 総長は僕の前に彗星のように現れたリアルなシェフでした。師匠と呼べる人を持たず、街場の小さな店を任されたときから、ほぼ独学で料理を学び、書籍を買いあさり、本を見ながら何とかフランス料理を作ってきた僕にとって、初めての厳しいリアルなシェフです。マッシュルームの剥き方ひとつ、ブロッコリーの花の裂き方ひとつに徹底した方法論を突き詰め、ほんの数時間の宴会の為に幾日もかけて仕込みを行ない、潤沢な予算と豪華な技術を使うと言う、フランス料理が資本主義経済に押されていない時代の料理を作る偉大な時代の、偉大なシェフです。(2017/07/26)


コラム
ポスト安倍時代のNHK  その存在意義はどこに? 解体・分割・縮小化も
 NHKはこの5年間、安倍チャンネルと揶揄されるほど権力の下請け機関と化した印象があります。国民から受信料を徴収しながら、国民の意向に答えていないように思えるのです。大切なことは国政の重要な事柄に対して正確な情報を素早く出していくことにあります。そして必要があれば政権批判も臆さずする必要があるはずです。それが権力を監視する報道機関の最も大切な役割です。ところがNHKは臆面もなく、その正反対の道を進んできました。そこでポスト安倍時代にはNHKはなぜ必要なのか、その意義の問い直しが必要です。NHKと政権の距離も問い直さなくてはならないでしょう。場合によっては解体あるいは分割・縮小化も検討する必要があるのではないでしょうか。たとえば国民が重大な関心を寄せている時に国会中継がなされなかったことが多々ありました。(2017/07/23)


労働問題
日韓の新たな連帯を作った解雇撤回闘争 〜韓国サンケン労組を支援する会事務局次長・尾沢孝司さんに聞く〜
120 「韓国サンケン労組の方々が、親会社に対して解雇撤回を求めるべく来日すると聞いた当初、正直言うと私は非常に気が重かったのですが、親会社の門前で訴える彼らの話を聞いて、私自身、本当に学ぶことがとても多くて、今は『この闘争をやって良かったな』と感謝しています。日韓の新たな連帯を作った闘いだったと思います」(2017/07/22)


コラム
国際化の時代に「都民ファースト」
今年の都議会選挙を制覇した「都民ファーストの会」というネーミングはフランス語に訳せば確実に極右政党「国民戦線」の系譜に属することになるだろう。この言葉が東京都民にアピールしたのはなぜだろうか。都民ファーストは何に対して都民を優先するかと言えば日本では既得権を持つ支配層に対して有権者である都民の利益を優先する、という意味合いだと思う。しかし、一つ間違えると、都民=日本人ファーストという意味に受け取られる可能性もある。日本の国の首都だから都民ファーストで何が悪いのか、と思う人は少なくないだろう。(2017/07/17)


みる・よむ・きく
ブノワ・アモン著 「来るべき世代のために」" Pour la génération qui vient " par Benoît Hamon
今年のフランス大統領選は本当に面白かった。従来にない闘いが展開され、思わぬ結末を迎えたからだ。この中で一番、貧乏くじを引いたのは社会党候補のブノワ・アモン氏だったのではないだろうか。フランソワ・オランド大統領が空前の不人気のため、再挑戦せず、社会党で新たな公認候補を擁立した。その時、ブノワ・アモン候補が選出されたのだが、彼は社会党の中ではフロンド派と言われるオランド大統領への批判勢力であり、社会党左派だった。そのアモン氏だが大統領選では社会党史上でも最低に近いわずか6.4%の得票率で一回目の投票で敗退してしまったのである。さらにアモン氏の受難は続き、翌月の国会議員選挙でも落選の憂き目となった。オランド政権では教育大臣まで担当した人物である。(2017/07/16)


みる・よむ・きく
エマニュエル・マクロン著 「革命:これは僕たちのフランスのための闘争だ」(Révolution)
フランスの新大統領になったエマニュエル・マクロン氏は選挙運動中に己の考えと政策をまとめた「革命:これは僕たちのフランスのための闘争だ」(Revolution : C'est notre combat pour la France )という本を出版した。この本は自分の思想がどのように生まれたのか、学生時代に読んだフランスの古典の類などの回想から始まり、やがて本丸へ。仕事は不安定で収入も少ない「プレカリテ」の象徴であるCDDと呼ばれる短期雇用(有期雇用)からCDIと呼ばれる無期雇用へと労働者をどう転換していけばよいのか。今、始めようとしている労働法改革の基本的思考や今後のフランスが取るべき環境政策や外交政策などを章ごとにまとめている。(2017/07/14)


コラム
「アベ政治」の源流は小泉政治  2005年が自民党の曲がり角
今、安倍内閣の支持率が30%を切りそうな状態になり、与党自民党内でも安倍首相の政策に反対する声がぽつりぽつりと上がり始めた。これまで党内で異論がほとんど皆無だったから、国民から見れば本当に久々な感じを受ける。あったとしても声を出せなかった、ということだろう。安倍首相の政治、いわゆる「アベ政治」は野党や国民だけでなく、同じ党内においてもものが言いにくい空気を作り出してしまった。この「アベ政治」の弊害が波状的に国民に見え始めた今、安倍総理個人だけでなく、そのような異論なき政治を容認してきた自民党にも国民の疑問の目が移りだそうとしている。(2017/07/13)


反戦・平和
日中戦争80年市民フォーラム・国会前市民集会宣言
日中戦争の発端となった盧溝橋(ろこうきょう)事件〔1937(昭和12)年7月7日〕が発生してから80年目の今年7月7日と翌8日、かつて陸軍省や参謀本部があった憲政記念館からほど近い国会議事堂正門前において、今年発足したばかりの市民グループ「日中戦争80年市民フォーラム」が集会を開催しました。集会宣言を紹介します。(坂本正義)(2017/07/09)


文化
ほのぼのとした味わいの漫画家、パスカル・ブロンド―さんにインタビュー Interview : Pascal Blondeaux ( illustrator , cartoonist )
120 漫画家のパスカル・ブロンド―(Pascal Blondeaux)さんにお会いしたのはパリのエコミュゼというギャラリーでの共同展示会の時でした。医療用麻薬の使用を政府は認めよ、というキャンペーンで、20人以上の漫画家、イラストレーター、画家、写真家らが作品を持ちよりました。その一人、パスカル・ブロンド―さんの作品はほのぼのとしたもので、北アフリカの上空をハシッシュの翼を持った鳥が飛んでいる、というものでした。そのタッチがあまりにもほのぼのとしていて、日本の漫画家の園山俊二を思い出してしまったのです。(2017/07/06)


反戦・平和
韓国・朝鮮人元BC級戦犯者「同進会」を応援する会通信 No.32− 複横娃隠掲6月3日発行)
今通常国会で、なんとか「特定連合国裁判被拘禁者特別給付金支給法案」の提出と成立を願って要請を重ねてきましたが、残念ながら再び時間切れになって、次の臨時国会に希望を託すことになりました。(2017/07/01)


文化
【核を詠う】(235)『朝日歌壇2016』から原子力詠を読む(2)「放射線のガードが固く覗(のぞ)けない溶け落ち沈むデブリの姿」  山崎芳彦
 前回に続き『朝日歌壇2016』から原子力詠を読み、今回で終るのだがそのなかに、「唯一の被爆国なり発議して賛成すべきを『反対』と言う」(諏訪兼位)という短歌がある。今月15日から国連本部で再開されている「核兵器禁止条約」の成立を目指す交渉会議に、日本政府が核保有国とともに不参加であることへの怒りと失望を詠っていると読める。実際には、この作品は昨年11月21日付の「朝日歌壇」入選作品であるが、その時には日本政府の同交渉会議不参加が明らかになっていたことから詠われた作品であり、詠った通りになったことに、作者は改めてこの国の政府の核政策、外交への怒りを強くしていると思う。「核兵器禁止条約」案は、その前文に「核兵器使用の犠牲者(ヒバクシャ)や核実験による被害者の苦難を心に留める」の一節を盛り込むことになっていることを思えば、日本政府が同条約に反対し、核保有国に同調する態度は国内外の理解を得られない。原発事故でも国際的な批判を浴びており、日本政府の原子力政策への批判は強まる。(2017/06/19)


米国
コンピューター選挙の弊害 ハッキングによる得票改竄の先例 落合栄一郎
 先にロシアがアメリカの大統領選挙の選挙システムにハッキングし、選挙結果に影響を与えたらしいという報告を紹介した(1)。最近のセッションズ氏の公聴会での発言で、ロシアは、アメリカの39の州でハッキングを行ったらしいことがわかった。ただし、それらが、選挙の結果にどのような、どの程度の影響を与えたかの詳細は不明である。この問題、コンピューターに依存する選挙システムへの介入による選挙結果の改竄は、以前から問題になっていて、今回も特に、勝敗を左右したいくつかの州でそのようなことが起ったのではないかと考えられるようである。ただし、ロシアからのハッキングとは限らず、国内からの可能性が高い。(2017/06/19)


人権/反差別/司法
警察によるセカンドレイプ 詩織さんとキャサリンさんの場合
 フリージャーナリストの山口敬之氏に対する準強姦罪の逮捕状が官邸筋の圧力によってを握りつぶされた事件。東京地検は逮捕状不執行の後加害者を不起訴処分にした。これに対し被害者の詩織さんは検察審査会に不服を申し立て、5月29日に記者会見してそのことを世論に訴えた。その後、詩織さんは週刊『女性自身』で、警察当局による事情聴取のあり方について鋭く問題提起している。それはまさに“セカンドレイプ”そのものだったというのだ。その記事を読みながら米国兵士に基地の町横須賀でレイプされ、犯人、日本の警察当局を追い詰めていったキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんのことを思い出した。キャサリンさんの事件が起こったのは2002年。15年後も今も同じようなことが警察によって行われているのだと思い知った。(大野和興)(2017/06/14)


欧州
「フランス大統領選挙 第一回目の投票  棄権か、メランションへの投票か?」 マージョリー・マラマク  "1er TOUR: ABSTENTION ou MELENCHON? " par Marjorie Marramaque
120 今年のフランスは大統領選挙に国会議員選挙と5年に1度の政治の変化の年です。報道でマクロン大統領の陣営の躍進ぶりが伝えられていますが、そういった報道とは違った角度から今回の選挙を見つめてみたいと思います。昨年、パリの共和国広場で「立ち上がる夜」(ニュイドゥブ)という市民が集まって討論する運動が起こりました。これは労働法の規制緩和に対する反対がきっかけでしたが、やがてそれにとどまらず社会党と共和党と言う左右の既存政党に対する批判につながっていきました。その時、広場に集まった人々はラディカルに新しい政治の在り方を論じ、模索していました。(2017/06/12)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(39)
夫に脳腫瘍が発覚してから約2か月後の昨年6月7日。待ちに待った手術日を迎えました。この間、腫瘍周りの浮腫みが増大して急激に具合が悪くなる事態もありましたが、何とか手術にこぎつけました。(れいこ)(2017/06/10)


沖縄/日米安保
沖縄基地反対運動の現場から発信を続けるラッパー大袈裟太郎さんの貯金がいきなり凍結された
120  沖縄の基地反対闘争の現場から、インターネットで発信しているラッパーでジャーナリストの大袈裟太郎さんの郵便貯金口座がいきなり凍結され、8日間解除されなかったという事件があった。地元琉球新報や沖縄タイムスは報じたが、ヤマトの新聞、テレビでは報じられていない。大袈裟太郎さんのブログとこの問題を追っているフリージャーナリストの『田中龍作ジャーナル』から、そのいきさつを追ってみた。郵政当局に説明を求める大袈裟さんに、肝心のところに来ると当局は「金融機関としての判断です」と繰り返す。これは推測だが、郵便当局は基地反対運動をつぶそうとする右翼の通報で動いた気配が濃厚だ。あるいは郵便貯金すら安倍政権に忖度したのか。(大野和興)(2017/06/09)


文化
[核を詠う](232)『平成28年度版福島県短歌選集』から原子力詠を読む(3)「たやすげに復興といふくちびるの動きをぢつと見てゐる梅花」 山崎芳彦
 「平成28年度場福島県短歌選集」から原子力詠を抄出し記録してきたが、今回が最後になる。今回読む作品の中に、福島原発事故の被災が人々にもたらしている苦難の実態、真実が、まさに人間が「生きる」上でいかに深刻なものであるかが明らかにされている。政府や東電が言う絵空事の「復興」宣伝ではなく、人々の生きる条件、さまざまなことがあっても人として家族や地域の仲間とともに生きていく環境が破壊されていることの底知れぬ深刻さを福島の詠う人びとは、まさに今を生きている現実の中から「人間の復興」を求める短歌作品を紡ぎ出している。「震災前九人住みゐしわが家族いまは離散す桜花舞ふ」(吉田信雄)、「百四歳の母は逝きたり原発に逐はれしふるさとひたに恋ひつつ」(同)、「避難せる子等が各地で『菌』呼ばわり殴るにも値せぬ人が居る」(横田敏子)、「汚染土に米の作れず農終る避難の果てに夫も逝きたり」(山崎ミツ子)、「福島の惨事なきがごと次々と再稼働さす愚か者たち」(守岡和之)…多くの「人間の声」は、響きあい重なり合って多くの人びとに届けと、原子力社会からの脱却を呼び掛ける。(2017/05/16)


農と食
食品・日用品の裏にひそむ「ブラック」労働をやめさせて アムネスティがキャンペーン
120  私たちが日常的に消費する商品を調べていくと、これを本当に買っていいのかと思うようなことにぶつかることがよくある。食品、洗剤、化粧品など日常生活品に幅広く使われているパーム油がそうだ。国際人権団体アムネスティはパーム油の生産実態を調査、「過酷なノルマ、児童労働、毒性の強い農薬・・・」といった人権侵害に突き当たり、企業に改革を要求するアクションを国際的に呼びかけている。 (2017/05/12)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  国連を正すリー記者のお蔭です  平田伊都子
120  2017年5月4日、アルジェリア国会議員選挙が行われ、約23,000,000の有権者はブーテフリカ大統領が率いる与党を支持しました。 5月7日には39才のマクロン大統領が選ばれ、5月9日には韓国で北朝鮮との融和を主張する文在寅大統領が誕生しました。 選挙イベントはず〜と続き、結局、選挙選挙でやみくもに忙しく踊らされ続けて、世の中の不幸はほったらかしにされたままです。 地中海では満員の移民ボートが沈みたくさんの移民が溺死、アフリカでは餓死が続出、、イラクやシリアでは戦死者が後を絶たず、難民避難民は増加の一途をたどっています。 そんな中、41年間も世界から忘れられてきた西サハラ難民は、今年もまた、プレスから無視されようとしていました。 が、国連内部取材を続けているリー記者のお蔭で、再登場出来ました。(2017/05/12)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(38)
既にお話ししたとおり、昨年5月上旬は、脳腫瘍を患った夫が経営する飲食店の手伝いと、夫を見舞いに東北からやってきた義父母の世話などで非常に慌ただしい生活を送り、私は溜まりに溜まったストレスのために倒れてしまいました。(れいこ)(2017/05/09)


人権/反差別/司法
【資料共謀罪】「現代の治安維持法」共謀罪法案を廃案に! 公明党に要請ハガキを送ろう!
120  話し合うことが罪になる、現代の治安維持法で ある「共謀罪法案」。政府与党は成立ありきの横 暴な国会運営を続けています。 公明党は、内心の自由を侵害する悪法の成立に 加担すべきではありません。今こそ、かつて治安 維持法により支持母体の牧口常三郎・創価学会初 代会長が獄死させられた歴史に真摯に向き合い、 共謀罪法案の廃案を実現すべきです。公明党議員 に対して、粘り強く声を届けることが必要です。(2017/05/07)


社会
8人の全員が本当に「いじめ加害者」なのか。仙台で起きた、中学1年生男子のいじめ自殺事件から  樫田秀樹
 世の中、黒か白かで割り切ってしまう風潮が次第に強くなっている。メディアの報道にもそれが顕著だ。いじめで自殺、という事件が起こる。被害者でなければ全員が加害者のように新聞・テレビは報じ断罪する。灰色はないのだ。フリージャーナリストの樫田秀樹さんがご自身のブログ「記事の裏だって知りたい」で書かれた仙台・いじめ事件の検証は黒か白かで割り切れない現実を伝えてくれている。2016年10月の記事だが、あえて転載させていただいた。(大野和興)(2017/05/06)


政治
労働争議と共謀罪  フランス二月革命(1848年)以後の労働運動を振り返る  共謀罪は労働争議の防止が目的だった
今、政府が導入しようとしている「共謀罪」が本当に必要な法律なのか、多くの識者から疑問が投げかけられています。そもそも施行されればテロ対策とは無縁の相当たくさんの犯罪に共謀罪が適用されることになり、これまでの刑法を一夜にして変質させ、政府・警察の恣意的な運用を招く恐れが存在することにあります。共謀罪のような法律がなぜ今、制定されようとしているのか、時代的背景には外国人による「テロ」ではなく、むしろ国民の反政府運動の封じ込めにあるのではないか、と見ることもできると思います。(2017/04/30)


コラム
新聞社の編集姿勢はまずは見出しに現れる  魂なき虚ろな見出しの群れ
朝日新聞のたしか「わたしの紙面批評」という欄だったように思うのだが、作家の中島京子氏が以前、こんなことを意見していた。新聞の見出しがとても大切だ、と。だから、人権が侵され得るような政治の問題は一面に大々的な見出しをドーンと掲げるべきじゃないのだろうか、と。そんな意味合いの言葉で、なるほど、その通りだと思った。(2017/04/21)


国際
トルコで憲法改正国民投票 エルドアン大統領の権力を絶大にする憲法改正派が優勢か "第一次大戦後レジーム”からの脱却を100年ぶりに狙う
4月16日、トルコでは憲法改正の国民投票が行われている。今回の改正はBBCなどの報道によればおよそ100年前のケマル・アタチュルクによる世俗主義と立憲主義への憲法改正を大きく変える国家大改造になる。そして一部の開票速報によると、改正派が54%と優勢になっている。(2017/04/17)


国際
ユナイテッド航空「引きずりおろし事件」に腕を競う世界の風刺作家たち
アメリカのユナイテッド航空でオーバーブッキングが発生してしまったために降りるのを拒否した乗客を無理やり引きずり出した事件は世界中に報じられた。とくに保安要員に無理強いされた男性が顔から幾筋も血を流していたことも衝撃を与えた。これに義憤を感じ、職業魂を刺激されたのが風刺漫画家や風刺ライターたちだ。さらにはプロだけでなく、様々な人々がこれを風刺しているのである。最初にこれに関して筆者が見たのは「ユナイテッド航空・訓練ビデオ」というテロップがつけられた映像だった。(2017/04/16)


文化
【核を詠う】(229)福島の歌人グループ「翔の会」の歌誌『翔』の原子力詠(3)「列島は難破の船ぞ福島の避難の民は今も散り散り」  山崎芳彦
 歌誌『翔』の原子力詠を読み、記録させていただいてきて、今回で終るが、作品を読むほどに、福島歌人の短歌をとおして福島原発の事故がもたらした被災が6年を経てなお、ますます、人々の生活に深い苦難を及ぼしていることを思わないではいられない。原発事故によって受けた被害は、避難指示によって避難を「強制」された人びとはもとよりだが、避難指示対象区域外からの自主避難者、さらに避難せずとどまって生きる人々にとっても、さまざまに深刻なものだった、いや今も深刻であることを、これまで読んできた短歌作品は伝えている。政府や原子力関連産業界、原発再稼働推進勢力が原発事故被害者の被害の実態をまともに受け止めることなく、したがって求められる対応をすること無く、さまざまに加工された数字を並べ、人間なき復興計画を描き出しているなかで、今村復興相の「暴言」ではない本音が露わになったのだ。あの非人間的な発言は、今村大臣固有のものではなく、現政権、原子力推進勢力の「本音」の一片なのだろう。(2017/04/16)


国際
トランプ政権のシリアへのトマホーク攻撃  化学兵器は本当に空軍基地にあったのか? アサド政権の化学兵器使用は確かなのか? 
 新聞報道によると、シリアのアサド政権が今月4日、ホムス郊外のハーン・シェイフンで反政府派に化学兵器を使用したとして、地中海に停留する米艦がシュアイラ―ト空軍基地に向けてトマホークを59発打ち込んだ。米政府によると、この空軍基地に化学兵器が隠されている、ということである。だが、化学兵器を使用したのがアサド政権だったのか、またシュアイラート空軍基地に化学兵器が積まれていたのか、その証拠は示されていない。(2017/04/09)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(37)
夫が脳腫瘍を患い、自分が患者家族になったことで、すごく思い知らされたことがありました。(れいこ)(2017/04/02)


反戦・平和
シベリア抑留者支援・記録センター通信 No.16(2017年3月15日発行)
昨年12月15・16日のプーチン・ロシア大統領の来日は大いに注目されましたが、シベリア抑留問題では何の進展もありませんでした。そもそも首脳会談に抑留問題を出すつもりも、日本側にはまったくなかったようです。領土を意識した経済協力の話のみに終始し、ロシア側にすり寄る形での「協力」関係がアピールされました。(2017/03/18)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  トランプ大統領が西サハラ難民の救世主?  平田伊都子
120  「トランプ米大統領以外にいない!」と、西サハラ難民大統領は記者会見で、トランプにラブラブコールを送りました。 (2017/03/10)


コラム
フランス文学界を風刺するミステリ「良い作家とは死んだ作家だ」(ギョーム・シェレル作) "UN BON ÉCRIVAIN EST UN ÉCRIVAIN MORT" Guillaume Chérel
120 「良い作家とは死んだ作家だ」これは今、フランス文学界でちょっとした話題になっている小説である。原題は”UN BON ECRIVAIN EST UN ECRIVAIN MORT”で作家はギョーム・シェレル(Guillaume Cherel )。昨年売り出して、すでに1万5千部を売ったというのだから、フランスではヒット作と言ってよいだろう。作品はジャンルとしてはミステリだけど、向こうでは”パスティーシュ”とも言っているようだ。この作品が話題になっているのはフランスの流行作家たち10人をモデルにしたパロディ作品になっていて、彼らがある僧院で行われる文学討論(「文学と近代性」とか・・・まぁ、立派なテーマである)のために召集をかけられて、殺されていく物語であるからのようだ。(2017/03/07)


文化
料理への情熱 3 講師をしていた頃  原田哲(さとし、シェフ)
120 九州から上京して憧れの料理人になった原田哲(さとし)さんでしたが、一時期、店を離れて料理学校の講師をしていた時期もあるそうです。今、下北沢で料理を作っていて、当時の教え子が毎日のように訪ねてくるそうです。いったい、どのような先生だったんでしょうか、原田哲さんにお聞きしました。(2017/03/05)


文化
料理への情熱  1 始まりは「お母さんお休みの日」 原田哲(さとし、シェフ) 
120  日刊ベリタにフランス料理について群馬県・嬬恋村から寄稿していただいているシェフの原田理(おさむ)さんには4歳年下の弟がいます。弟もまた料理の世界に入って活躍しています。しかし、兄弟はそれぞれ得手不得手があるようであり、また、性格も大いに違っているようです。そんな兄弟がどのように料理に情熱を抱いたのか、どのように料理人の道を歩いてきたのか。今回は弟の哲(さとし)さんにお聞きしました。哲さんは現在、東京・下北沢にあるビストロ「bistroCHAP(ビストロチャップ)」などでシェフをしています。(2017/03/04)


コラム
わが憧れ、二回目のブータン その1 宇崎喜代美 (バンコク在住)
120 私は15年前ヒマラヤ山脈を越えて飛んでくるオグロヅルを見るために、初めてこの国を訪れた。その時以来この国の大ファンになった。そしてつい最近再びこの国を訪れた。15年前に行って以来、私の中でブータンに行きたい思いは募りに募っていた。その思いは、ただもう一度行きたいというのではなく、一年といいたいところだが、今は高齢の母が日本にいるので、せめて三か月だけでもブータンに住みたいと願うほどになっている。ブータンという国は私にとって母国日本を差し置いても住みたいと願うほどの国なのである。夫はすでに14回も訪れている。そう願いながらも15年ものあいだ再訪できないでいた。それが今回やっと二回目の訪問が実現した。(2017/03/03)


文化
【核を詠う】(225)福島の歌人・波汐國芳歌集『警鐘』を読む(2)「反原発ひたすらにして草紅葉(くさもみじ)炎立てるはわれへみちびく」  山崎芳彦
 いま読んでいる歌集『警鐘』の冒頭の一首、「ああ我ら何にも悪きことせぬを『原発石棺』終身刑とぞ」について、作者の波汐さんは「現在の私の正直な気持ちである。それは被曝地福島県に住む者の共通の思いであるに違いない。」として、次のように述べている。「多くの人が自ら誘致した原発ではないのに、大震災が原因であるとはいえ、当局側が事前の対策を怠ったがために大事故を招き、言ってみれば人災によって多くの人に被害を及ぼしたのである。そして、事故の収束までには三十年〜四十年もかかるといわれる。この地で生活する限り一生付き合わなければならない過酷な情況といわねばならず、まさに終身刑を科せられたようなものだと言ってはばからないからである。」(波汐さんが編集発行人である歌誌『翔』第52号の巻頭言)という。この「原発石棺」とは、破滅原発に覆い被せる構築物の意ではなく人々の生きる現在と将来を暗く閉じ込めるものの象徴だろう。(2017/03/03)


米国
みんな野良猫だった  ファーストレデイーも移民なのにどうして移民虐め!  平田伊都子
120  うちには野良猫が5匹、食べに来たり泊りに来たり、勝手に出入りしています。 みんな家猫のように態度もでっかく、我儘一杯に暮らしています。 が、みんな野良猫だったんです。 ある日、女番長の<ネエチャン猫>が自分の餌に口をつけず、声を出さず辺りを見まわしました。 すると、見たこともない三毛の野良猫が音もなく現れて、一粒残さずカラ餌を平らげて去って行きました。 みんな助け合ってます。(2017/03/03)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(36)
2016年6月上旬に脳腫瘍の摘出手術を受けることが決まった夫は、S県で飲食店を経営しているのですが、入院先が東京にあるTJ医大に決まってから手術日までの約2か月間は特にやることがなく、医者からも「いくら具合が悪くなろうが、手術日は前倒しできない」と言われたので、5月のゴールデンウィーク中にお店を開けることにしました。(れいこ)(2017/03/02)


コラム
マックスと呼ばれ、バッタモンと呼ばれる男   川村 絵理(「メビウス」 ボーカル)
120 初めて会ったのは、とある飲み屋。マスターが紹介してくれたのが彼である。マックスと呼ばれ、バッタモンと呼ばれる男。ラーメン屋を経営し、プロのジャズピアニストでもある。テレビで見たことがあったが、まさかここで会うとは。そして、飲み友達になるとは思いもしなかったが。見た目は普通だけど、やってる事は普通じゃない(2017/03/02)


コラム
メディア観戦記 42 木村結 〜森友学園の“安倍晋三記念小学校” と 安倍首相〜 
120 小学校建設の工事現場に貼られた看板に教育勅語が記されていた。違和感を覚えた豊中市市議会議員の木村さん。その土地がかつては阪神淡路大震災の仮設住宅が立ち並び、この数年は空き地だったので、譲渡価格を照会したが非開示との返事。 それを聞きつけた朝日新聞大阪本社のスクープからこの安倍スキャンダルは始まった。記者クラブに配信される官僚のニュースを追っていたら本当の報道はできない。調査報道が如何に大事か、生活者の違和感、嗅覚が大事かを教えてくれる出来事ではある。報道各社は切磋琢磨して報道合戦を繰り広げて欲しい。市民は真実に迫る報道を応援する。そこに蓋をしようとする局や新聞社は衰退するだろう。因みにこの張り紙を見つけたのは共産党の議員。赤旗ではなく朝日新聞にスクープを譲ったのだとしたら共産党も変わりつつあるということかしら。(2017/02/27)


コラム
関西電力課長の過労自殺をめぐって    熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
120 2016年4月20日、関西電力の技術畑の課長、40代のAさんが出張先の東京のホテルで自殺を遂げた。どの方面からの申請だったのかわからないが、この事件について敦賀労働基準監督署はおよそ半年後、これを過労自殺と労災認定している。Aさんの死がマスメディアに報道されるのは、この労災認定後のことである。Aさんは関電高浜原発1,2号機の再稼働に関する原子力規制委員会の審査対応の業務に携わっていた。この審査は3項の流れからなる。(2017/02/20)


欧州
英Brexit国民投票の裏に英政府=シティ金融勢力の欧州連合「改革」の野望があった  Corporate Europe Observatory  Kenneth Haar (ケネス・ハー) #2
120 将来、欧州連合は崩壊するのか。危機のはずみとなったのが昨年英国で行われたBrexit(英国の欧州連合離脱)国民投票でした。欧州連合本部に食い込む英国シティの金融ロビイストの活動を8年以上に渡ってウォッチしてきたCorporate Europe ObservatoryのKenneth Haar(ケネス・ハー)氏は驚くべき示唆を私たちに与えてくれました。キャメロン前首相が言い出した国民投票は欧州連合を改革するための交渉材料だったのではないか、という可能性です。キャメロン首相は英国の希望通りに欧州連合を改革しないと、英国は欧州連合から離脱する可能性があると言って、欧州連合から大きな政治的譲歩を引き出していたということなのです。(村上良太)(2017/02/09)


文化
パレスチナの占領下を生きるための演劇 俳優、ムハンマド・ティティ さんに聞く Mohammed Titi (actor , "Yes Theatre " in Hebron)  "Theater changed a lot of my personality, I became more optimistic." 
120 パレスチナのヨルダン川西岸地区の最大の都市、ヘブロン。人口21万人のこの町に2008年、1つの劇団が生まれました。名前は「Yes Theatre」(イエスシアター)。劇場は手作りで、住民の大半は演劇体験がなかったそうです。ヘブロンにはユダヤ教徒が今も入植しており、その警備のためイスラエル軍の兵士が銃を手に住民の監視と検問を行っています。こうした緊張とストレスにさらされた状況に生きる少年少女に自己表現の道を拓き、演劇を通して状況を客観的に見つめ、自己の生き方を深く考えさせる演劇活動を地道に行ってきたのがイエスシアターです。その舞台は海外の演劇祭で賞を受けるなど、クオリティの高さも評価されています。(村上良太)(2017/02/08)


教育
地域の子供に無料の作文教育を 子供の教育を変えたサンフランシスコの ”826 Valencia” , One-on-one tutoring can help students make great leaps in their writing skills and confidence.
120 アメリカのサンフランシスコに"826 Valencia"という名前の寺子屋があります。変わった名前と思われるかもしれませんが、これは住所を名前に採用したわけです。住所がわかりやすいですね。ここではボランティアの教え手が6歳から18歳までの子供たちに放課後、無料で教育をしています。教えているのは作文だけ。子供たちにモノを書くコツを教えて、書く喜びを知ってもらおうというのです。教え子たちが書いた本も販売されています。2002年にこの826 Valenciaが設立された当初はボランティアの方が子供より多かったそうです。しかし、その後どんどん子供が集まり、今ではなんと年間の生徒数が6000人を越え、ボランティアも1700人に上るそうです。(村上良太)(2017/02/08)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  モロッコがウィン、西サハラがウィン  平田伊都子
120  <モロッコのAUアフリカ連合帰還>が決まって、モロッコがウィン(勝利)、西サハラがウィン(勝利)と自分勝手に叫んでいます。 二つ合わせると<ウィンウィン>? 日本の政治家が大好きな幻の言葉、<ウィンウィン(双方勝)>となります。 が、現実の世界にあるのは<勝><負け><引き分け>です。 勝名乗りを勝手に上げる両当事者の言い分を聞き、BBC英国TVの軍配に注目してみましょう、、(2017/02/04)


核・原子力
福一2号機の格納容器内の映像について    谷克彦 (数学月間の会 世話人)
2月2日,17時からの東電会見で,福一2号機の格納容器内の映像についての報告がありました.この会見は定例で月・木に行われ,各社の記者にまじって,おしどりマコさんも必ず出席されています.私は,IWJのインタネット中継でこれを見ています.皆様もご覧になることをお勧めします.ただし,東電の説明はとても下手で,一般向けに説明しません.そこで,東電の発表事実を踏まえた上で,私の解説を加えてこの記事を書きました.(2017/02/03)


コラム
情報の統制と価格の統制  社会主義経済と”戦時下”の経済  そして <資本主義の危機  国家を財布代わりに利用する企業>
  1991年にソ連が崩壊し、社会主義国家群の経済運営が資本主義国家群に比べて生産性の点で大きく劣っていることがそれ以後は常識となりました。しかし、いったいどこがまずかったのでしょうか?グローバル経済の推進者である経済学者の伊藤元重氏は「入門 経済学」の中で、社会主義国家群の経済運営が資本主義国家群の経済運営に劣っていた大きな理由として価格統制を指摘しています。 1、価格という情報 伊藤教授によると、市場経済においてはモノの価格は社会の実態を反映した「情報」です。そこには需要と供給が如実に反映されていて、その均衡する点で価格が決定されるからです。だから、津々浦々各地でどれだけのモノが必要とされているか、という実態がモノの価格に反映されます。イカが不足していればイカの価格が高騰します。(村上良太)(2017/01/29)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  モロッコが戻りたいカダフィのアフリカ連合   平田伊都子
120  なんでアメリカはカダフィを殺したの? ナショナリスト<アメリカファースト>に対抗できるグローバリストは<アフリカ連帯>のリビアのカダフィだったのに、、 (2017/01/26)


文化
家族の肖像 フランス その4  社会主義者の娘シャルロット Family portrait in France #4  Daughter of socialists, Charlotte
120  パリ近郊の町に住むレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer)さんの半生とその祖父と父の人生模様の一端をこれまで見てきました。ボワイエさんの祖父は社会主義者、父は共産主義者、そしてボワイエさんは最初は父の影響で共産主義者でしたが、のちに社会主義者に転じています。今回はボワイエさんの娘、シャルロットさんについてです。現在、30代半ばのシャルロットさんはやはり社会主義者なのでしょうか?また、どのような仕事について、どのように現代生活を送っているのでしょうか?(村上良太)(2017/01/25)


みる・よむ・きく
イマニュエル・ウォーラーステイン著 「史的システムとしての資本主義」(川北稔訳)  〜半労働者と大富豪〜
120 世界システム論というのは学生だった80年代に講義を多少受けた記憶があり、テキストはカール・ポランニーの「大転換」という本でした。それはそれで面白かったのですが、不勉強もあって世界システム論の全貌はよくわからないまま卒業してしまって今日に至っています。偶然、最近用事が会って吉祥寺を訪ねた時に駅前の古書店の棚にこの本「史的システムとしての資本主義」がありました。手に取って見たら、どうしても読みたくなって買ってしまいました。世界システム論の大家がウォーラーステインです。なんとなく今までもやもやしていたものがはっきりするのでしょうか。(2017/01/22)


沖縄/日米安保
本土の人々に何ができるか?〜東京弁護士会人権擁護委員会主催シンポジウム「沖縄の今を考える」
120 日本政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とする名護市辺野古沿岸の埋立てをめぐり、沖縄県の仲井眞弘多前知事が出した埋立て承認を、翁長雄志知事が取り消したことをきっかけに始まった国と沖縄県の係争は、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)が2016年12月20日、沖縄県の上告を棄却する判決を下し、「沖縄県による承認取り消しは違法」とした福岡高裁那覇支部の判決(2016年9月16日)が確定。国側の勝訴という形で一つの節目を迎えた。(坂本正義)(2017/01/21)


人権/反差別/司法
50歳以上の女優にもっと出演の機会を!俳優たちが自ら立ち上がる 「50歳の女優のトンネル」委員会リーダーのマリーナ・トメ氏に聞く Intreview : Marina Tomé  (l’AAFA-Tunnel de la comédienne de 50 ans)
120 1月6日にパリで「50歳以上の女性たちの奇妙で不思議な運命」と題するシンポジウムが開かれました。フランスで50歳以上の女性が映画やTVなどに登場する機会が不自然に少ないことに抗議の声を上げるものでした。そして、その原因や対策を俳優だけでなく、社会学者など多彩な識者とともに議論したのです。シンポジウムを主催したのはAAFA(フランスの俳優組合)の「50歳の女優のトンネル」委員会です。グループのリーダーは女優のマリーナ・トメさん。セドリック・クラピッシュ監督の作品に多数出演しているほか、今年2月にフランスで封切られる予定のマニュエル・サンチェス監督の”La Dormeuse Duval”では俳優のドミニク・ピニョン氏と共演しています。(2017/01/19)


コラム
メディア観戦記 39   木村結
120 ■メディア観戦を続ける意味 を書きました。 私が何故#報ステや#NEWS23の写メを撮りつぶやいているのか? 是非お仲間になってください。日刊ベリタでは、観戦記も掲載中です。■14日 朝日新聞  過酷事故を起こしても税金で補填。企業は利益を貪るだけ。原則40年をなし崩しにする関電。火力発電の方が高くつくという関電のプレスをそのまま報道はやめるべき (2017/01/15)


文化
『わたしを離さないで』 ──限られた生の証をいとおしむ  熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
120 2016年の3月に終わったテレビの連続ドラマには、私としてはかなりめずらしく惹かれた作品が二つあった。ひとつは貧しくもひたすらに思いやりに満ちた介護職員と引っ越し作業員の愛の曲折を社会と生活のしがらみのなかで描く、わが敬愛する坂元裕二脚本の『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』であるが、もうひとつは、カズオ・イシグロ原作・森下佳子脚本の『わたしを離さないで』である。後者は、同じ原作、同じストーリーのイギリス映画『私を離さないで』(2010年、原作は2005年刊)を直ちに思い起こさせる。この日本のTVドラマとマーク・ロマネク監督作品との違いが興味ぶかい。(2017/01/13)


コラム
学歴社会の大切さ   村上良太
学歴社会がなぜ大切か、というと、学歴社会であればいわゆる一流企業とか一流大学などの組織は一流大学出の無傷な若者ばかりを採用します。それがなぜよいのか、というと中小零細企業の視点に立てば学歴はイマイチでも真に素質のある若者を獲得できるチャンスなのです。中小零細企業主たちにとって本当に怖いのは大企業が学歴などにこだわらず真に力のある若者を採用し始めることです。(2017/01/12)


環境
電力の自給自足を目指す    谷克彦 (数学月間の会 世話人)
電力を遠方の原子力発電所の様な大規模施設で発電し,消費地に送電するのは無駄ではないでしょうか.それぞれの地域で発電し消費する(地産地消)「分散型」がこれからの合理的なシステムです.遠距離送電も原子力発電も止めましょう.家庭の屋根で太陽光発電しても,100V交流に変換して東電に売っていたのでは,原子力発電の電力の一部とされ,現在の課金システムの枠内です.将来目指すべきシステムの姿は,大規模な送電網から独立した電気エネルギーの自給自足です.(2017/01/09)


コラム
メディア観戦記 38   木村結
120 ■1月7日 ニュース女子のMCは東京新聞の長谷川幸洋氏なのですね。こんなところまで堕ちるとは ■7日 4大学によるメディアゼミの発表会に来ています。 大学生が何に興味があり、どのように解決しようとしているか? とても興味深い会でした。 ■#朝日川柳 7日 明けまして無かったことにオスプレイ 前期だの准だの言われ古希祝い 准の字の濁点外し旬とする ☆薩摩見て越後はフンドシ締め直し 新年は一月二十日からのよう フォードに味占めトヨタに難癖 今日はもう七草光陰矢の如し(2017/01/08)


文化
シャルリエブド襲撃事件から2年 風刺画に詳しいイタリア人の映画監督が事務所を訪ねてインタビュー   フランチェスコ・マッツァ( Francesco Mazza , regista, Italian film director )
120 世界を震撼させたパリの風刺メディア、シャルリエブドがイスラム聖戦主義者の2人組に襲撃されてから今年の1月7日でまる2年になります。イタリア人の映画監督、フランチェスコ・マッツァ氏は風刺番組に長年携わった経験から、風刺文化を理解することの大切さを訴えてきました。風刺画はジャーナリズムの機能を持っており、その読み方を正しく理解する必要があると言うのです。今回、マッツア氏は襲撃から2周年を前に、シャルリエブドの新しい事務所をパリに訪ねて、人事担当者と風刺画家の一人にインタビューをしました。(2017/01/05)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(34)
脳腫瘍のため脳が圧迫されると、人には様々な障害が出てきます。夫の場合、左の脳室にめり込むように脳腫瘍ができていたので、運動障害が出てきました。歩く際に足元がふらついたり、足が思うように前に出なかったり、眩暈もあって、歩くスピードが異常に遅くなってきたのです。歩いている最中も、眩暈が出る度に立ち止まってしばらく目を閉じ、眩暈が収まったら再び歩き始めるという具合です。(れいこ)(2017/01/05)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(33)
かなりご高齢な脳神経外科の医師は、午前の診療時間の終了間際に来た私たちに対し、少し迷惑そうな表情を浮かべ、一緒に診察室に入った妻の私を完全に無視し、夫に簡単な問診を行った後、「じゃ、もうMRI(磁気共鳴画像)撮りましょうね」と言いました。そして、MRI検査を終えて待つこと40分ほど。診察室に呼ばれたとき、あれだけ面倒くさそうにしていた医師が、背筋をしゃんと伸ばし、神妙な面持ちで私たちを待っていました。(れいこ)(2017/01/05)


沖縄/日米安保
自衛隊新基地が建設されたら、宮古島にもオスプレイがやってくる!
2016年12月28日止めよう自衛隊配備!宮古島平和集会は、大雨という悪天候の中、300名の皆さんの結集がありました。沖縄選出国会議員6名、辺野古から島袋文子さんも駆け付けて下さって、集会とデモ行進を敢行しました。みなさんご協力ありがとうございました。YOU TUBE で 検索して映像もご覧ください。(止めよう!「自衛隊配備」 宮古郡民の会)(2017/01/04)


みる・よむ・きく
越境するアンダークラス──映画『バンコクナイツ』  小倉利丸
120  空族の新作『バンコクナイツ』は、今年観た映画のなかで最も印象に残り、わたしがうかつにも忘れかけていた1970年代のタイの熱い民衆の闘争を思い起させてくれた。とはいえ、決して「政治的に正しい」行儀のいい映画ではない。そこが空族の最大の魅力だ。(以下、ネタばれは最低限に抑えたつもりだが、予断なしに映画を観たい方は読むのを控えてください)(2017/01/03)


沖縄/日米安保
沖縄の米軍基地を引き取る。その運動の背景にある各自治体と国民のヒトゴト具合  樫田秀樹
 前回のブログの続きです。なぜ私が「沖縄の米軍基地を本土で引き取る」運動に関心を持つようになったのか。そもそものきっかけは、これも本ブログで書いたことですが、沖縄の高江でのVFP(平和のための退役軍人会)との出会いでした。 彼らは、世界各地で米軍基地の存在で苦しむ住民の元に駆け付けては一緒に抗議行動を展開していますが、アメリカ国内でもしていることがあります。(2017/01/03)

コラム
2017は良いナンバー   村上良太 (2017 is a good number)
昔の子供にはスマホもゲーム類もなかった。電車でやっていた遊びは切符に押されている4ケタの数字を足したり引いたりして10にすることだった。たとえば2017だったとすると、これは極めてシンプル。2017=2+0+1+7=10 でOK。当時僕が乗っていたのは大阪・京都・神戸間を走る阪急電車だったけれど、これは電車に乗った時の子供たちの遊びだった。(2017/01/03)


みる・よむ・きく
『放射能は人類を滅ぼす』 落合栄一郎
  先にこの欄に「原発は地球上にあってはならないもの」という論を発表しました(1)。これは、今秋(10月)日本の数カ所で講演したものの要旨のようなものでした。そして、講演をさらに敷衍したものが、今回刊行された『放射能は人類を滅ぼす』(緑風出版)(2)という書です。どうしてそうなのか、どうして放射能は生命とは両立できないのか、にも拘らず原発を擁護する側は、放射能の安全をしきりに言いつのっているが、その安全神話は本当に正しいのか、そして、そうした放射能の生命への悪影響を隠蔽するような仕組み、企てがどうしてつくられてきたか、などについて簡潔に論じたものです。どうか、ご覧になって、現在問題になっている脱原発の本当の意義を理解し、日本の世論を脱原発のほうに向かわせるように力を貸していただきたく思います。(2016/12/30)


米国
トランプ大統領就任時の抗議デモ呼びかけが急速に拡大している
急速に、大統領就任時の抗議デモ呼びかけが拡がりをみせてきたように感じます。オバマ就任のときには、大きな期待を抱いた聴衆が就任式典に参加し、国民統合のお手本のような雰囲気になった。隔世の感があります。抗議デモは場合によっては就任式祝賀で集まる人たちを上回る可能性もあるようです。(小倉利丸)(2016/12/29)


文化
ウラジーミル連発  プーチン大統領と安倍首相    谷克彦 (数学月間の会 世話人)
安倍晋三首相とプーチン大統領の会談は2日間にわたって行われ,12月16日夕方に共同記者会見が行われました.内容のない会見でしたが40分にわたり,安倍首相がプーチン大統領をファーストネームで「ウラジーミル」と何度も呼びかけ,「君(きみ)」という呼びかけも使いました.(2016/12/23)


文化
日本のアニメで育った第一世代のフランス人漫画家アレクサンドル・アキラクマさん Interview : Alexandre Akirakuma   日仏に共通する騎士道物語への郷愁
120 フランスと言えば日本のアニメオタクがたくさんいる国として知られていますが、日本のアニメに浸って育った第一世代に属する漫画家の一人がアレクサンドル・アキラクマ(Alexandre Akirakuma) さんです。アキラクマとは見かけない名前ですが、これはペンネームで本名はアレクサンドル・ラングロワさんです。ペンネームのアキラクマはラングロワさんが影響を受けた日本の漫画「AKIRA」と家族のトーテムである熊(これも日本語)を足し合わせたものだそうです( トーテムって・・・いったい、どこの出身なんだ??)これからわかるように、日本文化から影響を受けたのだと言います。その漫画作品の中にも平安時代の京都を描いたものがあり、アニメだけではなく、日本の古い文化にも魅せられているのだそうです。そんなアレクサンドル・アキラクマさんにインタビューをしました。(村上良太)(2016/12/16)


みる・よむ・きく
ジェームズ・M・バーダマン著 「あいうえお順引き この言いまわし 英語でなんていう?」 (How do you say that in English ?)
こんな場合は英語でなんという?・・・こういう類の英語の参考書は日本でたくさん出版されてきまして、それぞれ特徴がありますが、その中で頭一つ抜けて優れているなぁと感じさせられたのが中経出版から出ているジェームズ・M・バーダマン著 「あいうえお順引き この言いまわし 英語でなんていう?」でした。・気のせいだよ  It's ( just ) your imagination ・しつこいよ   Stop pestering me ! ・すぐわかりますよ You can't miss it . ・決まり!   That settles it!  ・恐縮です   I feel obligated to you. など、ちょっとした言い回しが2100ほど掲載されています。(2016/12/13)


医療/健康
世界の水道事業民営化に逆風 <料金の高騰><不透明な経営><質の低下>などの問題から再公営化する自治体が増えている 今、なぜ日本で・・・
食が日々の健康に大きな影響を与えるとしたら、水道の水は命にかかわっています。その水道事業を財務負担の解消を歌って世界各地でこの四半世紀に次々と民営化してきましたが、実はここに来て民営化を打ち切る動きが起きており、調査によるとわかっているだけで過去に民営化した世界各地の自治体の4分のおよそ1が契約を打ち切り、再び公営に戻していることが明らかになっています。その象徴とも言えるのが水道事業の民営化の先鞭をつけたと言えるフランスです。1984年に花の都パリでも市が水道事業を25年契約でヴェオリア社とスエズ社に委託して民営化していました。ところが2010年にパリ市は再契約を結ばず、再度公営化に戻したのです。(2016/12/12)


検証・メディア
ハフィントンポストの時代  ハフィントンポストを退くと告げた創刊者のアリアナ・ハフィントン氏
アメリカでもっとも「成功した」インターネットニュースはハフィントンポストに違いないと思います。創刊されたのは2005年の第二次ジョージ・W・ブッシュ政権の時代でした。当時イラク戦争とアフガン戦争に邁進して巨額の軍事予算を計上していた政府に対して批判的なスタンスで立ち上がったメディアがハフィントンポストです。その頃、アメリカのマスメディアでは政府の統制が進んで、記事にもイラク戦争を推進するための嘘が混じるようになっていました。そこで新聞統制に立ち向かうため、アリアナ・ハフィントン氏はネットで新聞を立ち上げ、最初は無料で寄稿してくれるブロガーを500人集めたなどと言われていました。どんどん注目を集め、寄稿者も読者も増えていきました。そしてついに2008年の大統領選でオバマ政権を生み出すのにも大きく貢献しました。アメリカの「チェンジ」を夢見た人たちがオバマ氏を支持し、そしてまたハフィントンポストに各地から選挙戦の記事を手弁当で寄稿していたのです。今年で終了する8年間のオバマ時代とは何だったのかということを考える時、ハフィントンポストと重ねてみる人は少なくないのではないでしょうか。(2016/12/11)


コラム
メディア観戦記 36   木村結
120 ■12月9日 #報ステ 琥珀の中にありのまま 1億年前の恐竜の尻尾 富川さん 中国の古生物学者邢立達氏はミャンマーの琥珀アクセサリーの売店に2年間通いつめて発見 東山教授 尻尾が入っていると通い続けて見つけた彼も凄いし彼の研究を許した環境が羨ましい 富川氏 日本は効率求め過ぎですね ■#報ステ 原発事故処理費21.5兆円◆〜電線を持たない新電力の送電線使用料に上乗せ これが通ると本来利用者に還元される利益は還元されない 処理費用が更に膨らめば利用者が自動的に負担することに (2016/12/10)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  ヒラリーとモロッコ王の汚職  平田伊都子
120  トランプ次期米大統領が決戦投票間際に、「ヒラリー・クリントンのメールと財団に関するスキャンダルは、ウォーターゲート事件より酷い」と、訴えていましたね、、1972年に起きたウオーターゲート事件は、ボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインのワシントン・ポスト紙記者二人が暴いた盗聴侵入事件で、当時のニクソン大統領を辞任に追い込みました。 (2016/12/09)


欧州
フランス共和党フランソワ・フィヨン氏のインパクト 2   フィヨン対ルペンの場合、勝つのはどちらか? (そして左派は・・・?)
前回、フランス共和党の大統領選の予備選で右派のフランソワ・フィヨン氏が選出されたことを受けて、その経済政策などについて紹介しました。国際メディアでもそうですが、フィヨン氏の当選に関して最大の関心事項は国民戦線のマリーヌ・ルペン候補と一騎打ちになった場合、勝てるかどうか、という点です。(2016/12/04)


欧州
フランス共和党フランソワ・フィヨン氏のインパクト  フィヨン大統領の場合の経済政策とは? 危機が続く欧州経済と緊縮策
フランスの共和党の大統領候補になったフランソワ・フィヨン氏に対する反応は様々です。歓迎する人もいれば、危惧を感じる人も少なくないようです。フィヨン氏のカトリック信仰の強さがイスラム教徒との新たな確執を生むのではないか、と思う人もいるようです。一方でユマニテ紙は左派の立場から、共和党右派のフィヨン政権が誕生した場合に生活が脅かされるであろう5つのポイントを発表しています。(2016/11/29)


国際
ソウル 朴大統領の退陣を求める大規模抗議デモ  80年代以来最大の怒り
120 ソウルでは毎週土曜日に市民が集まって朴槿恵大統領退陣を求めるデモを続けてきた。今回で5回目となる。今回で5回目となる。昨日26日は過去最多の150万人(主催者発表)が集まったという。また、ソウル以外の各地でも抗議デモが行われた。この抗議デモに参加した人の話。「毎週毎週いつまで続くかという状態ですが、デモに参加しない市井の人々もこの状態を見守り、乗ったタクシーの運転手さんの言葉は「政府にとってこの暴力のないデモが一番の脅威になると」。本当に整然と、しかし力強いシュプレヒコールです。・・・」(2016/11/27)


コラム
メディア観戦記34   木村結
120 ■ #朝日川柳18日 ☆つらいけど いきるときめた (2016/11/18)


核・原子力
原発は地球上にあってはならないもの 落合栄一郎
  現在、福島原発事故から約6年弱、日本は、2020年のオリンピックに向けて、民意を福島事故から背けるべく、原発企業とそれに後押しされている政府・地元自治体・原発に巣くう専門家集団が、懸命な努力を傾けています。そして、多くの市民の反対にも拘らず、原発再稼働を推進しています。これは、現政権の与党ばかりでなく、最大野党の民進党も同様な態度を示しているようで、大変困った状況です。この根本には、原発というか、それが必然的に作ってしまう放射性物質が出す放射線が、人間に限らず生命を破壊するという機能をもっていることについての無理解があります。これは、政治、経済、社会レベルの問題などを超越した、「生命の存続」の問題なのですが、今までのところ、隠そうとする側の努力もあって、人類の多くの目からは隠されている。(2016/11/16)


検証・メディア
アメリカ大統領選  クリントン勝利の世論調査はなぜ大きく外れたのか?  谷克彦 (数学月間の会 世話人)
ドナルト・トランプ大統領が誕生しました.大方の世論調査でも,期日前投票や投票当日の出口調査でも,ヒラリー・クリントンが優勢でした.トランプをとんでもない候補だとする,新聞やTVによる刷り込みが激しかったこともあり,多くの人々がこの逆転結果に驚きました.選挙戦中のメディアの報道は明らかにクリントン支持に偏っていました.しかし,クリントンは現政権の中枢におり,既成勢力の政治はもうたくさんだとトランプに共感する人々は多かったのです.今回も外れてしまった世論調査はどれほど信用できるのでしょうか.選挙直前の世論調査を振り返ってみましょう.10/29-11/01の期間に行われたワシントンポストとABCテレビによる世論調査は,50州の1,767人を対象とし,トランプ45%,クリントン47%でした.(2016/11/12)


文化
作家ジャン=フィリップ・トゥーサン氏にインタビュー  〜衝撃的デビュー作「浴室」はどのようにして生まれたのか?〜 Interview : Jean-Philippe Toussaint How the masterpiece, " La salle de bain " was created ? "
120 1985年、パリで1冊の風変わりな小説が出版されると大ヒットし、瞬く間に世界各地で翻訳され、その頃の文学界の話題をさらいました。「浴室」と題するその小説は主人公の若者が浴槽に閉じこもって出てこなくなる、という風変わりなシチュエーションと同時に、その文章もパスカルの箴言集のように短いパラグラフに分かれ、その1つ1つにナンバーがつけられているという珍しいものでした。 「(1)午後を浴室で過ごすようになった時、そこに居を据えることになろうとは思ってもみなかった。浴槽の中で思いをめぐらせながら、快適な数時間を過ごしていたにすぎない。・・・」(2016/11/10)


国際
米大統領選の泡沫候補たち  メディアに無視され続けた緑の党のジル・スタイン候補とリバタリアン党のゲイリー・ジョンソン候補
11月8日、いよいよ米大統領選の投票日。ニューヨークタイムズの常連漫画家 Chapatteが米大統領選を風刺する漫画を出したばかりです。夜の選挙特番で居間のテレビの前に幼い子供が一人。テレビ画面は2016年大統領選の結果。ソファの裏で両親が耳をふさぎ目を覆っています。どちらが勝っても悪夢なのでしょう。(2016/11/09)


コラム
日本のテレビ放送人の草分け 「報道のお春」 吉永春子さんが亡くなる 享年85
120 TBSテレビで「魔の731部隊」「天皇と未復員」など数々の話題作を作った吉永春子ディレクターが高齢のため都内の自宅で亡くなりました。享年85.吉永さんは「報道のお春」と呼ばれ、「民放の雄」「報道のTBS」と呼ばれた時代を築いたテレビ放送人の草分けの一人でした。 (2016/11/05)


社会
毛髪1本でがん検診   谷克彦 (数学月間の会 世話人)
毛髪は約1cm/月の割合で伸びます.15cmの長さの毛髪ならその中に15ヶ月間の健康状態の記録が残されているはずです.毛髪中に含まれるいくつかの元素(カルシウム,ストロンチウム,カリウム,ナトリウム,など)の分布状態(濃度変化の記録)を調べて,がん検診(特に乳がん)ができるという新手法を,千川純一先生(ひょうご科学技術創造協会)が,2003年からSPring-8で研究を始め,結果を2015年に論文発表しています.毛髪1本を抜いて送れば,がんの検診ができるとなると画期的ですね.この検査は人体への負荷や危険は全くありません.現在,病院の先生方と協力して多くの臨床例を集め,実証研究を進める段階にあります.(2016/11/03)


文化
映画 『母と暮らせば』 (2015) のものたりなさ──山田洋次が見失ったもの   熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
120 『母と暮らせば』(2015)は、巨匠・山田洋次が、戦後70年を期し「松竹120周年」を記念して世に問う映画としては、豊穣な実りというにはあまりにほど遠い作品であった。1948年8月9日の長崎、助産婦として暮らす伸子(吉永小百合)のもとに、原爆で跡形なく消えた息子・浩二(二宮和也)が立ち現れる。それ以来、浩二はしばしば訪れて、母をいたわり、また、「嫁」のようになにかと伸子を励ます浩二の恋人・町子(黒木華)との思い出にふけるという儚い幸せの時を過ごす。だが、町子がついに、傷ついて復員していた同僚の教師(浅野忠信)と結婚して再出発することを決心したとき、浩二は、消え入るように息絶える伸子と手を携えて雲の彼方に歩んでゆく。(2016/11/01)


福島から
沖縄と福島の連帯で政治を変えよう!〜沖縄県政策参与・照屋義実さん福島講演
沖縄県と福島県。この両県に共通することは、沖縄県は米軍基地問題、福島県は東京電力福島第一原発事故被害という“危険で厄介なモノ”が押し付けられ、両県民が多大な苦しみを強いられていることである。(館山守)(2016/10/25)


検証・メディア
イタリアの報道の自由と政治の圧力について、未来について、独裁について  Francesco Mazza(イタリアの映画監督)  
120 在仏ブロガーのRyoka氏が紹介してくれましたイタリア人の映画監督Francesco Mazza(フランチェスコ・マッツァ)さんの風刺画に対する説明があまりにも興味深かったために、Francesco Mazzaさんにもう少し話を聞きたいと思いました。特に、先述の文章に書かれていたイタリアの風刺番組のこととか、イタリアのメディアの事情〜特に政治との関わりでたとえば圧力とかはないのか?などなど、そのあたりのイタリア事情をFrancesco Mazzaさんに話していただきました。(2016/10/22)


検証・メディア
イタリア人の映画監督がイタリア中部アマトリーチェ地震の被災者らをパスタにたとえた風刺画を読み解く 〜母に捧げる風刺画の読み方〜 Francesco Mazza(翻訳 Ryoka)
私は1988年からイタリアで放送されている人気風刺番組の制作に9年間かかわった。ここ数日、風刺がいつになく話題になっているので、シャルリー・エブドについて、そして例の風刺画(イタリア中部アマトリーチェ近郊で起きた地震の被災者らをパスタにたとえたもの)について、母との会話形式で公に意見を述べることにした。母「この風刺画は不快すぎるわ!」 私「確かに、この風刺画は不快な気持ちにさせる。でもなぜだか知ってる?なぜかって、それは、風刺というのはもともと不快なものだからなんだ。一番有名なイタリア人風刺作家は誰かわかる?・・・」(2016/10/20)


コラム
【編集長妄言】“真実後の日本政治“と”真実後の大学教授“ 虚偽を振りまいているのは誰なのか  大野和興
 日本の自衛隊がPKO(=国連平和維持活動)を行う南スーダンで武力衝突が拡大し、1週間で60人が死亡した。 これはロイター通信が14日、南スーダン政府軍の報道官の発表として伝えたもので、政府軍と反政府勢力の戦闘などにより、過去1週間で少なくとも60人が死亡した。反政府勢力が、政府軍兵士11人と市民28人を殺害し、 反政府勢力も21人が死亡したとしている。(2016/10/16)


社会
送電ケーブル火災と広域停電   谷克彦(数学月間の会 世話人)
10月12日,午後3時半ごろ東京都内で58万戸が停電した.都心中心部も停電した.埼玉県,新座付近の地下送電線の火災が原因という.東京の送電網ネットワークは,限界ぎりぎりで稼動している社会インフラです.ネットワークに流れ込む交流電力を繋ぐには,電圧をそろえるだけではなく,交流の周波数も位相もそろえなければなりません.つまり,流れ込む交流の山と山が重なるようにタイミングを合わせて合流させる(山と谷が重なったら一瞬で電流が流れて危ない).ネットワークの結合点には,このような調整装置があり,ネットワークを作っています.このようなネットワークは一部分を切り取って理解するのは正しくない.予想もしない部分が影響する可能性があり,ネットワーク全体として理解する必要があります.このような系を「複雑系」といいます.(2016/10/13)


文化
漫画家ローラン・ロルメド氏の風刺作品群 Laurent Lolmède 
120 パリで活躍している漫画家のローラン・ロルメド氏(Laurent Lolmede)はアンダーグラウンド的な独特のタッチで、個性的な世界を作り出しています。タンタンの登場人物のパロディ作品群があるかと思えばフランスの巨大なスーパーマーケットであるオーシャンをモチーフにした漫画もあります。その1つに、ミレーの「晩鐘」の祈りを捧げる夫婦を絡めたものがあり、グルーバル競争の中でフランスの農民たちが置かれた状況への風刺になっているように思われました。ロルメド氏にインタビューをしました。(2016/10/12)


コラム
親を出しぬく若者になろう  格差社会では子供自身の情報収集力が夢の実現の鍵を握る  村上良太
新聞に「おやじの背中」みたいなシリーズが組まれて、いかに父親が偉大だったか、いかに父親の背中を見て育ったか、いかに父親が自分を愛し、思ってくれたか。そんな涙と愛の美談がてんこ盛りになっています。たしかにそんな父親もいるでしょう。しかし、親というものはいろんな親がいて、素晴らしい親もいればそうではない親もいるのです。親が子供のことを理解しているか、と言えばそんな親もいると思います。でも、そうでない親もいるのです。子供が何に悩んでいるか理解不能であるばかりか、そういう想像力もない親も存在するのです。(2016/10/05)


国際
ND米紙ウィークリーニュース第100号(September 28, 2016)
●目次●/国粋主義から世界主義へ 稲田防衛相が方針転換か(WP 9/18)/NATOがロシア案を拒否 バルト海上空の安全対策(WSJ 9/20)/シリア停戦合意の行き詰まり 米国が認める(FT 9/23)/(2016/10/04)


反戦・平和
シベリア抑留者支援センターEメイル・ニュース No.46(2016.9.22発行)
9月11日(現地時間)に急逝された加藤九祚先生に続いて、昨日(9月21日)に世話人の猪熊得郎さんが他界されました。猪熊さんは、8月23日国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑での「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」で閉会の挨拶を述べていただいたばかりで、ここ2年ほどは車椅子での登壇でしたが、今年は杖をついて立ってしっかりお話されていて、すこし回復されたかと喜んでいたのですが、急な逝去の報に驚きました。(2016/10/03)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
モンサント:豪州小麦種子会社との資本提携解消 GM小麦から撤退か?
 モンサントは9月12日、資本提携していたオーストラリアの穀物種子大手インターグレインの全保有株式(26%)を売却したと発表した。モンサントは2010年、干ばつ耐性・耐病性の遺伝子組み換え小麦の共同開発を目的として、インターグレインへ20%の資本参加していた。モンサントの提携解消の決断は、「進行中のビジネス再編の一環」だとしている。モンサントは9月14日、バイエルの買収提案に合意した。(有機農業ニュースクリップ)(2016/09/17)


みる・よむ・きく
吉田正俊著 「理解しやすい英文法」(文英堂)  大学受験だけでなく、英語をもう一度おさらいしたい時に便利な参考書
何十年ぶりかで英語の文法のおさらいをしようと思い、新刊書店や大手の古書店で大学受験生向けの英文法書を10冊くらい買って、夏休みに読み比べてみました。それぞれ良さや個性がありますが、自分が読んでみて一押しと思ったのが、吉田正俊著 「理解しやすい英文法」(文英堂)です。シグマベストというシリーズから出ています。「理解しやすい英文法」は、非常によく整理されていて、英文を分解したら、どのようになり、それらの単語がどのように結合していくのか、基本的に1トピックが1ページで、わかりやすくまとめられています。この見せ方は編集者の力でもあるのでしょうが、基本的には吉田氏の教育方法が優れていたんじゃないか、と思いました。(2016/09/11)


中国
三十路女子の北京的生活(5)〜北京での家探し
120 先日、理由あって引っ越ししました。北京に住み始めて丸4年が経ちましたが、これまでに2回引っ越ししたので、現在の家で3軒目になります。その2回の引っ越しは、どちらも自分の希望ではなく、やむを得ず出ていかなければならなかったのです。(アキコ)(2016/09/08)


コラム
育毛剤の広告  いかに自己嫌悪を起こさせるかにしのぎを削り、努力しろ、闘えと説く  だがその効果は?
  電車には多くの薄毛の男性が乗っていて、彼らが目を留めるのが車内に吊られた雑誌広告。そこには薄毛がもてはやされる時代が来た、というようなことが書かれています。これは最近インターネットで見た育毛剤の動画広告の冒頭です。今まで不幸だった薄毛の人たちがついに解放される時代が来たか、と言えばその宣伝ではすぐに、そんな時代は永遠に来ない、と冷や水をかけるのです。だから、闘え、育毛剤を買って薄毛対策をせよ、という趣旨です。しかし、この宣伝を見てハッピーになった薄毛の人はいないでしょう。むしろ、嘲笑われている、と思うのではないでしょうか。もちろん、その育毛剤を購入して本当に薄毛がすっかり解消できたらよいのです。(2016/09/07)


コラム
インドネシアのドッキリテレビ 
 何年か前、インドネシアを旅しました。島と島を結ぶインドネシアの国内航空機に乗りこんで座席につくや、前の座席の後ろについている小さなスクリーンで一斉にインドネシアの国内番組らしい映像が音声付きで映し出されるではありませんか。それは日本で1970年代に流行した「どっきりカメラ」のインドネシア版であるとわかるまでに何秒も要しませんでした。スタッフが人をだまして、その狼狽ぶりを隠し撮りして笑う、というスタイルの番組です。(2016/09/03)


アフリカ
【西サハラ最新情報】  自衛隊、西サハラに「駆けつけ警護」もありか?  平田伊都子
120  自衛隊の皆さま本当にご苦労様です!  自衛隊ヘリ<ブラックホーク>が濁流の中から被災者をつり上げたり、土砂に埋まった人を掘り起こしたり、、自衛隊員の頼もしい姿を見るたびに私たち庶民は感謝の気持ちで一杯になります。 天災大国日本にとって、自衛隊の皆さまはなくてはならない大事な宝です。 ところが、<安保法・集団的自衛権>に基づき、PKO(国連平和維持活動)の任務に就く自衛隊員は、戦闘行為にも参加することになったとか? <駆けつけ警護>と呼ぶらしいですネ。 アフリカの南スーダンと同様に、戦闘勃発寸前の西サハラにも送られるのでしょうか??(2016/09/01)


コラム
メディア観戦記 27  木村結
120 ■8月30日 テレビ朝日に電話して、今夜も原発情報を。 (2016/08/30)


みる・よむ・きく
米原万里著 「必笑小咄のテクニック」   読み手をミスリードする情報の海の中で
ゴルバチョフ大統領の通訳で知られ、ロシア語の通訳者でエッセイストでもあった米原万里氏が亡くなる少し前に書き下ろした本が集英社新書の「必笑小咄のテクニック」で2005年に出版されています。本書の中で米原さんは小咄(ジョーク)の核心は「詐欺の手口にソックリ」と言っています。つまり、落ちに至るまでに、聞き手をミスリードする(誤った方向に誘導する)ことがジョークの核心である、ということになるそうです。(2016/08/24)


みる・よむ・きく
細部の記憶を掘り起こすための努力   クロード・ランズマン監督のドキュメンタリー「生者が通る」(Un vivant qui passe ) 
クロード・ランズマン監督のドキュメンタリー「生者が通る」(Un vivant qui passe )は医師とインタビュアーのランズマン監督の二人の質疑応答が作品の核になっていて文字通り、インタビューが作品そのものになっています。ランズマン氏がインタビューしたスイス人の医師は第二次大戦末期の1944年にチェコのテレジエンシュタット強制収容所を赤十字国際委員会の視察団団長として訪れました。また、その前の年は飛び込みで独力でポーランドのアウシュビッツ強制収容所を訪ねています。このインタビューが撮影されたのは1979年ですから、35〜36年の歳月を隔てています。(2016/08/23)


経済
≪twitterから≫海外投機筋には完全に馬鹿にされ、年金と個人金融資産の消失が止まらない
いま最も核心をついた経済分析は,twitterで入ってくる「小沢一郎(事務所)」だろう。「いい加減メディアも「アベノミクス」という最悪の茶番劇について、まともに報じたほうがよい。ここではずっと前から言っている。経済の本質と過去の経済史的教訓に照らせば、誰にでもわかること。政府が人気取りでバブルを起こせばどうなるのか、市場は更にもっとよこせと催促する。あとは泥沼である」(8月5日)にも共感。(2016/08/18)


みる・よむ・きく
ナチスの徹底した偽装工作に医師はだまされた  「生者が通る」(Un vivant qui passe ) クロード・ランズマンのインタビューから
排外主義の特徴の1つがある特定の民族をゲットーなどに押し込めてしまうことです。これは南アフリカでもアパルトヘイト政策として行われていました。その隔離された施設でいったい何が起きていたのか。1944年、チェコスロバキア(当時)にあったナチスのテレージエンシュタット強制収容所に赤十字国際委員会の視察団が訪れます。ところが、彼らはナチスの偽装工作に騙されてしまったのでした。(2016/08/18)


みる・よむ・きく
中野好夫著 「シェイクスピアの面白さ」  シェイクスピア没後400周年  近代演劇とは何だったのか  
120  今年は英国の劇作家ウイリアム・シェイクスピアが亡くなって400年目。1616年に亡くなっているから、日本の歴史で見ると江戸時代が始まったばかりの頃になる。そんな古い作家でありながら、今日でもシェイクスピアは世界各地の劇場で上演され、観客を魅了している。しかし、日本のシェイクスピア劇についてみると、最近は今一つ低調になっている気がする。そこで日本のシェイクピアの研究者の1人として知られる中野好夫氏の「シェイクスピアの面白さ」を手にしてみた。(2016/07/31)


コラム
メディア観戦記 24   木村結
120 ■  7月30日 精神障害者ら7.9万人、受給減額・停止も 年金新指針で:日本経済新聞  /相模原の殺害事件の直後、こんな政策を平気で出してくる安倍政権は終わりにしなければ、弱者は次々に切り捨てられる。次は貴方と私  ■NEWS23    29日  日銀金融緩和も手詰まり◆ ETFの買入額を約倍にしたにもかかわらず、株価は一時マイナスに。日銀にはもう切るカードがないとの声も。 ■NEWS23  年金運用で5兆円超の損失  きっかけは安倍総理 GPISの前向きな改革を行うとして株式比率を一気に倍の50%に。 日銀は ETF(株価に連動する投資信託)の買入額を年3.3兆円→6兆円にしたが金利政策、国債購入は見送り(2016/07/30)


コラム
飛ばし読みの勧め  夏休みだからこそ普段読めないものに挑戦できます 
プルーストの長大な作品「失われた時を求めて」は日本語訳された文庫で14冊〜15冊くらいあったと思います。これを全部読むのはなかなか大変です。でも、僕が懇意にしていただいていたフランスの書店主は「本と言うものは読むのがしんどいところは読み飛ばすものですよ」とよく言っていたものです。読むのが大変になって苦痛になって、ページが停まってしまったまま、永遠にそこでストップするよりも、そこは一気に飛ばして、次の面白くなるところから再び読み続けて最後まで行く方が実りがあるということだと思います。そして、あとで余裕が出たら、読み飛ばしたところを読み足せばよいのです。このことを書店主はsauter(飛ぶ)という単語を使って教えてくれました。これはバッタが地面から飛び立つイメージです。日本語でも「飛ばし読み」と「飛」の字を使うところは同じですね。(2016/07/29)


反戦・平和
シベリア抑留者支援・記録センター通信 No.13(2016年7月15日発行)
1991年4月にゴルバチョフ大統領が初来日し、初めて公式に死亡者名簿を提供し、「捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定」(日ソ捕虜・収容者協定)に調印してから四半世紀(25年)が経ちました。(2016/07/24)


コラム
地震の発生確率   谷克彦 (数学月間の会 世話人)
「30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率は,横浜市が78%で最も高く,九州では大分市が54%」などと言われていました.あくまでも確率ですから,いつ地震が起きるかはわかりません.熊本の方が先に大地震が起きてしまいましたね.このような確率はどのようにして出たものでしょうか? 震度(揺れ方)6弱といっても,震源が浅い場合もありますから,震度が大きいものが必ずしも巨大地震(マグニチュードMが大きい)とは限りません.(2016/07/19)


コラム
ペンギン・ジョーク    
120 「ニューヨークのタクシー運転手のジョーク集」というのを買うと、エッチなジョークもあれば政治を笑うものもあり、ここまでは各国共通ですが、中にペンギン・ジョークと言う独特の分野があることに気づきます。ペンギン・ジョークとはペンギンがバーに入ってきてカウンターに上がったり歩き回ったりする。そんなペンギンのふるまい対してバーテンが何かを言うというお決まりのパターンです。ペンギンがバーにやって来る、というシュールな状況に対して、バーテンは極めて日常的なノーマルな反応をする、という落差が笑いの源になっています。(2016/07/17)


労働問題
国公労連が「2016国公青年セミナー」を開催 〜“青年協議会”の活動再開を目指して〜
120 国家公務員を中心に組織する国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)は6月中旬、国公労連に加盟する単組の青年組織で中核を担う中央・地方段階の若手組合員を都内に集め、恒例の「2016国公青年セミナー」を開催した。2006年から始まった国公青年セミナーは、国家公務員の定員削減とそれに伴う新規採用の抑制が影響して青年組織が存立し得ない単組が増えたことで、国公労連の青年組織「青年協議会」も活動休止に追い込まれ、そのために中断期間を挟んでいるが、2014年に再開して今年で8回目を迎えている。(坂本正義)(2016/07/16)


コラム
メディア観戦記 22  木村結
120 ■ 7月12日 鳥越俊太郎さん記者会見 ステージ4の大腸ガンや肝臓ガンを克服して7年が経つ。がんを患った人でも都知事がやれること、がん患者に勇気を与えたい 大介護時代を迎える。若者だけに負担を負わせるのではなく先手を打って、そこに税金を使いたい ■鳥越俊太郎さん記者会見 古賀茂明さん登場し、以前、鳥越俊太郎さんに都知事選にでないか?と聞いた。私は応援に回るから、宇都宮さんも降りて欲しい。 (2016/07/12)


コラム
世論調査は正しいか?  選挙を終えて  谷克彦 (数学月間の会 世話人)
 昨日参院選が終わりました.改憲勢力が2/3になりました.RDDによる世論調査やビッグデータによる選挙予測通りの状況になってしまいました.RDDによる今回の世論調査では,母集団の性質を代表する正しいサンプル集合であったことになります.特に,ビッグデータによる予測では,今回さらに実証データが増えましたから,モデルの精度はますます向上することが期待できます.(2016/07/12)


みる・よむ・きく
戦災傷害者の無念を描く  ドキュメンタリー映画「おみすてになるのですか〜傷痕の民〜」  村上良太
120   林雅行監督のドキュメンタリー映画「おみすてになるのですか 傷痕の民」について書いたのは今から6年前になります。この映画は戦争で被災した民間人の戦後の苦しみを描いた傑作です。戦争法制ともいわれる「安保法制」が国会で可決した去年は戦後70年を飾る年でした。戦後70年に、戦争を容認する法律が強行採決されたことの意味を考えていると、そのことは戦争を直接に体験した人々の多くが死に絶えてしまったことなのだな、という事実につきあたります。そこでもう一度、この映画の紹介文を掲載したいと思います。(2016/07/11)


みる・よむ・きく
マーティン・ファクラー著 「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」  ニューヨークタイムズ前東京支局長が「日本の世論調査は誘導尋問のような『世論操作』だ」
120 ニューヨークタイムズ前東京支局長のマーティン・ファクラー氏が書き下ろした「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」は今年2月に出版された本です。今の日本の新聞やテレビメディアに対する厳しい評価が下されています。特に第二次安倍政権になってから、官邸のメディア対策が第一次安倍政権時代から格段に進化して高校野球からプロ野球になり、メジャーリーグを目指しているのに対して、日本のメディアは未だに高校野球レベルを出ていない、としています。(2016/07/06)


コラム
ビッグデータによる世論調査  世論調査を問うレポート第三弾 谷克彦 ( 数学月間の会 世話人 )
yahooのビッグデータによる参院選予測では,経験データに今回初めて実現した野党共闘の条件が欠けているのではないか? (2016/07/05)


コラム
メディア観戦記 21  木村結
120 ■7月2日  スーパーJチャン 争点憲法改正 無所属にも改憲派 ・ ビックコミックスピリッツの付録に日本国憲法 小学館編集者坪内さん 若い読者と読者とリンクするので。明日発売です。買って応援! プレゼントしても良いかも。 ■2日  報ステ 年金の運用5兆円超損失 株安で…正式公表は参院選後 ・GPIFの年金運用 昨年10月 株式24%→50%に 毎年ほぼ7月初旬に公表していたのに今年は参院選後の7月29日 富川さん 年金の半分を株につぎ込んでいるハイリスク(2016/07/02)


コラム
世論調査は正しいか? 検証レポート その2  谷克彦 (数学月間の会 世話人)
世論調査の結果と選挙結果が逆転した例が,しばしば見られるようです.賛否が半々(50%付近)の拮抗状態では,標本(サンプル)誤差は大きいので要注意です.信頼度95%にすると,サンプルサイズ200人のサンプル集合をとると7.1%の誤差があります.差が7.1%ですから賛成が50%こすか反対が50%越すかわからない場合は投票による賛否の結論も統計上の誤差で変わりうる、ということになります。ちなみにサンプル数が600人だったら誤差は4%ぐらいになり精度が上がります.一般にサンプル数がnだったら1/√nです.これはnが母集団よりはるかに少ないときに成り立ちます.(2016/06/30)


みる・よむ・きく
ジャン・ビヤンボーム著 「宗教に対する沈黙 〜ジハーディズムに直面した左翼〜」
120 フランスのパリでは昨年1月に風刺新聞のシャーリー・エブドに対するテロが起き、風刺漫画家ら12人以上が殺されました。フランスでは「私はシャーリーだ」というプラカードを掲げて市民が多数抗議に参加しましたが、この時、日本では<異国の宗教を風刺する漫画を描くのはけしからん><シャーリー・エブドはヘイト団体だ>と言ったようにむしろ、殺された風刺漫画家たちへの非難の渦が起きました。さらに<イスラム国とイスラム教は関係ない>というメッセージも国境を越えて飛び交いました。11月に今度はパリのカフェテラスにいた普通の人々や劇場でコンサートを楽しんでいた人々がテロに会い100人以上が殺されました。(2016/06/28)


みる・よむ・きく
西平重喜『統計でみた選挙のしくみ』を読む 根本行雄
 安倍晋三首相は、消費税の再延期を打ち出し、同日選実施を見送ったことによって、衆議院での3分の2以上の議席を維持することを選択した。7月10日に投開票がおこなわれる参議院選挙では、18、19歳の約240万人が新たに有権者に加わる。20歳以上の男女に選挙権が認められた1946年の衆議院選挙以来、70年ぶりの制度改正である。そして、今度の参院選は明文改憲に向かって暴走している自民党・安倍政権に3分の2超の議席を与えるかどうか、日本を戦争をする国にするかどうか、私たちは重要な選択を迫られている。こういう時期だからこそ、私たちには、選挙について、まだまだ、学ばなければならないこと、知っておかなければならないことがある。(2016/06/26)


コラム
メディア観戦記 20  木村結
120 ■  6月25日 軍隊によって戦争が止められた事実はありますか?(軍隊が存在する目的は「戦争の抑止」ではないでしょうか、というツィートに対して) ■  25日 米軍との地位協定は、米軍基地がある国は結んでいますが、伊国など基地内の事件でも、自国法律が適用されます。基地の外の事件まで、自国警察が捜査できないのは、日本だけです。日本政府が隷属しているからです 沖縄も地位協定の改正を望んでいます(2016/06/26)


欧州
英国のEU離脱国民投票  英国経済の明暗は?  キャメロン首相の胸の内
6月23日、今日、英国では欧州連合に留まるか、離脱するかの国民投票が行われる。不思議なことだが、首相のデビッド・キャメロン氏は離脱反対を唱えていると報道されている。しかし、そもそも、この国民投票を行うと国民に提示したのはキャメロン首相に他ならない。この国民投票でもし、離脱派が過半数を占めて離脱することに決定した場合、英国経済は苦境に陥る、という報道が複数出ている。その代表的なものが英紙ガーディアンで報じられた投機家のジョージ・ソロス氏の言葉である。ソロス氏はもし離脱派が勝利した場合のポンド・スターリングの下落幅は1992年9月に起きた15%以上になるだろう、と語っている。さらに、当時は金利を大幅に下げる余地があったが、今はすでに0.5%の超低金利であるから、これ以上金利を下げて景気対策をすることもできない、と警告している。(2016/06/23)


国際
マスメディアによる世論調査の検証の必要性  サンプリングが適切かどうか  世論調査が誤っていた去年の英国の選挙の場合 統計上の誤差を考えると細かい増減で一喜一憂するのは愚か
昨年の英国の総選挙で、世論調査の支持率と投票後の結果が大きく異なっていたことがあり、英国ではなぜそのようなことになったのか、検証が行われました。本紙でも数学に詳しい谷克彦氏による問題提起がなされています。英国の場合、事前の世論調査では労働党と保守党が拮抗しているとされましたが、蓋を開けてみたら、保守党の圧勝だった問題です。英国で調査委員会が組織され、検証した結果、世論調査で意見聴取が行われたサンプル集団に偏りがあり、サンプルに含まれる労働党支持者の割合が実際の社会の割合よりもかなり多かったことが明らかになりました。(2016/06/19)


コラム
マスコミ各社・選挙前の世論調査の「支持率」は本当に信頼できるのか? サンプル集合の選び方で数字はまったく変わる  谷克彦(数学月間の会 世話人) 
  これから選挙に突入します.世論調査,ビデオリサーチ,こういったものがどれほど正しいのか疑問に思っています.自分は聞かれたことがないのにどうして意見が反映されるのか?わずかなサンプル集合で行った統計的推論が母集団の性質になるのか?素朴な疑問ですが,やはり根拠のない不安ではなかった.これらの前提にはランダムサンプリングであることが必要ですが,誰もランダムサンプリングがなされたことを保証できません.(2016/06/18)


みる・よむ・きく
「誤報じゃないのになぜ取り消したの?〜原発『吉田調書』報道をめぐる朝日新聞の矛盾〜」(彩流社ブックレット)
120 昨今、新聞は政治や経済、社会の動きを本気で伝えているのだろうか?それとも、噂の通り、首相との会食に象徴されるような政権との関係に縛られて、書きたいことも書けなくなっているのだろうか・・・。4月に出版されたばかりのブックレット「誤報じゃないのになぜ取り消したの?〜原発『吉田調書』報道をめぐる朝日新聞の矛盾〜」(彩流社)はそんな疑問を感じる読者に1つの手がかりを提供しています。朝日新聞と言えば東京新聞や毎日新聞などとともに、政府批判を比較的行ってきた新聞ですが、その朝日新聞に激震が走ったのがこのブックレットのテーマになっている「吉田調書」問題でした。(2016/06/17)


人権/反差別/司法
「包括的な救済立法の制定が必要です」〜国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」がAV出演強要問題で集会を開催
国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」(HRN)は3月3日、調査報告書「日本:強要されるアダルトビデオ(AV)撮影 ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権被害」を発表しました。今まであまり目が向けられていなかったAV出演強要問題を取り上げた報告書は、多くの人の関心を集めました。そしてHRNは5月26日、この問題をより深く理解してもらうための集会「AV出演強要被害の被害根絶を目指して」を都内で開催しました。(高木あずさ)(2016/06/17)


アフリカ
【西サハラ最新情報】臨時ニュース、西サハラ大統領死去 平田伊都子
120  2016年5月31日、ポリサリオ戦線事務総長で西サハラ難民大統領のアブデル・アジズ氏が、逝去されたことを西サハラ難民通信で知りました。 ビックリしました! 昨年末難民キャンプで行われた<第14回西サハラ民族大会>でお目にかかった時は、あんなにお元気だったのに、、日本の着物をさし上げたら、思いっきり広げて難民の人たちに見せびらかしてくださったのに、、 (2016/06/01)


安倍政権を検証する
伊勢神宮とG7 日本が「神の国」であることを象徴的に示そうとした安倍首相
 伊勢神宮の鳥居の前でG7の首脳たちが記念写真を撮影した。そして伊勢神宮に彼らは記帳し、それぞれの言葉で敬意を述べた。日本国内の報道では政府は政教分離に抵触しないように「参拝」という言葉を避け、「訪問」という言葉で表現したと言う。しかし、たとえそうであっても英国のガーディアンのように政教分離原則に抵触していることを示唆する報道が外国メディアでは行われた。’G7 in Japan: concern over world leaders' tour of nationalistic shrine’(日本でのG7:世界のリーダーがナショナリズムの神社に出かけることに対する懸念)と言うタイトルの記事がそうだ。(2016/06/01)


安倍政権を検証する
「立法府の長」って?
安倍晋三が5月16日と17日の衆参予算委員会で自らを「立法府の長」と繰返し発言し、5月23日に「言い間違えたかもしれない」と修正したとのインターネット報道があった。苦笑交じりで修正発言をし、議場にも笑いが漏れたという。私からすれば「それだけの問題なのか?」「国会議員は何をしているのか?」と思う。大手メディアできちんとした批判記事が乏しいので、日刊ベリタにおいて批判記事を記録として残しておきたい。(伊藤一二三)(2016/05/31)


コラム
メディア観戦記16 木村結
120 ■  5月22日 米軍兵士一人あたり、日本は約1500万円支出。他国の平均は約400万円という報道も昨年ありました。日本の従米振りを示す数字ですね。(沖縄米軍属による女性殺害事件についてのツィートに対して) ■  5月22日 米軍が駐留している各国にも地位協定はありますが、基地内の治外法権を許しているのは日本くらい。イタリアでは、基地内の事件であっても国内法で捌いています。自民党政権が永年米国の言いなりになっていて、交渉しなかった結果の事件です。(沖縄米軍属による女性殺害事件についてのツィートに対して)(2016/05/24)


みる・よむ・きく
森川友義著『若者は、選挙に・・・』を読む 根本行雄
 今年7月には参議院選挙がある。安倍自民党政権は、すっかり、選挙対策で、自分にとって都合の悪い、改憲問題や、自衛隊の任務拡大や、核兵器保持や、さまざまな問題にだんまりを決め込んでいる。なにがなんでも、改憲をするための3分の2超の議席、85議席以上を確保したいのだ。安倍首相にとっては熊本地震も、サミットも、選挙運動のつもりのようだ。参議院選挙では、自民党を中心とする改憲勢力には、どのようなことがあっても85議席を与えてはならない。私たちには、森川の本を読んで、選挙について、学ばなければならないこと、知っておかなければならないことがある。(2016/05/22)


中国
三十路女子の北京的生活(4) 〜東京より北京で働く方が、家族と健康に良い!?
120 先日、ある中国語の教科書の中に“家のことを何もしない、丸投げで無責任な夫”という意味の単語が出てきました。そしてもう一つ、“○○○を言い訳の理由にするな”という言葉が出てきて、その例文として「いつも仕事が忙しいことを言い訳にするな」と夫を責める妻のセリフが書かれていました。“家のことを何もしない、丸投げで無責任な夫”という意味が4つの漢字で表せてしまうことに「中国語ってやっぱりすごいなぁ」と思うと同時に、「国は違っても、こういうことって、やっぱりあるのね」と想像して笑ってしまいました。(アキコ)(2016/05/07)


コラム
メディア観戦記12 木村結
120 ■  以下のツイートに対してリツイート (2016/04/23)


沖縄/日米安保
沖縄防衛局、宮古島への陸自駐屯地建設に関する協議書を取り下げ 島民の命の水が守られた
安部政権が進める安保政策の柱の一つが、中国を仮想敵国とする離島防衛。その一環として沖縄・宮古島に陸上自衛隊の駐屯地を建設することにしている。沖縄防衛局はそのための協議書を宮古島市に提出、昨年12月25日に受理されていた。同協議書によると、駐屯地建設地は島民の飲料水をまかなう地下水がわく地域で、命の水を守ろうと島民の運動が盛りあがった。この問題は宮古市の地下水審議会にかけられ、学術部会で検討され、承認されなかった。それを受け、防衛局が協議書を取り消したものだ。(大野和興)(2016/04/07)


みる・よむ・きく
なぜ、映画「無音の叫び声」を創ったのか 記録映画監督 原村政樹
120  このドキュメンタリー映画の制作を思い立ってから5年、そして、2013年2月、撮影を開始して3年、今年(2015年4月)、ようやく長編ドキュメンタリー映画「無音の叫び声」を完成させることができた。紆余曲折、様々な壁に直面しながらも、途中で断念することなく、作品として世に出せるまでになったことで、今までの6本の長編ドキュメンタリ映画の完成時に比べものにならない程、苦労が報われたとの深い想いが去来している。 (2016/04/04)


文化
【核を詠う】(番外篇・憲法詠) 「九条歌人の会」の「歌集 憲法を詠む・第八集」を読む(1) 「九条破壊・軍国を企む政治なり花も声あげよ日本の四月」 山崎芳彦
 前回から期間が空いてしまったが、今回から番外篇として憲法にかかわって詠われた短歌作品を読んでいきたい。「憲法九条を守る歌人の会」(略称「九条歌人の会」事務局電話03−6902−0802)編の『歌集 憲法を詠む・第八集』(2015年11月5日発行)は、同会の呼びかけ人の作品(27人の各1首)、2014年応募作品(158人の各1首)、さらに「抄出作品」(歌人10氏が故人10氏の作品を抄出し掲載、川柳10句を含め100作品)で構成された合同歌集である。「『平和な未来を守るために、日本国憲法を守るという一点』で、戦前の轍を踏むことなく思想、信条、創作方法の違いを超えて手をつなぐことが、いまある創造の自由を守ることにも繋がることであると考えます。/短歌にたずさわる者にふさわしく『憲法九条』を守る心を創意をこらした幅広い工夫で表現し、平和を願う国民の、大きな流れになるよう力を尽くしましょう」(2005年に発表の「九条歌人の会」アピールより)とする明確な意思をもって多くの短歌人が詠む作品によって編まれた歌集は貴重であろう。同歌集の作品を読んでいきたい。(2016/04/04)


政治
「市民連合」関係者が語る参院選に向けた課題
120 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(略称「市民連合」)構成団体の「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」や「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動)の関係者が3月9日、東京・三鷹市の国際基督教大学構内で開催された「市民連合の課題−安保法強行と改憲の危機に際して−」(主催:国際基督教大学平和研究所)というイベントで講演し、来る7月の参院選に向けた市民連合の課題等を語った。(坂本正義)(2016/03/21)


中国
三十路女子の北京的生活(3) 〜中国の年越し
120 春節が過ぎると、暖かい日も増え、陽も長くなり、北京にも、少しずつ春が近づいていることを感じます。それにしても、中国の年越しは本当ににぎやかです。日本の年越しに鳴らすのは除夜の鐘ですが、中国では爆竹と花火で新年を迎えます。それも、花火会場のような特別な場所が設けられているわけではなく、その辺にいる近所のおっちゃん達が住宅街で打ち上げるのです。(アキコ)(2016/03/21)


コラム
メディア観戦記6 木村結
120 ■3月16日 モーニングショー 安田純平さんの映像が公開される。 ■NHKBS NEWS  3月16日 消費増税への懸念発言相次ぐ  参院選、衆院解散総選挙への布石ではないか。 (2016/03/19)


文化
パリの画家/漫画家のオリビア・クラベルさんにインタビュー Interview Olivia Clavel
120  パリで70年代にバズーカという若い漫画家・イラストレーターの集団が生まれ、リベラシオン紙などで新しい感覚のイラストを切りひらいていきました。バズーカの中心メンバーの一人が画家・漫画家のオリビア・クラベルさんです。現在も漫画や美術の分野で活躍中です。今回、クラベルさんにインタビューさせていただきました。(2016/03/15)


市民活動
国際人種差別撤廃デー記念集会「人種差別撤廃条約発効から20年 Stopレイシズム Stopヘイトスピーチ」
ERDネット主催、国際人種差別撤廃デー記念集会のお知らせです。3月21日の国際人種差別撤廃デーを記念して、日本での人種差別をなくす基本法の制定を実現するべく記念集会を開催します。国連の人種差別撤廃条約に日本が加入して20年以上たちましたが、日本の人種差別やヘイトスピーチは深刻な状況にあります。日本には人種差別を禁止する法律がなく、被害を受けた人が救済を受ける機関もありません。条約を守れているか、国連から3回の審査を受けて、 (2016/03/11)


社会
「AVに出演強要される女性の被害が相次いでいます」 ヒューマンライツ・ナウが実態を公表
 東京に本拠を置く人権NGOヒューマンライツ・ナウは、女性の権利プロジェクトによる調査報告書「日本:強要されるアダルトビデオ撮影 ―ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す女性・少女に対する人権侵害」を公表した。「タレントにならない?」「モデルにならない?」などとスカウトされ、タレントやモデルになる夢を膨らませて誘いに応じる若い女性たちが、アダルトビデオの出演を強要されるという被害が相次いで報告されている。AV強要被害をなくすために、ヒューマンライツ・ナウは本調査報告書をもとに被害救済を実現する法律の制定を求めている。(大野和興)(2016/03/08)


コラム
メディア観戦記5 木村結
120 ■NEWS23  3月7日 田母神氏の事務所に強制捜査 横領による使途不明金として5000万円を計上していたが、元戦隊部長が田母神氏も政治資金流用に関与していたと告発。報ステの方が踏み込んだ報道でした。NEWS23はスポーツ長すぎ。30分以上も ■NEWS23  3月7日 3月10日(木)特集 厳罰事故5年 東日本壊滅の危機があった 5000枚の資料を紐解く渾身の特集。(2016/03/08)


東日本大震災
フクシマ原発労働者相談センターが総会を開催(その2)
続いて相談センターは、福島第一原発の廃炉作業状況、福島県内の除染作業で発生した廃棄物の中間貯蔵施設や指定廃棄物最終処分場の建設問題、避難区域の指定解除に伴う避難住民の帰還事業における課題など、福島県の現状を説明した後、今後の活動方針として次の8項目を提示した。(2016/03/05)


コラム
去年今年、「ザッツ、ニッポン!」それでもなお 熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
120   恒例の「紅白」は毎年見ることにしている。総じてつまらなく見終わればいつも後悔する。それでも、「政治ぬき」で楽しませる主旨のこの大イヴェントは、その都度、NHKが国民意識をおよそどんな方向にまとめようとしているかを透視させる。日本社会のありように無関心でありえない寄せる者としては、そこから目を背けたくなかったのだ。だからまたうかうかと見てしまった。だが、とくに「ザッツ、ニッポン!」と銘打つ2015年末の「紅白」に感じた違和感は、なまなかのものではなかった。(2016/03/05)


文化
「嬬恋村のフランス料理」13 〜高級レストランへの夢〜 原田理(フランス料理シェフ)
120 フランスにはセレブリティ御用達の高級レストランから本当に庶民的なビストロまで多種多様な飲食店がありますが、フランス料理人を目指す志を持った若人たちは皆だれもが一度は高級レストランへの夢を持つのだと思います。きらびやかな内装、恭しくもフレンドリーなサーヴィス、豪華なワインセラーに辞書のようなワインリスト、そして磨きぬかれた技術と料理への情熱、選び抜かれた食材で作られる、伝統と最新のフランス料理。しかし、その舞台裏は生き馬の目を抜く競争と、評論家やガイドブック、インターネットレビューからのプレッシャーと、たゆまぬ努力による血と汗と情熱の結晶です。(2016/03/03)


コラム
コーヒーと人類 冨田智嗣
  時代が移り、値段の安さを売りにしたフランチャイズのお店や、世界を席巻するような外資のチェーン店があちこちにでき、『喫茶店』より『カフェ』という言葉のほうが通りがよくなってからどれくらい経つでしょうか?コーヒー界の『セカンドウエイブ』という耳慣れないことばとともに『シアトル系』と呼ばれるお店が幅を利かし、以前より多くの日本人がコーヒーを飲むようになったのはたしかだと思います。今では次の『サードウエイブ』という『時代』に移行しつつあるそうで、昔の『ホット』や『ブレンド』ということばにかわり、『シングルオリジン』『スペシャルティコーヒー』とよばれるまたまた新しいことばもサードウエイブから広まったようです。(2016/02/23)


コラム
「社会的労働運動」としての連帯労組・関西地区生コン支部 「社会的労働運動」とはなにか 熊沢誠(甲南大学名誉教授 労使関係論)
120 ・・・関西生コンが「社会的労働運動」を展開できるには、もちろんそれなりの背景がある。以下に、そのいくつかをピックアップしてみよう。世間一般にはなお未知のことかもしれないが、この組合にはまず、日本の多くの労組にはみられない組織上の特徴がある。関西生コンは、発注先のセメント会社と受注先の建設ゼネコンの中間に群生する中小企業、生コン会社で働く労働者およそ1700人を、個人加盟ではあれ、企業横断的に組織する欧米型の産業別組合である。よくある企業別組合の連合体としての「単産」ではない。関西生コンは、建設連帯労組の「支部」ではあれ、ここでは支部が「単位組合」なのだ。(2016/02/20)


コラム
メディア観戦記3 木村結
120 ■2月8日 これで総スカンになれば良いのでしょうが、日本ではベッキーの例もあるように女性が責任を取らされ、男性はお咎めなし。本当に男尊女卑を絵に描いたような社会です。■2月8日 谷垣さんは安倍さんの言葉として「集団的自衛権があるので、米国を守るため撃ち落とすことも検討」語りました。by報ステ(2016/02/09)


反戦・平和
韓国・朝鮮人元BC級戦犯者「同進会」を応援する会 通信No.29(2016年1月9日発行)
<それでも諦めるわけにはいかない――当事者の訴えに迅速な立法解決を――>戦争責任をきちんと問いきれないまま、戦後の歩みを始めたこと。それがいかに大きな問題であったかを思い知らされる戦後70年となりました。安倍政権は集団的自衛権に踏み込む安保法制を強引に採決。国家が強いた戦争被害は、またもや放置されたままに、次の被害への不安がぬぐえぬ事態に立ち至っています(2016/02/04)


みる・よむ・きく
池内恵著「イスラーム国の衝撃」
 文春新書から1年前の2015年1月に出版された池内恵氏の「イスラーム国の衝撃」は情報が満載された好著である。アラブ世界の思想を研究してきた池内氏が本書を書きあげた動機はイスラーム国の存在がクローズアップされた2014年6月のイラクへの勢力拡大を経て、2015年1月の日本人2人の人質殺害まで、日本国内におけるイスラム国への関心が急速に拡大していたことだった。本書で池内氏が探求したことは2つの事柄からなる。(2016/02/01)


コラム
月命日コラム 伊地知紀子
 みなさん、こんにちは。文学研究科の伊地知紀子です。2015年7月に立ち上げた「安全保障関連法案に反対する大阪市立大学教職員有志の会」が、国会での強行採決を受け、「違憲安全保障関連法に反対する大阪市立大学有志の会(反安市大)」へと名称変更をしました。HP 改訂こけら落としメニューの一つとして、今月から「月命日コラム」を始めます。これは、強行採決が立憲主義と民主主義を仮死状態に追いやった暴挙だったことへの抗議を示すものです。立憲主義と民主主義は、一人ひとりが「自分のこと」として粘り強い努力を積み重ねるなかで築かれてきたものであり、私たちはこうした歴史のうえにあります。仮死状態にされた立憲主義と民主主義が息を吹き返すよう、そして先人からの賜物を次世代へ引き継ぐために、私たちはまだまだ活動を止めるわけにはいきません。(2016/01/24)


文化
「嬬恋村のフランス料理」12 〜真冬のスープ〜 原田理(フランス料理シェフ)
120  マイナス20度の世界になり、外に出ると耳がキーンとしてくる底冷えの嬬恋村の真冬は、厳寒一色の銀世界。夜な夜な温かいものに飢えるこの季節は、色とりどりのスープが身も心も温めてくれます。フランスも嬬恋もあたたかなスープは母の味わい。今回はそんなスープの話です。出勤時間が徒歩で3分ほどのホテルまでの路も、夜間に雪が降り積もったあとの早番の出勤だと、一歩ずつスノーブーツで踏みしめながら前に進み、積もり具合によっては10分以上かかります。嬬恋の冬の室内はホテルも家も、ボイラーで炊く暖房の副作用でとても乾燥して、慢性的な冬の脱水状態が続きます。からっからで唇もかさかさ。仕事していてもリップクリームと水分補給は必須です。(2016/01/22)


ITフロント
【山下茂のうぃんど〜ず注意報】 ケンサクって誰?
 商品CMのおしまいは、決まって『ネットで◎×△を検索!』とやってます。ホームページのアドレスを『エイチ・ティー・ティー・ピー・コロン・スラッシュ・スラッシュ・なんやら・かんやら…ドット・コム』と長ったらしく伝えるより『検索!』のほうが効果的でしょうね。どのCMでもやるので、とあるCMでは『検索!』とやったあと『ケンサクって誰?』と往年の女優さんのボケを入れています。(2016/01/20)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】伊方町の住民は原発再稼働をどう考えているか(2) つい話しこんでしまいました
 暑い日だったのにうっかり、車に水を忘れておいてしまった。もう終わるからと回っていたら、たまらなく喉が渇いてしまった。お金も車の中。 坂の上にあるその家へたどり着くように訪れた。(本文から 藤原丸子・愛媛県八幡浜市)(2016/01/18)


国際
ND米紙ウィークリーニュース第65号(January 8, 2016) 〜ND(新外交イニシアティブ)注目の外交・安全保障関連ニュース
●目次●/イスラム教徒が米国で感じる恐怖(WP 12/13)/イスラエルとトルコ 外交関係の再開で合意(NYT 12/18)/ヒズボラの幹部 殺害される(WP 12/20)/高速鉄道輸出事業 日中争奪戦(FT 12/20)/日本の原発2基再稼働へ 福井地裁が判決(NYT 12/24)/日本の武器メーカー 武器輸出に照準(FT 12/29)/(2016/01/17)


文化
【核を詠う】(201) 『朝日歌壇2014』から原子力詠を読む(2) 「福島に手当求めて流れ着く作業員という我らも難民」 山崎芳彦
 関西電力高浜原発3、4号機の再稼働について福井地裁が昨年4月に運転差止め仮処分決定の「樋口判決」が出されたのに対して、その8か月後の12月24日に、同裁判所(林潤裁判長)はその仮処分命令を取り消す決定を行い、政府・電力企業の意に添い高浜原発再稼働への道を開いた。関西電力は、その翌日には3号機への核燃料の装着を開始し、この1月下旬には運転を開始する予定だ。運転差し止め仮処分命令を発令した判断が、福島原発事故の教訓を真摯に受け止め、人びとの心を打つ内容だったのに対して、今回の「再稼働の結論ありき」といえる決定は、万が一にも高浜原発の重大事故が起きた場合の責任を自覚したものとはいえず、ただ政府と原子力規制委員会の「新規制基準に合格」を丸呑みした不当な決定である。そして、この決定を受けて関西電力が高浜原発で開始するのは、プルトニウムとウランを混合したMOX燃料を使用するプルサーマル発電であることに注目、警戒しなければならない。安倍政府が「国策」として推進しようとする核燃料サイクル事業の一環をなすものであり、まさに原子力エネルギー依存体制への回帰・逆走が始まる一歩である。(2016/01/04)


アジア
日韓「慰安婦合意」を日米学者が批判 「最終的、不可逆的解決がいえるのは被害者だけ」
 従軍慰安婦問題での日韓両政府の合意に関し、日米の二人の学者の発言が注目を浴びている。一人は政治学者の白井聡さん(京都精華大学専任講師)が12月29日にfacebookで発進したコメント。もう一つは、米コネチカット大学教授で歴史学者のアレクシス・ダデンさん。白井さんは「最終的、不可逆的解決」を語れるのは、政府ではなく被害者の方々のみです」と直球を投げ込み、「合意」のいかがわしさを浮き彫りにする。ダデンさんは、韓国ハンギョレ紙の電子メールインタビューに答えたもので、「歴史問題は貿易交渉や核兵器システムの交渉とは全く異なるものだ」として、今回の合意が「最終的かつ不可逆的な解決」を宣言したことを批判した。(大野和興)(2016/01/02)


文化
【核を詠う】(200)『朝日歌壇2014』から原子力詠を読む(1) 「原発の輸出を約し握手する総理テレビに笑みを浮かべて」 山崎芳彦
 今回から『朝日歌壇2014』(朝日新聞出版、2015年4月30日刊)から原子力詠を読む。同書は、朝日新聞が毎週月曜日に掲載している「朝日歌壇」の入選作品を収録しており、今回読むのは2014年1月〜12月の作品であり、筆者の読みによる原子力詠を抄出させていただく。馬場あき子、佐佐木幸綱、高野公彦、永田和宏各氏が選者であり、各回4氏がそれぞれ10首を選んでいるが、共選の作品もある。投稿作品は膨大な数に上る中からの入選作品であり、したがって入選作以外に様々な優れた、貴重な作品群があるに違いないと思いながら、特に筆者は原子力詠として読んだ作品のみを抄出させていただくので、選ばれなかった作品についていろいろなことを想像することもある。また、入選作品をすべて読みながら、心に深く残り、感動させられる作品に出会いながら、別途、ノートに記録してもいる。やはり、新聞歌壇ならではの社会詠、とりわけ戦争と平和、人権、格差社会の中での生活などを短歌表現している作品に注目する。(2015/12/22)


反戦・平和
「日本政府への提言」を日韓両社会で広めよう! 〜日本の「慰安婦」支援団体関係者が討論会を開催〜
戦後70年の節目に当たる今年も残りわずかとなったが、今や日韓関係における最大の懸案事項である「慰安婦」問題は未だ解決を見ないままである。安倍晋三首相と朴槿恵大統領は11月2日、約3年半ぶりに開いた日韓首脳会談において、慰安婦問題の早期の妥結に向けて交渉を加速することで一致したが、日本側からは「女性のためのアジア平和国民基金」(略称「アジア女性基金」、2007年解散)フォローアップ事業を活用する案(年間予算規模を約1千万円→1億円へ積み増す等)が浮上しており、その案では韓国挺身隊問題対策協議会(以下、挺対協)など支援団体を始めとする韓国側の反対が予想されることから、韓国政府が求める2015年中の妥結は覚束ない状況だ。(坂本正義)(2015/12/12)


米国
「イスラム教徒は入国させない」トランプ候補の発言と米憲法 米移民法学者のNYTへの寄稿
  ドナルド・トランプ米大統領候補が言った「イスラム教徒は米国に入国させない」という発言について、それが合法かどうか、米憲法と照らしてどうか、法学者がニューヨーク・タイムズに寄稿しています。テンプル大学で移民法を専門にするピーター・スピロ教授です。(2015/12/11)


みる・よむ・きく
ジャン=フィリップ・トゥーサン著 「衝動と我慢」(L' URGENCE ET LA PATIENCE)
120   紀伊国屋書店でジャン=フィリップ・トゥーサンのエッセイ集「衝動と我慢」(L' URGENCE ET LA PATIENCE) を買いました。これはミニュイ社から出ている新書版です。ですから、タイトルをこう訳すべきなのか、もっと別のよい訳語があるのか、確信が持てずにとりあえず、僕の理解のままにこう訳しておいたものです。もしかすると、「衝動と忍耐」とする方が、あるいは「急迫と辛抱」とか、「切迫と辛抱」とかにする方がよいのかもしれません。いずれにしてもトゥーサン氏の持ち味である軽さを維持していながら、同時に誠実かつ率直に自分の創作について語っている本です。その意味で読み始めると、面白くページが次々とめくれていく体験をしました。(2015/12/07)


市民活動
宜野湾から沖縄の未来を考える−基地・経済・地方自治−〔2015年12月18日(金)19:00〜 @宜野湾市民会館大ホール〕
沖縄と日本政府が激しく対立しています。「普天間の危険性除去」と「沖縄の負担軽減」のための辺野古基地建設とされますが、本当に沖縄の負担軽減につながるのでしょうか。辺野古移設をしなければ、普天間基地は固定化されるのでしょうか。沖縄、そして宜野湾における「米軍基地」の意味を、経済や地方自治、そして安全保障の視点から改めて問い直します。(2015/12/04)


コラム
残業代ゼロ法案の欺瞞 〜ホワイトカラー・エクゼンプションへの「トロイの馬」〜 熊沢誠(甲南大学名誉教授・労使関係論)
120  厚労省が労働政策審議会に提示した「残業代ゼロ」「高度プロフェッショナル労働制度」について考えるとき、なによりも忘れてはならないのは、現在、日本のホワイトカラーの多くが、とかく曖昧な労働時間管理の下で、達成の程度を厳しく査定される過重なノルマを課せられ、本来は非合法のサービス残業や休日返上を通じて他の先進諸国の水準をぬく長時間労働を余儀なくされていることだ。健康やワーク・ライフ・バランスを損なうような働きすぎが常態になり、過労死が跡を絶たない根因もここにある。そもそも「時間ではなく成果に応じて支払う」という、公平感に訴えるような枕詞は欺瞞である。仕事の成果を問われずに「だらだら」働いている労働者はすでにごく少数にすぎない。また、時間だけで支払われている?というなら、なぜサービス残業があるのか?(2015/11/29)


コラム
情勢論 熊沢誠(甲南大学名誉教授・労使関係論)
120 SEALDsの若者たちは「私の思い」を伝えるいくつかのユニークな語りとともに、「民主主義ってなんだ、なんだ」、「これだ!」とシュプレヒコールで訴える。では、「これ」とはなにか。それはこの集会・デモという、とりあえずは非日常的な空間であろう。こうした「組織でなく個人の参加」に新鮮な感銘を受けながらも、私にはある危惧が残る。ふつうの人びとが集会やデモを終えて帰る日常の界隈は、教室、友人との親密圏、家庭、地域、そして職場であろう。それらの場ではふつう、政府批判的な発言などをあえてして傍らのなかまを行動に誘うことをKYとみなす、強力な同調圧力が働いている。(2015/11/23)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】「もんじゅ」の廃炉を決断しない規制委 もはや「死に体」の高速炉計画を廃止せよ 山崎久隆
 9月から10月にかけて「もんじゅ」についての報道が続いた。報じられた事件は、昨年12月の1万箇所以上にも登る検査放棄(検査しなかったことを指す。ミスなどではない)に続き、最近では「重要度分類」さえも正常に出来ないことが発覚したことは前回もお伝えした。2度目の「報告徴収命令」を規制庁が行うことになった。10月21日が期限だという。この命令は強制力があり、従わない場合は罰則もある。一年も経たずに二回というのも前例がないことも含めて、これは驚くべき事態なのだが、まともに報道されているとは言い難い。(2015/11/14)


核・原子力
「何気なく使っている電気の裏に安全保障問題がある」 〜ND&NPEC共催シンポジウム「原発と核」
120 核燃料サイクル事業のために設立された国策会社「日本原燃(株)」は今年10月末、青森県六ヶ所村で建設中の使用済み核燃料再処理工場の完成時期を2016年3月からさらに延期すると発表した。延期は今回で23回目だという。また、文部科学省所管の国立研究開発法人「日本原子力研究開発機構」が福井県敦賀市で運営する高速増殖原型炉「もんじゅ」について、原子力規制委員会は11月13日、「日本原子力研究開発機構には、もんじゅを安全に運転する能力が無い」と指摘した上で、馳浩文部科学相に対して新たな運営主体を明示するよう勧告することを決定した。日本政府が原子力政策大綱(注・第3次小泉内閣が2005年10月に閣議決定)に基づいて推進する核燃料サイクル事業にとって要の施設である再処理工場と高速増殖炉がこのような状態では、核燃料サイクルそのものが破綻していると言われても仕方がない。(坂本正義)(2015/11/14)


挺対協週刊ニュース2015−36号(10月13日発行) 〜欧州キャンペーン in イギリス & ドイツ
9月8日から26日まで18泊19日間の長い欧州の日程を進めながら、今後は長期出張するのは難しいだろうなという思いを何度もしました。いくら経費節減のためとは言え、数ヵ国を回りながら一度に活動を進めるのは、精神的にも肉体的にもどれほど大変なことか、改めて悟った今回の活動でした。これまでと違ってゆったりした日程を取って始めましたが、間近になるといつの間にか一日にいくつものスケジュールを消化するようになります。ある時はハルモニと一緒に、ある時はハルモニ無しで面談や講演会、インタビュー、懇談会などを行いました。(2015/10/23)


反戦・平和
挺対協週刊ニュース2015−35号(10月2日発行) 〜欧州キャンペーン in ノルウェー & イギリス
35号週刊ニュースはドイツ・ベルリンから送ります。ヨーロッパキャンペーンに来ている間に秋の訪れを感じるようになりました。夜はとても肌寒く、身を縮めて過ごす時間も増えました。それでも、もうすぐ家に帰ることができるので、家に帰ったら数日間でもゆっくり過ごせると期待して、毎日誰かに会い話を伝え、手をつなぐことができる人たちと懸命に話し合っています。多いとはいえませんが、私たちにとって、とても大切な友人が世界のあちこちにいるということに、大きな希望を感じています。時間は多くありませんが、希望を捨てることなく続けていけば、この希望が現実になることを信じて頑張ります。私たちの希望となってくださっている方々に心から感謝申し上げます。(2015/10/23)


みる・よむ・きく
『平和をとわに心に刻む三〇五人詩集』−夏蝉のように平和の精神となって沁み通っていくことを願うアンソロジーを読む 山崎芳彦
120  一冊のアンソロジー詩集が、詩界を超えて多くの人の共感を呼び、広がっている。コールサック社が去る8月15日付で出版した『平和をとわに心に刻む三〇五人詩集―十五年戦争終結から戦後七十年』を2カ月以上をかけて、ようやく全篇を読み終えた。大きな感動を覚えている。305人の345篇の詩篇を収めたこの詩集の一篇一篇を、幾度か行きつ戻りつしながら読み、心に刻み、最後の二人の編者による解説、「詩の心で受けとめる悲しみは切実な願いのかたち」(佐相憲一)、「夏蝉のように『平和とは何か』を問い続ける」(鈴木比佐雄)を読み終えるまでに、結局60日余を要したことになる。(2015/10/22)


人権/反差別/司法
奥西勝さん、獄中死。再審闘争は続く 根本行雄
 10月4日、三重県名張市で1961年3月、農薬が混入されたぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」で死刑が確定し、再審請求中の奥西勝(おくにし・まさる)さんが収容先の八王子医療刑務所(東京都八王子市)で肺炎のため死亡した。89歳。奥西さんは、無実を訴えて再審請求を繰り返し、現在は第9次請求を申し立てていた。弁護団は、奥西さんの妹である岡美代子さん(85)を再審請求人として第10次請求を申し立てる方針を明らかにした。(2015/10/13)


反戦・平和
福島から国を動かしていこう!(1)〜福島は怒っている! 戦争させない9条壊すな! 戦争法案NO! 福島県民大集会
「十分な審議が尽くされていない」として継続審議を求める野党や、国会を取り巻く市民たちの強い反発がある中、衆参両院における与党の強行採決により、安全保障関連法が9月中旬に可決・成立した。安保関連法案が国会で審議入りして以降、国会周辺では廃案を訴える市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」や学生団体「SEALDs(シールズ)」などによる抗議行動が繰り返し実施されるとともに、これに呼応して全国各地でも抗議行動が行われた訳だが、東日本大震災の被災地で、東京電力福島第一原発事故による放射能汚染で未だ多くの住民が避難生活を強いられている福島県でも県内各地で抗議行動が取り組まれた。(館山守)(2015/10/10)


反戦・平和
挺対協週刊ニュース2015−34号(10月1日発行) 〜欧州キャンペーン in ノルウェー
今週の週刊ニュースはロンドンから送ります。今日、ノルウエーでのスケジュールを終えて、ロンドンに到着しました。明日は英国外務省との面談、アムネスティー本部訪問と、セミナーを皮切りに、ロンドンでのスケジュールを開始します。(2015/10/03)


橋本勝21世紀風刺画日記
249回 国民よ、戦争法案なんて言わせない
120 ああ、わからない ああ、わからない/安保法制、なんのためなのか/アベちゃんは国民の命と平和な暮らし守るためと言うけれど/本当にそうなのかはわからない/アベちゃん自身だって本当をいえばわからないのでは(2015/10/01)


文化
音楽にかける青春 フランク・ルッソ(Franck Russo 29歳)「プラハの春」に入賞 クラシックに限らず幅広い音楽に挑戦中のパリの新進演奏家 J'ai toujours aimé les projets originaux et m'exprimer de toutes les manières possibles. (Franck Russo)
120    クラリネット演奏家のフランク・ルッソさん(Franck Russo, 29)は今、パリで活躍中の新進音楽家です。今年の5月には「プラハの春」クラリネット国際コンクールで3位に輝きました。クラシック音楽だけでなく、実に幅広い挑戦を続けているルッソさんに、これまでの音楽修行や今後の活動などについてお聞きしました。Q 今、どこに住んでいますか A  僕はパリ国立高等音楽院に進学して以来、パリに住んでいます。パリは信じられないような都会で、とくに芸術家にとっては発展を遂げるにはなくてはならない場所だと思います。この街で多くの大切な人に出会い、彼らのおかげで今日の自分があるのだと思っています。音楽の教授たち、友人、そして共演仲間たち。演奏仲間たちとは本当に親友になって、いくつものプロジェクトを実現できました。(2015/09/27)


反戦・平和
挺対協週刊ニュース2015−29号〜31号(9月8日発行)
●目次●(1)「平和の碑」建立(2)安倍総理の戦後70年談話への抗議(3)「平和ナビ大田行動」活動報告(4)第三回世界日本軍「慰安婦」メモリアルデー世界連帯集会メモリアルデー(焼身続報)(2015/09/20)


政治
【ドキュメント国会】17日の参院特別委強行採決は有効なのか
120  17日の参院安保特別委での強行採決は本当に成立したのか。三会議で戦争法案が可決成立した後も、疑惑は消えていない。この日の動きを、記者が現場で立ち会ったことに限って、遅ればせながら追ってみた。(上林裕子)(2015/09/19)


政治
【ドキュメント国会】ピケを張る野党女性議員
120  国会は今日18日は参院本会議を舞台に戦争法案をめぐる攻防が続いている。17日には参議院安保法制特別委員会で与党は法案採決を押し切った。参議院の録画を見るとわかるが、これが採決と認められるかは疑問だ。ほとんど謀略といってもいいようなやり方だ。このやり方を採決と認めるならば、国会で審議を尽くすことは何の意味も持たなくなるだろう。以下、16日以降の国会内と前のドキュメントを断続的にお届けする。今日は16日の国会内での動きについて。(上林裕子)(2015/09/18)


コラム
西サハラの難民たちはいつ故郷の地に還れるのか 悲劇の40年 アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリア人ジャーナリスト)Abdelmadjid BenKaci
120   西サハラはアフリカにおける最後の植民地です。国連によると、西サハラは1975以来、「non autonome」という地位にあります。これはどういういうことかと言うと、モロッコに占領支配され続けているわけです。1975年に結ばれたマドリッド条約がもとになっています。もともと西サハラはスペインが1884年から(独裁者フランコが亡くなる)1975年まで植民地にしていました。この時代の西サハラはスペイン領サハラと呼ばれています。(2015/09/16)


コラム
時代の転換? 〜昭和初期の自殺に関する実情について
近年、我が国の自殺者は13年連続で3万人を超え、「無縁死」の増加も繰り返し話題になっている。自殺者数は、経済状況との相関が強いと言われている。実際、戦後の自殺者数は、第1期は1950年代後半の「なべ底不況」期、第2期は1973年の「オイルショック」期、第3期は現在に続く1998年以降に増加している。その要因、歴史的推移については、年齢別・性別の自殺率の差異、都市部と郊外と地方の比較等の分析が必要ではあろうが、現在の背景事情に、非正規就労の増加、格差の拡大、実質賃金の連続低下等があることは疑いない。(伊藤一二三)(2015/09/13)


反戦・平和
シベリア抑留者支援センターEメイル・ニュースNo.30(2015.9.5)
8月23日千鳥ヶ淵での「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」には多数のご参加ありがとうございました。なお、現在、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に納められている旧ソ連・モンゴルからの遺骨は12,583柱(旧ソ連:11,479柱、モンゴル:1,104柱、*ほかにモンゴル1939年ノモンハン戦死者:263柱、厚労省霊安室に保管されている旧ソ連からの遺骨:5,918柱)です。厚生労働省は、7月28日付で「強制抑留の実態調査等に関する取組状況(平成26年度)」を発表しました。また、8月7日付で、新たに特定できた抑留死亡者名簿156人分(興南114人、大連11人、樺太等31人)の漢字名簿も公表しました。読売新聞は8月22日付で、ロシア国立公文書館で入手した大連抑留引き揚げ写真を大きく報じ、55点をWEBで紹介しています。(2015/09/13)


反戦・平和
創価学会員9143名の安保法制反対署名 桜井均,(ナビゲーター 平田伊都子)
120  2015年9月8日午前、元NHKエグゼクテイブ・プロデューサーの桜井均氏から示唆に富んだメールと、興味深い文書<池田談話>が送られてきました。 (2015/09/09)


反戦・平和
【集団的自衛権問題研究】大森政輔(元内閣法制局長官) 「集団的自衛権は閣議決定でなし得ることを超えた措置であり無効」
 9月8日に行われた参議院特別委員会の初の参考人質疑のダイジェストをお送りします。与党側参考人は安全保障論から安保法案を擁護、対する野党側参考人は立憲主義や過去の政府答弁の検証などの観点から、法案を批判しました。ようやく初めての参考人質疑がなされた段階であり、質疑の内容を見ても、議論が尽くされていないことは明らかです。しかし、質疑が終了し、維新の独自案2案の趣旨説明が終わったところで休憩となり、その後、鴻池委員長が15日13時からの中央公聴会開催を強行議決しました。自公の与党のみならず、次世代、元気、改革も賛成しました。事前の確認もない抜き打ち採決でした。いよいよ、ゴールありきの強行採決のプロセスが動き出したことになります。(集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第33号)(2015/09/09)


反戦・平和
“平和憲法”と自衛 池田大作『二十一世紀への対話』(with アーノルド・トインビー)より
 40年前、創価学会の池田大作会長は英国の歴史家アーノルド・トインビーと対談したときに「日本国憲法」について発言している。 (2015/09/08)


反戦・平和
【8月30日の国会12万人・全国100万人大行動の報道クリップ】
 私的な感想をお許しください。30日国会前行動。12万人の人々の思いで警察の規制が決壊し、人が車道を埋めたすぐ後、正門前に到着。雨の中、すき間がほとんどない状態でみんな立ち、声を上げていました。60年6月15日、全学ストライキを打って、同じ日、安保粉砕のゼネストを行った国労の山陰拠点米子駅の線路に明け方まで座り込みました.やはり雨が降っていました。樺さんが死んだという報を受け、翌日みんなで夜汽車に飛び乗りました。1960年、そして昨日の国会前行動。ともに現代史に残る時間に立ち会えたという思いです。以下、杉原浩司さんんが作成した30日の報道一覧です。(大野和興)(2015/08/31)


コラム
本当の怪談、ここに極まれり
最恐映画シリーズの最後として「呪怨 ザ・ファイナル」なる映画が今年6月に上映された。ネットやテレビでは、試写会で怨霊が出てくる映像を見た女子高生たちが「キャー」と言いながら目を覆い、顔を歪める様子が映画の宣伝として流れたが、彼女たちの表情を見て、年寄りの私は「何と幸せそうに、怖がるのだろう」と思ってしまった。(伊藤一二三)(2015/08/30)


コラム
雑感 音楽教育 滝川雅弘(クラリネット奏者)
120   私は4歳からピアノを習い中学1年で吹奏楽部に入部しクラリネットを始めましたが、高校には吹奏楽部が無く大学でも学生アルバイトでキャバレー等では演奏してましたが合奏を楽しめる環境では有りませんでした。大学卒業後音楽の教員を約4年程やりましたが、1人対40人の授業で音楽等教えれる物では有りませんし授業は歌唱が中心ですから声楽の勉強をした事の無い私の歌を聞いて一部の生徒から『本当に音楽の先生なの?』聞かれた事も有ります。(2015/08/29)


ビルマ民主化
日本の皆様にミャンマー民主化運動へのご支援をお願いします
 APFS労働組合(東京都板橋区)で書記長を務めるビルマ民主化活動家のTIN MAUNG NYO(ティンマウンニョ)さんからの呼びかけを紹介します。(坂本正義)(2015/08/26)


反戦・平和
戦争やんだ! 西置賜集会 村に町に「戦争法案反対」の声
120  8月23日、全国各地で[戦争反対][民主主義を守れ]の若者たちの声が響いた。それと歩調を合わせるように山形県南部の農村地帯で村や町のおじさん、おばさんらが呼びかける戦争反対の集会がもたれた。「戦争やんだ!西置賜集会」と銘打たれた集い。折からの雨で会場を長井市つつじ公園から屋内に移した。その会場はたちまち人であふれ、リレートーク、地元フォークグループの歌、太鼓とにぎやかに盛り上がり、「安倍内閣の退陣と安保報案の廃案を強く求め、日本国憲法と民主主義に基づいた日本の未来を築く」ことを宣言して幕を閉じた。長井市、白鷹町、小国町、飯豊町といった農村部の普通の人たちがつくり、多くの人が集まったこの集会に.一番肝を冷やしたのは地元自民党のはずだ。(大野和興)(2015/08/24)


みる・よむ・きく
ヒューム著「人性論」 ‘A treatise on Human Nature’ ヒュームは面白いが本気でやると難しい。でもヒュームを読んでおくとカントが楽になる
  イギリス経験論の哲学者、デビッド・ヒュームは「人性論」(「人間本性論」というタイトルの邦題もある)の冒頭で、人間の知覚には印象と観念しかない、と言う。そして、人間は様々な印象を外界から受け、その結果、観念を抱くようになるとしている。最初に観念があって、その結果、印象が生まれるのではないと言いたいのである。(2015/08/23)


反戦・平和
特攻隊の生き残りだった父を想う 木村結
120   父は3.11の前年5月に亡くなった。生きていれば、91歳になっていた。しかし、父は敗戦が1日でも延びていれば、21歳の若さで命を落としていたし、私を含め4人の兄弟も生まれてはいなかった。父はお酒を飲むと、「戦争がもう少し長引いていたら、お前たちは生まれてはいなかった」が口癖だった。幼い私が「何故戦争に反対しなかったの?何故、特攻隊に志願なんかしたの?」と聴いても、「そんなこと言える時代ではなかった」と言うだけで、それ以上は口をつぐんで話さなかった。私は、もう少しというのは1週間位だと漠然と思っていた。(2015/08/22)


反戦・平和
「戦争絶滅受合法案」について
安倍晋三内閣によって「安全保障法制」の強行という許しがたい暴挙が吹き荒れている。国の根幹に関わる事態であり、100時間を超えたから十分審議は尽くしたなどという詭弁は断じて容認できない。本当に平和と民主主義を標榜するなら、何年でも時間をかけて議論したらいい。(伊藤一二三)(2015/08/22)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(31)
今、私が住んでいる地域は、自殺が非常に多い地域です。片田舎で、仕事も無くて、田舎独特の閉塞的な雰囲気が漂い、生きづらさみたいなものを都会以上に感じます。病気や貧困から死を選ぶ人も少なくないです。自分と年齢の近い人が自殺企図で運ばれてくるのを見ると、非常に複雑な気分になります。働き盛りのこの年齢で、何故死を選ばなければならなかったのか。本人が気持ちの切り替え方法や、自分を労わる方法を知っていたら、自分を追い詰めないで済んだのではないかなぁと思うのです。(れいこ)(2015/08/22)


反戦・平和
「戦争について、多くの若者に関心を持ってほしいのです」 〜人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長・伊藤和子弁護士インタビュー〜
安全保障関連法案が衆議院を通過し、参議院での審議が開始されました。この法案を「戦争法案だ」とみなし、「戦争に巻き込まれるのではないか」といった懸念を持つ市民が多くいます。政治には無関心と言われていた若者も立ち上がり、反対の声を挙げている様子が連日メディアで取り上げられています。私の記憶に残る戦争と言えば、2003年に起こったイラク戦争ですが、当時、中学生だった私は深く考えることもなく、その出来事を単なるニュースの1つとして受け流すだけでした。その後、日本軍「慰安婦」問題に関心を持つようになってから、そして安保関連法案の国会審議を見ていて、戦争の実態を自分の身に引き寄せて真剣に考えなければならないとの思いを強めつつあります。そこで、世界で続く深刻な人権侵害を無くそうと活動している人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長で、7月2日に設立された「NGO非戦ネット」の呼びかけ人の1人である伊藤和子弁護士に「平和」について語っていただきました。(高木あずさ)(2015/08/22)


核・原子力
日米同盟が日本の原子力政策に与える影響とは 〜ND(新外交イニシアティブ)日米原子力エネルギープロジェクト訪米調査報告会〜
120 九州電力は8月11日、原子力規制委員会のお墨付きを盾に川内原発1号機を再稼働させ、これにより約2年間続いた原発稼働ゼロの状態が終了した。各大手メディアの世論調査では、原発再稼働に「反対」と回答する人が「賛成」と回答する人を大きく上回る結果が出ているのに、安倍政権を始め、日本政府が原発の稼働に固執するのは何故なのか。また、原発推進派は原発の価格優位性を主張し、資源エネルギー庁(経済産業省の外局)が発表するエネルギー白書にも「原子力発電の魅力的な点は発電コストの低さ」とあるが、本当にそうなのか。こうした疑問を解明しようと、民間シンクタンク「新外交イニシアティブ」(ND/New Diplomacy Initiative)は「ND日米原子力エネルギープロジェクト」を立ち上げて調査・分析を進めている。(坂本正義)(2015/08/21)


反戦・平和
「安倍政権と沖縄、そしてアジア」(下) 日米両超大国連合対日本の一県の対立というの前例は全くありません ガバン・マコーマック
120  疑問なく安倍政府反対の声が最も強いのは沖縄です。安倍訪米から1ヶ月後、翁長雄志沖縄県知事が米国を訪れました。翁長のメッセージは安倍が米国に伝えたのとは逆のものでした。オバマ大統領に約束した海兵隊の新基地は安倍の米国サービスの要ともいうべき重要なものですが、翁長は新基地には反対です。地元辺野古の名護市長選でも、市議会選でも、県知事選でも衆議院選挙も、自民党は基地容認候補にお金も人も惜しげなく注ぎ込んだのですが、県民は新基地反対派を選び、最近の沖縄の世論調査では、80%以上が新基地建設に反対しています。2014年、大多数が反対でもそれを無視して建設を強行する、それは安倍が米国議会で自由と民主主義推進に向け、積極的に取り組みますという宣言とどうつながるのでしょうか。(2015/08/20)


文化
音楽にかける青春 バイオリン奏者 ルドミラ・パヴロヴァー Ludmila Pavlová 人は演奏している音楽とともに生きていかなくてはならないことを知りました
120   音楽の街、プラハ。この秋、プラハでの音楽の勉強を一段落して、ウィーンに旅立とうとする若いバイオリニストがいます。ルドミラ・パヴロヴァーさん、21歳。現在、プラハ芸術アカデミー音楽学部の生徒です。昨年の夏、著名なバイオリニスト、ヴァーツラフ・フデチェク氏の夏期講習で一番優秀なバイオリニストの学生に選ばれた彼女は演奏旅行にも同行して経験を積むことができました。ソロイストとして、これから大きな未来があるルドミラ・パヴロヴァーさんに音楽修行についてお聞きしました。 (2015/08/20)


国際
ND米紙ウィークリーニュース第53号(August 7,2015) 〜ND(新外交イニシアティブ)注目の外交・安全保障関連ニュース〜
●目次●/米国人女性作家 原爆の恐怖と向き合う(LAT 7/24)/シリア大統領 苦戦を認める(WP 7/27)/イエメンで戦闘続く 人道支援のための停戦宣言後も(NYT 7/27)/IS 昨年の死者1万5000人(USA 7/29)/中国が米軍を非難 南シナ海の緊張高めている(NYT 7/30)/日本の防衛政策は是認できる」(FT 7/3)/(2015/08/17)


社会
≪twitterから≫今年もきました、靖国軍服オヤジたち
120  twitterのぞいていると、8月15日になると毎年出没する軍服の一隊をからかうやり取りが目に付いた。これがとてもおもしろい。軽口だが、どこか本質をついている。(大野和興)(2015/08/15)


環境
魚釣りと私 滝川雅弘(クラリネット奏者)
120   私は父の影響で幼少期毎週の様に魚釣りに連れて行かれてました。母が勉強させないと駄目だと父に対してよく怒っていたのを覚えてます。1970年当時日本は公害大国でしたから、例えば泉南の多奈川発電所横で釣れた魚を食べて大丈夫なのかと子供心に思ったものです。(2015/08/13)


文化
音楽にかける青春 アコーディオン奏者、ミラン・ルジェハークさん(21) 「アコーディオンは大きな可能性を秘めた未開拓の楽器」 'Accordion is an instrument with a great potential and with possibilities' (Milan Řehák)
120   まだ21歳ながらこの数年、パルドゥビツェ(チェコ)やプーラ(クロアチア)やサンクトペテルブルク(ロシア)などで開かれた国際コンクールで優勝を何度も経験しているアコーディオン奏者がミラン・ルジェハーク(MILAN REHAK)さんです。アコーディオンと言えばパリのミュゼットやアルゼンチンのタンゴなどがすぐに思い浮かびますが、チェコではどんな風にアコーディオンが演奏されているのでしょうか。アコーディオン奏者の新星、ミラン・ルジェハークさんにお聞きしました。Recently MILAN REHAK got first prize on several international accordion contests such as Pardubice(Czech), Pula (Croatia) or Saint Petersburg(Russia).He is still 20 years old. When we hear a word 'accordion',we associate musette of Paris or tango of Argentina.But what music is played in Czech with accordion? Then I interviewed a young accordion master of Czech, MILAN REHAK.(2015/08/09)


反戦・平和
挺対協週刊ニュース 2015−23〜25号(8月5日発行、一部抜粋)〜米国活動報告
キム・ボクトン(金福童)ハルモニとともに、挺対協は日本軍「慰安婦」問題解決と平和を訴える12泊13日の米国活動を行いました。今回の米国キャンペーンは、オハイオのクリーブランド〜ワシントン〜シカゴと続く日程の中で、米国務省での面談、ジョージワシントン大学でのセミナー、日本大使館前での水曜デモ、イリノイ平和の碑建立関連の懇談会など多様な日程を消化しながら、日本軍「慰安婦」問題解決のために米国社会と政府の関心を促して、終戦70年を迎えるにあたり、戦争を止めて平和の道をつくっていこうという訴えを広く伝える計画です。(2015/08/07)


米国
燃えるアメリカ アメリカ大統領選挙戦とカリフォルニア山火事 平田伊都子
120  2015年8月4日のアメリカは燃えています。 本当に火事なんです。 7月17日に火が点いたカリフォルニアの山火事は、57,000ヘクタールをなめつづけて、、まだまだ鎮火する兆しはありません。 70年前にアメリカが原爆を落として焼き尽くした、広島市に匹敵する広さです。 70年前にアメリカは広島と長崎に原子爆弾を落とし、約30万人以上の日本人同胞を瞬時に殺し、放射能後遺症で住民の多くを苦しめ続け、環境も放射能汚染したまま放置しています。 (2015/08/05)


文化
「嬬恋村のフランス料理」3   ぼくが嬬恋に来た理由  原田理(フランス料理シェフ)
120  人生には自分のその後の方向性を変えてしまう出会いがある。と誰が言ったかはわかりませんが、少なくとも僕と総料理長の対面はそうだった様に思います。人生を賭けた店を、経営に対する疲れから後進に移譲した僕は、絶望のさなかにいました。生活、資金、時間、意志のすべてを投入したフランス料理店は、身内とは言え、別の経営者に移り変わり、15の時より目標であり、結果でもあった自分の分身ともいえる店舗はなくなってしまいました。自分の技術や気持ちを注入する先はもうなく、目の前にあるのはこの先の人生への不安です。もうフランス料理を、いや、お客様に料理そのものを作れないのではないだろうか、と。(2015/08/02)


政治
参院論戦5 「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」を読む 自衛隊PKOの変化 〜南スーダンで自衛隊の戦闘開始の可能性
  毎日新聞の報道によると駆けつけ警護とは「離れた場所にいる他国軍部隊や非政府組織(NGO)職員などの要請に応じて行う救援活動」とされ、「実際の活動では、現地のNGOの要請を受け、武装勢力に拘束された職員を救出するケースなどが考えられる」と書かれています。今のこの法律「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」(PKO法)では禁じられている行動ですが、安保関連法案が改正されれば可能となります。PKOですでに参加している自衛隊が南スーダンで戦後初の戦闘に入る可能性があります。(2015/07/30)


政治
【7月28日(火)安保法制・参議院特別委員会質疑】
 安保法制はいよいよ参議院で審議入りしました。27日に行われた参議院本会議での質疑のダイジェストをお送りします。衆議院での強行採決直後を避けた日経、読売の世論調査でも、内閣不支持が支持を上回り、政府の説明が不十分との意見は両紙とも8割を超えています。法案への反対も増えています。「三連休でクールダウンする」との政府与党の想定は見事に外れました。28日、29日、30日と3日連続で特別委員会での質疑が行われます。委員会は全ての会派で構成される45人枠になり、衆議院以上の徹底審議が期待されます。市民による厳しい監視が引き続き必要です。(集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第20号)(2015/07/28)


文化
「嬬恋村のフランス料理」1 原田理(フランス料理シェフ)
120   毎日木漏れ日を浴びながら夢から覚め、妻の入れたレモンティーを飲んでから、木立を3分ほど歩くと職場に到着。今日の朝食は慌しかっただろうかなどと考えながら、日を浴びて渡り廊下を歩み、自分のデスクに向かいます。ここは嬬恋村にある230室ほどのリゾートホテルで、たくさんの方が避暑に来るトップシーズンには、毎朝夕各600名分ほどの食事を提供します。僕の名前は原田理、料理の理と書いておさむです。フランス料理にささげた25年。料理人です。(2015/07/25)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(30)
高齢になると、骨折ひとつでも、術後における日常生活動作の回復が若い人より倍の時間がかかるのが常です。だから、弱気になるのは仕方のないことだと思うのですが、私たち医療従事者が、患者さんを疾病から早く回復させようと精一杯援助しても、患者さんの口から「こんな不自由な身体になって」とか「早く楽になりたい、死にたい、お迎えを待っている」という台詞を毎日聞かされたら、本気で患者さんに向き合っている分、やる気が削がれます。(れいこ)(2015/07/23)


反戦・平和
「かならず変わる」 熊沢誠(甲南大学名誉教授)
120   膨大なフェイスブックの投稿にすぐ埋もれてしまったけれど、安保法案反対デモに参加したある女子学生──たしか和光大学生だったと思う。誰か記憶ありませんか?──の思いにふれて深い感銘を受けた。彼女は中学時代、式典での「君が代・日の丸」を拒んで処分を受けた教師の姿に心を動かされた。しかし長らく行動に参加できなかった。彼氏の手前もあって、KY(空気が読めない)とみなされるのがいやだったからだ。だが、やがて、日本で「KYでない」とは自分の意志を表明しないことことだと気付かされた。(2015/07/21)


コラム
ネッシーの最期
  スコットランドのネス湖で首の長い謎の生物の写真が撮影されたのは1934年のことで、有名なその白黒写真には湖のさざなみの中をいく首長竜のような魔物が写っている。ネッシーについては子供の頃、テレビ番組で何度も見たのでよく覚えている。茶の間の関心を呼ぶ出し物の定番の1つだった。このネッシーと呼ばれる正体不明の怪物を実際に探検隊を派遣して調べたのが石原慎太郎元東京都知事である。その頃新聞のコラムで石原氏のふるまいが無粋と叩かれたことを記憶している。ネス湖周辺の人々にとっては謎を謎にしておくほうがよいのではないか、というのがコラムニストの意見だった。(2015/07/20)


労働問題
国公労連が「2015国公青年セミナー」を開催
120 国家公務員を中心に組織する国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)は6月下旬、国公労連に加盟する単組の青年組織を担う中央・地方段階の若手組合員を都内に集め、2015国公青年セミナーを開催した。国公青年セミナーは、々餮労働運動の日常活動を推進するための基礎知識を実践的に身に付ける、日頃それぞれの組織で取り組んでいる青年運動に取り組む上での悩みや問題点を語り合うなど相互交流を図ることを目的に開催している。(坂本正義)(2015/07/14)


人権/反差別/司法
少年法の対象年齢を18歳未満に引き下げることは必要か?(1)
120 2015(平成27)年6月17日、選挙権年齢を「20歳以上から18歳以上へ引き下げる」改正公職選挙法が参議院本会議において全会一致で成立した。1945(昭和20)年に「25歳以上から20歳以上」に引き下げられて以来、70年ぶりの改定である。若年層に政治参加の機会を与えることはポピュリズムの悪弊を高める危険性があるものの、本来の民主主義政治にとって必要なことであると思われる。(伊藤一二三)(2015/07/01)


経済
厚労省が修正 実質賃金は4月も増えていなかった 6月初旬の大々的報道は何だったのか? 実際は24か月連続マイナスだった…
  6月初旬、大手新聞は厚生労働省の毎月勤労統計調査の発表を受けて、4月に物価の変動を差し引いた実質賃金が初めて+に転じた、と大々的に報じた。プラス幅は昨年同月比でわずか0.1%だったが、それまで連続マイナスだったために、いよいよアベノミクスの成果が出始めたというリードの記事だった。ところが、ここに来て、厚労省が統計結果を修正したことがわかり、4月の実質賃金もマイナスで、結局実質賃金は24か月連続でマイナスだったことが明らかになった。この2年間、物価上昇を計算に入れたら労働者の給料は下がっていたのだ。(2015/06/26)


反戦・平和
【6月22日(月)の「安保法制」特別委員会 参考人質疑】集団的自衛権問題研究会ニュースから
6月22日に開かれた衆議院「安保法制」特別委員会での参考人質疑の詳報を、【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第8号】から紹介します。新聞などでも報道されていますが、こうしたまとめを読むと、安保法制の問題が実によくわかります。参考人の一人、小林節さん慶應義塾大学名誉教授・弁護士)は「この戦争法案は違憲であり、政策としても愚かであり、廃案にすべき」と明確の述べているのが印象的です。その一方で、9月27日までの95日間という史上最長の国会延長が決定されてしまいました。何が何でも法案を通そうということです。維新の党は23日に予定していた「対案」の正式決定を来週以降に先送りすることを決めました。(大野和興)(2015/06/23)


反戦・平和
自民・村上衆院議員が日弁連「安保法制反対集会」で自民党執行部を「あまりに傲慢」と批判 「民主主義の危機、ファシズムの危機」と警鐘
 日弁連が主催して10日に開かれた「安保法制に反対する集会」に自民党の村上誠一郎衆院議員が出席、自民党執行部を「あまりにも傲慢」と批判、「私がいちばんいま危機を感じているのは、民主主義の危機、すなわちファシズムの危機であります」と警鐘を鳴らした。ニュースサイト「弁護士ドットコムNEWS」から、その全文を紹介する。(大野和興)(2015/06/10)


文化
【核を詠う】(186) 福島の歌人グループ「翔の会」の歌誌『翔』の原子力詠を読む(2) 「原発の事故後をめらめら燃ゆるもの暴く心と隠す心と」 山崎芳彦
 前回に引き続き福島の歌人グループ「翔の会」の歌誌『翔』から原子力詠を読み、記録する。今回は同誌の第49号(平成26年11月29日発行)を読ませていただくのだが、福島原発事故の被災により背負わされた苦難の日々の中で詠われた短歌作品を読みながら、このほど政府・経済産業省が示し、7月にも政府案として正式決定される2030年度の電源構成(エネルギーミックス)において、原発比率を20〜22%としていることに、強い怒りを覚えないではいられない。原子力発電を純国産エネルギー源であり運転コストが低廉で、安定して供給できるベースロード電源として位置づけ、原発なしには必要な電力の供給が不可能であるとする、この原発回帰・重視の政府の電源構成案は、あの福島原発事故がなかった、人びとの苦しみもなかった、さらに今後も原発事故は起こらないと言うに等しいものだ。(2015/06/10)


反戦・平和
現代の若者から見た慰安婦問題(3)〜挺対協の活動を聞いて感じたこと〜
 平成生まれの私は、これまでに「慰安婦」問題を扱った書籍を読んだことはありましたが、あまりに昔のことで、どこか遠い世界の話のように感じていました。 (2015/05/18)


反戦・平和
「慰安婦」問題は「日本政府への提言」をベースに解決できる! 〜問われる日本政府の対応〜
 「『慰安婦』問題で日本政府に新たな努力を行わせるには、被害者が受け入れ、運動団体も受け入れ、両国国民も支持し、そして日本政府が実行できる解決案があることが明らかにならなければなりません。2014年6月に開催された第12回日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議(以下、アジア連帯会議)が打ち出した『日本政府への提言』に接したとき、私はこれがそのような解決案に近いものだと考えました。この提案は実に注目すべきものであり、問題解決の基礎になる案だと思います」 (2015/05/18)


文化
パリの芸術家、トリニ―・プラダ氏 〜今年もヴェネツィアのビエンナーレ国際美術展に臨む〜
120   イタリアのベニス(ヴェネツィア)では2年に一度、国際美術展が開催されています。2年に一度ということで、ビエンナーレと呼ばれています。今年は5月9日から11月22日まで、ということで開幕寸前です。多くの芸術家が参加しますが、パリから参加するトリニ―・プラダ(Triny Prada) さんもその一人。トリニ―さんは南米のコロンビア出身で、パリに留学して美術を学び、その後パリにアトリエを構えています。(2015/05/02)


みる・よむ・きく
今年、いやこれまでで一番の映画かもしれません そう、『パレードへようこそ』 原題:PRIDE 稲垣豊
120  先月観た『ジミー 野を駆ける伝説』では冒頭5分ほどで涙がでましたが、『パレードへようこそ』は映画開始1秒で涙。ピートシガーが歌うSolidarity ForeverのBGMが流れるスクリーンに映し出されるストでたたかう炭労を襲撃する警官隊の映像。これは実際のフィルムで下記公式サイトの予告編でも見られます。(2015/04/10)


アフリカ
【西サハラ最新情報】ロス国連特使、ラストスパート 平田伊都子
120  今年も4月29日が近づいてきました。 私たち日本庶民にとっての4月29日は<昭和の日>でお休みです。 が、西サハラ庶民にとって4月29日は、国連が仲介する和解交渉提案を受け入れ、モロッコとの戦争を止めた平和の日なのです。 軍事闘争から外交闘争へと大転換をした、記念すべき日なのです。 平和交渉に時間がかかることは、パレスチナ紛争、一つを見ても明白です。 西サハラ紛争も1991年4月29日に国連が西サハラ住民投票を約束して、モロッコと西サハラ難民軍が銃を置き和平交渉に入りました。 ところが、それから24年経った今も住民投票は手つかずのままで、しかも、2012年5月17日からモロッコは交渉の席に着こうとしません。(2015/03/29)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
国連WHO(世界保健機関)、モンサントの除草剤グリホサートに発がん性認める 日本では野放し
  国連・世界保健機関(WHO)の国際がん研究機構IARCは3月20日、 モンサントの除草剤ラウンドアップの主成分グリホサートについて、マラチオンとジアジノンと同時に「ヒトに対する発がん性がおそらくある」とするグループ2Aに位置づけると発表した。この決定に関しIARCのメンバーは、家庭での使用よりも農業労働者への影響が最大の懸念だと語ったという。また、米国環境保護庁もこの決定を考慮するとしているという。ラウンドアップは、モンサントの上層材耐性遺伝子組み換え作物(ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ)に大量に使用されている。(有機農偉業ニュースクリップ)(2015/03/29)


人権/反差別/司法
市民団体が警告:取調べの録音・録画制度の創設へ国会は誠実な討論を たった2%の導入で本当に冤罪は防げるのか
 政府は第189回通常国会において、取調べの録音・録画制度の導入を含む刑事訴訟法等の一部改正法案を提出する予定です。法案は3月13日に閣議決定され、3月中旬以降から審議が始まると言われています。(2015/03/20)


核・原子力
「原発は投資対象にしない」世界銀行総裁が原発への“絶縁状” 日刊ゲンダイが報道
 国連防災世界会議で来日した世界銀行のキム総裁が13日、外国特派員協会での会見で「原発はリスクが未知数なため、世銀は投資の対象にはしない」と述べた。日刊ゲンダイ3月14日号電子版によると、「炭素税導入で、火力発電によるCO2排出量を抑えると同時に、地熱、水力などのクリーンエネルギーへの投資を拡大するべきと考えている」と明瞭に原発への決別を宣言したようだ。(日刊ベリタ編集部)(2015/03/15)


コラム
不可解な風刺画掲載本
120   噂には聞いていたけれど本当に出たらしい・・・これらの記事によると、第三書館という東京の出版社が、〈フランスの風刺週刊紙「シャルリエブド」の風刺画を転載した本〉を出版。本の題名は〈「イスラムヘイトか風刺か」〉。〈本はA5判64ページで、日本語の翻訳や解説を付けたシャルリエブドの風刺画を中心に48点を収録〉〈イスラム教徒に配慮し、預言者ムハンマドの顔にはモザイクがかけられた。〉という。(寄稿:Ryoka)(2015/03/11)


検証・メディア
沼津信用金庫が朝日新聞報道を換骨奪胎 「イスラム」口座拒否
  団体名に「イスラム」のある口座の開設を沼津信用金庫が拒否したという、3月1日の朝日新聞朝刊の報道(注)を受け、各紙が一斉に後追い報道をしたが、反響の大きさに危惧を抱いたのか、沼津信金は一転、朝日に話した内容の主要部分を完全に否定している。事件が起きた2月24日の経緯を述べるとともに、他紙の記事やブログなどでの事件へのコメントを紹介する。(齊藤力二朗)(2015/03/08)


コラム
宮崎駿氏は 民主主義社会における風刺の意味を理解されていない 飛田正夫
 これは、鎖国日本の精神的状況そのものですね(注参照)。今もってして頭の中が開国されていない。フランスにはイスラム教徒が500万人以上いるのです。どうして他国の異質文明だなどといえるのでしょうか。いまやイスラム教徒を信ずるものはフランス人の中にもいる。地球は狭くなっている。宮崎駿さんの認識世界は穴の中の狢状態です。これでは何も見えてないことになる。危険です。文明や生活様式を異にする移民の集まりがフランスです。そこでどうやってみんなが仲良く暮らすのかを求めて1905年の政教分離法(ライシテ)ができたのです。(在パリ 飛田正夫)(2015/03/05)


文化
【核を詠う】(174) 『角川短歌年鑑・平成27年版』から原子力詠を読む(1) 「原発も武器も売り込みなうなうと生くる幸せを満喫せんか」 山崎芳彦
 今回は、角川学芸出版編の『角川短歌年鑑平成27年版』(平成26年12月、株式会社KADOKAWA)に所収されている短歌作品のうち「平成26年度 自選作品集659名」から、原子力詠(筆者の読みによる)を読ませていただく。全国にわたる歌人659氏が平成26年度の自作短歌から一人5首を自選した作品集だから、3295首が掲載されていることになる。その中から筆者が原子力にかかわって詠われているものと読んだ作品を抄出して記録するので、丹念に全作品を読んだつもりではあるが、読み違い、読み落としなど作者の意に添わないことがあることを恐れる。その場合、お詫びをするしかない。この連載では、これまで同年鑑の平成24年版から毎年読ませていただいているが、年々、記録する原発詠の作者数、作品数は減少している。しかしこのことをもって原子力に関わって作品化された短歌が減少しているということはできない。各地で営々として詠う歌人がいる(2015/03/04)


コラム
Charlie Hebdo 誌 練達の漫画家4人を失った損失
  漫画新聞の価値はどこにあるのか?言うまでもなく、漫画家にある。Charlie Hebdoはイスラム原理主義者の襲撃によって一瞬にして最高レベルの4人の人気漫画家を失うことになった。もし、仮にも経営というもの知っている人間であればその損失の大きさが理解できよう。(2015/03/01)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(25)
 数ヶ月前に内科病棟から外科・整形外科病棟へ異動になりました。そこで目にしたのは驚くほど高い高齢者の骨折率。転んで大腿骨頸部骨折やら、尻もちをついて腰椎圧迫骨折やら・・・。高齢化社会の今、「骨を折る高齢者がたくさんいるんだなぁ」と驚いています。(れいこ)(2015/02/28)


文化
【核を詠う】(特別篇) 歌集『廣島』を読む(15) 「つづきゆく平和まつりの人中をいのち寂しくわがひとりなり」 山崎芳彦
 立花隆氏が「被爆者なき時代」と題して、月刊「文藝春秋」3月号の巻頭随筆を書いている。その中で、氏は、いまNHK広島が氏と原水禁運動とのかかわりを描く番組を作っていて、昨年その広島編がロンドンに拠点を置く反核運動団体CND(核軍縮キャンペーン)のリーダーを呼んでの対談を軸に作られ全国に流れたこと、今年は間もなく、長崎篇を加えた新版が全国ネットで流れることになっていることを書き、「つい先日その流れで長崎大学のRECNA(核兵器廃絶研究センター)との共同プロジェクトという形で『被爆者なき時代に向けて』という特別講義と学生六十名が参加してのワークショップが・・・行われた。ここで、私は『被爆者なき時代に向けて』に二重の意味を持たせた。一つは今後核戦争を起させないようにするにはどうすればいいのかという問いかけだが、もう一つは本当に被爆者がいなくなる時代を考えろの意味だ。」と記している。後者は広島、長崎の被爆者が亡くなり、いなくなる時代に、被爆体験をどう継承していったらいいのかが、いま若い世代に突きつけられているということである。重要な問題提起だ。(2015/02/25)


文化
【核を詠う】(172) 波汐国芳歌集『渚のピアノ』の原子力詠を読む(4) 「冬囲いの菰(こも)を外さば列なさん木喰い・人喰い虫・セシウム魔」 山崎芳彦
 いま読み続けている波汐さんの短歌作品に福島原発事故によってもたらされている核放射線にかかわって詠われたすぐれた作品が多い。今回抄出する作品の冒頭は「セシウムは鳥」と題する一連である。原子力災害の過酷さは、直接の健康被害がいま生じているかという視点を超えたところにある。10数万人に及ぶ人々が避難を強いられ、放射線被曝の不安に苦しめられ、今現在にとどまらず将来にわたる不安を抱えて生きなければならない、家族が離ればなれの生活を強いられ、職を奪われ、農畜産物海産物などが売れなくなって生活基盤を失うという危機に落とし込まれた人々も多い。原発事故から間もなく満4年になろうとしているが、原発事故の最大の問題である核放射線による被災の現実と将来について、政府と原子力利権マフィアは核放射線安全論を広げ、「復興」の名のもとに避難者の帰還促進、被災者、避難している人々に対する補償の軽減・打ち切り、さらに権力・金力による原発再稼働の促進など、理不尽の限りを尽くしている。(2015/02/06)


北朝鮮
「日本の学生は何度も訪朝してほしい」〜第3回日朝大学生交流報告会〜
 「南北コリアと日本のともだち展」という10年以上続く展示会がある。日本、在日コリアン、韓国、朝鮮の子供たちが書いた絵を1箇所に集めて展示会を開き、未来を担う子供たちが絵を通じて相互理解を深め、共に平和を願う友達同士になる場を作るという取組で、2001年に始まった展示会は既に14回を数えている。また「ともだち展」でまかれた交流の種は、2012年から日朝両国の大学生同士による交流会という形でも花開いている。(坂本正義)(2015/02/01)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(24)
 先日、夜勤のため病棟に行ったところ、看護師の休憩室に患者さんから差し入れられたお菓子が山のように積まれていました。恐らく患者さんの退院時期が重なったのと、病院が所在する地域が田舎であるが故に義理人情に厚い患者さんやご家族が多く、「お世話になりました」という気持ちを込めて菓子折りを持ってこられたのだと思います。(れいこ)(2015/02/01)


人権/反差別/司法
狭山事件で、東京高検は証拠リストを開示 根本行雄
 2015年1月22日、東京高検は狭山事件の証拠品279点のリストを開示し (2015/01/26)


中国
香港、最後の占拠(オキュパイ)の夜、座り込んだ人びと々の思いは
 香港のオキュパイ運動は、香港市民、そこに座り込んだ人たち、に何を残したのか、これから何が始まるのか、この運動の意味を問い直す作業が始まっている。多くの人がさまざまな形で自身の思いを伝える作業も始まっている。以下は、香港紙「明報」2014年12月21日の日曜版に掲載された中文大学政治行政学部講師の周保松さんの、金鐘オキュパイ最後の座り込みに参加した体験記である。周保松さんは良識あるリベラリストとしてこの運動に参加した思いをたんたんと綴っていて感動的ですらある。ATTAC−Japanの稲垣豊さんの翻訳で紹介する。(大野和興)(2015/01/02)


人権/反差別/司法
元戦犯者たちが韓国政府を相手に提訴 〜問われる日本政府の対応〜
 第二次世界大戦終結後、連合国による戦犯裁判で「日本人」として捕虜虐待の罪に問われた韓国人元BC級戦犯者とその遺族計10名が10月14日、韓国政府が自分たちの名誉回復を日本政府に求めていないのは違憲であるなどとして韓国の憲法裁判所に提訴した。 (2014/12/23)


核・原子力
脱原発版「オール福島」の構築を! 〜「災害対策全国交流集会2014inふくしま」に参加して感じたこと〜
 震度4以上の地震は50回を超え、豪雨を起因とする大規模な土砂災害(8月、広島市)や戦後最悪と言われる火山災害(9月、御嶽山)など、2014年も日本列島は様々な災害に襲われた。災害発生直後は大手メディアを中心に報道が盛んになるので、被災者の苦難に世間の人々も注目するが、日本人の「忘れっぽさ」も原因か、残念ながらしばらく時が経つと関心が薄まるのが常である。今年1年の災害を振り返る中で、「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会」(略称・全国災対連)という存在を知った。阪神・淡路大震災(1995年1月17日)からの復旧・復興に関わってきた労働組合や市民団体などが集まって1999年10月に発足した、15年もの歴史を積み重ねている団体だという。その全国災対連が11月に福島県で全国交流集会なるものを開催するということで、主催者にお願いして傍聴させてもらうことにした。(坂本正義)(2014/12/22)


科学
【SMC発】Google も参加する遺伝子検査サービス会社 23andMe がイギリスでサービスを開始
 Google社も出資する遺伝子検査サービス会社23andMeがイギリスで事業を開始すると発表しました。民間会社による遺伝子検査は、サービスを提供する会社によって結果が異なる、疾病に関する個人情報を含むことなどから問題視する声もあります。アメリカでは2013年にFDAの警告からサービスが中止されており、国によって対応も様々です。日本では遺伝子検査サービスを受ける前にもう一度考えてほしいと、東京大学医科学研究所の武藤香織教授がチェックリストを作成し、反響を読んでいます。(サイエンス・メディア・センター)(2014/12/16)


中東
【衆院選の争点】「この道しかない」のか、「この道はあぶない」のか 池住義憲
 今回の衆院解散総選挙、私も「党利党略」解散総選挙だと思っている。「争点隠し」「論点撹乱・混乱」解散総選挙でもある。そうであっても、積極的に受けて立とう。安倍首相が言うように、「この道しかない」のか。それとも、「この道はあぶない」「この道に(の)先はない」のか。(2014/12/11)


アフリカ
ありがとうケトランジ大使 駐日アルジェリア大使シド・アリ・ケトランジ氏帰国 平田伊都子
120  駐日アルジェリア大使シド・アリ・ケトランジ氏が、2015年1月16日付けで日本を去られる。 日本大使を9年半以上も務められていたから、もうそろそろかな?と覚悟はしていた、、しかし、アルジェリアの友人や日本アルジェリア協会員の間で大使交代の噂が飛び交い、大使秘書から具体的な退官日程や後任大使の名前を知らされ、、とうとう大使自身の口から帰国を聞かされてくると、だんだん、悲しさがこみ上げてきた。 (2014/12/11)


橋本勝21世紀風刺画日記
232回 争点は日本を戦争する国にしていいのか!?だ
120 ああ わからない わからない/日本国民よ なんでそんな愚かな選択を/勝たせていいのかアベ自民/あと4年、アベの政権が続いていたらどうなるか/アベの長期政権おそろしい/とんでもないことになると、想像できないのか日本人(2014/12/06)


政治
【衆院選の争点:ガザ攻撃の取材から】 日本が売った武器で人々が殺されることを容認するのか 志葉 玲
120  衆院選の重要争点の一つは、安倍政権の外交・安全保障政策の是非だろう。中でも筆者が問題視しているのは、武器輸出の問題だ。安倍政権は昨年3月、米国の最新鋭戦闘機F-35開発への日本企業参加について、「武器輸出三原則の例外とする」と閣議決定。今年4月には、武器輸出三原則を撤廃し、新たに防衛装備移転三原則を設置。武器輸出は原則禁止から、原則容認へと、180度方針転換された。(2014/12/04)


社会
風俗で働くということ(下)
  2014年1月27日に放送されたNHKクローズアップ現代では、20代のシングルマザーの約80%が年収114万円未満の貧困状態に置かれている現状を指摘し、「託児所付きの風俗店がシングルマザーのセーフティーネットとなっているケース」を紹介して社会に衝撃を与えた。実際はどうなのか、シングルマザーで数年前まで寮付きの風俗店で働いていた女性に、働いていた頃の店や寮での様子、どのように風俗を辞めたのかをインタビューした。インタビューするAさんは、シングルマザーで、数年前まで首都圏にあるピンサロ(フェラチオを提供する店)やファッションヘルス(個室でSex以外の性的サービスを提供する店)で働き、現在は医療事務の職に就いています。今回は、Aさんに、働いていた頃のファッションヘルスや寮での様子や、どのように風俗を辞めたのかを話してもらいます。(能村哲郎)(2014/11/19)


検証・メディア
オランダのスタートアップ「コレスポンデント」のオフィスに行ってみた
120  オランダのスタートアップ・メディア「コレスポンデント」については、これまでにも何回か書いてきたが、13日、アムステルダムで開催された「出版エキスポ2014」(世界ニュース発行者協会=WAN IFRA=主催)のイベントの一環として、実際にオフィスを訪ねる機会を得た。(ロンドン=小林恭子)(2014/10/28)


何故、サイバー攻撃? −ハッカー集団「ラルズ・セック」の当事者が気持ちを吐露(1)
120 3−4年ほど前、一定の社会的意図を持って大企業や政府のウェブサイトを攻撃し「泡を吹かせる」−そんな行動に熱狂した若者たちが英語圏で注目を浴びた。話題をさらったのは「アノニマス」、そしてその分派「ラルズ・セキュリティー」(通称「ラルズ・セック」)。元ラルズのメンバーに現在の気持ちを聞いた。(ロンドン=小林恭子)(2014/10/21)


科学
【SMC発サイエンス・アラート】Global Carbon Project の二酸化炭素排出に関する論文について:専門家コメン
 23日から国連気候変動サミットが始まりました。9月22日に、世界の二酸化炭素排出量と地球温暖化に関する4本の論文がNature Geoscience誌やNature Climate Change誌、Earth System Science Data誌へ掲載されました。化石燃料の燃焼とセメント生産により、世界の二酸化炭素排出量の増加がハイペースで続いていることを裏付ける内容です。今世紀中の気温上昇を2度以内に抑えることが目標ですが、二酸化炭素排出枠を各国に割り当てることで気候を安定させるには限界がきていることも示唆しています。(サイエンス・メディア・センター)(2014/09/24)


反戦・平和
沖縄の米軍基地問題におけるNDの活動意義とは 〜民間シンクタンク「新外交イニシアティブ」(ND)猿田佐世事務局長インタビュー〜
 日本政府は8月17日、沖縄の米軍海兵隊普天間飛行場の代替施設を名護市辺野古区の沖合に建設するべく、沿岸部の埋め立てに向けた海底ボーリング調査に着手した。調査期限の11月30日までに地盤の強度や地質等を調べ、調査結果を踏まえて代替施設の設計図を作成。来秋以降、埋め立て工事に着手するという。(坂本正義)(2014/09/23)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(18)
 私の住む地方都市は、観光で何とか食いつないでいるような場所で、子供の夏休み頃には連日、東京から車や人が押し寄せて道路は大渋滞になります。祭があったり、花火大会があったりと、夏は一番賑わう時期です。 (2014/09/23)


みる・よむ・きく
菅原一剛著 「写真がもっと好きになる」
  写真家の菅原一剛氏が書いた「写真がもっと好きになる。」は本当に写真が好きになる本だ。表紙がオレンジで、上質な紙を使い、文章の中にはたくさんの菅原氏による写真が掲載されている。このリアルな紙の本の質感がたまらなくよい。このことは菅原氏が本書の中で説いている写真を紙焼きしてみることが大切だ、という言葉と通底している気がする。(2014/09/17)


みる・よむ・きく
ロンドン五輪の輝きをすくいとった専属画家に聞く −9月28日まで博物館で作品展示中
120  2012年の夏に開催されたロンドン五輪とパラリンピック大会。当時、ロンドンを中心として英国内に独特のお祭りムードが発生した。大会の様子を記録するために、ロンドン市長からじきじきに「五輪専属画家」の仕事を依頼されたのが、新聞の政治風刺画家として長い経験を持つ、ニコラス・ガーランド氏(79歳)だ。その作品群が9月28日まで、「ロンドン博物館」(ミュージアム・オブ・ロンドン)で展示中だ。同氏の自宅で制作過程を聞いた。(ロンドン=小林恭子)(2014/09/09)


コラム
ネット言論統制への道
  インターネット空間のブログやツイッター、フェースブックなどを通した自由な言論が盛んになったのはこの10年ほどの間である。かつて記者クラブ制度を通して、世間に出してよい情報と出してはいけない情報を官庁は統制していたのが、今ではそれができなくなってきた。新聞の記者クラブ制度は続いているとしても、その記事に対する批判あるいは付加情報として、記事の背景などやそれについて知っている関係者の声がインターネットを通して世に出るようになっただけでなく、ツイッターを通して瞬時に「拡散」されるようになってきた。(2014/09/09)


反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】 国際協力NGOの現場から(3) イラク戦争検証ですべてが見えてくる 谷山博史
 本当にいいたいのはイラク戦争のことです。イラク検証をきちんとやることで、問題がみんの前に明らかになるし、そのなかから運動も出てくるのではないかと思っているのです。いいかえれば、日本はイラク戦争のような戦争に参加しないと言い切れるのか。このことをきちんと問いつめないと、集団的自衛権の行使を含めた武力行使の容認といっても、リアリティを普通の人は感じない。日本や日本人が攻撃されたときに日本人それを守るのだから容認も仕方ない、というような感情論に訴える言い方がかなり国民の間に浸透してますよね。しかし、ひとたび武力行使を認めればアメリカが主導したイラク戦争のようなものにも参加従軍し、日本と関係のない国の住民を殺し、日本の若者も殺されるという現実性がきわめて高いのだということをどうやって伝えられるか。だからこそ私たち国際協力NGOと市民団体はイラク戦争検証を繰り返し訴えてきたのです。(聞き手:大野和興)(2014/09/08)


みる・よむ・きく
アリストパネス作 「女の平和」
  今年の1月ころ、日本で女性の集団が都知事選に立候補したある候補者に投票した男とはセックスをしない、という運動を繰り広げていた。結果として、その候補者が圧勝となってしまったのだが、いったい女性たちによるセックスストライキは効果があったのだろうか。(2014/08/26)


文化
【核を詠う】(162) 本田信道『歌ノート 筑紫から』の原子力詠を読む(2) 「被爆地と被曝地帯とある国の原発存続、どこまで論じた」 山崎芳彦
8月17日の朝日新聞に政府広報(復興庁、内閣官房、外務省、環境省)の全面広告「放射線についての正しい知識を」なるものが掲載された。政府広報だから、他紙にも一斉に展開されているのだろうと思ったが、確かめていない。それは、「今月3日、政府は福島県より避難されている方々を対象に、放射線に関する勉強会を開催し、放射線に関する様々な科学的データや放射線による健康影響などについて専門家からご講演をいただきました。」その内容の一部(だろう)が、「放射線を恐れるな」、「福島原発事故による放射線被曝は危なくない」キャンペーンであった。政府公認・御用達の放射線に関する「専門家・有識者」グループの一員としておなじみの中川恵一・東京大学医学部付属病院放射線科准教授と、レティ・キース・チェム国際原子力機関(IAEA)保健部長(当時)がCMタレントである。(2014/08/25)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(16)
 私は職業柄、患者さんに痛いことをよくします。痰吸引だったり、点滴の針を刺したり、大腿骨を折って痛みの強い患者さんにだって「体位変換をしなければ褥瘡ができるから」と言って体位を変えてみたり・・・。 (2014/08/25)


反戦・平和
【編集長インタビュー 集団的自衛権を考える】 国際協力NGOの現場から(1) 地元社会の信頼こそが究極の安全対策 谷山博史
120  安倍首相はなぜ集団的自衛権が必要なのかと問われ、大きな理由として在外邦人の安全確保をあげている。そのために自衛隊の海外出動が本当に必要なのか。かつては内乱のカンボジアで、エチオピアで、アフリカの難民キャンプで、そして今もパレスチナで、スーダンで、アフガニスタンで、イラクで人道支援に活動する国際協力NGO日本国際ボランティアセンター(JVC)の代表理事谷山博史さんに聞いた。谷山さんは「僕たちはそもそも自衛隊に守ってもらうなんてことは想定していません。武力に頼ることは逆にNGOスタッフも企業の社員も危険に陥れることになる」と語り、安倍政権の、日本人救出に武装した自衛隊員が活躍する“美し物語”を批判する。(聞き手 大野和興)(2014/08/17)


米国
オバマの味方は? アメリカ中間層とアフリカ指導者層の喝采?? 平田伊都子
120  2014年8月1日、「7月の新規雇用は209,000人、6か月連続で新規雇用が20万人を超えているのは、1997年来のことで歴史的な快挙だ!」と、アフリカ系アメリカ大統領オバマがホワイトハウスの記者会見場に突然現れ、アピールしました。 が、なんだか白けムード、、イラク戦争、アラブの春、シリア戦争、パレスチナ戦争、プーチン虐め、と、オバマの対外政策はまるでブッシュ前大統領と同じだし、国内の支持率もじり貧状態だし、 (2014/08/05)


文化
【核を詠う】(158) 『朝日歌壇2013年1〜12月』から原子力詠を読む(3) 「『東京は安全です』と言われれば区別の助詞の『は』がひっかかる」 山崎芳彦
 今回で『朝日歌壇2013年1〜12月』から読む原子力詠の最後になる。多くの人が原子力、特に原発事故に関わる短歌作品を詠み、朝日歌壇に投稿していて、選者によって採られて掲載されている作品の背景には相当な数の作品があることを思いながら読んでいる。筆者の感想を一つだけ記すが、いまこの国の全国各地に原発があり、その再稼働問題がかなり差し迫った状況にある中で、それぞれ原発が立地している地域(狭い範囲ではなく)に生活されている人々の中から、多くの短歌作品や、それだけでなく詩や俳句などの文学作品が生まれ続けてほしい、それが積極的に新聞媒体をはじめ、中央、地方の歌壇世界などの中で広められることがもっとこれから続けられてほしいということである。福島原発事故以前から、その危険性、事故の避けられない発生を警告する作品が、福島をはじめ原発立地周辺の歌人、詩人によって発表されていたことを、筆者は3・11後になって知ったのであった。筆者の不勉強、感性の鈍さ。(2014/07/18)


みる・よむ・きく
映画『グレート デイズ 夢に挑んだ父と子』を見る 「人間捨てたもんじゃない」 笠原真弓
120  私はもう40年くらい、障害児(者)の水泳指導のボランティアをしている。それで、そういうテーマの映画は、なんとなく見に行っている。この映画、『グレート デイズ 夢に挑んだ父と子』も、障害者の映画なのだ。もうすぐ18歳になる車椅子の息子と、息子に正面から向き合おうとしない父、仕事にも、息子にも懸命に取り組む健気な母と優しい姉や友人たちの醸し出す空気を捉えた、最高のホームドラマだ。(2014/07/09)


欧州
「20世紀はここで始まった」 サラエボ事件の意味を解き明かす会議を開催した教授に聞く
 第1次大戦勃発から100年となった今年6月末、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで「サラエボ事件を俯瞰する −1914年の事件、物語、記憶」と題された国際会議が5日間の日程で開催された。会議終了の翌日、オーストリア・ウイーン出身のラスナー教授に会議の意義や、サラエボ事件、第1次大戦についてのボスニア・ヘルツェゴビナとオーストリアでの受け取り方を聞いてみた。(小林恭子)(2014/07/06)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(10)
 夜勤専従も2年目に突入しました。以前、「夜間働いている人は、昼間働いている人よりも鬱になる傾向が強い。夜勤に従事するのであれば、ポジティブな性格の人の方が向いている」という記事を読んだことがありますが、何とか体調を崩すことなく過ごせています。(れいこ)(2014/06/25)


文化
【核を詠う】(155) 山本司歌集『揺れいる地軸』の原子力詠を読む(5) 「日本の地軸揺れ来しこの後の行方を問わんいかなる国へ」 山崎芳彦
 山本司さんの歌集『揺れいる地軸』から原子力にかかわる作品、と作者が読んだ短歌を読ませていただいてきたが、今回で終わる。この歌集の「あとがき」で山本さんは東日本大震災、福島第一原発事故に向き合って、「歌人としては徹底してこれらの事態の今後の推移を作歌すべきだと思いが至り、この歌集の刊行を得た」と記したが、2011年3月11日から一年間で実に2590首を詠み、その後も精力的に詠み続けた果実から、この歌集に719首を収められたという。筆者も拙く歌う者の一人であるが、山本さんの作歌への情熱的な取り組みに敬意を深くした。日々、たゆまず、思いを凝らし、社会の動きをとらえ、作品化し続けている山本さんは、今日も歌っておられることだろうと思いながら、この連載に歌集から抄出掲載させていただいた。お礼を申し上げたい。(2014/06/17)


医療/健康
夜勤ナースの独り言(9)
現在私が働く病院は、地域柄、元漁師さんの患者さんが多くいます。中でも、若い頃から漁師として働いてきた人は、漁船のエンジンが発する大きな音を間近で聞きながら仕事をなさってきたので、難聴を患っている人が非常に多くいます。職業病でなくても、高齢になれば多少なりとも耳の聞こえが悪くなったりするわけですが、それだけでは説明が付かないほど、難聴の患者さんの多さに驚かされています。(れいこ)(2014/06/03)


検証・メディア
英国で新たな新聞界の自主規制組織が生まれる −大衆紙の盗聴事件を受けて
 英国の新聞・雑誌業界に新たな規制・監督組織が、今年いよいよ立ち上がる。大衆紙の大規模な盗聴事件発生への反省を機に設立される「独立出版基準組織」(通称「IPSO」=Independent Press Standards Organisation)だ。報道基準の遵守体制を厳格化し、巨額の罰金を科す力を持つ。先に自主規制組織として機能してきた「報道苦情処理委員会(「PCC」=Press Complaints Commission)」の後を引き継ぐもので、IPSOが発足次第、PCCはなくなる。(ロンドン=小林恭子)(2014/06/01)


米国
ホワイトハウスの緊急課題は? クリーンエネルギー計画? 気象異変? 山火事? 銃規制! 平田伊都子
120 「福島第一原子力発電所の事故後、電力不足が懸念される日本では、経済的にエネルギー問題を解決する方法への関心が高まってます。ローレンス・バークレー国立研究所のアラン・マイヤー博士を迎え、講演していただきます。エネルギー問題にご関心のある皆様のご参加をお待ちいたしております」というアメリカ文化センターの案内状に誘われて、筆者は2014年5月23日、講演に行きました。 センターの催し物は無料というのが、何よりも魅力です。 それに、催し物がつまらなくても、いつも大きな収穫があるのです。(2014/05/27)


反戦・平和
新外交イニチアティブ(ND)主催「今なぜ、集団的自衛権なのか」
 「外交」と言うと政府の独占事業のような響きがあるが、普通の市民が主役を張る外交もある。民間シンクタンク「新外交イニシアティブ」(ND/New Diplomacy Initiative)はその担い手の1つである。 (2014/05/21)


コラム
「隣人、親、先生をうたがえ」 鬼塚忠
  先日、あるユダヤ人を取材したときに、こんな話を聞いた。日本では、「隣人、親、先生など人をうやまえ」と教えているが、それは違うのではないかと言う。しかし、人間であれば人を尊重することは大事なのではないか。そう思っていると、「隣人、親、先生をうたがえ」が正しいあり方だと言うのだ。(2014/05/18)


核・原子力
『美味しんぼ』—鼻血論争—その2 落合栄一郎
  この論争は、日本全体を巻き込んで、なかなか終息しそうもないようである。おそらく、徹底的に論争し、問題点を明確に、市民が意識することは望ましいと思われる。しかし、そのなかで、福島の市民(に限らない)で、実際に鼻血も含めて様々な健康障害を受けている方々の愁訴の声が、忘れられているようです。この点では、被害を受けられている方々にとっては、むしろ迷惑と思われているように伺いました。正直に申しあげて、筆者自身は、海外にいて、日本の実情を直接知る機会のない人間ですので、こうした点に関してはなんらの発言の根拠も持ちません。そこで、MLなどを通して知り得たいくつかの情報を、共有したいことと、この論争に反映されている、放射能の科学的真実について、もう少し申しあげたいと思います。(2014/05/17)


教育
「日本とフランスの教育からみえること」 〜飛幡祐規&瀬川正仁〜
カフェらむぶる 第1回「日本とフランスの教育からみえること」講師:飛幡祐規さん、瀬川正仁さん 司会進行役:谷本道昭先生(東京芸術大学・放送大学非常勤講師)2014年5月28日(水曜日)14:30〜17:00文京学習センター2階 講義室2(2014/05/16)


コラム
アイヒマンは凡庸だったのか? 〜映画「ハンナ・アーレント」を見て〜
  最近、ナチ戦犯の裁判を扱ったドイツの話題の映画「ハンナ・アーレント」を見た。ハンナ・アーレントはユダヤ系ドイツ人として生まれたが、ナチスの台頭によって渡米し、米国で政治哲学者として活動した。その著書にはファシズムや全体主義のメカニズムを浩瀚な資料を網羅して追究した「全体主義の起源」「革命について」「人間の条件」などがある。このアーレントが自らの青春の受難ともかかわるナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンの裁判を傍聴にエルサレムに出かけた経緯を描いたのがこの映画である。(村上良太)(2014/05/16)


文化
【核を詠う】(152) 山本司歌集『揺れいる地軸』から原子力詠を読む(2) 「原発の作業員死せり原因は不明と発表 未だに変わらず」 山崎芳彦
 前回に引き続いて山本司歌集『揺れいる地軸』から原子力にかかわる作品を読み続けるのだが、歌集に収録された山本さんの作品は、東日本大震災の大地震・津波による被害の深刻さや、あるいは政治、経済、社会の動向、さらには世界的視野での動き、その他多方面にわたり、その作品群をもって編むことによって「揺れいる地軸」を掘り下げ捉えようとする意図があるのが特徴だと思えば、原子力詠に限定しての作品抄出は、作者の意に合わないだろうことを考えながら、あえてこの連載の意図によって読ませていただくことをお許し願いたい。(2014/05/03)


人権/反差別/司法
冤罪被害者が語った家族への思い 〜3・25院内集会「全事件・例外なき可視化を!」より〜
 4月6日に東京・大田区総合体育館で開催されたWBC(世界ボクシング評議会)世界タイトル戦の中で、袴田巌さん(78)に贈られた名誉チャンピオンベルトを入院中の巌さんに代わって受け取り、高々と掲げる姉・秀子さん(81)の姿を見て、秀子さんはこれまでどのような日々を送ってきたのだろうと思った。 (2014/04/30)


検証・メディア
「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(最終回) メディア周辺のことを考えてみよう
 「まず越えるべきステップは、その報道を担当している人が、自分が強く知りたいと思ったこと、国民も知りたがっているだろうことについて、上司の許可をとるとかではなくて、ツイッターでも何でもあらゆる手を通じて提供するということだと思います。そうすることで視聴者との距離が近くなるのではないかと思います。」(講演記録より=小林恭子)(2014/04/29)


検証・メディア
「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(3) メディア周辺のことを考えてみよう
 イギリスで秘密保全のための組織がどうなっているのかということですが、組織として一つ大きいものがあるわけではありません。国防に関する機密情報については、議会の情報安全保障委員会があります。これは、94年の情報機関法第10条に基づいて設置されました。(講演記録より)(2014/04/28)


検証・メディア
「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(1) メディア周辺のことを考えてみよう
 昨年末、「マスコミ倫理懇談会」の全国協議会、第12期「メディアと法」研究会の第5回の場で、「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」という題でお話をさせて頂く機会があった。私自身がメディア報道にがっかりしたことも話してみた。ただ、メディアは私たちの外に独立して存在しているのではない。メディア=私たちなのである。以下は講演記録を若干修正したものである。(小林恭子)(2014/04/26)


労働問題
夜勤ナースの独り言(5)
私の働く地域は僻地なので、周辺には都内のように専門病院がありません。ですから、精神疾患を持つ患者さんであろうが認知症で徘徊する患者さんであろうが、病気になったら急性期の病院に入院せざる得ない場合があります。 (2014/04/23)


みる・よむ・きく
中国の資本主義化が生んだ都市化を労働者化の影 『チャイナズ・スーパーバンク 中国を動かす謎の巨大銀行』 ヘンリー・サンダーソン、マイケル・フォーサイス/築地正登訳
『チャイナズ・スーパーバンク 中国を動かす謎の巨大銀行』(ヘンリー・サンダーソン、マイケル・フォーサイス/築地正登訳/四六判/304頁/本体価格2800円+悪税)を買いました。著者はブルームバーグの記者。奥付は2014年4月3日第一刷ですから、出たばかりですね。(稲垣豊)(2014/04/09)


文化
【核を詠う】(148) 福島の歌人グループの歌誌『翔』から原子力詠を読む(5) 「原発に真向ひ生き来し友なるを歌集一冊『青白き光』」 山崎芳彦
 福島の歌人による同人歌誌『翔』(季刊)を読んできているが、今回は第42号(平成25年1月26日発行)、第43号(同4月27日発行)の作品から原子力詠を読ませていただく。同誌の作品はもとより原子力にかかわる短歌に限定して収録しているわけではなく、それぞれの歌人が個性のある多彩な作品を寄せている。しかし、この連載で詠み始めた第35号(平成23年4月発行)以後、東日本大震災・福島原発壊滅事故に関わっての作品が大きなウェイトを占めているのは、地震・津波の被災と、さらに深刻極まりない原発事故が解決、収束の見通しがなく続いているなかで、福島の地に生き、生活し、思い、日々を過ごしながら詠い続けているのだから、それぞれ置かれている立場や生活の場、家族や地域の現実が異なりはしても、当然であろう。(2014/03/28)


欧州
移民の多い町マルセイユで社会党大敗 右翼政党・国民戦線が社会党の地盤を揺るがす
  23日に行われたフランス地方選、ルモンドによると、注目の選挙区、マルセイユ市では開票の結果、社会党の地盤だった北部の第七連合区で右翼政党の国民戦線がトップとなり、社会党の勢力が大きく後退している傾向が明らかになった。人口80数万人のマルセイユ市には行政区分として8つの連合区(secteur)があるが、第七連合区は人口が最も多い地区である。一方、マルセイユ市の南部はサルコジ大統領の属する国民運動連合がおさえている。(2014/03/24)


東日本大震災
防潮堤建設に異論唱える首相夫人 あの原発大惨事から丸3年を経て 安原和雄
 ユニークな首相夫人が登場してきた。東日本大震災の被災地で政府が進める防潮堤建設プランに異論を唱えているのだ。世に言う「夫唱婦随」に堂々と反旗を振りかざしているのだから世の関心をかき立てずには置かない。巨費を投じ、とかく税金の浪費、無駄に走る土建業に真っ向から挑戦する形となった。首相夫人の言い分には十分な理がある(2014/03/14)


コラム
パリの散歩道 生演奏の町
120    パリは欧州一二を争う観光地である。観光地ということは観光客に対するサービスが重要な要素だが美しい街並みだけが魅力ではないことは言うまでもない。ファッションや美食に加えて、意外と忘れられているのが音楽なのである。音楽と言うと隣国ドイツのベルリンがすぐに思い浮かぶのだが、パリの強みはあちこちで生演奏が行われていることだ。(2014/03/04)


コラム
人はほめて育てろ! 鬼塚忠
  2月9日。鹿児島の鹿屋まで、友人である松永太郎さんが演出するミュージカル「ヒメとヒコ」を観にいった。実は去年もこの舞台を観に行っていた。その際、一公演だけ観るつもりが、あまりの完成度に私は4回も観た。期待をいい意味で大きく裏切るクオリティだった。そのなかでも特に光っていた女性がいた。高校二年生の宮園唯さん。私は松永さんに頼んで唯さんと直接話をさせてもらった。(2014/02/18)


政治
ロバート・ダール氏が死去 ‘ポリアーキー’で知られる元米政治学会会長 〜米国は民主主義国か?その統治者は誰か?〜
  先週、アメリカの政治学者ロバート・ダール(Robert Dahl)氏が死去した。元米政治学会会長で、98歳だった。ロバート・ダールと言えば「ポリアーキー(Polyarchy) という政治用語を用いたことで知られる。しかし、筆者が学生の頃、なかなかこの言葉には日本でイメージしづらいものがあった。「ポリアーキー」という著書を買ったことがあるのだが、恥ずかしながら何一つ記憶にないのである。そこで30年後にもう一度、ダール氏の学説がどのようなものだったのか概略だけでもつかみたいと思い、インターネットで調べてみることにした。(2014/02/10)


政治
原発に頼ってきたことがどれほど人を傷つけて、命を落としてめて行ったかという事を、私は現場で見て来たんです 桜井南相馬市長、都内で語る
 明日投票日を迎える東京都知事選挙。最大の争点はやはり脱原発か原発推進か、だろう。東京電力福島第一原発の暴走で深刻な放射能被害をいまも受けつつある福島の人びとは、この選挙をどうみているか。ここにその解答の一つがある。脱原発を掲げる細川候補の応援に駆け付けた桜井勝延南相馬市長の、多くの人に感動を与えたスピーチである。桜井市長は大雪の都内で、今日も街頭に立っていると聞く。2月2日、都内での桜井市長のスピーチを紹介する。(大野和興)(2014/02/08)


文化
【核を詠う】(141)『角川短歌年鑑』(平成24〜26年)の「作品点描」から原子力詠を読む(1) 山崎芳彦
 「角川短歌年鑑」は、毎回「作品点描」にかなりの頁を割いて、その年の総合短歌誌、結社誌などに掲載された作品から、歌人が作品と作者を「点描」する企画を続けている。「点描」を書く歌人が選ぶ歌人とその作品についての評言、作品の読みなど、それぞれ個性や視点の据え方は当然区々であり、面白い企画だと読んでいる。今回から、その「作品点描」が取り上げた原子力詠を、平成24〜26年版の3年分を読みたい。(2014/02/07)


みる・よむ・きく
デカルト著「方法序説」 〜近代を考える〜
   西欧近代哲学の始祖としてよく引き合いに出されるのがフランスのルネ・デカルト(Rene Descartes 1596-1650)である。そのもっとも知られた本が「方法序説」だ。批評家の小林秀雄がどこかで<「方法序説」という訳はいかめしい。本来は「方法について」くらいの平易なタイトルだ>と言った意味合いのことを書いていたように思う。実際に元のタイトルは'Discours de la methode'であり、直訳すると「方法についての論」なのである。デカルトが「方法序説」でかかげたその方法とは簡単に言えば以下の4つ。(2014/02/03)


コラム
オヤジはニュースが好き ソンタク
120    最近ある放送局で新たに抜擢された会長の発言が波紋を呼んでいる。そのせいでソンタクという言葉をしばしば耳にする。「職員たちは会長の意向をソンタクして・・・」などと巷では言っている。しかし、ソンタクという言葉は難しい。(2014/02/01)


核・原子力
「脱原発・原発ゼロ」こそが都知事選の最重要争点―人類史的な課題に関わる選択 「100000年後の安全」を観て再確認した 山崎芳彦
 アップリンクの無料ネット配信により「100000年後の安全」を観て、改めて脱原発・原発ゼロへの大きな一歩を確実に、具体的に踏み出すことは、この原発列島が再び稼働することによって全人類的、地球的な破綻への道を進むという犯罪行為を食い止めるために、いまを生きる私たちの大きな責務であることを痛感した。多くの人々に「100000年後の安全」を観て欲しいと思い、友人知人に呼びかけている。アップリンクの無料ネット配信に敬意を表したい。都知事選挙の投票日まで無料配信が続けられることは、本当に意味深いことである。(2014/01/31)


ITフロント
【山下茂のういんど〜ず注意報】だましの手口
 会社のお昼休み、近くの中華屋さんでラーメンがくるまでぼうっとテレビを見ていました。番組はお昼のワイドショー、話題は悪質な詐欺事件。したり顔であーでもないこーでないと出演者どうしでぺちゃくちゃ…。そしてやおらフリップを持ち出して悪質詐欺の手口の解説が始まりました。それによると(2014/01/31)


科学
【SMCサイエンス・アラート】多能性細胞を作る新手法を開発:海外専門家コメント
理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらは、様々な臓器や組織の細胞になる多能性細胞を作る新たな手法を開発し、30日付けのNatureに発表しました。マウスの細胞で実験したところ、弱酸性の溶液に入れて刺激を与えることで多能性を引き出せるようになりました。開発した手法で作成した細胞はstimulus-triggered acquisition of pluripotency (STAP)細胞を名づけました。この論文に関して、英国SMCから専門家コメントをお送りします。(2014/01/30)


コラム
西サハラと東京 〜1975年から難民生活〜
120   西サハラを訪ねたのはおよそ2年前の12月。難民キャンプの人々と同じ施設に寝泊まりした。冬でも風呂はないし、あるのはシャワーだが温水などない。冷たい水である。西サハラも冬は冬、とても冷たい。ゆっくり風呂に入って1日の疲れをいやすというようなことはありえない。(2014/01/27)


農と食
BSE(牛海綿状脳症)は本当に心配なくなったのか 日本も世界も次々月齢規制緩和
 米国農務省は2013年11月1日、外国産牛肉の輸入制限を全面的に撤廃する方針を公表した。これは、2014年3月4日よりBSEについて「無視できるBSEリスク」と「管理されたBSEリスク」の国からの牛肉の輸入を認めるというもの。米国がこの輸入規制撤廃を理由に、米国産牛肉に対して30か月齢以下の輸入規制措置を取っている日本や韓国などに対して、米国産牛肉の規制撤廃を要求してくる布石ではないかという見方も出ている。(有機農業ニュースクリップ)(2014/01/10)


みる・よむ・きく
米小説家デイブ・エガーズの話題作「サークル(The Circle)」 〜ソーシャルメディア時代の生を問う〜 とうとうプライバシーがなくなって・・・
  デイブ・エガーズ(Dave Eggers)の最新作は「The Circle(サークル)」と題する小説である。書評によると、今度はフィクションで、悪夢的な近未来小説のようだ。今全盛期を誇る検索エンジンとソーシャルメディアを売りにする<サークル>というIT企業に就職した若者たち。彼らは四六時中、端末に短いメッセ―ジを打ち続ける。会社にいる間だけでなく、家に帰ってもどこにいても。彼らにとってアクセス数を増やすことと、サムズアップ!(いいね!)マークをたくさんゲットすることは仕事なのである。こうして最早プライベートと仕事との境界線はなくなっていく。(2014/01/05)


沖縄/日米安保
戦争と医療保険費
  解釈改憲によって集団的自衛権を行使した場合、自衛隊が海外のどこに派兵されるかは、時々の状況によるだろう。日本の場合、安保条約を結んでいる米軍と協力する可能性が高いと見られている。米軍は今年、シリア戦争直前で踏みとどまったが、債務危機がまた話題になるであろうように財政的には戦争どころではなくなっている(*年末の与野党財務委員会の妥協で軍事費は増強し、Medicareなど他の財源を大幅カットすることになりそうだ)。軍事予算で削れるところは核兵器であれ削減したいところなのだ。しかし、年々額が増加していて、削減不可能なものがある。それが米軍人に対する医療保健費である。(2013/12/25)


みる・よむ・きく
元農相がTPP反対本を出版、山田正彦著『TPP秘密交渉の正体』 上林裕子
120  「TPP阻止国民会議」副代表で、元農林水産大臣の山田正彦氏がTPPの実態について書き下ろした。民主党内閣で閣僚を務めながらもTPP参加には断固反対を貫き、民主党政権下でのTPP参加に歯止めをかけた。(2013/12/21)


コラム
外国の新聞とユーモア 〜ユーモアは必要?〜
   「日本の新聞はユーモアがないから総じてダメだ、それにひきかえ外国の新聞にはユーモアがある。」こんなことを言って日本の新聞を批判する人が時にいる。だが、本当なのか?(村上良太)(2013/12/19)


コラム
神頼み 〜九頭龍神社に行く〜 鬼塚 忠
   今月13日は金曜日だった。キリスト教を信じる国では不吉な日だ。理由は、諸説あるがキリストが磔にされた日という説が有力かもしれない。しかし、日本ではそうではない。金曜日というのは関係ないが、13日というのは意味がある。それは箱根の九頭龍(くずりゅう)神社の月次祭が行われるからだ。ここに祈るとご利益があるらしい。(2013/12/18)


コラム
パリのアパートの扉〜一つ間違えると近所迷惑に〜
120   パリのアパートで暮らし始めて、次第に分かってきたことは周辺の住民たちは週末になると、夜中に大騒ぎをするということだ。特に深夜に歌を朗々と歌ったりする。しばしばうるさくて睡眠の障害ではあるのだが、人間らしさもあって決して嫌いではなかった。ところが・・・。ある日、大家さんからEメールが届いた。(2013/12/15)


検証・メディア
特定秘密保護法案とテレビ 民放とNHK
  特定秘密保護法案をマスメディアがどう報じてきたかをめぐってネット上で様々な声が飛び交っていた。初期はマスメディア、とくにテレビは総じてこの法案を無視している、という声が大きかった。しかし、11月の半ばを過ぎてから、あるいは11月の末あたりから、だんだんテレビでも民放がこの問題を熱心に取り上げるようになったらしい。民放の放送人が集まって特定秘密保護法案に対する反対の声明を記者会見をしたあたりだろうか。もちろん、そこには「成立したあとのアリバイ作りに過ぎない」という冷ややかな声もあった。本当に法案成立を阻止する気があったのなら、もっと早くから本腰を入れて取り組むべきだったというのである、メディア自らの運命を変える重大な法案なのだから。(村上良太)(2013/12/11)


コラム
パリの階段 〜カロリーを消費する時〜 
120   パリ市内には築100年、築50年という古いアパートがたくさんある。これらの建物には基本的にエレベーターがない。古典のフランスのサスペンス映画などで、粋なエレベーターに乗って殺し屋がやってきたりするシーンがあるが、あのようなものはあまりないのである。だから住民は毎日、階段を上り下りすることになる。エレベーター完備の日本のマンションからすると、信じられないかもしれないが、パリの人々の多くはそのように暮らしているのである。(2013/12/10)


政治
選挙の問題点 〜民意をもっと反映する選挙制度へ〜小選挙区制の見直し、会期末に全法案に対する国民投票(チェック制度)、若者の政治参加
   国民の多くの希望に反して、このように与党が暴走することができた原因はいくつかある。ここで3つ揚げたい。〜挙制度の問題(小選挙区制は民意を正しく表現しているか)∩挙期間の争点と国会でのテーマのずれ若者の政治不参加である(村上良太)(2013/12/07)


政治
悪法・秘密保護法案を批判する メディアは国家権力と対峙せよ 安原和雄
  特定秘密保護法案は稀に見る悪法というほかない。その悪法が11月26日夜の衆院本会議で可決された。前日の25日、福島で開かれた地方公聴会では首長や学者ら7人が同法案に意見を述べたが、賛成の声はないどころか、「一番大切なのは情報公開だ」と力説する人もいた。たしかに民主主義の土台は情報公開である。ところが安倍政権は情報公開に背を向けている。このことは安倍政権が民主主義そのものを否定し、同時に新聞、放送などメディアの自由な報道を拒否することにつながる。(2013/12/04)


コラム
パリの物乞い
  パリを歩いていると、あちこちで物乞いに出会うことになる。フランス人の知人に聞くと、最近ぐっと増えたそうだ。物乞いの中には他国から渡ってきたであろう人々もいれば、零落したフランス人と見える人もいる。具体的に話を聞いたわけではないから、出身地とか事情は不明だが、確かなことはたくさんいる、ということだ。(村上良太)(2013/12/03)


みる・よむ・きく
「現代政治学の基礎知識」(有斐閣) 〜政治の再構築に向けて〜
    有斐閣から1975年に出された「現代政治学の基礎知識〜基礎概念・理論の整理と検証〜」という本がある。当時、政治学の教鞭を取っていた53人の教授・准教授が310の問題に対して、それぞれ担当した問いの模範解答を記している。世界政治から国内政治、地方自治まで様々なレベルの事項が問題・解答形式で読める本である。編集代表は内田満、内山秀夫、河中二講、武者小路公秀。この1冊を読むだけでも、政治を考えるためのかなりの基本的な視点が得られるはずである。だが、本書の価値は試験や就職のために限定されない。むしろ、労働者や市民が、この本で政治学の概略図をつかんで、原典に触れるためのものだ。(2013/12/02)


検証・メディア
ツワネ原則   〜国家秘密と国民が知る権利および内部告発者の保護に関する国際原則〜ウィキリークス以後の世界を考える
  国家の秘密と国民の知る権利をどう調整するか、その基本原則を国際的な会議の場で決めたのがツワネ原則(Tshwane Principles)である。様々な団体がこのツワネ原則の原文をウェブサイトで紹介している。ここにリンクを張るのは米国のACLUのウェブサイトである。(村上良太)(2013/12/01)


国際
【北沢洋子の世界の底流】
NSAがなぜ彼女を、02年以来10年以上も、盗聴対象にしてきたのか。さらに早くから「宰相」と呼んだのか。メルケルは東独出身のパットしない政治家だった。当時野党だった「ドイツ・キリスト教民主同盟(CDU)」の 党首になったのは2000年だが、首相に就任したのは05年であった。NSAは野党時代のメルケルが、将来首相に就任するのをどうして予期していたのか。さらに、メルケルは、野党党首時代、ブッシュ政権のイラク侵攻を声支持した。金融危機が始まると、EUの中でドイツだけが優等生。なぜこのように親米な政治家の盗聴をしたのか。(2013/11/28)


政治
安倍政権、特定秘密保護法案成立に向け強行突破  抗議の声を上げ続けよう  根本進
 11月26日、特定秘密保護法案が衆院特別委員会で強行採決された。特定秘密保護法案という法律は、一度、成立してしまえば、もう、だれにも、乱用や暴走を止めることはできないという本当に恐ろしい法律だ。だれかが国の秘密を漏らしてはいないか、漏らしそうな人間かどうかを調査する権限を警察などに与えるものである。多くの人が自分は調査対象にはならないだろうとのんびりとしている。自分たちの暮しには関係ないことだと思い込んでいる。しかし、この法律が成立すれば特定秘密に関係しそうな民間人は家族まで調査対象になるのだ。国民全体が国家権力の監視の下に置かれ、人権は容易に侵害されるようになるのである。(2013/11/26)


コラム
ロシアから見る特定秘密保護法案  〜日本がソビエト化する日〜
  ロシアを旅した時、日本のある大手メーカーの現地職員を工場に訪ねたことがある。その工場はソ連時代の国営工場だったものを日本企業が買収して、日本人の経営者と技術者を送り込んで新たな製造ラインを稼働させていたものだ。その時、日本人のマネージメント担当者はロシア人の労働者についてこんな発言をした。「ロシア人は非常に勤勉ですよ。かつてロシア人は怠け者、というイメージがありましたが、決してそうではありません。ただ・・・」彼はこう続けたのだ。(村上良太)(2013/11/24)


国際
【北沢洋子の世界の底流】メルケルはなぜ盗聴されたのか
NSAがなぜ彼女を、02年以来10年以上も、盗聴対象にしてきたのか。さらに早くから「宰相」と呼んだのか。メルケルは東独出身のパットしない政治家だった。当時野党だった「ドイツ・キリスト教民主同盟(CDU)」の 党首になったのは2000年だが、首相に就任したのは05年であった。NSAは野党時代のメルケルが、将来首相に就任するのをどうして予期していたのか。さらに、メルケルは、野党党首時代、ブッシュ政権のイラク侵攻を声支持した。金融危機が始まると、EUの中でドイツだけが優等生。なぜこのように親米な政治家の盗聴をしたのか。(2013/11/22)


検証・メディア
特定秘密保護法案、報道に乏しい危機感 藤田博司
  特定秘密保護法案を安倍政権はこの秋の臨時国会で成立させたい意向だという。日本版NSCと呼ばれる国家安全保障会議設置法案と抱き合わせで今国会での目玉とされている。野党や法曹界からは反対の声があがり、多くの問題点が指摘されている。しかし政府はこの特定秘密保護法案を強引に国会審議にかけ、押し通す構えを見せている。ことは国民の知る権利や報道の自由に関わる重大な意味を持っている(2013/11/02)


みる・よむ・きく
「忍耐と我慢」は今も続いている 21世紀版映画「おしん」を観て 安原和雄
  最近(2013年10月下旬)、21世紀版映画「おしん」を観る機会があった。どこにこれほどの涙が隠れていたのかと思えるほど涙が止まらなかった。私にとって30年前の連続テレビドラマ「おしん」物語には断ちがたい想い出がある。「忍耐と我慢のシンボル」ともうたわれたこのドラマは、当時も涙なしには観ることができなかった。今指摘すべきことは、「おしん」は単なる昔話ではなく、現在進行形の「忍耐と我慢」の物語にほかならない(2013/11/02)


文化
【核を詠う】(129)『朝日歌壇2013」から原発詠を読む(三) 「炎天に我もとぼとぼ蟻のごと脱原発を唱えて歩く」  山崎芳彦
 二度目になるが、『放射性廃棄物―原子力の悪夢』(ロール・ヌアラ著、及川美枝訳 緑風出版刊 2012年4月)を読んでいる。著者のロール・ヌアラはフランスの日刊紙『リベラシオン』の原子力、環境問題を専門にしている記者だが、同書は彼女が積み重ねてきた放射能汚染・放射能廃棄物に関する調査の結果を、私たちに示してくれている。同書は、彼女がドキュメント映画「放射性廃棄物―終わらない悪夢」制作(2009年)のために八ケ月にわたって「放射性廃棄物についての調査で世界中のゴミ捨て場を回ってきた」記録をまとめた貴重な一冊である。(2013/10/26)


検証・メディア
首相の所信表明演説が意図すること 暮らしにくい「弱肉強食の競争社会」 安原和雄
  安倍首相の所信表明演説が意図するものは何か。それを大づかみに理解しようと思えば、社説を読むのが手っ取り早い。といっても各紙社説は多様である。現政権への擁護論から批判派まで主張は幅広い。だから読者としての自分なりの視点が求められる。わたし自身は東京新聞の主張に教えられるところが多い。特に<「弱肉強食」の競争社会は、たとえ経済が成長したとしても、暮らしにくい。目指すべきは「支え合い社会」>という視点に賛成したい。(2013/10/18)


核・原子力
小泉元首相が「原発ゼロの方針を打ち出せ」と強調 池田龍夫
  朝日新聞デジタルなどの報道によると、小泉純一郎元首相は10月1日、名古屋市内で講演し「核のゴミ処分場のあてもないのに原発を推進する方が無責任だ。今こそ原発をゼロにする方針を政府・自民党が打ち出せば、世界に例のない循環型社会を約束できる」などと述べ、脱原発への政策転換を訴えた。(2013/10/09)


検証・メディア
メディアの「漂流」?に不安 藤田博司
  集団的自衛権容認、日本版NSC(国家安全保障会議)創設、特定秘密保護法案―昨年暮れの安倍晋三政権の登場以来、憲法改正に加えて次々とおどろおどろしい政治案件が新聞紙面やテレビの画面に踊り始めた。そこへ尖閣諸島や竹島、従軍慰安婦や歴史認識をめぐるさまざまな問題が重なり、混乱に輪をかける。メディアはそれぞれの動きを日々、伝えてはいる。が、問題の表面をなぞっているだけ、という印象をぬぐえない。背景に何があるのか、これからの日本がどうなるのか、をしっかり見通しているようには思えない。(2013/10/05)


欧州
パリの芸術家   奇妙な装置を作る立体芸術家ゲノレ・アゼルチオップ
120   パリのある芸術家のアトリエを訪ねた。パリ市の北東部に位置する10区。地下鉄を出て、サンマルタン運河の脇を通って地図を片手にラファイエット通りを歩いていくと彼のアトリエのある建物が見えてきた。建物の前から電話すると、出てきたのは白髪で、どこかアインシュタインに似た風貌の男だった。「すぐにわかったかね?」(村上良太)(2013/09/16)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】福島第一原発の専用港「湾内」と外洋を隔てて「ブロックする」ような構造物など何もない  山崎久隆
 IOC総会で安倍首相は「汚染水は港湾内で完全にブロックされている。抜本解決のプログラムを私が決定し、着手している」と発言した。世界に向けて真っ赤なウソを平然と言い放つ神経に、怒りを通り越して呆れかえった。本当に、こんな見え透いたウソがまかり通ると思っているのだろうか。福島第一原発の専用港「湾内」と外洋を隔てて「ブロックする」ような構造物など何も無い。そんなことは東電の資料でも明らかだ。(2013/09/11)


文化
【核を詠う】(121)高木佳子歌集『青雨記』から3・11以後の作品を読む 「むざんやな をさな子の手にほのあかきヨウ化カリウム錠剤ひとつ」 山芳彦
 福島県いわき市在住の歌人・高木佳子さんの歌集『青雨期』(2012年7月 いりの舎刊)から、2011年3・11以後の大震災・福島原発の壊滅事故に関って詠われた作品を読ませていただく。同歌集は高木さんの第二歌集で約300首が収載されているが、1〜鶩の章のうち鶩の49首が3・11以後の作品である。この歌集は第13回現代短歌新人賞を受賞している。(2013/09/09)


反戦・平和
広島で祈りを捧げたオリバー・ストーン監督 原爆、戦争、歴史認識につき激白 池田龍夫
  米国のオリバー・ストーン監督は8月、原爆の惨状を広く取材、伝えるため来日。6日の平和記念式典に参列して献花、黙祷を捧げた。その後原子力禁止世界大会で講演に臨んだが、原爆、戦争、歴史認識などについての語り口が感動的だった。NHKBSやテレビ朝日で一部は放映されたが、印象深い講演内容を紹介し参考に供したいと思う(翻訳は萩原一彦氏、末尾の注1参照)。(2013/09/03)


農と食
守田志郎著「小農はなぜ強いのか」   〜私の原点〜映画監督・原村政樹
120 故・守田志郎先生の「小農はなぜ強いのか」を30年ぶりに読み返す。改めて感動の渦と開眼。哲学とはこういうことなのだ。(2013/09/01)


米国
追い詰められたオバマ大統領〜NYTの漫画より〜風刺漫画家 Patrick Chappatte
  本紙・風刺漫画家、橋本勝氏によれば日本の新聞政治漫画は長期低落傾向にある。そうだとすれば、その理由は切れ味が弱いことだろう。ではその理由は新聞漫画家の衰退にあるのか、編集側の姿勢にあるのか。アメリカに目を移せば今日も新聞風刺漫画家たちは健筆をふるっている。(2013/08/31)


みる・よむ・きく
モリエール作「守銭奴」  〜現代の英雄〜
  最近若い人がこんなことを話していた。「多国籍企業は税金が高くなるのなら外国に拠点を移すと言って政府を脅していますが、貧乏人ならともかく、巨額の利益を出している企業なのにやっていることが貧乏くさい。いったい、なんでそうなるんでしょうね?」それを聞いて僕はある舞台を思い出した。(2013/08/27)


みる・よむ・きく
クロエ作 「ジャンヌの季節」〜現代フランス女性のトホホな独白録〜
   フランスの漫画屋で「ジャンヌの季節」(Les saisons de Jeanne)という風変わりな作品に出会った。漫画では鳥のような顔の若い娘、ジャンヌの見た世界、感じた世界が描かれていく。絵は極めてシンプルで学生時代にノートに描きつけたいたづら描きのようだ。登場人物はみな同じような鳥顔である。けれども、眼差しが微妙に変わるので、気持ちは細やかに表現されている。著者はクロエ(Chloe)という名前の女性である。(村上良太)(2013/08/18)


米国
アルカイダ戒厳令の一週間  本当に、何も起こらなかったのか?  平田伊都子
120  2013年8月6日、アメリカ国務省は大使館や領事館や政府機関の閉鎖を8月10日まで延長した。 対象になったのは、湾岸諸国、ヨルダン、エジプト、リビアなどで、イエメンに拠点を置くAQAP(アラビア半島のアルカイダ)のテロ攻撃に対して、厳戒態勢を取った。 大使館や外交窓口の閉鎖は一種の非常法で、アルカイダという敵に包囲された中での、まさに戒厳令だと言える。 (2013/08/12)


アフリカ
ジンバブエ ムガベ大統領圧勝の理由とは? オックスフォード大学のジンバブエ人政治学者の視点
 7月31日に行われたジンバブエの大統領選挙で現職のムガベ大統領(89)が対抗馬のモーガン・チャンギライ首相(61)を破り、再選を果たした。これでムガベ氏は1980年の英国からの独立以来、一貫してジンバブエの政治リーダーであり続けている。前回の2008年の大統領選ではムガベ大統領陣営の選挙の不正が訴えられた。また、旧宗主国の英国を始めとした西欧メディアから、ムガベ大統領の独裁者ぶりがことあるごとに書き立てられてきた。しかし、今回の選挙はチャンギライ陣営が訴えているような不正選挙の結果だったのか?そのことに関して、英国のガーディアン紙上にジンバブエ人の政治学者が興味深い分析を寄稿している。(2013/08/07)


コラム
管理が強まる大学 〜政治と学問〜
  京都大学名誉教授の中山研一氏(刑法学者)が亡くなる前に執筆して公開していた「中山研一の刑法学ブログ」の中に、山形大学学長選をめぐる話がある。中山教授は学長選で選ばれた人物が文部科学省の官僚であり、つまり天下りであったことに憂慮しているのだ。かつて学長は学内選挙で選ばれた人物に決まっていたのに対し、昨今は学外者が多数入った学長選考会議で決定されているとして中山教授は危機感を抱いていた。(村上良太)(2013/08/05)


安倍政権を検証する
スノーデン氏の帰国をうながす米司法省 〜死刑にはならないだろう〜内部告発・情報漏洩と処罰そして「秘密保全法案」〜
   米国家機密の漏洩で米国からパスポートを無効にされたまま、モスクワ空港に足止めを受けている元NSA職員のスノーデン氏のその後の状況が報じられている。今もスノーデン氏はモスクワに留まり、亡命先を探しているようだ。この状況に対し、米司法省は死刑になることはないだろう、と帰国を促している。(2013/07/28)


みる・よむ・きく
木村尚三郎著「都市文明の源流」「欧米は文化」で「日本は野蛮」という興味深いテーマを扱って  飛田正夫
 木村尚三郎著「都市文明の源流」(1977年11月7日初版)という非常に魅力ある題名の本が私の本箱にあった。パラパラとページをめくると何箇所かに、「781020」という日付けの入ったふしんばさみが挟まっていて、本にはあちこちに赤線が引かれ書き込みがしてあった。勿論のこと私の関心はその頃とは異なっている。(2013/07/26)


文化
フランスの俳優〜フランソワ・パティシエ 喜劇に魅かれて〜
120   フランス人の中には日本文化に関心を持つ人が少なくない。俳優のフランソワ・パティシエ氏もその一人。日本を訪れたことがあり、東日本大震災の時には励ましの言葉を送ってくれた。彼は舞台に立つことが多いが、映画にも出演する。最近だと、フランスの名匠、アニエス・ジャウイ監督の最新作「Au bout du conte 」。ジャウイ監督はパートナーのジャン=ピエール・バクリ(俳優)と喜劇の脚本を多数共同執筆しており、社会性のあるコメディを作ってきた。この映画に出演しているパティシエ氏も3年前に「何か自分たちでも面白いことをやろう」と俳優仲間と脚本を書き、後に30分の短編映画「不測の事態」(Contretemps)を自主製作した。これはやることなすことすべて裏目に出てしまう不器用な男の喜劇で、自ら主演している。手に触れるものすべてが壊れたり、事故ったりする。そして出会った女も男の不幸に飲み込まれていく。この短編映画は今春、カンヌ映画祭にも出品されたばかりだ。(以下はインタビュー)(2013/07/23)


文化
【核を詠う】(115)三原由起子歌集『ふるさとは赤』から原発詠を読む(3) 「やりなおしできない世界を覚悟して警戒区域はいつも真夜中」  山芳彦
 いまたたかわれている参院選の福島選挙区では自民党、民主党の陣営が原発問題を選挙の争点から外そうとしていると、朝日新聞の「2013参院選注目区から」では書いている。「福島 原発語らぬ自・民」の見出しで、「自民 高市発言ショック、封印徹底」「民主 電力労組支援 歯切れ悪く」のサブ見出しが目立つ。共産・社民両党は脱原発を訴えているという。なぜ、共産、社民が脱原発で協力し統一候補が立てられないのか、この福島で原発問題を大争点にして論議を徹底してつくせないのか、いろいろあるかもしれないが、残念でならないと思うのは筆者だけだろうか。両党とも国民主権を大切にするというのだから、国民の意思が議会に反映できるよう、大道について欲しかった。「わが党が伸びれば・・・」だけではない道が無いはずはないだろう。筆者の切実な思いである。(2013/07/12)


コラム
日本人のハートに火をつける安倍首相      村上良太
  安倍首相の人気は高い。参院選も自民党が圧勝する可能性が高いと新聞は報じている。安倍首相の願いは「戦後レジーム」からの脱却だとされる。それは論理的には戦前・戦中への回帰である。安倍首相は日本人の心に火をつけるかもしれない。それも今みたいなものではなくて、本当にハートに火をつけるかもしれない。(2013/07/12)


中東
ハンケ教授「シリアはハイパーインフレに突入した可能性あり」
  シリアはハイパーインフレに突入した可能性がある・・・インフレを専門的に研究してきた米ジョンズホプキンス大学のスティーブ・ハンケ教授が発表した。(2013/07/11)


検証・メディア
エフゲニー・モロゾフ氏によるネットの未来とプライバシー(4)
 東欧ベラルーシ出身のジャーナリスト、リサーチャー、作家エフゲニー・モロゾフ氏の新たな反シリコンバレーの本「すべてを解決するには、ここをクリックしてください −テクノロジー、解決主義、存在しない問題を解決しようとする欲望」から、その一部を紹介する。(小林恭子)(2013/07/08)


みる・よむ・きく
クロード・レヴィ=ストロース著  「野生の思考」
   経済的に豊かになること、効率化すること、進歩することに人類は弱い。それは経済成長の思想でもある。今、「民主化」と「市場主義」が手を携えて世界を席巻しつつある。これに対して人類は抵抗しがたい。これに抵抗しているか、あるいは条件をつけて全面受け入れを渋っているイスラム世界を西欧は遅れた社会と見なし、改革すべきだと考えている。デジタル機器が、そして銃が送り込まれている。我が国もそうした西欧の価値観に漬かっている。アフリカや中東の国々の人々を無条件に「遅れた人びと」と見る目線を持っているし、その自分の眼差しを当たり前のこととして疑うことがなくなってしまっている。そんな今、フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースが書いた「野生の思考」を読んでみた。(村上良太)(2013/07/07)


検証・メディア
<講演記録> 安倍改憲政権の企む日本改造の正体─国難が生む“ファシズム”にどう向き合うか<下> 桂敬一(マスコミ九条の会、元東京大学教授)
  日本の国難というものを考えるとき、私は、もう一つ新しい要因が生まれているような気がしてなりません。たとえば、アメリカも行き詰まっていますが、まだアメリカの場合は、ある種の本場のデモクラシーというものの復元力が蘇り、有効に働くことがあり得る。「チェンジ」を国民に呼びかけたオバマが登場したのは、そういうものでした。ところが、日本では、失脚から蘇った安倍首相は、右翼バネしか持ち合わせていない人物です(2013/07/06)


検証・メディア
<講演記録> 安倍改憲政権の企む日本改造の正体─国難が生む“ファシズム”にどう向き合うか<上> 桂敬一(マスコミ九条の会、元東京大学教授)
  安倍首相がマスコミのうえで、なぜこんなにも注目を引いているのでしょうか。昨年12月の総選挙で、小選挙区制におかしいところがあるものの、とにかく数の上で大勝ちしたことが、大きく影響している。さらに、その勢いを駆って進めるアベノミクスと称する経済政策が、成功だともてはやされている。これでは、安倍政権の危険な体質が見過ごしにされてしまう。その陰で狡猾な改憲の策動が進められているのが、きちんと伝えられていないところに、メディアの大きな問題があるといわざるを得ない。(2013/07/05)


米国
アラブの春の設計者たち〜NYT寄稿 'When Arabs Tweet'(アラブがツイッターを始めるとき)
  国際政治コラムニスト、ラミ・クーリ(Rami G.Khouri)氏による「アラブがツイッターを始めるとき」がニューヨークタイムズに寄稿されたのはアラブの春が始まる半年ほど前の2010年7月ことだ。この中でクーリ氏はヒラリー・クリントン率いる米国務省が中東・北アフリカの「民主化」を狙って、ツイッターやフェースブックなどのデジタル機器を使った変革を起こす計画を推進していたと書いている。(村上良太)(2013/06/25)


コラム
「北京の春」    村上良太
  最初にお断りしておくと、本稿は北京とも春とも関係がない。フランスの作家ボリス・ヴィアンが書いた「北京の秋」にあやかったタイトルだ。「北京の秋」は北京とも秋ともなんら無縁の小説に前衛作家ヴィアンがあえてそんなタイトルをつけたのである。2011年以来、「アラブの春」という言葉が世界的に大流行している。(2013/06/24)


核・原子力
日印の核(原子力)協定を結んではならない理由◆ <下> 人権問題としての核、エネルギー開発ならば別の支援がある  山崎久隆
 核開発を進める国に特有の「人権抑圧」もまた、インドでは激しくなっている。原発建設が予定されている南インドのクダンクラム、西インドのジャイタルプールでは、住民による反対運動に対して治安部隊の弾圧が苛烈になり死者も出ている。核兵器と原発の非人道性に関する歴史的事実が、まだインド各地で記録され続けている。住民の声を無視し、情報を隠ぺいし、民主的な手続きを経ずに強権的に既成事実を積み上げる手法は、かつての日本の原発推進と全く同じである。(2013/06/11)


アフリカ
悪評高かったジンバブエの土地改革の真実〜英国農業学者の意外な調査結果〜 
  欧米の新聞でもっぱら独裁者として批判が絶えない政治家の一人がアフリカ、ジンバブエのムガベ大統領だ。彼が欧米メディアから非難を浴び始めたきっかけは2000年に彼が行った土地改革にある。この土地改革はかつて少数の白人が独占的に所有していた農地を多数の黒人使用人たちに分け与えるものだった。この時、白人地主たちから無償で土地を没収したことやその際、暴力事件も多数発生してしまったことから、ジンバブエは国際社会から孤立することになった。その後、ハイパーインフレーションと食糧危機が起こり、ムガベ大統領の手痛い失政と見なされた。しかし、彼の土地改革は本当に失敗だったのか?そう問いかける常識破りの記事が登場した。ジンバブエの旧宗主国で白人農家のルーツだった英国のBBCである。(村上良太)(2013/06/07)


コラム
やっと解放されました(\^o^/)  信友直子
  日曜日に「Mr.サンデー」の放送が終わってやっと解放されました(^^)。今回はホント辛かった(><)自分自身が今回のテーマの何がおもしろいのかまったくわからなかったからです。 (2013/06/05)


コラム
アベノミクスの論点    村上良太
  アベノミクスが始まったのが昨年12月だったから、約半年になる。この間、安倍政権は日銀の協力を得て為替を円安に誘導し、平均株価の上昇につなげた。庶民の多くは久々に景気のいい話だと喝采を送った。しかし、最近になって高騰していた株価が急激に下降する事態が何度か起き、アベノミクスは本当に大丈夫なのか、という不安も同時に広がっている。(2013/06/05)


コラム
転移じゃないみたいです(\^o^/)  信友直子
120   虎の門病院乳腺外科の三浦先生のところに行ってきました。腹部エコー検査で肝臓に10ミリの黒い影(高エコー斑)が2つあることが分かったので相談に行ったのです。(TVディレクター信友直子の乳癌日記から)(2013/05/30)


文化
【核を詠う】(107)歌集『平成大震災』(「歩道」同人アンソロジー、秋葉四郎編)(5)「放射能の許容基準値越えしとぞわが頼むべき浄水場が」  山芳彦
 「憲法九条を守る歌人の会」(略称「九条歌人の会」)の会報「歌のひびき」10号が送られてきた。同会を運営して下さっている歌人諸氏に感謝するとともに、同会に賛同するものの一人としてできることをもっと積極的になさなければと考えている。7月4日公示、21日投票の予定の参議院議員選挙が迫っているが、自民党はアベノミクスの「成果」を謳いあげるとともに、改憲を争点として押し出し、参院でも改憲の発議に必要な3分の2を超える改憲勢力の議席を目指している。当然、原発再稼働問題も大きな争点となる。(2013/05/18)


政治
小沢一郎政治裁判はまだ現在の政治的事件である(五) 対話風の議論から 小沢一郎政治裁判と日本の政治権力(2)  三上 治
A 君は「憲法の核心は権力の問題である」と言っていたね。それは憲法(法)が政治権力の統治のための道具ではなく、権力を制限し、縛る道具であれということをいいたいわけだ。これが国民の思想となっていないというか、それが肉体かしたものとしては存在していない、それを問題にしていると理解していいか。(2013/05/06)


科学
【SMC発】釣り人は正しかった?! 渓流魚は洪水時に支流に逃げ込む
 小泉逸郎(北海道大学創成研究機構・大学院環境科学院 特任助教)らは、大雨などで河川が増水すると,渓流魚は流れの弱い小さな支流(枝沢)に逃げ込むと考えられてきたことを科学的に証明するために、十勝川流域にある札内川ダムの試験放水を利用して,本流の増水時には本当に魚類が支流に逃げ込むのかを調査。河川の繋がりが断たれると攪乱時の渓流魚の逃げ場がなくなることが判明。(サイエンス・メディア・センター)(2013/05/04)


コラム
【編集長妄言】ベリタ改憲阻止宣言 ベリタはその存在をかけて改憲阻止の旗を掲げる   大野和興
 安倍自民党が改憲に前のめりだ。安倍首相のこのことにかける言動は異常なほどの高揚ぶりで、この 国は本当に危ういところに来ているという気がしてならない。(2013/05/03)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】「川内博史探検隊」ビデオを見て (連載の1) 東電のやり方・「隠ぺい勝ち」が少し破られてきた  山崎久隆(たんぽぽ舎)
 「地震で損壊、否定できず 川内博史氏が見た福島第一1号機」の記事に登場する東電フクイチ内部ビデオを見ました。それに基づくコメントです。なお、フクイチ1号機内部ビデオは少なくても3本あります。最初は東電撮影の2011年10月映像、二つ目は川内博史氏が最初に入った時のビデオ、そして三本目がたんぽぽ舎でも川内氏本人が話されたご本人撮影の鮮明なビデオです。(2013/05/02)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会が記者会見 「屈辱的な合意内容を、政府は隠している」
 全国のさまざまな分野の大学研究者で校正する「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」は4月26日、議員会館で記者会見し、「日本の国益を守るためにはTPP交渉参加を撤回するしかない−「日米事前協議」の結果は日本側全面屈服以外の何物でもなかった−」と題する声明を発表した。声明は、安倍政権がTPP交渉参加決定に至る間に行われた日米交渉の経過を細かく検証、「事前協議は日本側が一方的に譲歩しただけで米国側からは一切の譲歩を得ていないこと、第二に今後TPP交渉そのもので極めて不利な交渉を余儀なくされるだけでなく、米国のさらなる要求を受け入れるための日米2国間並行交渉の設置が義務づけられたこと、第三にこうした全面屈服内容とそれを受け入れた屈辱的外交の真実を日本政府が隠蔽しようとしていることです。」などを具体的に指摘している。同辞に同大学教員の会は、交渉経過が極めて不明朗で重大な事項が隠されていることを細かく指摘、国会議員に対し、そのことを明らかにするよう迫る質問状を発した。(大野和興)(2013/04/27)


TPP/脱グローバリゼーション
【山田正彦メルマガから】TPPで緊急訪米!、カトラー代表補はコメなどの農産物にも聖域(例外)がないことを明らかにした
 今回の訪米の最大の目的は自民党・安倍総理がオバマ大統領との会談で国民皆保険、遺伝子組み換食品の表示など6項目の分野、農産物でもコメ・麦・牛肉・豚肉・砂糖などの5品目についてセンシティブ品目として例外が取れるとしてTPP交渉参加に踏み切った。本当にそうなのかどうか?米国のUSTRにその点を確認することにあった。幸い、最終日の午後4時、USTRでカトラー代表補と会談することができた。(2013/04/27)


アフリカ
モダンノマドの日記  ボボ・ディウラッソの借家  アンドレイ・モロビッチ
120   西アフリカのブルキナファソの都市、ボボ・ディウラッソでモロビッチさん夫妻は家を借りて滞在中だ。「ボボディウラッソの我が家の写真を何枚か送る。」(2013/04/20)


核・原子力
肥田舜太郎著『被爆と被曝―放射線に負けずに生きる』を読む   山崎芳彦
 肥田舜太郎氏による『被爆と被曝―放射線に負けずに生きる』が今年2月25日に、幻冬舎ルネッサンス新書として発刊された。いま、放射能の危険性について多くの人々がつよい危機感と不安を持ち続けているとき、そして一方では意図的に低線量被曝・内部被曝の危険性を否定あるいは極端に軽視しようとする動きが強まっている時、原爆被曝の体験と、医師としての診療・治療・健康相談などの豊富な具体的経験を持ち、臨床医としての経験と放射能の持つ本質的な危険性についての研究に取り組んできて、原発事故発生後には全国各地で放射能問題について講演し、放射能の危険に自覚的に向き合って生きる具体的な対応策について提言している氏の著書だけに、時宜にかなった出版と評価したい。(2013/04/17)


アフリカ
モダンノマドの日記  雨季を待ちながら  アンドレイ・モロビッチ
120   サハラ周辺をさすらうスロベニア人の作家アンドレイ・モロビッチさんからメールが届いた。「eメールの書き手としては実に怠惰になってしまったことを本当にすまなく思っている。どういうわけか、僕はこのところパソコンを避けていたんだ」(2013/04/13)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】アレバ社製MOXが仏から輸送間近  世界に危険をまき散らす日本の原発   山崎久隆
 NHKなどが一斉に「MOX燃料がフランスから日本へ」と報じている。関西電力高浜原発3号機の取替用MOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料)である。(2013/04/02)


労働問題
多民族多文化共生社会を実現しよう! 〜奏でよう移住労働者の声を!マーチ・イン・マーチ2013〜   坂本正義
120  法務省が発表した出入国管理統計年報・平成24年版によると、2011年末時点の外国人登録者数は207万8508人、国籍別では188カ国に達しているという。移住労働者やその支援者たちによる春闘決起集会「マーチ・イン・マーチ」が3月上旬、日比谷公園小音楽堂で行われた。マーチ・イン・マーチは、1993年の「第1回生活と権利のための外国人労働者1日行動」が発展した取組であり、移住労働者の権利を守り、日本人労働者との連帯を強め、労働条件の改善と賃上げを目指すことを目的に、名称が示すとおり毎年3月に集会とデモを行っている。(2013/04/01)


文化
【核を詠う】(96)岩井謙一歌集『原子(アトム)の死』の原発短歌を読む<2>   山崎芳彦
 福島第一原発の事故は、とうてい収束しているなどといえる状況でないことを明らかにする事態が、最近しばしば伝えられている。たとえば原発施設内の排水関係施設の異常により放射能汚染水が排出され海に流し込まれたこと、停電により使用済核燃料を冷やす水の循環が長時間停止したこと、それ以外にも原子力敷地内の放射線量が依然として異常に高いままであること、除染作業を巡っての受注建設業者の下請け構造が絡んでのさまざまな不正行為、その他おそらくは多種多様な不具合が原発施設の各所施設の機器等で起きていると想像することは難くない。事故以前の原発の歴史を考えると重大な事故が起きても東電をはじめ各電力企業、監督機関が長期にわたってその事実を隠蔽し続けた実態があるのだ。(2013/03/26)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP参加に高まる「反対の声」 日米密約説も飛び交うその舞台裏 安原和雄
  安倍晋三首相がTPP交渉参加を表明して以来、参加是非論が活発になってきている。首相は「TPPはアジア太平洋の繁栄を約束する枠組みだ。日本は世界第三位の経済大国。必ずルール作りをリードできる」と高姿勢である。しかしそれほど楽観できるのか。舞台裏では実施のための日米密約説も飛び交っている。日本国のリーダーである首相が乗り気であれば、ここではむしろ反対論を追跡してみたい。その反対論もなかなか意気盛んで、賛成論よりもむしろ筋が通っている。(2013/03/25)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】今度はビデオが真っ暗  川内博史前衆議院議員の福島第一原発1号機原子炉建屋4階の ビデオ撮影真っ暗事件   伊東良徳(弁護士)
 2013年3月13日、川内博史前衆議院議員が福島第一原発1号機の原子炉建屋4階に調査に入りました。その調査には東京電力から3名が同行し、東京電力側でビデオを撮影し、当初はその撮影したビデオのファイルは公開される手はずだったのですが、翌14日になり、東京電力からビデオは暗くて何も映っていないので公開しないと川内前議員に連絡があるという事件が発生しました。この件については、基本的には伝聞にはなりますが、川内前議員とお話しした経緯があるので、その当事者として事実を記録に残しておきたいと思います。(2013/03/19)


核・原子力
子どもたちの心電図に異常、健康調査実施を求めて 関東の母親たちが署名活動
120  放射能被ばくにさらされているのは福島の子どもたちだけではない、子どもたちの心電図異常も増えている。関東の子どもたちも健康調査を実施してほしい…茨城県・千葉県北西部・埼玉県南東部の35団体で組織する「放射能からこどもを守ろう関東ネット」が子どもたちの健康調査を国に求めて署名活動を開始した。(上林裕子)(2013/03/11)


人権/反差別/司法
【三鷹事件再審請求を追う】(下)すべての証拠にアクセスできることが必要だ!  坂本正義
 佃弁護士による報告後、東電OL殺害事件の主任弁護人として活躍し、名張毒ぶどう酒事件や足利事件など数多くの事件に関わってきた神山啓史弁護士による講演が行われた。神山弁護士は、検察と同様に証拠開示に消極的であった裁判所の態度が変わった大きな転換点の1つとして、足利事件の再審無罪判決(2010年3月)を挙げ、裁判員制度の施行がそうした変化をもたらしたのではないかと指摘した。(2013/03/10)


欧州
パリジェンヌの日記 〜短編映画「不測の事態」のスタッフになる 繊.凜ルジニー・ブリエン
120   今日は私が参加した短編映画について書くとしよう。映画のタイトルは「不測の事態(Contretemps)」。監督や俳優たちにインタビューをしたので舞台裏をしっかり書けるのだ。この映画は2012年にローラン・ノエルが監督したもの。私自身が参加したので私にとって特別な映画でもある。私は画家の傍ら、何年も映画美術を生業にしてきた。だからもしバジェットの少ない短編映画に参加するとしたら、その映画の企画が本当にやりたい場合に限る。「不測の事態」の場合もまさにその通り。参加したことを悔いていない。やりがいのある1つの冒険だった。この映画、とても希望と詩情にあふれているので、美術家として参加できたことは私の誇りよ。(2013/03/09)


文化
ステファン・エセル氏、死去 (享年95) 世界の人権運動に貢献
  2月27日、パリの自宅でステファン・エセル(Stephane Hessel)氏が亡くなった。第二次大戦後、世界人権宣言の執筆に参加しただけでなく、近年は「ウォール街を占拠せよ!」という運動やアラブの春などの抗議運動にも大きな影響を与えた。その著書は、Stephane Hessel著「Indignez-vous!」(「怒りなさい!」。英訳のタイトルは「Time for Outrage(怒るとき)」)である。(2013/03/03)


みる・よむ・きく
拷問は正当化されるかをあなたに問う番組 −英チャンネル4のドラマ「Complicit」(共謀)
120  今月17日、「もう1つの視点」を出すことを特徴とする英チャンネル4が、「Complicit(コンプリシット)」(共謀)と題するドラマを放映した。英国内でのみ視聴できるドラマなのだけれども、いつか日本で放映されることを願い、内容を紹介してみたい。 〈ロンドン=小林恭子)(2013/02/22)


アジア
比から侵入の武装集団とマレーシア治安部隊の対峙つづく 野党が政府の対応を批判
  2月初旬、マレーシアと国境を接するフィリピン南部のスールー州からボルネオ島北部のサバ州東海岸にあるラハ・ダトゥに武装集団約100人が侵入したのを受け、マレーシアの治安部隊が包囲網を敷き、集団に投降の説得にあたってから1週間以上が経過したものの、両者が対峙する、緊張した状況が続いている。政府の対応を野党が批判するとともに、これに関連して同国の人権政策に批判的なオーストラリア議員の入国拒否問題をめぐり与野党が対立、事態は混迷している。(クアラルンプール=和田等)(2013/02/20)


検証・メディア
朝日「Journalism」が沖縄報道特集  −「沖縄を感じる皮膚感覚」の欠落はどこから来るのか?
 沖縄問題、沖縄報道は、気になるトピックである。沖縄の現地と東京を中心とした報道界には「温度差」があると言われている。その温度差(もしあるとすれば)は一体、どういうことなのか、現地で報道する人はどんな気持ちを持っているのか?これを検証したのが、朝日新聞出版の月刊誌「Journalism」2月号。沖縄報道の特集が組まれている。(小林恭子)(2013/02/19)


核・原子力
【たんぽぽ舎から】菅直人講演「東電事故 総理大臣として考えたこと」から 「東電は最初から被害者のような振る舞いだった」
 2月12日(火)にスペースたんぽぽで「東電事故 総理大臣として考えたと」菅直人さんの講演があった。(「反原発自治体議員・市民連盟」2月連続講座)元々市民運動から国政に出た管さん。福島事故で首相として考えた事は我々外野から見たものと違っていた。菅さんの印象では東電は最初から事故の被害者のような振る舞いだったと言う。国の基準通り原発を動かしてきただけで東電は悪くないと。(2013/02/17)


アジア
タイ 倉庫からあふれるコメ ドンムアン空港を米倉庫にの噂さえ流れ
 今年のタイの精米ストックが史上最高の1,820万トンに達し、倉庫不足に陥る可能性がある、とFAO(国連食糧農業機関)が警告しています。これは数年前の実に3倍以上という数字で、政府の米担保貸し出し政策(実質全量買い上げ)が大きく影響しています。(岡本和之)(2013/02/16)


英国から日本を見る −ネットで本気の議論をするには?
 先日、日本でメディアを研究する若手の人と、会話をする機会があった。この方はベースは日本だが、他国のトレンドも研究対象としており、今回は米国や欧州への出張中であるという。メディア利用者の生の声を取材しながら、メディアの役割、日本のメディアの現状、そして日本の将来などについて深く考察している方で、自分にとっても大いに知的刺激になった。メディアの現状や未来について、普段から考えてきたことと一致する部分があったので、メモ代わりに記してみたい。(ロンドン=小林恭子)(2013/02/15)


人権/反差別/司法
新大久保でまたもや在特会デモ  2月9日、「良い韓国人も 悪い韓国人も どちらも殺せ」のプラカード掲げ
120  またもや新大久保に「朝鮮人殺せ!」のシュプレヒコールが響き渡った。右翼排外主義を掲げるグループ在特会(在日特権を許さない市民の会)が2月9日に行ったデモだ。日の丸をもった200人ほどが「こーろせ殺せ、朝鮮殺せ」などと叫び、「良い韓国人も 悪い韓国人も どちらも殺せ」「朝鮮人 首吊レ毒飲メ飛ビ降リロ」などと書いたプラカードを掲げて、韓国の人たちの店が軒を連ねる新大久保を練り歩いた。そのようすをtwitterからお伝えする。(大野和興)(2013/02/10)


文化
ノーラのニューヨーク(写真)日記
120   ニューヨーク在住のドイツ人イラストレーター、ノーラ・クリューク( Nora Krug )さんから写真による便りが届きました。ノーラさんはニューヨークタイムズ、ガーディアン、ボストングローブ、ルモンドディプロマティーク、ヴァニティフェアなど、世界の新聞・雑誌にイラストを描いています。(2013/02/10)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】新安全基準が対処しない、気になる中身 規制委の「再稼働させるための安全基準」を批判する  山崎久隆
 原発再稼働の前提条件となる「安全基準」作りが大詰めを迎えつつあるが、もうマスコミではほとんど報道されなくなっている。 (2013/01/26)


核・原子力
【2013年の初めに日本の原発事情を考える〜その3】福島と福井  齋藤ゆかり 
 今年(2012年)も、大飯原発再稼働をめぐり、チラシを各戸に配るだけでなく、その家の人と話をする活動をずっとしてきた。 (2013/01/25)


核・原子力
【2013年の初めに日本の原発事情を考える〜その2】 「金山でもありゃ、原発なんて、いらない」  齋藤ゆかり
 それにしても、なぜ、福井は福島原発事故にもかかわらず、原子力に固執するのだろうか。その理由を理解する上で、現地を訪ねてみるのはいくらか役に立つかもしれない。(2013/01/21)


コラム
病縁で多くを学び、古希を迎える 人を思いやる心を忘れないでいたい 安原和雄
  私(安原)にとって得難い「心の友」、清水秀男さんから新年の心境を綴ったメールが届いた。題して「病縁で学んだ多くのこと」で、三つを挙げている。それは、生かされていることの有り難さ、「当たり前」こそが幸せの原点、残された生をお役に立つべく、―である。「病縁」とは「歩行困難」という病魔との苦闘を指している。(2013/01/16)


政治
現実と政治・社会の未来 再論(2) アジアと日本は民族主義を超えられるか 三上 治
 民主党政権の敗北は何一つ自己の政治理念に基づくものを実現できなかったということに尽きる。実現できなかったというよりは実践的な試みすらできなかったということにほかならない。僕は民主党が選挙公約時に提示していた外政(日米関係の見直し)、内政《国民の生活が第一》、権力運用(官僚主導政治の転換)を評価していたが、それを実践的に試みる入口のところで躓き、この公約が選挙用の宣伝に過ぎず民主党の面々の身に付いた政治理念になってはいなかったのだと思う。彼らに本当にやりたいことがない、あるいはわからなかったのではないかという疑念を呈しておいたのはこのことだった。(2012/12/29)


沖縄/日米安保
12・23沖縄の御万人(うまんちゅ)大行動に呼応し、 厚木基地へ集まろう! オスプレイ配備撤回!米兵による凶悪事件糾弾!
 今、沖縄の民衆は怒っています。オスプレイの配備だけでなく、 (2012/12/11)


検証・メディア
続報 豪DJによるいたずら電話と看護師死亡事件 −DJの生の声、オーストラリアの放送規定とは
120  英キャサリン妃がつわりで入院していたロンドンの病院に、オーストラリア・シドニーのラジオ局のDJらがいたずら電話をかけ、その数日後に、電話を取り次いだ看護師が亡くなった事件の続報である。(ロンドン=小林恭子)(2012/12/10)


人権/反差別/司法
これでいいのか!最高裁 〜埼玉弁護士会が「最高裁大改造シンポジウム」を開催〜  坂本正義
120 司法制度改革が始まった1999(平成11)年以降、毎年秋に行われている「司法総行動」という取組がある。司法総行動とは、最高裁判所、東京高裁・地裁、法務省、警察庁、中央労働委員会、東京都労働委員会に対して、制度改正等の要望事項を列挙した「司法総行動共同要請書」を事前に提出し、その後、要請書提出先の職員と直接面談して回答を求めるという形式の取組である。(2012/12/06)


コラム
パリジェンヌの日記(Le journal d'une Parisienne)2 「狂気のバーゲンセール」 ヴィルジニー・ブリエン
120   あぁ、パリの11月ったら! 枯葉が地に落ちていく。それに住民税・・・・。でも、一段とすごいのは大安売りの月だということ。パリのファッション店では服の大安売りが始まるのだ。まさに狂気と言っていいバーゲンセール。(2012/12/02)


コラム
現代の遊牧民 「モダン・ノマドの日記 番外編」 アンドレイ・モロビッチ
120   北アフリカのサハラ周辺をさすらっていたスロベニアの作家アンドレイ・モロビッチさんから久しぶりの連絡が届いた。(2012/11/30)


世界経済
なぜ英中銀の次期総裁にカナダ人カーニー氏が選ばれたのか?
 英中央銀行の次期総裁に、カナダ銀行(カナダの中銀)のマーク・カーニー総裁(47歳)が就任することになった。オズボーン財務相が、11月26日、国会でこの任命を発表した。300余年の歴史を持つ英中銀で、外国人がトップになるのは初だ。来年6月に2期10年の任期を終えるマービン・キング総裁(64歳)の後任となる。(ロンドン=小林恭子)(2012/11/30)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】浜岡原発の前面砂丘「防波堤」と「防波壁」 津波を防ぐどころか津波の海水を閉じ込めるだけ <上> 山崎久隆 
 既に総工費1400億円を投じて工事が始まっている浜岡原発の耐津波性能向上工事などの耐震・津波補強。やっているそばから、既に破綻が始まっていた。 誰でも感じる「津波を砂丘で止められるか」という問題。もちろん今ではそんなことは誰も信じていない。そのため「防波壁」が作られることになった。(2012/11/20)


イスラエル/パレスチナ
「ガザで殺人を行っているのは誰か」ーーノーム・チョムスキーらによる報道への呼びかけ
 イスラエルによるガザへの空爆はやむことなく続き、イスラエルは地上部隊投入さえ進めている。しかし日本だけでなく欧米の主流メディアでさえ、ここで殺戮されているにが子どもを含む一般市民であることはほとんど報じておらず、逆にガザから発射されるロケット弾に報道は集中している。ノーム・チョムスキーら7人の知識人は講師や事態を憂え、世界のジャーナリストと市民に、「事実を覆い隠そうとする組織的な方針の道具になることを拒否せよと、報道機関で働いている世界中のジャーナリストに呼びかけます。世界の市民には、独立系メディアなどから情報を収集し、どんな手段を使ってでも、できる方法で、自らの良心を声にするよう、呼びかけます」とする呼びかけを発した。折口学さんの翻訳で紹介する。(大野和興)(2012/11/18)


福島から
「福島・三春の“収穫祭”2012に参加して」・・・S・H(茨城・取手)さんからの手紙「この地から見る日本の姿の原風景に心を揺さぶられた・・・」     山崎芳彦
120  去る10月20日〜21日に福島県三春町で「福島・三春の“収穫祭”2012」が開かれた。昨年に続いて2度目の収穫祭だが、現地の芹沢、農産加工グループ、福島「農と食」再生ネット、滝桜花見祭実行委員会の3団体が主催、三春町、JAたむらが協賛している。三春の収穫祭の呼びかけには「土の放射能を計り、耕し、種をまき、取り入れ、収穫物の放射能を計る。放射能を計ることが日常となった営みが三春では続いています。芹澤農産加工グループの加工所には、多くの方々の協力を得て、太陽光発電所が完成・・・ささやかですが、原発に頼らない生産とくらしを作り上げる足元からの実践です。今年の収穫祭はこの太陽光発電の稼働を記念するシンポジウム(車座座談会)を織り込み、地域との交流を一層深める」として、魅力的な企画内容が示されていた。(2012/11/09)


社会
ビッグイシュー日本版が創刊9周年 「誰もが居場所と出番がある社会」を作ろう
120  英国で始まった、ホームレスの人が販売する雑誌「ビッグイシュー」。その日本版「ビッグイシュー日本」が、創刊9周年を迎えた。ホームレスの人たちを助けるために設立された「ビッグイシュー基金」も設立から5年をむかえ、このほど、NPOとして認定されるに至った。3日、NPO取得を記念するパーティーがあり、早速、会場となった東京・四谷にある聖イグナチオ教会に足を運んでみた。(小林恭子)(2012/11/05)

反戦・平和
「NOオスプレイ!NOレイプ!」 日本山妙法寺のお坊さんと歩いた沖縄
120   10月18日から30日までの2週間、日本山妙法寺主催の沖縄平和祈念行脚に参加して、北は辺戸岬から南は摩文仁の平和の礎まで、オスプレイ配備強行と女性強姦事件に揺れる沖縄本島を縦断してきた。「オスプレイもヘリパッドもいらない 沖縄を再び『捨て石』にするな」という横断幕を掲げて、うちわ太鼓をたたき、様々な慰霊碑をめぐり、米軍・自衛隊基地の前で「NOオスプレイ!NOレイプ」とコールをして、ガマの前で供養した。(加藤〈karibu〉宣子、写真も)(2012/11/04)


人権/反差別/司法
法科大学院で何が起こっているか?−法科大学院の現状と課題−  坂本正義
120  法務省の司法試験委員会は9月11日、2012年司法試験の合格者を発表した。合格者数は、受験者8387人中2102人で、合格率は25.1%、前年比39人増という結果であった。 (2012/10/31)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】インドの原発反対運動(中)国際連帯で原発輸出を止めよう  山崎久隆
 日本はインドとの間で原子力協力協定を結んでいる。本来は核拡散防止条約外で核兵器を開発した国とは、核開発協力はしてはならないはずだ。例えば朝鮮民主主義人民共和国に核兵器開発に使用可能な工業製品を輸出すれば、貿易管理令違反として強制捜査される。ところがインドとの間では、これから核開発の協力関係を結ぶのだと言うから、この国の二重基準には本当にあきれ果てる。(2012/10/26)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】インドの原発反対運動(上)「クダンクラムに反対する国際請願」署名者に入国拒否  山崎久隆 
「クダンクラムに反対する国際請願に署名したな?あなたの名前も乗っていたぞ。つまりあなたは反原発だということだ」…スパイ小説のような事件が本当に起きた。日本からクダンクラム原発反対運動を取り組む住民との交流に向かった三人の人々が国外退去になった9月25日、チェンナイ空港で空港警備員から浴びせられた言葉だという。(2012/10/25)


科学
【SMCJ発 サイエンス・アラート】山中伸弥教授のノーベル賞受賞  研究の倫理的・社会的側面にも目を向けるべき
 日本のメディアは京都大学の山中伸弥教授の2012年ノーベル医学生理学賞受賞でわいているが、この研究が持つ倫理的・法的・社会的問題についての指摘はほとんどない。SMCでは、再生医療と社会の問題に取り組まれている研究者の方々に、現時点の報道を踏まえてのコメントをお願いした。今後急速にすすであろう国家プリジェクトとしての支援の集中や企業との連携の在り方についての指摘もある。同時受賞したジョン・B・ガードン卿の評価とも合わせ、いかに紹介する。(サイエンス・メディア・センター)(2012/10/11)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】インド政府が入国を拒否  クダンクラム原発反対運動に連帯して訪問した日本人、入国できず
 9月10日にインドのクダンクラム原発で平和的な抗議デモに対する大弾圧がありました。クダンクラムの人々は世界に連帯を呼び掛けており、私たちも9月25日にインドを訪問しようとしました。しかし、下記の書簡に書いたような出来事があり、入国拒否され強制送還となりました。(中略) 私たちのような小さな個人を標的にして入国を拒否するような、秘密主義と非民主的な態度がいったい何をもたらすのか、強い懸念を覚えます。そのような閉鎖された文脈の中で、武装警官隊が民衆に催涙ガスやこん棒で襲いかかり、力で民衆を抑え込みながら核がさらに膨張していくことに恐怖を感じます。(ノーニュークス・アジアフォーラムの記事から)(2012/10/06)


コラム
パリジェンヌの日記(Le journal d'une Parisienne) ヴィルジニー・ブリエン
120   8月のパリはとにかく閑散として、物静かだと言われている。住民がこぞってパリをあとにするからだと。でも、それは単なる伝説?それとも現実?確かに8月のパリは普段だったら人が歩いている歩道が空っぽ。交通量も少ない。地下鉄はラッシュが解消、人々のテンポもスローになる。商店も企業も閉まっているようだ・・・つまり、8月のパリが閑散としているというのは伝説ではない。だけど、たとえ現実であったとしてもだんだん真実ではなくなりつつある。(2012/10/02)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】福島第一原発1号機「内部映像」の意味するもの  何も見えない 8mに水などなかった  山崎久隆
 炉心が崩壊し、格納容器中に落下している福島第一原発1号機の「内部の映像」が公開されている。しかし、何も見えない。格納容器底部から8m付近に横から穴を開け、ファイバースコープを入れたのだそうだ。しかし「何も見えない」。(2012/10/02)


沖縄/日米安保
普天間基地封鎖続く  明日朝のオスプレイ到着に備え、再び集結、封鎖を続ける
 オスプレイ配備御反対の普天間基地封鎖は30日夜11時まで続き、明日早朝からの再開を宣言して、ひとまず解散となった。あす未明に岩国基地を出発するpスプレイは午前8時までに普天間に到着する。反対行動はそれに備え、1日早朝から行動を開始する。以下現地からのtwitter。(大野和興)(2012/09/30)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】原子力産業協会の「恥ずかしい」文書を批判する  山崎久隆
 政府による「革新的エネルギー・環境戦略」について、原子力産業協会が反対意見を発表している。政府方針も、合格点にはほど遠いと言わざるを得ないが、しかし原発をなくすことは方針化していることは評価に値しよう。それに対するいくつかの反論は、さらに驚くほど旧態依然とした原発推進論と安全神話に依存した文書になっている。書いている人間は恥ずかしくないのかと言いたいところだ。各電力会社などからも、この種の「恥ずかしい」文書が次々に発表されるのだろう。代表格として「原子力産業協会」の反対意見に逐一反論してみよう。(2012/09/21)


文化
英国で人気のテレビ番組「ダウントン・アビー」の裏舞台 −本当の持ち主の素顔とは?
120  日本ではそれほど話題になっていないようだが、英米で大人気となっているのが、英国製時代物ドラマ「ダウントン・アビー」。20世紀初頭の英国の大邸宅を舞台に、伯爵一家の人間模様を描く。ロケ地をたずね、本物の伯爵夫人に話を聞いてみた。(ロンドン=小林恭子)(2012/09/19)


人権/反差別/司法
新大久保の悪夢 買い物客が行きかう街で「朝鮮人を皆殺しにしろ!」と叫ぶデモ隊
120  多くの商店が並び、買い物客が行きかう路上に「朝鮮人をぶっ殺せ」「皆殺しにしろ」などの叫び声が響く。日本の新聞・テレビは中国の反日デモしか報道しないが、日本では醜悪な排外主義・レイシズムのデモが頻繁に行われている。最近の舞台は東京の新しい名所として多くの人を楽しませている新大久保コリヤタウン。デモは聞くに堪えない、論理など一切なしの感情丸出しの言説と行動に終始。しかもそれが野放しで何の規制もなく横行するさまは、この国の異常さを現わしているといいたくなるほどだ。(大野和興)(2012/09/16)


政治
日刊ゲンダイ「石原伸晃幹事長『「大バカ伝説』」を地でいった報道ステーション発言
 自民党総裁選挙に立候補した石原信晃幹事長が11日、朝日テレビの報道ステーションで語った言葉が波紋を呼んでいる。波紋といっても「あれほど程度が低いとは思わなかった」といったレベルのものだが、それにしてもひどすぎた。その前日、日刊ゲンダイが「石原伸晃幹事長『「大バカ伝説』」という記事を載せていたが、図らずもそれが裏付けされた形だ。(大野和興)(2012/09/13)


沖縄/日米安保
日米安保条約を「日米平和友好条約」へ〜沖縄“本土復帰”40年にあたって<その4>日米安保を日米平和友好条約へ変えるための4つの提案  池住義憲
 軍事同盟関係から平和友好関係へと切り替えるプロセスをつくるには、どうしたらいいか。簡潔に以下4点、提案して終わりたい。(2012/09/12)


検証・メディア
ヘンリー英王子の裸の写真がお騒がせ事件に ―「報道の自由」?
8月末、王位継承権順位で第3位の「ハリー王子」ことヘンリー王子が、ラスベガスのパーティーで裸身をあらわにした写真を米ウェブサイトが掲載した。これを機に、ネット上ではハリー王子の裸の写真が一斉に流れたが、当初、英国の大手新聞各紙はこの写真を紙版はおろか電子版でも掲載しなかった。国内で掲載の先陣を切ったのは大衆紙サンであった。サンは「報道の自由」の一環として掲載を決定したと説明した。ハリー王子の写真掲載をめぐる動きをまとめてみた。(ロンドン=小林恭子)(2012/09/06)


中国
深センで労働NGOに当局の嫌がらせが続く
 中国でもっとも改革開放が進んでいる広東省・深センで活動する労働NGOが、当局の嫌がらせを受けるという厳しい状況に立たされています。多 くの工場が立ち並ぶ深セン市宝安区で活動する労働NGO「小小草情報相談センター」は6月から事務所の立ち退きを迫られていましたが、先日8月30日に正 体不明の男たちに事務所が荒らされるという事件が発生しました。警察や消防などの行政機関が検査と称して連日のように嫌がらせ的検査を実施している最中の 出来事でした。これが「世界の工場」「調和ある社会」の現実のひとつです。(稲垣豊)(2012/09/04)


核・原子力
エネルギーを地域に取り戻そう!  桜井 薫
 2010年3月11日の東日本大震災・原発事故以来、エネルギーの地域自給を掲げて被災地で地道な活動を続けているグループがある。それは、「足元からの脱原発運動」でもある。その活動を第一線でになってきた自然エネルギー事業協同組合レクスタ代表理事の桜井薫さん(埼玉県小川町)にその実践と考え方を語っていただいた。(大野和興)(2012/09/01)


みる・よむ・きく
映画「ハリー・ポッター」はどうやって作られた? 英スタジオ・ツアー
120  世界中にファンを持つ、英作家JKローリングが書いたファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズ。 今年3月、英国に「ザ・メイキング・オブ・ハリー・ポッター」という博物館ができた。ここには実際の映画撮影で使われた衣装や小道具がたくさん置かれている。ハリー・ポッターのファンばかりか、本を読んでいない人、映画も見ていない人にも「楽しめる内容になっている」―という話を実際に行った人から聞いた。(ロンドン=小林恭子)(2012/08/31)


人権/反差別/司法
オリンピックのさなかに死刑執行    根本行雄
 8月3日、法務省は、東京、大阪の各拘置所で同日朝に2人の死刑を執行したと発表した。滝実法相による初の執行命令で、民主党政権での執行は約4カ月ぶりで計7人になった。ロンドン・オリンピックのニュースで毎日のように沸き立っていた時期に、なぜ、死刑をいきなり執行するのか。日本政府の秘密主義、密行体質に変わりはない。(2012/08/27)


みる・よむ・きく
エマニュエル・トッド著「アラブ革命はなぜ起きたか〜デモグラフィーとデモクラシー〜」
  フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)著「アラブ革命はなぜ起きたか」は「アラブの春」に対するクールな視点を提供している。トッド氏はジャーナリストや政治学者とは違った視点で事態を見ているが、それは人口動態から見ることである。どの社会も識字率が50%を超える頃、社会変動が起きる確率が高いという。(2012/08/26)


核・原子力
原子力ムラで固めた規制委員会人事に市民が猛反発、大飯再稼働に加えてこの人事、どこまで国民を愚弄しているのか  上林裕子
 大飯原発の再稼働をめぐって人々が集まる毎週金曜日の官邸前行動だが、再稼働に加えてこのところの緊急の課題は「原子力規制委員会人事」だ。『利用と規制の分離』をめざして原子力ムラからの決別のために新たに設置されることが決まった規制委員会の委員長・委員候補として細野剛志原発担当相が示したのは、委員長候補に前原子力委員会座長代理の田中俊一氏、委員候補に更田豊志・(独)日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門副部門長、中村佳代子・日本アイソトープ協会プロジェクトチーム主査など、委員長以下3名が原子力ムラそのものだった。この国民を愚弄しているとしか思えない規制委員会人事に対し市民は猛反発しており、金曜日の官邸前に「規制委員会人事反対!」の声が響く。(2012/08/20)


TPP/脱グローバリゼーション
米国貿易代表部主席交渉官が語るTPP交渉の今後、「さらにさらに多くの時間を割く必要がある」  
 米国サン・ディエゴでのTPP(環太平洋経済連携協定)拡大会議終了後の7月16日に米国貿易代表部(USTR)主席交渉官のバーバラ・ワイゼル氏が利害関係者向けに行った会見内容を、日本の市民団体「TPPに反対する人々の運動・翻訳グループ」が翻訳したので紹介する。これからのTPP交渉の方向性を示唆する興味ある論点がいくつか含まれている。主席交渉官は「大幅な進展があった」といいながら続いて「さらに多くの時間を割く必要があると認識している」と述べるなど、交渉進展には多くの難問が控えていることを示唆。またオーストラリアが強く反対している「投資家対国家間紛争解決条項」(ISDS)に関して、オーストラリアを例外扱いすることに強く反対、「協定の主要項目からいずれの国も除外されるべきではないというのが基本的な立場である」という米国の立場を強調した。(大野和興)(2012/08/15)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
遺伝子組み換え(GM)からの脱却へ踏み出すインド  農民自殺の背後にもGM栽培
 インド下院農業委員会の設置したパネルは8月9日、2年にわたる調査結果を公表し、すべての遺伝子組み換え作物の試験栽培の禁止を求め、将来的に試験栽培は厳密な封じ込めによって行われるべきとした。この報告書は、農業委員会満場一致で採択された。(有機農業ニュースクリップ)(2012/08/14)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】西と東をつなぐ重要な変電所が失火で停止 呆れ、そして怒り! 山崎久隆
 「新信濃変電所が火災」との一報を聞いて、飛び上がるほど驚いた。電力の安定供給にとって本来ならば最重要設備が、失火焼失かと、呆れ、そして怒りがこみ上げてきた。(2012/08/09)


スポーツ
英紙記者がツイッターのアカウント使用を停止された顛末
120  ロンドン五輪と情報発信が簡易なツール、ツイッターが絡んだトピックが話題をさらっている。ツイッターの送信数が多すぎて、競技に支障が出たという話と英紙記者のツイッターアカウントが停止された件を追ってみた。(ロンドン=小林恭子)(2012/08/07)


検証・メディア
【編集長妄言】 オリンピックと震災瓦礫をめぐるデマ情報の事例的研究  大野和興
 ネットメディアを編集しているぼくがいうのも変なのだが、ネット上の情報はよほど自分で吟味した上でないと信用しないほうがいい。いま脱・反原発ネット情報に奇妙なデマ情報が流れている。福島の瓦礫でつくった手製の木製メダルをオリンピック派遣選手に政府が持たせたため、国際オリンピック委員会(IOC)が日本選手団を入場式から排除した、英国BBC放送がそのことを報道した、というものだ。そして、これは放射能瓦礫の国際的な拡散であり、国際法違反の国の恥だ、という言説がツイッターやフェイスブック、ブログなどに氾濫、細野原発大臣のブログが抗議のメールで炎上したというくだらないおまけまでついている。ネットにおけるデマ情報の発生と拡散、そして人びとがいかに安易にそれを信じてしまうかの好例として追ってみた。(2012/08/06)


文化
【核を詠う】(61)占領下の広島で原爆の惨禍を詠った詩歌集『黒い卵』(栗原貞子)の短歌を読む(1)「子らよ、子らよ、よく無事なりし、しつかりと二人の子らの手を握り締む」  山崎芳彦
 八月が、今年もめぐってきた。筆者は、毎年カレンダーをめくり八月にかえるとき、心の中で八月六日、九日の広島、長崎の原爆によって殺されたひとびとのことを思うのが常となっている。十五日の敗戦の日は、憎しみの日となる。「なぜ、この日が十五日でなくもっと早くなかったのか」と思うと、東京大空襲、海外の戦地に屍を晒し、あるいは傷を負い惨憺たる苦しみを強いられた人々の無惨さに思いが及ぶ。(2012/08/06)


検証・メディア
メディアは正直ですか 問われる「インテグリティ」 藤田博司
  ジャーナリズムの重要な価値の1つに「インテグリティ」がある。辞書には正直さ、誠実、高潔などとともに職業的規範、規準が訳語として掲げられている。ジャーナリズムが信頼されるために欠かせない資質、ともいえる。いま日本のジャーナリズムにどれほどのインテグリティを市民が認めているだろうか。ジャーナリズムは市民の信頼なしには十分な役割を果たせない。しかしジャーナリズムの担い手であるメディアの最近の振る舞いを見ると、このインテグリティを守る意識が報道の現場にどこまで定着しているのか、心もとない気がしてくる。(2012/08/03)


核・原子力
一水会、差別発言ブログを削除  鈴木邦男顧問がツイッターで謝罪
 本紙が2012年07月24日15時37分に掲載した「【編集長妄言】脱原発運動にもちこまれた差別・排外主義、レイシズム」で指摘した一水会の「一水会活動最新情報!ブログ」の記事、「『原発技術なんか朝鮮人にくれてやれ。穢れた技術は、穢れた民族にこそ相応しいのだから』」が24日16時55分に削除された。また同会顧問で新右翼を代表する論客鈴木邦男氏がツイッター上で謝罪した。論評は後に譲り、とりあえず事実経過だけ報道する。(大野和興)(2012/07/31)


アジア
【イサーンの村から】(20)人がつながるということ  森本薫子
120  タイ人は、本当に家族、親戚、地域内の人との繋がりが強い。結婚しても親との同居はもちろんのこと、親戚が一緒に住むこともよくある。遠い親戚でもすべて含めて一族扱いなのだ。隣の敷地に住む義理の祖父母は、長男の娘を生まれたときから育てている。長男夫婦は離婚してどちらも娘と一緒に住んでいない。祖父母と同居する叔父さん夫婦は、遠い親戚の娘(現在、幼稚園児)を生後2ヶ月から育てている。この子の両親は、出稼ぎに行ったまま帰ってこない。(2012/07/27)


検証・メディア
諸悪の根源「日米安保」に着目しよう 野田首相を金縛り状態にしている背景 安原和雄
  米海兵隊の垂直離着陸輸送機オスプレイ配備に向けたデモ隊の「反対の叫び」を聴きながら、もどかしさを抑えることができない。なぜなのか。それは日本の政治経済を律している「日米安保」の存在が必ずしも国民、市民の間の共通認識になっていないからである。野田首相は「日米安保」の僕(しもべ)として金縛り状態に陥っている。一方、メディアの姿勢も日米同盟批判派から同盟堅持派、同盟懸念派などに至るまで四分五裂の状態で、「日米安保」への批判で一貫しているわけではない。(2012/07/27)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】東京電力に原発を動かす資格はない、実質は全面撤退だった  山崎久隆
 7月16日、真夏の太陽が容赦なく照りつける中、実に17万人の市民が東京の真ん中、代々木公園に集まりました。あまりに広く、大勢集まる中ではメインステージの音など到底聞こえるわけが (2012/07/24)


アジア
【イサーンの村から】(19)百姓の技と心(下) なんでも手作業  スピード、長続き、それにおしゃべりがつく百姓技  森本薫子
120 (2012/07/18)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】原子力ムラの犯罪を振り返る≪上≫ 規制の指針もない-組織もない-人材もない  山崎久隆
 総合エネルギー調査会は「エネルギーミックスの選択肢の原案」を何度かに分けて公表した。2030年の発電設備割合として原発を0%、15%、20〜25%、35%が提示されている。「35%は「選択肢」から外され「参考」とされた)(2012/07/12)


コラム
動いてみないとわからない   村上良太
120   外国に取材に行けるようになったのは僕の場合はもっぱら9・11同時多発テロ事件以後だ。それまでの数年は外国取材が減少しており、外国取材をもっぱらとする番組枠のスタッフでなかったら難しかった。それがテロ事件をきっかけに海外の動向が戦争を含めて再びニュースに取り上げられるようになった。だが、外国取材の経験が不足していると、初めて行く土地土地で勘違いや誤解、自分の無知を思い知ることになる。(村上良太)(2012/07/08)


核・原子力
大飯原発再稼働抗議行動  29日夜官邸前、主催者発表で20万人が結集
 毎週金曜日に取り組まれてきた大飯原発再稼働反対の首相官邸前抗議行動が29日、主催者発表でついに20万人に達した。先週金曜の前回行動が4万5000人だったから、5倍以上に増えたことになる。参加者は子連れのお母さんから年配層まで幅広く、組織動員ではない草の根の広がりを感じさせるものだった。この日は全国各地でも抗議行動が行われた。飛び交うツイッターからピックアップして、官邸前の状況の一端を紹介する。(日刊ベリタ編集部)(2012/06/29)


コラム
オウム真理教と私      鬼塚忠
   ある日、ビルマ寺のビルマ僧とブッダが悟りを開いたとされる菩提樹へ行った。するとなんとその菩提樹の下には麻原彰晃が瞑想していたのだ。当時はまだ選挙に出る前で、麻原彰晃はそれほど知名度は無く、座禅して空を飛ぶことで、一部の間で有名だった。今でも忘れない、麻原彰晃のまわりには踊り組が踊り、その周辺には、上祐史浩など、その後有名になる幹部が揃っていた。そのとき、私の横にいたビルマ寺の僧が麻原彰晃を見て、奇妙なことを言った。「うぉー、このお方はすごいマインドパワーがある」(2012/06/18)


文化
【核を詠う】(49)『朝日歌壇 2012』(朝日新聞出版刊)から原発短歌を読む(4) 「父をかえせ母をかえせと哭きし峠三吉 土を村をと呻く福島」   山崎芳彦
 「今のような状況の中で、私たちが本当に考えなくてはいけないのは、原子力に期待していたような時代状況からの、ある種、文明的な転換についてだと思います。そういう転換を成し遂げるためには、多くの人たちが原子力問題の根本を理解し、先を考える必要があります。今の日本の政府が大きな政策上の転換もなく、このまま進んでいくのであれば、今後、そのことによっていろいろな影響を受けるであろう若い人たちに、私なりのメッセージを届けること―・・・」(2012/06/11)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】オリンピック招致を原発再稼働の口実に使うな!  2020年東京オリンピック招致反対!
 東京都が2020年オリンピック招致の際の正式立候補都市に選ばれた。反原発運動にとってマイナスだ。その理由を説明する。(東京にオリンピックはいらないネット あつみまさずみ)(2012/06/08)


政治
日本経済はカネがないのではない、その使い方が問われているのだ  三上 治
 「六月の花のさざめく水の上」(飯田龍太)。やはり、六月はいい季節であることは確かだ。梅雨の好き嫌いもあるだろうから一般にはいえないのかも知れないが、僕にはそうである。しかし、政治的にはそうとはいえない。六月下旬の国会開催期間をめぐって政局(政党間抗争)は激化し、政党や政治家の病んでいる姿を否応なしに見る事を強要される。今年も例年と変わらず、政治的愚劇を見せつけられそうであるが、愚痴を言っていても仕方がない。原発再稼働の着手という事態も考えられるからだ。(2012/06/03)


アフリカ
現代の遊牧民 「モダン・ノマドの日記 9」 アンドレイ・モロビッチ
120   「平和ホテル」はニジェール北部のサハラ砂漠にある州、アガデス(Agadez)で最大の建物ではないにしても、もっとも大きなものの1つに入る。このビルが建設されたのはそれほど昔の事ではない。近代技術を使って記録的な短期間で建てられた。基本的にはセメントのブロック使ったものだが、正面のファサードにはアフリカで伝統的な粘土と藁、牛馬糞が使用されている。アガデズで世界に出して恥ずかしくない施設は「平和ホテル」くらいしかない。部屋にはエアコンがついているし、プールもある。さらに様々な種類の酒が置かれたバーもある。この「平和ホテル」を作ったのはリビアのカダフィ大佐だ。(2012/06/03)


社会
日本の生活保護の実態は  「保護率は先進国の中でも異常に低い」  市民・法律家団体が指摘
 生活保護へのバッシングがテレビ、週刊誌と拡大し、さらに自民党、民主党の議員も加わり、制度改悪へと具体的に動きだしそうな気配になってきた。本当に日本の生活保護制度は本当に乱用され、正直者が馬鹿を見るような事態になっているのか。昨年11月9日に生活保護問題対策全国会議など生活保護や貧困問題に携わる60の市民団体、法律家グループは「利用者数の増加ではなく貧困の拡大が問題である」とする見解を発表している。お笑い芸人バッシングの以前に、こうしたことが起こることを見越して出されたもので、生活保護制度は「憲法25条で保障された」権利であり、「最後のセーフティネットとして機能している生活保護制度そのものの評価を下げるような報道には違和感を覚える」として、適用の実態や現在の貧困の状況を具体的に指摘している。 (日刊ベリタ編集部)(2012/05/29)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】電気は足りる(1) 節電でなく適電、本当に必要なのは電力ピーク対策 山崎久隆
 日本全国の発電設備は10電力で2億400万キロワットもある。そのうち約4千800万キロワットが原発なので、使えるのは差引1億5600万キロワットであるが、日本で最も電力消費の多かった2001年8月のピークは1億7800万キロワットだった。(沖縄電力を除く)(2012/05/22)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】関電は最初から火力発電を再稼働させる意思がなかった 永野勇  
 私は、東電の共同火力に26年間努めておりました。 関西電力の宮津火力と多奈川火力の詳細データは、持ちあわせておりませんが私は、テレビを見てあきれたのは、宮津火力と多奈川火力については、最初から再稼動させる意思が全く無かったと思います。再稼動させる為には、停止中に各機器の長期保管とその為の最小人数の配置が必要です。ボイラー、タービン、発電機、主要配管、その他の主要機器を内部の錆を防ぐ目的で保管する必要があります。(2012/05/19)


コラム
海峡を渡るバイオリン  鬼塚忠
盟友岡山徹氏と私が、聞き書きした「海峡を渡るバイオリン」(河出書房新社)の陳昌鉉氏が13日、亡くなられた。82歳、大腸がんだったそうだ。私が会社を起こして間もないころだった。陳昌鉉氏の存在を知人から聞き、これはと思い、すぐに電話を入れて自宅に行き、その半生を本にしたいと願い出た。(2012/05/18)


文化
【核を詠う】(41)『短歌年鑑平成24年版』(角川学芸出版刊)の原発短歌を読む(1)「誤ちて人が持ちたる禍つ火ぞ原子の力いま手に負へず」 山崎芳彦
 角川学芸出版が毎年刊行する「短歌年鑑」の平成24年版が発刊されたのは昨年12月7日で、同年鑑に収録されている短歌作品は平成22年10月から24年9月の期間のものと考えてよいだろう。年鑑の内容は、短歌作品はもとより、評論や座談会などがかなりのウエイトを占めているし、平成二十三年度出版の歌集・歌書・合同歌集一覧、一年間の歌壇の出来事などや全国結社・歌人団体の住所録と動向、全国短歌人名録など資料もあり多彩な編集内容だが、月刊総合歌誌「短歌」を出版している同社にふさわしい年鑑となっている。(2012/05/11)


ロンドン・ブック・フェアでの話 ―英アマゾンで自費出版・ベストセラーを出した作家に聞いてみた
 4月16日―18日、ロンドン・ブック・フェアが開催され、世界各国の出版関係者が集まった。3日間で、私が行けたのは16日だけだったのだけれども、様々な思いがけない出会いがあった。その一部を紹介したい。(ロンドン=小林恭子)(2012/05/07)


文化
【核を詠う】(番外編)福島原発事故独立検証委員会の報告を読む(2)「『二つの原子力ムラ』の『共鳴』が原発推進の原動力」という歪曲  山崎芳彦
 前回は、福島原発事故独立検証委員会の報告書が、原発の「安全神話」について、反(脱)原発の主張と運動(「原理原則に基づくイデオロギー的反対派」と報告書はいう)が原発推進の「原子力ムラ」の「安全神話」を強化する土壌を提供したとする、悪意に満ちた歪曲の論理を展開していることについて指摘したが、今回は、同報告書の「原子力ムラ」論について、思うところを述べてみたい。前回の「安全神話」論ともかかわって、検証委員会の考え方が露わになる部分と思われるからだ。(2012/05/03)


国際
MINURSOミヌルソ 国連西サハラ住民投票監視団 文:平田伊都子、写真構成
120  <MINURSOミヌルソ>という言葉は日本人にほとんど馴染みがない。 フルネームは<The United Nations Mission for the Referendum in Western Sahara>と呼ぶ国連の組織で、日本防衛省は国連西サハラ住民投票監視団と訳している。 (2012/05/01)


ご成婚から1周年 ―キャサリン妃の評価とは?
 ケイト・ミドルトンさんが、王位継承順位第2位のウイリアム王子と結婚し、ケンブリッジ公爵夫人=「キャサリン妃」となってから、4月29日でちょうど1年となった。今では1人で公務をこなすまでになっており、同妃の笑顔が英国の新聞や雑誌に出ない日はないと言ってよいほど、人気が高い。一体どこに特徴があるのか?(ロンドン=小林恭子)(2012/04/29)


みる・よむ・きく
「英国メディア史」の書評・レビュー
120  昨年11月、中央公論新社の選書シリーズから、筆者が住む英国のメディアの歴史をまとめた「英国メディア史」を出版する機会を得た。書店に平積みになるような本ではなく、目に付きにくい書籍ではないかと思う。読まれた方がどんな感想をもたれたのかをまとめてみた。(ロンドン=小林恭子)(2012/04/23)


欧州
スペインの漫画から FEITOとは?
  スペインの新聞エル・パイスにErlichの最新の漫画が載っている。例によって、スペイン情勢に疎いと(ただでさえ、スペイン語に詳しくないためもあって)意味が分かりにくい面がある。この漫画では男が新聞を読んでおり、画面奥にいると思しき妻に問いかけている。夫「このコーヒー変わった風味があるけど、何なんだい?」妻「アドレナリンよ」(2012/04/22)


みる・よむ・きく
「日本」の良さは、こんなにも 対談『日本を、信じる』を読んで 安原和雄
  瀬戸内寂聴さんとドナルド・キーンさんの対談集『日本を、信じる』は、「読めば元気の出る対談集!」と銘打ってあるだけに含蓄に富む発言、指摘が少なくない。例えば仏教の無常(同じ状態は続かないで変化すること)観である。日本人の多くは無常をマイナス志向で捉えやすいが、本来は積極的、肯定的なプラス志向の意味も含んでいる。悲劇をもたらした東日本大震災から復興・再生への変化はプラス志向の具体例である。(2012/04/16)


文化
フランスからの手紙 25  Paris existe-t-il ? (パリは存在するのか?) パスカル・バレジカ
120   今、パリに関する本を1冊書き終えたばかりである。毎回、執筆の度に自問するのだが、それは「パリは本当に存在しているのか?」という問いである。なるほど、私たちは疑問の余地がないほど確かな現実の町で暮らしている。私はこの町で生まれたのだし、何十年とこの町をあらゆる方向に歩き回ってきた。徒歩で何キロもだ。確かにパリはそこにある。それでも欧州全域や世界から見ればとても小さな都市に過ぎない。ロンドンに比べればとても小さいし、欧州の大きな都市に比べても小さい。(2012/04/08)


文化
【核を詠う】(37)3・11後の原発短歌を読む 三原由起子「3・11後の私」(福島・浪江町出身の歌人が詠う) 山崎芳彦
 福島原発の地・浪江町出身の歌人、三原由起子さん(東京在住)とお目にかかる機会があった。前回の稿で触れた「福島に寄せる短歌と写真展」の会場で、同展に作品を展示していた三原さんとお会いしたのだった。三原さんは、角川書店発行の月刊歌誌「短歌」3月号の特集座談会「3・11後、歌人は何を考えてきたか」(被災地在住歌人を交えた二世代座談会)の30代以下世代の座談会に出席し、積極的に福島原発の被災地であるふるさとに寄せる思い、原発にかかわる歌を詠うことの大切さ詠い続ける決意について語っていたことを読んでいたので、ぜひ作品を送っていただけるようお願いしたところ、3・11以後に短歌総合誌その他に発表した作品をまとめて「20011年3月11日後のわたし」と題して、送って下さった。(2012/04/07)


人類の当面する基本問題
(23)欧米諸国による敵対政権破壊の動き 中東騒乱にみる選民意識 落合栄一郎
  先に欧米諸国に残る選民意識が発動した例として、ノルウェーの銃乱射事件を論じた(落合:日刊ベリタ2011.08.01)。この例は、個人の選民意識が明らかなケースであったが、中世後半から始まる西欧文明の台頭と世界制覇は、キリスト教の教義に含まれたと彼らが考えた「神に選ばれた」自分達が、世界を制覇するという信念から発していたようである。その精神が、実はまだまだ生きているようである。(2012/04/05)


文化
[演歌シリーズ](26)番外篇 あれから一年 福島市から“原発”発言(3) ―増えつづける自主避難者―  佐藤禀一
 福島市・東京電力福島第一原子力発電所(福島第一原発)から北西へ60キロ、事故・水素爆発時風下。2012年3月11日現在放射線量毎時0.76マイクロシーベルト(文科省・福島県測定)、年積算換算6.66ミリシーベルト。低線量放射線を浴びつづけてのからだへの影響は、乳幼児・小学生で10年後、大人は20年後にわかると言われている。これまで、誰も体験していない。(2012/03/27)


検証・メディア
英新聞の発行部数下落振りに見る将来 −紙媒体が消えるのは時間の問題か
 英国の新聞の発行部数(2月)を、先日、改めて確認してみた。英国の新聞は、地域によって、全国紙、地方紙、中身によって大衆紙、高級紙、発行頻度によって日刊・朝刊紙、日刊・夕刊紙、日曜紙、週刊新聞、お金を払うか払わないかで有料紙、無料紙に分かれるのだけれど、とりあえず、主要全国紙の比較である。発行部数と前年同月比でどれぐらい減ったかを、英ABCの調査でみると(最後に数字を補足)、分かっていたようでも、その下落振りにはいささかの衝撃を感じざるを得ない。(ロンドン=小林恭子)(2012/03/21)


福島から
こちら側とあちら側―原発被災地の村からー(1)南相馬の詩人は詠う  大野和興(農業記者)
 3月11日が暴き出した事実と、そのことがもつ意味をどうとらえるかは人によってさまざまだし、なによりすでに山のような文章や発言が積み上げられている。ではぼくの場合はどうか。山のような文章や発言になにがしかを加えられると思うほどの自信はからきしないが、せめてぼくの立ち位置だけははっきりしておこうと思う。四国の山奥の村で育ち、村歩きを仕事として、この五十年を生きてきた。地震と津波、それにつづく福島第一原発の爆発と暴走に接して、一瞬頭をよぎったのは「百姓と漁師のとてつもない受難の時代が始まった」ということだった。明治以来のこの国を作り上げてきた原動力とも言える、都市による地方の収奪、百姓と漁師の切り捨てがいっそう勢いを増すだろうと思ったのだ。であるならばぼくは、農業記者としての五十年、ぼくを支えてくれた「切り捨てられる側」に徹底して立とう、絶対に引かないで立とう、と思った。以下、その立ち位置から見えてきたものを報告する(2012/03/20)


検証・メディア
英戦争写真家たちの会話 「写真は何かを変えたのか?」−帝国戦争博物館で
120  3月上旬、ロンドンの帝国戦争博物館(Imperial War Museums)で、世界各地での戦争報道で知られるベテラン写真家ドン・マッカリン(Don McCullin)と、現役の戦争報道写真家たちが、アフガン戦争について語るイベントがあった。「50年間、戦場写真を撮ってきたが、何も変わらなかった」とクールに語るマッカリンと、「戦争の記録を残したい」という若手写真家たちとの違いが色濃く出た夕べとなった。(ロンドン=小林恭子)(2012/03/13)


人類の当面する基本問題
(22)人間社会の専門分化と体制維持 「原子力村」形成の論理 落合栄一郎
 人間社会が拡大し、複雑になるにしたがって、社会の営みが分化してきた。これはやむを得ない傾向ではあろうが、社会構造が高度化するにしたがって、さらに分化傾向が激しくなり、様々な弊害が生じている。問題の根本は、その専門化した分野に携わる人間は、自分の専門分野がどのように社会全体のなかで機能しているかを意識することが少なく、専門分野自体がその専門家の全世界になってしまう。そして、問題が生じても、専門分野維持に固執しがちである。(2012/03/07)


みる・よむ・きく
「原発ゼロ」を求めて行動するとき あの「3.11」を境にして想うこと 安原和雄
  あの「3.11」から丸一年となる。どういう想いで迎えたらいいのか。僧侶・瀬戸内寂聴と作家・さだまさしの対談を読んで感じるのは、日本再生のためにはやはり「原発ゼロ」を求めて行動するほかないということだ。二人の対談は、日本人はなぜ辛いときに笑うのか、身代わりに命を捧げてくれた犠牲者たちに感謝すること、命や心など目に見えないものこそ大切であること、反対なら声を上げて行動するとき―など望ましい日本人論のすすめともなっている(2012/03/04)


検証・メディア
変われるか、メディア 「3・11」から1年 藤田博司
  東日本大震災と福島第一原発事故のあと、これを契機に日本は変わるだろう、変わらねばならないと、多くの人が思ったはずである。新聞でもテレビでも、2011年は「日本の歴史の転換点」という指摘が繰り返された。「絆」が氾濫し、「安心と安全」がしきりに強調された。あの日からほぼ一年、日本は本当に変わったのだろうか。いや、少なくとも変わりつつあるのだろうか。(2012/03/04)


文化
【核を詠う】(31)福島原発の地で詠った東海正史歌集『原発稼働の陰に』を読む(2)「放射能をりをり洩らす排気筒吐く物何か不気味に聳ゆ」 山崎芳彦
 先日、筆者が所属している小さな短歌会の二月定例歌会が開かれたがある会員が原発にかかわる作品を出詠した。このところ毎月の歌会に原発短歌を出詠している会員だが、彼は以前脳出血を病み、身体に軽くない障害を持つ身であるが、リハビリに励み機能の回復に努め、短歌会のほかにコーラスのサークルにも所属して、前向きに生きている七十代の会員である(2012/02/20)


反戦・平和
日独の空襲体験者らが「人間の鎖」に参加 ドレスデンで平和のための式典
  東京などの空襲体験者や空襲研究者・支援者らがドイツを訪れ、2月13日、空襲被災都市ドレスデンの平和のための式典や1万人が参加した「人間の鎖」に参加、ドイツの戦争体験者たちとの交流を行なった。(加藤〈karibu〉宣子)(2012/02/20)


コラム
 「電子書籍、実はすごい!」 鬼塚忠
  2010年1月に、弊社プロデュースで、夏川賀央著「すごい会社のすごい考え方」(ユナイテッド・ブックス)を世に出しました。企画も文章もよかった、と思っていたのですが、重版するには至らず、そのまま絶版となりました。絶版を伝えられるときは、本当に悲しいものです。作家やエージェントにしてみれば、コンテンツを産む訳ですから、文字通り子供のようなもの。しかし電子書籍の許諾をしたら、3か月間で4万部超の売上報告が送られてきました。思わず、配信元に確認してしまいました。本当か、と。もちろん本当でした。これはすごい。(2012/02/19)


検証・メディア
ワイヤード」から探る考え方のヒント雑誌とは「マインドウェア」
 雑誌「ワイヤード」日本語版の、「読むを考える」のシリーズから、ヒントになったことをメモしている。(ロンドン=小林恭子)(2012/02/17)

検証・メディア
「ワイヤード」から探る考え方のヒント◆ 重纏匳饑劼量ね茲函屮好函璽蝓次(物語)
 「ワイヤード・ジャパン」で年末紹介されていた、「読むが変わる」シリーズ(1から6)やその関連シリーズの記事が、電子書籍の将来や「読む」ことの意味について考えるために、非常に示唆に富む内容になっていた。一歩先を進んでいる米国の話で、日本の動きと重なるものもあれば、「なんだかはるか遠い話」に見えるところもあるかもしれないが、ご一読をお勧めしたい。文章はKei Wakabayashiさん、写真はYasuyuki Takagiさんである。(ロンドン=小林恭子)(2012/02/16)

検証・メディア
「ワイヤード」から探る考え方のヒント  州唯稗團瓮妊アラボ所長伊藤氏の話
 「ワイヤード」という雑誌をご存知の方は多いだろうと思う。私自身は知人に勧められてネット上で「ワイヤード・ジャパン」の記事を読むようになった。テクノロジーのみならず、ものの考え方について教えられるような、多くのトピックに出会った。いくつかをクリッピングしたのだが、どこに感動したかの記録を自分でも書きとめておこうと思い、ブログにつづることにした。まずは、MIT(米マサチューセッツ工科大学)メディアラボの第4代所長となった、伊藤穰一氏のインタビュー(2011年4月28日付)。少々前の記事であるのをご了承願いたい。(ロンドン=小林恭子)(2012/02/15)


核・原子力
「団結して子どもを守ろう!」 南相馬市の“ぬまゆ”さんが本当に訴えたいこと
120   「今日、ここにいる人たちで団結し、子どもたちを守りましょう!」“ぬまゆ”さんこと沼内恵美子さん(42歳)は1月28日(土)、南相馬市原町地区で開かれた野呂美加さん[*1](NPO法人チェルノブイリへのかけはし代表)のお話会終了後、そう呼びかけながら来場者ひとりひとりに名刺を配っていた。“ぬまゆ”さんをご存じない方のために説明をしておくと、沼内さんは南相馬市で塾を経営している先生だ。(和田秀子)(2012/02/06)


検証・メディア
期待される新たな原発報道 藤田博司
  「2011年報道写真展」がいま、横浜の日本新聞博物館で開かれている(4月15日まで)。昨年1年間の優れた報道写真を集めたこの展示で目を引くのは、当然のことながら東日本大震災にかかわる写真である。巨大津波の猛威、その被害の甚大さ、被災した人たちの悲嘆と苦悩―写真が切り取った現実の一つ、一つが見るものの心を打つ。(2012/02/05)


コラム
「自転車楽国」ニッポンのすすめ 乗用車よりも自転車を優先させる時代 安原和雄 
  最近、歩道を歩いていて、携帯電話で話しながら暴走する自転車に危険を感じることが少なくない。それを批判する声も高まっている。ただ携帯電話、自転車そのものに非があるわけではない。利用する人間の姿勢に責任があるわけで、打開策はどうあるべきだろうか。<「自転車楽国」ニッポン>のすすめを提案したい。(2012/02/04)


医療/健康
欧州で豊胸バッグの安全性に疑問符  ―英国では手術費用の負担が大問題に
 昨年末、フランスの会社(PIP)が製造した豊胸用シリコン・バッグに医療上の問題があることが発覚した。最悪の場合、シリコン材が体内で破裂する可能性があり、豊胸手術を受けた女性たちの間にパニックが起きた。本国フランスやドイツでは女性たちに摘出手術が勧告されたが、英政府は「必ずしも手術は必要ない」と発表し、国によって対応がまちまちになっている。(ロンドン=小林恭子)(2012/02/01)


核・原子力
最後の被爆医師・肥田舜太郎氏「マスコミは真実を」 市民と科学者の内部被爆研が発足
120   「市民と科学者の内部被爆問題研究会」が1月27日(金)に発足し、都内で記者会見が行われた。呼びかけ人は、広島・長崎の原爆被害を長年追求してきた医師や研究者、ジャーナリスト、市民など26人(2011年12月20日現在)。記者会見では、澤田庄司氏(素粒子物理学者・被爆者)、松井英介氏(医師・放射線医学・呼吸器病学)、矢ヶ崎克馬(物性物理学)、そして肥田舜太郎氏(被爆医師)など、3.11以降、市民の立場に立って内部被爆の危険性と身を守る方法を訴え続けてきた専門家らが登壇し、「年間1mSv以上の地域に在住する子どもを即刻集団疎開させる」など、内部被爆の拡大と健康被害を防ぐために政府がとるべき安全対策などを提言した。(和田秀子)(2012/01/30)


政治
反プーチン運動のジレンマ  ナショナリストと手を組むか?
  ロシアでは次期大統領になると見られているプーチン首相の権力に対する市民のデモ運動が続いている。しかし、ここに来て運動に亀裂の芽もあるとニューヨークタイムズは伝えている。それは市民運動がナショナリストグループと手を組むかどうか、という問題だという。(2012/01/29)


文化
【核を詠う】(28)正田篠枝遺稿集『百日紅―耳鳴り以後』短歌を読む(5)「かたことの言葉言いそむ初孫よ悲しき世紀の死の灰降らすな」 山崎芳彦
 長崎で原爆被爆した作家で、小説『祭りの場』(1975年、芥川賞受賞)はじめ被爆体験とその後の生を題材にした多くの作品を書いてきた林京子さんが、岩波ブックレットの813『被爆を生きて 作品と生涯を語る』(2011年7月刊、聞き手・島村輝氏)で、自らの被爆から福島原発事故にかかわって「核」について多くを語っている。聞き手の島村さん(フェリス女学院大学教授 「逗子・葉山9条の会」事務局長)との対談だが、読み応えがある。(2012/01/28)


東日本大震災
震災瓦礫問題−悩みながらの問題整理   中山 均
 3.11震災によって発生した広範で膨大な量の瓦礫の処理をめぐって、議論が起きている。国は福島原発事故の影響を考慮し、福島県の瓦礫は県内処理し、宮城・岩手で発生した瓦礫は広域処理という方針を打ち出し、全国の自治体に協力を要請し、東京都をはじめいくつかの自治体が受け入れを表明する一方、放射能汚染の懸念からその数はわずかにとどまり、受け入れ反対を主張する住民の声も高まってい る。この問題をめぐる議論は、二重三重に複雑な要素が絡み合っている。以下問題を整理する。(2012/01/23)


検証・メディア
日本のメディア・出版界に聞く−2 英「エコノミスト」東京支局記者、「日本国民を裏切ったのは・・・」
 英ニュース週刊誌「エコノミスト」東京支局記者ケネス・クキエ(Kenneth Cukier)氏に、東京事務所で話を聞いた。今回はその2(最後)である。(小林恭子)(2012/01/12)

検証・メディア
日本のメディア・出版界に聞く−1 英「エコノミスト」東京支局記者が語る震災報道の衝撃
120  昨年秋、日本に滞在したときにインタビューさせてもらったメディア・出版業界の方々の中で、オンレコで内容をブログ掲載してもよいと言ってくれた3人の方の声を紹介してきた。今回は、その最後にあたる。(ロンドン=小林恭子)(2012/01/11)

欧州
言論統制を進めるハンガリーの新メディア法
    ニューヨークタイムズなどの欧米紙で最近クローズアップされているのがハンガリーの憲法改正とその関連としての新メディア法である。以下はハンガリーにある日本大使館がウェブで公開している新メディア法に関する記述である。(2012/01/11)


みる・よむ・きく
「コルタサル短篇集」 (木村榮一訳 岩波文庫) 
  アルゼンチン出身で長くパリで暮らした作家フリオ・コルタサル(Julio Cortazar,1914-1984)には「石蹴り遊び」という何通りもの読み方を選択できる独創的な長編小説があるが、短編小説の名手でもある。コルタサルは現実と幻想が交錯する話をいくつも書いている。遠く離れた時代が交錯したり、夢と現実が交錯したり、静止しているはずの写真が動き出したりする。こうした小説は映画と親和性が高い。その延長線上に短編「南部高速道路」がある。この話はまさに3・11以後の日本を描いた作品のように読める。(村上良太)(2012/01/05)


アジア
戦場カメラマン・石垣巳佐夫氏〜妻をインドシナに連れていく 〜 村上良太
120   ベトナム戦争、カンボジア紛争、中越戦争などインドシナの戦争を撮影してきた日本電波ニュース社の石垣巳佐夫さんには長年、申し訳ないと思ってきたことがあった。26歳で結婚して以来45年ともに暮らしてきた妻のれいこさんを一度もインドシナに連れていったことがなかったことだ。戦場カメラマンの妻は生きて帰ってくるかどうかも定かでないカメラマンを待ち続けた。夫が旅立ったのは米軍が爆弾を雨あられと注いでいたベトナムやラオスである。だが、戦場カメラマン志望の男と結婚したのだからしょうがない。石垣さんは11月、れいこさんを連れて成田から飛び立った。カメラマンとして過ごしたベトナムとカンボジアを訪ねる12日間の旅である。(2011/12/29)


文化
ディケンズ生誕200年を祝う −読者とともに生きた作家
120  小説「クリスマス・キャロル」や「大いなる遺産」などで知られるのが、ビクトリア朝を代表する作家チャールズ・ディケンズ(1812−1870-年)だ。来年2月には生誕200周年を向かえ、英国各地で様々なイベントが開催される。「英国ニュースダイジェスト」(12月22日号)にディケンズの生涯や作品群を振りかえるコラムを書いた。以下はそれに若干付け足したものである。(ロンドン=小林恭子)(2011/12/25)


検証・メディア
日本のメディア・出版界に聞く◆檻院|羝選書・編集長「電子出版の時代だからこそじっくり読む本を」
120  先日、『英国メディア史』という本を、中央公論新社が創刊した「中公選書」シリーズから出させていただく機会を得た。このとき、担当者として面倒を見てくれたのが、前中公新書ラクレ編集部長であった、横手拓治・現中公選書編集長である。 編集者のプロとして、現在の出版業界をどう見ているのか? そして、なぜ「選書」をやろうと思ったのだろうか? 都内でじっくりと話を聞いてみた。(日刊ベリタ=小林恭子)(2011/12/24)


労働問題
労働者と労働運動を舐めるな!〜JALの組合潰しを許さない!!〜  東京で相次ぎ集会  坂本正義
120  JAL整理解雇問題が大きなヤマ場を迎えつつある。昨年大晦日に整理解雇されたJAL社員165名のうち146名(その後、2名が追加提訴したため、現在原告は148名)が今年1月に東京地裁へ提訴した裁判が、僅か1年足らずの12月に結審を迎えるという異例の早さで進み、判決は年度内に出ることが見込まれている。(2011/12/22)


検証・メディア
日本のメディア・出版界に聞く .優奪箸離縫紂璽后ο醒泥汽ぅ硲贈味錬韮錬咫△海海砲△
120  2009年10月にスタートした、ネットのニュース・サイト「BLOGOS(ブロゴス)」が着実に利用者数を増やしている。ブログサイトを集めた形を取る「ブロゴス」の大谷広太編集長に、サイトの始まりから現在までの経緯を聞いてみた。(日刊ベリタ=小林恭子)(2011/12/21)


科学
【SMC発 サイエンス・アラート】金融危機後に二酸化炭素排出量が増える
 12月4日に英国科学専門誌「Nature Climate Change」と「Nature Geoscience」において、2つの気候変動に関する論文が発表されました。これらの論文:「二酸化炭素排出量の増加は金融危機の後に観測される」と「地球温暖化における人為的活動の影響証拠」について、専門家のコメントをお伝えします。(サイエンス・メディア・センター日本)(2011/12/19)


欧州
ユーロと英国 その2 「キャメロン首相には強い政治信条がないので、懐疑派を押し返せない」
 欧州債務危機問題と英国の話で、欧州の外に住む人にとっては(マーケット関係者を除き)内向きの話かもしれないが、週明けの状況を自分へのメモとしても書き留めておきたい。(ロンドン=小林恭子)(2011/12/15)


政治
転形期の日本(その三) 日米関係とアジア関係  三上 治
 大震災や原発震災で人々の関心がそれされた感のする沖縄の基地移設問題は野田政権の踏み込みで再び緊迫度を増してきている。防衛省局長の本音とでもいうべき発言で混乱しているが、政府は本当に辺野古の新基地建設が可能と見てアクセス評価書を提出しようとしているのか、それともアメリカの合意履行要求に応えるためのゼスチァー(?)であるのか。膠着状態にあるかのように見える基地移設問題で防衛省を中心とする官僚は地元の工作を進めているとも伝えられる。(2011/12/14)


中国
中国・深センの日立子会社でストライキ  警察が介入、労働者に暴力も
 中国の深センにある日立の子会社で12月4日からストライキが続いています。10日には排除しようとした警察による暴力事件にまで発展したようです。以下、ストライキの画像がたくさんUPされていたサイトの短い説明を訳してみました。(稲垣豊)(2011/12/13)


欧州
Nファーガソンが描く、2021年のユーロ・欧州像が面白い
 スコットランド出身の歴史学者N・ファーガソンが、米ウオール・ストリート・ジャーナル紙に書いた記事「2021:新しい欧州(The New Europe)」(11月19日付)が、なかなか面白い。先ほどまた見たら、ツイート数が1700を超えていた。(ロンドン=小林恭子)(2011/12/11)


経済
ユーロと英国 ほんの雑感
 欧州の債務危機収拾のために、ブリュッセルで開催されていたEU首脳会議が9日閉幕した。会議の中で、英国・キャメロン首相が「英国の国益を守るために」、「拒否権を発動」し、EU全加盟国27カ国の中で「孤立した」と英国では報道され、昨日から大騒ぎとなっている。(ロンドン=小林恭子)(2011/12/11)


久しぶりの日本で気づいたこと
 2年ぶりの日本への一時帰国を終えて、先週、英国に戻りました。 日本にいて、あれ?と思ったことはいろいろありましたが、「もっとこうしたほうが、楽しくなれるのではないか」、「不便だなあ」と思ったことも結構ありました。(ロンドン=小林恭子)(2011/12/09)


検証・メディア
英国メディアの現状とは?
 先月末、日本記者クラブが主催した「世界の新聞・メディア」研究会で、1時間半ほど、英国の新聞・放送・ネットの動向、ニューズ・オブ・ザ・ワールド事件とウィキリークスについて、話す機会がありました。その模様は、クラブのサイト及びユーチューブで視聴できるようになっています。(小林恭子)(2011/12/09)


核・原子力
運動の想像力について---「東京をゴミ捨て場に」再論  小倉利丸
 運動の想像力ということを最近よく考える。想像力は創造力と書き換えてもよい。311以降、この想像/創造力が現実として実感される磁場に引き寄せられて、うまく跳躍できていないような不全感に囚われることがしばしばある。原発の事故を何処にいて、どのような立場にあってこの事故と向き合っているのか、という問題が想像/創造力の可能性を押しとどめて、今ある生活の「安全」にだけ向かうとき、他者(とは誰かという根源的な問いを不問に付すべきではないが)への配慮と責任はどこかで後回しにされかねない。そうなってしまったときには、自らの「安全」のために他者を犠牲にする自閉的な「安全」へと退行しかねないのではないか、と思う。(2011/12/08)


ITフロント
【山下茂のういんど〜ず注意報】値がない
 ひとたび原子力発電所が事故を起こしたらどのくらいの被害が出るか。「生命保険や損害保険は原発事故の保障をしてくれるの?」「保険会社といっても、無い袖は振れないでしょう」と保険に詳しい人。10年位前の会話です。今回の福島原発は保険会社が想定していた最悪の事故ではないかもしれません。それでも、保障額は何兆円にもなるでしょう。兆じゃすまなさそうです…(2011/11/23)


TPP/脱グローバリゼーション
≪twitterから≫TPP日米食い違い 嘘も貫徹できない日本の首相  孫崎 享
 16日ジャパンタイムズ「野田首相は国会質疑で米側コメント(全てが対象)の修正を再度求めることをしないと言った」。はい、解決しました。”全て交渉の対象”とする米国のコメントは残ります。まあそういう人です。(2011/11/17)


核・原子力
<テント日誌>経産省前テントひろば 66日目   穏やかな中にも見え隠れするKKU三位一体
 小春日和というのだろうか。テント広場に穏やかな陽がさしている。テント前の歩道には急を聞き駆けつけた20名程度のテントに集う人の列があった。テントと集う人々との間には12日に設置され、14日に補強されたバリガと鎖が横たわっていた。みんなそれを気にする風でもなく、歓談する人、前を見据える人等屈託がなかった。今日も真ん中のテントではカフェが開かれ、テントに集う人は100名を超えた。福島二本松出身だという在東京の中年女性と話し込む。(2011/11/16)


コラム
新たな風   鬼塚忠
  最近、W杯予選がやたら気になります。実は今日も対北朝鮮戦を仕事の合間に観てました。日本と同じグループCに入っているウズベキスタン、タジキスタン。これは旧ロシアの国々で、スタンというのは国という意味らしい。そしてこのスタンについてネットで調べていると、キルギスタンで驚愕の事実を発見。なんと、キルギスタンでは結婚したいのなら女性を誘拐するそうです。これが現在も残るキルギスタンの風習だそうです。いまどきこういうことがあり得るのだろうか。(2011/11/15)


検証・メディア
政府広報紙と化した大手メディア  TPP、沖縄、BSEでの太鼓持ち報道は目に余る
 野田政権がTPP(環太平洋経済連携協定)交渉への参加に前のめりだ。それにつれて、マスメディアもまたいつものように「このままでは日本は世界から乗り遅れる」と太鼓をたたいて政府の応援団を買って出ている。野田首相の意向は、11月中旬にアメリカ。ホノルルで開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議でTPP参加を表明することにある。(大野和興)(2011/11/09)


人権/反差別/司法
裁判員裁判にセレモニー化が始まっている  根本行雄
 10月25日、熊本市と熊本県宇土(うと)市の民家に押し入って計3人を殺傷、現金を奪ったとして、強盗殺人罪などに問われた熊本市城南町、無職、田尻賢一被告(40)の裁判員裁判で、熊本地裁(鈴木浩美裁判長)は求刑通り死刑を言い渡した。裁判員裁判での死刑判決は9件目。10月31日、5人が死亡した大阪市此花区のパチンコ店放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた高見素直被告(43)の裁判員裁判で、大阪地裁(和田真裁判長)は求刑通り死刑を言い渡した。裁判員裁判での死刑判決は10例目。裁判員裁判も、セレモニー化してきている。(2011/11/09)


TPP/脱グローバリゼーション
内需重視と地域自立型経済の選択を TPP依存型の成長戦略は間違いだ 安原和雄
  野田佳彦首相は10月28日、衆参両院の本会議で就任後2度目の所信表明演説を行い、TPPの交渉参加についてこう述べた。「引き続きしっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出す」と。いかにも官僚答弁という印象だが、首相のハラはすでに交渉参加に決まっている。TPP参加は何をもたらすか。日本の「国のかたち」を<壊す>のか、それとも<新たに築いていく>のか。望ましい選択は<新たに築いていく>路線である。これはTPP依存型の成長戦略は間違っているという認識に立って、国内需要重視、地域自立型経済、反グローバル化を選択する路線である。(2011/10/30)


米国
イラン制裁を求める声が米で強まる  ボイス・オブ・ロシアから
  アメリカでイラン政府を転覆せよ、という声が政府や議会で高まっている、とボイス・オブ・ロシアが警告を発している。その1つの根拠は米下院のヒアリングで、ネオコン派の退役将軍や元CIA担当官らがイラン政府が反米テロ支援を30年来継続しているので制裁を加えろというもののようである。情報の出所としてロサンゼルス・タイムズをあげている。イランになめられるな、ということのようである。もうひとつがヒラリー・クリントン国務長官がイラン向けに話したメッセージだという。(2011/10/29)


欧州
FNの大統領候補、マリーヌ・ルペン氏がリビアに軍事介入したサルコジ大統領を非難
120   フランスの右翼政党FN(フロントナショナル)党首、マリーヌ・ルペン氏がサルコジ大統領が決断したリビアへの軍事介入を非難している。内戦終結の直後、ジャリル国民評議会議長がイスラム教至上主義のシャリーア法を導入し、それに反する法律制度は認めないと宣言したことがその背景にある。(2011/10/27)


反戦・平和
「援護法の制定と戦争を支える意識の変革を」 全国空襲連の足立史郎事務局長に聞く
120   昨年8月14日に発足して1年余が過ぎた全国空襲被害者連絡協議会(以下、全国空襲連)の事務局長の足立史郎さんに、今までの活動とこれからについて聞いた。足立さんは、ひきつづき被害者等援護法の制定をめざすとともに、戦争を支える日本の意識・文化を変える幅広い活動を展開したいと述べた。また福島原発事故に対する国の取り組みは、「加害者の責任を問わないという点でかつての戦争のときとそっくりだ」と批判した。(加藤〈karibu〉宣子)(2011/10/24)


米国
<市民の蜂起・12> OWS運動の新たな展開 「1%」にメール作戦 落合栄一郎
120   「ウオール街を占拠しよう」(OWS)なる合い言葉で始まった社会運動の最大のスローガンは「1%対99%」であり、だからウオール街占拠なのである。この「1%対99%」を最も良く象徴している写真が出回っている(添付)。あのズコッテイ公園(リバテイープラザともいう)を占拠している庶民を、高見からシャンペン片手に見下ろしている企業家のお偉いさん達である。(2011/10/23)


みる・よむ・きく
イラク撤退とノーベル賞 エル・パイスの漫画から
   オバマ大統領が年内に米軍をイラクから完全に撤退させると発表した。駐留期限が今年いっぱいだからだ。現在、約4万人の米兵がイラクに存在している。スペインの新聞、エル・パイスにはオバマ大統領を皮肉った漫画が出ていた。(2011/10/22)


沖縄/日米安保
【辺野古浜通信】基地を受け入れなければ、沖縄の子どもたちは救われないのでしょうか?
 日本国の大臣が次々とアリバイ作りのため、また恫喝のために琉球を訪れています。一方で、民主党、自民党の国会議員たちが「沖縄の子どもの貧困のため」と称して、3日間もの日程を組んで日本国とは程遠い沖縄の子どもたちの凄惨な現場を視察して回りました。(用意され、すでにケアがされている「施設」だけですけど)(2011/10/20)


欧州
「葬儀の音楽にはジャズを」 オランダのジャズバンド
120   「葬儀の音楽にはジャズを」。そんな音楽ビジネスを欧州で展開しているのが昨年紹介したオランダのバンド、ディキシーランド・クラッカージャックスだ。彼らの演奏しているのはニューオーリンズで今も演奏されているディキシーランド・ジャズである。「事前にご家族と、どの曲を演奏するか相談します。2005年に私たちが出したCD、「カリビーン・スイート」の中の「Westlawn Dirge」は本当にニューオーリンズで葬儀用に演奏されている曲です。(2011/10/19)


コラム
9回目の挑戦   鬼塚忠 (作家・出版エージェント)
 弊社に所属している作家、長野慶太さんが三田文学新人賞を受賞しました。長野さんとは五年以上の長いおつきあいで、以前から小説へかける想いを聞いていたので自分ごとのようにうれしいです。アメリカのラスベガス在住なので、そう多くは会えませんが、一時帰国した際は、打ち合わせなどで顔を合わせます。長野さんは「部下は育てるな!取り替えよ!」(光文社)などビジネス書ではベストセラーを何冊か出しています。(2011/10/18)


アフリカ
「アラブの春」の行方 エジプトでキリスト教徒を中心にした反軍デモ  ムバラク退陣後、最大規模  
  「アラブの春」でムバラク大統領を引きづり倒したエジプトで、10月9日日曜夜、キリスト教徒を中心とするデモが起きた。人口の10%を占めるキリスト教徒(コプト派)とイスラム教徒との確執、民主化を公言している軍隊への不信感の高まりなどが背景にあるようだ。ニューヨークタイムズによると、このデモで24人が死亡、200人以上が負傷した。ムバラク大統領の退陣後、最大のデモとなった。これはカイロのデモの映像である。(2011/10/16)


アジア
戦場カメラマン・石垣巳佐夫氏 〜内戦下のアンコール・ワットを撮る 1980年 〜 村上良太
120   1980年4月、日本電波ニュース社のカメラマン石垣巳佐夫さんにアンコール・ワットの取材許可がおりたとの知らせが届いた。番組は日本テレビ「木曜スペシャル」だ。ポル・ポト政権崩壊後、世界で最初にアンコール・ワットを探査する企画である。当時、政府軍とポル・ポト派の戦闘は続いていたが、ベトナム政府が許可を出したのだ。石垣さんを中心にさっそく取材班が編成された。ディレクター野田耕造、プロデューサー寺元啓二、日本テレビ側は石川一彦である。石川氏とはベトナム戦争終結以前の1973年末から74年正月にかけてラオスを訪ね、米軍の爆撃下で洞窟生活を送っていた人々のその後を探るドキュメンタリー番組を作っていた。(2011/10/14)


政治
おかしいと言えば、こちらの裁判もそうだね(一)  三上 治
 世の中には悪役の良く似合う俳優がいる。子供のころは本当にその俳優が出てくると憎らしくてたまらなく思ったものだ。田舎の夏の順回映画ではスクリーンに向かってヤジが飛び、口笛が鳴らされた。小沢一郎はその師である田中角栄とともに政治的世界の中でふり当てられた悪役なのだろうか。(2011/10/10)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】JCO事故から12年  国も東電も何も学んでなかった
 茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で一九九九年、作業員二人が死亡した国内初の臨界事故から十二年となる9月30日、各地で犠牲者への追悼や抗議の意を表す集会が催された。福島第一原発の放射能漏れが今もとまらないなか、参加者たちは政府や原発事業者らが事故の悲劇から何も学んでいない現実を改めて認識していた。(たんぽぽ舎「地震と原発事故情報」194号)(2011/10/08)


ITフロント
【山下茂のうぃんど〜ず注意報】 公明正大
 もう時効でしょう。この業界に入ってすぐの頃、ゲーム・ソフトを手がけました。ファミコンやプレステではありません、街の喫茶店においてあるコイン・ゲーム機用です。かのインベーダーゲームで流行ったあれです。当時のCPUは8ビット、メモリは32キロバイト。今のパソコンを広々とした快適なオフィスに例えるなら、このゲーム機は三畳一間にみかん箱と小さな算盤だけ、本棚もありません。作るゲームはトランプのポーカー。画面に表示するカードも文字の組合せ、絵なんぞ出せません。スペードのキングならスペードのマークと文字のK。ファミコンに比べるもなく寂しいものです。(2011/10/04)


ITフロント
三菱東京UFJ銀行を騙る偽メールに注意  悪質なフィッシング詐欺
  情報セキュリティ会社「セキュアブレイン」(東京・千代田区)はフィッシング詐欺の対策に取り組んできた。独自に開発した検知ソフト「gred」で新たに発生した偽サイトや偽メールを探知している。今回、同社が発したアラート(警告)では、三菱東京UFJ銀行を騙った偽メールがインターネット空間に出回っていることに注意を喚起している。これはフィッシング詐欺の典型的な手口である。(2011/09/28)


アジア
【ブ−タンに遊び、GNH・開発を考える】その4 脱成長のモデルとなり得るか?  近藤康男
  ブ−タンは小国であり、国連の基準では最貧国のひとつに挙げられている。そのため、海外からの援助は国家予算の概ね半分、それを財源に水力発電(電化率95%超、インドに輸出⇒輸出の40%、関連事業を含め税収の30%)、道路建設などが急速に進められ、医療・教育は基本的に(詳細は不詳)無料である(双方で国家予算の30%)。伝統的な文化の育成にも力を入れている。貨幣で表現される主要な産業は発電、観光、農業(大半は自給農業)である。そして、インドルピ−の流通に表れているように工業製品・食料の輸入などインド経済への依存が非常に目立っている。(2011/09/26)

核・原子力
【たんぽぽ舎発】日本の原発輸出を阻止しよう  脱原発は口先だけの野田首相  山崎久隆 
  野田首相は国連に行って「脱原発」宣言をするのかと思ったら、原発の売り込みを強調していた。首相が、国の内外で言うことがちぐはぐなのは今に始まったことでもないが、これほどひどいのもめずらしい。脱原発を進める国が、仮に「世界一安全な原発」に出来たからと言って、やめてしまう原発を売り込むなど、信義にももとる行為だ。ということは「脱原発は口先だけ」と解釈するほかはなかろう。(たんぽぽ舎「地震と原発事故情報・その183」)(2011/09/25)


医療/健康
日本でもポリオ流行の危険が!?中国・新疆ウイグル自治区でのポリオ流行でWHOが警報 
  日本でもポリオ流行の危険が!?中国・新疆ウイグル自治区でのポリオ流行でWHOが警報。「9月20日。WHOが中国、新疆ウイグル自治区でのポリオ流行にアラームを発した。」テレビ屋・真々田弘氏の緊急寄稿。(2011/09/24)


核・原子力
9・19さようなら原発集会  「心が震えた」、静かな感動が広がる福島・武藤類子さんのスピーチ
  「9・19さようなら原発5万人集会」での、福島の・武藤類子さん(ハイロアクション福島)のスピーチが、静かな感動を広げている。みんなが、「心が震えた」と語る。スピーチを文字と映像で紹介する。(大野和興)(2011/09/21)


コラム
気がついてみればすでに後期高齢者 「覚老」(自覚した老人)をめざして 安原和雄
  あわただしく我が人生を生きながらえて来て、ふと気がついてみれば、すでに後期高齢者(75歳以上)の域に脚を踏み入れている。来し方を振り返るのはほどほどにして、ただいま現在の「今」をどう生きるかを考えないわけにはいかない。世に「一病息災」というが、私の身体は最近、「二病息災」(二つの病と共存しながら元気に生きる)という新語を当てはめたい気分である。「二病」をいたわりながらどう生きるか。人生の大先達から「覚老」(自分の役割を自覚しながら生きる老人)という生き方があるのを学んだ。(2011/09/21)


沖縄/日米安保
沖縄意見広告運動  21日から23日、ニューヨークタイムスWeb版通してアメリカ市民に訴え 
  「普天間即時閉鎖、辺野古(海・陸)やめろ、海兵隊いらない・緊急意見広告」と銘打った市民による意見広告運動が、今度はアメリカに打って出た。野田首相の国連総会出席に合わせ、ニューヨークタイムスのWeb国際版で9月21日から23日まで、アメリカの市民に米海兵隊の沖縄からの撤退を訴える意見広告を出す。(日刊ベリタ編集部)(2011/09/20)


コラム
9・11同時多発テロと震災・原発事故と 落合栄一郎
  日本での911は、東日本大震災の半年後、世界にとっては、アメリカ東部の同時多発テロの10年目。様々な意味で、考えさせられることの多い記念日である。この二つは丸で違った、無関係な事象のように見える。一方は、テロリストと称される人々が遂行したとされるとんでもない事件、そしてもう一方は、自然がもたらした巨大地震と津波、そしてそれに起因する原発事故。どこにも接点はない。911はまた、1973年にアメリカのCIAの後押しによるチリでの軍事クーデターの記念日でもあるそうだ。これらに共通点は“911”以外にあるのだろうか。(2011/09/15)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】「9・11再稼働反対・脱原発!全国アクション実行委員会」集会アピール 経産省・保安院は原発推進政策を断念し、脱原発に舵を切れ!
◆ 地震と原発事故情報 その170 ◆ ★1.2千人の「人間の鎖」で経産省・保安院を包囲!! 原発再稼働を許さず、来年春の実質的原発「ゼロ」を誓う! ★2.「9・11再稼働反対・脱原発!全国アクション実行委員会」集会アピール 経産省・保安院は原発推進政策を断念し、脱原発に舵を切れ! ★3.メルマガ読者からの集会・講演会のお誘い ★4.『賛成』大半が締め切り日に集中 女川「やらせ」シンポだけでなく 意見公募も疑惑の声(2011/09/14)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】“原発なしで電気は大丈夫”が証明された   柳田 真 
◆地震と原発事故情報 その169◆ ★1.“原発なしで電気は大丈夫”が証明された ★2.二つの裁判の報告―気象学会裁判、東大裁判 ★3.「ボクが東電前に立ったわけ」作りました、今週末から書店で発売 ★4.余震、数年単位で警戒を 気象庁「M7超あり得る」(2011/09/13)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】連載:東京電力による業務上過失死傷罪を告発する   その4、事故の原因は東電による安全費用の節約 槌田 敦
◆ 地震と原発事故情報 その165 ◆ ★1.余震と原発事故、放射能が心配。 9月は「原発やめよう」5つの集会とデモに参加 柳田 真 ★2.【原稿】連載:東京電力による業務上過失死傷罪を告発する その4、事故の原因は東電による安全費用の節 槌田 敦 ★3.『賛成』大半が締め切り日に集中 女川「やらせ」シンポだけでなく 意見公募も疑惑の声 ★4.鮮明にすべきに旗幟を持ち合わせていない者に政治ができるか? 野田新首相のノーサイドを評す ★5.広瀬 隆さん 新刊書の紹介−『原発破局を阻止せよ』(2011/09/10)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】野田政権発足は財界・電力会社への脱「脱原発」の狼煙?
◆地震と原発事故情報 その1620◆ ★1.野田政権発足は財界・電力会社への脱「脱原発」の狼煙? 相次ぐ電力会社からの原発再稼働に向けた動きが急加速化。 ★2.メルマガ読者から  イ「北電も嘘つくんじゃないよ。道民はほとんどエアコンもってませんよ」  ロ『原発の深い闇』(別冊宝島)は必見  ハ「安全なお米を給食に!内部被曝ゼロ院内集」の報告 ★3.野田首相の原発再稼働発言に、原発地元怒る 地元住民を無視している、福島の賛成が無い 東海村村長が憤り ★4.フクシマ重なる「ウラル惨事」― 核の事故 隠蔽の歴史 告発本を出版した天笠啓祐 ― どこの政府も隠す(2011/09/06)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】東京電力による業務上過失死傷罪を告発する    その3、立地条件、原子炉計測、水素結合器に関する罪 槌田 敦
◆地震と原発事故情報その161◆ ★1.がれきを燃やすな、動かすな(山崎久隆) ★2.連載:東京電力による業務上過失死傷罪を告発する その3、立地条件、原子炉計測、水素結合器に関する罪 槌田 敦 ★3.9月9日「こどもキューキューアクション!!!!!」詳細決定(東電前アクションより) ★4.9月5日「第3回:お母さんお父さん向け保育付き放射能講座」のお知らせ (2011/09/04)


コラム
地デジ難民  テレビの思い出   村上良太
  テレビを懐かしく思い出す。面白かった番組は無数にある。でも1本だけ選ぶとしたら、昭和52年12月に放送された「世界オープンタッグ選手権」だ。東京・蔵前国技館で行われたドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク 対 ブッチャー&シークのプロレスのタッグマッチである。(2011/09/04)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】放射能を測定したい(空中線量、土壌の測定)
◆地震と原発事故情報 その159◆ 1.電力制限(節電)を前倒しで解除した・経産省 電気はこんなに余っていたんだ・驚き 東電と経産省合作の大嘘に怒る 危険な柏崎刈羽原発2基をすぐ停止せよ    柳田真 2.ちらし配布にご協力下さい (2011/09/02)


コラム
語学に再挑戦 6  漢文と中国語
何年か前、上海に滞在した時、ポケット版の会話辞典を携帯していた。会話辞典にはカタカナで中国語の読み方が併記されていた。漢字はある程度理解できるし、それほど苦労しないだろうとたかをくくっていたらとんでもない。中国版のコンビニに入って「目覚まし時計が欲しいのです」と会話辞典を参照しながら店員に尋ねたところ、店員は奥に入って物を探してきてくれた。「はい、どうぞ」と渡されたのはオイルサーディンの缶だった。(2011/08/28)


中東
英国やNATOが、今後どこまでリビアに関わるか?
 今、英国にいると、「ここは中東か?」と思うほど、リビア情勢に関する報道が多い。特に反体制軍が首都トリポリに入ってからは、「反体制側の勝利」、「英国及びNATO側の介入が功を奏した」という、勝利感みなぎる論調が続いた。ところが、カダフィ大佐がなかなかつかまらないので、次の山場が見つからず、新聞各紙は1面の見出しをいかに劇的にするかに頭を悩ませているようだ。(ロンドン=小林恭子)(2011/08/28)


コラム
語学に再挑戦 5     村上良太
 パスカル・バレジカさんの「フランスからの手紙」も23回を数えた。最初は自分のような半端もんがフランス語を翻訳してもいいのだろうか、と思った。しかし、それをやれたのはある経験があったからだ。2001年、ドイツ文化会館で行われたレッシング賞の授賞式に受賞者の岩淵達治氏に招いていただいた経験である。(2011/08/26)


中東
「リビア、反体制勢力は分裂」、「戦いはこれで終わるだろうか?」とコックバーン記者
 リビアでは反体制派軍が首都トリポリ入りし、英テレビのインタビューなどで、複数の市民や反体制派軍関係者らが、「これで自由になった」「カダフィ大佐の40数年の支配が終わった」と喜びの声を上げている。しかし、喜ぶのはまだ早いかもしれない。英インディペンデント紙の中東専門記者パトリック・コックバーンが、「幸福感漂うが、抵抗軍側は分裂している」と題する記事(22日付)の中で警告を発している。(ロンドン=小林恭子)(2011/08/23)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】ルーチンになってしまった定期検査 許されない泊3号「営業運転」
◆ 地震と原発事故情報 その147 ◆ (2011/08/22)


反戦・平和
反靖国デモ  年々激しくなる右翼の妨害行為  奇妙に歪むこの国の一断面をみる
   毎年8月15日に市民グループによって行われる「国家による『慰霊・追悼』を許すな! 8.15反「靖国」行動」。年々右翼による妨害が激しくなっている。参加者によると、今年は刃物まで出たという。奇妙な方向に歪むこの国の一断面を、参加者の一人園良太さんのデモへのお誘いとtwitterから見る。(大野和興)(2011/08/16)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】読者から:「原発がなくても電気不足にならない」データを是非教えて下さい 
◆ 地震と原発事故情報 その143 ◆ (2011/08/14)


文化
文学と卒業   村上良太
  作家の開高健は海外旅行にしばしばスウィフトの「ガリヴァー旅行記」を携行していた。訳は中野好夫のものだった。「ガリヴァー旅行記」と言えば、少年少女文学全集で卒業してしまって以後、ホンモノを手にすることがない大人が多いと残念がっていた。(2011/08/01)


東日本大震災
「1学期を終えて伝えたいこと」福島県・教員のインタビュー
  新学期が始まって間もない4月上旬。私は、郡山市の小学校教員・川口真理さん(仮名・32歳)に電話インタビューを行い、「子どもたちを被ばくから守りたい!」という悲痛な叫びを受け取った。あれから3ヶ月――。学校はすでに夏休みに入っている。郡山市内の状況や、子どもたちの様子はどう変化したのだろうか。1学期をふり返っての感想を、再び川口さんにうかがった。(以前のインタビュー記事「Twitterでつぶやいて!福島県の教員の訴え」はこちら http://newenergy-hideinu.blogspot.com/2011/04/twitter.html)。(和田秀子)(2011/07/31)


核・原子力
【たんぽぽ舎原発情報】中国新幹線事故 成長優先の効率主義、安全性無視、手抜き、まるで福島原発、「日本では起こりえない、なんて言えるのか」   山崎久隆
中国新幹線事故が福島原発震災のニュースを凌ぐ勢いで報じられている。確かに悲惨な事故であり、中国鉄道当局のデタラメ対応も非難されてしかるべきだが、またしても出てくる「日本では起こりえない」発言が出始めた。福島原発震災の教訓は本当には、この国に存在しないことがよく分かる。(「地震と原発事故情報」その132から)(2011/07/31)


検証・メディア
マードックの本を書いた作家、「経営陣全員が盗聴の事実を知っていたと思う」と語る
120  28日、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス(LSE)で開かれたイベントで、ルパート・マードックの伝記本『ニュースを所有する男:ルパート・マードックの秘密の世界の中』(2008年初版発行)を書いた作家マイケル・ウルフは、マードック傘下の日曜紙での電話盗聴行為を「経営陣は全員知っていたと思う」と述べた。マードック自身や家族、経営陣などに取材し、いわば「マードック一家の一員」となりながら本を書いたウルフ。その発言の数々は、ここ数週間、大きなニュースになっている電話盗聴事件やマードックのビジネスのやり方の核心に迫るものだった。その内容の一部を紹介する。(ロンドン=小林恭子)(2011/07/29)


核・原子力
浜岡原発廃炉を全原発廃炉への突破口に! 〜「廃炉は浜岡から」反原発集会・静岡行動〜
   7月16・17日の2日間に渡って、「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」(浜ネット)と「反原発自治体議員・市民連盟」の共催による反原発イベントが静岡で開催された。ここで、第一日目に開催された静岡労政会館での「原発震災」講演会、そして第二日目に開催された常磐公園での反原発全国集会の開催状況を紹介したい。(坂本正義)(2011/07/26)


みる・よむ・きく
保守派のユニークな「脱原発」論 日本こそが世界に先駆けて全廃を 安原和雄
  脱原発論が急速に広がりつつあるが、保守派の脱原発論は稀少価値といえるのではないか。その人物が旧皇族出身となると、興味が湧いてくる。しかも「3.11」後に脱原発派に宗旨替えしたのではなく、若い高校生の頃からだというから、筋金入りである。脱原発の理由として<原発には「和」と「愛」がない>を強調しているところもなかなかユニークであり、並ではない。といっても精神論に終始しているわけではない。原発に関する五つの「嘘」を解明し、<日本こそが世界に先駆けて全廃を>と呼びかけ、原発全廃へのシナリオを具体的に描いている。(2011/07/24)


検証・メディア
マードック帝国の激震 ぁ-盗聴事件を通して見える、パワーエリートたちの傲慢さ
120  マードック父子(ルパートとジェームズ)が、廃刊となった日曜大衆紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド(NOW)をめぐるいわゆる「電話盗聴事件」について、下院の文化・メディア・スポーツ委員会で証言を行ってから、2−3日が過ぎた。改めて、問題の根幹部分を考えて見た。(ロンドン=小林恭子)(2011/07/22)

コラム
英字新聞を読む   村上良太
  ニューヨークタイムズなどの記事を紹介するとき、僕は日刊ベリタの読者を自分より英語ができる人と想定しながら書いてきた。もともとこの新聞の創刊に携わった方の中には新聞社の外信部にいた人もいる。僕よりはるかに語学力があるはずだ。そうした人々が少なくとも読者の一定人数を占めているのである。ただ、一方で英語が苦手とか、英語が嫌い、という人も読者の中にいるかもしれない。そういう人にもぜひ英字新聞を一度手に取って読んで欲しい、と思っている。ちょっとしたコツをつかめば英字新聞は誰にでも読めるからだ。(2011/07/20)


東日本大震災
津波と原発の被災地の村と浜から(中)≪原発と農民≫種をまくということ  大野和興
  放射能は農民のこころを引き裂いた。この春、福島の農民は悩みながら種をまいた。大なり小なり土が汚染されていることは間違いない。そこに種をまき、田植えをして果たして大丈夫なのあろうか。収穫をしたものを食べてくれる人がいるのか、そんな土地に作物をつくっていいのだろうか。それでもみんな種をまき、苗を植え、田植えをした。なぜと問われたら、「百姓だから」というほかはない。(2011/07/18)


検証・メディア
ニューヨークタイムズの論説欄  〜魑魅魍魎の魅力〜 村上良太
  日刊ベリタに最初に寄稿したのは丁度2年前の夏である。最初に書いたのはニューヨークタイムズ(以下NYT)のコラムニスト、ロジャー・コーエンについてだった。その後もNYTの論客について断続的に拙い紹介の文章を書き続けている。そもそも僕がNYT(インターナショナルヘラルドトリビューンはその国際版である)の論説欄を熱心に読むようになったきっかけは9・11同時多発テロだった。というのは、当時読んだコラムの中にサダム・フセインとアルカイダの関係を匂わせる文章が何度か出てきたからである。それは2001年の9月から年末にかけてのことだ。(2011/07/18)


核・原子力
【たんぽぽ舎原発情報】誰が、いかなる資格で、ストレステストをするのか―原子力保安院は信用できない―  山崎久隆 
ストレステストとは、一体何物で、どんなテストつまりは安全性評価をするのかさっぱり分からないままに書くけれども、一つだけはっきりしていることがある。落第点を取っている生徒(電力)の答案(安全性評価書)を「合格」扱いした試験官(原子力安全・保安院+原子力安全委員会)は少なくてもクビだろう。およそ日本で一番試験官にふさわしくない連中だ。彼らに再度採点させるなど、ありえない。(たんぽぽ舎「地震と原発事故情報」その118)(2011/07/16)


東日本大震災
東日本大震災復興構想会議の「復興への提言」への異論 
120  東日本大震災復興構想会議の「復興への提言」を読んだ。専門家は、復興への道づくりよりも恢復のための裏方に徹するべきではないだろうか。(川北かおり=ニューズマグ)(2011/07/09)


核・原子力
九電「やらせメール」 佐賀県幹部、事前に知っていた  知事は本当に知らなかったのか
  玄海原発再稼働に向むけての政府説明会への九電の「やらせメール」を事前に佐賀県幹部は知っていたと、佐賀新聞が8日、伝えた。知事は本当に知らなかったのか。知っていて怒って見せただけなのか。(日刊ベリタ編集部)(2011/07/08)


アフリカ
世界で一番新しい国からの便り.ハピーバースデイ南スーダン共和国  文:平田伊都子、石川雄史 写真:石川雄史
120  2011年7月9日、30年近く続いた北スーダンとの紛争に終止符を打ち、アフリカ54番目の独立国<南スーダン共和国>が誕生する。「南スーダンに自由と平和がやってきた」と遠く離れた日本人は思い勝ちだが、現実はそんなに甘くはないらしい。 (2011/07/08)


みる・よむ・きく
燐光群の芝居「推進派」を見て −浮かび上がる原発事故後の日本の現実
120  燐光群の芝居「推進派」(作・演出 坂手洋二)を伊丹アイホールで見た。冒頭、二人の男女がお互いを知るために自己紹介が必要か?という「議論」によって、結果的に「互いを知る」というパラドックスが提示されることで、どこのだれか互いに知らなくとも、同じ土地に暮らし、同じ空気を吸うことだけで、そこで起こるあらゆることに「無関係ではいられない」という原発事故後の日本の現実が浮かびあがる。(川北かおり=ニューズマグ)(2011/07/07)


核・原子力
玄海原発の再稼働を許さない市民の動き  メディアでも安全性への疑問が続出
  管首相は佐賀県玄海原発を皮切りに現在停止中の原発再稼働を強力に進めようとしおている。だが、本当に安全と言えるのか。「原発再稼働 安全おざなり 馬淵前首相補佐官に聞く」、7月6日付の東京新聞記事の見出しである。7月5日朝のNHKテレビ。九州電力玄海原発の抜本的安全対策はこれから(現在はできていない)と報じた。具体的には、フクシマ原発の教訓=地震、津波対策は、3年後に完成(予定)、原子炉の安全な冷温停止をめざす対策は1年後に完成(予定)という内容。ようするに安全対策は何もできていないということだ。九電や玄海原発の足元では市民の反発が強まり、東京でも再稼働反対運動が動き出した。(日刊ベリタ編集部(2011/07/06)


ナイジェリアの警察当局が、人身売買するための子どもを少女に産ませようとしていたニュースを読んで
 asahi_apitalの記事で、 ナイジェリアの警察当局が、人身売買するための子どもを少女に産ませようとしていた病院経営の男を南部アバで逮捕し、32人の妊娠した少女を保護、この手の病院は「赤ちゃん工場」と呼ばれている、というニュースを読んだ。あまりのことに、言葉を失う。(川北かおり=ニューズマグ)(2011/07/05)


農と食
「フランス女性は太らない」の著者が推薦するチョコ
  フランス出身のマダム、ミレイユ・ジュリアーノ(Mireille Guiliano)さんが書いた「フランス女性は太らない」(French Women Don’t Get Fat)は肥満が進むアメリカでミリオンセラーとなった。ジュリアーノさんはアメリカのテレビや雑誌などでひっぱりだことなり、カリスママダムとして食以外にもライフスタイル全般の指南をしている。そんなジュリアーノさんはチョコレートに目がない。チョコレートを食べても肥満にならないために彼女はこう指南している。(2011/07/03)


検証・メディア
村上春樹の「空論」と報道 藤田博司
  作家の村上春樹がカタルーニャ国際賞の授賞式で行ったあいさつの内容が、『朝日』『毎日』などに共同電で報じられた(6月10日夕刊)。その後『週刊朝日』や『毎日』はそれぞれスピーチの詳報と全文をあらためて伝えていた。村上は、福島原発事故は日本人が技術を過信し効率を優先してきた結果だと言い、広島と長崎を経験した日本人は「核に対する『ノー』を叫び続けるべきだった」と述べて、反核・反原発の姿勢をはっきりさせたものだった。これが報じられたその日、写真家の藤原新也が自身のブログに「村上春樹の空論」と題する文章を載せた。(2011/07/02)


農と食
「飢餓人口が増加に転じた時代に生きている」
  世界銀行によると、昨年以来の食料品価格と燃料価格の高騰でECAと呼ばれる欧州から中央アジアにまたがる地域で貧困層が拡大している。この傾向により、この地域で新たにおよそ530万人が貧困に陥る見通しだ。特に、所得の低いアルメニア、グルジア、キルギス、モルドバ、タジキスタンの5か国にその影響が著しい。(2011/07/01)


「キュレーションの時代」の個人的な衝撃
120  3・11震災前と後では、日本に住む人の心の持ちようや考え方にーーたとえ自覚はなくてもーー何らかの違いがでてきているのではあるまいか?そんな気がするこの頃だが、ジャーナリスト佐々木俊尚氏の「キュレーションの時代」を、3・11前に大変興味深く読んだ。今でも、読んだ後の衝撃は変わっていない。しかし、その「衝撃」の大部分は個人的なものである。それでも、同様の思いをもたれた方もいらっしゃるかもしれないので、書いてみようと思う。(ロンドン=小林恭子)(2011/06/24)


経済
日銀から発せられる「原発再稼動」の声  
  マネー資本主義の中枢機関の一つ、日本銀行でも危機にある原発の再稼動を後押しする動きが続けられている。ロイターによると、6月23日、東電取締役出身の日銀審議委員の森本宜久氏が長崎で行われた金融経済懇談会の際の記者会見で、仮に原発が全て停止した場合は「日本経済の先行きに大変大きな影響を与える」と懸念を表明し、「そうした事態にならないように、安全面で議論が尽くされることを願っている」と繰り返したという。(稲垣豊)(2011/06/24)


核・原子力
「レベル6」の謎  その2
  インターナショナルヘラルドトリビューンでレベル6と表示されたキシュチュム核事故についてだが、朝日新聞ではレベル6の欄にこの事例が紹介されていなかったことはすでに書いた。もし本当にレベル6なら、福島第一原発のレベル7を含めても世界でワースト3位の大事故である。このような事故が紹介されなかったのはなぜか?もしかすると、IAEAが公式に認めていないケースかもしれない。そうしたことからIAEAの東京事務所に問い合わせてみた。(2011/06/24)


環境
.「ドングリを収集し熊に与える行為」は生態系を乱すか:専門家コメント
【SMCJ ホット・トピック】「ドングリを収集し熊に与える行為」について:専門家コメント 昨年11月、ある動物保護団体が、全国の公園などからドングリ類を収集し、熊の餌とするために、山中に運びこみました。この活動を一部の報道機関が取り上げ、その行動に関して、支持から批判まで、様々な意見が投げかけられております。動植物(熊やそれ以外、森林)の研究者にコメントをいただきました。((社)サイエンス・メディア・センター)(2011/06/16)


みる・よむ・きく
アイドルグループが「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」   
  アイドルグループが歌う「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」がフィーバーしている。歌うのは、、“清く正しく美しく”をモットーにアイドルの王道を行く「制服向上委員会」。かわいく、しかも直球のメッセージを発信している。賞賛する声も多いが、いやがらせも多そうだ。8月15日にシングルC­Dとして発売が決定している。がんばれ! (2011/06/13)


ロシアン・カクテル
(30)白夜の「真っ赤な帆」 サンクトペテルブルクは恋人たちの北の都 タチヤーナ・スニトコ
120   17才の若さではいったい誰がロマンチストでないことができるでしょうか?甘美な恋を夢見ないではおれるでしょうか?サンクトペテルブルクでは誰もが年一回はロマンチストになる時があります。それは素敵な白夜の季節です。サンクトペテルブルクの白夜は5月25・26日頃から7月16・17日頃まで続きます。この季節には夜はほとんど暗くなることはありません。(2011/06/04)


コラム
悪魔の企画会議    村上良太
  トルストイの短編小説にはしばしば悪魔が登場する。たとえば「イワンの馬鹿」は悪魔が善良な農夫の心を堕落させようと試みる話である。悪魔がなぜ人間を堕落させようとするか、といえば悪魔界にも出世の階段があり、多くの人を堕落させたらそれだけ出世できるシステムになっているからだ。悪魔にも上司や部下があり、定期的に企画会議も開かれている。(2011/06/04)


検証・メディア
特ダネとメディアの「公正」 『朝日』の米外交文書報道への他紙の対応 藤田博司
  競争の厳しいジャーナリズムの世界で、競争相手の特ダネに拍手を送るなどということはまずない。フェアプレーの精神とは縁が薄い。しかしそれがあまりに露骨になると、ただでさえ揺らぎがちなメディアへの信用が一層傷つく。しかもそれで迷惑をこうむるのが読者、視聴者だとなると、みみっちい業界の内輪話ではすまない。大型連休中の5月4日、『朝日新聞』がウィキリークス(WL)から提供を受けた米国務省の外交文書を基に特ダネを書いた。その後、7日と10日にも同じような特ダネの第2弾、第3弾を続けて報じた。ほかの新聞は共同通信や自社特派員による『ニューヨーク・タイムズ』の転電などで同趣旨のニュースをごく簡単に扱って済ませた。(2011/06/02)


核・原子力
【たんぽぽ舎原発情報】「時間の犯罪」を許せない  山崎久隆
  東電に、タービン建屋などの水のサンプリングを要請し、放射性物質の種類を正確に公表するよう要請したら、「作業員の被曝を避けるためにサンプリングができない」と断られました。ところが一方では作業員の内部被曝を全く調べていなかったことが明らかになっています。つまり、本当に作業員の健康を心配していたのでは無く、恐ろしい量の放射性物質を海や空に放出し続けている実態を知られたくないために計っていなかったのです。(2011/05/29)


社会
人の役に立つ「利他」こそ、幸せ 知的障害者に学び、生かす企業経営 安原和雄
  人間が生きていくうえで最も大切なことは何か。それはとてもシンプルなこと。人の役に立つこと、すなわち「利他(りた)のこころ」で生きれば、必ず幸せになれる。 ― こういう経営理念を掲げる企業が話題を呼んでいる。社員の約7割を知的障害者が占めているのも異色で、小企業ならではの独自性を発揮しながら業界トップのシェアを維持している。知的障害者たちに学び、それを生かす企業経営のモデルとして評価は高い。(2011/05/26)


検証・メディア
浜岡原発停止操作もまともにできず炉に海水流入ー 重大事故なのに報道せず―日本のテレビ・新聞はおかしい―  山崎久隆
【たんぽぽ舎原発情報】津波も来ていないのに、浜岡原発5号機で停止操作中に復水器に海水が大量に400トンも流入し、原子炉にまで回っていたことが、15日になって報道されています。実際の海水流入が起きたのは、14日の停止操作が始まってからすぐの午後4時半ごろだと言われています。(2011/05/19)


検証・メディア
英ガーディアン副編集長にウィキリークスとのメガ・リーク作業について聞く
120  昨年夏から年末にかけて、ウィキリークスと共同で一連のメガリーク報道を行った、英ガーディアン紙のイアン・カッツ副編集長に、作業の一部始終と編集方針を聞いた。(ロンドン=小林恭子)(朝日「Journalism」4月号などで一部紹介。)(2011/05/16)

検証・メディア
英調査報道センター所長に聞く ージャーナリズムが国家機密と格闘するとき(下)
 ロンドン市立大学に本拠地を置く、英調査報道センター(CIJ)所長ギャビン・マクフェイデン氏に国家機密とジャーナリズムについて、聞いてみた。米国人のマクフェイデン氏はウィキリークスのジュリアン・アサンジ代表と個人的に親しい人物の一人だ。(朝日新聞「Journalism」4月号掲載分に補足。)(ロンドン=小林恭子)(2011/05/15)

検証・メディア
英調査報道センター所長に聞く −ジャーナリズムが国家機密と格闘するとき(上)
120  国家機密に相当するリーク情報をメディアが入手したとき、これをいかに扱うべきだろうか。国家機密とメディアの関係について、ロンドン市立大学に拠点を置く非営利組織「調査報道センター」(CIJ)の所長で同大教授ギャビン・マクフェイデン氏に見解を聞いた。〔ロンドン=小林恭子)(朝日新聞「Journalism」4月号掲載分に補足したものです。http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=12525)(2011/05/14)


核・原子力
「簡素な暮らしと経済」を合い言葉に 大惨事後の新聞投書にみる意識変化 安原和雄
  あの「3.11」大震災と原発惨事から2か月が経った。大惨事後の新聞投書から見えてくるものは何か。脱原発・自然エネルギー重視をひたすら望む声であり、同時に安全神話に安住して原発惨事を招いた政官財を厳しく批判して止まない姿勢である。これらの声や姿勢は、大惨事をきっかけに突如現れてきたわけではない。少数意見にとどまっていたとはいえ、かなり以前から健在であった。それが「3.11」を境に奔流として広がりつつあり、日本人の大きな意識変化と理解したい。(2011/05/12)


核・原子力
【たんぽぽ舎原発情報】朗報! 原発・夏に最大42基停止 「原発なくても大丈夫」の社会にさらに一歩近づこう
  東電福島第一原発の事故を受けて、原発が立地する地域では、住民の原発へのキビシイまなざしが、当然にも続いている。このため、定期検査が終了しても、運転再開を延期している原発が増えている。朗報である。このままとめておいてもらいたい。M7級(阪神淡路級)の余震が心配され(気象庁発表)、地震、余震で、「原発が危ない、不安」に毎日おびえてくらすよりは、よほどましである。原発なくても大丈夫という社会に近づけたいものです。(柳田真)(2011/05/12)


東日本大震災
【河野太郎ごまめの歯ぎしり】なぜ、東京電力が起こした事故の賠償を国民が負担しなければならないのか
  菅内閣なのか民主党政権なのかわからないが、東京電力の福島第一原発の事故の賠償案がひどすぎる。5月3日の朝日新聞が一面トップでとりあげているが、なぜ、東京電力が起こした事故の賠償を国民が負担しなければならないのか。(河野太郎公式ブログ「ごまめの歯ぎしり」から)(2011/05/06)


東日本大震災
【福島原発情報共同デスク】5月1日福島「子どもたちを放射能から守るための集会」報告  徹底した「安全神話」教育をどう乗り越えるか  小倉利丸
  子どもたちを放射能から守るための集会が1日午後に福島市のホリスティカかまた(福島駅から阿武隈急行で一駅目の「卸町」に隣接している病院)の大きな会議室で、原発震災復興・福島会議が福島老朽原発を考える会の協力を得て開かれました。約250名が参加し、会場は立ち見も出て満員でした。参加者は、保育園から中学、高校に通う子どもたちを持つ親が大変多かったという印象をもちました。また、県外からも首都圏だけでなく、関西、中部、北陸からの参加者もみられました。ネットでの中継もあり、ライブでご覧になった方もいたのではと思います。(2011/05/04)


核・原子力
放射線被曝量のエネルギ−値はそんなに小さいの, なのになぜ危険なの? 落合栄一郎
  先に、「被曝量数値の意味するもの」という議論をこの欄でご覧いただいた(日刊ベリタ2001.04.25)。そこでは、被曝量のしきい値のおおよその値を出してみて、それに基づいて、現在許容されている被曝量数値を検討してみた。先の記事で議論したように、0.2μSv/h(h=時間)が一応の危険のしきい値となる。どうしてそんなに小さなエネルギ−が問題になるの?この謎というか理由を今回は検討してみようと思う。(2011/05/04)

検証・メディア
「原発依存」社会から決別を 東日本大震災で崩壊した牋汰歓析鱈瓠|單栂局
  「9・11同時多発テロ」(2001年)の衝撃から10年後の3月11日、「福島原子力発電所」爆発惨事が全世界を震撼させている。国と電力会社、さらに学者・技術者によって「安全神話」が構築され、一部の批判派・反対勢力を封じ込めて「クリーンで安上がりな原発」との旗印のもとに原子力行政を推進してきたことを、大災害に直面して初めて気づかされたのである。まさに「政・官・業・学」癒着の構造が、原発災害の元凶と言わざるを得ない。また、過去の原発事故への綿密な検証を怠ってきたメディアの責任も大きい。(2011/05/01)


東日本大震災
土は農民の命だ、原発事故が奪ったのは畑の作物だけではない、東電は「俺の夢と未来を返せ!」  東電前で農民行動
120   「田畑と自然を汚し、生活の糧を奪った東電は全面的に償え」…4月26日、東京都千代田区の東京電力本社前にムシロ旗や手づくりのプラカードを持った生産者が福島、茨城など各地から集まった。主催したのは農民運動全国連合会(農民連)。福島からは多くの生産者が貸し切りバスで駆け付けた。千葉の酪農家は牛をつれて参加した。(上林裕子)(2011/05/01)


東日本大震災
「『福島の子どもたちを助けて!』とTwitterでつぶやいてください」 福島県の小学校教員の訴え
  「とにかく子どもを守りたいんです」。電話口から聞こえる声は、覚悟のこもったものだった。声の主は、福島県内のある小学校で教員を務める川口真理さん(仮名・32歳)。立場上、名前を公表できないが…と前置きしたうえで、「福島の子どもたちが危険にさらされている状況を伝えたい」と、匿名でインタビューに応じてくれた。(和田秀子)(2011/04/27)


アジア
長谷川まり子氏が講演を開催〜インドから児童買春防止に取り組む団体を招聘〜
120   「がん患者のセックス」「少女売買」などの著者でジャーナリストの長谷川まり子さんが講演会を行う。長谷川さんは南アジアの児童買春防止活動を行うNPO団体ラリグリス・ジャパンを運営している。今回の講演ではインドから地元で児童買春防止に取り組んでいるレスキュー・ファンデーションを日本に呼ぶ。5月14日(土)横浜講演 11:00〜。5月15日(日)東京講演 13:30〜 講演会は無料。(2011/04/24)


アジア
国連が東ティモール警察に権限を移管 来年末の撤退に向け準備開始
120   2002年の主権回復後も東ティモールの治安維持の任を負ってきた国連警察が3月末、東ティモール警察に権限を全面的に移管した。来年の2012年には5月の大統領選挙に続き、総選挙が実施される同国では、治安状況がかなり安定してきたとして、国連は同年末で撤退する予定。果たして、東ティモールの安定は国連撤退後も続くのだろうか。(クアラルンプール=和田等)(2011/04/21)


アフリカ
地球の裏側から   西サハラ難民亡命政府全権大使来日  文:平田伊都子 写真:川名生十
120   「福島原発事故の作業員に東電側は、時給20万円も出すそうだ。が、いくら積まれてもあんな危険な所に社員を派遣できない」 と、原発施設などの点検をするA社のK部長は語った。 K部長が指揮する点検作業チーム10名は、福島第一原子力発電所第4号機の定期点検を、3月11日から始めようとしていた。 その日の午後2時46分、狂ったように警報機が鳴り建屋が大波のように揺れた。 10名は外に飛び出し、他の作業チームと共に近くにあった車に分乗し飯舘村に向かった。 そして身一つで車とJRを乗り継ぎ、横浜の本社に戻ってきた。 定期点検作業員と関係者の約1500人は無事に脱出できたそうだ。(2011/04/20)


東日本大震災
【たんぽぽ舎原発情報】オールジャパンの虚構  他の電力会社は、なぜ原発震災に立ち向かわないのか? 山崎久隆 
  原発震災に対し、政府はオールジャパンの体制で対処すると言っていたはずだが、結局は東電と協力企業の従業員に対処させているだけで、ちっともオールジャパンの体制になどなっていない。例えば、今回の第一原発の内部は、まさしく高レベル放射性廃液に汚染された施設。原発というのは、通常は低レベル廃液しか扱わない。核燃料の再処理をしている六カ所、東海再処理工場には高レベル廃液を扱う専門家がいるのに、どこにいっているのだ。(2011/04/17)


核・原子力
この夏、本当に電力は足りないのか  −河野太郎公式サイトから転載−
  自民党本部で東京電力からヒアリング。東電は、今年の夏の需要をピーク時で5500万kWと予測して、それに対する供給が、3月25日時点で揚水発電なしで3600万kW、揚水発電を入れると3800万kW。それが今年の夏までに揚水発電なしで650万kWに復旧するという。さらに、そこから常磐共同火力と鹿島共同火力が復旧し、ガスタービン、ディーゼルエンジンなどを設置し、さらに自家発電の余剰購入等で揚水発電なしで5000万kWまではめどがついたと発表した。揚水発電のベースがそれに200万kW上乗せされ、さらに揚水発電が増える可能性もあることから、かなり供給が需要に追いついている。(2011/04/16)


文化
劇作家ニール・ラビュート(Neil Labute) 〜アメリカ再生への一歩〜村上良太
  数年前、ニューヨークの演劇専門書店に入ったとき、「80年代とそうかわり映えしないな」と感じた。米演劇人が聞いたら怒るかもしれないが、90年代以後に大物が出ていない印象を受けた。それでも店内で演劇人と思しき人に尋ねてみた。僕「90年代以後のアメリカの劇作家で誰がお薦めですか?」演劇人(らしい人)「ニール・ラビュートとトニー・クシュナーかな」(2011/04/10)


東日本大震災
地震から30日目  〜核の技術者たち〜 
  地震から30日目。この間、様々な報道があったが、一番打たれたのは「週刊現代」の1つの記事だった。4月16日号に、「福島第一原発は欠陥品です」という見出しで、設計者のデール・ブライデンボー氏が告白している記事である。インタビューを行ったのは大野和基氏だ。(2011/04/09)


人権/反差別/司法
4月5日、大阪・釜ヶ崎に大弾圧! 逮捕者5名、 家宅捜査十数か所
  大阪・釜ヶ崎で大量逮捕と家宅捜査が強行されたとのメールが入った。大震災・原発暴走で治安当局は神経過敏になっているのか。(日刊ベリタ編集部)(2011/04/09)


東日本大震災
「平成の再生」モデルを提唱する 大惨事の廃墟から立ち上がるとき 安原和雄
  天災(地震と大津波)と人災(原発大事故と放射能汚染)による複合的大惨事とその廃墟から立ち上がり、閉塞状況を打破するにはどうしたらよいだろうか。目先の対応策ももちろん重要であるが、もう少し長期的視野から日本の行く末を考え直すときではないだろうか。それを「平成の再生」モデルとして提唱したい。日本の近現代史上に位置づければ、明治維新、昭和の戦後改革に次ぐ第三の平成の変革事業となる。明治維新、戦後改革はともに既存秩序の継承ではなく、質的変革、つまり国のあり方そのものの変革を意味した。(2011/04/05)

文化
パリの散歩道15  地震、津波、原発・・・   村上良太
120   日刊ベリタでこれまでパリで取材させていただいた方々から、今度の震災や原発事故に関するメールをいただきました。(2011/04/02)


核・原子力
原子力発電の安全神話と必要性の再検討を 木村浩東京大学准教授に問う  金子章予
  東京大学の准教授の木村浩氏(原子力社会工学)によれば、「原発を推進する国、地方自治体、電力会社、そして国民の多くでさえ「原発は安全」と思っていた節がある」という(「読売新聞」3月25日朝刊11面「経済復興を聞く」)。確かに原子力学会が昨年1月に実施した世論調査では国内の4割以上の人が原発利用に肯定的であり、やめるべきだとの意見は1割前後だったということから、そのようにも推論できる。しかし、本当にそうであろうか。(2011/03/29)


労働問題
国は雇用責任をちゃんと果たせ! 〜公務労働をめぐる2つの闘い〜  坂本正義
120   日本年金機構の発足に伴い、社会保険庁を2009年12月末に分限免職(民間の整理解雇に相当)された元社保庁職員を中心とする「全厚生不当解雇撤回闘争団」が、今年2月から人事院の口頭審理に臨んでいる。(2011/03/27)


東日本大震災
チェルノブイリ汚染除去処理従事者から日本へのメッセージ:「できるだけ早く逃げなさい  米国AOLニュースが報じる
  日本の福島原発事故について、米国のAOLニュースがチェルノブイリ事故汚染除去に従事した女性に電話インタビューした。チェルノブイリの汚染除去作業に長期に渡り直接従事したメンバー中の生存者の一人、ナタリア・マンズロヴァ(Natalia Manzurova)。彼女は1986年4月当事35歳、ロシアのオジョルスク(Ozersk)の原発技師だった。マンズロヴァはウクライナ北部の、焼けて大破した発電所に他の13人の科学者とともに派遣された。大気中に膨大な量の放射線を撒き散らし10万人の避難を余儀なくさせた史上最悪の核災害のわずか4日後のことだった。マンズロヴァとその同僚たちはいまだ「死のゾーン」と呼ばれる地域のすべての汚染物質の除去と埋蔵の任を負った約80万人の「汚染除去作業者」つまり「リクビダートル」のメンバーだった。(大倉純子)(2011/03/26)


東日本大震災
放射能汚染、体内被曝を軽視すべきではない   田坂興亜
  牛乳や水を含む農産物の放射性元素(ヨウ素131など)による汚染に関しての報道の仕方に大きな問題を感じましたので、以下のような要請を、NHKおよび、朝日新聞に申し入れをしました。(2011/03/22)


東日本大震災
【避難地で】2000人が避難しているさいたま新都心スーパーアリーナ 
  埼玉県が、さいたま新都心にあるスーパーアリーナを避難所に開放したことで、各地から避難する人たちが訪れています。 (2011/03/20)


東日本大震災
【被災地事情】仙台、燃料不足は深刻です
  今日、仙台に入ってきました。何度も書いてますが、燃料不足は深刻です。開店(午後1時)前のGSに1キロ以上の車列ができています。開いていないGSにも、開くのを期待して長い列が出来ています。(2011/03/19)


東日本大震災
【被災地事情】1000名の避難所にストーブ4台
  被災地は大雪に見舞われました。私の住む仙台市でも−4度。セーターを重ね着し、軍手をはめ、靴下を2重にマスクをかけ防寒具を着込んで寝てます。余震が続くなかいつでも逃げる用意をしています。でも、津波で崩壊し支援の手が届かない被災者の皆さんに比べれば。。。。。(ATTAC-JAOAN 東北)(2011/03/18)


東日本大震災
【被災地事情】病院は患者さんであふれています
  ようやく電気の供給がありPC、携帯、電話が使えるようになりました。震災の全体的状況についてはマスコミで報道されてるのでローカル放送での情報を「東北だより」として送ります。 (2011/03/17)


東日本大震災
マレーシア、タイでも震災後の日本人の規律とれた行動に称賛の声
  東日本大震災に見舞われた日本について、震災後の日本人の規律のとれた行動に世界各国のメディアが注目、それを称賛する声が相次いであがっている。ここではマレーシアとタイの例を紹介してみたい。(クアラルンプール=和田等)(2011/03/17)


米国
米国務次官補さえも「不合理」と評した、マニング米兵の拘束状況とは?
 フィリップ・クローリー米国務次官補(広報担当)が、13日、辞任した。ウィキリークスに機密情報を流したと推測されるブラッドリー・マニング米上等兵が、拘束中の海兵隊施設(バージニア州)で不当に扱われていると発言したためだ。上等兵は一体どんな扱いを受けているのか?(ロンドン=小林恭子)(2011/03/15)


検証・メディア
地震発生で、日本を励ます英フィナンシャル・タイムズ
 英国のメディアは日本の地震と津波発生をどう報じたのか?全体のトーンとフィナンシャル・タイムズの論考を紹介する。(ロンドン=小林恭子)(2011/03/13)


東日本大震災
福島第一原発の冷却作業は?〜海水の注入は成功しているのか?〜
  13日午前5時半、地震以後の原発の状況について原子力安全・保安院の会見が行われた。建屋で爆発が起きた福島第一原発・1号機では炉心を冷やすため昨夜から、原子炉の圧力容器内に海水の注入を行っている。しかし、いくら海水を注入しても容器内の水位が上がっていない疑いがもたれていた。ということは、海水を注入しても何らかの形で水が流出して、炉心の冷却機能を果たせない可能性があることを意味する。(日刊ベリタ編集部)(2011/03/13)


やさしい仏教経済学
(35)破壊型くるま社会から脱出する道 安原和雄
  車(くるま)社会をどう変えていくかは、避けて通れない大きな課題となってきた。車社会は、毎年多数の事故犠牲者を出し、人命破壊型であるだけではない。鉄道やバスに比べると、大量の排出ガスによる地球環境の汚染・破壊型でもある。破壊型くるま社会から脱出する道はあるのか。その道はマイカー(自家用乗用車)中心から鉄道、バスなど公共交通中心への交通体系の構造転換である。(2011/03/08)


アジア
【イサーンの村から】(16) うちのおコメ、日本の有機農家も感動  森本薫子
120   イサーンの農家の年間の主な収入源は米の販売である。イサーンでは灌漑設備が整っている地域が少ないため(塩害などの被害により、大規模な灌漑施設は作れないという環境条件もあり)、米作りは天水に頼っている。田植えができるのは雨季に入ったときなので、米作りも年に1回だ。(2011/03/07)

市民活動
布川事件再審判決が近づく  ドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」上映会のお知らせ
  布川事件の再審公判の判決の言い渡し日(3月16日)が近づいています。無期懲役が確定した後も無罪を訴え続けてきた桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(64)の2人についてのドキュメンタリー映画が全国各地で上映されています。波崎事件の支援活動をしている友人より、情報が入りましたので、「日刊ベリタ」の読者にお知らせします。(根本行雄)(2011/03/04)


人権/反差別/司法
日本政府は性的指向と性自認を理由とした差別撤廃を  アムネスティ日本が政府に要請
【AIニュース】国連・自由権規約委員会が日本政府に改善を勧告している人権侵害の一つに、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーなど性的指向に対する差別がある。石原東京都知事の差別発言にも見られるこの問題に対し、アムネスティ・インターナショナル日本は、日本政府に対し、性的指向と性自認を理由とした差別の撤廃に向けた姿勢を明確にし、直ちに必要な措置を講じるよう要請する。(2011/03/02)


やさしい仏教経済学
(34)健康な人をめざす高齢社会の設計 安原和雄
  健康とは何だろうか。一口には答えを出しにくい難問である。この世に生を享(う)けたからには健やかな人生を全うしたいと誰しも願うにちがいない。しかし思いのままにはならないのが現世の切なさ、もどかしさでもある。健康観も時代の推移とともに変化をつづけてきた。21世紀版健康とは何かと自問してみれば、ただの長寿では十分な答えにはならない。価値ある生き方、とでも言えるだろうか。その生き方も多様で、「知足とシンプルライフ」の実践もあれば、「変革を志すのが健康な人」というイメージも浮かび上がってくる。(2011/03/01)


労働問題
法務省は雇用に責任を!〜市場化テストの負の側面〜
120   「公共サービスの実施について、民間事業者の創意工夫を活用することにより、国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスを実現する」(内閣府HP)との目的で、小泉政権末期の2006年5月に成立した「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」に基づく市場化テスト(官民競争入札制度)が複数の省庁で実施されている。この市場化テストにより、国鉄1047人、社会保険庁525人、日本航空165人に続く新たな大量失職が生まれようとしている。(坂本正義)(2011/02/27)


社会
中国電力、上関原発埋め立て作業を強行  抵抗する祝島の人びと
120   権力がごり押しし、人びとが頑張っているのは中東だけではない。瀬戸内海の山口県上関町に計画されている上関(祝島沖)原発。今月21日以降、中国電力が作業員を動員、埋め立て再開の動きを強引に開始、祝島の人びとは豊かな魚場と海の生き物の豊かさを守るために、座りこみで抵抗を続けている。「祝島島民の会blog」からその模様をお伝えする。(日刊べリタ編集部)(2011/02/26)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
GM大豆・トウモロコシ(ラウンドアップ耐性)に新病原菌 米研究者が農相に公開書状
  ラウンドアップ耐性のGM大豆の栽培地(特にアルゼンチン、ブラジル)で不妊症などの健康被害が多発していることは、この欄に何度か紹介された。最近、アメリカの研究者がこのようなGM植物に新種(かつて発見されていない)の病原菌を発見し、米農業相ヴィルサック氏に公開書状を提出した。その原文は、 (2011/02/22)


人類の当面する基本問題
(13)教育のありかた 国家権力操作にめげず批判能力を 落合栄一郎
  近代国家は殆ど全て、国家の施策の一部として国民の教育を遂行している。これは厳密には、公教育にのみ言えることであるが、私立の学校運営も国家からの規制をかなりの程度受ける。となれば、国家権力は教育というものを、権力が行おうとする政策に好都合な方向に持って行こうとするのも当然であろう。その上、学校運営に必要な財政的側面は、自治体と国家が牛耳っている。完全に民主的な国家があるとして、教育の仕方に国民が十分な意思を貫徹できるならば別である。すなわち、国家権力に追従しない教育を行うことも可能ではあろう。しかし、この場合でも公教育では、多数に迎合する教育しか出来得ない。(2011/02/15)


ロンドンで「サイバー戦争」に関するイベント開催 −「誰もが攻撃対象になり得る」
 「サイバー攻撃」という言葉を最近、よく耳にするようになった。9日、ロンドンの記者クラブ、フロントライン・クラブで、この点を専門家らが議論するイベントが開かれた。「ネットは21世紀の戦場になったか?」と題されたイベントの様子を紹介したい。(ロンドン=小林恭子)(2011/02/10)


検証・メディア
透明さ欠くNHK会長人事 真の公共放送再生への改革を 藤田博司
  年明け早々、NHKの会長人事が大もめにもめた。ドタバタのあと新会長は決まったものの、透明さを欠く、いかにもにわか仕立ての人事であることが、いかんなく世に知れ渡った。もめた直接の原因は、この人事を担うNHK経営委員会、とりわけ小丸成洋委員長(福山通運社長)の不手際にあった。しかしその背景に、経営委員会の運営に関わる制度上の問題があることは否めない。今回の事態で、経営委員会のあり方があらためて問われることになるだろう。(2011/02/05)


中東
【エジプト情勢】私も一時拘束 「反体制派の弾圧と摘発が昨日から始まっています」
  昨日2月3日から外国人拘束、特にジャーナリストへの拘束が強化されました。アルジャージーラなどは真っ先にターゲットにされて、多くの記者が拘束、勾留され機材も没収されています。私自身も昨日の午後2時から7時過ぎまで拘束されていました。路上にて軍と警察の警備のもとパスポートと携帯を取り上げられての拘束。ソフトでしたが、当然のごとく理由を告げられずの拘束でした。その過程で、携帯のsimカードが盗られました。ですので、現在、携帯が繋がりませんのであしからず。モスクにおかれた緊急診療所の模様をユーチューブを通してお送りしします。(カイロから、阪口浩一)(2011/02/04)


中東
【エジプト情勢】3日、ムバラク支持派のデモ潰しで、路上診療所数カ所だけで1000人超す負傷者を確認しました
  ガザ支援船団に日本から参加して現在カイロにいる坂口浩一さんからの便りを紹介する。(日刊べリタ編集部)(2011/02/04)


ジャーナリストの読書ノート
【古典、旧刊、たまに新刊紹介】(3) 内田樹「日本辺境論」
 昨年の新書大賞に輝いた本書は、内田樹(たつる)氏の弁明から始まっている。「本書は体系的でないのみならず、ビッグ・ピクチャー(「大風呂敷」とも言います)、つまりたいへん大雑把な話です」。「学術的厳密性ということは一切顧慮していません」。中身を読むと、謙遜とは思えない。内田さんはよく分かっていらっしゃる。でも、「この仕事はボランティアで『どぶさらい』をやっているようなものですから」はないでしょう。ベストセラーになったこの本の印税を受け取らなかったといった話は聞いてませんが、どうなんでしょう、内田さん。(道原良司)(2011/02/02)

政治
今、日本の政治に問われているものは何か(5) 中国・北朝鮮脅威論を疑え  三上 治
  よく色眼鏡で見ているということが言われる。それはイデオロギーや宗教的な理念で物事を判断しているという意味でもある。これはその種の立場にある人の存在があらかじめ分かっているという意味でそれに戸惑うことはない。ある種の疑念を持って対応できるからである。だが色眼鏡でない見方や判断というように思われているものはそうでないから厄介である。例えばメディアは党派に偏しないとか中立であるとか称されそれが常識のように浸透しているから難しいところがある。だから、僕らは色眼鏡をかけてはいないと称している面々の色眼鏡を見ていなければならないし、そこに届く眼光が必要である。(2011/02/01)


医療/健康
抗がん剤と早期がん検診の意味はないー最近の「がんもどき」論争から  崔勝久
  本紙1月23日付けに、「近藤誠は生きていた!−『がんもどき』理論の最終見解について」を書きましたが、この近藤さんの提起が、ここのところマスコミで話題になっているようです。『文芸春秋』新年号で近藤誠は「抗がん剤は効かない」を発表し、翌2月号で、「患者代表・立花隆、近藤誠に質す」という対談が掲載されています『週刊現代』1月29日号は「「大論争」抗がん剤治療は本当にだめなのか」と二人の論争を受けた形で記事にしています(2011/01/25)


アジア
【イサーンの村から】(14) 虫を食べる 森本薫子
120   イサーンでは虫を食べるのはよく知られているが、本当にびっくりするほどいろいろな種類の虫を食べる。コオロギ、イナゴ、セミ、バッタ、タガメ、カミキリムシ、タマムシ、様々な蛾のサナギなど。油で素揚げしたり、レモングラスなどで味付けして食べることが多く、イサーン人には大人気。私も一通りは食べたことがある。竹虫を揚げて塩をふったものなんて、トウモロコシの味にそっくりで食べやすい。(2011/01/24)

文化
『となりのツキノワグマ』を読む――帯には「クマがこんなに写っていいのか!?」とある  笠原眞弓 
120   金沢市街のはずれ、犀川のほとりにある姉の家の玄関先を仔クマが通り過ぎた。昨秋の昼日中である。姉は地方新聞の書評にあった表題の本『となりのツキノワグマ』(宮崎学著・撮影/新樹社刊)を購入。暮れに訪ねた私に、「おもしろそうよ。まだ読んでいないけれど」と渡した。どのページもそばに人がいれば「クマって○○なんだって!」と言わずにはいられない、私にとっての新知識が詰まっていた。(2011/01/14)


検証・メディア
ロンドンでジャーナリズムの議論 −「私たちはウィキリークスの時代に生きている」
120  11日、ロンドンの記者クラブ「フロントライン・クラブ」で、「ウィキリークスはジャーナリズムに鏡をかかげているのか」という題で、メディア関係者が議論するイベントがあった。内部告発者からの大量の一次情報を匿名で掲載するウィキリークスの登場で「ジャーナリズムが大きく変わった」という見方が出る一方で、その「影響の判断には長い年月がかかる」とする慎重な声も出た。(ロンドン=小林恭子)(2011/01/13)


アジア
【イサーンの村から】(13)お正月、集まり、だべり、飲み、食べて 今日は豚肉、明日は牛  森本薫子
120   タイでは4月中旬の「ソンクラーン」というバラモン教起源のお正月がメインなので、12月と1月の年末年始はソンクラーンほど盛り上がらないが、家族と親戚が集まり、美味しい料理やお酒をいただきながら過ごすのは日本と変わらない。日本では、年末年始は忘年会、新年会、年賀の訪問・集まりなどの予定を立てる人が多いだろう。まだ会いたい人たちとだけ会うなら楽しいけれど、義理実家に行くのが苦痛という話もよく聞く。ゆっくり楽しく過ごしたい年末年始。日本ではそうもいかない人も多いかもしれない。(2011/01/07)

アジア
「レジ袋を無料配布しない日」めぐりマレーシアで賛否両論 メーカーからは恨み節も
  日本のスーパーマーケットでは定着しつつあるレジ袋有料化。マレーシアでも、「レジ袋を無料配布しない日」が一部の州で導入されているが、その是非をめぐり賛否両論が沸き起こっている。「モノを浪費する習慣を見直す第一歩になる」と支持する声の一方で、「レジ袋を環境汚染の元凶として槍玉にあげるだけでは、本当に環境問題に取り組むことにはならない」との疑問の声も。プラスチック・メーカーからは「ビニール袋の売上が30%減った」との恨み節も聞こえてきている。(クアラルンプール=和田等)(2011/01/02)


文化
文化財返還問題を話し合う日韓共同シンポジウムから(中) 日本政府の対応は評価
  文化財返還問題を話し合う共同シンポで、両国に研究者、国会議員、この問題に取り組んできた市民グループは、日本政府の対応は従来の姿勢を大きく踏み出すものだと評価した。(坂本正義)(2010/12/28)


アジア
【イサーンの村から】(12)  村の子どもたちはすごい  森本薫子
120   週末になると親戚の女の子二人が毎週のように遊びにくる。小学5年生と4年生のミーちゃんとムーちゃんだ。朝食後から来て(時には朝6時半くらいから来る・・)、うちでずっと過ごし夕食を一緒に食べてから家に帰る。連休や長期休みは毎日のようにうちに遊びに来て、二人で泊まっていくこともしょっちゅう。1歳の息子の相手をしてくれるのでこちらもとても助かる。その上、掃除も手伝ってくれる(それもかなり上手に!)。(2010/12/22)

コラム
2010年の回想:人類文明の自滅を回避する力はまだ脆弱 落合栄一郎
  この年は,天然異変や地球温暖化の影響かと思われる異常気象が世界の多くの地域で多大な被害を及ぼした。ハイチの地震は多数の死者を出し、その後の復活もはかどらないうちに洪水に見舞われ、そして恐れられていた「コレラ」の蔓延となった。コレラ流行にはまだ終息の気配がない。モスクワを中心とするロシア西部は、記録的な、長期にわたる超高温に見舞われた。日本の夏も、長期にわたって高温が続いた。そして、パキスタンの大規模な洪水。年末にはローロッパの広範囲にわたって、異常な寒気がおそった。南半球では、オーストラリアでの洪水。その他多数の天災地変(火山爆発など)。(2010/12/18)


北朝鮮
 「交渉だけが唯一の希望」 訪朝し、ウラニウム濃縮施設の存在を確認したジグフリード・ヘッカー米スタンフォード大学国際安保協力センター所長の報告
  韓国の有力ネットメディア『プレシアン』は11月9〜13日に北朝鮮を訪問して2000個の遠心分離機を備えたウラニウム濃縮施設の存在を確認して帰ってきた米国の核問題の専門家ジグフリード・ヘッカー米スタンフォード大・国際安保協力センター所長の北朝鮮訪問報告書の要約を報道した。その報告書でヘッカー所長は「北朝鮮のウラニウム施設は基本的には電力需要を充当するために建てられたと見られる。だが、軍事的目的に転用される可能性があるから、非常に深刻な事態だというのも正しい」と述べ、これを防ぐためには戦争や対北制裁の強化ではなく、北朝鮮との交渉によって問題を解決しなければならないと強調している。(2010/12/17)


人権/反差別/司法
【西武池袋線痴漢冤罪事件】アナログ版書名用紙の配布が始まりました
  私は、小林さんの弁護人ですから、当然、彼が冤罪であることは疑っておりません。ただ、この署名は、そのことはさて置いても、難病の人に対してその治療をしない、逆に悪化させる処遇をする、それはおかしいでのはないか、という思いの方もたくさん署名されたものと思います。この事件について詳しくなくても、この「おかしい」という気持ちは、すべての人に共通してあるものと思います。(弁護士 佐々木亮)(2010/12/13)


文化
コラムニストがいた時代  酒場で育ったマイク・ロイコ    村上良太 
  1980年代だったろう、コラムという耳慣れない言葉がわが国に入ってきたのは。勿論アメリカからだ。最も有名だったのはボブ・グリーンだろう。コラム集の「アメリカン・ビート」や「チーズバーガーズ」は日本でもベストセラーになった。またアート・バックウォルドの場合は、権力批判をベースにしたおちょくり気味のユーモアコラムだった。しかし、バックウォルドには世界を冷徹に見るジャーナリストの目があった。一方、上流階級を描くタキというギリシア系のコラムニストや、少し古風な作風のラッセル・ベイカーという人もいた。政治コラムニストではジェームズ・レストンが健在だった。ロジャー・サイモンの辛口コラムというのもあった。80年代にはこうしたコラムニストによるコラム集が日本で次々と出版された。(村上良太)(2010/12/11)


検証・メディア
ウィキリークスの理想は?
  今回、ウィキリークスによって入手された米外交文書は25万点にのぼる、と言われる。非合法で入手した外交公電を大量に公表することは本当によいことなのだろうか。ウィキリークスの大量の情報公開を肯定する論理は一体どこにあるのだろうか。政府が一切秘密を持たないようになることが理想なのか。今回のリークの目的はどこにあるのか?(村上良太)(2010/12/02)


検証・メディア
「日米安保」への執着を捨てるとき 沖縄県知事選結果が示唆すること 安原和雄
  11月28日に行われた沖縄県知事選挙の結果は「沖縄米軍基地撤去」が民意であることを示した。選挙当日から米韓両軍が朝鮮半島西側の黄海で4日間の日程で合同軍事演習をはじめるなど緊迫感の漂う中での選挙であったが、沖縄の民意は揺るがなっかたことを評価したい。今後の課題はこの民意をどう生かすかである。本土のメディアには日米同盟深化論を是認する論調が多い。しかし米軍基地の存在を前提とする同盟深化論は、基地撤去を求める沖縄の民意とは両立しない。民主党政権は、この矛盾をどう打開していくのか、まさしく難問に直面することとなった。(2010/11/30)


ビルマ民主化
「私を励ましてくれたのは独房生活15年のビルマ人活動家」 山路さんが報告会
120   ジャーナリストの山路徹さんが代表を務めるAPF通信社が11月23日、東京都内で『プロジェクトBurma取材報告会』を行った。ご存じの方も多いだろうが、山路さんはミャンマー(ビルマ)総選挙が行われた11月7日、ミャンマー・ミャワディで取材をしている最中に軍政に拘束され、2日後に解放された。山路さんは、ペン型の隠しカメラで撮影した投票所付近の様子を紹介しながら、軍政に拘束されてから開放されるまでの3日間について、その経緯を報告した。(和田秀子)(2010/11/27)


TPP/脱グローバリゼーション
APEC横浜宣言を批判する(その2)  ボゴール目標と自由貿易・投資は繁栄と成長をもたらしたのか? 小倉利丸
  首脳宣言では、これまでのAPECを振り返り、ボゴール目標の正しさを次のように述べた。「アジア太平洋地域は,ボゴール目標の達成に向けた個別の及び共同の取組を通じて,貿易及び投資に対する障壁を相当程度削減してきた。これらの取組は,地域における貿易と投資量の増大,持続的な経済成長及び人々の福祉の大幅な改善へとつながった。」。本当にそうなのか。検証する。(2010/11/26)

TPP/脱グローバリゼーション
練達の百姓がうめいた TPPを迎える農の現場から 大野和興
  今日からAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議が横浜市内で開幕した。会議では、域内の自由貿易を軸とする経済連携の強化を目指して話し合いが行われる。このAPEC首脳会議をめぐり,日本国内ではTPP(環太平洋連携協定)への参加を巡って「農業開国」論議が盛り上がっている。米国や豪州など世界の農業大国に日本の農業をまるごと差し出すことになりかねないこの動きの影で,いま国内農業は瀕死のうめき声を発している。農業生産現場からの報告をお届けする。(2010/11/13)


人権/反差別/司法
死刑か、無期懲役か、2者択一を求める裁判員裁判  耳かき殺人事件を例に考える  根本行雄
  昨年8月、東京都港区で、耳かきエステ店員の女性とその祖母を刺殺したとして、殺人などの罪に問われた無職林貢二被告(42)の裁判員裁判で、東京地裁(若園敦雄裁判長)は11月1日、無期懲役とする判決を言い渡した。昨年8月から全国で実施されてきた裁判員裁判で、初めて検察側が死刑を求刑していたことから、判決に注目が集まっていた。これで死刑制度への認識が深まるだろうか。(2010/11/12)


橋本勝21世紀風刺画日記
165回 原発は民主党が進める国策商売なのです
120 民主党が成長戦略のための一大プロジェクトとして/位置づけているのが原発の海外への売り込み/その成果としてこのたび/韓国、ロシアとの激しい競争のすえ/ベトナムへの原発の2基の売り込みに成功/世界は今や原発ルネッサンス(2010/11/11)


文化
ベトナム戦争中のハノイから   戦場カメラマン石垣巳佐夫氏
120   日本人の青年がにこやかな軍人の脇に立っている。軍人の手は青年のひじをつかんで激励しているようだ。この軍人はボー・グエン・ザップ、ベトナム人民軍総司令官である。撮影されたのは北ベトナムが米軍と戦っていた時代である。青年は石垣巳佐夫カメラマン。石垣さんは日本電波ニュース社ハノイ支局に派遣されていた。ベトナム戦争中、北ベトナムに支局を持っていたテレビ通信社は日本電波ニュース社だけだった。(2010/11/10)


検証・メディア
ウィキリークスと尖閣ビデオ流出問題の間で
 例の「尖閣ビデオ流出問題」の件である。数日前に、たまたま、グーグルで国際ニュースを見ていて、このトピックにぶち当たった。その時点では、「流出、けしからん」論が非常に強かった。驚いて、何か書こうと思ったが、一筋縄では行かない気がして、2−3日が過ぎた。今朝ぐらいまでに、すっかりいろいろな意見が出て、「流出でもいいじゃないか」「出たほうが良かった」という意見もぞくぞくと出るようになっていて、ほっとした。(ロンドン=小林恭子)(2010/11/09)


アジア
【イサーンの村から】(10)商品作物は難しい  森本薫子
120  この辺りの村は、田んぼ以外はサトウキビ畑、キャッサバ畑、天然ゴム農園で埋め尽くされている。どれもイサーンでは代表的な商品作物である。うちの農園の周りも、東隣りはゴム農園、南隣りはキャッサバ畑だ。イサーンでは、1年の収入のメインとなる米の他に、現金収入源としてこれらの作物を植える農家が多い。タイのゴムは9割が輸出用で価格は国際市場によって大きく変動するのだが、最近はこの価格がかなりいいらしい。(2010/11/01)


文化
カフカ作「変身」の中身     村上良太
  中学高校で課題図書として本が何冊か指定され、感想文を書かされる事がある。カフカの「変身」はそうした課題図書の中で最も短い本のひとつであり、僕も読んだ記憶がある。そればかりか美術の絵のモチーフにも使う事ができた。ところでこの小説の主人公であるグレーゴル・ザムザが変身した虫は具体的に何だったのか?という有名な謎がある。(2010/11/01)


人権/反差別/司法
反グローバリズムの「犯罪化」は絶対に容認できないー警察APEC広報は明らかな自由と権利への侵害であるー 小倉利丸
警察庁はAPECへの反対運動について、ウエッブで次のように書いているー。 (2010/10/31)


北朝鮮
日朝国交正常化運動の現状〜日朝国交正常化連絡会 石坂浩一共同代表兼事務局長に聞く〜
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の政権政党である朝鮮労働党が、1966年以来44年ぶりとなる党代表者会を開催した。形骸化が指摘されていた党組織を整理・強化したのは、健康不安を抱える金正日総書記に万一のことがあったときに備えるためだとか、三男の正恩(ジョンウン)氏に権力を引き継ぐためなどと様々な見方が飛び交っている。北朝鮮におけるこうした動きが、日本政府の関心事項である拉致問題や核・ミサイル問題の進展にどのような影響を及ぼすか。日朝国交正常化連絡会の共同代表と事務局長を兼任する石坂浩一立教大学准教授に、日朝国交正常化運動の現状や課題などを聞いた。(2010/10/28)


みる・よむ・きく
三ツ星シェフによる画期的な料理本 「フライパン1本でできるお手軽フレンチ」
  シェフのダニエル・マルタン氏(Daniel Martin 1952−)は三ツ星料理店だったマキシムの副料理長を勤め、来日後はフランスの名門の料理学校であるル・コルドン・ブルー東京校の校長となった。彼は日本の人々に向けて手軽に作れるフランス料理の本を執筆してくれた。日本では様々なフレンチ料理本が出版されているが、本書は最も実用性が高いものに入る。その最大の売りは「フライパン1本でできる」ところにある。(村上良太)(2010/10/25)


政治
本当に日本は法治国家であるのか  三上 治
  中国の人権活動家劉暁波に対するノーベル平和賞の授与をめぐって波紋が広がっている。中国の国家体制や政治体制の批判としてである。少し、前に民主党の枝野幹事長代理は「中国は悪しき隣人であり、政治体制や価値観を共有していない、法治主義の通らない国である…」と述べて物議を醸した。(2010/10/17)


みる・よむ・きく
ドン・キホーテ 2  〜24時間朗読マラソン〜   村上良太
  5年前の2005年は「ドン・キホーテ」正編(第一部)の出版400周年だった。その年はスペインのみならず、世界中で様々な「ドン・キホーテ」の記念行事が行われた。中でも極めつけはアメリカ東部、ニュージャージー州のドリュー(Drew)大学で行われたマラソンリーディングだろう。「ドン・キホーテ」正編を10分または20分交代で、代わる代わる24時間ぶっ通しで朗読するのである。(2010/10/11)


やさしい仏教経済学
(17)いのちの尊重と非暴力(=平和) 安原和雄
  今回から私(安原)が構想する仏教経済学の八つのキーワード ― いのちの尊重、非暴力(=平和)、知足、共生、簡素、利他、多様性、持続性 ― を紹介したい。まず「いのちの尊重」、「非暴力(=平和)」を取り上げる。「いのちの尊重」とはなにを含意しているのか。仏教でのいのちとは人間に限らず、地球上の生きとし生けるものすべてのいのちを指している。人間も動植物も平等であり、人間のいのちだけが尊重に値するわけではない。これが仏教思想の生命中心主義であり、いのちの平等観である。(2010/10/09)


検証・メディア
英紙調査報道担当記者に聞く  「私たちに力がないわけではない」
 英ガーディアン紙の調査報道記者デービッド・リー氏に、調査報道の現場について引き続き、聞いてみた。真実を明るみに出すには、非合法な手段を使うこともよしとするのかどうか?調査報道を引き継ぐための後輩の育成はどうやっているのだろうか?(ロンドン=小林恭子)(2010/09/29)

アジア
【イサーンの村から】(8) 女衆が大活躍、イサーンの人寄せ  今回は南アから  森本薫子
120   先月は、南アフリカ人の皆さんがうちの農園に来てくれた。彼らは日本国際ボランティアセンター(JVC)の南アフリカでのHIV/エイズ陽性者支援事業に関わる皆さんで、タイのHIV/エイズ政策や支援事業を学ぶスタディツアーで来タイしたのだ。そして彼らは有機で家庭菜園をしているということで、うちの農園にも2泊することに。(2010/09/29)

英野党・労働党の新党首、決定 −ニューレーバーの今後に不透明感
 25日夕方、エド・ミリバンド(元エネルギー・気候変動担当相)が英最大野党・労働党の新党首に選出された。兄のデービッド・ミリバンド(元外相)も党首候補者の一人で、兄が労働党党員や労働党議員らの間では支持率が高かったのだが、労働組合からの強い支持で兄を振り切った格好だ。最後は兄と弟の決選投票になり、兄49.35%、弟50.65%という大接戦となった。(ロンドン=小林恭子)(2010/09/26)


農と食
野生猿を追って 〜禁断の味を知った猿〜
  その頃、小型ビデオカメラを手に、野生の猿を追っていた。90年代の末頃、日光や和歌山の山中などである。野生猿が人里にやってきて、田畑を荒らし、民家に侵入し、食糧を盗む。甚だしい場合は糞尿までしていく、という。そうした場面をできるだけ撮影して放送するのが狙いだった。日光の土産物屋では猿が客のように引き戸を開けて入ってきて、饅頭を持っていくと店主たちは怒っていた。周辺の田は猿に荒らされるので稲作を放棄しており、春に訪れたときは草がぼうぼうと生えていた。年をとった農夫は「もうすっかり猿にやられちゃって」とやる気を失っていた。(村上良太)(2010/09/26)


文化
チェーホフ生誕150周年  〜演劇を革新した男〜
  今年はロシアの劇作家チェーホフ(1860-1904)の生誕150周年に当たる。チェーホフの劇には「かもめ」「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」の四大戯曲のほかに「熊」や「イワーノフ」などの比較的小品がある。東京演劇アンサンブルの演出家だった広渡常敏氏の胸には劇団創設以来、常にチェーホフ劇が、特に「かもめ」があったと聞く。しかし、ストーリー性や理屈だけで展開しない、デテールの豊富なチェーホフ劇には簡単にトライできない大きな壁があった。(村上良太)(2010/09/12)


アジア
【イサーンの村から】(7)産後は三日三晩薬草サウナ三昧  森本薫子
120   イサーン人もずいぶんと前から西洋医学に頼るようになっている。ちょっとでも風邪を引いたり熱があったりすると、市販の薬を飲んだり病院に行く人が増えている。一方で、やはりイサーンだなぁと思うのは、伝統的な治療法を本気で実行している場面にあう時。バイクで事故に合い全身打ち身の人が、薬草で蒸されていたり、かなり重症と思われる病人の頭に長老が唾を吹きかけていたり・・。病院にいかず、このような処置だけの場合もよくあるのだ。私自身の経験と言えば・・、病気やケガの治療ではないが、あの体験をした出産後の出来事だろう。(2010/09/10)

アジア
【イサーンの村から】(6)イサーン時間に身をまかせ 森本薫子
120  日本人ほど時間に正確な民族って他にいるのだろうか。よく聞く話だと思うが、タイ人と時間の約束をしても、時間通りに来ることはまずない。約束する時さえも、「んじゃ、明日の午後ね」。時間は決めなかったり。相手が家に迎えに来てから「ちょっと待って。ご飯食べるから」、「水浴びしてくるね」と言っても誰も怒らない。どうぞどうぞとゆっくり待っている。会議でさえも、決めた時間より何時間も遅れて始まったりする。遅れてきた人も特に謝るわけでもなく・・。都会の人はもう少し時間に対する意識が高いが、田舎はまだ「時計が示す時間」より、「体や生活の流れに合わせた時間」で動くことが多い。タイ人だけでなく、暑い気候の国の民族は比較的時間にゆったりしている。せかせかすると余計暑くなるので、それも知らない間に身につく自分の身体を守る術なのだろう。(2010/08/25)

農と食
口蹄疫、全頭殺処分は本当に必要だったのか  バイオハザード専門家が「ウイルスとの共存」を提言
  宮崎県で大発生した口蹄疫は約30万頭の牛・豚刹処分して終息したが、検討すべき課題は残されたままだ。そんななか、本当に全頭刹処分という措置は必要だったのかという疑問が専門家の間から出始めている。本誌では8月7日に市民バイオテクノロジー情報室を主宰する天笠啓祐さん(科学ジャーナリスト)による「なぜ動物皆殺し政策を続けるのか」を掲載した(関連記事参照)が、この問題に同じように疑問を投げかけているバイオハザード(生物災害)の専門家である生物学者本庄重男さんの意見を紹介する。(大野和興)(2010/08/23)

社会
本当に地域社会や家族の壊れが原因なのか 子殺しは「三丁目の夕日」時代がもっと多かった
120   子殺し・虐待、高齢者消滅とこの社会の病理を証明するような事件が相次いでいる。そしてメディアやテレビ・コメンテーターは、その原因は地域社会や家族による支え合いの崩壊にある、と語り、それが世の中の常識となっている。果たして本当なのか。実は統計によると、戦後だけをみても、地域社会の人間関係がきわめて濃密で、核家族が出現する以前で三世帯が当たり前だった1950年代,いわゆる「三丁目の夕日」の時代が最も子殺し・幼児殺人が多かった。私たちは、安易に結論を導くのではなく、より包括的・多面的に現代社会を見る必要があるようだ。(日刊ベリタ編集部)(2010/08/21)


人権/反差別/司法
女性自衛官人権裁判  敗訴した防衛省は控訴を断念
  女性自衛官が隊内でのセクハラで国を訴えた女性自衛官人権裁判で、7月29日に敗訴した防衛庁は、控訴を断念、控訴期限が切れる12日に司法記者クラブに「控訴を見送る」と通知した。原告と「女性自衛官の人権裁判を支援する会」は6日、防衛省に対し「控訴するな」と申し入れを行っていた。(日刊ベリタ編集部)(2010/08/12)

中国
21世紀の『すばらしい新世界』? 自殺者相つぐ「富士康」の従業員30万人工場
  富士康(Foxconn)は、最近話題のiPadの製造にもかかわっている電子機器専門の受託生産企業で、アップルやデルなどの大手コンピューター・メーカーと取引がある。自殺者が相次いだその深セン工場は従業員数30万人という大規模工場だ。30万人といえば日本では中核都市の基準を満たす人口である。富士康の作業実態を取材した「亜洲週間」の記事からは、あたかも治外法権にあるかのような工場の事実の一端が見えてきた。(納村公子)(2010/08/02)

人権/反差別/司法
女性自衛官人権裁判、札幌地裁で全面勝訴  「国は控訴するな」
  勝ちました!7月29日、札幌地裁の判決は、原告の全面勝訴です。ご支援頂いたみなさま、本当にありがとうございました。29日の法廷は満席、原告が好きなオレンジ色を身につけた、たくさんの支援者が傍聴に駆けつけてくださり、法廷に入りきれないほどでした。(2010/07/31)

アジア
【イサーンの村から】(4)なんでもバリバリ、野菜ってなんだろう  森本薫子
120   うちは一応自然農業を目指した有機農業をしているので、畑にはそこそこの雑草が生えている。自然農業では、自然界に不必要なものはないという考えなので、そもそも「雑草」という言葉も使わないが。とにかく「食べられない草」が、野菜を覆い尽くすほどなのだ。タイの雨季は草木の成長が本当に速い。ちょっと気を抜くと畑はたちまち草ぼうぼうになってしまう。(2010/07/31)


アフリカ
血のダイヤモンド   スーパーモデル、ナオミ.キャンベル国際刑事裁判所出廷  文:平田伊都子  写真:川名生十
120   2010年7月29日、スーパーモデルのナオミ.キャンベルが国際刑事裁判所に出廷する。国際刑事裁判所はオランダのハーグにあり、世界で唯一、個人を対象として戦争犯罪を裁ける国連傘下の国際法廷である。ナオミが戦争犯罪人として起訴されているわけではない。証人として出廷を命じられているのだが、拒否すると最高7年の禁固刑になる。ナオミが関係しているのは、<血のダイヤモンド>戦争犯罪である。<血のダイヤモンド>と異名を取るゲリラ資金源のダイヤ原石をナオミが貰ったと疑われているのだ。(2010/07/29)


アジア
【イサーンの村から】(3)バンコク暴動とチェンマイ・タイ米FTA阻止行動  タイ民衆運動の底力を知ってほしい  森本薫子
120   2010年4〜5月は日本でもバンコクの暴動のニュースが盛んに報道されていた。ちょうど私は日本に一時帰国中だったため、様々なニュースやテレビ番組で、タイの赤シャツ隊VS黄色シャツ隊の話題を毎日のように目にした。しかし日本の多くの報道は、政府側(黄色シャツ隊)の批判が多く負に落ちなかった。「池上彰の学べるニュース」でもタイの暴動が取り上げられていたが、赤シャツは農村部の貧困支援をしていた元首相タクシンの支持派、黄色シャツはそれに不満を持つ都市部のエリート層が支持、というような説明だった。これを見て、メディアの見解・説明を鵜呑みにするのは危険だなとつくづく思った。(2010/07/22)

やさしい仏教経済学
(7)人間は農業が滅びたら生きられない 安原和雄
  人間のいのちの源(みなもと)は農業であり、だから人間は農業が衰亡したら生きられない。この単純にして明快な真理がどれだけの人々に共有されているだろうか。むしろ工業が「主」で、農業は「従」だという見方が今では常識にさえなっている。日本の場合でいえば、第二次大戦後の高度成長期に急速に農業国から工業国へと変貌した。その結果、一人あたりの所得も増え、国全体のGDP(国内総生産)はアメリカに次いで世界第二位の地位にのし上がった。しかしこの「経済大国ニッポン」という輝けるイメージは、アッという間に「貧困大国ニッポン」へと転落した。(2010/07/17)


文化
フランスからの手紙10  常軌を逸したフランス人たち!Ils sont fous ces Français !  パスカル・バレジカ
120   最近、フランスの多くの政治家の言動は精神分析学の対象にふさわしいものに思われる。パリ近郊にCretailというコミューン(日本の市町村に該当)がある。このコミューンから選出された社会党 のdepute-maire(国会議員と市長を兼務する政治家)のケースは精神分裂病か、あるいは二重人格の興味深い例だ。(2010/07/12)


アジア
【イサーンの村から】(2)牛生肉ラープ、おいしく、しかも抗アレルギー 食べなかったら損ですよ  森本薫子
120   イサーン人は本当に牛が好きだ。結婚式や得度式(男子の出家式)などのお祝い事の時には、必ず牛肉のラープ(肉と唐辛子、ライム、ナンプラー、ミントなどを和えた料理)がでる。村の男性何人かがと殺してさばいて、それが祝膳として出てくるのだ。それも生肉で、生血を混ぜる!血だけではない。黒緑色の苦い胆汁までも入れるのだ。湯がいた肉で作るラープもあるが、生肉が断然人気である。(2010/07/10)

普天間問題
韓国哨戒艦沈没を日本の政府、メディアは「普天間」に利用するな 事件の真相は未解明
  先に(日刊ベリタ2010.06.23)、韓国哨戒艦沈没事件についての韓国国内での民間からの疑問提出を同国政府が躍起になって押さえつけようとする様が報告された。日本では、世界中でも最も早い時期に田中宇氏が非常に重大な疑問符を投げかけた(http://tanakanews.com/100507korea.htm;http://tanakanews.com/100531korea.htm)が、主要なメデイアや政府は、公式報告(北朝鮮による魚雷攻撃と結論)を鵜呑みにして、沖縄普天間基地/辺野古移転への正当化、軍備強化、日米同盟深化などをすすめる道具に使っている。(バンクーバー=落合栄一郎)(2010/07/03)

教育
語学に再挑戦       村上良太
中公新書 「「超」フランス語入門」を手に取ったときの感動と震えは今でも思い出します。著者は東京外国語大学教授の西永良成氏。僕がこの本で本当に感動したのはおよそ200ページの中のわずか2ページでした。それはこんな文章です。「e で終わっている単語の多くは女性で、それ以外が男性だということがわかるでしょう。」(2010/07/02)


アジア
【イサーンの村から】(1)カオデーン農園の日々 楽しいこともうんざりすることも  森本薫子
120   タイに住んで10年ほどになる。ここ、東北タイのムクダハン県の農村で農園暮らしを始めたのは約3年前からだ。農業や田舎暮らしになんてこれっぽっちも興味のなかった私が、なんでよりによってここまでド田舎で生活することになったのか。もちろん、東北タイの農民出身の男性と知り合い結婚して住むことになったのがきっかでだが、「イサーン(東北タイ)の農村で生きていこう!」と一大決心をした覚えもなく、気づいたらそういう流れになっていた。(2010/07/01)


人権/反差別/司法
拷問の犠牲者を支援する国際デー−6月26日、マイケル.ジャクソン命日− 文:平田伊都子 写真:川名生十
120   「6月26日は拷問の犠牲者を支援する国際デー」と言っても、誰も知らない。しかし、日本時間6月26日7時26分、マイケル.ジャクソンの心臓が止まったと言えば、誰もがこの日を記憶している。一年前のこの日、筆者も終日You Tubeのマイケル.アルバムに釘付けになっていた。そのマイケルが生前、次のように語っている。「稽古中、父はいつも椅子にベルトを持ちながら坐っていて、間違えると叩かれた、、アイロンコードとか周りに在る物の全てを使って、時にはありったけの力で壁に叩きつけた、、ぼくは足が速かったから逃げられたけど、捕まえられた時は、本当にひどい目にあった、、」(ウィキペディア)。この虐待はまさに<拷問その他、虐待などを禁止する>とした国連決議に違反する。天国のマイケルは知ってるのかな?(2010/06/26)


中国
広がるストの現場ルポ(下) 女性工員らのピケを警官隊が強制排除 国有系の平棉紡織
 ストを行った平棉紡織の労働者の多くは40歳前後の女性たちである。彼女たちは工場の正門に長い横断幕を掲げた。それにはこうある。「共産党は母親だ。私たちはご飯を食べなければならない。生きていきたい。張先順をトップとするヤクザ集団を厳重に処罰せよ。市の党委員会は張先順のすべての職位を剥奪するよう強く要求する!」。張先順は平棉紡織グループの会長〔董事長〕であり、社長〔総経理〕である。工員たちは張には、国営企業の改編の過程で会社の財産を自分のものにしたという汚職の容疑があると思っている。(2010/06/24)

無実の訴え見捨てた日本大使館 比の鈴木元死刑囚、16年ぶりに釈放
 【マニラ新聞特約24日】大統領恩赦でニュー・ビリビッド(通称モンテンルパ)刑務所を出所した鈴木英司さん(54)。16年に及ぶ獄中生活の起点となった大麻所持事件やその後の対応では、死刑判決が出るまで、在フィリピン日本大使館職員が一度も接見しないなど邦人保護をめぐるさまざまな問題が提起された。(2010/06/24)


イスラエル/パレスチナ
イスラエル、核兵器開発の内部告発者を再び独房に監禁
  イスラエルの核の内部告発者、モルデハイ・バヌヌが独房に監禁されている。イスラエルの核兵器工場の技術者だったバヌヌは、1986年に英国の新聞のその実態を内部告発、イタリアでイスラエル諜報機関のモサドの諜報員に拉致されてイスラエルに連れ戻され、18年の刑を言い渡された。このうち最初の11年間は、独房監禁だった。釈放されたバヌヌは今年5月23日、外国人と接触したという罪状で、3カ月間再び服役、収監直後に独房に監禁された。バヌヌを「良心の囚人」として即時無条件釈放を要請している国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、次のようにその不当性を訴えている。以下、アムネスティ国際ニュースを転載する。(日刊ベリタ編集部)(2010/06/23)


北アイルランドは今
「血の日曜日事件」の報告書は発表されたが −「忘れられたアパルトヘイト」を生きる住民たち
 英領北アイルランドで1972年に起きた「血の日曜日事件」の真相を調査していたサビル独立調査委員会が、15日、「英軍がデモに参加していたカトリック系市民を不当に殺害した」とする報告書を発表した。犠牲者が「武装していた」とする前回の報告書とは反対の結論で、遺族にとって見れば、長年の疑惑が晴れたことになる。しかし、これで「一件落着」と見る人は多くはないようだ。英統治の存続を望むプロテスタント系とアイルランドへの併合を求めるカトリック系の住民同士の心のありように焦点をあてた記事を転載したい。(季刊誌「Ripresa」(リプレーザ)誌2号、2007年掲載記事。)(ロンドン=小林恭子)(2010/06/18)


中国
上海万博(中) 華やかに「万博外交」 仏大統領夫妻ら各国指導者が続々来場
  万博外交とは、万博をめぐって展開する外交活動のことで、とくに今は2010年の上海万博に関連して使われる言葉だ。2カ月前の第11期全人代第3回会議の期間中、楊潔箎外交部部長は、2010年の外交の重点として「万博外交」を挙げた。フランスのサルコジ大統領が開会式に立ち会ったのも万博外交の一例だ。サルコジは4月28日に華やかな代表団を引き連れて派手に中国入りしたのち、2日後に開会式に参加している。(2010/06/06)


文化
パリの散歩道8  夜行性の風景画家マザル     村上良太
120   黄昏時から夜にかけて活動する風景画家に出会いました。画家の名はティエリー・マザル(Thierry Mazal)。動物にも日中活動するタイプと夜行性のものとがいますが、マザルの場合は夜行性です。彼が活動するテリトリーはパリとその郊外。夜の場合、街灯やイルミネーションなどの光を生かして描きます。そんな夜行性の画家が描く風景画に興味を感じました。(2010/06/05)


検証・メディア
「善良な市民感覚」と言い切れるか 検察審査会の「小沢氏起訴相当」議決 池田龍夫
  小沢一郎・民主党幹事長の「政治資金疑惑」が新たな展開をみせ、一年余燻り続けている狎治とカネ瓩旅塋が注目される。東京地検再度の事情聴取や衆院政治倫理審査会での小沢氏の説明によって、狄秦蟆鯡性瓩瞭擦開けるだろうか。東京地検特捜部は二月四日、小沢氏の私設秘書だった石川知裕衆院議員と池田光智・元私設秘書や元公設第一秘書・大久保隆規被告の三人を政治資金規正法違反で起訴したが、小沢氏については石川氏らとの共謀の証拠が得られなかった(嫌疑不十分)として不起訴処分とした。(2010/06/01)


普天間問題
日米安保見直し、軍事費削減が課題 新聞投書にうかがえる民意の多数派 安原和雄
  沖縄の米軍基地移設をめぐって日米両政府と地元民とが真っ向から対立する形となってきた。28日の「日米共同発表」は、移設先として名護市辺野古崎地区と鹿児島県徳之島を明記、これに対し地元民の拒否姿勢は揺るがない。その今後の行方を大きく左右するのは民意である。新聞投書にうかがえる民意の多数派がめざす方向は何か。それは「日米安保の見直し」、「軍事費の削減」であり、さらに「軍事力依存は時代錯誤」、「米軍抑止力は疑問」などの声となっている。つまり「在日米軍基地の国外撤去」にほかならない。(2010/05/29)

中国
青海省大地震、ラマ僧が救援活動の先頭に 政府に先がけ遺体搬出、魂を供養、被災民に施し
  2008年の四川大地震の傷も十分に癒えていない中国で、今年4月、青海省で再び大地震が起きた。ここは標高約3700メートルの高地で、アムドと呼ばれるチベット世界である。現地を取材した『亜洲週刊』の記事からは、チベット仏教の力がどれほど強く働いているか、中国の政府系がどれほど「気を遣っている」かが感じ取れる。中国政府がこの被災者救援によって現地の信頼を得ることに成功したのかどうか、それは今後わかることだろう。(納村公子)(2010/05/23)


戦争を知らない世代へ
「同じ状況だったら、また投下しただろう」―エノラゲイで原爆投下した元航法士が英紙に語ったことの衝撃
120  ある戦争が終わった時、勝った側と負けた側とが認識を同じくすることはあるのだろうか?おそらく、戦闘の規模、衝撃、犠牲者の数などに関して、相当に評価が違うはずである。英紙「ガーディアン」の5月21日号に掲載された記事が私の目に留まった。黒字の見出しが「また爆弾を落とすだろうか?」とあり、その次に、「落とす(イエス)」という単語が青字で印刷されていた。「一体何故?」―思わず記事を読みだしていた。 (2010/05/22)

普天間問題
軍事力で平和は守れるだろうか? 朝日新聞投書に映し出される民意 安原和雄
  沖縄県の米海兵隊普天間基地「移設」問題をめぐって鳩山政権は、「5月末決着」の期限を控えてなお迷走を続けている。多くのメディアの伝えるところによると、「移設先探し」が焦点になっているが、肝心なことを忘れてはいないか。それは真の民意は何か、軍事力で平和を守ることはできるのか、日米安保体制は本当に必要なのか、憲法9条の平和理念をどう守り生かすか、という根源的な問いかけである。多くのメディアは避けているようにみえるが、朝日新聞投書欄「声」がこのテーマに迫っている。一方、同じ朝日新聞の社説は、読者の「声」とは対照的に「日米同盟維持」の姿勢をとっている。(2010/05/22)


中国
四川大地震を描いたドキュメンタリー映画「私たちの子供」 ボーヴォワール賞受賞の艾暁明さんに制作の意図を聞く
  中国では人権派人士が次々と現れている。四川大地震では、犠牲になった子どもたちの実態調査に個人で乗り出した譚作人、それを支持する弁護士、浦志強やアーティストの艾未未が海外にも知られたが、彼らの活動をドキュメンタリー作品を制作した女性、艾暁明が、フランスのシモーヌ・ド・ボーヴォワール賞を受賞した。だが中国当局の姿勢は相変わらず。『亜洲週刊』の艾暁明へのインタビューからは、彼女の作品づくりへの情熱と、独自に記録映像を残している、犠牲になった児童の親たちの執念が感じられる。(納村公子)(2010/05/17)


普天間問題
日本国民よ、“日米安保神話”から目覚めよ 「日本の安泰に寄与」は実証不能
  2009年9月民主党政権が、長く続いた自民党政権にあいそをつかした日本国民の期待に答えるべく発足したが、政治献金などの非本質的問題(重大問題ではあるし、早急に解決しなければならない問題だが)でつまずき、今、公約した普天間基地沖縄県外移設問題で、沖縄県民の念願である沖縄基地(さしあたり普天間基地撤廃)縮小を、アメリカ政府に堂々と要求することが出来ないでいることは日本国民の信頼を裏切るものである。しかし、一方これは沖縄県民以外の日本国民に責任の一端があるようにも思われる。首相もなんども発言しているように、日本の安全保障に沖縄の基地が一役かっているという思い込みである。(バンクーバー=落合栄一郎)(2010/05/15)


政治
英国2大政党制の「崩壊」を日本の状況と結び付けられない理由とは
 英国の総選挙後、2大政党の「崩壊」と日本の将来について、最近聞かれるようになった。何故聞かれるのだろう?と思い、改めてグーグルを拾ってみると、いくつかの日本の新聞で、英国の総選挙の結果、2大政党制が崩壊した・しつつあるので、「2大政党の日本も気を付けた方が良い」「留意した方がよい」(表現は若干違うのだが)として、何故か急に日本の状況とくっつけて論じていた。(ロンドン=小林恭子)(2010/05/10)


イスラエル/パレスチナ
“占領・封鎖・分断”のパレスチナで進む日本のODA 「平和と繁栄の回廊」の今(下))  姿も見えないもう一つの当事国イスラエル   近藤康男
120   2006年の小泉首相(当時)中東訪問の手土産だ始まったパレスチナ自治区西岸地域への政府開発援助(ODA)「平和と繁栄の回廊」。地元の事情や情勢とほとんど関係ない形で進んでいることを前回報告した。今回は、事業の内部に立ち入ってこのプロジェクトの意味をさぐり、現地NGOなどの評価を聞いた。(2010/05/09)

政治
英総選挙 まだ終わっていない −「宙ぶらりん議会」へ
 6日は英国の5年ぶりの総選挙の投票日だった。現在(7日午後1時18分、英国時間)、最後の11議席(全650議席)の集計中(BBC調べ)なのだが、実のところ勝利者が確定していない。結果が定まらないので、まだ終わっていないのである。(ロンドン=小林恭子)(2010/05/07)


反貧困
制度の谷間で苦しむ多くの人がいる  障害者福祉の政策立案に市民・当事者の参加を
  制度の谷間で放置されている障害者に対する政策をつくりだすことをめざして、市民運動が動き出した。日本の障害者福祉には大きな谷間があり、本当に必要なひとが福祉から排除されている現実がある。障害者福祉は臓器や疾病別に設けられた基準にそって交付される障害者手帳をもとに実施されるが、臓器、疾患、機能障害によっては対象にならず排除されるケースが多い。市民組織「制度の谷間のない障害者福祉の実現を求める実行委員会」は政府に対し、福祉の谷間をなくす政策立案過程への参加を求めて、賛同者をつのっている。(日刊ベリタ編集部)(2010/05/01)


中国
チベット仏教の最高位者カルマパ17世に独占インタビュー 「チベットの大自然を守りたい」
120   チベット仏教カギュ派の最高位者カルマパ17世は今年25歳、8歳のとき中国政府とダライラマの両者からカルマパ16世の転生者として認定され、子どものころを中国共産党政権下のチベットで過ごしたが、14歳のときインドに亡命した。現在ではダライラマを継承するチベットの宗教指導者と目されているカルマパに『亜洲週刊』が独占インタビューした。雑誌に掲載された写真からはエンジ色の法衣をまとったカルマパの指導者らしい落ち着きと賢明さが感じられる。(納村公子)(2010/04/29)


中国
経済発展のかげで炭鉱事故頻発 メディアは原因追及より党・政府の「救援美談」を優先
  高度な経済成長を維持させている中国では石油、石炭、天然ガスなどの資源を大量に必要としている。中でも内モンゴルに近い山西省は省内のほとんどの地域から石炭が産出され、大小の規模の炭鉱が数多くある。一方で炭鉱事故は後を絶たず、不十分な安全管理のもと農村出身の炭鉱労働者が犠牲となっている。今年3月に山西省郷寧県で起きた炭鉱事故では、党宣伝部の統制によって事故原因を追及する報道が規制され、1960年代と変わらぬ「党と政府に感謝する」プロパガンダにすりかえられた。『亜洲週刊』記事の見出しは、「喪事変喜事(悲惨な事故も慶事に変わる)」ときびしく批判している。(納村公子)(2010/04/25)


やさしい仏教経済学
(2)世界に広がる「もったいない」 安原和雄
  「いただきます」(いのちの尊重、その活用)、「もったいない」(人や物を大切に思うこころ)、「お陰様で」(共生、相互依存関係へ感謝)― この三つの仏教精神を日常生活の中でどう実践し、生かしていくかが大切なテーマとなってきた。ここでは「もったいない」を中心に考える。 (2010/04/24)


文化
フランスからの手紙3 ’ユビュ的’な状況 〜西ロシアでの墜落事故に思う〜Une actualité ubuesque  パスカル・バレジカ
120 こう書くと人は僕の事を極悪非道だと思うかもしれない。しかし、4月10日、ロシア西部のスモレンスクで発生したポーランド大統領らを乗せた飛行機の墜落事故は壮大だった。すべてのアナーキストが夢見る出来事である。大統領、軍の首脳、政界幹部らを一気に片づける出来事というのは滅多にないからだ。ポーランド人アナーキスト達はお祭りをしたに違いない。僕の女友達は「フランスにはとてもこんなチャンスはないわね」と言ったものだ。(2010/04/18)


反貧困
反貧困イベント等のお知らせです  湯浅誠  
  反貧困イベント等のお知らせです。(2010/04/13)


中国
熱血女性弁護士のNGOを突然閉鎖 民主化恐れる当局、NGOの締めつけ強化か
  女性の人権擁護のために活躍する熱血女性弁護士、郭建梅のNGOが3月25日、突然閉鎖された。事務所はこれまで、北京大学から「わが校の誇り」と絶賛されきた。この事実から、エリート中のエリートである一人の女性が底辺で苦難をしいられる女性たちのために働く志の高さと、民主化を極端に恐れるあまりNGOを窮地に追いやろうとする中国当局の焦りが感じられる。海外から国内NGOへの寄金にも法的に高いハードルが設けられようとしている。(納村公子)(2010/04/12)


文化
テレビ制作者シリーズ11 「報道のお春」吉永春子ディレクター  村上良太
120   TBSテレビで「魔の731部隊」「天皇と未復員」など数々の話題作を作った吉永春子ディレクターは「報道のお春」と呼ばれていました。帝銀事件、下山事件、松川事件などGHQ統治下に起きた一連の謎の取材を原点に、放送人生は55年に及びます。この20年近くは毎週、深夜のドキュメント番組「ドキュメント・ナウ」(旧「ドキュメントDD」)をプロデュースしてきました。ディレクターが一人でビデオカメラを回し、原稿・音楽・編集まで手がけるものです。こうした作り方に「カメラが安定しない」とか、「技術がない」などと批判する人も業界に大勢いました。しかし、吉永さんは信念をもっていました。「報道とは自分の目で発見したことを報じることである」現場で取材した人間が一番現場を知っている。その発見を伝える事がニュースである。そんな吉永さんの原点はラジオ時代にありました。(2010/04/08)


中国
さらば、グーグル! 「花は捨てることができるが、春の到来は止められない」
  3月22日、グーグルが中国本土から撤退した。一時は中国政府との話し合いが進められていたが、情報の自由が焦点となったこの問題はグーグルの撤退によって決着を見た。中国政府によるネット上の情報統制の事実は世界的に知られている。中国市場の「うま味」を捨てるはずがないと中国政府は考えたのかどうか知らないが、グーグルの撤退は今後の中国にどのような影響をおよぼすのか。それは政治的な米中対立にとどまることではないのではないだろうか。(納村公子)(2010/04/04)


文化
サリンジャーよ、永遠に!  フランスの作家ル・クレジオによる追悼の一文  村上良太
1月27日、アメリカの作家J.D.サリンジャー(1919-2010)が亡くなりました。享年91。「ライ麦畑でつかまえて」や短編集「ナイン・ストーリーズ」など、その作品は社会からドロップアウトしていく若者の心情を描いています。フランスの作家ル・クレジオはサリンジャーの死から10日ほど後のルモンド紙(2月8日)に「サリンジャーよ、永遠に」と題する一文を載せました。(2010/04/02)


橋本勝21世紀風刺画日記
151回  核密約3原則が日本を守った!?
120 核を持たず、作らず、持ち込ませずの「非核3原則」は/憲法9条とならんで日本の平和主義を証明するものでした/何しろこれで佐藤栄作首相はノーベル平和賞を受賞したのですから(2010/03/23)


普天間問題
「普天間即時閉鎖、辺野古(海・陸)やめろ」意見広告運動始まる 市民らが発起、呼びかけ・賛同を募る
  米軍普天間基地を問題をめぐり、辺野古への移設という流れが鳩山政権のもとで強まり、沖縄の民意と真っ向から衝突という事態になっている。こうした流れを受け、「普天間即時閉鎖、辺野古(海・陸)やめろ、海兵隊いらない・緊急意見広告」と銘打った市民による意見広告運動が始まった。鳩山政権がこの問題に対する結論を出すとしている時期に合わせて、大手新聞に意見広告を出す。同運動は個人1口1000円、団体5000円で呼びかけ・賛同人を募っている。(日刊ベリタ編集部)(2010/03/12)


遺伝子組み換え/ゲノム編集
遺伝子組み換え小麦、ふたたび動きだす 26カ国233の消費者・生産者団体が反対声明  天笠啓裕 
 2月9日、カナダの市民団体が、「世界26カ国233団体の消費者・生産者が遺伝子小麦に反対する」旨のプレスリリースを発表した。それによると、世界中の消費者・生産者の連帯によって、2004年にいったんはモンサント社の除草剤耐性小麦を撤退に追い込んだが、また同社が干魃耐性小麦を武器に動き出した。しかし、その連帯は強固のままである、と述べられている。(2010/02/26)


人権/反差別/司法
足利事件、横浜事件、陸山会の不正経理 共通する冤罪を生み出す構造  根本行雄
  三題話ではないが、足利事件の再審公判の開始、横浜事件の実質無罪判決、小沢一郎民主党幹事長の政治団体「陸山会」の不正経理、この3つのことから見えてきたところを述べておきたい。日本の司法には、冤罪を生み出しやすい構造を抜本的に変えようという意思が見られない。(2010/02/08)


沖縄密約
「核密約」裏づける新資料が続々 日米同盟再構築の好機に 池田龍夫
  沖縄返還交渉(1969〜72)の際、「非核3原則」(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)を国会で明言、国民に約束した首相は佐藤栄作氏(1901〜75)だった。その後、「『核持ち込み』密約があったのではないか」との疑惑が指摘され、特に昨年6月以降、元外務省高官らの猖熟発言瓩相次いだが、新たに故佐藤栄作氏邸から「核密約文書」発覚の衝撃が走った。まさに第一級資料であり、歴代自民党政権が隠蔽し続けたベールが完全に剥がされたと言える。折から鳩山由紀夫・民主党政権のもとで、外務省の「密約調査・有識者委員会」が作業中であり、その波紋は各方面に広がっている。(2010/02/05)


中東
英イラク独立調査委員会報告 −英元法務長官が「心変わり」をした理由とは
120  2003年3月開戦のイラク戦争は、はたして合法だったのか、違法だったのかー?英国民のこうした問いかけに答えを見つけるのが、昨年夏発足した、イラク独立調査委員会(通称「チルコット委員会」)の目的の1つだ。昨秋から開催の公聴会に、27日、ゴールドスミス元法務長官が証人として出席した。同氏は、当初は既に採択された国連決議だけではイラク攻撃を正当化するには「不十分」と考えていたが、開戦直前に、新たな決議がなくても合法と司法判断を変えていたことを認めた。「心変わり」の理由は、明確な判断を必要としていた軍部や官僚への配慮だった。元法務長官は、委員会の場で、初めて司法判断の変更理由を詳細に語った。(ロンドン28日=小林恭子)(2010/01/28)

留学生らの部屋探しを支援 門前払い阻止へ、FOLISが家賃の滞納保証
  在日外国人の生活をサポートしているNPO法人「在日外国人情報センター」(東京都新宿区)と、在日中国人向けの新聞「東方時報」を発刊している東方インターナショナル(東京都豊島区)は昨年11月、合弁で「一般社団法人外国人生活サポート機構(FOLIS)」(東京都豊島区)を設立した。今年1月からは、外国人留学生や就学生向けに、家賃滞納保証事業をスタートさせている。“外国人”というだけで門前払いされることが多い外国人に対して、FOLISが家賃の滞納保証を行うことで、日本での部屋探しをサポートしようという取り組みだ。こうした取り組みを始めたキッカケや、最近の留学生の動向について、FOLISの理事である齋藤英樹さんと上原雅登さんにお話をうかがった。(和田秀子)(2010/01/27)


中東
「イラク開戦は違法」−英外務省元法律顧問らが独立調査委員会で証言
120  2003年のイラク戦争開戦に関わる事情を検証する「イラク独立調査委員会」の公聴会が、昨年末から、英国で開かれている。26日、外務省の元法律顧問2人が証人として呼ばれ、イラクへの武力行使は「国際法違反」とする見方が法律チームの中で一致していた、と述べた。また、当時の外相が、開戦には新たな国連決議が必要とする助言を一蹴していたことも暴露した。開戦に抗議して辞職した元副主席法律顧問の女性は、武力行使を合法とした決断に至る過程は「嘆かわしい」と表現した。多くの英国民にとって、何年も間、心の中でくすぶってきた、イラク戦争の合法性に関する疑問が一気に解明されてゆく瞬間だった。(ロンドン26日=小林恭子)(2010/01/27)

文化
戦災傷害者の無念を描く  ドキュメンタリー映画「おみすてになるのですか〜傷痕の民〜」  村上良太
120   林雅行監督が新作「おみすてになるのですか〜傷痕の民〜」を完成しました。第二次大戦末期の空襲で重い傷を負い、暮らしに支障をきたしていても国家補償が得られず無念の思いを心に秘めて戦後を生きてきた民間の戦災傷害者たち。「国は私たちが死ぬのを待っているのか!」そんな彼らがカメラの前で体験を語り、傷ついた肉体を見せます(2010/01/21)


文化
水が狙われている!  映画『ブルーゴールド』サム・ボッゾ監督へのインタビュー  堀内 葵
  世界中が深刻な水危機に陥る中、企業を中心に水を商品化しようとする動きが加速している・・・。そんな恐ろしい現実を多くのインタビューや統計を使って丁寧に明らかにしていくドキュメンタリーが公開される。『ブルーゴールド - 狙われた水の真実』(配給:アップリンク)がそれだ。いま、水をめぐって何が起こっているかを紹介するとともに、このドキュメンタリーの監督サム・ポッゾさんに制作にまつわるあれこれを聞いた。(2010/01/15)


市民組織「みどりの未来」が目指す変革 自然と共生、脱原発、持続可能な社会 安原和雄
  新聞やテレビは連日、民主党連立政権にかかわるニュースであふれているが、その陰で日本の「新しい国づくり」の姿を描きながら地道な活動を続けている市民組織の存在にも目を向けたい。それは日本版「緑の党」づくりを目指す市民組織「みどりの未来」で、政策目標として持続可能な社会への変革を柱に自然との共生、脱石油・脱原発、脱クルマ・公共交通充実、防衛省解体・平和省創設、小選挙区制の廃止 ― などを掲げている。国政レベルで発言力を高めているヨーロッパの「緑の党」に比べれば、「みどりの未来」はまだ地方自治体議員にとどまっているが、政策目標から見るかぎり、将来性は期待できる。(2010/01/14)


文化
連帯社会の全体像に迫る  ピープルズ・プラン研究所がオルタ・キャンパス「OPEN」を開講
  市民団体「ピープルズ・プラン研究所」は1月30日から、2010年のオルタキャンパス「OPEN」を開講する。OPENは“An Opening for People's EducationNetwork”[民衆教育ネットワークの開口点]の頭文字。講座は全6回で、安全保障や労働、ジェンダー、農と食など戸別課題を追求しながら全体を通して私たちにとって本当に暮らしやすい社会(「連帯社会」)を構想するねらいをもっている。(日刊ベリタ編集部)(2010/01/14)


経済
生活者1万人調査  強まる”見極め”消費と在宅買い物
  野村総合研究所が「生活者1万人アンケート」の結果を発表した。経済環境が悪化している中でも生活者は必ずしも低価格志向を強めているわけではなく、むしろ品質や環境、安全などの付加価値を重視する傾向が強まっているという。同研究所の報告は、そうした傾向を「“見極める消費” を行う傾向が強くなる」と表現している。また消費行動の選択に当たっては、知人・家族からの情報や、インターネットの普及を背景とする口コミサイトやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)など、生活者間でやりとりされる情報を活用しながら、自分にとって本当に価値があるものを探す傾向が見られるとしている。(日刊ベリタ編集部)(2010/01/04)


2009年の回想:戦争・資源・新型インフル─エリートの貪欲が人類文明の危機に拍車 落合栄一郎
  この年、日本とアメリカの政権交代があった。アメリカの新政権は期待に反して、前政権の政策をほとんど継承し、初めての非白人大統領であるにも拘らず、伝統的な「アメリカ第一」的精神は継承しているようである。これはノーベル平和賞受賞講演に濃厚に現れていた。日本の民主党新政権は、自民前政権の政策を基本的に見直す姿勢をみせ、予算案、公共事業の見直しなどかなり理にかなった政策を打ち出しているし、アメリカの軍事基地に関して、自民党下でのアメリカ一辺倒でなく、日本の独自性を主張しようとしていることについては、国民がこぞって後押しすべきである。優柔不断に見える態度不決定を指導性の欠如と見なすのは、不適当であろう。ただ単に、選挙公約を断固として履行するのみが、指導力の証左ではない。(2009/12/31)


検証・メディア
これは単なる誤報なのか虚偽報道なのか  クリントンが藤崎を呼びつけたって?
  沖縄の米軍普天間基地移設問題をめぐって、日本の主要メディアが「クリントン米国務長官が国務省に藤崎一郎駐米大使を呼びつけた」と12月22日にいっせいに報じた。このニュースをめぐり、ネットメディアやブログが盛り上がっている。その後の米国務省の記者会見で「呼びつけた」事実はなく、藤崎大使が「やってきて」, (2009/12/28)


社会
大盛況だった朝鮮学校襲撃事件の抗議集会  海外を含む市民から激励と賛同のアピールが続々 
  「在特会」による京都朝鮮第一初級学校襲撃事件に抗議して12月22日に京都で開かれた「朝鮮学校攻撃を許さない!12・22緊急集会」は、用意した席の2倍にのぼる600人の市民が参加、成功裡に終わった。襲撃事件のときは事態を傍観していた京都府警も、今回は万全の警備体制を敷き、在特会の妨害行動に備えた。また集会で襲撃された高炳棋京都朝鮮第一初級学校長から、襲撃した一団を「威力業務妨害・脅迫」などの罪名で京都府南警察署へ告訴、受理されたことなどが報告された。以下、主催者からのお礼を兼ねた報告を紹介する。(日刊ベリタ編集部)(2009/12/24)

沖縄/日米安保
<日米安保体制>という問題(下)  米軍再編に向け、戦後史を巻き戻すたたかいを  武藤一羊
  米軍再編の「日米同盟―変革と再編」という文章は驚くべき文章です。もう一回これを読み直してみる必要がある。一口で言うと、日本の主権を完全に飛び越えて、自衛隊を米軍が一元的に指揮するという中身ですね。横田基地に共同作戦調整センターをつくると述べていますけれど、これは「調整」などではなくて、アメリカが直接に日本の自衛隊を米軍の一部として指揮するに等しいものです。(2009/12/19)

環境
コペンは雪  環境グループ、先住民、左派政党、労働組合、小農民、反貧困・反破壊的開発反対グループらの主張が街頭に響いた
  コペンハーゲンで開かれている気候変動会議COP15もいよいよ大詰め。世界中から首脳が集まってきたが、出口は見えそうにない。同じく世界中から集まった市民団体、NGOは会議内部で,あるいは街頭でデモンストレーションを繰り広げている。日本のメディアだけみていると、何とも乱暴狼藉を働いているとしかみえないが、本当はどうなのか。日本のNGOメンバーとして現地で活動している大倉純子(ジュビリーサウス)さんからの手紙を紹介する。とてもすてきで、楽しく、地球と生命の未来を語り,歌う人びとの姿が見えてくる。(日刊ベリタ編集部)(2009/12/18)


沖縄/日米安保
<日米安保体制>という問題(中)  冷戦が終わり、なんでもありの安保へ  武藤一羊
  そのあとにもう一度日本の進路を決定できる、いやすべきであった時が来ます。90年代です。ソ連が崩壊し冷戦が終わる。本当は、この時期が非常に重要な時期だったのです。どこの国でも冷戦のなかで形成されてきたそれまでの政策をどうするかをめぐる大論争が起こる。当時の『ニューヨーク・タイムズ』などを読むと、ペンタゴンで今までソ連をターゲットにしていたミサイルの標的を今度はどこに付け替えるか、大騒ぎしている状況などが報じられていました。ソ連を標的にすべての核軍備を組み立てていたのに、その敵がなくなってしまったのですね。そこで混乱状況に陥る。これが、日本が52年に選んだ進路を大きく変える好機だったのですね。90年代は前年のベルリンの壁の崩壊から始まり、91年が湾岸戦争、92年がソ連の崩壊。しかし、日本はこの機会を52年以来のコースの根本的再検討と転換のために生かすことに完全に失敗します。チャンスをみすみす見送ってしまうのです。(2009/12/16)

東京大空襲訴訟、賠償請求を棄却 地裁判決「救済は立法で」 原告は控訴へ
120   米軍機が東京下町を焼き尽くし、10万人以上の死者を出した1945年3月10日の東京大空襲*の被災者と遺族131人が、国に謝罪と損害賠償(総額14億4100万円、1人当たり1100万円)を求めた訴訟で、東京地裁は12月14日、「請求棄却」の判決を言い渡した。鶴岡稔彦裁判長は「原告らの苦痛や労苦は計り知れず、心情的には理解できなくもない」としながらも、「戦争被害者救済にあたっては立法を通じて解決すべき」とした。原告側は、東京高裁に控訴する予定。(加藤〈karibu〉宣子)(2009/12/15)

沖縄/日米安保
<日米安保体制>という問題(上)  沖縄を米国の軍事植民地とした第1次安保から「冷戦の最前線日本」の第2次安保まで  武藤一羊
  米軍基地・普天間をどうするかという議論は、沖縄現地の鋭い、それでいて広範な深い闘いのなかで日米安保体制をどうするのだ、という議論と運動に深まってきている。そもそも日米安保とはいかなるものか。ピープルズプラン研究所の武藤一羊さんに、歴史的経過を押さえながら読み解いていただいた。武藤さんは“普天間基地「移設」でなく「閉鎖」“と提起して普天間をめぐる市民運動のひとつに流れを作り出している方でもある。これから3回にわたり掲載する。第1回は「第1次安保から第2次安保まで」、第2回は「冷戦の終わりからガイドライン安保まで」。第3回は「米軍再編と鳩山政権誕生」なおこの論考は、「新しい反安保行動を作る実行委員会」が9月22日に行った集会の武藤さんの報告をもとに、手直しいただいたものである。本稿はピープルズプラン研究所のウェブサイトと同時掲載になる。(日刊ベリタ編集部)(2009/12/14)

反貧困
関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼちが生活保護を申請して逮捕・起訴されたA君支援で再度の訴え
  生活保護を申請し、その模様を記録しようとしたA君が、2ヵ月半後に逮捕・起訴された事件で、A君が所属する「関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち」が12月10日、改めて支援を訴える呼びかけを発表した。前回の11月28日の訴えでは明らかにされていなかった窓口市役所は大阪府柏原市であることが明らかにされている。(日刊ベリタ編集部)(2009/12/12)


社会
"在日特権”叫ぶ右翼集団が朝鮮初級学校を襲う 怯え泣き出す子どもたちを前に警察は傍観したまま 保護者がメールで訴え 
  "在日特権”を叫ぶ右翼の一団が京都朝鮮第一初級学校を攻撃、大音声でがなりたて、子どもたちに罵声をあびせた。今月4日のことだ。怯え、泣き出す子どもたち。保護者によるメールでの訴えと現場の模様を撮影した動画を紹介する。動画には右翼グループが器物を破損するようすも撮影されているが、警察は傍観したままだったとメールは報告している。(日刊ベリタ編集部)(2009/12/11)

現代都市の弱さを露呈  ルソン北部の台風被害でバギオ市長語る 
120 【バギオ(フィリピン)発=中須正】本年10月8日から9日にかけて台風パーマァー(現地名ぺペン)によってルソン島北部、バギオ市及びその周辺は、40箇所を超える地滑りなどにより、死者430名、被災者総数380万名を越える甚大な被害を受けた。この被害により、バギオ市の脆弱性が浮き彫りになった。フィリピン人の憧れの地である避暑地の裏側で、急速に進んできた都市化による乱開発など都市が抱える根本的な問題がこの台風によって浮き彫りになった形だ。被災から2ヶ月経とうとしている現在、バギオ市市長がバギオ市の抱える課題について語った(2009/12/02)


社会
作文「進化する親切」の波紋に期待 相手が喜ぶからこそ自分も楽しい 安原和雄
  新聞投書はよく読むようにしているが、最近は寒々とした光景、殺伐とした体験などをつづる投書が目立つ。現実の日常生活でも路上を歩いていて、あるいは電車の中で争いや乱暴な姿勢に出会うことが珍しくない。有り体にいえば、その背景には破綻したはずのあの新自由主義(=自由市場原理主義)路線の残影が色濃く浮き出ている。弱肉強食の争いの渦中で目先の私利、小利を追い求める自分本位の姿勢が目立つのである。しかし救い、希望がないわけではない。「小さな親切」作文コンクールで女子中学生が受賞した「進化する親切」は光っている。(2009/11/23)


医療を装った人口削減策の「ウワサ」 新型インフル騒ぎとオバマ政権の気になる顔ぶれ
 先に3回にわたり、少数エリート達の世界の人口削減、コントロール(優生学的ものの考え方に基づく)の企てについての著作を紹介した(日刊ベリタ2009年10.17、19、22)。あのような人口削減(Depopulationと称される)策は、実を言えばまだるっこい。生物兵器(細菌やヴィールス)を用いて、秘密裏に人口削減を企てているかもしれないというウワサがいろいろなところで囁かれているのでいくつかを紹介する。これらはウワサであり、どこまでが真実であるかは、確認はほとんど不可能であろう。これらが、疑い深い人々の単なる妄想に過ぎないならば、結構である。というわけなので、充分に気をつけて読んで頂きたい。すなわちウワサは鵜呑みにしないように。(バンクーバー=落合栄一郎)(2009/11/18)


社会
飯塚事件の再審は日本の司法を根底から揺るがす 根本行雄
福岡県飯塚市で92年、女児2人が殺害された「飯塚事件」で、殺人罪などに問われ、昨年の08年10月28日に死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)さん(執行当時70歳)の妻(62歳)が10月28日、福岡地裁に再審の請求をした。「足利事件」(90年)と同じ時期に同じ方法で捜査段階に実施されたDNA型や血液型の鑑定について、「結果に誤りがある」などとする鑑定書を新証拠として提出した。死刑の問題、冤罪の問題など、この事件の再審は日本の司法を根底から揺るがす可能性がある。(2009/11/05)


沖縄密約訴訟
吉野・元外務省局長らの証人尋問、正式決定 東京地裁で12月1日に口頭弁論
  1972年の沖縄返還に伴って日米間で交わされたとみられる「密約文書」につき、西山太吉・元毎日新聞記者らが起こした情報開示訴訟第3回口頭弁論が2009年10月27日、東京地裁第103号法廷で開かれた。冒頭、杉原則彦裁判長は「吉野文六・元外務省アメリカ局長の証人喚問につき外務大臣の許諾を求めたところ、外務省から承認の回答があった」と、報告した。これで、次回口頭弁論(12月1日)での、吉野氏と我部政明・琉球大学教授の証人喚問が正式に決まった。(池田龍夫)(2009/11/03)


文化
東北アジアの人々をつなぐ「平和の木」 第9回 南北コリアと日本のともだち展、開催
120   日本、韓国、北朝鮮の子どもたちの絵画展交流を行っている「南北コリアと日本のともだち展実行委員会」が、10月23日から10月25日まで、東京・表参道の「こどもの城」で絵画展「第9回 南北コリアと日本のともだち展」を開催しました。この絵画展には、日本、韓国、北朝鮮の子どもたちが描いた絵が百数十点展示され、また日本、韓国、北朝鮮の3地域の子どもたちの描いた共同作品「平和の木」も展示されました。3日間で200人ほどが入場し、24日には「平和の木」の作成に携わった日韓の絵本作家、柳在守さん、田島征三さんによるトークイベントも行われました。(錦田薫)(2009/10/27)

新型インフルエンザ(H1N1)ワクチンは有効・安全か? 米、加などで接種拒否のうごき
  新型インフルエンザ(スワインフル)の世界的流行が拡大しつつあり、予防ワクチンの生産が急がれ、接種が始まりつつあるようである。このワクチンは、急いで生産され,有効性や安全性などのチェックが充分にはされていない。というより殆どされていないらしい。今日入ったニュースでは、アメリカのニューヨーク州では接種義務を課せられている医療従業者(看護婦その他)が、接種の強制反対で裁判所に提訴した。ここカナダでもワクチン接種を受けないようにという運動が進行している。(バンクーバー=落合栄一郎)(2009/10/19)


  • バリの施設に楽器寄贈 庄野真代さんの「国境なき楽団」


  • 郵政民営化の是非めぐりフランスで市民投票 98%が反対 Kei Yamaguchiさんからの便り
      日本では政権交代で郵政民営化見直しが具体的日程に上がっているが、フランスでは政府とラ・ポスト当局が打ち出した株式会社への形態変更に対する市民投票が行われ、220万人が投票,そのうち98%がノン(反対)票を投じた。メディアも連日「市民投票、大成功ー私の郵便局に手をつけるな!」と報道している。パリ在住の市民活動家Kei Yamaguchiさんが伝えるその模様をお伝えする。(日刊ベリタ編集部)(2009/10/08)


    文化
    イランに「おくりびと」はいるのか? テヘラン共同墓地ベヘシュト・ザハラーを訪ねて 大村一朗
    120   映画「おくりびと」のオスカー受賞のニュースは、映画大国イランでも、主要紙の文化欄や芸術欄で少なからず取り上げられた。そこでは、真摯な社会的ドラマとして評価されてはいるものの、この映画がイランで公開されることは、まずないだろう。男性の納棺師が女性の遺体を着替えさせたり、身体を拭いたりすることは、イスラムの倫理に触れるからだ。イランには、納棺師という仕事は存在しない。イスラムでは、果たしてどのように人を「おくる」のか。それを見るため、テヘラン郊外の共同墓地ベヘシュト・ザハラーへ向かった。(2009/10/03)


    中国
    ウルムチの漢族デモ、党幹部らの腐敗一掃も要求 民族対立から新たな展開へ 
      新疆ウイグル自治区ウルムチ市で7月5日に起きたウイグル族の大規模なデモに対して、9月に入り、漢族中心のデモが起こった。その背後には「注射針で人を刺す」という事件があるという。先日、その犯人とされるウイグル族が裁判にかけられたニュースが発信されたが、不可解な部分は多い。漢族のデモが訴えたことは、必ずしもウイグル族に対する反発ではなく、共産党幹部らの腐敗一掃であった。デモの引き金となった注射針事件に伴うパニックも、発信源が政府側メディアにあったと思われるという。(納村公子)(2009/09/17)


    《インターナショナルヘラルドトリビューンの論客たち》(4) リークを逆手に取ったロバート・ノバク  村上良太
      8月18日、アメリカのコラムニスト、ロバート・ノバク(Robert Novak、78)が脳腫瘍で亡くなりました。ノバクは2003年7月、CIAエージェントの実名をコラムで暴露し、大問題を起こした論客です。時計の針をイラク戦争開戦前夜に戻します。(2009/09/12)


    政治
    日本の政権交代は民主主義の成熟への第一歩 マレーシアの知日派ジャーナリスト、陸培春さん
    120   民主党主導の鳩山政権が誕生することについて、シンガポールの華字紙「聯合早報」や「星洲日報」東京特派員などとして25年の日本滞在歴を持つマレーシアの知日派ジャーナリスト、陸培春さんに感想を求めた。陸さんは、「政党が政策を競い合い、有権者がその中から選択できる環境ができたのは民主主義の成熟」と評価しながらも、それをさらに発展させていくうえで鳩山政権の公約実現能力を注目したいという。外交面では「アジア重視」を歓迎、マレーシアとの関係では、岡田外相が同国最大の小売業者となっているジャスコ(イオン・グループ)の経営者一族ということもあり、日本との関係強化に何らかの好影響を期待している。(クアラルンプール=和田等)(2009/09/10)

    北朝鮮
    政権交代でも「制裁至上主義」か 民主党拉致問題対策本部長「とにかく圧力」 救う会ら主催集会で
      9月3日、東京都千代田区の星陵会館で、救う会、家族会、拉致議連が主催する「北朝鮮『調査やり直し』破棄1年、拉致を理由に追加制裁を!緊急国民集会」が行われた。救う会役員、家族会メンバー他、拉致議連会長平沼赳夫議員、安倍晋三元首相、民主党拉致問題対策本部長中井洽議員などが出席し、拉致問題に対するそれぞれの思いを語った。集会では拉致問題だけを理由にした北朝鮮に対する「全面制裁」を求める決議などが上げられた。登壇した中井洽議員は「私どもはとにかく圧力を徹底的に強める」などと話し、新政権の拉致問題への姿勢を浮き彫りにした。(村上力)(2009/09/07)

    文化
    《映画》イメルダ- 美貌と権力を手にした「女帝」の生涯-    イノウエケンイチ
    120   60〜80年代に独裁者としてフィリピンに君臨したマルコス大統領夫人、イメルダ。その美貌と華やかな振る舞い、亡命後に判明した想像を絶する贅沢や不正蓄財など、センセーショナルな話題を振りまいてきた彼女が、初めて自らその半生を語ったドキュメンタリー。2009年9月12日よりポレポレ東中野他で。全国で順次公開される。(2009/08/29)


    【テレビ制作者シリーズ】(2) カダフィに、アラファトに、知られざる実像に迫るジャーナリスト平田伊都子さん  村上良太
    120   1989年、TBSテレビはカダフィ大佐やPLOのアラファト議長の独占インタビューを行いました。当時ベールに包まれ、実像の見えなかった男達です。もちろん日本初のスクープでした。二人の取材許可を取り付け、インタビューを行ったのは平田伊都子さん。アラビア語を独学で学んだという、当時ほとんど未知の女性でした。(2009/08/29)


    《インターナショナルヘラルドトリビューンの論客たち》(3)  女性の視点から複眼で社会や政治をみるエレン・グッドマン  村上良太
      中絶をめぐってアメリカ社会がゆれています。今年5月31日、産婦人科医ジョージ・ティラー氏(67)がアメリカ、カンザス州の教会で射殺されました。ティラー氏は中絶手術で知られ、特に妊娠21週以後の後期中絶手術を行っていたため中絶反対のテロリストたちから標的にされていたそうです。CNNドットコム(6月4日)によるとティラー氏を殺害した容疑者もその一人です。女性コラムニストのエレン・グッドマン(Ellen Goodman) は昨秋、「中絶はまた押入れに入った」と題するコラムを書いていました(2008年10月17日 ボストングローブ紙)。同性愛者と中絶経験者のアメリカにおける受け入れられ方に大きな開きが生まれている、と論を起こし、スタンフォード大のパム・カーラン教授(法科)の言葉を引用します。(2009/08/20)

    戦争を知らない世代へ
    アフガン戦争での英兵戦死者が200人近くに ―英軍関係者の生の声
     アフガニスタンでの英兵の戦死報道が、連日続いている。ここ1週間で7人亡くなり、毎日一人が命を落した計算になる。20 01年のアフガニスタン侵攻から現在までに、英国の戦死者の数は、15日時点で199人。オバマ政権は英国、米国などの多国籍軍の増派によって、敵となる現地タリバン勢力(イスラム教原理主義派)を弱体化させようとしているが、その効果がなかなかあがっているようには見えず、英兵は一人また一人と亡くなっている。実際にアフガンに駐留している英軍関係者はどのような思いでいるのだろうか?英「インディペンデント」紙が伝えた声を紹介したい。(ロンドン=小林恭子)(2009/08/16)


    文化
    これで劇場はもう恐くない!読書ガイド <独断による現代劇 最短1週間コース>    村上良太
     戯曲を読むことの価値が今、問い直されているのではないでしょうか。そこでいささか強引ですが夏休みを利用してできる1週間のメニューを仮に組んでみました。題して「これで劇場はもう恐くない!読書ガイド」。難解な現代劇ももう大丈夫・・・。(2009/08/11)


    《インターナショナルヘラルドトリビューンの論客たち》(1)  イラン抜きの中東の平和はありえないと説く<ロジャー・コーエン>  村上良太
    120   インターナショナルヘラルドトリビューン(以下ヘラトリ)は国際的な影響力を持つニューヨークタイムズ傘下の国際紙です。日本でも一部160円で売られています。ヘラトリには編集部が書く論説が2つと、寄稿者によるコラム・論説が6つほど毎日掲載されています。これから数回にわたって、論者一人一人の思想・傾向やプロフィール、そしてバックグラウンドなどに少しでも迫っていければと思います。第1回は、Roger Cohen (ロジャー・コーエン)。コーエンは最近精力的に執筆しているコラムニストです。特にイランの核開発問題にからむコラムを多数書いています。イランにはたびたび出かけて取材を行っているらしく、イラン大統領選挙後のデモ現場にも駆けつけています。コーエンはイランに一定の理解を示し、イランの協力をテコに中東に平和を打ちたてようと考えているようです。(2009/08/10)


    戦争を知らない世代へ
    アフガン戦争 英兵の遺体を見送る人々とともに
    120  英南部ウィルトシャー州にある人口約1万の町ウートン・バセットで、2年ほど前から、アフガニスタンやイラクで命を落とした英兵の遺体を見送る儀式が自然発生的に続いている。全国から人々が集まり、メディア各社がやってくる。その背景を現地の声を通して探った。(小林恭子)(2009/08/01)

    禅僧・松原泰道老師を偲んで 仏教思想を現代に生かした功績 安原和雄
      仏教にいう「人生の四苦=生老病死」の最後の死はやはり誰しも避けられないのか ― 禅僧・松原泰道老師死去の知らせに静かに胸中に広がる感慨である。著作や講話から数え切れないほど多くのことを教わった。汲めども尽きぬ智慧の泉のような存在でもあった。しかも2000年以上も昔の仏教思想を21世紀という現代にどうつなぎ、生かしていくかが老師の終生のテーマであったに違いない。その功績は顕著である。(2009/08/01)


    「核持ち込み密約」元外務省高官の相次ぐ証言の背景と思惑(上) 揺らぐ「非核3原則」 池田龍夫
      「核持ち込み」について、日米両政府の認識・解釈の食い違いが長年指摘されていたものの、歴代日本政府は「密約はない」と一貫して主張。真相はベールに包まれたままだが、外交当事者だった元外務省事務次官ら高官ОB数人の「密約はあった。そのことを後任次官にも引き継いだ」との発言が、新聞に相次いで報道された。「密約の存在」は、ライシャワー駐日元大使の証言や米国外交文書公開などによって顕在化しており、今回の外務省ОB発言に新味を感じなかったが、複数の元高官が秘匿し続けていた犹実瓩鯔修い燭海箸砲篭辰い拭ただ突然の暴露発言の背景に、政治的思惑が隠されている疑念を払拭できない。(2009/08/01)


    中国
    新疆の危機は臨界点を超えた 根本解決は民主と人権の保障に 漢族作家、王力雄氏インタビュー
      7月5日に新疆ウイグル自治区ウルムチで発生した大規模な暴動後、国営新華社通信はじめ中国のメディアは漢族が受けた悲惨な被害状況ばかりを強調する報道に終始している。中国政府はロシアとの反テロ合同軍事訓練を行い、民族問題に対して力による封じ込め政策だけで臨もうとしているようだ。香港の『亜洲週刊』はこうした一連の記事の中で、ウイグル人からも厚い支持を受けている漢族の作家、王力雄氏にインタビューした。王氏は、昨年のチベット暴動の際、政府のチベット族民衆への弾圧中止を求める声明をほかの著名な知識人らとともに発表したことで知られる。(納村公子)(2009/07/27)

    アフガニスタンの将来を考えるー英中東専門家の見方:「米軍増派の効果は期待薄」
     アフガニスタンに派遣中の英国兵士の戦死が相次いでいる。過去24時間で8人が亡くなり、アフガンで亡くなった英兵の総数は7月11日現在で、184人となった。これは2003年のイラク戦争での英兵戦死者数(179人)を超えている。一体何のために派遣されているのか、無駄死にではないのかと英国内では派遣に対する疑問の声が大きくなっている。「視点を変えるニュースサイト:ニューズマグ」に3月掲載された記事の中で、アフガン問題専門家は米英のアフガン増派に大きな疑問を投げかけた。ここに再掲載したい。(ロンドン=小林恭子)(2009/07/12)


    ナジブ・マレーシア首相の支持率じわり上昇 就任100日目で65%に 
      就任から7月11日で100日を迎えた、マレーシアのナジブ首相に対する支持率がしだいに上昇し、最新の世論調査では65%となった。就任直後の同首相はマハティール元首相の傀儡との陰口をたたかれるなど不人気だったが、「ひとつのマレーシア」のスローガンを掲げ、経済開放策など「変化」を感じさせる政策を打ち出してきたことが徐々に評価を受けているようだ。(クアラルンプール=和田等)(2009/07/11)


    拉致被害者家族会事務局長・増元照明氏ら「自衛隊を北朝鮮に侵攻させよ」などと主張  埼玉・田母神俊雄講演会で
    120   北朝鮮による拉致被害者救出運動の中心的な役割を担っている拉致被害者家族会事務局長増元照明氏が、前航空幕僚長田母神俊雄氏と7月5日、埼玉県内で講演会を行った。講演会の主催は「村山談話の破棄を求める埼玉市民の会」で、「維新政党・新風」「主権回復を目指す会」などが協賛団体として名を連ねている。「田母神論文と拉致問題」と題したシンポジウムでは、北朝鮮に対する“軍事制裁”や、そのためのスパイの必要性などが議論された。また田母神氏が原爆の日に広島で行う講演に関して、自重を求める広島市秋葉市長を「バカ市長」と呼び、「こういう市長を選んだ責任は広島市民にある」と非難する発言も飛び出した。(村上力)(2009/07/11)

    社会
    「私たちを抹殺しないで」 全身性障害者グループが臓器移植法に反対を表明
      全国の脳性マヒ者を中心とする全身性障害者の有志のグループである「優生思想に基づく「産科医療補償制度」に抗議する障害者当事者全国連合」は、現在参議院で審議中の臓器移植法に対し、「反対」を表明、参議院議員に「慎重かつ徹底的な論議」を求める要望書を出した。要望書のなかで同連合は「脳性マヒ者など全身性障害者は、親や社会から『迷惑者』『あってはならない存在』として殺されてきた歴史があります。実際に殺されてきましたし、社会的な無視と抑圧という形という意味での抹殺は、いまだに日常のこととして繰り返されています」と悲痛な訴えを発している。以下、要望書を紹介する。(日刊ベリタ編集部)(2009/07/07)


    橋本勝21世紀風刺画日記
    134回 東国原総裁が実現!かくて自民党は自滅党に
    120   テレビはバライティー番組ばかりで、しかも出てくるのはおなじみの芸人ばかり。政治家さんも人気とりのためかそのような番組に出たがる。タレントの政治家への転身も相変わらず続いている。そんな政治家のタレント現象のきわみともいうべき事がおこった。(2009/07/01)


    インターネット上に流れている東京都議会議員吉田康一郎氏の発言を紹介  「在日特権」「不逞朝鮮人」といった言葉が並ぶ
     本紙では「不逞朝鮮人」「在日特権」といった言葉をさまざまな場で使用している東京都議会議員吉田康一郎氏(民主)と同議員が所属する民主党に対し、6月26日付けで公開質問状を送付した。都議会に議席を持つこれ公党の政治家として、どのような考え方でそうした発言を行い、政治家としての社会的責任をどのように考えておられるかを明らかにすることが、報道機関としての使命と考えたからだ。ここでは、吉田氏がどのような発言をしておられるか、インターネット上で公開されているものからその一部を紹介し、本紙の公開質問状の趣旨を明らかにしておきたい。(村上力記者)(2009/06/30)

    「不逞朝鮮人は出て行け」と叫ぶ都議会議員と同議員が所属する民主党への公開質問状
      本紙では日本在住・移住外国人をターゲットに差別と排外主義の運動を繰り広げている右翼市民運動(例えば「在日特権を許さない市民の会」など)の行動や主張を批判的に取り上げ報道しています。そうした報道活動の中で、そうした差別と排外主義の運動を激励し、煽る一部政治家の存在にぶつかりました。なかでも東京都都議会議員吉田康一郎氏(民主党)の言動はぬきんでています。例えば2009年2月21日、東京都内渋谷で行われた「在日特権を許さない市民の会」主催の竹島デモ出発前集会に激励に駆けつけた吉田都議会議員は「不逞朝鮮人は全員出て行け」と演説しています。「不逞朝鮮人」あるいは「不逞鮮人」というのは、よく知られるように、1923年の関東大震災において、多数の朝鮮人が虐殺された際、虐殺の理由としてさけばれた言葉です。こうした言葉を公党の都議会議員が使う意図はどこにあるのか、政治家として吉田議員は自身の言動にいかなる責任を負うつもりがあるのか、『日刊ベリタ』は報道機関としてこのことを明らかにする責任があると考え、同議員及び同議員を公認している民主党本部・都総支部連合会に対し以下のような公開質問状を送りました。(日刊ベリタ編集部)(2009/06/26)


    21世紀の日本型社会主義とは あの江田ビジョンから学ぶこと 安原和雄
      今から半世紀近くも昔の話だが、当時日本社会党書記長だった江田三郎氏が提唱した「社会主義の新しいビジョン」と題するいわゆる江田ビジョンが最近、時折話題に上っている。その背景として、あの新自由主義路線破綻後の資本主義はどうあるべきか、さらには資本主義後の新しい体制として社会主義社会を展望できるのかどうかに関心が持たれつつあるという事情をあげることができる。これは21世紀の日本型社会主義のイメージを模索する新しい潮流ともいえるのではないか。今、あの江田ビジョンから学ぶことは何か。(2009/06/21)


    外国人労働者
    「ペルーと日本の架け橋に」 静岡県吉田町のハローワークで働く日系ペルー人3世、タカラ・カレンさんの軌跡
    120   高良カレンさんは、日系ペルー人3世で現在26歳。デカセギのために来日した両親を追って、10歳で来日。以後、ペルーと日本を行き来しつつ、両国の文化を学びながら成長してきた。現在は、静岡県榛原郡吉田町 という人口約3万人の小さな町で、母や姉夫婦と共に暮らしている。ここ数年は、ずっと町内の食品加工工場で働いてきたが、今年2月からは堪能な日本語を活かし、吉田町のハローワークで仕事を失った外国人のための相談員として就業している。そんなカレンさんに、これまでの生い立ちや、日本語を教えてくれた先生についての思い出をお聞きした。(和田秀子)(2009/06/18)


    社会
    「足利事件」でも、依然として懲りていない人々がいる
      「足利事件」に関連して、12日の閣議後の会見で、佐藤勉国家公安委員長は「大変遺憾であり、厳粛に重く受け止めている。申し訳ないことと考えている」と述べ、「しっかり検証して二度とこのようなことが起こらないようにしたいと考えており、警察を指導していきたい」と述べた。同日、「足利事件」の弁護団は、再審開始前に捜査の誤りを検証するように求める意見書を東京高裁に提出した。反省の弁、謝罪の弁が聞こえてきているが、それは上辺だけだ。取調べの全面的な可視化には依然として消極的であり、「冤罪の温床」である代用監獄の廃止については、口を閉ざしたままである。彼らは依然として懲りていないのである。(根本行雄)(2009/06/17)


    トルコのEU加盟などで米仏大統領に方法論的な相違 ノルマンディー作戦65周年記念で会見
      第2次世界大戦での連合軍によるノルマンディー上陸作戦65周年を記念するためフランスを訪問したオバマ米大統領は、記念日の6月6日、追悼式典に先立ち下ノルマンディーの首都カンで、サルコジ仏大統領と記者会見にのぞんだ。両大統領は米仏関係、中東問題、イランの原子力開発、イスラム社会との対話、トルコのEU加盟について持論を述べた。トルコのEU加盟やイスラム教徒との共生問題で両大統領に方法論的な認識の相違が見られた。(パリ=飛田正夫)(2009/06/14)


    地域
    千葉県銚子市 候補者乱立の出直し市長選挙は税金のムダ使い?!
      千葉県銚子市の出直し市長選挙は、今月10日に告示、17日に投票、そして即日開票ということで、もう、終盤を迎えている。立候補者は6名。岡野俊昭前市長と野平匡邦元市長が優勢に選挙運動を進めている。もし、これで前市長が当選したら、税金のムダ使いだという声があがっている。(根本行雄)(2009/05/16)


    米国
    新政権は本当に民衆のための変革をしようとしているのか 評価すべきは公共事業の雇用創出だけ
      オバマ氏がアメリカ大統領に就任して百日以上を経過し、彼の本当の姿が大分見えてきたように思われる。様々な政策を矢継ぎ早に出してきたが、民衆に直接利益をもたらすだろうことは、公共事業による3百万人ほどの雇用創出だけである。金融危機への対処は、あのような杜撰な投資銀行などの金融機関にさらに無駄な国税を注ぎ込むことだし、最大の自動車メーカーGMの救済では、労働者は仕事を奪われ、国内で閉鎖する工場の分は、海外に移転する。すなわち、金を払ってアメリカ人の雇用機会を減らしている。いずれも簡単に解決するような問題ではないが、根本的な解決、そして民衆の利益に繋がる解決への意識が非常に少ないとは言える。(バンクーバー=落合栄一郎)(2009/05/15)


    労働問題
    労働運動と貧困運動が出会い、働くことと労働組合の役割を問い直す 「反貧困フェスタ2009」シンポから
      「年越し派遣村」から始まり、100年に1度と言われる経済危機の中での春闘、製造業を中心とする派遣労働の「09年問題」、今国会の焦点の一つである労働者派遣法の改正問題など、2009年第1四半期は「労働」にまつわる話題が数多くクローズアップされた。このような中、貧困問題の社会的及び政治的解決を目指して活動する「反貧困ネットワーク」が3月28日に東京の千代田区立神田一橋中学校を会場に開催した「反貧困フェスタ2009」の一環として開いた「働く」をテーマとしてシンポジウムは、いま起こっているさまざまな問題の背後にある「働く」ことの意味をさまざまな側面から問い直し、労働組合の役割を自己批判を込めて再確認するものとなった(坂本正義)(2009/05/13)


    地域
    まちの病院がなくなる(下)  背景に小泉改革 市民の運動が問題解決の鍵
      急速に進展する病院改革の背景にあるのが小泉構造改革のもとで進められた三位一体の改革だ。当時の総務相竹中平蔵は、「自治体(再生)破産制度を含めた市場原理を導入した自治体づくり」を提唱。「地方に出来る事は地方に、民間に出来る事は民間に」という小さな政府論を具現化する政策として三位一体の改革を推進した。これが政府の「骨太の方針」に反映され、自治体財政健全化法が成立したのだ。この法律下では、自治体は最低限の行政サービスを守ることより、都市間の自由な競争、市場原理にさらされることになる。(松平尚也)(2009/05/13)

    中国
    天安門事件の「問題発言」が学生会会長のリコール運動に 事件の名誉回復求める香港大で
      天安門事件20周年を控えた今年4月、香港大学学生会が主催する同事件関連のフォーラムで、学生会会長が発した一言が波瀾を呼び、会長のリコール運動にまで発展した。発言は北京政府におもねっているとの激しい反発が、キャンパス内外から起きたのだ。彼は天安門事件の名誉回復のアピールは必要だとする姿勢は崩していないが、学生たちの民主化要求運動の弾圧が歴史的な過去となりつつある世代にとって、事件をどう位置づけるかは難しくなりつつあるようだ。(納村公子)(2009/05/09)

    世界経済
    今がチャンスだ! ソカリ・エキネが語る「G20とアフリカの抵抗」 
     「今回の金融危機のしわ寄せを、その原因と一番関係のない人たちが一番被っている」という発言はよく聞くが、直接に「貧しい国のしわ寄せを被る」人たち、特にアフリカの人たちの声を聞く機会はなかなかない。先進国の貧困削減NGOの主張は時としてメディアに載ることがあるが、それも「貧しい国の貧しい人々を忘れてはいけない→もっと先進国は貧困削減にイニシアティブを発揮し、援助を増額しろ」というトーンでまとめられてしまうことが多いようだ。ロンドン在住ナイジェリア人の女性アクティビスト兼ブロガー、ソカリ・エキネ(Sokari Ekine)がG20についてまとまった文章を書いていたので翻訳して紹介する(文責は訳者にある)。(大倉純子)(2009/05/01)


    軍隊を廃止したコスタリカの今 暮らしの中に根付いた平和文化 安原和雄 
      中米の小国、コスタリカは憲法を改正し、軍隊を廃止してから60年になり、今ではコスタリカの人々の間に「軍隊がないのが当たり前」という感覚が広がっている。しかも多様な平和の日常化という意味での「平和文化」が暮らしの中に根付いている。一方、日本は「戦力不保持」の憲法9条を持ちながら、強大な軍事力を保有する偽装国家となっており、その国としてのあり方はいかにも対照的である。日本も憲法本来の理念を生かして、平和を追求し、つくっていくときと考えるが、そのためには、コスタリカに学ぶべき点が少なくないだろう。コスタリカの「平和文化」なるものの実相を報告する。(2009/04/26)


    経済
    「グリーンGDP」の導入を 脱「成長主義」へ転換するとき 安原和雄
      世界大不況への対策をめぐって経済成長政策論議が活発である。麻生首相も成長戦略を発表し、論壇誌などメディアも分析・提案に忙しい。その多くは経済成長論の焼き直しのように見える。しかし新自由主義路線破綻後の新経済モデルとして相も変わらず経済成長主義を追求するのは適切だろうか。むしろここでは発想を転換して、経済成長には執着しない脱「成長主義」への転換を図るときである。しかも従来の成長主義のためのGDP(国内総生産)に代わる環境重視の「グリーンGDP」導入を提案したい。このことは、あのケインズ主義を超えることを意味している。(2009/04/16)


    新自由主義破綻後の企業と経済 「無心」の境地から観察すると 安原和雄
      新自由主義破綻後の世界経済のあり方を探るロンドン金融サミット(G20)が金融の規制・監督の強化路線を打ち出したのに続いて、我が国では「北朝鮮のミサイル発射」をめぐる「戦争ごっこ」で、誤情報騒ぎも織り込んで右往左往する始末となった。ここは冷静さを取り戻して、仏教の「無心」の境地から観察すれば、見えてくるものは何か。企業経営、経済運営ともに「慈悲の心」、「利他と感謝」、「少欲知足」がキーワードとして浮かび上がってくる。(2009/04/09)


    中国
    天安門事件20周年 「共産党の謝罪なしに和解はありえぬ」 元学生リーダーの王丹氏
      学生らの民主化要求運動が中国共産党によって弾圧された「天安門事件」からまもなく20年。共産党エリートで、80年代の言論活動のリーダー的存在だった戴晴女史がこのほど、真相究明の調査を行い、正義を認めたのち、社会の和解を実現することを関係者らに呼びかけた。この提案に対して、当時の学生リーダーで、現在も中国の反体制派リベラル知識人のリーダー的存在として海外で活躍する王丹氏は、亡命先の米国で『亜州週刊』のインタビューに応じ、党の人民虐殺の罪への謝罪が先決であり、被害者側からの「和解提案」はばかばかしいと一蹴した。(2009/04/07)

    比人ダンサー、日本から世界へ  「横浜ソロ×デュオ」でグランプリのプルデンシャドさん 
      【マニラ新聞特約6日】日本のコンテンポラリーダンス界でメジャーへの登竜門といわれる「横浜ソロ×デュオ 」。今や世界中の若手振付家のあこがれの的。去る一月に横浜市の「横浜赤レンガ倉庫」で行われた晴れの舞台で、フィリピン人振付家が見事グランプリに輝いた。(2009/04/06)


    中国
    香港のスターや文化人の文化遺産をもっと大切に ジャッキー・チェンが政府を批判
      『亜洲週刊』は3月22日号で「香港失宝記」と題する特集を掲載し、香港が生んだスターたちや文化人たちのゆかりの文物を政府が積極的に保護していないことを批判した。米プリンストン大学名誉教授で世界的に知られる中国思想史研究者の余英時を生んだ新亜書院の旧校舎が土地開発のために解体され、テレサ・テンが住んでいた瀟洒な高級住宅も当時の姿を残していない。伝説的な映画スター、ブルース・リーは没後37年たってやっと記念館を建てる話が出た。世界的な映画スター、ジャッキー・チェンは、父の出身地である安徽省の古民家を収集してきたが、それらを香港政府に寄付しようとしたところ、政府の対応はのらりくらり。結局、シンガポールがコレクションの受け入れに手を挙げた。特集のうちジャッキー・チェン氏へのインタビューを紹介する。(納村公子)(2009/04/03)


    世界経済
    ロンドン金融サミット、巨額支援に合意で閉幕  国民の怒りは氷解するか?
    120  ロンドンで開催されていたG20金融サミットは、経済支援が必要な国を助けるため、国際通貨基金(IMF)の資金基盤を現在の3倍となる7500億ドルまで増強するなど、総額1兆ドル(約100兆円)規模の国際支援を行うことで合意し、閉幕した。金融危機の再来を防ぐために規制・監督体制を厳格にするなどの施策も宣言に入れた。各国から集まった首脳陣は、「グローバルな経済問題を解決するためのグローバルな合意が短期間で成立したのは画期的」とし、今回のサミットの主導者ブラウン英首相を持ち上げた。サブプライムローンの焦げ付きに端を発した金融危機を最終的には税金でまかなう顛末に、はたして各国の国民は納得するだろうか?(ロンドン・サミット会場にて=小林恭子)(2009/04/03)


    アフガニスタン
    「米軍増派の効果は期待薄」 英専門家ピーター・マースデン氏
     オバマ米大統領は27日、アフガニスタンの安定化に向けた包括的な新戦略を発表した。現在、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)など約3万6000人が派遣されているが、米政権は米兵約4000人の増派のほか、民生支援の拡充、や隣国パキスタンへの援助を予定している。イスラム原理主義勢力タリバンやテロ集団アルカイダ掃討のために、米国と英国が中心になって軍事行動を開始したのは7年半前だが、アフガニスタンは「対テロ戦争」の主戦場となっており、国連のアフガニスタン情勢に関する報告書(13日発表)によれば、治安は今年さらに悪化する。大幅増派は果たして効果があるだろうか?31日、オランダ・ハーグで開催されるアフガニスタン復興支援会議の前に、アフガン問題専門家ピーター・マースデン氏に増派の背景や現状分析を聞いた。(ロンドン=小林恭子)(2009/03/27)


    世界経済
    金融市場の統制か新たな景気刺激策か ロンドンG20控え、欧米の亀裂深まる  
      欧州連合(EU)リーダーらは3月19、20の両日、ブリュッセルで二日間の首脳会談を開催した。これは4月2日にロンドンで開く20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)に向けて、米国に対抗し、EU間で意思を統一して臨むための準備である。この数週間、深刻化する世界的不況にどう対応していくかに関して、金融市場の統制を優先する欧州と新たな景気刺激策を求める米国の対立があらわになってきており、大西洋をはさんだ両大陸間の緊張はますます激化している。(スウェーデン=みゆきポワチャ)(2009/03/25)


    断ち切れない金権政治の構図 2大政党制に展望はあるのか 安原和雄
      西松建設の献金をめぐって小沢一郎民主党代表の秘書が逮捕されたことから、政界はにわかに混迷を深めている。つぎの総選挙では民主党が勝利し、民主党政権の誕生も、という可能性に暗雲が垂れ込めているだけではない。今もなお断ち切れない金権政治の構図が浮かび上がってきた。しかも自民、民主両党共に「カネの腐敗」に汚染されているとなれば、世に言う「2大政党制」なるものを手放しで持ち上げることに疑問符を付けざるを得ないだろう。2大政党制に果たして展望を見出すことはできるのか。(2009/03/13)


    17歳の独少年の銃乱射で15人が死亡
     ドイツの17歳の少年が、11日、南部ウィネンデンにあるアルベルトビレ実業中学校で生徒9人と教師3人を射殺した。少年は通行人2人を射殺した後、40キロ離れた場所にあるスーパーの駐車場で警察と銃撃戦となり、警察官に撃たれて命を落とした。少年はウィネンデン南西部にある学校の元生徒だった。警察が地元メディアに語ったところによれば、少年は午前9時半頃、学校に徒歩で到着し、銃を乱射し出した。生徒や教師らを射殺あるいは負傷させた後、逃亡した。(日刊ベリタ=小林恭子)(2009/03/11)


    文化
    映画「フロストxニクソン」 ジャーナリズムの映画として観る
    120  今月末から日本で公開される、米映画「フロストxニクソン」。「フロストxニクソン」の「フロスト」とはリチャード・ニクソン故米大統領(任期1969年―1974年)を、「フロスト」とは英国人のテレビ司会者デービッド・フロストを指す。全米を揺るがした政治スキャンダル「ウォーターゲート事件」で失脚し、大統領を辞任したニクソンをフロストがインタビューした実話の映画版だ。(ロンドン=小林恭子)(2009/03/05)


    農と食
    生殖技術がつくりだす生命体、 農と食の倫理を問い直す時代になった
      クローン牛が食べものとして出回りそうな気配だ。銘柄牛の飛騨牛でもすでに育て上げたという。16年前に死んだ種雄牛で、飛騨牛の元祖とされる「安福号」のクローンが、長期冷凍保存された体細胞を使い近年相次いで誕生していたのだ。生命科学の最新技術がつくりあげるこうした生命体をどう見たらよいのか、という生命倫理のめんから、食べものとしての安全性はどうなのか、といった疑問まで、私たちはいま早急な対応を迫られている。(大野和興)(2009/03/01)

    核廃絶運動の新しい展開を 「核廃絶と気候変動防止の運動を結びつけるべきである」
      現在世界は核兵器への関心を新たにしている。核兵器大国が古い核兵器の更新を計画する一方で、世界は「貧者の核武装」という時代の中にいる。核兵器を配備するインドやパキスタンのような国だけでなく、北朝鮮やイランのような核兵器開発能力を持つ国が国際舞台で台頭してきた。つまり、「開発能力あり」と掲げるだけで十分な力となるのだ。今後、原子力エネルギー技術の輸出と共に、開発能力を有する国は確実に増えていく。このような中、核廃絶運動は大きな転換点を迎えているが、実は他の運動との連携で新たなチャンスも見えている。(ニュー・インターナショナリスト=ジェス・ワース)(2009/02/26)


    グアンタナモ米軍基地からの訴え
    グアンタナモ拘束者が英国に数日中に帰国へ ハンストで「骨と皮状態」と弁護士語る
     キューバにある米グアンタナモ基地のテロ容疑者拘束所に2004年から拘留されてきた元英国住民の男性が、数日中にも英国に帰国する見込みとなった。米英両政府が容疑者の英国帰国に合意したと英外務省が20日、発表した。男性はテロ容疑を否定しており、数年間に渡る不当拘束に抗議するため、今年年頭から、ハンストを行っていた。弁護士によると男性は「骨と皮状態」だが、帰国の見込みがついたことでハンストを中止したと言う。(日刊ベリタ・ロンドン=小林恭子)(2009/02/21)


    二極化社会を問う
    郵政民営化は過疎の村を襲う(とりあえずその1) 文字通りがけっぷちの労働者と住民
      かんぽの宿売却問題を契機に、郵政民営化が再度、社会的な課題として浮上してきました。Attacジャパンは、郵政労働者ユニオンなどとともに郵政民営化を監視する市民ネットワーク(郵政監視ネット)をつくり、郵政民営化問題に取り組んできました。前置きが長くなりましたが、郵政問題が再浮上するいまこそ、民営化後の地域の郵便局はどうなっているのかについて確かめよう、という話になり、2月7日〜8日にかけて、東京都檜原村を訪ねてきました。そこでみたのは、郵政労働者にも地域に住む人たちにも押し寄せる過酷な現実でした。(ATTACジャパン 稲垣豊)(2009/02/16)

    二極化社会を問う
    底なしの貧困スパイラルをくい止め、生活の底上げを! 反貧困に取り組む11団体が政策要求
      社会保障費が削減され、高齢者、母子家庭、障害者など一定の階層に貧困が集中している現在、国に市民生活を「底上げ」する政策を要請しようと、反貧困ネットワークなど11団体(※)は2月6日、厚生労働省に対し要請書を提出するとともに、霞ヶ関の弁護士会館において記者会見を行った。ここで強調されたのは、労働問題、生活保護、シングルマーザー、多重債務、障害者福祉、住宅困窮問題は相互に関連しあい、それが複合して貧困のスパイラルを引き起こしているという現実と、それに歯止めをかける制度や制度を仕組む政治のあり方についてであった。(坂本正義)(2009/02/11)


    社会
    対北朝鮮政策の人質として在日朝鮮人に加えられる“制裁” 沈黙する日本の市民社会とメディア
      日本政府の対北朝鮮政策は「圧力」のみに傾斜、関係は悪くなる一方で、いわゆる拉致問題の解決を逆に難しくしている。昨年の10月に日本政府は北朝鮮に対する制裁の4月までの延長を決定したが、六者協議でも日本は孤立を深める一方である。その手詰まり感の中で、日本政府が新たに“制裁”の対象としているものがある。それは在日朝鮮人だ。昨年の新宿商工会、東京都商工会への強制捜査に見るように、その捜査の異常性は明らかである。それらをもう一度再確認してみよう。(村上力)(2009/02/04)


    定額給付金反対者は寄付を! 「拒否」して貰うのは筋違い 安原和雄 
      あの定額給付金問題はもみにもんだ末、国会で通った。支給は3月以降になるらしい。世論調査によると、7割の人が反対していると伝えられる。私は反対論者ではないので、少数意見に属することになるが、反対の多くの国民に肝心なところで錯覚があるのではないかという印象が消えない。賛否はもちろん自由だが、反対者は給付金を「拒否」しているわけだから、今さら受け取るわけにもいかないのではないか。「もったいない」精神を発揮して、恵まれない人や施設に寄付したらいかがだろうか。それにも反対ならば、主張に一貫性がなくなり、筋が通らないだろう。(2009/02/02)


    検証・メディア
    弱者救済に結束した市民 「年越し派遣村」が投じた貴重な一石 池田龍夫
      「100年に1度の経済危機」の中で迎えた2009年、日比谷公園「年越し派遣村」に集まった倏標切り疣働者の痛ましい姿が、民衆から乖離した自公政権の失政を如実に映し出していた。世界同時不況下で苦悩しているのは日本だけではないが、ブッシュ大統領から政権を奪い取った米国は爍達茖瓧遑脾絖瓩鮃膰斥佞縫バマ新大統領の「国家再建」へ向けて米国民が一体感を示している姿が、眩しく映る。これに比べ麻生政権の無策と時代の閉塞感が、日本国の希望と展望を遮断してしまっている。(2009/02/02)


    労働問題
    雇用削減に反対、仏で250万人がストとデモ 公共労働者に民間労働者も合流 
      【パリ29日=飛田正夫】金融危機などで失業が深刻化するフランスで29日、雇用削減反対と収入増を訴える大規模なストライキが始まった。国鉄、電力、病院、教員、郵便などの公共機関だけでなく民間のルノー自動車などの労働者も合流し、労働総同盟(CGT)の発表によると、ストに参加した250万人が全国200ヶ所以上で政府への抗議デモをを行った。国民の69%がストを支持しているという。(2009/01/30)


    外国人労働者
    「かつての移民に比べれば…」 在日ブラジル人労働者の雇用危機に日系準2世の派遣業者
      米国初の金融危機を発端とした“100年に一度”と言われる経済不況は、派遣労働者や期間工を直撃しているのはご存じの通り。なかでも、静岡・愛知・群馬・栃木・長野といった日系ブラジル人の多い地域では、クビ切りにあった日系ブラジル人たちが、雇用を求めて市役所やハローワークを訪れる姿が連日報道されている。治安の悪化も心配されるが、解決の糸口はあるのだろうか―。静岡県で派遣業を営む日系ブラジル人準2世のNさんに話を聞いた。(和田秀子)(2009/01/29)


    米国
    <再録>グアンタナモ米軍基地「テロ容疑者」拘束から6年─消えない汚名
      オバマ米大統領は22日、キューバ・グアンタナモ米軍基地にブッシュ前政権が設置した対テロ戦収容所を1年以内に閉鎖するよう命ずる大統領令に署名した。しかし、これによって問題が解決するわけではない。約240名の収容者は、釈放すべきか、通常の刑事裁判または軍法会議にかけるべきかを審査する。かりに釈放されても、元収容者の前途はきびしい。英国に戻った拘束者たちの証言と社会の受け止め方についての、小林恭子記者のロンドンからの1年前の報告を読み返してみたい。その他、日刊ベリタがこれまでに報じてきた同収容所関係の記事を「グアンタナモ」の検索で再読していただきたい。(ベリタ通信)(2009/01/24)


    労働問題
    「年越し派遣村」が問いかけたもの  〜「やっぱり必要!派遣法抜本改正1・15集会−派遣村からの大逆襲−」 
      昨年末から年初にかけて、多くのメディアがトップニュースとして扱った「年越し派遣村」の活動は、日本の雇用状況が悪化していることや、職を失えば、あっという間にネットカフェ暮らしや路上生活へと追い込まれかねない、日本社会におけるセーフティーネットの脆弱さを見事なまでに可視化した。年越し派遣村の撤収後も、派遣村に辿り着いた元派遣労働者たちに対する居住 (2009/01/22)


    外国人労働者
    「日本の発展のために働きたい」 雇用・教育・住居・自立の機会を訴え、日系ブラジル人らが初のデモ  
    120   肌を刺すような寒さと共に、雇用悪化の嵐が吹き荒れる1月18日(日)の午後、東京都・新橋の交通ビルでは、関東近郊で働く日系ブラジル人ら約350人が集まり、“雇用”の確保や“教育”環境改善のチャンスを訴える、集会とデモが行われた。日系ブラジル人らが集まって本格的なデモを行うのは、今回が初めてとなる。(和田秀子)(2009/01/20)


    労働問題
    東京地裁、自主営業従業員に立ち退きを命じる仮処分 緊迫する京品ホテル周辺
      東京地裁は15日、京品ホテルで自主営業している従業員に対し、立ち退きを命じる仮処分を決定した。京品ホテルは東京・品川駅前に一等地にあり、年間1億円の黒字を出す健全経営だった。このホテルを経営者が一方的に閉鎖し、従業員の全員解雇を通告、従業員は労働組合に加入し、自主営業を続けていた。それに対し経営側は東京地裁に立ち退きの仮処分を申請、今回の決定になったもの。従業員側は労働組合東京ユニオンに加入、あくまで執行を阻止する構えで、地域住民も支援する意向。(大野和興)(2009/01/15)


    イスラエル/パレスチナ
    仏国営TVがイスラエル軍の攻撃で誤報 メディア諮問機関が報道監視を強化へ
      【パリ14日=飛田正夫】フランス国営テレビA2は、5日昼のニュースで、イスラエル軍の攻撃によるものだとして、ガザ地区最大のパレスチナ難民キャンプがある北部のジャバリヤでトラックが爆発し大勢の犠牲者が地上に横たわる映像を流した。しかし、同国の視聴覚高等諮問機関CSAは、このニュースは誤報と指摘、A2に対し正確な報道とその確認を勧告した。CSAはこれを機に他のメディアへの監視強化の方針を決めたと13日発表した。イスラエルの友好国のフランスとしては、A2のような反イスラエル的な行為は好ましくないと判断されたようだ。(2009/01/15)


    社会
    不況に乗じて勢力拡大を狙う日本の排外主義集団 “在日特権を許さない市民の会”
      今、世界的な恐慌が市民の生活を脅かしている。100年に一度などといわれたり、1929年に起こった世界恐慌以来といわれたりもする。「歴史は繰り返される」という言い方がある。はたして歴史は繰り返されるのだろうか。1929年の場合、イタリアやドイツと並び日本で排外主義が吹き荒れ、ファシズムが台頭、侵略戦争に突入する。では今は。現在の恐慌を機に勢力拡大を狙う組織がある。“日本最大の保守系市民団体”を自称する「在日特権を許さない市民の会」だ。「在日特権を許さないこと…極めて単純ですが、これが会の設立目的です」という。一体この団体はいかなるものか。(村上力)(2009/01/12)


    持続可能な未来社会のイメージ
    <10>個人と全人類総体の意思をいかに方向づけるか 落合栄一郎
      以上持続可能と思われる社会を描いてみた。2080年を想定しているが、これはたまたま、2008と書くべきところを、書き違えたようなもので、特別な理由があるわけではなかった。ただ、2080年ぐらいまでに持続可能な社会(例えばここに描写したような)に近づいていないとすると、人類文明は早晩、大混乱に陥って破滅に瀕するのではないだろうか(人類という生物種としては生き残るかもしれないが)。さて最後のこの章では、2080年の将来の時点から現実(2008/09)に舞い戻って、ではどうしたらこのような社会を実現できるだろうかを考えてみたい。(2009/01/10)


    二極化社会を問う
    「派遣村」 厚生労働省に対しての緊急申し入れ  厚労省は講堂を開放
    120   年越し派遣村実行委員会は2日、現地の日比谷公園の目の前の厚生労働省に対して緊急申し入れ書を提出した。申し入れに応え、厚生労働省は5日朝まで、厚生労働省の講堂を宿泊のために開放する。以下、申し入れ書の全文である。(村上力記者)(2009/01/02)

    世界経済
    金融危機は演出された「ウソ」だったかも 救済法案の根拠に疑問、と米ネット紙
      2008年9月末に突如として問題化した金融危機を救うために、アメリカでは金融機関にたいして国庫(国民の税)から7000億ドルの救援金が拠出された。そのカネの行方は未だに非常に不透明であるが、それにもまして、あの騒ぎそのものが詐欺だったかもしれないという疑惑が浮上している。アメリカの信頼されているインターネット紙の一つAlterNetの編集長の報告(08.12.29)によると、あのベイルアウトの理由となった、主要な点のいずれもが、どうも事実とは合致しないようなのである。(バンクーバー=落合栄一郎)(2009/01/02)


    イスラエル/パレスチナ
    イスラエルのガザ虐殺に抗議 市民有志、NGOがイスラエル大使館前で行動 NGOらは外務省にも要請
    120   イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区の住民に対する殺戮が続いている。死者、負傷者は刻一刻と増加しているようだ。そのようなイスラエルの暴虐に対して、12月30日午後、駐日イスラエル大使館前にて、市民有志、NGOらが抗議行動に出た。なおNGOらは30日午後2時に、外務大臣に対しても要請書を提出した。(村上力記者)(2008/12/31)


    田母神講演会に行ってみた 会場には軍歌が流れ、全員が国歌斉唱 拍手拍手で熱狂する老若男女
    120   元航空幕僚長、田母神俊雄をご存知の方は多いだろう。航空幕僚長でありながら、過去の侵略を正当化する論文を発表して問題にされた。田母神氏はその数日後に退官した。それからというもの「言論の自由」や「民主主義国なら言論で勝負」などと言い放ち、度々メディアに登場している。12月25日、都内でその田母神氏を招いて講演会が催された。「国防問題研究所」という団体が主催、共催には「三島由紀夫研究会」、会場では「NPO法人 日本保守主義研究会」という団体の学生たちが、受付・案内などの作業に追われていた。(村上力)(2008/12/29)


    空港封鎖、景気後退、リストラの「乱」つづき タイの08年10大ニュース
      2008年のタイを一言で言い表すなら「乱」といえるだろうか。何より衝撃的だったのが、スワナプーム空港の封鎖であった。しかし、この空港の封鎖こそが、今年1年におけるタイの政権と国民の暴走に終止符を打つ大きな契機となったのは本当に皮肉な気がする。空港封鎖によって国民が得たものより、失ったものの方が、あまりにも大きいと思うからだ。政治の混乱と国民の暴走が際立った1年の10大ニュースの半分が政権がらみだった。(バンコク・丈治利夫)(2008/12/21)


    仏が人権担当相を廃止 「人権だけでは外交はできない」と外相 国際人権デーに
      【パリ20日=飛田正夫】仏外務省のラマ・ヤッド人権担当相のポストの廃止が発表された。クーシュナー外相は「私が創設したポストだが、これは誤りだった。人権だけでは外交はできない」とパリジィアン紙のインタビューで答えている。ヤッドさんはサルコジ政権の人権外交の迷走に批判的だった。外相発言が世界人権宣言60周年記念の今月10日になされたことに、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルはショックを受けている。(2008/12/20)


    定額給付金だけがバラマキなのか 財政、税制を根本から組み替えよ 安原和雄
      麻生太郎首相が打ち出したあの定額給付金がかなり不評である。私(安原)は率直に言って不思議な思いに駆られている。わが国の財政資金はバラマキといえば、ほとんどがバラマキである。定額給付金だけがバラマキなのではない。給付金を貰ったからといって、麻生首相個人のポケットマネーをいただくのではないのだから、現政権の面々に一票を投じなければ罰が当たるという性質のものではない。減税の一種だと思って受け取ればいいのではないか。拒否したい人は返上すればよいだろう。(2008/12/18)


    捕鯨問題
    《森川純酪農学園大教授に聞く》 鯨食は本当に日本の伝統文化なのか 「資源」論の枠を超えた論議を
      水産庁は今月10日、捕鯨船団が11月中旬に南氷洋に向け日本から出港していたことを発表。捕鯨母船「日新丸」の離岸は11月17日、環境保護団体のグリーンピースが確認していたが、水産庁側はセキュリティー上の理由から公表をひかえていた。シーシェパードの抗議船「スティーブ・アーウィン号」も今月3日、オーストラリアのブリスベンから南氷洋へ向かっており、今夏も捕鯨シーズンが始まった。国際的な批判を大きく受けながらも捕鯨を続ける日本の真意は何なのか――。オーストラリアのメディアを通して「国民的な捕鯨文化が日本にはない」と述べている酪農学園大学環境システム学部の森川純教授に話をうかがった。(聞き手はアデレード=木村哲郎ティーグ)(2008/12/13)


    中国
    巨大石化工場の建設に反対、「アモイに続け!」 成都でも市民がウオーキング・デモ
      成都市は、今年5月に大地震のあった四川省の省都である。肥沃な土地柄から、古来、蜀の地と呼ばれたこの地域は漢文化圏の中でも独特の文化をはぐくんできた。その「暮らしやすい街」に石油化学の巨大プロジェクトの建設計画が進んでいる。大気や河川の汚染、地震災害を危惧する市民は建設反対のウオーキング・デモを行ったが、政府は計画推進の姿勢を崩していない。アモイでは住民のウォーキングがPXプラントを中止・移転に追い込むという、中国の環境保護運動史上画期的な成果をあげており、同じ方式が成都でも成功するかどうかが注目されている。(納村公子)(2008/12/11)


    アフガニスタンの今(上) 国際社会と政府に高まる人びとの不信 国際協力NGO、JVCがシンポジウム
    120   アフガニスタンが「対テロ戦争」の主戦場として再び浮上してきた。いま現地は膨大な数の外国軍の投入にもかかわらず治安は悪化の一途をたどリ、カルザイ政権は苦境に立っている。「対テロ戦争」を主導したアメリカでは、大統領選で政権交代が決まり、勝利したバラク・オバマ氏は、イラクからの撤退と引き換えにアフガニスタンへの兵力の増強を示唆。日本では「新テロ特措法」のインド洋における給油活動の継続にこだわり、自衛隊のアフガニスタンへの派兵さえ取りざたされる状況にある。そういった状況の中、11月28日、都内で国際協力NGOの日本国際ボランティアセンター(以下、JVC)が、アフガニスタンのNGO代表などを招き、「アフガニスタンに国際社会はどう関わるべきか〜戦火の中で破壊される人々の暮らしの再建のために〜」と銘打つシンポジウムを開いた。「とにかく現地の状況を知ってもらい、アフガニスタンの人がなにを必要としているかを考え、その中での日本の役割を考えることを意図して開催した」と、谷山博史JVC代表は、シンポジウム開催のねらいを語っている。(村上力)(2008/12/10)


    世界経済
    「平和=非暴力」の平和実現を 新自由主義後の新時代を求めて 安原和雄
      麻生太郎政権の迷走が続いている。安倍元首相、福田前首相につづいて3人目の政権投げ出しとなるのではないかという事態も取り沙汰される始末である。そういう政治行き詰まりの背景は、大きな災厄をもたらし、世界金融危機とともに破綻した新自由主義のつぎの新時代をどうつくっていくか、その設計図立案能力を失っているからだろう。「コスタリカに学ぶ会」の11月30日の定例学習会「衆院選挙の動向と平和のあり方」で、私(安原=「学ぶ会」世話人の一人)は以下のような問題提起を行った。(2008/12/04)


    KUDANプロジェクトの「美藝公」大好評 クアラルンプール公演の2人にきく
    120   【クアラルンプール4日=和田等】「天野ワールド」が再びクアラルンプールで炸裂した! ビジュアル・アーティストとしても世界的に知られる天野天街さんが脚本と演出を手がけたKUDANプロジェクトによる2人芝居「美藝公」の公演が11月下旬、3日間にわたってクアラルンプールの国立芸術文化遺産アカデミー(ASWARA)でおこなわれ、大好評を博したのだ。出演者の小熊ヒデジさんと寺十吾さんに公演の印象などをインタビューした。(2008/12/04)


    社会
    麻生邸見学ツアーの逮捕者3人は不起訴 逮捕の不当性とマスコミ報道のゆがみが改めて明らかに
      10月26日に東京・渋谷で行われた「リアリティツアー2‐‐62億円ってどんなだよ。麻生首相のお宅拝見」で逮捕され、11月6日に処分保留で釈放された3名について、11月27日、不起訴処分が決定した。リアリティツアー救援会は11月28日「不起訴処分が決定したことで、あらためてリアリティツアー弾圧の不当性が明らかになりました」とする声明を発表、その中で逮捕後も続いた捜査の違法性を指摘した。救援会は29日、都内で「麻生邸のリアリティ--ツアー・弾圧・救援を振り返る--」と題する集会を開催した。今回の逮捕劇では警察発表をそのまま流すマスコミ報道のあり方も問題になった。(ベリタ編集部)(2008/11/29)


    【コラム】指紋を採る国「日本」を考える 来日しないという自由もあるが…
      今年4月1日。日刊ベリタに「来豪する日本人に対し、オーストラリア政府が指紋採取を義務付ける方針を明らかにした」という主旨のエイプリルフール記事を出した。これに対し、インターネット上のいくつかの日本語サイトでは、ジョーク記事に勘違いした多くの者が「嫌豪感情」を表明。「指紋を採るなど許せない」「オーストラリアには絶対に行かない」などのコメントが多く寄せられていた。ただ、これらのコメントの中に、日本政府が外国人に対し指紋採取を義務づけている事実を指摘した意見は皆無に等しかった。今月半ばまで4年半ぶりの日本を訪れた筆者も、日本入国の際に指紋を提供している。(豪アデレード=木村哲郎ティーグ)(2008/11/28)


    中国
    サハロフ賞の中国人権活動家・胡佳氏(下) 私は生涯、仏教の「慈悲」通りに人を助けていきたい
      2007年4月、胡佳が100日あまりの長い軟禁生活から解放され、香港で夫婦二人で本誌の張潔平記者に話をしてくれた。しかし北京に帰って再び軟禁され、逮捕された。このときの彼の口述による心の軌跡は彼の真実の姿である。(2008/11/27)

    中国
    サハロフ賞の中国人権活動家・胡佳氏(上) 新しい「良心の英雄」に民衆から幅広く温かい支持
      「胡佳現象」──中国ではいま密かにまた熱く胡佳という一人の青年への支持が広がっている。天安門事件がきっかけで仏教を信仰するようになった胡佳氏は、内モンゴルで植林活動を行う遠山正瑛氏(鳥取大学名誉教授)のことを知って、いわば「一人人道主義活動家」の道に入った。投獄中の彼は今年10月、欧州連合(EU)の欧州議会から言論と思想の自由に貢献した個人や団体をたたえるサハロフ賞を贈られた。ノーベル平和賞候補にも挙げられた中国知識人の実像に、『亜洲週刊』はさまざまな関係者と本人へのインタビューによって迫っている。(納村公子)(2008/11/25)


    ハネムーンをどのように過ごすのか ウォールデン・ベロー
     オバマ大統領の最初の100日間は、いつものように米国民とのハネムーンであろう。ブッシュ政権が彼に押し付け、彼をホワイトハウスに送り込んだ連合を分裂させたい2つの重荷、イラクとアフガニスタンを断固として取り除く好機である。これは米国経済と世界経済を変容させる本当に大きな事業に集中するために道を開くであろう。しかし彼は米国民とのロマンスと右派の混乱という良き日を利用し、素早く行動すべきである。(2008/11/13)


    ビルマ民主化
    ささやきの町ヤンゴン 軍政の監視下、さりげなく窮状を外国人に吐露する僧侶と市民
      今年独立60周年を迎えたビルマ。だが、軍事政権の支配によって、国内はいまだに植民地支配が続いているかのようである。ビルマ人だけでなく、海外からの訪問者でさえも軍事政権の監視の目を気にして自己検閲状態に陥ってしまうという現実がある。またその一方で、この国の厳しく残酷な現状を少しでも国際社会に知らせようとし、外国人にさりげなく近づいてきて人々の窮状を吐露する市民たちもいる。首都だったラングーン(ヤンゴン)を訪れたディンヤル・ゴドレジが、現地からその様子を報告する。(ニュー・インターナショナリスト=ディンヤル・ゴドレジ)(2008/11/12)


    社会
    麻生邸見学ツアー逮捕者も出席、11・6に抗議と問題提起の集まりを開く 
      麻生邸見学ツアーで3人が渋谷の歩道で逮捕された事件に対する抗議の集会が11月6日に都内で開かれた。3人は、12日間の拘留の後11月6日に釈放された。集会には逮捕された3名が駆けつけ、逮捕時の事、取調べのことなどの報告を述べた。3人についてはまだ起訴される可能性が無くなったわけではなく、救援連絡本部は、今後も不起訴にしていくための活動を続けていく。(村上力)(2008/11/09)


    NATO艦艇がソマリアへ次々と集結 海賊対策の名目の裏に各国の思惑も
      現在、米国と北大西洋条約機構(NATO)を初めとする各国の艦艇が「アフリカの角」と呼ばれるソマリア沖のアデン湾へ続々と集結している。この海域で横行している海賊船を取り締まり、商業船を護衛するためとされている。ロシアと中国も同じ名目で艦艇を派遣、麻生首相も自衛艦派遣のための新法の検討を表明している。だが、各国の目的は本当にそれだけなのだろうか。背後には、米国が「テロリスト」とするイスラム反政府勢力の攻勢による同国の内戦激化にからむ各国の思惑がちらつく。その一方で、急増する難民の窮状に対する国際社会の関心は低く、国連は早急な支援を求めている。(スウェーデン=M.ポワチャ)(2008/11/09)

    ’08 米大統領選
    オバマ氏勝利を人類の歴史の転換点に 「変革」への期待と懸念
      2008年11月4日は、人類の歴史に長く残る日の一つになるだろう。過去8年の前大統領(まだこの時点では現役だが)の統治の、(おそらく自らが演出した)9・11事件に始まり、虚偽に基づくイラク侵攻や戦費その他の多大の浪費、若い兵士の命、イラク・アフガンの人々の命を無惨に奪う、また経済危機の演出(ではないが、危機をもたらした側のやり放題に任せた)などなどの悪政にうんざりしたアメリカ国民の声が勝利した。(バンクーバー=落合栄一郎)(2008/11/06)


    ’08 米大統領選
    インドネシアでもオバマ・フィーバー 幼少時過ごした地で大喝さい 反米一転、異文化共生の夢託す
     【じゃかるた新聞特約6日】4日(米国時間)開票された米国大統領選挙で、バラク・オバマ氏が米国の第44代大統領に選出され、インドネシア国民は、特別な感慨を持ってオバマ氏の歴史的な勝利を受け止めた。少年時代の1967年から71年までジャカルタの二つの小学校に在学していたオバマ少年が、世界をリードする超大国・米国の大統領になった感動だけでなく、米国民が初めて選んだ黒人大統領であることが、さまざまな少数民族を抱え、異文化との共生を目指すインドネシアの将来を占う上で参考になると考えたからだ。オバマ少年が通っていた学校や住んでいた家を訪ね、オバマ大統領誕生の感想などを聞いた。(2008/11/06)

    社会
    広がる麻生首相宅見学ツアー逮捕への抗議活動 抗議声明も続々
      格差と貧困を解決すべき麻生首相の“62億円豪邸“を見物するツアーで10月26日に逮捕された3人は、接見禁止処分を付けられ、今も留置場に身柄を拘束されている。ことの経過は、歩道を平穏に歩いていた参加者50人に突然警察が突入してきて3人を路上に組み伏せ連れ去ったというもの。3人についている罪状「公安条例違反」「公務執行妨害」というものだが、参加者が撮ったその時の映像には、逮捕理由となった「公務 執行妨害」行動はまったく見つけられない。ただ誰の邪魔にもならないプラカードを両手でかかげただけだ。そして、その逮捕されようとする参加者を助けようとした2人が逮捕された。以下、市民組織による声明を紹介する。6日には抗議集会も開かれる。(大野和興)(2008/11/03)

    検証・メディア
    消費税の引き上げに異議あり 今こそ新自由主義路線と決別を 安原和雄
      麻生太郎首相は08年10月30日、「追加経済対策」なるものを発表した。メディアは早速「選挙向けの露骨なバラマキ」と批判している。しかしこれはいささか的外れの批判といえる。麻生首相の目指すものは「3年後の消費税引き上げ」である。これこそが本命であり、バラマキはいわば当て馬ではないか。そういう策略を見抜いて、消費税上げに異議あり、を唱えたい。そのためには消費税引き上げを必要としない政策論議をすすめるときである。さらに今こそ国民生活に多くの災厄をもたらしてきた新自由主義と決別していくときである。新自由主義の継続と消費税の引き上げを許容するのか、それとも拒否するのか、これが衆院総選挙の最大の争点になってきた。(2008/11/01)


  • 11月初めに死刑執行、バリ爆弾テロ犯に


  • 時事英語一口メモ
    【54】Bailout、Rescue、TARP、EESA  金融救済法と政治用語
     “War on terror”(テロ戦争)などの言葉を作り出して、議論をコントロールすることを”framing the issue”という。巨額の公的資金を投入して金融機関から不良資産を買い取ることを柱とした法案をめぐっては、米政府は”framing the issue”ができなかったようだ。政府側は法案をrescueと表現し、メディアにbailoutは使わないように求めた。しかし、bailoutと呼ぶメディアが圧倒的であった。Bailoutもrescueも救済を意味するが、なぜ政府はbailoutという言葉を避けたのか。(鳥居英晴)(2008/10/07)


    むらからの便り
    【ぼくのニワトリは空を飛ぶ】 80歳の現役百姓に励まされ  菅野芳秀
    120   栄作さんは現役の米作り農民だ。120aほどを耕作している。いつも早朝から田んぼや畑に出ている働き者で、仕事の終りはきまって午後の3時。あとはウイスキーで一杯始めるのが毎日の楽しみとなっている。(2008/10/03)


    ボリビアで幕を開けた先住民族の時代 モラレス政権下、古来の知恵をいかした公正な社会へ前進
      2006年に誕生した初めての先住民族出身大統領の下で変革が進むボリビア。この国で起こっている政治、社会、環境、人権、教育などさまざまな分野における変化は、私たちも学ぶべきことが多い。ボリビアに押し寄せている先住民族の古来からの価値観に社会主義のテイストを加えた新たな波について、現地からリポートする。 (ニュー・インターナショナリスト=バネッサ・ベアード)(2008/10/02)


    山は泣いている
    41・何かがおかしい 前衛峰をいかに越えるか抜きの環境論議 山川陽一
      世の中が様変わりである。誰もが、いまや、環境問題に背を向けて世渡りが出来なくなった。そういう意味では、自然保護活動に携わるわれわれにとって、やりやすい世の中になった。日本山岳会が「世界一高い山に登りにいくのでご寄付をいただきたい」と申し出ても誰も支援してくれないが、「私は世界と日本の一番高い山でゴミ拾いに取り組んでいます」と言えば、こぞってお金を出してくれる企業や財団がでてくる時代になった。(2008/09/18)


    アンワル元副首相がめざしたマレーシアの政権交代、期限に実現せず 延期を宣言
      【クアラルンプール17日=和田等】3月の総選挙でマレーシアの野党陣営大躍進の立役者となったアンワル元副首相が、与党連合・国民戦線所属議員を野党陣営に鞍替えさせて政権交代を実現するとしてその期限を9月16日に設定したことから、本当にこの日に与野党逆転による政権交代が実現するかのどうかに内外の注目が集まったが、目標は果たされなかった。元副首相は同日、必要な与党連合離脱議員数は確保したが政権奪取は延期すると言明、一方アブドラ首相は政権交代は妄想と一蹴した。(2008/09/17)


    利害の相違より共通の脅威が重要 ロシア・グルジア戦争後の世界  レイン・ミュラーソン
     【openDemocracy特約】「それは、悪に対する善の戦いではない。それは、力の均衡のために戦っている勢力同士の戦争である。この種の戦いが始まると、それは、他の戦いより長く続く。なぜなら、神はどちらの側にもいるからだ」−パウロ・コエーリョ  『アルケミスト』 (2008/09/16)

    農と食
    事故米多発させるMA米  ”ライス・ロンダリング”はなぜおきたのか
    120   三笠フーズ(大阪市)が政府から買い入れた非食用途の「事故米」を食用として販売していた事件は、焼酎メーカーから菓子、病院給食まで広範に被害が拡大してきた。有害米を食用として流通させる”ライス・ロンダリング”とも言うべき事件はなぜ起こったのか。そもそも何千キロにものぼる「事故米」がなぜ発生するのか。三笠フーズの行為は許されることではないが、こうした事件を生み出した原因は事故米を発生させている「ミニマムアクセス米(MA米)」にあるのではないか。(上林裕子)(2008/09/15)


    農と食
    自由貿易は食料・環境危機を招く!(1) 農民は生産にかかわる物事を決める権利を持っている カティン・カーサ(貧民連合、タイ)
    120   グローバリゼーションが作り出す貧困や環境破壊に対峙して運動を進めている社会運動体「脱WTO/FTA草の根キャンペーン」(世話人・大野和興ほか)は、北海道・洞爺湖でG8(先進国首脳会議)が開かれる前夜の7月6日、札幌で国際シンポジウム「自由貿易は食料・環境危機を招く!」を開いた。タイ、オーストラリア、中国、インドの農民やNGO・市民活動家らがパネリストとして参加、それぞれの地域・国でいま何が起こっているかを報告した。以下その内容を紹介する。第1回は東北タイの農民で、貧民連合で活動するカティン・カーサさん。(安藤丈将)(2008/09/07)


    中国
    ドイツ国際放送の中国人副主任が中国政府擁護発言で停職に 「人権と自由を損ねる行為への処分は妥当」と在独の中国人研究者が論評
      ドイツの国外向け公共放送ドイチェヴェレの国際ラジオ局中国語部の副主任、張丹紅女史が8月末、中国政府を支持する発言のために停職処分になった。民主・自由・人権を尊重するドイツの基本的理念にそぐわない、との理由だという。中国のネットでは張女子を擁護する声が多いが、この事件について、張女史と同じく20年来ドイツ在住の中国の知識人、ルール・ボッフム大学の研究員、仲維光氏がネット上に意見を発表した。仲氏は、北京五輪であらためて露わになった共産党政権下の人権と自由の抑圧にふれ、「ウソ八百の中で生きている張丹紅たちは、ウソの発言をしたり、ウソを放送したりすることがもはや習い性になってしまい、恥と思う能力すらなくしている」と鋭く批判している。(納村公子)(2008/09/05)


    環境
    飛行機の利用と地球温暖化 空の旅を抑制すべきかどうかで議論白熱
      海外旅行は身近なレジャーとなり、グローバルなビジネスの機会も増え、留学熱もかつてないほど高まっているなか、これまであまり注目されてこなかった飛行機から排出される地球温暖化ガスの影響について、徐々に懸念が広まっている。飛行機が排出する地球温暖化ガスは、ひとりあたりに換算しても1回の利用で膨大な量となる。地球温暖化が深刻な問題となってさまざまな対策が模索されている現在、飛行機の利用を規制することは不可欠であるようにも思える。今日の社会においては簡単には答えが出せないこの問題について考える。(ニュー・インターナショナリスト=クリス・ブレイザー)(2008/09/03)


    経済
    【論争・国際連帯税】 通貨取引開発税の導入で「もうひとつの世界」は可能か?  土肥誠(大学教員)
      ヨーロッパで論議が始まった国際連帯税創設に向け、日本でも具体的な議論が始まっている。08年2月28日には超党派の「国際連帯税創設を求める議員連盟」(注1)が設立され、「開発のための通貨取引税」(通貨取引開発税、Currency Transaction Development Levy; CTDL)を射程に議論が始まり、政府も検討に入っている。こうした動きの背景には、世界を揺るがす投機マネーの規制をめざして通貨取引税の創設を掲げて長年運動してきた世界の社会運動の流れがある。その立場から見て、政府や議会が今検討しようとしている仕組みはどう評価すればいいのか。日本で通貨取引税実現の運動に取り組んでいる市民組織アタック・ジャパン(ATTAC-JAPAN)の土肥誠(大学教員)さんに、寄稿していただいた。土肥さんの提起を皮切りに、さまざまな立場からのご意見をいただき、この問題を深めていきたい。(編集部)(2008/08/19)


    経済
    貧困の連鎖の中の食−食料問題を捉えなおす−
    120   農と食を巡り、世界が揺れ動いている。食料価格の高騰がまるで津波のような勢いで世界を覆い、すでに8億5000万人を数える飢餓・栄養不足人口をさらに1億人積み上げるだろうといわれている。食料問題は国際政治の大問題となり、7月に北海道・洞爺湖で開かれたG8サミットや、6月に国連農業食糧機関が開催した食糧サミットは、新品種、化学肥料や農薬、灌漑などインフラ整備を伴う農業生産性向上政策と自由貿易による市場拡大を食料危機対策として打ち出した。いったいこの「対策」が本当に対策になるのか、いま進行する食料危機の根っ子を探り、食料問題とは何かを考えてみた。(大野和興)(2008/08/17)


    検証・メディア
    日本列島はすでに戦場である! 脱出策は「つくる平和」へ転換を 安原和雄 
      63回目の終戦記念日「8.15」がめぐってきた。靖国神社参拝にこだわる者、平和への祈りに頭を垂れる者、毎年のことながらそれぞれの風景を描いている。「平和=非戦」、「守る平和」を誓うのは自然のことのように思えるが、ここでは新しい「平和=非暴力」という視点から平和をとらえ直してみる。そこから見えてくる光景は、戦争とは直接関係ないはずの日本列島が実はすでに「戦場」となっているという現実である。その戦場から脱出するためには従来の「守る平和」を克服して「つくる平和」への転換を図ることが不可欠となってきた。8月15日の「終戦記念日」に大手5紙の社説は何をどう論じたか。(2008/08/15)


    中国
    国の威信を賭けた祭典の裏に旧態依然とした思想と習慣 中国人作家の見た北京五輪
      CGの花火、かわいい少女の口パク歌の開会式、かつてのプロパガンダの手法はいまも生きている? 一般庶民はこの祭典のために多くの不自由をしいられている。五星紅旗を振り「加油」を叫ぶ観衆は、聖火リレー応援の動員の延長か? 中国の若い作家が中国人の心理をオリンピックに見た。(2008/08/14)


    農と食
    【クローン牛がやってくる】(2) 食べて大丈夫なの? 天笠啓祐(遺伝子組み換え食品いらない|キャンベーン代表)
      前回はクローン技術とはどういうものか、について考えてみました。わかったのは、死産・多病・早死・急速老化・巨大赤ちゃん・遺伝子異常・ガン多発など、原因不明の問題が山積しているという実態です。こんな肉を食べて、本当に大丈夫なのか、前回に引き続き科学ジャーナリストの天笠啓祐さんの解説を紹介する。(大野和興)(2008/08/11)


    ビルマ民主化
    「勝って平和な国に帰ろう」 民主化蜂起20周年、ビルマ人活動家が団結と日本の支援を訴える
    120   ビルマ(ミャンマー)の民主化蜂起から20周年の8月8日、在日ビルマ人と支援者ら約千人が東京・品川区でミャンマー大使館への抗議デモをおこなった。翌9日には、同国の民主化を支援する諸団体の連合体、ビルマ・パートナーシップ(本部、タイ・チェンマイ)のコーディネーター、キンオーンマーさんが都内の集会(主催・ビルマ市民フォーラム)で講演、自らの体験を振り返りながら祖国の現状と民主化へのおもいを語った。彼女は、「この20年間に民主化が実現できなかったことに失望・落胆する必要はない」と述べ、「正義の闘い」の勝利をめざして在日ビルマ人が結束するとともに日本の人々が粘り強い支援をしてほしいと訴えた。(永井浩)(2008/08/10)

    農と食
    【クローン牛がやってくる】(1) クローン技術とは      死産・多病・早死・急速老化・巨大赤ちゃん・遺伝子異常・ガン多発 実態はわからないことだらけ 天笠啓祐(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表)
      08年4月、厚生労働者は食品安全委員会に体細胞クローン牛についての食品健康影響評価を諮問、現在、新開発食品専門調査会ワーキンググループで審査が行われている。その背後にはアメリカでクローン牛の後世代牛の肉が市場に出回っているという現実がある。日本をアメリカ産クローン牛肉の市場にしようという意図が透けて見えてくる。クローン牛とはいったいどういうものなのか、食べても大丈夫なのか、そんなものがそもそも必要なのか、さまざまな疑問がわいてくる。『消費者リポート』特集「クローン牛がやってくる」(1406・07合併号)を紹介、そのことを考えてみたい。第1回は科学ジャーナリストで「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」代表の天笠啓祐さん。「クローン技術とは何か」がよくわかる。(編集部大野和興)(2008/08/09)


    チベット問題
    中国政府「ダライラマはよく変わる人間」 経済中心に全方位的政策で解決 中国チベット学研究センター総幹事・ラパピンツォ氏インタビュー
      近ごろ、ダライラマの個人代表と北京とで新たな交渉が行われた。北京の目は、チベット問題の解決にカギとなるのはダライラマが過激なチベット独立派の行為をやめさせるために本当に影響力をおよぼす気があるかどうかにかかっていると見ている。中央統一戦線工作部の管轄下にある中国チベット学研究センターの総幹事、ラパピンツォ(拉巴平措)氏によれば、党総書記・国家主席の胡錦涛のチベットに対する方針は20年来一貫しており、ダライラマの「主張がよく変わる」と述べた。しかし、北京は8月のオリンピック期間中、ダライラマが影響力を発揮してチベット独立派に騒ぎを起こさないよう希望している。(2008/08/04)


    ブラジル農業にかけた一日本人の戦い
    <12>米企業の遺伝子組み換え汚染から「食の安全」を守りたい 和田秀子(フリーライター) 
    120   資金難のため、バイア州の「戦後移住者開拓団地」の開発をあきらめた横田さんは、2004年、2,300ヘクタールの土地をバイア州に残したまま、日本に向けて飛び立った。「もう一度、なんとしても日本人の威信と信用を取り戻したい」そんな気持ちで、横田さんはブラジルを後にしたという。日本人が、初めてブラジルに渡ってから100年間、その勤勉で優秀な働きぶりは、“ジャポネス・ガランチード(信頼のおける日本人)”といわれるほど、ブラジルで高く評価されてきた。(2008/08/04)

    中国
    北京五輪は中国の人権状況を改善できるのか 現状はIOC委員長の期待に逆行
      2008年8月、北京オリンピックスタートの号砲がとどろく。共産党の一党支配の下で、表現の自由も人権も保証されていない中国でのオリンピックは、オリンピック憲章に違反するのではないかという意見が当初から多かった。しかし国際オリンピック委員会と中国政府は、オリンピックを通じて中国の人権状況は改善されると主張した。しかしこのオリンピック開催の年になっても、その見通しは現実のものとはなっていない。不気味な「オリンピック警備用英会話集」から人々への弾圧まで、今なお続く中国の人権軽視の現状を報告する。(ニュー・インターナショナリスト=サム・ギール(ゲストライター))(2008/08/02)


    豪州でカトリックの世界大会開催 若者の歓心に苦心 過去の因習に執着するローマ法王に批判の声も
      今月の15日から20日まで、カトリックの世界大会とも言える「ワールドユースデー」がシドニーで開催された。前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世による提唱で1985年に始まり宗教的高揚を演出してきたこの集会は、今年で11回目。大会最終日の20日にシドニー市内のランドウイック競馬場で行われたローマ法王ベネディクト16世主宰の野外ミサには、世界170カ国以上から40万人の信者が参加した。オーストラリア国内では、公共放送SBSによりテレビ中継もされ、参加者たちからは感嘆の声が聞こえた。ただ、10代の少女たちが「P・O・P・E、ポープ(ローマ法王のこと)」と叫ぶ様子からは、宗教的な意味合いよりも、日本でも近年人気のある音楽フェスティバルのような雰囲気が感じられた。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2008/07/31)


    悪/政治/戦争/新自由主義とサイコパス精神 ブッシュは一例、正常な「良心」が欠落
      人間は、根本的に「善」である、いや「悪」であるという議論はいつまでも解決を見ないようである。キリスト教では、人間は生まれながらにして「罪」を背負っている(原罪説;すなわち「性悪」説)としているし、日本文化では、どちらかと言えば「性善」説が信じられているようである。それは多分に仏教の影響によるものかもしれない。仏教では、人間には「業」があるが、それから解脱することは可能である;すなわち「性善」ではあるが,悪を犯し易いとする。(バンクーバー=落合栄一郎)(2008/07/17)


    山は泣いている
    33・トンボ池の憂鬱 伊那市で見たハッチョウトンボの生息地 山川陽一
      6月末、伊那市で開かれた「自然エネルギーを考えるシンポジウム」に出席した翌日、地元の方に、「もし時間の余裕があったら、近くにハッチョウトンボの生息地があるので行ってみませんか」と誘われ、新山(にいやま)の「トンボの楽園」へ案内してもらった。ハッチョウトンボは体長がわずか2センチほどの日本最小のトンボである。最初はいくら探しても見当たらず、どこにいるのかなと目を凝らしてみると、池の中に繁茂した草の葉にとまって、確かに、本当に小さな、けれども、まさしく立派な赤とんぼが羽根を休めているではないか。(2008/07/14)


    環境
    企業の社会的責任の現実 利益追求の正体を隠すための魅力的な仮面では?
      企業の社会的責任(CSR)が大流行している。NPOやNGOなどの民間非営利団体、公的機関、マスコミも積極的で、企業への協力を惜しまない。海外での植林から地域の清掃活動、民間非営利団体への寄付から環境にやさしい(とされる)製品の開発まで、実に多くのことがCSR活動として取り上げられている。企業はなぜ社会貢献活動をするようになったのか? CSRブームは、利益追求という企業本来の姿の転換を意味するものなのだろうか? 今回は、さまざまな利害と思惑が絡んだ企業の抜け目ないCSR戦略を明らかにする。(ニュー・インターナショナリスト=ジェス・ワース)(2008/07/13)


    ブラジル農業にかけた一日本人の戦い
    <8>お金より家族より、夢と仲間を選んだ 和田秀子(フリーライター)
    120   コチア青年たちの“夢の集大成”として、1986年に開発がはじまったバイヤ州バヘイラスの「戦後移住者団地」。ここでは、ファゼンデーロ(大農場主)を夢見て集まった37名が、電気もガスも水道もない陸の孤島のなかで、来る日も来る日も開拓し続けていたことは、すでに第7章で述べた通りである。しかし“開拓”と一口に言っても、農業に従事したことのない私たちにとって、その労力は想像し難いものだ。(2008/07/07)


    G8
    世界の先住民族の声をG8の首脳に 「先住民サミット」が開幕
    120   北海道洞爺湖G8サミットを1週間後に控えた7月1日、先住民族によるサミット「『先住民サミット』アイヌモシリ(リは小文字)2008」が、北海道平取町でスタートした。G8に平行して、先住民がこうした会議を開催するのははじめて。11カ国17人の先住民族と多くのアイヌ民族は、350名の参加者の前で、「いまこそ先住民族が声を上げるとき」と力強く訴えた。今後、平取町でワークショップやフィールドワークなどを体験しながら提言をまとめ、最終日の4日には札幌でそれを発表する。(札幌=木村嘉代子)(2008/07/03)


    ブラウン英政権の1年(上) 「言いたいことがない首相」、「それでも当面続投するだろう」
     ゴードン・ブラウン英首相が現政権を発足させてから、27日で1年となる。当初の人気は上々だったが、住宅金融大手の取り付け騒ぎなど経済問題が次から次へと発生し、後手の処理に回った政権の支持率は急降下。先月行われた統一地方選で、与党・労働党は最大野党保守党に大きく水をあけられて大敗した。ブレア政権で経済アドバイザーだったデレク・スコット氏とBBCの政治部長ニック・ロビンソン氏は、26日、ロンドンの外国プレス協会に集まった報道陣に対し、ブラウン政権の1年の業績に厳しい評価を下したが、適当な「ポスト・ブラウン」の候補者がいないこともあって、当面はブラウン続投が続くと予測した。質疑応答の中での両者の見方を紹介する。(ロンドン26日=小林恭子)(2008/06/27)

    憲法9条伝えるのは老人の役割 日野原翁と対談:福島社民党首 安原和雄
      とにかくお元気な翁である。ご老体と呼ぶには精神的に若すぎる。その日野原重明(ひのはら・しげあき)さん(聖路加国際病院名誉院長・同理事長)は、今年(08年)10月4日の誕生日に満97歳を迎える。著書も数え切れないほど多い。日野原翁と福島みずほさん(社民党党首)との対談が目に留まった。日野原さんは現役の平和運動家でもあり、対談では「憲法9条を子どもに伝えるのは、戦争を知っている老人の役割」― などと強調している。(2008/06/14)


    劣化ウラン
    戦争の有毒な置きみやげ:劣化ウラン弾 問題解決に向けて冷静で迅速な行動が必要だ  
      原発の燃料を作る過程で出る廃棄物、劣化ウラン(DU)。現在世界では、100万トン以上のDUが貯蔵され、その量は増え続けている。鉛の約2倍の密度のこの重金属は、砲弾や機銃弾に組み込まれてイラク等で使用された。劣化ウラン弾が使用された地域では、がんや先天性異常を持つ子どもの増加など様々な健康被害が戦闘後に明らかになり、戦闘に参加した兵士にも湾岸戦争症候群等が広まった。DUと健康被害との因果関係を否定する当局に対し、NGOや研究機関は疫学的調査や実験を基に反論している。DU問題解決への動きを報告する。(ニュー・インターナショナリスト=ディンヤル・ゴドレジ)(2008/06/11)


    中国
    「おから工事」が被害を拡大 四川大地震─500人生き埋め中学校倒壊現場、発生直後のルポ
      5月12日午後2時28分4秒、マグニチュード7.8の強い地震が中国の大部分を震撼させた時、震源地からわずか100キロほどの都江堰市郊外に位置し、教師・生徒800人を擁する聚源中学校では、授業開始のベルが鳴ったばかりだった。体験者の話によると、それはわずか数秒間の出来事だった。幅約80メートルもある4階建ての校舎が、数回激しく揺れたかと思うと突然崩れ落ち、一瞬のうちに高さ2、3メートルほどの瓦礫の山と化した。ねじ曲がった鉄筋が三合土(訳注:石灰・砂・粘土を水で練った建築材料)の塊からむき出しになり、遠くにはぼろぼろの布や、机と椅子の残骸、そしてもはや元の姿さえ判別できない残骸が見えた。(2008/06/07)


    「もったいない」を生かす時 船場吉兆の廃業から学ぶこと 安原和雄
      高級料亭「船場吉兆」がついに廃業に追い込まれた。客が残した料理を歪められた「もったいない」精神から別の客に回していたことが発覚したことがきっかけとなった。消費者軽視の表れ、という声もあり、決して褒めた話ではない。しかし「もったいない」精神を蔑(ないがし)ろにする行為、事例は身近な暮らしから国の政策に至るまで日常茶飯事に発生している。船場吉兆を非難して、事足れり、と自己満足しているようでは、やがてわが身に災難となって降りかかってくるだろう。船場吉兆の廃業から学ぶべきことは何か。この機会に「もったいない」精神をどう生かすか、そのためにはどこにメスを入れたらよいのかを改めて考えてみる。(2008/06/07)


    マレーシアの「成功」は偽り アジアでも飛び抜けた経済格差 アンワル元首相が与党政策を批判
      【クアラルンプール5日=和田等】50年以上におよぶ与党連合による政権が続いているマレーシアで、さる3月の総選挙の結果、与党連合・国民戦線が1969年の選挙以来初めて3分の2の多数を割り、与野党逆転による政権交代の可能性も出てきた。国民戦線の議員の引き抜きによる与野党逆転と首相就任をめざす野党陣営の実質的指導者、アンワル元副首相が5月下旬、シンガポールで開催されたCLSAコーポレート・アクセス・フォーラムで講演し、経済発展における第3世界の「成功モデル」とも称されるマレーシアについて、現実はアジアの中でも飛び抜けた経済格差が存在すると指摘、投資などの経済指標も不調であるとし、与党の政策を批判した。(2008/06/05)


    トルコ首相がクルド地区に大規模投資計画を発表 地元からは疑念の声も
     エルドアン・トルコ首相が、5月末、少数民族クルド人が多く住むトルコ南東部に60億ドル相当(約6300億円)の投資をすることを発表した。トルコからの分離・独立を望むクルド住民の動きをけん制し、欧州の中でも最も貧困度が高いと言われる南東部の生活水準を上げることを目指す。一方、来年早々にも行われる総選挙で与党・公正発展党(AKP)の得票を増やすための政治的動きと見る地元政治家は、この演説の場所に姿を見せることを一斉に拒否した。(ロンドン1日=小林恭子)(2008/06/01)

    ウェールズで若者が連続自殺 「自分のことを本当に分かってくれる人がいない苦しみ」 
     【ロンドン30日=小林恭子】英ウェールズ地方で、昨年1月から若者の自殺が連続発生している。地元警察の調べでは共通の自殺計画が背後にあったわけではなく、遺族らも「原因不明」としている。若者の自殺は自分と同様の境遇にいると感じる他の若者の自殺を触発する。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイトの会員だった若者も多く、「安らかに眠れ」とメッセージを送った後で、自分も自殺するケースもあった。英各紙の報道から現状と背景を追った。(2008/05/30)


    貧困大国 ― 日本とアメリカ その元凶は市場原理主義だ! 安原和雄
      一国の経済規模を示す国内総生産(GDP)でみると、アメリカが世界第1位、日本が第2位の経済大国である。日米両国はつい最近まで誇り高い経済大国であったはずだが、今や貧困大国という汚名を着せられる始末となっている。大国でありながら舞台が暗転した背景はなにか。「市場にまかせれば万事うまく事は運ぶ」という触れ込みで強行されたあの市場原理主義こそがその元凶というべきである。最近出版された著作 ― 湯浅 誠著『反貧困』(岩波新書、08年5月刊)、堤 未果著『ルポ 貧困大国アメリカ』(同、同年1月刊)― を手がかりに貧困大国・日米の実像に迫り、その対抗策を考える。(2008/05/23)


    オーストリア監禁事件 何故誰も察知できなかったのか?
     オーストリア北東部の人口2万3000人ほどの町アムシュテッテンで、実父が娘を24年間自宅地下に監禁し性的虐待を繰り返していた事件が、先月末、明るみに出た。欧州社会全体での衝撃は10日経った現在も、消えていない。2年前にも、ウイーン近辺で、少女がある男性に数年間監禁されていた事件があった。何故オーストリアではこのような事件が起きるのか?「この国の特異の事件ではない」という見方がある一方で、「家長的価値観を重んじる国、ナチの過去を持つために『見ない、言わない』が普通になった国」として、何らかの非を指摘する見方がある。英各紙の報道を中心に、監禁事件の経過を振り返りたい。(*便宜上、人物の敬称を略してあります。)(ロンドン5日=小林恭子)(2008/05/05)

    ワインに水道水比で2330倍の農薬 NGOの調査報告に仏ワイン業者が「安全」と反論
      チリ産のワインでは水道水の農薬最大含有許容量CMA(*)の5800倍、仏ボルドー産の特級ワインでも2330倍の農薬(殺虫剤)が検出された、と農薬使用に反対するNGO「PAN Europe」が欧州議会で発表した。これに対して、ブドウ酒製造農家側は、ブドウ栽培使用の農薬は最大許容量「LMR」を超えるものではなく消費者に危険はないと別の基準をあげて反論。両者の主張はかみ合っていないが、NGO側はこれを機に欧州議会でこれまで曖昧だったワインの農薬規制を強化するよう働きかけていこうとしている。(パリ=飛田正夫)(2008/04/27)


    チベット問題
    欧米や日本とは異なる中国の「信仰の自由」「政教分離」 寺田俊介(外交評論家)
      チベット問題における中国の対応(含む一般中国人の反応)を理解し、今後を展望するためには、中国の宗教政策そのものを理解する必要がある。その点について任杰氏の『中国共産党の宗教政策』と中国の憲法をみると、この国では基本的発想も実態面も、我々日本人が想像するものとは相当違うことがわかる。「信仰の自由」を認めながらも多くの制約つきである。「政教分離」も、欧米や日本はもとより共産主義時代のソ連やポーランドと比較しても、大きく異なる。私たちはまずこのことを改めて認識しておくべきである。(2008/04/17)

    根津教諭の「君が代」拒否
    免職なしは「勝利」と根津教諭 都教委の暴走食い止めた支援の人びとに感謝
      今春の卒業式で「君が代」の斉唱を拒否した公立学校教員20人に、東京都教育委員会は3月31日、懲戒処分を下した。免職が懸念されていた根津公子教諭(都立南大沢学園養護学校)は、昨年につづき停職6ヶ月となった。根津さんはこの決定を、免職を阻止しようと大勢の人たちが都教委や報道機関にはたらきかけてくれたことによる「勝利」と評価、支援者らに感謝の報告を行った。しかし不当処分であることには変わりなく、新学期からの停職期間中は新しい勤務校前に毎日「出勤」し、都教委のこれ以上の暴走を市民の力で食い止めていくように訴える。(ベリタ通信)(2008/04/04)


    誰が米国の大統領を選ぶのか 小口寄付中心のオバマ、利益団体依存のクリントンを圧倒
      今年11月に行われるアメリカ大統領選に先立ち、民主党の候補者選びが白熱している。候補者の一人、バラク・オバマは様々な意味で注目を集めているが、ロバート・パリーは「変革」を訴えるオバマがなぜ中傷されるのかを、アメリカ政府と政治献金との関係から説明している。(TUP速報)(2008/04/03)


    根津教諭の「君が代」拒否
    根津教諭に明日、免職を発令か 人間性を欠落させた石原都政の教育破壊の暴挙
      今春の卒業式で「君が代」斉唱に起立しなかった教員に対して、東京都教育委員会は31日、処分を発表する。昨年、停職6ヶ月の処分を受けた根津公子教諭(八王子市大沢学園養護学校)は、ついに免職を言い渡されるとみられている。石原都政による教育破壊を許すまいと、連日のように抗議行動をつづけてきた教員、市民、父兄の声を無視した暴挙である。卒業式当日などの模様を記した根津さんのレポートは、知事を頂点に都の行政者たちが、教育の原点である人間性をいかに欠落させているかを浮き彫りにする。このベリタのサイト右側にある「君が代解雇させない会」のホームページとあわせて読んでいただきたい。(ベリタ通信)(2008/03/30)


    チベット問題
    中国における「民族自決」 孫文以来の漢民族中心主義 チベット暴動への視点
      中国のチベット自治区ラサで14日、独立を求めるチベット仏教の僧侶や市民による大規模デモが起き、警官隊との衝突で多数の死傷者が出たと伝えられている。中国政府は、戒厳令が敷かれた1989年のラサ暴動と同様に武力鎮圧で収拾を図ると見られるが、独立を求める動きはチベットだけでなく新彊ウイグル地区でもくすぶっている。チベット問題、そして中国の民族自決について理解するには、横軸(違う国どおしの比較)、縦軸(時間的経緯)の両面で事実を整理し、正確に認識することが、今後の展開を展望する上でも非常に重要である。(寺田俊介)(2008/03/15)


    華人、インド人の離反が与党の大幅後退招く 厳しい舵取り迫られるマレーシアのアブドラ政権
      【クアラルンプール11日=和田等】マレーシアの与党連合・国民戦線は、8日の総選挙で長年守ってきた3分の2議席以上の多数を確保できなかったことを受け、10日、最高評議会を開き、アブドラ首相を引き続き支持していくことを確認した。首相は国王の前で首相再任の宣誓をおこない2期目の政権を担っていくことになったが、国民戦線の大幅後退の背景にはマレー人優遇策への華人、インド人の不満や物価高への国民の不安などが指摘され、躍進した野党との攻防できびしい舵取りを強いられそうだ。(2008/03/11)


    時事英語一口メモ
    【44】ヒラリー・クリントンの「台所の流し(キッチンシンク)戦略」
     "kitchen sink strategy”(台所の流し戦略)という言葉が米大統領選に関する英文記事に登場し始めた。民主党指名争いで窮地に追い込まれたヒラリー・クリントン陣営が発動した作戦だ。クリントンが3月4日に行われた予備選挙でテキサスとオハイオの重要な2州を制し、土壇場で踏みとどまったのは、この作戦が功を奏したためだと言われている。(鳥居英晴) (2008/03/10)


    サルコジ仏大統領が市民に「ばかやろう!」 ビデオで現場が流れ、閣僚ら大慌て
      フランスのサルコジ大統領が、市民に対して「ばかやろう、出て行け」と怒鳴りつける場面がビデオで流され、国民から「礼節を欠いている」との批判が巻き起こっている。大統領周辺の閣僚らはマスコミで大統領擁護の釈明に大わらわだが、大統領の暴言は今回が初めてではない。大統領の支持率低下に追い討ちをかけ、近く行われる地方選挙に影響がでるのではないかとの懸念も与党国民運動連合(UMP)には広がっている。(パリ=飛田正夫)(2008/03/06)


    時事英語一口メモ
    【43】米大統領選挙と「満洲の候補者」
    120  “Obama: not a Manchurian candidate”(ロサンゼルス・タイムズ紙、2007年12月3日)、“The Manchurian Conservative”(ニューヨーク・タイムズ紙、2月19日)。前者は米大統領選挙の民主党候補者オバマ、後者は共和党候補者マケインについての記事の見出しである。米大統領選挙とManchuria、満洲(中国東北部)とどのような関係があるのか?(鳥居英晴) (2008/03/03)


    強制連行韓国人の遺骨が62年ぶりに祖国へ 政府の対応遅れのなか市民団体が実現
    120   アジア太平洋戦争中に朝鮮半島から強制連行され、終戦直前に米軍の艦砲射撃の犠牲になるという二重の苦しみを背負った韓国人男性3人の遺骨が2月26日、北海道室蘭市の市民の手によって62年ぶりに韓国にに返還された。それに先立ち、同市内の光照寺で追悼法要が行われ、遺骨返還を実現した市民団体や在日韓国人の参列者らは、「遺骨問題への日本政府の対応が遅れるなかで、市民レベルで問題の解決ができた。これを機に、二度と悲劇を繰り返さないよう、両国民衆間の和解をさらに進めたい」と述べた。(木村嘉代子)(2008/03/01)

    農と食
    米国でBSEの可能性がある”へたり牛”が学校昼食に 日本向け牛肉は大丈夫か、米国内にも疑問の声
      歩くことができない「へたり牛」はBSE罹患の可能性が高いとして米国でも食用から除外することになっている。しかし、カリフォルニア州のと畜場でフォークリフトや電気ショックでへたり牛を無理やり立たせて食用にまわしていたことが隠し撮りされたビデオから発覚、米国農務省(USDA)は6万5000トンの牛肉をリコールした。日本政府はこの施設が対日輸出認定施設ではないので、こうした牛肉は日本に輸入されていないと断言するが、本当に大丈夫なのか。米国の市民団体はどこのと畜場もそれほど変わらない、と指摘している。(上林裕子)(2008/02/28)


    自衛隊は生命、財産を守るのか イージス艦「あたご」の廃艦を 安原和雄
      海上自衛隊のイージス艦が漁船に衝突し、漁師の父子2人が行方不明になった事件は大きな波紋が広がっている。父子は行方不明のままで地元の漁協など関係者は2月25日捜索を打ち切らざるを得なくなった。この機会に自衛隊は本当に「国民の生命と財産を守ること」を任務としているのか、を考えたい。さらに衝突事件を起こしたイージス艦「あたご」の防衛上の役割は何か。「あたご」は必要な兵器なのか。廃艦にすべし、という説も飛び出していることを紹介したい。(2008/02/28)


    朝鮮人強制連行犠牲者の遺骨返還へ 市民団体が尽力
    120  戦時中、石炭鉱業の労働者不足を補うために朝鮮人が日本に強制連行され、北海道の炭坑などで就労させられた。過酷な労働と粗末な食事などで多くの命が奪われ、数知れない遺骨が祖国に戻ることなく、日本国内に眠っている。2月26日には、道内に安置されていた5体の遺骨が、市民団体の尽力で遺族のもとへ返還されることになった。出発を控えた2月16日、北海道・赤平市内の宝性寺で、趙龍文(チョ・ヨンムン)さんの追悼法要が営まれた。趙さんの遺骨は、62年ぶりに祖国の遺族のもとに戻る。(木村嘉代子)(2008/02/25)


    北京五輪控え、イメージ低下に直面する中国  米世論調査で「好ましくない」が87%に
      【クアラルンプール21日=和田等】北京オリンピック(五輪)を控えて中国が国際的な威信やイメージを高めようと躍起になっている。しかし、現実には逆のことが起こっているようだ。日本では、殺虫剤が混入した中国製ギョーザによる中毒事件で、中国(製品)のイメージががた落ちになったのがその一例だ。この一件に限らず、各国での調査で中国へのイメージが悪化、米国では中国の現状を「好ましくない」という見ている人が87%に達している。(2008/02/21)


  • 不正受注疑惑受け、比政府がODA事業11件を凍結


  • 利休の「簡素の精神」を生かす時 グローバル化時代と日本文化 安原和雄    
      昨今のグローバル(世界)化の流れの推進者の一翼を担うのか、それとは異質の新しい流れをつくっていくのか、大きな分岐点に立たされている。前者は国境を越えた世界的な市場原理を進める米国主導の新自由主義路線を意味する。この貪欲な路線に抗して、もうひとつの道として日本文化のシンボルともいうべき茶の湯の創始者、千利休の「簡素の精神」を据え直してみてはどうだろうか。最近読んで刺激を受けた著作として、樫崎櫻舟著『利休ゆかりの茶室 獨楽庵物語』(講談社、07年刊)を挙げたい。著者は最終章で「地球時代(グローバル)の茶の湯」というテーマで問題提起をしている点に注目したい。(2008/02/09)


    検証・メディア
    イラク戦争反対のクーシニッチ候補は無視 米国メディアの大統領選報道
      先頃から、米国での宗教の政治への介入および政治の企業への屈服を問題にしてきた(日刊ベリタ:2007.04.29,07.05.27,07.09.12,07.12.08,07.12.13,2008.01.05)。もう一つ選挙戦では、マスメデイアの役割は甚大である。残念なことには、現在におけるアメリカ大統領候補の大部分は、アメリカの直面する問題を解決する方策も持ち合わせないし、その意志力もない。例外は一人、心ある人々は彼を支持するが、大多数は彼の存在すら知らない─というのは、主流のメデイアは彼を無視しているからである。(バンクーバー=落合栄一郎)(2008/01/26)


    山は泣いている
    17・毛勝三山縦走記 名山から外れた「不遇な山」こそ自然には幸運 山川陽一
    120   生涯のうちにどうしても登らなければならないと心にきめている山がある。わたしにとってそんな山のひとつが毛勝三山であった。わたしが最初にこの山をまじかに見たのは、学生時代、雪の剣岳早月尾根を登ったときである。なんの変哲もないこの地味な山塊が、なぜか心から離れなくなってしまったのだが、わたしの山仲間達の間でも気にかかる山として評価が高いことを考え併せると、毛勝山には何かしら登山家達の心を引き付ける魔力が宿っているのだろうか。(2008/01/19)


    日本国という宗教 生きる拠り所を見失う人びとへの再布教の危険性 落合栄一郎
      日本と周辺国との歴史には、近代以前は、元帝国(モンゴール)による2回にわたる日本侵攻の試みがあり、戦国時代後半秀吉が明帝国攻略を意図して朝鮮へ2回にわたり出兵したなどがあったが、古代には、中国、朝鮮との交流は盛んであり、特に日本による彼の地の文化/文明の摂取は日本の歴史形成に大きく貢献した。すなわち、秀吉の試みを除けば、江戸時代末まで、周辺国とはかなり友好的な関係が保たれたようである。中国は、その中華思想に基づいて、日本を遇していたとしてもであるが。しかし、明治維新以来日本は周辺国への侵略者になってしまった。(2008/01/10)


    労働問題
    米国初100万人メーデーデモ支えた移民労働者 高揚する米労働運動 ケント・ウォン(カリフォルニア大学ロサンゼルス校労働研究教育センター)
    120   ピラミッドの頂点をなす富裕層への富の集中が進み、街頭に放り出される労働者が溢れる米国で2006年、全米で数百万人の労働者がメーデーデモに参加した。ロサンゼンルスでは、100万人が街頭を埋め、米国史上、初めての出来事となった。疲労と貧困で苦しむ人たちが自由を求めて参加した舞台裏には、米国経済を縁の下で支えてきた移民労働者の存在があったのだと30年にわたって米国の移民労働者の組織化に取り組んできたケント・ウォンさんは指摘する。なぜ、100年前の急進的な抗議活動が嘘のように鎮まり返った米国の労働運動がいま、高揚しているのか。米大統領選の行方まで左右しだしたという米労働運動の最新事情をウォンさんに語っていただいた。(『労働情報』特約)(2008/01/09)

    ダイアナ元妃死亡事故に衝撃の新説 「標的はドディ・アルファイドだ」 おとり暗殺作戦の狙いとは
    120   11年前のパリ・アルマ橋でのダイアナ元英王妃と恋人ドディ・アルファイドの死因に、注目の新説を展開する仏人ジャーナリストがいる。世界のマスメディアがダイアナ妃がアルファイドの子どもを妊娠していたために英国政府によって謀殺されたとの通説に飛びつき、テレビ各社がパパラッチとなって追いかけたことは記憶に新しい。ところが「レディは死んだ(Lady died)」の筆者としても知られるフランスの映画監督フランシス・ジレリーが展開する新説が今、大きな波紋を呼んでいる。そこには隠されたタブーが存在していたのだ。(山上郁海)(2008/01/04)


    検証・メディア
    08年元旦「社説」を読んで 地球益を共有、実践する年に 安原和雄
      大手メディアの元旦社説を読んだ。今年の大きな課題は何かを発見するためである。主張、意見が多様で共通項はないようにも見えるが、あえて「地球益」というキーワードを引き出した。日本が議長役を務める洞爺湖サミット(08年7月)の主要テーマは地球温暖化防止である。その成否に人類存亡の命運がかかっていると言っても誇張ではないだろう。地球益を共有し、実践を開始する08年としなければならない。(2008/01/02)


    グアンタナモ米軍基地「テロ容疑者」拘束から6年─消えない汚名
      1月11日、キューバにあるグアンタナモ米軍基地収容所は、最初の「テロ容疑者」が到着してから6周年目を迎える。これまでに、アフガニスタンやパキスタンで米軍に拘束されたイスラム教原理主義勢力タリバンの兵士や国際テロ組織アルカイダのメンバーとされる人々数百人が収容所に送られてきた。米政権は昨年、拘束者に対する虐待などで国際的に批判を浴びた収容所を将来的に閉鎖すると発表したが、例え自国に帰国でき、無罪釈放となっても、元拘束者たちは数年間に渡る拘束が引き起こした心身の荒廃の後遺症に悩む。英国に戻った拘束者たちの証言と社会の受け止め方のここ2−3年の変化に注目した。(日刊ベリタ・ロンドン=小林恭子)(2008/01/02)


    台頭するローカリゼーション 経済グローバル化への果たし状 安原和雄
      ローカリゼーション(地域第一主義)という名の新しい挑戦が日本を含めて世界中で台頭し、広がりつつある。これは経済のグローバル化(世界化)への対抗軸として、グローバル化が生み出す弊害を克服するために市民たちが突きつけた果たし状ともいえる。ローカリゼーションが目指すものは何か。その実践はどこまで進んでいるのか。リーダー役を果たしている2人の女性活動家の見方、主張、実践を追った。これは「世界を壊していくグローバル化」(07年12月13日掲載)の続編である。(2007/12/21)


    歴史を検証する
    英議員「欧州議会の慰安婦決議は、日本への大きな期待を反映する」、「日本たたきではない」
    120 (2007/12/21)


    二極化社会を問う
    野宿者への暴力や軽視の姿勢を警告 救援活動続ける生田武志さんに聞く
    120   今年9月、大阪・西成区で入院していた全盲の63歳の男性患者が、病院職員によって公園に置き去りにされるという事件があった。その男性は入院費の支払いを約2年半前から滞り、病院がもてあましていた。20年以上、釜ヶ崎で野宿者(ホームレス)の救援活動をしてきた生田武志さん(43)はそのニュースに驚かなかった。起こりうることが起きたからだ。今後、毎月一度現地ルポを「日刊ベリタ」に寄稿することになった生田さんに、野宿者問題の現状を尋ねた。(李隆)(2007/12/19)


    「米国は自国の人権問題を忘れるな」 デモ指導者逮捕への批判にマレーシアが反論
      マハティール前首相時代によく見られた、人権をめぐるマレーシアと米国の非難の応酬が久しぶりに再燃した。発端は、インド系マレーシア人の集会・デモでリーダー5人が逮捕された事件。米国がマレーシアに5人の権利尊重を求めたのに対して、マレーシアは「米国は他国のことより自国の足元を見るべき。グアンタナモに拘留されている人たちの権利はどうなっているのか」と応酬している。(クアラルンプール・和田等)(2007/12/17)


    天笠啓祐著『バイオ燃料 畑でつくるエネルギー』  多国籍企業が食料もエネルギーも支配する      
    120  トウモロコシやサトウキビ、大豆、パームやしなどの植物を原料に作るバイオ燃料。地球温暖化の切り札として注目されるがはたして本当にエコなのか。問題があるとするなら、それは何か。科学ジャーナリストの天笠啓祐氏が『バイオ燃料 畑でつくるエネルギー』をコモンズから出した。市民のためのバイオ燃料に関する入門書として編まれた本書は、丁寧にデータを追いながらブームの本質に迫る。(上林裕子)(2007/12/16)

  • 麻薬密売首謀者のクウェート首長一族に絞首刑判決


  • 世界を壊していくグローバル化 ノーバーグ=ホッジさんの講演から 安原和雄
      米ブッシュ政権主導のグローバリゼーション=グローバル化(世界化)が地球規模で猛威を振るっている。一方、その弊害も顕著になりつつあり、「世界を壊す」という形容も決して誇張ではない。その多様な弊害の実相を今こそ見きわめることが必要である。反グローバリゼーションの旗を掲げ続けている女性活動家の見方、主張を手がかりに考える。女性活動家、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさん(注)を招いて行われた講演会での話(要旨)を紹介しよう。(2007/12/13)


    アメリカの帝国主義的心情と戦争意識(下) 落合栄一郎(バンクーバー九条の会)
      現在アメリカ合衆国はこの地球上の唯一のスーパーパワーである。そして良い意味でも悪い意味でもアメリカの動向は世界を動かす。2001年9月11日の事件以来、特にテロとの対決という半永久的戦争に世界を巻き込んでいる。特に、日本の現政権はその影響を非常に強く受けているし、アメリカとの絆を更に強めつつある。この時にあたり、アメリカの本質的なものを再検討することは重要であると思われる。後半は、キリスト教原理主義、「9・11」テロ、民主主義の現状などを検討し、人類の将来とアメリカについて考えてみたい。(2007/12/13)

    常備軍は廃止されるべきだ! カントの平和論を今読み解く  安原和雄
      ドイツの哲学者、カントの著作『永遠平和のために』が話題を呼んでいる。同著作の主眼は常備軍の廃止を唱えたことにある。210年余も前の先見性に富んだカントの平和論を手がかりに、戦乱と破壊の絶えない21世紀の今を読み解くと、みえてくるものは何か。それは今こそ常備軍廃止論を生かすときであり、「永遠平和は人類の使命」(カントの言葉)という認識を共有することである。(2007/12/06)


    検証・メディア
    「幻の大連立」と報道責任 旧態依然…政党政治の貧困 池田龍夫(ジャーナリスト)
      狃飴欧佑犬豺餡餃瓩慮充造蓮■祁郢憶〜挙の結果であって、民意に基づいて公正な政治運営を図るのが憲政の常道だが、絶対多数に慣れきった政府与党の相次ぐ不手際が混乱に拍車をかけてしまった。今回犖賢瓩暴わった「自・民両党大連立」の顛末を検証して、旧態依然たる日本政治の実態に慄然とさせられるとともに、一部報道機関の思い上がった牘杆行為瓩鮓靴靴指弾せざるを得ない。福田・小沢両党党首会談の経過を踏まえたうえで報道機関の責任に絞って検証し、問題点を指摘したい。(2007/12/01)


    兵器の価格・原価を公開しよう 防衛利権の巨悪一掃のために 安原和雄
      東京地検特捜部は07年11月28日、前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(63)と妻の幸子容疑者を収賄容疑で逮捕した。これを機に防衛利権をめぐる巨悪にどこまで検察のメスが入るかが注目されるが、巨悪を一掃するためには、この際兵器など装備品の調達価格とその原価を公開するシステムをつくることを求めたい。これによって防衛利権が肥大化していくのを防ぐ有力な歯止めができるのではないかと考える。(2007/11/29)

    イスラエル/パレスチナ
    卑劣な値切り屋のイスラエルと和平交渉する部外者のアラブ人 バーレンの元大臣が批判
      27日に米国で開かれる中東和平会議は、成功の見通しが皆無でありながら、米国の圧力で最初は渋っていたエジプトやサウジアラビアなどの穏健派アラブ諸国も参加する流れになっている。これらの国々の使節団は、真の当事者であるパレスチナ人の声を考慮せず、彼らのご主人様であるシオニストたちと勝手に交渉している、と痛罵するバーレンの元教育、保健相のアリー・ムハンマド・ファハルー氏の評論をアルクドゥス・アルアラビーが掲載した。「忌まわしいイスラエルの小噺が醜い現実になった」と題し、相手の意思を確かめ原則で妥結してから、おもむろに値切り始めるというイスラエルの交渉術に乗せられるアラブ人を揶揄している。(齊藤力二朗)(2007/11/24)


    イスラエルがホロコースト生還者支援見直し 「捨て置かれた」と批判受け 差別、貧困めぐりなお火種
    120   今年4月からイスラエル内を揺るがせていたホロコースト生還者への生活保障問題が10月中旬、政府の政策変更でようやく生還者団体との間で一応の決着をみたが、いまだに火種はくすぶっている。「ホロコーストを2度と繰り返さない」と常に強調し、建国の正当性を生還者の存在に一部依拠するイスラエルだが、同国に住む生還者の3分の1が貧困ライン以下の生活を強いられているのが実態で、オルメルト首相も「国の歴史上、ホロコーストで命を落とした人々に注ぐほどの関心と予算を生還者には注いでこなかった」と合意内容発表の記者会見で認めた。(エルサレム=桐島けい)(2007/11/21)


    高速増殖炉スーパーフェニックス撤退の真相―ノエル・マメールさん(フランス下院議員)の講演からー  伴英幸
      2007年10月9日、フランス・緑の党に所属する下院議員(目本の衆議院議員にあたる)、ノエル・マメールさんを東京・千駄ケ谷区民会館に招いて、フランスの高速増殖炉スーパーフェニックスが廃止になった経緯などを伺いました。この時期にマメールさんを招いたのは、1995年に事故を起こして止まっている高速増殖炉「もんじゅ」が、08年10月にも運転を再開する予定だからです。以下、マメールさんの話の概要です。(『消費者リポート』特約)(2007/11/15)


    同性愛カップルにも養子縁組の権利を 選択できないものほど差別すべきでない 仏・緑の党に聞く
       ニコラ・サルコジ大統領は選挙公約で同性カップルの権利を保障するため、イギリスで導入されている「シビル・ユニオン制度」を実現すると公約した。この制度は結婚制度とは名前は異なるが、同性カップルに結婚とまったく変わらない権利・社会的保障を与える制度だが、現在のところ、サルコジ氏は公約を実現しようとする気配は見られない。フランスの緑の党は公約を実現し、同性カップルの結婚を合法化すべきだと政権に迫っている。同党前党首のヤン・ヴェーリングさんにこの問題をめぐるフランスの状況を聞いた。(及川健二)(2007/11/15)


  • ▼【海外新聞論調】極貧の12歳の比少女が自殺


  • リバーベンド日記
    私たちはみんな難民に、私は突然ただの番号になってしまった
      シリアに逃れたイラクの人々は150万人にのぼると言われている。住み慣れた故国を離れ、リバーベンド一家も国外での新しい暮らしがはじまったようだ。しかしそれは安定とは程遠く、シリアでの滞在許可を一ヶ月のばせるか、2ヶ月のばせるか…、行く当てのない不安と葛藤の日々を過ごしている。(TUP速報)(2007/10/27)


    中東
    米軍が愛国抵抗勢力の分裂を画策 スンナ派主体の「覚醒部隊」を支援し
      イラク抵抗勢力は、愛国抵抗勢力、イラク・イスラム国家(アルカーイダ系過激スンナ派抵抗勢力)、傀儡系(偽装)抵抗勢力に大別される。米軍はイラクで泥沼に陥り、敗北は必至だとの報告を多く見かけるが、対米武装闘争を続けるイラク抵抗勢力は、米軍が金に糸目を付けずにスンナ派部族を主体に設立した「覚醒部隊」による巧妙な分断政策が奏功し、分裂、内部闘争状態に陥っているようだ。16日付のイラーキ・リーグがインタビューしたスンナ派住民の証言がその間の事情を鮮明に物語っている。(齊藤力二朗)(2007/10/25)


    正しい「もったいない」精神を 老舗「赤福」の不祥事に考える 安原和雄
      企業の不祥事が相次いでいる。最近耳目を集めたのは、創業300年の歴史を誇る餅菓子の老舗「赤福」(本社・三重県伊勢市)が売れ残り商品の製造日偽装問題で本社工場の無期限営業禁止処分(07年10月19日)となった不祥事である。回収品の再使用などのルール違反をつづけていたもので、社長は「もったいない」をその理由に挙げている。しかしこれは「もったいない」精神の無理解のうえに立った誤用である。本来の正しい「もったいない」精神は、どういう意味かを改めて考えさせる不祥事といえよう。(2007/10/21)


    長井氏の「偶然」の死で両国の友好関係を損なってはならない ビルマ国営紙が長文の記事
      ビルマ(ミャンマー)の反軍政デモを取材中の映像ジャーナリスト、長井健司さんが治安部隊に射殺された事件を、同国のメディアはどのように伝えているのだろうか。国営紙「チェーモン(ミラー)」は13日、2ページにわたる長文の記事を掲載し、長井さんの「偶然」の死に遺憾を表するとともに、虚偽の事実によって「日本−ミャンマー間の友好関係を壊そう、支援を削減させよう、制裁を加えさせようという行い」をすべきではない、と主張している。記事はまた、第二次大戦中の日本軍占領下で起きた日本の残忍な所業に対して、戦後、ビルマ国民が寛容な対応をしめしたことを忘れてはならないと釘を刺している。(ベリタ通信)(2007/10/18)


    朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
    朝鮮半島情勢の進展は500年にわたる西欧支配史の分岐点 ノーム・チョムスキー教授にインタビュー
    120   世界的な碩学であり、「米国の良心」として尊敬されている米マサチューセッツ大(MIT)のノーム・チョムスキー教授が第2回南北首脳会談と最近の朝鮮半島情勢について口を開いた。インタビューが行われたのは第2回南北首脳会談の宣言が発表された直後の10月4日。インタビュアーは現在、朝鮮問題の専門家として中国社会科学院で客員教授として活動している鄭己烈(チョン・ギヨル)博士(哲学)だ。鄭教授はボストンのMIT研究室とキャンパスで行われたチョムスキー教授との対話のうち、南北首脳会談に関する部分を整理し、プレシアンに送ってくれた。(プレシアン特約)(2007/10/18)

    <書評>日本国際ボランティアセンター編『軍が平和をつくるんだって? アフガニスタンで起こっていること』  評者・小倉利丸
    120   11月1日で期限が切れる「テロ対策特別措置法」の延長問題が国会の争点になっている。しかし、「対テロ戦争」という戦争の実態はいっこうに明らかにされないまま、「国際社会での責任」という言葉だけが一人歩きしているのが実情だ。そんななか、アフガニスタンで人道支援の活動をしているNGO「日本国際ボランティアセンター」(JVC)が、アフガニスタンで行われている対テロ戦争の実態とその欺瞞性をつくブックレットを発行した。(2007/10/15)


    イスラエル/パレスチナ
    エジプトとの交易に秘密地下道続々完成 経済封鎖下のガザでマフィアが運営
      6月にパレスチナのハマースがファタハ勢力を駆逐しガザ地区を制圧して以来、エジプトへの出口であるラファハ国境検問所が封鎖され、人と物資の移動が激減し、物価が急騰した。そこで住民の手で多くの小さなトンネルが国境を挟んで地下に掘られている。崩落事故も多く危険な作業だが、住民は生活のためには何もいとわない。8日付のミドルイースト・オンラインが報じた。(斉藤力二朗)(2007/10/10)


    外資も敵わぬ「おもてなしの心」 TVドラマ『どんど晴れ』を観て  安原和雄
      先週末(9月29日)まで半年続いたNHK・朝のテレビドラマ『どんど晴れ』は、乗っ取りを図る外資とその標的になった老舗旅館との抗争を描いた物語で、興味深く観ました。乗っ取りは失敗に終わり、それは老舗旅館の「おもてなしの心」にはついに敵(かな)わなかったという筋書きとなっています。昨今、米国主導のグローバル化の波に乗って利益追求を第一とする自由市場原理主義が猛威を振るっていますが、それに対抗して「日本のアイデンティティ」をどう主張していくかが論議を呼び始めています。このドラマは、そういう論議に向けて有力な視点を示唆していると評価できるのではないでしょうか。(2007/10/01)


    山は泣いている
    3・軽井沢からサクラソウが消えていく 山川陽一
    120   2006年春、友人と軽井沢にサクラソウの群生地を訪ねたときのことである。「以前、軽井沢では、サクラソウはどこでも見ることができるありきたりの野の花だったのですが、今では、ゴルフ場や別荘地の開発でみんな消えてしまい、特定の場所にしか見ることができない貴重な植物になってしまいました。踏み荒らしや盗掘の対象になるので、積極的に自生地を紹介するのも気が進まないのです。」そんな話をしながら、群生地に案内してくれたのは、自生のサクラソウの保存に努力している軽井沢サクラソウ会議の女性だった。(2007/09/27)


    根津教諭の「君が代」拒否
    <停職6ヶ月「出勤」日記・18>「処分より対話を!」都教委に求める行動に参加ください
      9月19日(水) 南大沢学園養護学校に。今朝は、近藤さんとTさんの方が私よりも先にいらしていた。やや遅れてSuさんが見え、みんなで生徒の登校を迎えた。生徒たちの登校が終わった頃、西八王子から10km走ってMさんが、国分寺からは若い3人の女性が、そしていつものSさん、Mさんと、総勢9人がいらした。今日は暑くもなく、いい天気だったからか、外での授業が多く、子どもたちが次々に外に出て行った。私だけでなく、皆それぞれが子どもたちに声をかけ、にっこりする時間を楽しませてもらった。訪問者の半数はもう、お馴染みの人たちになりつつある。(2007/09/25)


    安倍政権を検証する
    給油継続に執着するのは愚策 行き詰まり深まる安倍政権  安原和雄
      臨時国会(9月10日召集)最大の焦点は、インド洋で米軍中心の多国籍軍に対し、海上自衛隊が現在実施中の給油を今後も継続するための法的措置をとれるかどうかである。安倍政権は現行のテロ対策特措法(11月1日で期限切れ)の延長策よりも、新法の成立によって、給油継続を図る考えと伝えられるが、参院で第1党になった民主党は給油継続そのものに反対している。肝心の米軍主導の対テロ戦争はかえってテロの拡大を招き、対テロ戦争としては失敗に終わっている。そういう対テロ戦争を後方支援するための給油を継続する理由はないだろう。継続にこだわるのは愚策というべきであり、参院選での自民党の惨敗以降、いよいよ行き詰まりが深まる安倍政権―という印象が広がるばかりである。(この記事を掲載してから約2時間半後の12日午後2時から安倍首相は緊急記者会見を行い、辞任の意思を表明した)(2007/09/12)


    山は泣いている
    1・上高地にみる自然と人工 山川陽一
    120   日本は、四囲を青い海に囲まれ、内陸の70%が緑の山や森に覆われています。そんな恵まれた自然環境の中に生まれ育ってきたわたしたち日本人が、なぜ自分たちの大事な財産を粗末にしてしまうのでしょうか。長年山歩きをしてきて、あの美しい山や峪がつぎつぎに壊されていく現実を目の当たりにしながら、今まで外部に向けて積極的に発言してこなかった自分が情けなかった。遅まきながら小さな一石を投じよう、小さな一石が波紋を広げて世の中を変えるきっかけになるかもしれない、自省から出発した思いが強くわたしを突き動かしました。(2007/09/10)


    静かに状況を突き抜ける『夕凪の街桜の国』 映画を見、原作を読んで つるたまさひで
    120   素直にいい映画だと思う。例え、文部省特選でも、大嫌いな東京都知事が推奨していても、ナショナルなものへ回収される危険があっても、それでもいい映画だと思う。けっこう泣いた。みんな泣いていた(ように見えた)。(2007/09/05)


    大胆な夢を現実に マスメディアが伝えない南の人びとの様々な社会変革運動
      さまざまな理不尽な出来事にもまれ、物質的には非常に欠乏した状況に置かれた南の国々の人々。通常マスメディアが伝えるそんな彼らの姿は、幸せで楽しいものというよりは、苦しくて厳しいものと感じることが多いのではないだろうか。しかしマスメディアが取り上げない部分で、彼らは精一杯働きながら懸命に生活し、さまざまな困難に機敏に対処し、理不尽な出来事や問題に対して素晴らしいアイデアで果敢に立ち向かっている。そんなたくましさの中に、未来を信じる豊かで希望にあふれた心を持つ人々とその生き方を紹介する。(ニュー・インターナショナリスト=ディンヤル・ゴドレジ)(2007/09/05)


    隅々から伝わる「生きる情熱」 仏のパリ市長ドラノエ氏の自叙伝 
    120  フランスのパリ市長ベルトラン・ドラノエ氏の著作がこのほど、「リベルテに生きる パリ市長ドラノエ自叙伝」として邦訳され出版された。同氏は上院議員時代に自ら同性愛者であることを公表し、2001年に保守系の市長を破り、パリ市長に当選した異色の人物。出版を契機にドラノエ氏の思想、人となりに迫ってみた。(及川健二)(2007/09/03)


    検証・メディア
    自由主義の神話を糾弾する 言論のバスティーユ監獄を襲撃する時 ジョン・ピルジャー監督
      「自由民主主義は企業独裁主義へと移行しています。この歴史的な転換期に、メディアはその仮面に使われることを拒否しなければなりません。逆にそのこと自体を人々の緊急問題として取り上げ、直接行動を促す必要があります」。こう語るのはジョン・ピルジャー。「偉大な告発者トマス・ペインは、大衆の大多数が真実や真実のアイデアを拒否された時こそ、言論のバスティーユ監獄を襲撃する時だと警告しました。今がその時なのです」。著名なオーストラリアの映画監督、そして不正暴露ジャーナリストであるピルジャー氏の最近の講演を、1時間にわたってお届けします。(TUP速報)(2007/09/01)


    イスラエル/パレスチナ
    <1967年戦争・占領40年を問う・4>民主主義こそが平和の前提条件 バルグーティー医師
    120   チェックポイントや壁の影響で子どもを含む大勢のパレスチナ人が医療機関にたどり着けずに命を失い、貧困や援助の停止も相まって貧血や栄養失調が蔓延、必要な薬も手に入らないと、ラマラを拠点に医療NGOを組織するムスタファ・バルグーティー医師は顔を曇らせる。マドリッドでの中東和平二国間交渉パレスチナ代表団の一員でもあった同医師はオスロ合意やPLOが抱える問題にも批判的だ。「双方の民衆によって受け入れられた合意のみが持続する」と、民主主義を平和のための前提条件とするバルグーティー医師は2002年には「ナショナル・イニシアティブ(民主化のための連合)」も立ち上げ、精力的に活動を続けている。(ラマラ=桐島けい)(2007/08/28)

    現代の“歌姫”中村 中 アルバム「天までとどけ」から伝わる心の叫び
      “歌姫”をラテン語ではディーヴァ(diva)という。ディーヴァには元々、女神という意味もあった。10代、20代の間でカリスマ的人気を誇るシンガーソングライター・中村 中(ナカムラ アタル)さんは現代日本に現れた“歌姫”だ。現在22歳の中村さんはとてもスレンダーで、茶色の髪を肩にかかるくらいまで伸ばしている。“女神”と呼ぶに相応しい幻想的で不思議なオーラを全身から発している。彼女のファースト・アルバム「天までとどけ」を私は最近、入手した。(及川健二)(2007/08/25)


    イスラエル/パレスチナ
    <1967年戦争・占領40年を問う・3>ホロコーストを悪用した教育は誤り ペレド−エルハナン博士
    120   国際社会のたび重なる批判にもかかわらず、イスラエルがパレスチナ人への迫害と攻撃を止めなのはなぜなのか。この疑問に対してヘブライ大学言語教育学講師のヌリット・ペレド−エルハナン博士は、ホロコーストを悪用した人種主義的な教育制度が原因だと答える。「パレスチナの土地すべてが神からユダヤ人に与えられたもの、との『大イスラエル』教育に加え、国民は子どものころから非ユダヤ人への恐怖感を植え付けられ、状況を正常に判断できぬよう心と頭を麻痺させている」という。同博士は娘をパレスチナ人の自爆攻撃で失ったが、こうした価値観に基いた自国の占領政策を変えない限りイスラエル人とパレスチナ人双方の犠牲はなくならないと平和活動を続け、2001年には欧州議会から人権と言論の自由のためのサハロフ賞を受賞している。(エルサレム=桐島けい)(2007/08/23)

    朝鮮半島地殻変動 南北首脳会談
    【韓国識者連続インタビュー】(1)南北首脳会談は6カ国協議プロセスに弾み 李洙勲・北東アジア時代委員会委員長
    120   8月末の開催で韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が合意していた南北首脳会談は、北朝鮮側が豪雨による水害被害を理由に10月初旬への延期を韓国側に申し入れ、日程が急遽変更された。これによって韓国では今年末に予定される韓国大統領選への微妙な影響も指摘されているが、会談自体は問題なく実施される見通しだ。では、2回目となる南北首脳会談が朝鮮半島情勢、さらには北東アジア情勢にどのような影響を及ぼすのか。南北の首脳は何を狙い、会談では何が話し合われるのか。韓国のインターネットメディア「プレシアン」は、会談の帰趨に影響を持つ韓国要人への連続インタビューを掲載している。今回紹介するのは、韓国大統領の諮問委員会であり、韓国の対北朝鮮政策や北東アジア外交に影響力を持つ「北東アジア時代委員会」の委員長を務める李洙勲(イ・スフン)氏だ。(日刊ベリタ編集部)(2007/08/20)

  • 銀行口座に身に覚えのない8億円が入金 銀行も誤り認めず裁判沙汰に


  • 安倍政権を検証する
    たるみきった自民党の組織 参院選惨敗後の党機関紙『自由民主』に投票前の記事が!?
      自民党が惨敗した、あの参院選が終わってから1週間ほどの8月4日(土)、日本記者クラブ(東京都千代田区)で開かれた新聞、テレビのジャーナリストたちの会合「テーマは〈参院選報道とこれから〉」に出席した。その折に同記者クラブで自民党機関紙『自由民主』(7月31日付=毎週火曜日、自民党本部発行)と民主党機関紙『民主』(8月3日付=第1・第3金曜日、民主党プレス民主編集部発行)を入手した。まず投票日から2日後の日付である『自由民主』を広げてみた。自民党の惨敗をどのように総括しているかに関心があったからである。(安原和雄)(2007/08/07)


    安倍政権を検証する
    愕然とする「久間暴言」のズサンな歴史認識 63年目の原爆忌を前に 池田龍夫
      人類最大の悲劇から63年目の原爆忌。その寸前、「敬虔な祈り」に冷や水を浴びせる暴言が政府要人から飛び出してテンヤワンヤの騒ぎになった。暴言の主が、国の安全・防衛を司る防衛大臣だったことに愕然とさせられたが、この暴言の背後に安倍晋三政権の危険な体質が潜んでいる。参議院選挙(7月29日)で、与党・自民党は大敗北を喫して右往左往しているが、年金問題・格差問題の不手際だけでなく、「戦後レジームからの脱却」を声高に叫んだ安倍政権への鉄槌であった。安倍首相や久間防衛相ら各閣僚の歴史認識の欠如は余りにも嘆かわしい。(2007/08/01)


    遺伝子組み換え/ゲノム編集
    遺伝子組み換え技術と石油資材が支えるバイオ燃料生産 「環境に優しい」は真っ赤なウソ 天笠啓祐
      バイオ燃料生産のおかげで食料をはじめとする諸物価が上がるなどの負の側面が次第に明らかになり、政府が鳴り物入りで進めるバイオ燃料に対する疑問が広がっている。しかし事態はもっと深刻だと科学ジャーナリストの天笠啓祐さんは指摘する。バイオ燃料の原料となる作物を育てるのはやはり石油資材でありで、しかも生産効率を上げるために遺伝子組み換え技術が大々的に導入されているというのである。バイオ燃料は地球の生態系さえも壊す恐れが出てきたのだ。(「消費者リポート」特約)(2007/08/01)


    9・11の真実が見えなければ、対テロ戦争は理解できない アロン・ルーソ
      歌手ベット・ミドラーやマンハッタン・トランスファーのマネージャーを務め、映画のプロデューサーとしてはミドラー主演の『ローズ(The Rose)』やエディー・マーフィー主演の『大逆転(Trading Places)』を手がけ、アカデミー賞ノミネートをはじめ数々の賞に輝いたアロン・ルーソ(Aaron Russo)がプリズン・プラネットのアレックス・ジョーンズに“友人”ニック・ロックフェラーとの会話内容を語ったインタビューの一部がネット上で公開されています。彼はその中で、9・11やウーマン・リブについてのロックフェラーの興味深い発言を紹介しています。(TUP速報)(2007/07/22)


    マイケル・ムーア監督が語る新作「Sicko」制作の背景
      アメリカ国民の税金を湯水のように使ってイラク戦争を続行するブッシュ政権。世界一裕福なアメリカですが、先進国では世界で唯一国民健康保険制度がありません。6月下旬にマイケル・ムーアによるドキュメンタリー映画「Sicko(病人)」が初公開され、福祉制度の破綻に苦しむアメリカ庶民の実情が赤裸々に暴露されました。またもや全米に大旋風を巻き起こしているマイケル・ムーアに「デモクラシー・ナウ!」のエイミー・グッドマンが6月18日(月)に一時間のインタビューを行いました。そのトランスクリプトの翻訳をお届けします。(TUP速報)(2007/07/21)

    根津教諭の「君が代」拒否
    <停職6ヶ月「出勤」日記・15>バンクーバーでも「君が代不起立」の上映会
      7月18日(水)。南大沢学園養護学校へ。バンクーバー在住で一時帰国されているバンクーバー9条の会のNさんが訪ねていらした。Nさんは、インターネット上で「君が代不起立」の映画を知り、バンクーバーで上映会をされたのだそうだ。映像の威力もインターネットの威力もすごいものだ。この上映会に参加された一人の方がNさんに託された、私宛ての手紙をいただいた。読ませていただいて、胸がキュンとなる・・・。お手紙をくださったお気持ちを想う。(2007/07/19)


    環境
    「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワークを立ち上げます
      日本消費者連盟は、青森県六ヶ所村にある六ヶ所再処理工場が2007年11月に本格稼働に移行するのを控え、生協を中心とした団体とともに、「『六ヶ所再処理工場』に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク」を立ち上げ、本格稼働に反対し中止を強く求めることになりました。放出される大量の放射能汚染は、自然環境とあらゆる生物に深刻な打撃を与え、地域の農漁業に深刻な影響を与えると同時に、食の安全性を損なうためです。(「消費者リポート」特約)(2007/07/13)


    トルコ、表現の自由の行方
    <7>スカーフ着用をめぐる政治対立の深層 オズダルグ教授に聞く【下】
     トルコでは国民の99%がイスラム教徒であるにもかかわらず、政府機関や大学でイスラム教のスカーフ着用が許されていないため、この問題が大統領選をめぐる世俗派と親イスラム勢力の対立の象徴にまで位置づけられている。それはなぜなのか。どのような解決策がのぞましいのか。著書『トルコのベール問題─公的世俗主義と大衆のイスラム主義』(1998年)などで、フェミニズムの観点から政治の流れとスカーフ着用の意味を追ってきた、中東工科大学のエリザベス・オズダルグ社会学教授にひきつづき聞いた。(アンカラ・小林恭子)(2007/07/12)

    スポーツ
    【間違いだらけのプロ野球】(3)2番打者の真相(上)
      犠牲バントの話を少し続ける。日本のプロ野球は本当に犠牲バントが大好きだ。今シーズンもセ・パ両リーグ各球団ともしばしば序盤で無死1塁や無死2塁、あるいは無死1、2塁といった機に、次打者におきまりのようにバントを命じている。セ・リーグ首位を走る巨人の原辰徳監督は高橋由伸、阿部慎之助らの長距離ヒッターにもしばしばバントを命じているが、犠牲バントの成功率は0.685というセリーグ最低(7月4日現在)を記録している。これは、普段、バントをする機会の少ない長距離打者にバントをやらせることによって、失敗率が高まっているためだ。(市橋嗣郎)(2007/07/11)

     「戦争絶滅法案」を生かす時  久間「原爆発言」に想うこと 安原和雄(仏教経済塾)
      広島、長崎への原爆投下について「しようがない」と発言した久間章生防衛相が辞任した。防衛相は安全保障問題の責任者である。今回の発言に関連して想うのは、「戦争絶滅法案」のことである。同法案は100年も昔の20世紀の初めにヨーロッパの陸軍大将が起草し、各国議会に送り、「これを成立させれば世界から戦争がなくなる」と提案したが、どの国もこの法案を成立させることはなかった。なにしろ戦争になったら、「首相、閣僚、国会議員らを戦火の最前線へ一兵卒として送る」という内容であり、そういう法律を議員たちが賛成するはずもないからである。(2007/07/07)


    スポーツ
    【間違いだらけのプロ野球】(2)「初回無死1塁でバント」はなぜ大リーグで否定されたか
      1回表、先頭打者が出塁した。2番打者の役割は何か? 日本のプロ野球では、ほとんどの場合、先取点のために2番打者はバントをし、走者を進めようとする。確かに先取点は試合の主導権を握るという点で大きな意味がある。先取点を取ったチームが勝利する確率は6―7割と大きい。しかし、これは本当に正しい作戦なのか。米国のメジャーリーグでは、同様のケースでの送りバントはまずない。2番打者の出塁に期待し、初回の大量得点をむしろ狙う。確率統計的には、どちらの作戦が正しいか。送りバントについて考える。(市橋嗣郎)(2007/07/04)

    イスラエル/パレスチナ
    ダハラーンとは何者か? 緊迫するパレスチナで最も注目を集める男
    120   パレスチナ情勢は現在、ムハンマド・ダハラーンを軸に動いているといっても過言ではない。彼はイスラエルの対外諜報機関モサドの工作員と言われながら米国の庇護を受けファタハ内で治安機構を握り強大な力を持っている。ハマースが制圧した後ガザ地区から帰国したエジプト人治安筋の一人は、「ガザでの戦闘はファタハとハマースの戦闘ではなく、ムハンマド・ダハラーン一味とパレスチナ人7割との戦いだ」と評した程だ。故アラファト議長の毒殺にも関与したと言われ、他派のハマースのみならず自派のファタハ内からも批判を浴びながらアッバース議長が懸命に擁護するダハラーンとは何者なのか?23日付けのエジプト週刊誌、エル・オスボーが報じた。(齊藤力二朗)(2007/06/30)

    世界に軍隊の無い国はあるの? 落合栄一郎(バンクーバー9条の会)
      日本国は憲法の建前上は、軍隊がないことになっています。皆さんご存知のように、現実には事実上の軍隊=自衛隊があり、その規模は世界でも有数の大きいものです。現在、日本政府与党は、憲法(9条)を改定して、これを本当の軍隊にし、堂々と国外にも派兵しようとしています。憲法9条の精神は、国際紛争は武力によらず話し合いで解決すべきであり、日本はそうするというものです。したがって、軍隊は持たないと宣言しています。多くの人の懸念は、外国が攻めて来たとき、軍隊がなくてどうして防御できるのかということのようです。軍隊がなくて国家が成り立つのだろうか。実は軍隊をもたなくとも国は成り立ちうるのです。世界には軍隊を持たない国がすでに27カ国もあるのです。(2007/06/28)


    三里塚滞在記(1) 空港のど真ん中に今も残る闘争の拠点 
      6月2日から11日までの10日間と15日、16日の2日間、かつて成田空港開港反対闘争で揺れた三里塚に滞在し、東峰部落で今も無農薬有機農業を営むワンパック共同出荷場などをのぞいてみた。「三里塚の今」を10回程度に分けて報告する。(加藤〈karibu〉宣子)(2007/06/19)


     「新たなイラク反戦運動を展開する」 米国の「反戦の母」C・シーハンさんが市民に参加呼びかけ
    120   「イラク反戦の母」として米国の反戦運動の先頭に立ってきた、シンディー・シーハンさんがこのほど、活動の終了を宣言した。政党の利益に利用されることに嫌気がさしたというのが理由だ。その発言をめぐりネット上で誹謗・中傷にさらされる彼女は、同国のラジオ放送ジェネシスのインタビュー番組に登場し、自分の真意を明らかにした。イラク戦線で息子を失った母親の立場から、リベラル派と保守派の双方をきびしく批判、「この世には、米国の大企業と軍の帝国主義のために人生をメチャクチャにされたり、土地や家族を奪われている人がたくさんいます。私は彼らのためにこれまでとは別の方向から闘う」と述べた。また、同じことを望んでいる人びとに対して、パソコンの前に座っているだけでなく、何らかの犠牲を払ってでも新たな活動に参加してほしい、と訴えた。(TUP速報)(2007/06/14)


    根津教諭の「君が代」拒否
    <停職6ヶ月「出勤」日記・10>君が代処分を知らない都民が多い
      6月6日(水)。南大沢学園に。今朝も一人の保護者がプラカードの前で立ち止まり、読んでいらっしゃった。近寄って名乗り、説明をすると、「こんなことがあるんですか」と驚かれた。まだまだ、東京の学校で起きていることを知らない方が多い。今日は訪問者が多数。早朝からいらしたKさんの他に、Sさん、Mさん、Tさん。校外学習に出かけ、あるいは帰って来る子どもたちに声をかけながら、Kさんとじっくり意見交換ができて、濃密な時間を持てた。下校時は、Tさんが持参したギターでクラッシックを奏で、それをバックミュージックに、子どもたちに「さようなら」と声をかけた。(2007/06/10)


    笑う真犯人 検証・恵庭冤罪事件「13のナゾ」
    第72回:二審判決への疑問――上申書(2)             山口正紀(ジャーナリスト)
      「支援会・東京」会員たちが最高裁に出した「上申書」の紹介を続ける(一部抄録)。横浜市の土屋翼さんは、「国賠ネットワーク」の活動でさまざまな冤罪事件に関わり、裁判を見てきた経験から、こう書いた。《私は「情況証拠で有罪」という一、二審判決に対し、上申書に「情況証拠で無罪」という表題を与えたいと思います。述べたい項目は沢山ありますが、被害者の目にタオルが巻かれたまま焼損されたことに関して述べます。…(2007/06/09)


    【ブレア首相の10年】「失われた信頼感回復」━ポスト・ブレアのキーワード 英フェビアン協会事務局長に聞く
    120   10年続いたブレア英政権のキーワードは、自由主義経済、福祉政策の両立をめざす「サード・ウエー(「第3の道」)、労働組合の影響力を大幅に減らした「ニュー・レーバー(新しい労働党)」だった。それでは、ポスト・ブレア時代のキーワードは一体何か。労働政策立案のフォーラムとなり、現在までに様々な政策提案を続けている、労働党系シンクタンク「フェビアン協会」のスンダー・カトワラ事務局長によると、ブラウン次期首相が最優先するのは、国民の政治への信頼感回復となる見通し。ブレア政権の総括と今後の課題、次世代の動きを聞いた。(ロンドン=小林恭子)(2007/06/06)


    時事英語一口メモ
    【26】ウルフォウィッツの妻がブッシュに出した手紙の秘密
     世界銀行のポール・ウルフォウィッツ総裁(63)が辞任する原因となった交際中の女性職員、シャハ・アリ・リザ(52)のことを英文メディアはさまざまな表現をしている。”girlfriend” “female companion” ”romantic partner” “close female friend”・・・。Salon.comは "neoconcubine"と呼んだ。neocon(ネオコン)とconcubine(愛人、サルタンなどに囲われたハーレムの女性)を掛け合わせた言葉だ。彼女をどのように呼ぶかは、秘密にされていることと関わり合いがあった。(鳥居英晴) (2007/06/04)

  • 妻の支援でも黒川新党の苦戦は必至? 依然足りない候補者数


  • 北朝鮮はどこへ
    <最終回>専門家座談会「北朝鮮の現状と展望、我々の対応すべき方向」
    120   「プレシアン」と「北朝鮮研究学会」は共同企画「北朝鮮はどこへ」の最終回として、韓国の北朝鮮専門家による座談会を行った。2006年7月の北朝鮮のミサイル発射から1ヶ月後のことであり、その後今年2月の6カ国協議で北朝鮮の核施設の稼動停止と重油支援などを盛り込んだ合意文書が採択されたため、情勢は座談会当時とは変わった点もある。しかし、連載で明らかにされた「変化する北朝鮮」と「変化しない北朝鮮」の分析をふまえて、専門家たちが交わした議論は北東アジアの平和と安定について今後を展望するうえで多くの示唆を与えてくれる。参加者はいくつかの見解の違いを見せながらも、米朝、南北朝鮮、日朝関係の改善にそれぞれが何をなすべきかを提言し、「北朝鮮はミサイル発射以後の情勢変化を傍観しながら突破口を模索するだろう」という点では意見が一致している。(2007/05/30)

    イラン情勢
    根強いイランの政治、社会への誤解 平和的解決の窓口を開き続けよ
     核兵器開発をめぐるにらみ合い、対立陣営の強情な指導者たち、近づく戦争の足音……歴史が繰り返しているのだろうか。しかし国際社会には、マスメディアがほとんど報道することのないイランの政治と社会に対する誤解が多数存在し、欧米諸国の人々、特に米国とイスラエルの激しい世論の火に油を注いでいる。現在のイランの強硬な態度の根底にあるものを正確に分析するには、一面的ではない包括的な国際政治の分析と、イランの国内事情の正確な把握が欠かせないのである。(ニュー・インターナショナリスト=クリス・ブレイザー)(2007/05/29)


  • 「マクロ経済底堅い」、三菱東京UFJ銀ジャカルタ支店長に聞く


  • 環境
    バイオ燃料ブームは地球の厄介ごとか 食糧生産を脅かし、環境を壊し、ちっともエコじゃない
    120   いま地球上で大規模に進められているバイオ燃料が世界各地で問題を起こしている。食糧や飼料の高騰とそれに伴う諸物価の値上がり、プランテーション農業の拡大がもたらす農薬汚染の広がりと農業労働者の健康破壊などなどだ。日本でも畜産飼料の高騰、食品価格の値上げなど影響が出始めている。直撃を受けているのはトウモロコシを主食としている国だ。主食であるトルテイジャーの価格が40%も上がったメキシコでは、市民が怒りのデモを行った。そして、ここへ来てバイオ燃料は本当にエコロジーな燃料か、疑問が出始めている。原料作物生産から製造・輸送過程を通ずる全過程で見ると、CO2排出量はガソリンを上回るという計算もある。いまやるべきことは地域資源を活かしたエネルギーの地産地消と自動車を減らすことなのだ。(上林裕子)(2007/05/25)

    日中・広報文化交流最前線
    湖南省長沙市の日本熱〜その今昔〜 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   5月19日、湖南省日本人会、湖南師範大学共催で「日中友好シンポジウム〜地球市民を目指して」が、湖南師範大学内で開催された。このシンポジウムは湖南省日本人会が主導し、湖南省内の10の日本企業(業種はデパート、自動車・オートバイ製造、その関連企業など)より資金を集めて、実施したものである。シンポジウムで基調講演をされた石川好・秋田公立美術工芸短期大学学長(「日中新21世紀委員会」日本側委員、「2007日中文化スポーツ交流年」実行委員会委員)は、20世紀初めの長沙での日本への熱い関心と日本語学習熱を語られた。(2007/05/23)


    根津教諭の「君が代」拒否
    <停職6ヶ月「出勤」日記・7>悪意なしに指示・命令を「職務」として実行する人が怖い
      5月16日(水)。11時から河原井さんと私の停職処分の裁判、4回目の法廷。それまで南大沢学園に「出勤」した。校門前に着くと数分で副校長の一人が出てこられた。「私の監視ですか」と訊くと、今日は、「いいえ、ご挨拶です」ということだった。しばらくして、校長が出勤してきて私の前で足を止め、「できればやめていただきたいのですが」と控えめにおっしゃる。4月初めの言い方とは随分違った。どういうことなんだろう? 悪意があるわけではない普通の人が、多少ためらいながらも、指示・命令を「職務」として実行に移してしまうことが、私には怖い。(2007/05/20)


    C・ジョンソン『帝国アメリカと日本 武力依存の構造』 日米安保の時代錯誤を内部告発
     「戦後レジーム(体制)からの脱却」を旗印とする安倍晋三首相は平和憲法9条(=戦力不保持、交戦権否認)を改悪して日本を「戦争する国」に仕立て直す考えに執着している。憲法改悪のための国民投票法は2007年5月14日の参院本会議で可決、成立した。いよいよ改憲に向けて動き出すことになるが、このような安倍政権の平和から戦争へ―という基本路線の旋回の背景に日米安保=軍事同盟が存在していることを見逃してはならない。 (2007/05/19)


    沖縄/日米安保
    海自・掃海母艦「ぶんご」紀伊半島沖で待機か 沖縄・辺野古では市民による24時間監視が続く
    120   沖縄に直行するはずだった海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が紀伊半島沖で待機しているとの情報が15日昼、沖縄から発信された。現地運動体は一時、13日に沖縄島東海岸中部勝連町の米軍基地ホワイトビーチに接岸したとの情報を発信、翌14日にで未確認情報であることが判明、取り消した。その後行方がわからず、15日昼、紀伊沖にいることが判明、との情報が発信された。那覇防衛施設局の移転施設をめぐる事前調査が行われる名護市辺野古では、基地移転阻止を訴える市民グループが24時間体制で監視を続けている。(大野和興)(2007/05/15)

    沖縄/日米安保
    日本は沖縄に銃を向けるのか! 自衛隊艦艇接岸で緊張高まる「美(ちゅ)ら海」辺野古
    120   沖縄・普天間基地移設計画に伴い、移転先とされている辺野古の海で実施される事前調査に対する反対運動に備え出動した海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」は、13日に中沖縄島東海岸中部勝連町の米軍基地ホワイトビーチに接岸したとの情報が現地からはいった。「基地建設阻止」を掲げる沖縄市民からは「ほんとうに日本は沖縄に対して銃を向けるつもりのようです」という痛切なアピールが発せられた(「辺野古からの緊急情報」http://henoko.jp/info/)。(大野和興)(2007/05/14)

    検証・メディア
    07年「憲法」社説を読んで 「権力批判」の精神はどこへ? 安原和雄(仏教経済塾)
      現行日本国憲法は5月3日の憲法記念日で施行以来60年を迎えた。人間でいえば還暦にあたる。安倍首相は「戦後レジーム(体制)からの脱却」を強調し、第9条を中心に憲法改悪をめざしている。権力の監視役としての責任を果たすべきジャーナリズムは安倍政権の憲法改悪論にどう立ち向かおうとしているのか。大手6紙の社説を読んだ印象からいえば、安倍政権の改悪論への追従論に終始するか、あるいは批判力の衰微を感じざるを得ない。これでは「国家権力への批判」というジャーナリズム精神はどこへ行ったのか? と問わないわけにはいかない。(2007/05/04)

    二極化社会を問う
    駅の外注化は本当に必要なのか 時給970円がもたらす安全性 小松玲子(ジャーナリスト)
      朝のラッシュ時や事故でホーム上が大混乱していても駅員が1人しかいない、いても要領を得ないという駅の風景は珍しくなくなってきた。今、日本全国の路線でコスト削減の旗印の下、JRほか私鉄などが続々と駅の外注化・非正規労務化を進めている。 元来、駅務は、安全性・公益性に鑑み、外注・委託労務等々が規制されていた分野だった。駅員や運転手は、鉄道が大好きな少年が、鉄道系の学校などを経て就職する、いわば「好きが仕事になる」職業だったという。規制緩和は、駅務をコンビニより安い時給970円の職場に変え、“安く働いてくれる”という価値だけで採用されるようにしてしまった。これは個人にも社会にも、不幸なことではないか? (「労働情報」特約)(2007/04/29)


    生協法改訂の危険な中身(下) 危機感のない生協界は鈍感力がある? 金 靖郎
      これまで2回にわたり、現在国会で審議中の生協法改定案の問題点をみてきた。そこで明らかになったことは、(1)市民の自主的自立的組織であるはずの生活協同組合に対する国の監督権限の強化、(2)市民活動であるはずの生協事業への資本の参入、が法改訂の名のもとに進められようとしていることだ。では当の生協はこのことをどうとらえているのか。生協内部で働く筆者は、生協自身にほとんど危機感が見られないことに驚き、そこに市民社会とかけ離れてしまった協同組合の思想的危機をみる。(大野和興)(2007/04/25)

    人間の幸せか、景気動向か 財界人と企業人の器量の差 安原和雄(仏教経済塾)
      朝日新聞(永田稔記者、2007年4月18日付)は経済小説の分野で異色の直木賞作家であった城山三郎氏(3月79歳で逝去)を悼んで、財界人らの回想記を織り込んだ特集記事を組んだ。その趣旨は、真の財界人なら「人間の幸せ」のために行動すべきだが、昨今の企業人は「景気動向」しか視野にない、本来あるべき「経営者の志」はどこへ行ったのか、が城山氏の問いかけであった。同じ経営者でも、財界人として評価されるためには、器量(その地位にふさわしい能力や人徳)が備わっていなければならない。ところが、目先の小状況しかみえず、器量が乏しいのは、ただの企業人にすぎない―が城山文学の基調ではなかったか。(2007/04/19)


    中国パワーはマグロ取引にも台頭 インド洋産の隙間狙う日系業者
    120  世界一のマグロ消費国日本。だが、その食卓からマグロが遠ざかりつつあるとメディアが大きく取り上げ、漁獲量の制限や養殖マグロへの移行が進んでいる。取引きの最前線である卸売り市場では原油価格高騰のあおりをモロに受け、卸業者、バイヤーともに取引価格上昇に頭を悩ましている。中国業者の目覚しい台頭に押される日本業者がその隙間に割り込もうと「奮戦」しているスリランカの首都コロンボの中央魚市場をのぞいた。(コロンボ18日=トニー高橋)(2007/04/18)


    根津教諭の「君が代」拒否
    <停職6ヶ月「出勤」日記・3>京都の大学で教え子との素敵な再会
      4月9日(月)。午前中は南大沢学園養護学校へ。昨夜、今日が入学式であることを知り、お祝いのことばと私の自己紹介を書いた保護者宛手紙を、校門前で保護者に手渡し、子どもたちには声をかけた。見ず知らずの私に挨拶を返してくれる子どももたくさんいた。私が校門に立ってほどなく校長が副校長ら3人(うち、1人は都教委の人)とともに私のところに来た。校長「晴れの日なので、ここでチラシ配りはおやめください」(2007/04/16)


    井上琢郎『日本人に生まるる事を喜ぶべし』 「礼儀立国・日本」のすすめ 安原和雄
      平和のためには何ができるのか、何をしたらよいのか。「平和憲法9条(戦争放棄、戦力不保持)を守れ」という声が広がりつつある。「九条の会」も日本列島の隅々まで行き渡り、全国ですでに6000を超えている。しかし平和を確かなものにするための方策はいろいろあるのではないか。井上琢郎著『日本人に生まるる事を喜ぶべし』(2007年1月、財界研究所刊)は「礼儀立国の提案」を試みている。いうなれば「礼儀立国・日本」のすすめである。私は同感であり、こういう発想も高く評価すべきではないか。平和へのもう一つのチャレンジといえよう。(2007/04/15)


    「利潤という利己的遺伝子」の放棄は可能か 地球と人類の存続のために 落合栄一郎(化学者)
      R.Dawkinsが唱え始めた「利己的遺伝子」という概念がある。それは遺伝子というものは自己の再生産のみを追求する利己的なものであり、それによってすべての生物進化や多くの生物の挙動が説明されるというものである。これは生物の基本的性格である自己再生産が、自己の存在と継続にとって必須であることに基づいている。自己再生産がなければ、その生物は死に絶えてしまうからである。すなわち生き続ける生物は存在しなくなる。したがって、遺伝子は利己的にならざるをえない。もちろん遺伝子そのものが、意識的に利己的であるという意味ではない。現在の社会/環境問題の多くは「利己的遺伝子たる利潤」なるものの追求に起因する。(2007/04/12)


  • 西側の政策に依拠する米欧メディアは不公正 アラブ世論


  • 命の源である「海の惑星」の危機進む 2年間で汚染海域は約4割増
     地球の4分の3を覆う生命の源である海に、現在異変が起きている。国連が発表した報告によれば、2004年には147カ所だった重度の汚染海域が、昨年10月の調査で200カ所を超えたことが明らかになった。そのほかにも、水産資源の枯渇、海水温や海面の上昇が世界中で大きな問題となっている。しかし一方では、海洋開発という名の下でエネルギー・鉱物資源の採掘から地球温暖化の原因となる二酸化炭素の廃棄場所まで、海をより一層利用するための研究・調査が進められている。この海の現状と保護・活用の可能性について探る。(ニュー・インターナショナリスト=デビッド・ランソム)(2007/04/06)


    根津教諭の「君が代」拒否
    来春は免職かもしれない でも教え子たちの励ましで不当処分撤回の闘いに勇気
    120   今春の卒業式で「君が代」の斉唱時に起立しなかったとして、東京都教育委員会は30日、公立学校の教員計35人を懲戒処分した。一番重い停職6ヶ月の処分を受けた、根津公子教諭(町田市立鶴川2中)は処分発令の日のできごとを報告する一文を発表した。根津さんは、「私は、来年の卒業式で免職ということだろう」と予測しながらも、「都教委の暴走がいつまでも続くはずはない」と不当な処分の撤回のための闘いをつづけていく決意を表明している。(ベリタ通信)(2007/03/31)


    沖縄密約
    <沖縄密約シンポ(3)>日本の秘密国家化をいかに阻止するか メディアの自己変革が不可欠
      シンポジウム「沖縄密約問題がいま、問いかけるもの」(日刊ベリタなど共催)は最後に、日本の外交・安保の現状をどう見るかを論じた。佐藤優氏(起訴休職中外交官)は、日本はすでに秘密国家に走り出していると指摘。この国を誤った方向に行かせないために、岡留安則(元「噂の真相」編集長)氏は、いまこそメディアが「民」の側からの真実追究の力を発揮しなければならないと訴えた。また西山太吉氏(元毎日新聞記者)は、たとえ一審で負けても、法廷をつうじて真実を国民に伝えるジャーナリズム活動を続けていくと強調した。司会は松元剛氏(琉球新報記者)。(ベリタ通信)(2007/03/31)

    沖縄密約
    <沖縄密約シンポ(2)>国家犯罪の隠蔽に加担したメディア なぜ権力の情報操作に弱いのか
    120   沖縄返還交渉の「密約」を考えるさい見逃せないのが、権力とメディアの関係である。西山太吉毎日新聞記者(当時)のスクープに慌てた政府は、国家犯罪を隠蔽するための情報操作を行った。「情を通じて」という起訴状の一文だ。これによって、新聞とテレビの関心は一斉に同記者の取材方法に集中し、問題の本質はかすんでしまった。国民も報道に引きずられた。なぜメディアは権力に追随してしまうのか、現状はどうか、改善の道はあるのか。シンポジウム「沖縄密約問題がいま、問いかけるもの」で、西山、岡留安則(元「噂の真相」編集長)、佐藤優(起訴休職外交官)の三氏は、それぞれの体験をふまえてこの問題を論じた。司会は松元剛・琉球新報記者。(ベリタ通信)(2007/03/29)

    沖縄密約
    <沖縄密約シンポ(1)>政府の嘘で日本はがんじがらめに 米国の軍事要求を次々丸のみ
    120   沖縄返還をめぐる「密約」訴訟で、東京地裁の27日の判決は、密約の有無については判断せず、元毎日新聞記者、西山太吉氏が国に対して求めた賠償と謝罪請求を棄却した。米国の公文書や元外務省高官の発言で密約が明らかになっているにもかかわらず、なぜ国は国民に説明責任を果たそうとしないのか、またそのような姿勢が現在にいたる日米同盟とどのように関係しているのか。3月16日のシンポジウム「沖縄密約問題がいま、問いかけるもの」(日刊ベリタなど共催)で、西山氏と岡留安則氏(元「噂の真相」編集長)、佐藤優氏(起訴休職中外交官)がこの点について議論した。司会は松元剛・琉球新報記者。(ベリタ通信)(2007/03/28)

    沖縄密約
    沖縄返還は国益か政権益か、日本は誰のものかを問う「西山訴訟」 佐藤優(起訴休職中外交官)
    120   1972年の沖縄返還をめぐる日米の密約をスクープし、国家公務員法違反で有罪判決を受けた元毎日新聞記者、西山太吉氏が、「密約を知りながら違法に起訴したうえ、密約の存在を否定し続けたことで著しく名誉を傷つけられた」と、国に謝罪と損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。加藤謙一裁判長は「起訴から20年以上が経過した後の提訴で、損害賠償請求権は消滅している」と、請求を棄却した。 西山氏は控訴する方針。判決に先立ち16日に東京で行われたシンポジウム「沖縄密約問題がいま、問いかけるもの」(日刊ベリタなど共催)には、西山氏と佐藤優(起訴休職中外交官)、岡留安則(元「噂の真相」編集長)の各氏が出席、この裁判の重要性をさまざまな角度から明らかにした。まず佐藤氏の基調講演「すり替えられた国家犯罪」を報告する。(ベリタ通信)(2007/03/27)

  • 冗談では済まされない、比国民の飢餓感調査


  • タイ暫定政権への失望広がる クーデターから半年
     【バンコク20日=和田等】タイでクーデターによる政権交代発生から半年。スラユット暫定政権に対する国民の失望感が広がっている。政治指導者に対する国民の満足度は昨年9月19日のクーデター直後には75%だったのに、現在では48%にまで下落。空港利用やアルコール広告規制、外資規制などにみられるように、不安定な政策への失望感が実業界や、クーデター容認率の高かった地方部の住民に広がっている。2月時点での将来に対する期待指数が2001年9月以来最低の77.1にまで下がったのも、政治の先行き不透明感を反映した結果である。(2007/03/20)


    『我、自衛隊を愛す 故に、憲法9条を守る―防衛省元幹部3人の志』 憂国の士の「内部告発」 安原和雄
      著作『我、自衛隊を愛す 故に、憲法9条を守る―防衛省元幹部3人の志』(かもがわ出版・2007年3月刊)を読んだ。著者は小池清彦(元防衛庁教育訓練局長)、竹岡勝美(元防衛庁官房長)、箕輪 登(元防衛庁政務次官)の3氏で、対米追随の軍事政策、自衛隊のイラク派兵、憲法9条改悪の動き―などを厳しく批判し、「憲法9条を守ろう」と主張している。3氏は防衛庁(現防衛省の前身)の要職にあった人物であるだけに、その「憂国の士」らしい気概ある発言は「内部告発」のような性格をもっており、傾聴に値する重みがある。(2007/03/20)


    絶え行くユダヤ・スペイン文化を歌で継承 歌手リーヴィーさんに聞く
    120  【アデレード13日=木村哲郎ティーグ】イスラエル人歌手ヤズミン・リーヴィーさんは、スペインのユダヤ教徒が使っていたラディノ語の数少ないの歌い手だ。英BBCの2007年ワールド・ミュージック・アワードにも指名され、世界的な注目を浴びている。音楽とダンスをテーマに世界を回る音楽祭ウームアド(WOMAD)のアデレード公演のために来豪したリーヴィーさんに、絶え行くユダヤ・スペイン語を歌で蘇らそうとする情熱や平和に関して話を聞いた。(2007/03/13)

    企業主導の「倫理的な消費」ブームの偽り 世界の構造的変革を見失うな
      オーガニック、エコ、ロハス、フェアトレード…。人間や地球に優しい生活スタイルは、欧米のみならず日本でも大流行である。その先進地である欧米の企業にとって、「倫理的な消費」に関する戦略はますます重要になっている。環境や社会への意識が高い消費者とそれに対応を迫られる企業によって、「倫理的な消費」市場は拡大を続けている。この傾向は好ましいように思えるが、実情はそう単純なものではない。欧米では、したたかな企業の戦略と多様な消費者層の取り込みにより、倫理的な消費の本来の理念や基準がすでにゆらぎ始めている。(ニュー・インターナショナリスト=ジェス・ワース)(2007/03/07)


    検証・メディア
    ロイター、アフリカ・サイトで市民記者と提携  ベッキー・ホッジェ
    120  【openDemocracy特約】「ロイターは外部ソースから提供された内容について責任を負わない」。国際通信社ロイターの新しいポータル、africa.reuters.com.にあるブログのリンク・リストの下にそう注意書きがしてある。その免責条項とともに、2月21日に開始されたロイターのサイトは、ハーバード大学に本部があるGlobal Voicesを含む多くのソースからアフリカのニュースを集めるとしている。(2007/03/05)


    トルコ、表現の自由の行方
    <1>母語を禁じられたクルド人の苦悩 EU加盟めざし政府は一定の緩和策も
    120   今年1月末、アルメニア系トルコ人ジャーナリスト、フラント・ディンク氏がイスタンブールで民族主義の若者に射殺された。トルコではタブーとなっている、第1次世界大戦中のオスマン・トルコによるアルメニア人虐殺があったと書いたことが引き金となった。葬儀には言論の自由が踏みにじられたことへの悲しみと怒りにかられた、約10万人のイスタンブール市民が集まった。欧州連合(EU)加盟をめざし民主化に向けた改革実行中のトルコで、「表現の不自由さ」が生じるのはアルメニア人問題だけではない。少数民族クルド人たちは母語の使用を数十年にわたり厳しく制限され、刑法301条は「トルコ人らしさ」に反する表現を禁じる。トルコが一員となることを熱望するリベラルな西欧社会の価値観が許されない、同国のクルド地区を訪ね、市民の暮らしを追った。(トルコ南東部・ディヤルバクル=小林恭子)(2007/03/04)


    北朝鮮はどこへ
    〈18〉【韓国識者座談会】市場経済はなお「かごの中の改革」か 中国への依存に憂慮の指摘も
    120   北朝鮮は変化しているのか? だとしたら、最終的に何を目指しているのだろうか? 7・1経済改善措置(北朝鮮が2002年7月1日付で発布した「経済管理改善措置」、通称「7・1措置」)が発令されたからの北朝鮮の一連の経済改革をめぐって、韓国ではさまざまな視点で分析されている。ある人は北朝鮮が改革解放を通じて資本主義の道に進むだろうと推測し、またある人は現在の動きにそのような目的はないと断定している。プレシアンと「北韓(北朝鮮)研究学会」の共同企画「北朝鮮はどこへ」の経済編を終えるにおいて、専門家の座談会を開いた。2006年5月26日にプレシアン本社で行われた座談会には、クォン・ヨンギョン統一教育院教授、チョン・グァンミン国際問題調査研究所専任研究員、ユ・ヨング社団法人ヒュンダイ社研究所理事長が参加した。司会はパク・インギュ=プレシアン代表。(プレシアン特約)(2007/03/02)


    プリンセス・マサコ
    「ゲラを宮内庁に渡した」と著者  講談社は事実無根と全面否定  「プリンセス・マサコ」出版中止めぐり
     日本の講談社が「著者との信頼関係が保てなくなった」として邦訳の中止を決めた雅子皇太子妃に関する「プリンセス・マサコ」について著者のベン・ヒルズ氏は1日までに、日刊ベリタの取材に対し、日本の外務省及び宮内庁がヒルズ氏に抗議した2月12日以前に「講談社は宮内庁に邦訳書のゲラを渡しており、修正することも許可していた」と告発した。事実であれば、当局による検閲に自ら手を貸した出版人の良識に反する行為となるが、講談社側は「宮内庁にゲラを見せるわけがなく、事実無根」と全面否定。出版中止の判断を最終的に下したきっかけとして、日本のテレビ番組のインタビューの中で、ヒルズ氏が原書の事実誤認の部分について謙虚に謝罪をする姿勢を見せなかったことなどを上げた。出版中止の「真相」をめぐって著者と出版社が真っ向から対立する事態となっている。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2007/03/01)

    就籍から1年、比残留2世らの生活大きく改善 日本での就労で
     【マニラ新聞特約19日】太平洋戦争直後の混乱の中でフィリピンに取り残された残留日本人(日系二世)として、初めて就籍を認められた井手端和子さん(84)と早苗さん(78)の姉妹=ミンダナオ地方ダバオ市トリル地区在住。2006年2月の就籍から満一年が経過した07年2月、ミンダナオ地方ダバオ市トリル地区在住の姉妹を訪ね、就籍のもたらした生活の変化や3、4世らの日本就労について話を聞いた。(2007/02/19)


    「多様な民族の共存伝えたい」 アルジャジーラ英語放送インドネシアで開始 ステファニー特派員に聞く
      【じゃかるた新聞特約16日】ペルシャ湾岸の産油国カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは英語放送を昨年11月15日に始め、インドネシアでも衛星テレビ・インドビジョンに次いで2月15日正午からケーブルビジョンが放送を開始した。英語放送は30カ国以上の多様な国籍の記者らが「本当の国際メディア」として既存の欧米メディアに挑戦する「冒険」でもある。英語放送の初代ジャカルタ特派員ステファニー・ヴェセンさん(42)にインドネシアでの放送姿勢を聞いた。(2007/02/16)

    アメリカの戦争意識と平和運動と平和憲法 落合栄一郎(元米ジュニアータ大教授)
      アメリカは、南北戦争終了後の19世紀後半以降、西ヨーロッパ諸国には大分遅れをとったが、帝国/植民主義政策を遂行してきた。それは企業/資本家の徹底した資本主義市場経済の拡張主義を実現するためである。その伝統は今でも生き残っている。20世紀に入り、多くの西ヨーロッパ諸国は二つの世界大戦によって疲弊し、植民地の多くを手放さざるを得なくなったし、露骨な植民主義はタブーになった。殆ど唯一の、疲弊を免れたアメリカは、西ヨーロッパも含む疲弊しきった世界で、しばしの間慈善的国家の役割を果した。日本人のアメリカという国に対する好感は、この期に作られたものと思われる。これは、おそらく第2次世界大戦後の10年ぐらいの期間であった。その後、1950年代半ばぐらいから、アメリカの覇権主義はまた顕著になる。(2007/02/16)


    EUの未来を握るのは誰か 市場優先主義に対抗する民主主義の再構築を
      現在、欧州連合(EU)は、新たな段階を迎えつつ、今後の方向性を探る難しい局面を迎えている。EU内部での人々のとまどいをよそに、そしてEU憲法条約やユーロ導入といった基本的な問題を後回しにしながら、EUの拡大が続く。またより根源的な部分では、企業の掲げる新自由主義の影響力が増大し、社会民主主義の理念がむしばまれている。ヨーロッパ人が求めているのは、企業に支配され、企業に利益をもたらすEUではなく、より民主的なEU機関と、本当にヨーロッパ人のことを考えてくれるEUなのである。ヨーロッパの国際主義[訳注1]的な構想は、企業によって打ち砕かれてしまうのだろうか。(ニュー・インターナショナリスト=リチャード・スウィフト)(2007/01/27)


    風刺画論争後のデンマーク
    <ルポ:風刺画論争から1年のデンマーク・7> 「なぜ対話を拒むのか」 ユランズ・ポステン紙を提訴したイスラム教徒カシーム・アーマド氏
    120   2005年秋「ユランズ・ポステン」紙に掲載された、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画は、多くのイスラム教徒にとって冒涜的、侮辱的と映った。衝撃を受けたデンマークのイスラム教徒のイマーム(導師)アーマド・アブラバン師は風刺画を携えて同年冬、中東諸国を回ったが、この訪問はデンマークと一部の中東諸国との関係を悪化させる結果にもなった。エジプト出身のアブラバン師が活動の本拠地とするコペンハーゲンのモスク(イスラム教寺院)を訪ね、風刺画がイスラム教徒の感情を傷つけたとして同紙に賠償金の支払いを要求する裁判を起こしたカシーム・アーマド氏に話を聞いた。(コペンハーゲン=小林恭子)(2007/01/25)


    広告業界が駆使する魔術から解放されよう イメージより現実のチェックを
      新しい商品やサービスの存在だけでなく、最先端のライフスタイルまでをも示してくれる広告。それは、消費者の欲望を映しだす鏡であるとしばしば言われる。だがこの表現は、広告を通じて我々にメッセージを送りつける側の言い訳にすぎない。今日、広告を駆使する企業は、商品やサービスの具体的な説明よりも、会社自体のイメージやブランドの浸透を図ることに精力を注いでいる。それは、物自体を売り込むのではなく、イメージと連想から意識に訴えかけて我々を消費へと駆り立てる。広告業界が操る魔術とその影響について報告する。(ニュー・インターナショナリスト=ディンヤル・ゴドレジ)(2007/01/23)


    21世紀の持続的経済社会とは─仏教経済学の視点から  安原和雄(仏教経済塾)
      私はNPO「循環型社会研究会」(代表・山口民雄氏)主催のセミナー(07年1月17日東京都内で開催)で「21世紀の持続可能な経済社会とは─仏教経済学の視点から」というテーマで講話した。その趣旨は(1)仏教経済学の8つのキーワード、(2)「持続可能な発展」という概念の多面的な内容、(3)21世紀の持続的経済社会をめざす変革プランーの3つに大別できる。以下に質疑応答を含めて、その概要を報告したい。(2007/01/20)


    風刺画論争後のデンマーク
    <ルポ:風刺画論争から1年のデンマーク・4> 「教訓得たが編集方針は変わらず」 ユランズ・ポステン紙の総括
    120   表現の自由に関する論争を世界中に引き起こしたデンマーク紙「ユランズ・ポステン」は、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画掲載を現在どのように見ているのだろうか?論争が欧州から世界に広がった昨年年頭、編集長や文化部長などがメディアに頻繁に登場し掲載に至る経緯や心境を語っていたが、現在は「風刺画に関する取材には一切応じない」という原則を通している。そこで、風刺画掲載から1周年の同紙記念号(2006年9月30日付)とライバル紙「ポリティケン」を中心に、その後の見方を紹介する。(コペンハーゲン=小林恭子)(2007/01/19)


    北朝鮮はどこへ
    <15>中国の狙いは北朝鮮の「安保基地化」か 中朝経済関係を読み解く第三の視点
    120    北朝鮮と中国の経済的な関係の拡大について憂慮を示す見方がある一方で、北朝鮮経済の改革と開放を早めることができるだろうという期待感もある。中朝の経済関係に対する憂慮は、北朝鮮が中国に従属し、南北関係や統一以後の朝鮮半島情勢に不利な影響を与える可能性があるという論理によるものだ。中国の経済力の伸長による国際社会における地位の上昇や攻撃的な対外政策、そして東北地域の振興計画推進などを勘案すると、中国には北朝鮮を安全保障と経済のための「基地化」しようとする戦略的意図があるのでは、という疑いが生じる。(プレシアン特約)(2007/01/18)

    遺伝子組み換え/ゲノム編集
    【遺伝子組み換え動物がやってくる】(3)あれもこれも組み換え動物  <天笠啓祐>
    120   行き着くところは映画の世界さながらのクローン人間製造か……。すでに動物たちを工業製品のように生産しようと着々と研究が進められています。(『消費者リポート』2006年12月27日)(2007/01/10)

    【追悼】宇井純先生を偲ぶ 公害の解明、告発に大きな足跡
    120  2006年11月11日、公害の解明と告発、解決に向けて大きな足跡を残した宇井純沖縄大学名誉教授が亡くなった。74歳だった。私が宇井純先生と交流させていただいたのは、1994年のピースボートの地球一周クルーズに水先案内人として乗船されたときから。水俣に居を移し、財団法人水俣病センター相思社の職員として働き始めてから辞めるまで1997年までの約3年間の間である。(加藤宣子)(2007/01/08)

    リバーベンド日記
    アメリカの当初からの計画通りイラクは粉々になった
      また一年が過ぎ去っていく・・・平均的イラク人の1日の生活は、遺体の身元確認や、自動車爆弾を避けることや、監禁されたり、追放されたり、誘拐されたりしている彼らの家族たちを探すことだけに明け暮れている。2006年は、はっきり言ってこれまでで最悪の年だった。間違いないわ。このすさまじい戦争と占領は、目下この国を全力で叩きのめしている。今日アンバールで死んだアメリカ兵の命はわたしの従兄弟の命よりもっと大切だって言うの? わたしはそうは思わないわ。従兄弟は6年もの間思い続けてきた女性と婚約したまさに先月のその夜に撃ち殺されたのよ。(2007/01/02)


    リバーベンド日記
    フセイン元大統領処刑:アメリカから学んだ「民主主義」は私刑
      リンチ(私刑)...まちがいなくマーリキーと彼の側近は精神病の変質者だ。これは本当に類をみない卑劣なことだ。イード(イスラームの祭)期間中の処刑執行など常軌を逸している。世界中(イランは除くけど)のイスラーム教徒は激怒している。イードは平和な時だ。少なくともイードの間くらいは口論や怒りなどは脇においておくものだ。これは来るべき年が良くないことの予兆だ。実際、狂人たちが聖日の期間中にこんなことをするなんて誰も想像していなかった。それは宗教的に容認できることではないという以前に憲法違反だ。(2007/01/02)


    教育基本法の「改正」と「君が代」処分(2) 根津公子教諭(東京都)が講演
      2005年の3月の卒業式の時には、実は私は少しだけ立ちました。ずっと最初から座っていたわけではないんです。勿論、先ほど言った理由から、私は立つことは出来ないということはありました。実は昨日、人事委員会審理がありました。その当時の校長を呼んで、そのことについても尋問したんですが、校長は教育委員会から相当やられているんです。昨日の尋問の中でも、私のことを心配しながら、でも教育委員会からこれは言ってはいけないと言われていることは、例えば教育委員会から命令されて指示されてやったとは言わずに、私の判断でやりました、と言っています。ものすごい締め付けです。この間の9・21判決でさらに締め付けが強くなったようです。(2006/12/19)

    教育基本法の「改正」と「君が代」処分(1) 根津公子教諭(東京都)が講演
    120   愛国心の涵養と法にもとづいた教育行政をめざす、改正教育基本法が国会で成立した。戦後教育を否定する悪法によって、日本の教育現場はどのように変わっていくのか。卒業式での「君が代」拒否で東京都教育委員会から停職処分を受けた根津公子教諭(鶴川二中)は、すでに法改正前から東京では強行されている戦前の「小国民」教育が全国に拡大していくことを危惧しながらも、「法律が法律として一人歩きはするけれども、それを実際的に止めるか止めないかは、私たちの日々の闘いにかかっている」と語る。そしてそのためには、「日の丸と君が代の強要は思想・良心の自由を侵害する」とした9月21日の東京地裁の違憲判決にいかに応えるかがすべての教員に問われている、と訴える。「教育基本法の『改正』問題と『君が代』処分」と題して、10月7日に神戸市で行われた同教諭の講演(兵庫高教組神戸県立支部主催)の内容を紹介する。(ベリタ通信)(2006/12/18)

    笑う真犯人 検証・恵庭冤罪事件「13のナゾ」
    第52回:『新潮45』訴訟――許せません      山口正紀(ジャーナリスト)
      札幌高裁で控訴審の本人質問が続いていた2004年秋から冬にかけ、Oさんは刑事裁判の進行とは別に、ある迷いに揺れていた。月刊誌『新潮45』が2002年2月号に《恵庭美人OL社内恋愛殺人事件》のタイトルで掲載した記事に対して、名誉毀損訴訟を起こすかどうか、その決断のタイムリミット(時効)が迫っていたのだ(連載第29回参照)。事件発生直後から逮捕にかけ、メディアはOさんを追いかけ回し、逮捕後はすさまじい犯人視・プライバシー侵害報道を繰り広げた。(2006/12/16)


    ダイアナ元妃の死因は事故死 未だにくすぶる政治陰謀説 
      【ロンドン14日=小林恭子】1997年8月、パリで交通事故死したダイアナ元英皇太子妃の死因を調べていたロンドン警視庁のジョン・スティーブンス前長官は14日、ダイアナ元妃と車に同乗していた交際相手のドディ・アル・ファイド氏を「殺害しようとする陰謀はなかった」「運転手の飲酒運転による、悲劇的な事故死だった」とする調査報告書を公表した。(2006/12/15)


    本当に必要なの?デジタル地上波放送と二つ目の東京タワー ガウスネット懸樋哲夫
      高さ世界一、600mの「新東京タワー」が墨田区に建設されることになりました。これは、あと5年で今のテレビはそのままでは見ることができなくなるという地上波デジタル放送の計画によるものです。2011年には、これまでのアナログ放送は停止されることになっています。これにより、まだ使えるテレビが一斉にリサイクルに回されるという問題と、デジタル電波の健康への影響という二つの問題について、日本消費者連盟とガウスネットが共催で06年11月4日に「デジタル地上波放送、新東京タワー問題を考える」集会を開催しました。(『消費者リポート』2006年12月7日)(2006/12/13)


    新任教員免職裁判
    【第2回】なぜわたしはここに 冒頭陳述にものすごい拍手 <いざわえりこ>
    私の冒頭陳述が裁判所から認められたのが、第1回口頭弁論(05・9・21)の10日ほど前のことでした。私は冒頭陳述の原稿を作成すべく、新任教員としての1年間のこと、子どもたちと過ごした日々、教員を志したころのこと…これまでの自分の人生をたくさん振り返っていました。これは時に苦痛を伴うことでもありますが、それでも提訴に至る自分の思いを裁判官に伝えるため、懸命に原稿を作成していました。その過程で、私が何度もぶち当たった疑問がありました。本当はこの労力を子どもたちの前に立つために費やしているはずではないのか?(2006/12/09)

    北朝鮮はどこへ
    <13>実利が経済活動のバロメーター 経済管理システムに変化 平壌には 「輸入物資交流市場」も
    120 2002年7月に北朝鮮政府が社会主義経済管理改善措置を発表してから4年が経った。物価の引き上げや供給不足など国家の計画経済の統制が緩んだことによって潜在的な問題が表面化した否定的な現象と、機関や企業所の独立制実施によって実利が経済活動の中心指標となって効率が向上するという肯定的な現象が同時に存在・交錯している。(プレシアン特約)(2006/12/08)


    辺見庸
    永遠なる単独者としての言葉を 憲法一章と9条「相容れない」 辺見庸氏が都内で講演
    120   作家の辺見庸氏(62)が7日夜、「個体と状況について―改憲と安倍政権」と題して東京都千代田区の明治大学アカデミーコモン・ホールで、日刊ベリタ、明治大学軍縮平和研究所、週刊金曜日、アジア記者クラブの共催による緊急講演を行った。安倍政権誕生後初の今回の講演で辺見氏は安倍晋三首相が唱える「美しい国」について、「にせ金、贋造紙幣のようなもの」と断言、この首相の言葉に「恐怖と戦慄、殺意すら感じてほしい」と述べた。辺見氏は「集団の波に巻き込まれない単独者」としての行動を呼び掛けた。(ベリタ通信)(2006/12/08)


    鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実
    第7回(最終回) 石井紀子(53)さんに聞く 「空港は永遠に未完成のままに」
    120 午後7時過ぎになると、離着陸のラッシュ状態となる。インタビューは、屋根の上をかすめる騒音によって、ときどき中断された。この騒音に耐えて生活するのは、並大抵な苦痛ではない。 (2006/12/06)


  • ドバイでもクリスマスツリー


  • 学校・子どもの危機と教育基本法の改悪 野田正彰氏(関西学院大学教授・精神科医)が緊急反対行動を訴える
      安倍政権が最優先課題とする教育基本法改正案の国会審議が大詰めを迎えている。日本国憲法とともに戦後日本の屋台骨を担ってきた同法の「改悪」に対して、多くの国民が反対の声をあげ、国会でも野党は慎重審議を求めているが、与党は今週中にも採決の構えを見せている。改正案の何が問題なのか。11月11日に兵庫県で開かれた緊急集会で、野田正彰氏(関西学院大学教授・精神科医)は急速に進む教育破壊のなかでもがき苦しむ教師らの声を紹介しながら、改悪阻止の運動を進めていこうと訴えた。講演内容とともに、教育基本法「改正」情報センターのサイト(www.stop-ner.jp)にも目を通していただきたい。(ベリタ通信)(2006/12/04)


    フィリピンでのASEAN首脳会議準備に赤信号 会場建設にもたつく「アジアの病人」
     アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の成功へ、国の威信をかけて取り組んだベトナムとは対照的に、フィリピンが12月中旬に同国セブ州で開催する東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の会場建設にもたついている。政府が約束した会場完工の期日は「11月15日」だったが、それを過ぎても完成のめどは一向についていない。地元紙の中には早くも「首脳会議までに間に合うのか」と懸念する社説が現れた。国民の間からもアロヨ政権のずさんな会場建設計画に批判の声が高まり、相変わらずの「アジアの病人」ぶりを見せつけている。(ベリタ通信=都葉郁夫)(2006/11/28)


    橋本勝21世紀風刺画日記
    第24回:戦争で心が壊れないことの異常さ
    120   普通の若者が突然、殺し殺される戦場に放り込まれる。戦友の手足が吹き飛び、内蔵がはみ出る無惨な死。常に自分も狙われているという疑心暗鬼から、子どもを殺してしまい、その罪の意識にさいなまれる。それに戦争の大義さえあやふやとなり、助けているはずのイラク市民から憎しみの視線を浴びる。そんな戦場での日々を送り、無事に帰還したことしても、普段の生活にスンナリ戻れないのは当然ではないか。(2006/11/27)


    鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実
    第6回 石井紀子(53)さんに聞く(上) 闘争のために来たのに風呂たき、冗談じゃないわよって(笑)。
    120   かつては、「微生物農法の会」からはじめられた「ワンパック運動」は、空港反対運動にささえられ、開港後も、6軒の生産者の野菜が、およそ1600世帯に配送されていた。が、その後、生産者はそれぞれ独自な道を歩くようになって、いま、「ワンパック」は、石井恒司・紀子さん夫妻によっておこなわれている。 (2006/11/26)


  • 米でクレジット・カード利用に警鐘 衝動買いでかさむ借金
  • 大学生が高い教科書代に悲鳴 オンラインの古本探しが主流に


  • 検証・メディア
    えっ、日本は非武装国家なの? 「米国の傘」は本当に安全か 安原和雄 (仏教経済塾)
      毎日新聞(06年11月10日付夕刊・東京版)の梅棹忠夫さん(京大人文科学研究所教授などを経て、現在、国立民族学博物館顧問)とのインタビュー記事にはちょっぴり驚いた。2ページ目のほぼ全面をつぶす「特集ワイド」で、真ん中に「非武装の先頭走者や」という大きな活字が躍っている。脇見出しに「米国の傘に入っとったらよろしい」とある。一読して「いつから日本は非武装国家になったの?」、「米国の傘は本当に安全なのか」という疑問を抱いた。繰り返し読んでみると、それほど単純な話でもないらしい。これは一例にすぎないが、最近の新聞記事は、真意を理解するのに骨が折れるものが少なくない。(2006/11/15)


    鎌田慧が見た三里塚 閣議決定40年後の現実
    第5回 石井恒司(58)さんに聞く(下) 頑張りのための頑張りではなくてね
    120 石井恒司さんは、4回か5回逮捕された青行隊のメンバーだったが、いまは、これまで紹介してきた、島村昭治、小泉英政、柳川秀夫さんとは違った感じで、どこか諦観が漂っている。それが運動の退潮をあらわしている。そうかといって、わたしにも、これからの方向をだせる能力があるわけではない。(鎌田)(2006/11/14)


    日中・広報文化交流最前線
    大学生の手作り日中学生交流(2) 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
      今秋、様々な日中大学生交流が北京で行われた。筆者は、日中の大学生達を何回かに分けて北京の拙宅に招き、学生交流の後の感想を教えてもらう機会があった。(中国の大学生達も、誘えば、臆せず、日本大使館館員の自宅に遊びに来る。)早稲田大学政経学部の某ゼミの大学生(学部生)達も北京に来て、北京大学国際関係学部学生(大学院生も含む)達と交流(1日のディスカッション)を行った。以下、早稲田大学の学生達の感想を紹介したい。(2006/11/11)


    「炭素の相殺」事業は地球温暖化の救世主ではない 企業の免罪符にせず真の解決策めざそう
      現在の環境問題の中でも最も多くの人々の関心が高いのが地球温暖化である。しかし、二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスの主な排出源となっている先進国では、省エネや自然エネルギー活用などの対策は遅々として進まない。そんな中で盛んなのが途上国で行われる植林や温暖化ガス削減事業である。先進国では植林は良いという認識が広まっているが、植林のCO2排出量削減への有効性は低く、しかも途上国で負の影響をもたらしているという情報は伝えられていない。さらには、排出権取引と炭素市場がビジネスの食い物にされ始めている。(ニュー・インターナショナリスト=アダム・マーニット)(2006/11/11)


    中東
    イラクでの米国人死者数は2万人以上 ヨルダン人研究家が分析
      米国防総省が発表するイラク駐留米軍らの死者数は、果たして正しいのだろうか。10月30日付のバスラ・ネットは、10月23日までのイラク駐留米軍らの死者数を、西側及び抵抗勢力側双方の様々な資料を検証して解析したヨルダン人の戦略問題研究家のアリー・フセイン・バーキール氏の論文を掲載した。それによると、死者数は2万人を超えると推定している。(齊藤力二朗)(2006/11/05)


    「労働・教育運動に生きて80年」槙枝元文自伝
    <54>硬骨漢・稲葉文相と公開で初会談
      話は戻るが、1972年7月、佐藤内閣が崩壊して田中角栄首相が登場した。新潟の片田舎出身で、学歴もないのに首相の座についた田中首相は「庶民宰相」「今太閤」ともてはやされた。その首相が文相に指名したのが、彼の同郷の稲葉修氏だった。稲葉氏とは数年前、私が書記長のとき、テレビで対談をしたことがある。日教組が賃金引き上げのために人事院勧告完全実施を要求してストライキを決行する日の朝だった。テーマは「教員のストライキ是非」であった。(2006/11/04)


    北朝鮮
    北朝鮮の核実験は「世界の終わり」の予兆なのか ヘレン・コルディコット米核政策研究所代表
      北朝鮮の核実験後、米国の核政策研究所(本部・ワシントン)の代表ヘレン・コルディコットは、「世の終わり来たりぬ」と題する一文をカナダのオタワ・シティズン紙(10月21日)に発表した。彼女はその中で、「北朝鮮に関してあらゆる誇大広告がなされる一方で、厳然たる事実として、世界にはまだ何千という米国とロシアのICBMの『砲身』が存在している」と指摘、すべての核兵器の廃棄のため両国が今こそ、1988年にレイキャビックで確立された非凡な先例を推し進めるべき、だと訴えている。この記事はコモン・ドリームス・ドットコムなど世界のサイトに次々と転載されている。(TUP速報)(2006/11/02)


    安倍政権をどう見るか
    揺らぐ「教育基本法」 安倍政権と東京地裁判決に注目 池田龍夫(ジャーナリスト)
      安倍晋三氏が小泉純一郎氏からバトンを受けて自民党総裁に就いたのは、9月20日。翌21日に東京地裁は、「入学式などで日の丸に向かって起立し君が代斉唱を強要することは、思想・良心の自由を侵害する」として違憲・違法の判決を下した。この二つに特別な脈絡があるわけではないが、教育基本法改正に執念をみせる安倍新政権誕生(9・26)と重なった時点で「戦後教育」をめぐる諸テーマを検証し、問題点を提起したい。自公民改正案の“目玉”は、「愛国心」盛り込みのようだが、「教育の憲法」といわれる教育基本法改正を、国会の多数決で押し切られては“国家百年の計”を誤る。(2006/11/02)


    「食」をめぐる倫理と調和を徹底追求 シンガー教授の新著 
     人口2千万人のオーストラリアで1万5千部以上売れ、哲学書として異例のベストセラーとなったピーター・シンガー・プリンストン大教授の新書「私たちが食べる物の倫理」(原題:The Ethics of What We Eat)。倫理学の世界的第一人者であるオーストラリア人学者の著者は、長年にわたって水問題や地球温暖化など環境破壊や倫理的問題を伴う食肉に対し、功利主義的立場から反対してきた。魚介類に焦点を当てた前回に続き、今回は新書が取り上げている「私たちが食べる物」についての多角的な倫理的問題点を紹介する。(アデレード=木村哲郎)(2006/10/31)

    橋本勝21世紀風刺画日記
    第20回:ガンジー、キング、イケダという悪い冗談
    120  その日の朝、「ガンジー、キング、イケダ」という本の新聞広告を見たとき、思わずわが目を疑い、次に笑いがこみあげ、そして怒りがわいてきた。「国も文化も宗教も異なる3人がともに「非暴力」と「対話」による変革という人類の偉大なる旗手となった」という宣伝文句のこの本の出版元は第三文明社。言うまでもなく創価学会系の出版社である。その創価学会のリーダー池田大作名誉会長を、非暴力主義の思想家であり実践家であったマハトマ・ガンジーとマーチン・ルーサー・キングと並べるとは、なんと厚かましいというか、恥を知らないというか・・・。(橋本勝)(2006/10/31)


    欧州移民新世紀
    「アフリカを救いたい」 スペインで働くマリ移民の告白、命がけでカナリア諸島に到着
    120  北アフリカ沿岸の漁村などから、スペインのカナリア諸島やイタリアなどに大量に押し寄せる不法移民に頭を抱える欧州各国は、不法移民政策を20日からヘルシンキで行われた欧州連合(EU)の非公式首脳会談のテーマとした。アフリカと欧州の間ではこの問題が深刻化し、政治の主題になっているものの、アフリカの青年たちがなぜヨーロッパを目指すのか、何を求めているのかについては、あまり語られることがない。日刊ベリタは、スペインに数年不法滞在し、昨年の恩赦でようやく念願の労働ビザを得たマリ人の青年にインタビューした。(マドリード=山上郁海)(2006/10/25)


    平和訴え原爆被爆者と東京大空襲被害者がともに歩く 国際反戦デーの浅草で
    120   国際反戦デーの10月21日、北朝鮮の核実験で揺れる情勢の中、東京・浅草で原爆被爆者と東京大空襲被害者、その支援者がピースウォークを行った。被爆者と空襲被害者がともに行動するのは戦後初めて。浅草は、1945年3月10日深夜の10万人以上が焼け死んだ東京大空襲時に焼け野原となった場所で、焼け残った浅草寺二天門近くの台東区民会館での集会の後、平和と戦争被害者への国家補償を訴えて約150人の参加者が浅草の街をゆっくりと歩いた。(加藤宣子)(2006/10/22)


    北朝鮮
    平和と危機の岐路…あきらめる時ではない 制裁・圧迫は解決策ではない キム・ヨンチョル高麗大教授 
    120   北朝鮮はなぜ国際社会の強い警告にもかかわらず核実験を行ったのだろうか。一般的に核実験を行う国家の動機としては、恐怖、名誉、利益という3つの要素が当てはまる。パキスタンがインドの核実験後わずか2週間で国際社会の警告にもかかわらず行動に出た背景には「恐怖」があった。北朝鮮の核実験には、彼らが直面している現在の局面に対する恐怖が表れている。ツキディデスはペロポネソス戦争史で「危機に面した人々は、未来の危機に対する恐怖によって動かされる」と記している。(2006/10/15)

  • 東京で比残留日本人問題を考えるシンポジウム


  • 時事英語一口メモ
    【14】「ソプラノ国家」
     「遊撃隊国家」「カルト国家」「首領国家」「盆栽国家」・・・。類を見ない専制体制を堅持する北朝鮮は、日本でもさまざまな呼び方がされる。英語でも北朝鮮ほど多くの異名を持つ国は恐らくない。その中のひとつ「ソプラノ国家」と聞いて、すぐにピンとくる人は少ないかもしれない。(鳥居英晴) (2006/10/15)


    イラクの生活は日々悪化している 日本で研修中の女医2人が窮状訴える
    120  「イラク戦争の後、事態は悪化するばかり。安全に暮らせる社会ではなくなっている」――。市民団体「セイブイラクチルドレン札幌」の招きで日本に研修を訪れている二人のイラク人女医(小児科)が、故国の窮状をこう表現した。イラクでは、水や電気の不備や医療施設の崩壊、医薬品の不足により、5歳以下の子どもの死亡率が1割強に及ぶ。危険と隣り合わせの生活は、子どもはもちろん、大人を抑うつ状態に追い詰めているという。混乱が続くイラクの現状についてインタビューした。(木村嘉代子)(2006/10/02)


    沖縄/日米安保
    平良夏芽さん釈放 メールで「元気です」と支援者に伝える
     【東京28日=ベリタ通信】9月25日、沖縄の米軍基地キャンプ・シュワブ前で抗議行動中に沖縄県警名護署に逮捕された平良夏芽さんが27日午後、釈放された。釈放された平良さんは28日、「不当逮捕に怒り、心配して下さった皆さまへ」と題したメールを辺野古実行委員会のメーリングリストを通じて関係者に送った。以下はその全文。(2006/09/28)

    笑う真犯人 検証・恵庭冤罪事件「13のナゾ」
    第41回:控訴審第2回――幻の三角関係       山口正紀(ジャーナリスト)
     〈事件〉は、人の運命を変える。被害者・被疑者、その家族はもちろんのこと、冤罪事件では、濡れ衣を着せられた人の人生そのものを奪ってしまう。私は、戦後、再審で死刑台から生還した4人のうち、免田事件、島田事件、松山事件の冤罪被害者3人にお会いした。ほかにも、布川事件、甲山事件、「ロス疑惑」など数多くの冤罪被害者に会い、記事を書いたり、支援活動に加わったりしてきた。人生を突然、警察権力に奪い取られ、冤罪との闘いに一生を費やさざるを得なくなった人たち。その無念や理不尽さは、どんなに言葉を尽くしても言い表しようがない。(2006/09/28)


    日中・広報文化交流最前線
    大学生の手づくり日中学生交流(1) 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   本年の夏休みを利用して、日中の大学生どおしが自ら企画し、お互いに往き来して交流している。筆者も北京で、いくつかの交流を見る機会があったので、紹介したい。筆者が大学生時代を過ごした1970年代後半は、中国、韓国とこのような学生交流を自らの手で作ることなどとても考えられなかった。日本の学生チームの中に、中国人留学生も含まれている。これも以前は考えられなかったことである。(2006/09/24)


    トヨタイズムの裏側で労組つぶし フィリピントヨタ労組の闘いに世界から支援の輪
    120  「トヨタイズム」や「カンバン方式」をモデルに世界の産業界を席巻してきたトヨタ自動車。年間1兆円を超える営業利益を誇り、経団連のポストをはじめ広告業界を通じたメディアへの支配力も含め、その影響力はとどまるところを知らない。そのトヨタ本社に今年8月、フィリピントヨタ労組のエド・クベロ委員長が、解雇された233名の組合員の復帰と補償を求めて交渉に訪れた。今回の訪日で明らかになったのは、超優良企業とは名ばかりのトヨタ自動車の門前払いに等しい慇懃無礼な対応であった。なぜトヨタはフィリピンに進出し、現地で何を行ってきたのか。労組つぶしだけではなく、フィリピン政府を手玉に取るトヨタの地域支配の実態までクベロ委員長に余すことなく語っていただいた。(「労働情報」特約)(2006/09/14)

    重大な欠陥抱えたJRの「企業風土」 尼崎事故で辞任した幹部が続々と天下り 安田浩一(ジャーナリスト)
    120  「どんなに頭を下げられても信用できない」。JR宝塚線脱線事故で肉親を失った遺族のJRに対する抜きがたい不信感はどこからくるのか。事故当時に引責辞任したはずのJR西日本の経営幹部が7月、一斉に子会社の社長に天下りした。被害者の補償問題も未解決のまま実行されていた。過密ダイヤの生みの親で、JR西日本の「天皇」と呼ばれた井出正敬前相談役も子会社の顧問に就任した。遺族から井出氏の責任を問われたJR西日本は「すでに会社を辞めた人間ですから」とはぐらかしていた矢先の人事だった。こうしたJRの利益優先の無責任体質は、保線作業の民営化と子会社への丸投げによる線路破断が後を絶たないことにも現れている。安全が軽視され、事故への無関心が「企業風土」となってしまったJRの実態を現場から報告する。(「労働情報」特約)(2006/09/13)

    農と食
    コメがあぶない【7】 下がる生産者米価、増える農民の借金 世界一のコメ輸出国タイの現実
    120 前回は日本と同じ食料輸入国韓国についてみた。今回は世界有数の食料輸出国タイで何が起きているかをみることにする。そこでみることが出来るのは、輸出が増えれば増えるほど農民が困窮するという逆立ちした事態である。タイはさまざまな農産物を輸出しているが、なかでもコメは世界最大の輸出国である。そしてここでも<輸出増−米価の低落−農民の借金増>という悪循環が起こっている。(大野和興)(2006/09/11)


    笑う真犯人 検証・恵庭冤罪事件「13のナゾ」
    第38回:私は無実です――Oさんの訴え      山口正紀(ジャーナリスト)
      2004年3月21日午後、札幌市で開かれた支援集会「恵庭裁判を考える――控訴審無罪判決をめざして」の報告を続ける。恵庭事件弁護団には一審判決後、新たに東京から4人の弁護士が加わった。そのきっかけになったのは、一審判決から半年後の2003年9月11日、日弁連刑事弁護センターが東京(弁護士会館)で開いたシンポジウム「状況証拠と冤罪」。恵庭弁護団の伊東秀子弁護士が「冤罪・恵庭OL殺人事件―― 一審判決に見る誤判の構造」と題して特別報告した。(2006/09/09)


  • ウジュンクーロンの森で「ジャワサイ増えた」 WWFが発表


  • 中東
    「世界中の人びとが息子のメッセージを受け止めて」 イラク参戦拒否の米軍中尉の母が公開書簡
    120   イラク行きの命令を拒否した米軍の現役将校、エレン・ワタダ中尉にたいする公判前審問が8月17日と18日に開かれました。4時間に及ぶ審問中3時間にわたって、デニス・ハリデイ元国連事務次長、イラク侵略に抗議して2003年3月に辞職したアン・ライト元陸軍大佐、国際法の権威であるフランシス・ボイル‐イリノイ大学教授らがワタダ中尉を弁護する証言を行いました。調査担当将校マーク・キース中佐がワタダ中尉を軍法会議に送るかどうか、容疑をどうするか、勧告を出すようです。ワタダ中尉の母キャロライン・ホーさんがこの審問を前にして、支援を訴える公開の手紙を出されましたので、紹介します。(TUP速報)(2006/09/04)


    「ミーダーン パレスチナ・対話のための広場」 私たちの問題としての想像力を 攝津 正
      A「2006年9月2日(土)に大久保地域センターで催された『「ミーダーン パレスチナ・対話のための広場」結成集会 いま、パレスチナと私たちを繋ぐもの』に参加してきたそうだね。どんな感じだったか、感想を聞かせてくれないか。」 (2006/09/03)


    北朝鮮はどこへ
    <5>後継者の準備を本当にしているのか? 注目される第7次党大会
    120   金正日(キム・ジョンイル)総書記が 2002年に還暦を迎えて以来、国内外のマスコミでは金正日総書記の後継者問題が関心の的になっている。2000年代に入って北朝鮮軍の内部資料が公開されたり、総書記の板前だったという日本人藤本健二氏の本が出版されたりしたことにより、これまでは単なる「仮説」にすぎなかったことが、新たな様相を見せている。これまでは「金正男(キム・ジョンナム)と金正哲(キム・ジョンチョル)の後継者争い説」、「金正哲浮上説」、「金正哲の後継ぎ確定説」「金正雲(キム・ジョンウン)後継者浮上説」など多様な説がもっともらしく繰り広げられてきた。概して、金正日の息子が後継者になるであろうという分析が多かった。(2006/09/01)

  • 米高校生が二つの共通入試で満点 あまり例がないと話題に


  • 北朝鮮はどこへ
    <4>金正日の先軍政治は不動のものか 安保を脅かす要因の消滅で終焉に
      金日正総書記が先軍政治を始めてからいつのまにか 10年が過ぎた。今では「北朝鮮」「金正日」「先軍政治」という単語を切り離し、「先軍政治」のない北朝鮮を想像するのは難しくなっている。北朝鮮の政治体制はもちろん、北朝鮮の日常生活を理解するためにも先軍政治は欠かすことができないキーワードとなった。先軍政治は 「新しい政治方式」から 「新しい革命理論」へ、主体思想に劣らない 「新しい思想」へとたえず派生しながら広がっている。「主体思想一色化」を連想させる「先軍思想一色化」というスローガンまで登場した。(2006/08/23)


  • 【ルポ】両腕を失ったイラク人少年(3) 周囲に見守られて成長 後...
  • 加州の住宅ブームに蔭り? 住宅販売は記録的落ち込み


  • カナダに逃げ込んだ米脱走兵既に200人 「無辜の市民を殺害したくなかった」 
      バグダッドに駐留していたダリル・アンダーソン一等兵(24)は当初、対イラク戦争を支持していた。しかし、無辜の市民を巻き添えにしかねない戦争の実態に疑問を感じるようになった。ある日、上官が、検問所に向かってくる車に発砲を命じた。アンダーソン一等兵は、「敵」かどうかも分からないまま、発砲することをためらい、結局発砲しなかった。しかし、これは正解だった。運転していたのは、二人の子どもを含む家族連れだった。一歩間違えば、市民を殺害するところだった。このことが、その後米軍基地を脱走し、カナダに逃げ込むきっかけになった。彼のようにカナダに脱走した兵士は、現在約200人いるという。(ベリタ通信=江口惇)(2006/08/15)


    日中・広報文化交流最前線
    進化する日中青少年交流(2) 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   日中の青少年達が、相手国を訪問してどのような感想を持つのかを紹介したい。週刊誌『瞭望東方周刊』5月18日号に、「中国の若者が日本を感じる」という記事が掲載された。「一般の日本人の友好的な態度と気配りの細かさを感じた。日本の自然環境、文化遺産保護、行き届いた社会保障及び日本人の団結等も強い印象を残した」(四川の大学生)「もう一つの感想は、日本の若者達は政治には関心が無く、中国で強烈な反応を引き起こした歴史問題と教科書問題について、『少しも興奮していない』ことである」(北京の大学院生)(2006/08/14)


    中東
    イラク駐留米軍の虐殺、次々と明るみに 友軍兵士が「しゃべれば殺す」と脅迫 加速する暴力志向
      対イラク戦争の負の側面といえるのが、駐留米軍兵士によるイラク市民らへの非合法な殺害だ。最近、こうした事件が相次いで発覚し、米軍の威信が揺らいでいる。幾つかの事件は、軍当局が調査しているが、8月初めにイラクの軍事基地で行なわれた審問で、証人の米軍兵士が、駐留部隊の中には、イラク人への蔑視や差別感を助長する土壌があることを明らかにし、波紋を広げている。(ベリタ通信=江口惇)(2006/08/11)

    【IPSコラム】米国はイランと交渉すべき 核開発阻止、中東の安定のために ダリウス・ザヘディ/オミディ・メマリアン
     【IPSコラムニスト・サービス=ベリタ通信】イランが核開発計画に強硬姿勢を取っていることとあわせてヒズボラの挑発は、ブッシュ政権でのイランに対するタカ派の影響力を増やした。彼らはイランが中東を不安定にさせている主要な原因であるとみなし、イランをさらに孤立化させ、弱体化させ、懲罰し、屈辱を与える政策に乗り出した。(2006/08/10)

    「本当の父親は誰」と母親を訴える 米ミシガン州の17歳の少年
      両親が13年間連れ添って離婚した後、少年Aは、まさか自分の父親が本当の父親ではないとは夢にも思わなかった。しかし、成長するにつれ、現在の父親とは顔が似ていないことが一層明白になった。しかも決定的だったのは、その後のDNA鑑定で、現在の父親が実父でないことがわかったことだ。ところが母親は、DNA鑑定は間違いだとこれを認めなかった。このため少年は、遂に裁判所に対し、父親の名前の開示を求めて訴えを起こした。子どもが親を対してこうした訴訟を起こすのは、米国では前例がないという。(ベリタ通信=江口惇)(2006/08/06)


  • 【ルポ】両腕を失ったイラク人少年(2) 「ヒロシマって、すごいよ...


  • イスラエルのアラブ系議員に脅迫文 レバノン攻撃批判に嫌がらせ
     【テルアビブ4日=桐島けい】レバノン情勢が混迷を深める中、イスラエルによるレバノン攻撃を批判するアラブ系イスラエル国会議員への脅迫行為が激しさを増している。「われわれはラビン(元首相)を殺したように貴様を殺す」などの匿名ファックスが大量に送られているほか、ユダヤ人とみられる若者にナイフで刺される事件も発生、アラブ系議員たちは「(ユダヤ人過激派は)アラブ人をスケープゴート」に利用しようとしていると批判している。(2006/08/04)


    農と食
    【買わない・食べない米国牛肉】(上) 肝心な点が未解明なBSE 西沢江美子(農業ジャーナリスト)
      それでも米国産牛肉は入ってくる。この”不安の塊“を「買わない」「食べない」ようにするにはどうしたらよいか。外食や加工品まで含め、見分けはつくのか。現代畜産の構造から買い方・食べ方まで実態と提言をまとめた『あぶない肉』(めこん)の著者で農業ジャーナリストの西沢江美子さんに書いてもらった。(上)はまだ肝心な点が解明されていないBSEの怖さと、それに対する公的な対策、(下)では買う側・食べる側はいかなることに注意を払うべきか、を紹介する。(2006/08/03)

    北朝鮮はどこへ
    <1>北朝鮮の悩みと努力の実像を知ろう(下) 情報の「受け手」から「送り手」へ
    120   民間レベルの北朝鮮情報へのアプローチ拡大は、国内的な意義に留まらない。冷戦の時代には北朝鮮関連情報の海外依存度が高かった。すなわち、米国や日本などの外国人は、われわれよりも相対的に自由に北朝鮮を訪問したり北側の人と接触することが可能であり、そういった情報にはプレミア性があった。このためわれわれは第三国の政府と研究機関、研究者の北朝鮮情報と分析に頼る傾向から脱することが難しかったのだ。しかし、南北政府関係の改善および民間レベルの交流・協力の拡大は、韓国の北朝鮮情報と分析能力を一気に引き上げている。(2006/08/03)

    農と食
    【検証・米国産牛肉】(上) 信用できない検査体制 いつの間にか対象牛を10分の1に削減
    120   BSE(牛海綿状脳症)問題で途絶えていた米国産牛肉の輸入再開のための日本政府による米食肉処理施設調査が7月21日に終わり、7月末にも輸入解禁という段取りになった。日本政府による調査結果は明らかにされていないが、「輸入再開に支障となる問題は見つからなかった」ということで、消費者の不安をよそに、この先続々と米国産牛肉が入ってくることになる。その安全性を、消費者はどう判断したらよいのか。以下検証する。(大野和興=農業ジャーナリスト)(2006/07/24)

    日中・広報文化交流最前線
    日本語弁論大会の中国式勝利の「秘訣」 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   中国の高等教育機関(大学等)で日本語を学習している中国人は20万人を超えると言われる。(高校生以下と社会人を含めた、中国全体での日本語学習者は39万人を超える・・・2003年国際交流基金調査)。中国においては、日本語は英語に次いで人気のある外国語である。全国的に日本語学習者人数は増えている。ここ数年でも日本語専門学科を設置した大学は多数ある。また第二外国語として学ぶ大学生の人数も非常に多い。上海周辺では日本語を学ぶ社会人も増えている。各地の大学では、日本語学習の一環として、弁論大会が行われる。(2006/07/24)


    ブラジル人男性の誤射殺から1年 警察官ら不起訴処分に親族は怒りと悲しみを吐露
    120   【ロンドン=18日小林恭子】ロンドンの地下鉄ストックウエル駅の車両内で、ブラジル人男性ジャン・チャールズ・デメネゼスさん(当時、27)が自爆テロ犯と間違われて警察官に射殺されてから、22日で1年となる。独立警察苦情委員会が今年1月にまとめた事件の調査報告書を基に、警察の責任問題を検討してきた英検察局は17日、発砲した警察官らの刑事責任は問わないことを決めた。デメネゼスさんの家族らは、この決定は「信じられない」と怒りと無念さを吐露した。同駅正面入り口の左側には現在、誤射殺の犠牲になったデメネゼスさんの記念スタンドが設けられている。(2006/07/18)

    橋本勝21世紀風刺画日記
    第5回:日本を本当に守る気があるのなら
    120 ▼北朝鮮が7発のミサイルを発射、日本中が震撼、その危機意識の高まりは、日米によって進む「ミサイル防衛」計画の実戦化を加速することになる。かくて日米のミサイルの支えられた日本列島よ、安心してお眠りということになるのだが……。▼やっぱり出てきた。敵がミサイルを発射してからでは遅い、発射準備の段階で敵基地を攻撃せよという勇ましい発言。まるで米国がイラクを攻撃した際の言い分を繰り返している様な日本政府の閣僚たち。専守防衛なんで甘っちょろいこと言うなかれ。“攻撃こそ最大の防御”「ミサイル攻撃」である。(2006/07/18)


    猛反撃はヒズボラの誤算か イスラエルからの見方 トーマス・オドワイヤー
    120  【openDemocracy特約】7月12日に危機が起きてから、イスラエル軍はレバノンに対して厳しい懲罰を加えて続けているが、ふたつの疑問がイスラエルの中東ウォッチャーを最も当惑させている。ひとつは、ヒズボラの指導者、ハッサン・ナスララ師がイスラエルへの越境作戦に対して大規模な反撃を予期していたのか、あるいは単に誤算だったのか。もうひとつは、イスラエルは、そのような危機に対して有事計画を持っていたのか、あるいはその計画は最初からこのような容赦ない軍事力を加える予定だったのか、である。(2006/07/18)

    紛争の根底にある新部族主義政策 制度構築を破壊したアラファト ジム・レダーマン
     【openDemocracy特約】ガザで起きた最近の戦闘に関して、直後の状況や周辺事態について多くの説明と解説がなされ、イスラエルとパレスチナのどちらの主張が世論により大きな影響力を持つのかというお決まりの議論であふれている。しかしながら、両者が本当に懸けているのは、戦闘の理由として公に言われていることをはるかに超えている。(2006/07/16)

    日中・広報文化交流最前線
    「偏見」について中国人ジャーナリストと議論 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   北京では様々なシンポジウム・会議が開催され、筆者にも声がかかる。出席して、本当に率直な議論がなされて面白いシンポジウムが毎回あるという訳では必ずしもない。残念ながら、以前に聞いたような議論の繰り返しであるシンポジウムもある。しかし、最近あるシンポジウムに出席して、非常に興味深い議論を聞くことができたので、紹介したい。これは、米国のある民間機関が主催した「国際関係と中国偏見」というタイトルのシンポジウムである。(2006/07/16)


    リバーベンド日記
    殺戮事件での親友の死、占領軍の少女レイプ…
      長い夏になりそうだ。いまはほぼ半ばにさしかかったところだが、一日一日がのろのろと過ぎていくだけのように思える。この夏は、暑さと、ハエと、何時間も何時間も続く停電と、至るところで見つかる死体とがごたまぜになっている。一昨日は破滅的な日だった。この日はジハード地区での殺戮のニュースで始まった。(2006/07/15)


    中東
    女性への「名誉殺人」なお続くイラク クルド地区都市でも年に735人犠牲 イラク戦争後、状況悪化
    120   【ロンドン14日=小林恭子】宗派の違いによる争い、自爆テロなどが原因で連日数十人の死者が出ているイラクだが、例え治安が安定しても、イラクの女性たちが「名誉殺人」という名の下で父あるいは兄弟に殺害されたり、暴力を受ける悲劇はなお続いている。在英女性運動家でイラク出身のサワサン・サリムさんらによると、イラク南部と比較して「安全」と英政府がみなす北部のクルド自治地区でさえ、過去15年間で3万人以上、ある都市では1年に735人の女性たちが「名誉殺人」の被害にあっている。欧州に住むイラク出身の女性たちも名誉の殺人からのがれることができない現実があるという。(2006/07/14)

    北朝鮮
    ミサイル発射への過剰反応を憂慮する 「安保危機」叫ぶよりも「協議再開」を 金根植・慶南大教授
    120  北朝鮮によるミサイル発射から1週間。相次ぐ日本政府高官による先制攻撃論は、周辺国にも大きな波紋を及ぼしている。日本国民の世論も強硬論を許容する気配が濃厚だ。米国も同様に制裁を主張している。今回の危機の特徴として、金根植(キム・グンシク)慶南大学教授(政治学)は、最も北朝鮮に強行な対応を取っているのは韓国自身だと指摘する。すでに南北首脳会談から6年が経過した。にもかかわらず南北関係に進展がなく、核問題の解決の気配すらない。そうした停滞状況に韓国民が倦怠感を覚えた裏返しだというのだ。しかしまた、そうであるからこそ冷静にミサイル危機の本質的な原因を究明することが必要なのだと、金教授は説く。親北朝鮮と反北朝鮮の区別とは関係なく、周期的に繰り返される対決を終結させるための分析と大胆な提言を紹介する。(プレシアン特約)(2006/07/13)

    「イラク戦争は間違い」「ブレアは辞任するべき」 軍体験を著した元英兵が心情を吐露
    120   【プレストン(英北西部)12日=小林恭子】内戦状態になっているイラクには、現在約8000人の英兵が駐留している。2003年3月のイラク戦争開戦当時、英兵士の大部分は戦争の意義を信じていたが、現在ではほとんどが懐疑的、あるいは否定的な見方に変わっているという。3年間の軍隊体験を本にしたスティーブン・マクログリン氏も心変わりをした一人だ。英軍での体験自体は「誇りに思う」としながらも、イラク戦争は「間違った戦争」であり、この戦争を開始したブレア首相は辞任するべき、と主張する。「政治家たちに裏切られた思いだ」と言うマクログリン氏に、英北西部プレストンにある氏の自宅近くで話を聞いた。(2006/07/12)


    英核政策の完全公開が必要 トライデントの後継問題 戦術的・先制使用が核戦略の中心 ポール・ロジャーズ
    120  【openDemocracy特約】英国のトニー・ブレアー首相の後継者とされるゴードン・ブラウン財務相が英国の核兵器の将来についての議論をたった5文字で意図的に再燃させた。6月21日に行った、世界市場、金融サービス、経済政策に焦点を当てた多岐にわたる講演で、21世紀の英国の安全保障について、「独自の核抑止力を維持すること」という言葉を入れたのだ。(2006/07/11)


    帰国求めるネパール系難民 ブータンの「民族浄化」 桃源郷のもうひとつの顔 ダルマ・アディカリ
    120  【openDemocracy特約】ヒマラヤでの民主主義にとっては、まさに特別な時代だ。ネパールの大衆運動が事実上、ギャネンドラ国王から絶対権力を4月に奪った。東ヒマラヤの王国、ブータンではシグメ・シンゲ・ワンチュク国王が2005年12月、2008年までに退位し、議会制の政府を採用すると宣言した。50歳の国王が退位し、息子のシグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュクに王位を譲るという発表は多くの人にとって衝撃であった。近隣のネパールでの動向と相まって、両王国が民主化しつつあるような証拠に見える。が、ネパールでの草根の根の手法とブータン国王のトップダウンの権力委譲の間には重要な違いがある。(2006/07/09)


    日中・広報文化交流最前線
    北京の障害者、孤児達との音楽交流 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   川畠成道氏は、8歳の時に薬害から目が不自由になったが、ご両親をはじめ周囲からの素晴らしいサポートを得て、大きな試練を乗り越えて練習に励んだ結果、現在ではヴァイオリニストとして世界的に活躍されている。多くの企業、人々からの支援も得て、川畠成道氏と英国人ピアニストのアンソニー・ヒューイット氏に6月25〜29日、北京に来て頂いて演奏活動をして頂き、音楽を通じての北京市民とのすばらしい交流を行って頂いた。(2006/07/09)


    笑う真犯人 検証・恵庭冤罪事件「13のナゾ」
    第33回:一審公判(13)――証拠調べ終了      山口正紀(ジャーナリスト)
      前回公判(第39回)に、それまで存在をひた隠しにしてきた「2台の車と炎の目撃者」が証人として登場、窮地に陥った検察は2002年8月21日の第40回公判に、「新たな目撃者」を証人として引っ張り出してきた。事件当夜の2000年3月16日夜、JR長都駅前で「若い女性二人が乗ったパジェロらしい車を見た」という証言だ。だが、検察が苦し紛れに出してきた「新証言」は、目撃時間からして、話にならないものだった。(2006/07/08)


    中東
    憲法改正なければ暴力の鎮静なし 過去を問わぬ国民和解が必要 イラク専門家が分析
      【バグダッド6日=IRIN】イラクにおける「和解」と暴力の沈静化を図るためには、イスラム教シーア派が約束を守り、スンニ派が受け入れられる形でイラク憲法を改正することが重要であると、専門家は指摘している。イラク政府は今週、憲法改正案の準備を始めたが、スンニ派は一貫して2005年12月に国民投票で採択されたイラクの新憲法について、スンニ派教徒の求めているものを示しておらず、政府の主要ポスト、石油収入などの分配をめぐって不公平であると不満を表明し続けている。(2006/07/06)


    北朝鮮
    北朝鮮はなぜミサイルを発射したのか 韓国の専門家の見方をネットメディア「プレシアン」が紹介
      北朝鮮のミサイル発射の狙いはどこにあるのか。独自の北朝鮮報道で定評のある韓国のオンラインニュースメディア、プレシアンは5日、同国の専門家たちの見方を紹介した。専門家らは、電撃的なミサイル発射は中国が提案した「非公式6者協議」に関係があるものとし、北朝鮮の今後の出方に注目している。またミサイル発射は米国を2者協議に誘い込むためのジェスチャーだとして米国が何らかのかたちで北朝鮮との対話を試みる可能性を指摘する見方もある。ただ、多くの専門家は今後の正しい対応のためには北朝鮮の公式発表や米国の情報の慎重な分析が必要だとし、北朝鮮を屈服させようとする戦略は成功しないだろうと指摘している。(プレシアン特約)(2006/07/06)

    イラク人を強制送還するな 英政府の難民の扱いで抗議の決議採択
       【ロンドン2日=小林恭子】2004年以降、英政府はイラクからの難民申請者を「自発的」に帰国させる、あるいは強制送還する方策を打ち出しているという。こうした動きに歯止めをかけるための会議が、先月末ロンドンで開催され、「帰国すれば殺される」とする難民申請者らが体験を語った。参加者はイラクからの難民申請者を戦争の犠牲者と認定すること、働く権利を与えることなどを含む「強制送還停止決議」を採択した。(2006/07/03)


    根津教諭の「君が代」拒否
    不当な停職3ヶ月が終了 闘いを励ましてくれた生徒一人ひとりにお礼を言いたい
      皆さま。停職最終日の30日には立川二中の校門前で幸せをたくさんもらい、3ヶ月の停職が終わりました。お金はないけれど、素敵な出会いがあり、貴重な体験ができ、充実した3ヶ月でした。ご支援くださった皆様、ありがとうございました。不当な停職処分に抗議し闘い続けることができるのも、授業でかかわった生徒たちの励ましがあったからのこと、一人ひとりにお礼を言いたいとの思いで朝も帰りも挨拶を交わした。(2006/07/02)


    検証・メディア
    小泉首相は教育基本法を読んだことがあるのか? 池田龍夫(ジャーナリスト)
      事件・事故の多発で社会に暗雲が立ち込めている。事故のたびに「平等・自由を強調し過ぎた『教育基本法』によって、道徳心・公共心が欠如したため」との非難が罷り通るのは、政治家の責任回避ではないか。敗戦の廃墟から立ち上がり、新生日本の道標となった犇軌蘋觚性瓩陵念を実践してこなかったことを反省せずに、混迷社会の犖偽Л瓩稜,批判する姿勢は許しがたい。小泉純一郎首相も「教育基本法」のもとで戦後教育を受けた一人だが、いま「基本法改正」に狂奔している人たちは一体、条文をきちんと読んだことがあるだろうか。(2006/07/01)


    【ワールドカップ便り】「ベルリンに行くぞ!」16年ぶりの決勝進出に向けて沸き上がるドイツ
    120  ドイツ人がサッカー好きだと知ってはいたが、これほどとは知らなかった。ワールドカップ・ドイツ大会の盛り上がりは、日に日に高まるばかり。デパートもレストランもどこもかしも、サッカーのデコレショーンだらけ。各国代表のTシャツが飛ぶように売れ、ドイツの黒、黄、赤のモチーフを使ったTシャツや帽子、腕輪が街にあふれている。普段着が「3色旗」の人が続出し、普通のおばさんがドイツのTシャツを着て会社にいっているのだからすごい。(ハノーバー=田口理穂)(2006/06/27)


    占領政策への責任を問うボイコット 対イスラエル学界、失効するが波紋広がる
       【テルアビブ21日=桐島けい】英国最大の高等教職員組合が、イスラエル政府のパレスチナ占領政策を支持するイスラエルの研究者や教育機関をボイコットすることを5月下旬に決定した。英国内の他の教職員組合との合併を理由にボイコット決議は数日間で失効したが、この決議が問題にしたイスラエルの学者や大学が占領政策に「果たしている役割」について波紋が広がっている。決議に反対していたイスラエルのグループが「ボイコットは学問の自由の侵害であり、アンチ・セミティズムの表れ」と批判する一方、ボイコット推進グループは「大半の学者は政府の政策を支持しており、判事、軍統制官らを輩出する大学なしでは占領は継続しない」と強調している。(2006/06/21)


  • 東ティモール前内相に疑惑浮上 選挙対策のために警察を私兵に?


  • 英議事堂前で寝泊りし戦争反対の抗議続ける 警察の手入れも
    120   【ロンドン18日=小林恭子】ロンドンの英議会の建物の真向かいにあるパーラメント広場で、戦争反対の抗議活動やデモを5年間続けている男性がいる。妻や子供と離れ、数メートルの長さに並べた反戦の展示物の陰に、昼夜寝泊りしている。英政府当局はこの男性を移動させるのに必死だが、英市民の「抗議をする権利」を簡単に失ってはならないと数人の賛同者たちが入れ替わりデモ現場兼「住居」を守り続けている。(2006/06/18)


    「君が代替え歌」、原作者は市民団体の女性か 細部の修正経て5年前に現在の詞に
       【東京30日=稲元洋】29日付朝刊で産経新聞が報じた「『君が代』替え歌流布 ネット上『慰安婦』主題?」との見出しの記事 (2006/05/31)

    人類への罪と法の裁き 近代の虐殺史と蛮行防止システムの意味
      過去数十年にわたり、人類はおぞましい残虐行為の数々を経験してきた。最近でも、カンボジア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルワンダ、そして現在のダルフールまで、殺りくの歴史はいまだに続き、今も大勢の被害者が苦しい過去を背負いながら生活している。しかしその一方で、国際的な司法制度と救済措置が徐々に整備されてきた。それは、これまで責任を逃れてきた加害者たちを追いつめ、トラウマを負った社会や人間に和解と癒しの機会を与え、将来の蛮行を未然に防ぐ役割も担っている。その国際的な努力の現状と可能性について報告する。(ニュー・インターナショナリスト=ウェイン・エルウッド)(2006/05/30)


  • “太っちょ男”の米国横断に疑惑浮上 一部は歩いていなかった?
  • 「記者は武装を」と比司法長官が発言


  • 中国
    「BC級戦犯を問わないのは譲歩」曹氏 「日中関係はうわべ」河野氏 「両国に落とし所探る動きも」興梠氏 「中国の脅威」めぐり都内でシンポ
    120    【東京23日=ベリタ通信】ちまたでささやかれる「中国の脅威」は本当に存在するのか──。市民やフリージャーナリストにも開かれた本来の記者クラブの姿を追及する「アジア記者クラブ」(代表・伊藤千尋)が23日、人民日報東京支局長の曹鵬程さん、共同通信中国語ニュース室長の河野徹さん、神田外語大学中国語学科教授の興梠(こうろぎ)一郎さんの3氏を招き、「『中国の脅威』は存在するのか」と題したシンポジウムを都内で開催した。3氏はそれぞれの立場から日中関係とメディアの課題を挙げ、「中国では親日派が、日本では親中派が売国奴と呼ばれる」(曹氏)など現状の問題点を指摘した。(2006/05/24)


    日本軍に拘束された比人を救った日本人女性を表彰 「私たちの天使」と生存者
       【マニラ新聞特約16日】太平洋戦争中、日本軍の憲兵隊に捕らわれた多くのフィリピン人の命を救った日本人女性が比日国交回復50周年の今年、「ヒロイン」として第二の故郷となったルソン島中部サンバレス州サンナルシソ町で顕彰された。この女性は一九五四年一月に他界しており、死後から52年たった今回の表彰式(13日)には3女が出席した。(2006/05/16)


    イラン核問題
    8割以上がイランの核保有支持 アルジャジーラのネット調査
      【東京8日=齊藤力二朗】カタールの衛星放送アルジャジーラは4月下旬から5月にかけてパレスチナのハマス政権に対する「陰謀」の存在やイランの核保有戦略に関し、ネット上でのアンケート調査を実施した。それによると、ハマス政権を崩壊させる陰謀の存在があると答えた人は85.6%、イランの核保有を支持する意見は81.6%に上っている。(2006/05/08)


    根津教諭の「君が代」拒否
    「自分の頭でよく考え行動する人間になってほしい」 離任式で生徒たちに話す
      路上での卒業生との対話、中年男性の捨てぜりふ、校長と副校長の不可解な行動、そして前任校の離任式での教え子たちとの対面…。根津公子教諭(鶴川二中)は、卒業式での「君が代」拒否で東京都教育委員会から停職3ヶ月の処分中だが、連日さまざまな人たちとの出会いを続けている。以下に紹介する停職4週目の「出勤」報告は、都教委が本当に処分したがっているものが何なのかを明らかにしてくれないだろうか。(ベリタ通信)(2006/04/30)


    根津教諭の「君が代」拒否
    道行く人や生徒たちとの「青空教室」を愉しみながら「出勤」をつづける
      新学期から3週間ほどが過ぎ、どこの学校にも子どもたちの元気な声が響いている。根津公子教諭(鶴川二中)は、卒業式での「君が代」拒否で東京都教育委員会から停職3ヶ月の処分を受けたため教室での授業を行なえないが、勤務校と前任校の校門の前まで毎日「出勤」し、道行く人や生徒たちと「青空教室」を開いている。春らしいポカポカ陽気の日、突風と雨の日、路上でどんな教育が行なわれているのだろう。(ベリタ通信)(2006/04/22)


    「途上国拠点に360度の視点を持つ国際放送局に」 ビデオジャーナリストの募集も検討 アルジャジーラ英語版社長に聞く
    120  カタールの衛星テレビ・アルジャジーラが間もなく、英語放送を開始する。開局から今年で10年目を迎えるアルジャジーラは、アラビア語圏で人気が高い。英語放送は新たに発足した「アルジャジーラ・インターナショナル」が提供する。カタール・ドーハを拠点とする同社のナイジェル・パーソンズ社長(55)によると、英語放送は「360度の視点を持つ国際放送局」を目指すという。ロンドンに出張中のパーソンズ社長に、放送開始までの秒読みの状況と編集方針に関して聞いた。(ロンドン=小林恭子)(2006/04/20)

    ムハンマド中傷漫画
    【揺れるデンマーク・8】「表現の自由を支持し続ける」 ポリティケン紙編集長・セイデンファーデン氏
    120   デンマークの保守系新聞「ユランズ・ポステン」が掲載した、イスラム教預言者ムハンマドの風刺画事件を、ライバル紙「ポリティケン」はどう見たのか?「揺れるデンマーク」の最終回として、編集長トゥア・セイデンファーデン氏に、改めて事件の分析と今後の予測を聞いた。同氏は、風刺画は基本的に間違いであり、デンマークのイメージを失墜させたとしながらも、「表現の自由は支持し続ける」と述べ、表現の自由の将来について語った。(コペンハーゲン=小林恭子)(2006/04/16)


    日中・広報文化交流最前線
    中国の大学生たちとの対話を楽しむ(2) 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   筆者が中国人の大学生や若者に講演した後、よく出される質問は、日本の体制、文化、社会、政治から日中間の問題、中国文化への評価など多岐にわたっている。筆者も中国人の若者に質問をしてみる。中国人学生から「日本の『島国根性』について説明してほしい」と質問されたので、「それは日本人が自己反省して自分に付けた表現である。では中国人は自己反省する場合、どういう表現をするか?」と質問してみた。その中国人の学生は困ってしまって、答えはなかった。(2006/04/16)


    根津教諭の「君が代」拒否
    高圧的な人たちと励ましを送ってくれる人たち 停職「出勤」から見える日本の姿
      今春の卒業式で「君が代」を拒否して東京都教育委員会から停職3ヶ月の処分を受けた、根津公子教諭(鶴川二中)は、前任の立川二中と現任校への「出勤」と都教委への抗議行動を続けている。同教諭は日々の出来事を支援者や教え子たちにメールで伝えているが、今回紹介するのは4月10日から3日間の報告である。様々な人たちの出会いの中から垣間見えるのは、日本の社会がいまどのような方向に進みつつあるかである。言い換えれば、「君が代」問題はそのような日本の縮図なのであろう。(ベリタ通信)(2006/04/13)


    笑う真犯人 検証・恵庭冤罪事件「13のナゾ」
    第20回:一審公判(1)――検察側証人       山口正紀(ジャーナリスト)
      2000年10月27日、札幌地裁(佐藤学裁判長)で始まったOさんを被告人とする「殺人・死体損壊」事件の一審公判の審理は、ほぼ月2回開廷という速いペースで進行。2003年3月26日の判決まで、2年5か月の間に重ねられた公判は、計46回に及んだ。一審の審理経過をざっと振り返ると、審理の大半が検察側立証に費やされ、弁護側の立証機会はごく限られていたことがわかる(2006/04/08)


    根津教諭の「君が代」拒否
    「君が代」拒否で停職3ヶ月 でも予想より軽い処分は支持者のおかげ
    120   東京都教育委員会は3月31日、今春の卒業式で「君が代」を拒否した公立学校の教師33人を懲戒処分にした。昨年停職1ヶ月の最も重い処分を受けた根津公子さん(立川二中)は、今回も停職3ヶ月の最も重い処分。そのうえ通勤に約2時間かかる職場に異動となった。それでも同教諭は、予測より軽い処分だったのは多くの人びとが不当処分に反対の声を上げてくれたおかげと感謝、停職中も「出勤」するとともに都への抗議行動をつづけるという。支援者と教え子にあてた根津さんの報告を紹介する。(ベリタ通信)(2006/04/02)


    中東
    荒れ狂う軍と警察、そして遺体置き場 リバーベンド・ブログから
      戦火の中のバグダード、停電の合間をぬって書きつがれる若い女性の日記「リバーベンド・ブログ」は3月28日付で、民兵組織が割拠、治安が悪化する一方のバグダッドで、処刑遺体などが集められる遺体置き場を訪れた日のことを綴っている。その現場で唇をかみしめた彼女は「深い悲しみ、激しい憎しみ、あきらめ、様々な表情があった」と書いている。(TUP速報)(2006/03/31)


    検証・メディア
    【コラム】本当に新聞の宅配制度が崩壊するのか 特殊指定撤廃反対のキャンペーン報道への疑問
      新聞各社が「新聞の特殊指定」という聞き慣れない言葉をめぐって、「キャンペーン報道」を続けている。特殊指定とは簡略にいえば、独禁法が保証する価格の自由競争から新聞を除外し、新聞社やその販売店が地域によって異なる価格を設定することなどを禁じるものだ。公正取引委員会が今年6月をめどにこの新聞への特殊指定見直しへと動いていることに対し、新聞各社は「宅配制度が崩壊する」などとして猛反発、紙面に識者の反対意見を紹介するなどの特殊指定維持の論陣を張っている。しかし、特殊指定の撤廃によって、本当に宅配制度が崩壊するのか、国民の知る権利に影響があるのかについては、新聞社側の主張には大きな疑問もある。(東京=稲元洋)(2006/03/31)

    婚外子に日本国籍与えないのは「憲法違反」 フィリピン人の母持つ子の訴え全面勝訴 東京地裁判決
      【東京=マニラ新聞特約30日】結婚していないフィリピン人女性と日本人男性の間に生まれたフィリピン国籍の子供9人が、国に日本国籍の確認を求めた集団訴訟の判決で、東京地裁は29日、「両親が結婚していないことを理由に日本国籍を認めない国籍法の規定は、法の下に平等を定めた憲法に違反する」として全員の日本国籍を認めた。(2006/03/30)


    温暖化で息吹き返した原発擁護論  グリーンピース創設者も推進派に
      決め手となるような実用的な地球温暖化対策が見つからず、しかも原油価格が高止まりしている中、原子力発電が再び注目されている。「地球温暖化対策には原発の積極的な活用を」というような声も聞かれるが、原発を解決策とする考え方は近視眼的で、原子力の問題点を覆い隠してしまうものだ。そしてそれは、地球環境に最適な温暖化対策を検討する上でも障害となる。温暖化と原子力の争点を検証しながら、地球環境の未来に適した温暖化対策について考える。(ニュー・インターナショナリスト=アダム・マーニット)(2006/03/29)

    日中・広報文化交流最前線
    食事とお酒がとりもつ隣国のよしみ 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   中国では古来から宴席が外交面で重要な役割を果たしていた。お酒を一緒に酌み交わして、友好を固める。そのための特別な器も作られていた。河南省博物院で陳列されている器は、二つの盃が合体しており、異なる部族の代表が、この器を使って同時にお酒を飲み干すことで、「固めの儀式」としたそうである。これが数千年前からの中国の智恵である。今の中国でも、もてなし、宴会の習慣は健在である。中国の報道によれば、中国の政府予算の約7%が飲食・宴会に消費されているそうである。(2006/03/26)


    沖縄/日米安保
    日本の外交・安保の根幹を問う辺野古 日刊ベリタがシンポジウム(2)
      「米軍再編」を中心テーマに、「『沖縄』をいかに本土に伝えるか」を考える日刊ベリタ主催のシンポジウムの後半は、今後の政府と沖縄県民の攻防とメディアの姿勢について議論が展開された。パネリストは、西山太吉(元毎日新聞記者)、近藤好沖(琉球新報 東京支社報道部長)、石川達也(沖縄タイムス 東京支社編集部長兼論説委員)、石山永一郎(共同通信編集委員)の各氏。4人が共通に注目するのは、辺野古をめぐる動きで、今やここに日本の外交・安保の根幹が問われているという。(日刊ベリタ)(2006/03/20)


    「イラン戦争」には独仏とも率先して参戦か  イラク人評論家の描く「予想図」
      米国とイランが戦闘になったらイランは爆弾を搭載した高速ボートで自爆攻撃に踏み切り、石油価格が急騰、戦争後のビジネスを確保するために独仏が率先して対イラン戦争を先導する。一方、アラブ湾岸諸国は複雑な対応を迫られる―。3月6日付のミドル・イースト・オンラインは、欧州在住のイラク人政治評論家サミール・オベイド氏が描く「イラン戦争の予想図」をめぐる評論を掲載した。その要旨を紹介する。(東京=齋藤力二朗)(2006/03/19)

    沖縄/日米安保
    新たな「琉球処分」阻止へ国民的論議を 日刊ベリタがシンポジウム(1)
    120   米軍と自衛隊の一体化運用を盛り込んだ「米軍再編」最終報告が3月末に予定されている。沖縄では再編計画への反対の声が日増しに高まっているが、本土の関心は低い。沖縄の人々は何を訴えているのか、なぜそれが国民的な論議に発展しないのか、「沖縄」をただしく本土に伝えるためにメディアは何をすべきかをめぐって、日刊ベリタは2月22日に東京でシンポジウムを開催した。パネリストは、西山太吉(元毎日新聞記者)、近藤好沖(琉球新報 東京支社報道部長)、石川達也(沖縄タイムス 東京支社編集部長兼論説委員)、石山永一郎(共同通信編集委員)の各氏。討論の内容を再録する。(日刊ベリタ)(2006/03/19)


    日中・広報文化交流最前線
    長安と西安:日本人留学生の今昔 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   長安はかっての唐の都であり、「大明宮」と呼ばれる皇帝の宮殿があった。8〜9世紀の遣唐使(粟田真人、藤原清河、阿倍仲麻呂、藤原葛野麻呂)が同宮殿を訪問したという。大明宮の建物、土台は残っていなかったが、中国側の努力と、日本政府がユネスコに拠出した日本基金により土台再建が行われた。日本政府は追加的に文化無償支援(2億8千万円)を行い、同土台の後部に煉瓦作りのかまど跡の保存と、大明宮資料館を建設した。筆者は2005年秋、ユネスコ事業の竣工式に参加し、堂々たる遺構を前に当時に想像をはせた。(2006/03/19)


    捕鯨問題
    鯨を本当に殺す必要性はあるのか  日本の「調査」への募る疑問
      捕鯨反対の先鋒に立つオーストラリアでは、環境遺産省南極局のニコラス・ゲールズ主任研究員らが日本の「調査捕鯨」について「鯨を殺す必要がない」と批判している。鯨を殺すことなく同じデータを集められるのならば、なぜ日本はそれを実行しないのか。(アデレード=木村哲郎)(2006/03/10)

    井出敬二講演録 緊張する日中関係の現場から 在北京の現役外交官がすべてを語る 
    120   中国社会科学院日本研究所の最新データでは、日本に対して「あまり親近感を持っていない」と「親近感をもっていない」という中国人が、53・6%に達するという。その一方で、中国に対して「親しみを感じる」と「どちらかというと親しみを感じる」という日本人は、37・6%に低下した。歴史、台湾、教科書問題も未解決のままだ。1年前に北京と上海の日本大使館と領事館にデモ隊が押し寄せたことは記憶に新しい。こうした一連の動きを中国のメディアはどのように伝えているのだろうか。2004年2月より北京で日本大使館のスポークスパーソンとして、中国のマスコミ担当を務める井出敬二公使をゲストに迎え、一時帰国にあわせて第一線からの緊急報告を聞いた。(2006/03/06)


    日中・広報文化交流最前線
    中国人の日本留学110周年と魯迅 井出敬二(在中国日本大使館広報文化センター長)
    120   1896年に清国政府が日本に初めて13人の留学生を派遣してから、本年は110周年にあたる。20世紀初頭の最盛期には、1万人近くもの中国人留学生が日本にいたという。黄興、秋瑾、陳独秀、李大?、魯迅、周恩来、郭沫若などの近代中国の著名人が日本留学を経験した。昨年(2005年)9月、北京の魯迅博物館で「魯迅の起点:仙台の記憶」と題するシンポジウムが開催され、その中で浮かび上がってきた重要テーマは、民族主義にどう向かいあうかであった。(2006/03/05)


    イラン核問題
    イラン核問題の情報操作といじめの構造 テヘラン留学中の大村一朗氏の現地報告
     イランの核開発問題を国際原子力機関(IAEA)緊急理事会が国連安全保障理事会に付託する決議を採択したことに対して、イランが強い反発を示しているのはなぜか。イランの主張と権利に冷静に耳を傾ける前に、「イランは核兵器製造を目論んでいる」という印象を与えるような欧米の主張だけがまかり通っていないだろうか。テヘランに留学中の大村一朗さんは、欧米ロシアの裏切りと搾取に翻弄されてきたイラン近代史をひも解きながら、核脅威論は米国の対イラン戦略にそった情報操作だと分析する。大村さんの周囲の学生たちは、大国の威嚇や軍事攻撃にはけっして屈しないと語るとともに、これまで欧米とは一線を画してきた日本がIAEAで賛成票を投じたことに落胆しているという。(ベリタ通信)(2006/02/25)


    「労働・教育運動に生きて80年」槙枝元文自伝
    (18)玉音放送…「これで教師に戻れる」
      8月15日正午前、「いったい何があったんだろう」と、将校たちは口々に言いながら集会所に集まった。全員、ラジオの前に直立不動で整列させられる。ラジオが正午の時報を告げると、「君が代」が演奏され、アナウンサーの短い言葉に続いて天皇陛下の声が流れてきた。後に言う「玉音放送」だった。雑音が入って、よく聞き取れない。誰からともなく「戦争を止めたらしいぞ」との囁きがもれる。本当に戦争は終わったのだ。しかも負けたのだ。負けたのは残念だったが、「これで教師に戻れる」と私は内心、嬉しかった。(2006/02/25)

    日中・広報文化交流最前線
    中国人青年が日本の自治体で働く 北京の日本大使館広報文化センター・井出所長に聞く(2)
    120   日中両国間の相互理解と友好の促進をめざして、北京の日本大使館広報文化センター所長として多彩な活動の先頭に立っている井出敬二公使に、ひきつづき相互交流活動の内容について語ってもらう。中国人青年が、日本の自治体で働いたり、中国語を教えたりするJETプログラム、日本語教師の相互派遣、さらに仏、独、英の諸国が中国でのどのような文化、教育活動に力を入れているかなど、興味深い話題が多い。(ベリタ通信)(2006/02/19)

    欧州移民新世紀
    「イスラム教徒がリベラルな社会で生きる条件とは」 スヘファー・アムステルダム大教授に聞く(2)
      イスラム教の預言者ムハンマドの中傷漫画をめぐる騒ぎは、欧州諸国が、イスラム教徒住民をいかにしてリベラルな社会に融合させるかという課題を提起した。2004年11月に、イスラムを批判した映画の監督がイスラム教徒移民の若者に殺害される事件が起きたオランダで、この問題について積極的な発言を行なっているのが、アムステルダム大学のポール・スヘファー教授だ。同教授は、「オランダの伝統とされてきた、異なる価値観に対する寛容の精神について移民受け入れ側があらためて真剣に考えるとともに、イスラム教徒も宗教上の自由に寛容であるべきだ」と説く。【アムステルダム・小林恭子=日刊ベリタ】(2006/02/16)

    欧州移民新世紀
    「イスラム教徒がリベラルな社会で生きる条件とは」 スヘファー・アムステルダム大教授に聞く (1)
    120   デンマークの新聞が掲載したイスラム教の預言者ムハンマドの漫画をめぐり、これをイスラムへの中傷とするイスラム教徒の抗議行動が世界中で発生する一方、欧州各国では表現の自由を盾に漫画を擁護する声が多い。問題の背景には、欧州各国で少数グループとして生きるイスラム教徒と、移民のホスト国となっている欧州社会との間の対立を見逃せない。今回の事件の1年ほど前、オランダでも表現の自由を巡る衝撃的な事件があった。2004年11月、イスラム教を批判した映画を制作したオランダの監督が移民2世のイスラム教徒の青年にアムステルダムの路上で殺害されたのだ。イスラム教徒の国民と先住オランダ人との間の緊張感は未だに続いている。ムスリム及び非ムスリム市民がリベラルな社会でともに生きるにはどうすべきかを、ジャーナリストとしても活動する、アムステルダム大学教授のポール・スヘファー氏に聞いた。(アムステルダム・小林恭子=日刊ベリタ)(2006/02/14)

    根津教諭の「君が代」拒否
    なぜ私服公安を配置するのか 「君が代不起立」教員研修での都教委の異常な対応
      「君が代不起立・再発防止研修」でゼッケンを着けて研修を妨害したとして、東京都教育委員会から処分を受けた教員に対する「再発防止研修」が、また2月1日に行われた。被処分者の一人、根津公子・立川二中教諭(55)から、当日の報告が寄せられたが、この日も研修会場前には警察の車が配備され、同教諭らの激励と研修に抗議するために集まった30〜40名の人たちに十数名の私服公安が目を光らせていたという。都教委のこの異常な対応は何を意味するのだろうか(ベリタ通信)(2006/02/04)


    グアンタナモ米軍基地からの訴え
    <3>「生きてここを出たい。妻と息子に再会するために」 独房からのサミの声
    120   グアンタナモ米軍基地に拘束されて4年になる、中東カタールの衛星テレビ、アルジャジーラのカメラマン、サミ・アル・ハジ(通称サミ)は、どのような日々を過ごし、何を思っているのだろうか。独房から密かに書き送られてきた、彼自身の手記と弁護士あての手紙から、その魂の叫びに耳を傾けてみたい。「生きてここを出たい。妻と息子に、私が愛していることを伝えてほしい」と訴える声に。(ロンドン・小林恭子=日刊ベリタ)(2006/01/29)

    グアンタナモ米軍基地からの訴え
    <2>対テロ戦争の「正義」の真実 アルジャジーラ・カメラマン、サミのケース
     米国は、「対テロ戦争」は正義のためだと主張する。では、その「正義」の名のもとに何が行われているのか。具体的事例のひとつが、「9・11」後に米国が報復攻撃を行ったアフガニスタンを取材中に拘束された、中東カタールの衛星テレビ局アルジャジーラのカメラマン、サミ・アル・ハジ氏(通称サミ)だ。彼は、グアンタナモ米軍基地にテロ容疑者として収容され、容疑が確定しないまま5年目を迎えようとしている。サミ釈放を訴えるキャンペーンを開始したアルジャジーラの同僚、アーマド・イブラヒム氏が書いた記録を紹介する。(ロンドン・小林恭子=日刊ベリタ)(2006/01/28)

    検証・メディア
    「セクハラ報道は事実無根」 浅野・同志社大教授が週刊文春を名誉毀損で提訴
    120   【京都27日=三木眞】「事実無根虚偽の事実により報道被害を受けた」として、浅野健一・同志社大学社会学部教授(ジャーナリズム論)が27日、同教授のセクハラ疑惑を報じた「週刊文春」(東京都千代田区)を名誉毀損で京都地裁に提訴した。浅野教授は1億1000万円(1000万円は弁護士費用)の損害賠償と、同誌に謝罪広告と新聞広告欄に謝罪文を掲載するよう求めた。(2006/01/27)


    グアンタナモ米軍基地からの訴え
    <1>「拘束4年、サミの釈放を!」 アルジャジーラの同僚がキャンペーン
      キューバにあるグアンタナモ米軍基地に、アフガニスタンなどからテロ容疑者が移送されだしたのは、「9・11」から間もない2002年1月だった。その数は約500人、出身地は数十カ国にのぼるが、ほとんどは容疑が確定しないまま拘束され続けている。中東の人気衛星テレビ局アルジャジーラのカメラマン、サミ・アル・ハジ氏(通称サミ)もこうした拘束者の一人だ。拷問を含めた尋問の中で、米国のスパイになるように説得されたサミは、徹底してこうしたオファーを拒否。4年後の現在、釈放の見通しはないが、テロとは無縁の自分が何故拘束され続けているのか、と自問する毎日だという。ジャーナリスト仲間であるサミが拘束されている現状に抗議する欧米メディアの声は大きくなく、アルジャジーラの記者であることがマイナスに作用している、とサミの支援者らは言う。サミ釈放キャンペーンを担うアルジャジーラの同僚は、できるだけ多くの人びとがこの事実を知り、支援活動に参加してほしいと訴えている。(ロンドン・小林恭子=日刊ベリタ)(2006/01/27)

    根津教諭の「君が代」拒否
    質問に答えない都教委講師 「君が代」不起立処分の教員が再発防止研修の報告
    120   「君が代不起立・再発防止研修」でゼッケンを着けて研修を妨害したとして、東京都教育委員会が減給・戒告などの処分を下した教員10人に対する新たな「再発防止研修」が19日、都総合技術教育センターで行われた。被処分者の一人、根津公子・立川二中教諭(55)から、研修の様子の報告とともに、研修に抗議する声明が寄せられた。(ベリタ通信)(2006/01/20)

    米国の法体系はもう信用できない 元グアンタナモ拘束者が講演(下)
     キューバにあるグアンタナモ米軍基地に「敵性戦闘員」として拘束され、1年前に釈放された英国人男性モアザム・ベッグ氏は、英国社会に広がるイスラム教徒への恐怖心を懸念している。14日の集会場所も、当初決まっていた所から「貸せない」との通告があり、急遽変更された。ベッグ氏は講演の後、質疑応答の中で、米国に長期拘束された経験から、米国の法体系は、もう信頼できないと語った。(ベリタ通信=小林恭子)(2006/01/16)


    「労働・教育運動に生きて80年」槙枝元文自伝
    (12)養護教員と恋に陥る
      私が岡山県の早島青年学校兼国民学校の教員になって2年目の1941年(昭和16年)4月、若い学校看護婦(いまの養護教員)が着任してきた。岡山県立第一高等女学校を卒業して叔母のいる大阪・堺市で看護学校に学び、郷里の岡山に帰り、早島国民学校に赴任してきたのだった。私よりも一つ年上だった。顔は面長で、すらっとしたスマートな体型、理知的な感じのする女性だった。私はこの女性に強く魅かれた。いわば一目ぼれだった。(2006/01/14)

    笑う真犯人 検証・恵庭冤罪事件「13のナゾ」
    第5回:Xデー──任意同行・取り調べ        山口正紀(ジャーナリスト)
      警察が被害者Hさんの同僚・Oさんに「疑いの目」を向けたことは、メディアに直ちに察知された。警察が意図的にリークしたのか、それとも記者がすぐ気づくほどおおっぴらな捜査だったのか。警察の「行動確認」が始まった2000年3月18日、メディア各社の記者たちは早くもOさんの周辺取材を始めた。(2005/12/23)

    先進国は貧しい国からの医療従事者を受け入れていいのか
      貧しい国からより豊かな国へと職を求めてやって来る移民労働者。その中に含まれる世界で300万人ともいわれる医療従事者について、日本のメディアが報道することはほとんどない。開発途上国で必要とされている医師や看護師などがなぜ先進国に働きに来るのか? そこには、海外に渡る医療従事者の事情だけでなく、彼らを雇う先進国側にも深刻な理由が存在する。今回は、英国へ移住して働くあるケニア人看護師の例を見ながら、この新しい頭脳流出によって世界で起きている問題を探り、移民看護師の実情と考えにせまる。(ニュー・インターナショナリスト・ジャパン=バネッサ・ベアード)(2005/12/23)


  • 東ティモールで待望の刑法制定 名誉棄損を刑事罰  ジャーナリスト...


  • 「妹にぜひ会いたい」 北朝鮮による拉致疑惑マレーシア女性の兄が会見
     【クアラルンプール18日=和田等】北朝鮮による拉致被害者曾我ひとみさんの夫チャールズ・ジェンキンズさんの証言から、北朝鮮に拉致された可能性が浮上したマレーシア人女性のひとり、イン・ヨケタイさん(当時22歳)の兄イン・アーウェンさん(50)が16日、クアラルンプールのマレーシア華人協会(MCA)の会館で記者会見し、数日前まで死んだと思いこんでいた妹に生存の可能性が出てきたことに驚きと戸惑いの念を表明した。(2005/12/18)


    「犯罪加害者は生きて償いを」 被害者遺族の原田正治さんが死刑制度反対の訴え
     「加害者に死刑が執行されても、被害者遺族は救われない。まず生きてもらうこと。それなくして償いはない」。「犯罪被害者の真の救済と私たち」と題して、今月3日に京都の同志社大学で開かれた講演会(同大学主催)で、自らも被害者遺族である原田正治さんはこう述べて、死刑制度への反対を訴えた。(京都・森類臣=日刊ベリタ)(2005/12/11)


    テロ対策で脅かされる自由と権利 友好的支配はあり得ない
     9.11のテロの後、「テロとの戦い」や「治安維持」を目的とした新しい制度は、人々の不安感にあおられながら燎原の火のごとく世界に広まり、新しい世界秩序を打ち立てるかに思われた。しかし、人々はいまだに不安感にさいなまれ、しかも現在行われている取り組みは、さまざまな問題や矛盾を世界各地で引き起こしている。世界情勢が依然として不透明であるだけでなく、私たちの自由と権利は確実に重大な危機に直面しており、現在の取り組みと打ち立てようとしている秩序が間違ったものであることがますます明らかになってきた。(ニュー・インターナショナリスト・ジャパン=リチャード・スウィフト/翻訳・諸英樹)(2005/12/05)


    ストリートチルドレンは訴える 子どもの目線で考えることの重要性
     子どもが路上で暮らすようになる理由はさまざまで、彼らの生活や考え方、そして抱く夢は、その数ほどあるといえるだろう。しかし、通常ストリートチルドレンの声として聞いている彼らの声は、ジャーナリストの編集や研究者の分析というフィルターを通ってきてものばかりだ。本当に彼らのことを理解し、解決策を考えるには、彼らの発する生の声に耳を傾け、彼らの目線に下りて考えなければならない。その目線とはいかなるものか。モンゴルのストリートチルドレン、ドルジョンのインタビューを通して考える。(ニュー・インターナショナリスト・ジャパン)(2005/12/05)


  • 駐日韓国大使が小泉首相の靖国参拝を批判 同志社大学講演で


  • 日本大使館の比高官表彰に元慰安婦ら激怒 「草の根の努力無視、筋違い」 アジア女性基金めぐり
      【マニラ新聞特約4日】日本政府はこともあろうに比の政府高官を表彰して、戦争責任問題に決着を付けるつもりか―。在比日本大使館がこのほど、従軍慰安婦への償い事業「アジア女性基金」支給の対象者認定作業に協力したとして比政府関係者を表彰した。元従軍慰安婦や支援団体は「役人が認定作業に関与するのは当然。草の根で元慰安婦を長年支援してきた人々の努力を無視しており、筋違い」と憤慨している。同基金支給の対象5カ国中、償い事業の「功労者」を表彰したのは在比大使館だけ。(2005/12/04)


    沖縄/日米安保
    「米政府より日本政府により大きな温度差」  普天間めぐり強い不満と不信  糸数慶子さん講演録
     普天間飛行場の移設問題などで揺れる沖縄と小泉政権をめぐって、参議院議員の糸数慶子さんは10月26日の東京都内での講演で、普天間の県内移設は「はじめからありき」だったのではないか、と疑問を呈している。糸数さんは米軍再編問題をめぐっては「米政府よりも日本政府に(より大きな)温度差を感じる」とも指摘、米国と「対等」な外交を築けないままでいる日本政府への憤りを伝えた。「戦後60年、今沖縄から日本を考える」(主催・沖縄特別企画実行委員会)と題したの講演録の全文を紹介する。(ベリタ通信)(2005/12/04)

    欧州移民新世紀
    映画監督殺害から1年(2) 合い言葉は「イスラム系隣人を恐れるな」だが…
    120   オランダの映画監督テオ・ファン・ゴッホ氏が、イスラム教を批判したとしてモロッコ系移民二世の青年に殺害されてから1年目になる11月2日。事件が起きたアムステルダムでは、セレモニーや集会で市民があらためて衝撃的な出来事をめぐり語り合った。繰り返し強調されたのは、「社会を分断しないため、先住オランダ人はイスラム系隣人に対する恐れを持つこと自体を恐れるべきだ」という言葉だった。【アムステルダム・小林恭子=日刊ベリタ】(2005/11/26)


    「労働・教育運動に生きて80年」槙枝元文自伝
    (6) 教師への夢と近づく軍靴の音
      戦後激動期の日教組運動をリードし、その後は総評議長として労働運動を指導した「戦後の旗手」の一人である槙枝元文さんは、どのような青春時代を送ったのだろうか。自伝は、小学校を卒業して実業補習学校、さらに農学校、青年学校教員養成所へと進む槙枝青年の姿を描き出す。教師への夢に一歩一歩近づいていくのだが、時代の流れは軍国主義に向かいつつあり、多くの青年が戦場へとかり出されていくようになった。(ベリタ通信)(2005/11/26)


    「英当局の『思い込み』がロンドン同時テロを生んだ」 情報専門家が新著で事件の背景を分析
    【ロンドン17日=小林恭子】今年7月7日に起きたロンドン同時爆破テロ事件は、「イラク戦争と対英テロとは結び付かない」とする英当局の「思い込み」=「集団思考」=の広がりの結果、重要な治安情報を見逃したことで起きたのではないか―。元英政府情報機関幹部が近く発刊する新著で、同時テロを可能にした原因を究明、その中で英政府と情報機関の不手際を鋭く批判している。(2005/11/17)


    イラク人女性のテロ攻撃自白に疑問の声 アラブ系ネット
     9日にヨルダンのアンマンで起きたホテル連続爆破爆破事件の犯人はイラク人4人で、うち拘束されたイラク人女性一人がテレビに出演して犯行の模様を語った。しかし、アラブ系ネットはその信憑性に疑問の声を上げている。13日のアラブ自由メディアから一部紹介する。(ベリタ通信=齊藤力二朗)(2005/11/15)


  • チャラビは財政と石油利権でアラウィ復職に協力 抵抗勢力の見る今後...


  • 日本は市民主導で「脱欧開亜」を 「ワンコリアフェスティバル」の鄭委員長が提言
    120  「ハナ(一つ)」を合言葉に、大阪で先月末開催された「ワンコリアフェスティバル」は南北朝鮮の統一と東アジア共同体の創設を参加者に訴えた。この目標にむけて日本はどのような役割を果たせるのかなどを、フェスティバル実行委員長の鄭甲寿(チョン・カプス)さんに聞いた。鄭さんは、日本はこれ以上アジアで孤立しないためには、市民主導の「脱欧開亜」を積極的に進めるべきだと提言した。(森 類臣=ベリタ通信)(2005/11/06)

    検証・メディア
    <アルジャジーラはいま(上)> 「米政府からスタジオ閉鎖命令が」?
    120  中東諸国を中心に視聴者が世界に4500万人いると言われる、カタールの衛星テレビ、アルジャジーラ。米国同時多発テロの首謀者と言われるウサマ・ビン・ラーディンのビデオ映像を、テロ直後の2001年10月にスクープ放映し、アラビア語以外の地域でも認知度が一気に高まった。米ブッシュ政権からは「テロリストの手先」と見なされ、米国からの圧力もうわさされるが、当のアルジャジーラは中立、公平を基本方針に、今日もニュースを流し続けている。独自の映像が米大手テレビ局や英BBCなどに配信されることも少なくない。欧米の情報支配に風穴をあけた新興メディアは何をめざしているのかをさぐろうと、カタールの首都ドーハのスタジオを訪ねた。【ドーハ・小林恭子=日刊ベリタ】(2005/11/05)


    ハリリ暗殺でのシリア叩きの裏にパイプライン構想 米人反戦活動家
      【東京2日=齊藤力二朗】米国人反戦活動家マイク・ウィトニー氏によると、レバノンのハリリ前首相の暗殺を機にシリア非難が高まっている背後には、イスラエルの石油を確実なものにするためのパイプライン構想を実現するためという事情が隠されているという。10月26日付のバスラネットがウルク・ネットから引用して、同氏の評論を掲載した。(2005/11/02)


  • フィリピンの著名芸能人、成田で入国拒否受け、大使館に猛抗議


  • 「普天間基地の県内移転は沖縄を愚弄」 県民会議が小泉首相に米国領への移転を要求
     沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移転先をめぐる日米協議は、同県名護市への移転を前提とした日本側の「陸上」案と米側の「浅瀬」案の調整がつかず難航している。しかし、肝心の沖縄県民の声はほとんどメディアでは伝えられない。以下に紹介するのは、「基地の県内移設に反対する県民会議」(共同代表・山内徳信3名)が21日に小泉順一郎首相宛に出した緊急要請文である。同会議は、「県民を愚弄する」日米現行計画の断念と、普天間飛行場の太平洋上の米国領への移転を強く求めている。(ベリタ通信)(2005/10/26)

    軍事化、グローバル化が女性を無力化 コカ・コーラと同列に拒否されるフェミニズム
    1975年にメキシコで行われた第1回の国連女性会議に参加した女性は6千人だったが、20年後の北京会議には3万人が参加した。この変化を見るまでもなく、女性は世界のあらゆる場所で権利や地位の向上を目指して徐々に声を上げ活動を増やし、一定の成果を収めてきた。また、地域でも世界でも、女性たちの目を見張る活躍は珍しいものではなくなった。しかしながら、女性を取り巻く状況は、依然として国や社会や分野などによって大きく異なるだけでなく、状況改善への障害となる要素が今日世界中で見られるようになってきている。(ニュー・インターナショナリスト・ジャパン=ニッキ・ファン・デル・ガーグ)(2005/10/21)

    靖国神社問題
    【資料】中国外務省の靖国参拝抗議声明(要旨)
     小泉純一郎首相の靖国神社参拝に関し、中国外務省が17日に発表した声明は、日中関係の政治的基礎を「戦争犠牲者の痛み、感情に配慮した歴史認識」だと強調している。声明は日中関係の重要さを繰り返し指摘したうえで「先人が築き上げてきた二国間友好」を台無しにしたと小泉首相を強く非難、「小泉首相は自分の誤った行為の結果として、厳しい政治的結果を招くすべての責任を負うことになる」と警告した。そのうえで、国際社会における日本のあるべき姿についても提言している。声明要旨を紹介する。(ベリタ通信)(2005/10/18)


    比の日系2世8人が東京家裁に申し立て 「棄民」とされた無念を胸に
     【マニラ新聞特約13日】太平洋戦争後、フィリピンに取り残され身元不明になった日系2世(比残留日本人)8人が12日午後、東京家庭裁判所に戸籍記載を求める就籍申立書を提出した。比日系二世による就籍申し立ては昨年八月の井手端和子さん、早苗さん姉妹に次いで2件目。集団による申し立ては初めて。(2005/10/13)


    検証・メディア
    【市民参加型メディアをいかに創造するか(2)】 韓国モデルと日本の課題
     韓国のインターネット新聞「オーマイニュース」のような市民参加型メディアを、日本でもつくれるだろうか。同紙の呉連鎬(オ・ヨンホ)代表が9月17日、人権と報道・連絡会主催のシンポジウムで行った講演を受けて、パネリストと聴衆が呉代表と意見を交換した。日韓のメディア情況の共通点と相違点を理解したうえで、韓国の成果を日本の土壌になかで発展させていくためには何が課題かが議論の中心となり、呉氏は日本モデルのオルタナティブメディアへの期待を表明した。(ベリタ通信)(2005/10/09)

  • イラク抵抗勢力が声明発表


  • 検証・メディア
    「市民参加型メディアの力で世界を変えよう」 韓国オーマイニュース紙の呉代表が講演
     市民参加型メディアの成功例として国際的な注目を浴びている、韓国のインターネット新聞「オーマイニュース」の呉連鎬(オ・ヨンホ)代表が9月17日、東京都内で「市民参加型ジャーナリズムの国際連帯」と題する講演を行った。市民による市民のための新しいメディアを日本でもつくろう、という市民団体「人権と報道連絡会」の呼びかけに応じたもので、呉氏は映像説明をまじえながら、「市民が参加してつくるという21世紀の新しいジャーナリズムを世界中の市民とともに確立し、世界の問題を解決していきたい」と熱っぽく語った。(ベリタ通信)(2005/10/01)

    検証・メディア
    【韓国オンラインメディア(1)】 「市民記者」とは何者か?
     ドラマとともに世界から注目される韓流、それがインターネット新聞の活躍だ。「オーマイニュース」に代表される新しいメディアは、いまや韓国の政治を左右する力をもち始めているといわれる。かれらの台頭の背景には何があるのか、既存メディアはニューフェースの挑戦をどのように受け止めようとしているのか、韓国モデルは日本のメディア改革に有効だろうか。そんな疑問をいだきながら、初秋のソウルでさまざまな人の声を聞いた。まずは、「市民すべてが記者である」をモットーに躍進する同紙の、「市民記者」の素顔を紹介したい。(日刊ベリタ=永井浩)(2005/09/24)


    赤ん坊取り違えでユニークな解決法 アルゼンチンであった話
     病院で生まれたばかりの赤ん坊を取り違えることは、時折世界中のどこかで起きているようだ。南米アルゼンチンで起きた取り違え事件は、病院が頑なにミスを認めなかったために、法廷にまで論争が持ち込まれ、解決まで1年以上もかかった。その間、赤ん坊は、間違った親に育てられ、解決された時には、双方の親とも赤ん坊を手放すのを渋った。その結果、親たちはある解決法を考え出したという。(ベリタ通信=江口惇)(2005/09/22)


    暴力的になった少女たち 米で20年間に犯罪倍増
     20年ほど前に比べて、米国の少女たちが暴力的な傾向を強めているという。テレビ・ゲームや映画などで「強い女性」が賞賛されるなど、タフな女性を受け入れる社会的土壌も影響しているとの見方もある。しかし、少女が暴力的になるにつれ、犯罪事件に関与する事例も目立っている。典型的な例は、些細な事に腹を立て衝動的に殺人や殺人未遂を犯す場合だ。(ベリタ通信=有馬洋行)(2005/09/20)


    今こそ国鉄分割民営化政策の見直しを 公共性をはずす民営化
     1987年、国鉄がJRに分割民営化された際、国労所属を理由にしたJR採用差別が行われ、7628人の職員が国鉄清算事業団に送り込まれた。1990年には、同事業団からも解雇された。2002年、国労闘争団・遺族は、鉄建公団(現・鉄道建設・運輸施設整備機構)を相手に解雇撤回を求める裁判を起こした。その判決が15日、言い渡される。判決を前に、先月28日開かれた「人らしくフェスティバル」で、中山千夏、鎌田慧、立山学の各氏が、公共性をはがし取った「民営化」の本質について、語り合った。(ベリタ通信)(2005/09/14)

  • 生卵、食べて大丈夫?、鳥インフルエンザで見解分かれる


  • 写真が語るイラク情勢、津波、ヒロシマ... 南仏で第17回国際写真展
    120 【ペルピニャン(南フランス)4日=宮下洋一】国際フォトジャーナリズム祭(VISA)が南仏ペルピニャンで開かれている。今年で17回目を迎えるVISAには、フォトジャーナリストで、月刊誌「DAYS JAPAN」編集長の広河隆一氏も参加した。最優秀作品(ビザ・ドール)を受賞したのは、「津波」をテーマに扱った通信社「VU」所属のフィリップ・ブレンキンソップ氏となった。(2005/09/05)


    男女混在禁止下、したたかに生き延びるヨルダンのマッサージ業界
    【東京18日=齊藤力二朗】ヨルダンでのマッサージ店では同性によるサービスしか許可されていないが、経営者たちは巧妙な抜け道を探し出し、男女混在(異性によるサービス)システムを守り抜いている。(2005/08/18)


    【コラム】辟易した世界陸上中継 視聴者をあざむいた「このあとすぐ」「優勝候補」
     日本のテレビ局の視聴率至上主義に、辟易とさせられるようになって久しいが、TBS系列が14日まで連日放映したヘルシンキでの世界陸上中継ほど不愉快な放送はなかった。注目競技が始まる一時間以上前から「このあとすぐ」を連呼して今にも競技が始まるかのように視聴者をあざむき続けたほか、日本選手のメダルの可能性を全般に過大評価、視聴者に誤った情報を与え続けた。視聴率至上主義と「がんばれニッポン」一色のナショナリズムに偏りすぎた中継スタイルだった。(稲元洋)(2005/08/16)


    日本への原爆投下は正当だったのか 米国でも活発な議論
     広島、長崎に原爆が投下されてから60年。原爆の投下をめぐって米国ではどのような意見があるのか。米国では、原爆投下によって、第二次世界大戦を早期の終結に持ち込んだ。また米軍の日本侵攻によって予想された空前の死傷者を出すことを回避できたとする意見が大勢を占めている。最近のメディアの報道から、米市民の原爆投下に対する率直な声や、識者の意見を拾ってみた。(ベリタ通信=有馬洋行)(2005/08/09)


    戦争を知らない世代へ
    日本人は歴史に学び目を大きく見開こう 元日本軍特務機関員・中谷孝氏の証言<3>
     日中戦争下の中国で、日本陸軍の中支派遣軍特務機関員として青春時代の7年間を過ごした中谷孝氏(84)は、各地を転戦するとともに中国人との親交も結んだ。また級友の多くを南方戦線で失った。そのような体験を踏まえて、氏は戦後60年を迎えた日本の現状とこれから進むべき道をどのように考えているだろうか。「これだけはぜひ語りついでおかねばならない」という中谷さんのお話を伺った。(日刊ベリタ=山上郁海)(2005/08/06)


    ベビー・ブーマーなど4世代が共存の時代に 米国の労働市場
     サイレント世代、ベビー・ブーマー、ジェネレーションX,それにミレニアルズと、米国の労働人口は、初めて4世代が共存する時代を迎えている。寿命が伸び、社会自体が高齢化している中で、労働の現場では、年齢の若い者が、上司に立つことも珍しくなくなった。世代交代の波が迫っている証拠でもあるのだが、職場では、今後世代間の考えの相違などが顕著になる可能性もあるという。(ベリタ通信=有馬洋行)(2005/08/05)


    9割の学生が「私はケータイの奴隷」、でも「手放せない」が4割
     9割近い学生が「私はケータイの奴隷」と思いながらも、4割強が「やはり捨てられない」。ジャーナリストの安原和雄氏が、今春まで経済学を講じていた足利工業大学(栃木県)で、受講生を対象に行なった意識調査からこんな回答が得られた。若者はなぜ、携帯電話のマイナス面を知りながら手放せないのだろうか。(ベリタ通信)(2005/07/30)


  • タトゥーは出世に響く? 自己表現の手段だが理解は今一歩
  • ラモス氏の狙いは初代比首相就任とサンチャゴ議員
  • 国家捜査局、比大統領の盗聴事件捜査を本格化、中央選管も内部調査へ
  • 番号公開でインドネシア大統領の携帯電話がパンク 「国民との対話」...


  • 天木直人の「直言/異見」
    反骨魂(20)がんばれノ・ムヒョン韓国大統領
     米国の方針に逆らうような発言を繰り返す韓国のノ・ムヒョン大統領の評判がここにきてすごぶる悪い。といってもそれは米国政府の評判である。そして対米従属しか能のない日本政府と日本の保守メディアが、一方的にノ・ムヒョン大統領を批判しているに過ぎないのだ。(2005/06/22)


    根津教諭の「君が代」拒否
    君が代起立にNO! 根津教諭の「停職『出勤』報告」(2)
    120  入学式で君が代斉唱のとき起立しなかったとして、東京都教育委員会から5月27日に一ヶ月の停職処分を受けた根津公子教諭(54)=立川二中=は、停職後連日のように勤め先の校門前に出向いて不当処分の取り消しを訴えながら、生徒や道行く人たちとこの問題について話し合っている。同教諭が関係者に送っている「停職『出勤』報告」を読み、みんなで彼女の問題提起を考えてみたい。(ベリタ通信)(2005/06/20)

    ビルマ軍政はなぜスーチーさんを恐れるのか 世界各地で誕生日記念の催し
    ビルマ(ミャンマー)の民主化運動指導者アウンサンスーチーさんの60歳の誕生日にあたる19日、世界各地で彼女の自宅軟禁からの解放とビルマの民主化を求める催しが行われた。東京での参加者は、スーチーさんの思想と行動の現代的意味を問うシンポジウムに耳を傾け、在日ビルマ人らによる軍政批判の寸劇、民族舞踊などに拍手を送った。またダライ・ラマ14世やデズモンド・ツツ大司教ら歴代ノーベル平和賞受賞者14名から同賞受賞者であるスーチーさんへの記念メッセージも披露された。(ベリタ通信=永井浩)(2005/06/20)

    根津教諭の「君が代」拒否
    君が代起立にNO! 根津教諭の「停職『出勤』報告」(1)
    120  入学式で君が代斉唱のとき起立しなかったとして、東京都教育委員会から5月27日に一ヶ月の停職処分を受けた根津公子教諭(54)=立川二中=は、停職後連日のように勤め先の校門前に出向いて不当処分の取り消しを訴えながら、生徒や道行く人たちとこの問題について話し合っている。同教諭が関係者に送っている「停職『出勤』報告」を読み、みんなで彼女の問題提起を考えてみたい。(ベリタ通信)(2005/06/15)

    【インタビュー】「生かされたことの意味、なお重い」 イラク支援続ける高遠菜穂子さん
     北海道出身のボランティア高遠菜穂子さん(35)ら3人が昨年4月7日、イラク中部ファルージャで拘束され、無事解放されてから1年以上がたった。事件発生直後から、日本では彼女たちの行動を非難する「自己責任論」の嵐(あらし)が吹き荒れた。高遠さんはそうした非難を乗り越え、イラクの友人たちを通じて現地の学校再建などの支援を続けている。「事件を経てイラクにより深くかかわろうという気持ちが強くなった」。彼女はそう振り返る。(ベリタ通信)(2005/06/11)


    売買される在比日本大使館の整理券 背景に比人を早朝から並ばせる「殿様領事」
     【マニラ新聞特約10日】在フィリピン日本大使館の査証申請者らに発行されている整理券が、申請書類作成などを補助する民間業者関係者と申請者らの間で売買されていることが、申請者の証言とマニラ新聞の調べで分かった。相場は一枚100〜500ペソ(1ペソ=約2円)。若い番号ほど高値で売買されている。(2005/06/10)

    平等とは何か? バネッサ・ベアードがその本当の意味を探る
     私たちは、人間は皆平等であるべきだと昔から学校で習い、その後もさまざまな場面でそれを聞かされ続けてきた。しかし現実を見回してみれば、平等な世界を実現したとはとても言えない。では、現在の世界はどのくらい平等だと言えるのだろうか? いったい平等とはどういう状況のことを言うのか? そして私たちは、本当に平等な世界を望んでいるのだろうか? 今回は、平等という複雑な概念をいろいろな角度から探り、考えてみる。(翻訳・佐々木薫/NIジャパン)(2005/06/03)


    産経の元日本兵生存報道の危うさ 直接の面会なく、確認されず
     産経新聞が事実上の特ダネとして報じているフィリピン南部ミンダナオ島の元日本兵の生存情報は、現地で仲介役とされる日本人が直接会ってその生存を確認していないなど、不確かな部分がなお多い。断定して報じるには、まだ、尚早で、報道内容に危うさがあるとの見方が関係者の間では強い。(広井孝明)(2005/05/28)


  • 「ピアノマンは詐欺師じゃない」と病院関係者


  • 天木直人の「直言/異見」
    反骨魂(15)正しいことぐらい強いものはありません
     実のところ私はすっかり平和主義者になってしまった。だれよりも護憲論者になってしまった。これは、米国のイラク攻撃とその後の二年間の国際情勢を目撃し、そしてまた「戦争」と「平和」について考え続けた結果、私が最終的にたどり着いた結論である。だから、誰がなんと言おうと、もはやこの考えを曲げる事はない。(2005/05/18)


  • コロンブスの遺骨どっちが本物? ドミニカは協力に消極的


  • 地球温暖化=二酸化炭素原因説に異論 米作家クライトンの近著が波紋
      地球は本当に温暖化しているのか。それが事実であるとしても、その「原因」は本当に二酸化炭素など温室効果ガスの排出なのか。米国の作家、映画プロデューサーのマイケル・クライトン氏は、新作小説「恐怖の状態」(STATE OF FEAR、未邦訳)で地球温暖化の定説に異議を唱え、新たな論争を仕掛けている。地球温暖化は人間活動による二酸化炭素排出が少なくとも主因ではなく、都市における土地利用の変化などいわゆる「ヒートアイランド現象」に注目すべきだとクライトン氏は主張している。(東京=広井孝明)(2005/05/09)


  • 「地図が読めない女」は本当か? 全米地理コンテストでは男子が優勢...


  • 「職」を求めるホームレスたち 都のアパート移行支援事業の陰で 新宿中央公園ルポ
    120  東京都庁の真裏に位置する新宿中央公園。ここは、昨年までは、ホームレスの住む青いテントがところ狭しと軒を連ねていた。しかし、ここ半年でその様相は一変した。ホームレスの数が激減したのだ。 東京都が3月に公表したホームレスの概数調査によると、都内で生活するホームレスは4年ぶりに5000人を下回る4619人と、昨年に比べ746人も少なかった。(東京=佐々木敬一)(2005/04/25)


    日本はアジアで孤立とNYタイムズ 欧米メディアは厳しい論調
     中国における反日デモについて、11日のニューヨーク・タイムズは、「日本が最近、高校歴史教科書問題などで高圧的な外交態度を見せたことによるものであり、韓国、中国との関係が悪化、アジアで孤立的している」と報じた。日本は今回のデモで一部の中国市民が行った投石などをめぐって中国側に抗議しているが、欧米メディアの反応は日本に厳しいものとなっている。(ベリタ通信=稲元洋)(2005/04/12)

    日本の炊飯器は魔法の壷? 米国では目新しさを感じる人も
     米国では、日本の人気番組「料理の鉄人」が放映されるなど、日本の食文化への関心は、年々、高まっている。日本料理に必ず使われるコメも、米国では地味だが、次第に人気を集めている。大型卸売ストアのコスコの食料品売り場には、大型の袋に入った米国産のコメが、かなり安い価格で売られている。コメの話となれば、米国で「ライス・クッカー」と呼ばれる炊飯器(電気釜)も、有名デパートの台所用品売り場に陳列されている。日本の家庭では、長年の必需品で、大きな注目を集めることはないが、米国では、まだ目新しさを感じるようだ。(ベリタ通信=有馬洋行)(2005/03/21)


    「テロリスト」の肖像 シリアで出会った青年
    大学4年生の末澤寧史さんは昨年11月、シリアを旅行中、たまたま同世代のシリア人青年に出会った。学生だという彼は「イラクに戦いに行っていた」と告白する。裕福な家庭に育った青年がなぜイラクに向かったのか。「国境が開けば、また戦いに行く」と言う青年の言葉がずっしりと重く感じられた。(2005/03/14)


    米国の対テロ戦争の下での人権無視 非人道的な扱い
     【アデレード4日=木村哲郎】キューバのグアンタナモ米海軍基地から最近解放されたイスラム系オーストラリア人のマムドゥー・ハビブ氏が、オーストラリアに帰国した。グアタナモには、もう1人のオーストラリア人、デービッド・ヒックス氏がいる。同氏は、旧タリバン政権の兵士として戦った。今回のレポートでは、ハビブ氏の受けてきた虐待を例に、イラク国内ばかりではない米軍の行動を報告する。(2005/03/05)

  • 米人事担当者が喜ぶ最新兵器 コンピューターで選別し足切り


  • 「今、問い直したいメディア」 北海道新聞・黒田記者の講演
     NHKの「戦時性暴力」番組が自民党幹部らの圧力で改変されたことを内部告発した、番組担当ディレクターが会見の席で見せた涙は何だったのだろうか? 国民の批判を浴びながらもマスメディアのなかで報道の使命を果たすには、視聴者の激励が不可欠なのだという訴えではないかと思われる。以下に講演内容を紹介する北海道新聞の黒田理記者も、そのような思いを胸に日々記事を書き続けているジャーナリストのひとりである。同記者が昨年11月17日に「さっぽろ自由学校」で行った「今、問い直したいメディア」に耳を傾けてみたい。(2005/02/12)


  • 2万人飢餓の情報で調査班派遣へ 東ティモール
  • お互いに必死の応援、スポーツが国境を超えた W杯最終予選のスタン...


  • 状況を的確に把握し自給自足で被災者支援 デンマーク緊急医療団の活躍
    120 インドネシア・スマトラ沖大地震の被災地バンダアチェのダルサラム地区。同地区のシャクワラ大学医学部の敷地内に5つのドーム型テントが建てられていた。テントとはいえ、風で飛びそうになることもなく、しっかりとした建物のようだ。ここは、デンマーク防衛庁内に作られた緊急災害医療チーム(DEMH)の作った野外病院である。地震被害の後の厳しい環境にもかかわらず、現場の状況を的確に把握し、効率的な援助活動を続けているデンマーク医療団の姿を報告する。(バンダアチェ・ベリタ通信=可児さえ)(2005/01/28)

  • 「奥の細道は日本人の人生の象徴」 李前総統が再訪日に重ねて意欲
  • 欧州連合憲法批准に「ノー」の可能性、底辺に強い反EU感情 国民投...
  • 駐留米軍は選挙後に「加熱」地域から脱出 イラク人政治学者


  • 【欧州移民新世紀(16)】 フィンランド編―2 移民を生かすビジネス 「異なる文化、同じ人間」
     フィンランドの外国人人口は全体の2%だ。移民・人種問題は大きな社会・政治問題になってはいないが、外国人に対する無知、あまり表には出ないが漠然とした恐怖心、偏見、あるいは敵意などが存在していることがフィンランドの移民問題の専門家らによって指摘されている。背景としては、欧州連合(EU)の中でも外国人人口の比率が低くく、外国人に対する知識が不足していることに加え、1990年代初期の国内の景気後退による高失業率と、ソ連の崩壊による東欧諸国からの移民・難民のフィンランドへの流入が急激に増えた時期とが重なったという事情がある。(ヘルシンキ=小林恭子)(2005/01/11)


  • 国境を越えた友愛話を紹介 インド洋沿岸の津波被害で
  • AP通信も取り上げた日本のサルサ人気
  • マレーシアの福祉団体の資金が流れる? タイの分離独立組織へ
  • 治安維持に不安の声 国連撤退後の東ティモール


  • 漏れたのは対イラン政権転覆計画 イスラエルは入手を否定
     今夏、米国防総省の分析官が、イスラエルにイランに関する機密情報を流していたことが発覚した。重大なスパイ行為だが、イスラエルが米国の同盟国であるため、3ヶ月近く経っても事件がどう解明されるのか、まったく藪の中だ。漏れた情報は、イランの政権交代を狙ったものとされ、起案者は、対イラク戦争の推進役となったネオコン(新保守主義派)の若手論客という。(ベリタ通信=有馬洋行)(2004/11/29)


    愛人の子ども増加し親子鑑定が流行 中国の経済特区・深セン
    【深セン・ベリタ通信=竹田誠一】中国広東省の日刊紙「南方都市報」などの報道によると、中国の経済特区・深センで親子鑑定が流行している。深セン市の司法局に付属する深セン市人民医院法医物証司法鑑定所が昨年8月に法的効力を持つ親子鑑定を開始したが、わずか1年あまりの間に鑑定数は1000例以上に達したという。こうした鑑定の増加の背景には、子どもの認知をめぐる裁判が多くなっていることも関係している。(2004/11/21)


    米国で自閉症の子どもが増加 受け入れめぐり教育現場で混乱も
     米国で自閉症と診断される子どもが増加している。現在、自閉症といわれる人の数は、全米で150万人。1000人中、2人から6人の割合で出現するといわれる。自閉症は一種の発達障害で、言葉の遅れのほか、コミュニケーションができない、集団生活になじめない、などを特徴とする。自閉症の子を持った家族の努力と負担は極めて大きい。近年の数の増加は、検査技術の向上によるところが大だが、こうした子ども受け入れる学校の教育現場では、一部混乱も生じている。(ベリタ通信=エレナ吉村)(2004/11/15)


  • 米軍ヘリ墜落事故:沖縄を基地から軍縮・平和発信の拠点に 伊波洋一...
  • イタリアの小村で一足早い“米大統領選” 外国人にも選ぶ権利と主催...


  • 野村進ジャーナリスト講座
    ノンフィクションを書く 第21回 原稿の書き方(4)
     原稿の書き出しが決まれば、しばらくはスムーズに文章が流れていくはずだ。もし流れていかないとしたら、自分の中で何を書こうとしているかがまだ煮詰まっていないからで、もう一度、取材ノートや資料を読み直し、構想を固めてから、書き出しを再考すべきであろう。書き出してからの注意点を箇条書きでまとめてみる。(2004/11/01)

    米軍ヘリ墜落事故:沖縄県民は何を求めているのか 伊波洋一・宜野湾市長の講演<上>
     米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落した事故から2ヶ月半。飛行停止と普天間飛行場の閉鎖・早期無条件返還を求める市民の声を、米軍も日本政府も依然として真剣に受け止めようとはしていないようだ。そうしたなかで、事故現場の宜野湾市民の安全を預かる伊波洋一市長は、日米両国政府などに沖縄県民の願いを訴えつづけている。同市長が9月9日に東京の市民集会で行った講演に、耳を傾けてみたい。 (2004/10/30)


    ネパール情勢
    ヒマラヤのマオイストたちの純朴 「美少女ゲリラ」の姿も ネパール人民解放軍を訪ねて
    120 ネパール情勢の不安定化が加速している。最大の原因は、ネパール共産党毛沢東主義派の急速な勢力拡大だ。現政権と王室への批判を強め、軍施設などの襲撃を毛派は繰り返している。冷戦終結後、時計の針を巻き戻すかのように誕生した毛派の「人民解放軍」とはどのような武装組織なのか。同国西部サリヤン地区の毛派支配地区に今年7月に潜入、人民解放軍の秘密キャンプを訪ね、彼らの実像を探った。標高3000メートル近い高地のキャンプには「はっとするほどの美少女ゲリラ」の姿もあった。(アジア記者クラブ通信=石山永一郎)(2004/09/22)


    野村進ジャーナリスト講座
    ノンフィクションを書く 第20回 原稿の書き方(3)
     さて、前回に引き続き、ノンフィクションの書き出しについてである。小説家による文章読本の類には、必ず書き出しの手本がいくつかあげられているものだが、ノンフィクションのガイドブックには実例をあげているものが意外に少ない。「我が輩は猫である。名前はまだない」や「木曽路はすべて山の中である」のような人口に膾炙した短文の名文ではなく、事実が織りなすドキュメンタリーの世界に読者をいざなうための入口として、書き出しにもある程度の分量が必要だからかもしれない。そこで、私が「よい書き出し」と考える例を、まず短編ノンフィクションからいくつかあげてみることにしよう。(2004/09/16)

    強いストレスが誘拐狂言に走らせた 米国の心理学者は“狼少年”現象と分析
    【ロサンゼルス27日=戸田邦信】04年3月、米ウィスコンシン大学の学生オードリー・セイラーさん(20)が自作自演の誘拐劇を演じ、大きな反響を呼んだ。米国の心理学者は、ストレスに陥った女性が、他人からの関心を集めるため、こうした“犯罪”に走るケースを、寓話を集めたイソップ物語の「狼少年」の現象、と説明している。(2004/08/28)


    「ジョンがいて、ポールかいたから成功したビートルズ」、ジョン・レノンの妹がリバプールでビートルズを語る
    120 世界中からビートルズを模したバンドやビートルマニアが集まる、「インターナショナル・ビートル・ウイーク」が、4人の生まれ育ったイギリス・リバプールで31日まで開催されている。毎年50万人が訪れるというこのイベント開催の直前、ジョン・レノンの妹のジュリア・ベイアードさんにインタビューし、ジョンとの思い出やジョンの少年時代の話などを聞いた。ビートルズ関連のビジネスとはこれまで距離を置いていたというジュリアさんは、「ジョンとポールの二人がいて、ビートルズはロケットのように飛ぶことができた」「ビートルズの音楽は永遠」と述べた。(リバプール、イギリス北西部=小林恭子)(2004/08/27)


    真の原因は歴史に対する日本の無責任な言動 中国紙がサッカー・ファン問題で反論
    中国人ファンの反日的行為が問題になっているサッカー・アジアカップ。先日、こうした行為に批判を加えた、中国の代表的日刊紙「中国青年報」が5日、今度は日本の一部政治家から反日的行為の原因は、すべて中国側のせいとするような意見が出ていると批判した。【深セン=竹田誠一】(2004/08/06)


  • やっぱりたばこは止められない!約3割値上がりにフランス人愛煙家は...


  • 事件の重大さで少年犯罪者の実名、顔写真を公表するイギリス、過熱報道による社会的な集団リンチの局面も
    120  日本とは違い英国では、少年犯罪者の実名報道には犯罪抑止効果があると考えられている上、国民の知る権利の観点からも場合によっては必要と認識されている。一方、センセーショナル、情緒的な報道を通してメディアが犯罪者に対する人々の懲罰的感情を助長、扇動する役目も担っている。同じ学校の下級生を刺し殺したとして、27日に終身刑を言い渡された少年の実名・顔写真報道を通して英国の少年犯罪報道の現状を報告する。(ロンドン=小林恭子)(2004/07/29)


    「襲われて腹にカギ十字」は女性の狂言、フランスメディアと政治家の過剰反応が批判の対象に
    フランスからの報道によると、パリ郊外を走る高速地下鉄の車内で、23歳の女性が北アフリカ系とされる6人組の男たちにユダヤ人と間違えられて暴行を受け、腹部にカギ十字を書かれたとされる事件は、この女性の狂言だったことが分かった。事件をめぐってはシラク大統領らが声明を出した上、人種差別が深刻化しているフランス社会を反映し報道が過熱した。しかし、一転して人種差別に関するフランスメディアと政治家の過剰反応を象徴する社会問題になった。(マドリード=山上郁海)(2004/07/15)


    【欧州移民新世紀(13)スペイン編2】スペイン文化に敬意を 受け入れる側の移民への思い
     スペインで移民を受け入れる側の市民の間には、文化的融合を拒み、独自のコミュニティの中で生きる傾向のある移民たちに対し、「もっとスペイン文化を尊重してほしい」との声が上がっている。良識的なスペイン人の中にも「われわれは彼らの文化を理解しようとしているのに」との移民たちの姿勢への不満があるようだ。(マドリード=山上郁海)(2004/07/14)


    SARS対応めぐり香港衛生局長が辞任
    【香港7日=富柏村】董建華行政長官は7日、昨年春の新型肺炎(SARS)流行への対応が遅れ、その責任を問われていた楊永強衛生局長の辞任を発表した。緊急の記者会見を開き明らかにしたもので、3ヶ月以内に後任が決定し次第、楊氏は衛生局長を辞任する。(2004/07/08)


  • 直原涼子:ラテン世界への穴(5)メキシコ女性画家フリーダ・カーロ...
  • EU脱退主張する英国右派政党が躍進、欧州議会選挙結果


  • 「新国連安保理決議は、占領の正当化だ」 イラク国民の反響
    【東京11日=齊藤力二朗】イラクの戦後統治をめぐり国連安保理は8日、占領軍からイラク暫定政府への6月末の主権移譲と、05年末まで多国籍軍の駐留を認める決議を採択した。この結果、米軍主体の多国籍軍が、今後イラク政府の要請に基づき、治安面を担当する枠組みが作られた。こうした新しい事態について10日付のネット紙、イスラム・オン・ラインは、「本当にイラクに主権が与えられるのか」などと疑問視するイラク国民各層の生の声を伝えた。(2004/06/11)


    【欧州移民新世紀(11)−英国・番外編】 扇情的な排斥記事は沈静化 EU拡大から1カ月の英国 「永住は望まない」と移民たち
     かつては15カ国だった欧州連合(EU)が25カ国になって一月経った。拡大直前までは、扇情的な記事をメインにする大衆紙各紙が「英国は新移民たちであふれかえる」とした見出しの記事で読者の「恐怖感」をあおったが、現在は新加盟国からの移民問題はそれほど話題には上らなくなった。しかし、「働かずに失業保険恩恵のみを得るなど、英国の高福祉制度の悪用を狙っているのではないか」「英国に永住し、将来はこれまでいる英国人を数の上でしのぐことになるのではないか」といった疑念、一種の神話は下火になったとはいえ、国民の中に未だに存在しているのも事実。その中で移民たちは「永住するつもりはない」と冷めた目で英国を見てもいる。(ロンドン=小林恭子)(2004/06/02)


  • 国連安保理、東ティモール支援活動の1年延長を承認


  • 「小泉君、石破君は勉強していない」 イラクからの自衛隊撤退を訴える箕輪登・元郵政相
     2004年3月22日午後、元自民党衆院議員の元郵政相、箕輪登氏(80)に約4時間インタビューした。その後、5月5日まで、何度か電話で箕輪氏から話を聞いた。インタビューの場所は北海道小樽市にある箕輪氏の自宅。「日刊ベリタ」などにフリー・ジャーナリストとして記事を書くということで会えた。箕輪氏は04年1月「自衛隊の派遣は国民の平和的生存権を侵害し違憲・違法」として、派遣差し止めと慰謝料1万円を国に求める訴訟を札幌地裁(原啓一郎裁判長)に起こし係争中だ。(東京=浅野健一)(2004/05/05)


    英BBC社長選考が最終段階 フリーのTV関係者も名乗り
    【ロンドン29日=小林恭子】イラク戦争をめぐる情報疑惑報道で、取材の不備を指摘され、トップが相次いで引責辞任した英BBC放送が、次期社長の最終選考に本腰を入れている。現在最も有力とされている一人が、BBC理事会の元副理事長で現在は社長代行のマーク・バイフォード氏だ。(2004/04/29)


  • 「銃を突きつけられながら撮った」 「カーネーション革命」の撮影者...


  • 小泉首相ほど米国に忠実な者はいない イラク派兵は血の貢献
     帝国主義全盛の時代、大英帝国はインドやネパールなどの植民地軍や傭兵たちを両世界大戦のヨーロッパ戦線に投入した。現代の“自由と民主主義”を守る対テロ世界戦争に、ついに日本も参戦し、イラクに派兵したが、これは往時の英領インド軍やグルカ傭兵部隊と、どこがどう違うのだろうか? ごく当然の疑問が、国政の場で説明されていないし、マスコミや論壇でも、まともな形の議論にはなっていない。それでは、「小泉首相ほど米国に忠実なものはいない」と主張する東京、国際基督教両大学で教える客員教授の講義に耳を傾けてみよう。(TUP速報= ベリタ通信)(2004/03/26)


  • 【欧州移民新世紀(10)英国編ー4】南アジアからの「高学歴花嫁」...


  • 市民団体の文書が北朝鮮の謀略指令文に変身? 「月刊朝鮮」の疑惑記事で「正論」が得意の北叩き
     【ソウル20日=李誠】月刊誌「正論」(産経新聞社発行)最新号(4月号)が、韓国総選挙を狙った北朝鮮の工作指令文として紹介した文書の信憑性が揺らいでいる。この文書は韓国の雑誌「月刊朝鮮」2月号に掲載され、「正論」がそれを翻訳・転載したもの。ハンナラ党に対する民主勢力の共同闘争を訴える内容だが、その文面が、韓国のある市民団体が作成した文書とほとんど一致していることが分かった。市民団体は「月刊朝鮮」を相手取り、名誉毀損での告発や、損害賠償と訂正報道を求める民事訴訟を起こす準備を進めている。(2004/03/20)


  • 外国人摘発に地元商店街が猛反発 「街の灯消える」と平沢議員に陳情
  • 「記者会見させると偽り空港に連れて行かれた」ハイチ前大統領が“亡...


  • 【ルポ・バグダッド(2)】「これが民主主義? チャットがしたい」 終わらない「戦争」イライラ募る
    120  「親友が腕をなくした。死んだ友達もいる。女も子どもも、ここ1カ月くらいで25人ほど死んだ。親友の家の寝室には屋根から落ちてきた不発弾がまだ転がったままなんだ。信じられないのなら来てみろよ。もう後三十分ここにいたら米軍がこの道を通って、集落への攻撃を始める。おれが言っていることが正しいのか分かるよ」。農家のナサル・モハメッドさん(40)は孫を腕の中に抱えながらそう言った。(上野洋光=ベリタ通信)(2004/03/13)

    胸露出事件の余波、放送局に自主規制の動き 米議会はわいせつ描写で規制強化へ
    【ロサンゼルス6日=戸田邦信】米人気歌手ジャネット・ジャクソンさんが2月のスーパーボウル(全米プロフットボールの王座決定戦)のハーフタイムショーで胸を露出した問題が、依然尾を引いている。米議会や監督機関は「現在の放送は品位にかける」として、テレビ・ラジオ放送局への規制強化に着手。米議会では、放送からヌードやわいせつな表現を締め出すため、違反者への罰金を大幅に増額する法案を成立させる考えだ。これに慌てた一部のラジオ放送局は、きわどい発言をする人気キャスターの番組を中止にするなど、自主規制に乗り出している。(2004/03/07)


  • 【欧州移民新世紀(5)ドイツ編ー4】「労働力だけを入れたはずなの...
  • 【ルポ・バグダッド(1)】「俺たちが何をした」 戦禍で虐げられる...
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  • 【インタビュー】岡留安則氏、「噂の真相」休刊の真相を語る


  • 「テロ容疑者」に水も与えず暴行 連合軍当局の恐るべき虐待をイラク人が証言
     イラクの連合軍暫定当局(CPA)に収監されている約1万3千人のイラク人が、容疑も告げられないまま長期にわたって収監されているだけでなく、収容所内で暴行を受けるなどの非人道的な扱いを受けていることが米団体「クリスチャン・ビース・メーカー・チーム(CPT)」の調査で分かった。CPAは収監されているイラク人の段階的な釈放を1月8日から始めているが、釈放にあたっても「安全面の配慮」を理由に釈放者の名前を公開していない。収監者は家族のいる地域から離れた収容所に入れられるケースが多く、釈放後も親族との連絡をとりにくいのが現状だ。元収容者の生々しい証言を紹介する。(東京=木村哲郎)(2004/01/14)


    「フセイン死刑」で英外相が容認発言 公正な裁きに懸念の声
    120  【ロンドン17日=小林恭子】イラクのフセイン元大統領への「公正な裁き」をめぐって、イラク統治評議会のアブドルズアジズ・ハキム議長は17日、訪問中のロンドンでの記者会見で、元大統領はイラクの「特別法廷」で裁かれると述べ、英米政府のそれまでの見解を追認した。裁判の結果としての死刑の可能性を否定せず、死刑を認めていない英国で、懸念が高まっている。ストロー英外相は「イラク人が決めたことであれば、主権に干渉しない」とし、暗に死刑の可能性を認めた。(2003/12/18)


    【COP9取材報告】温室効果ガスも大量破壊兵器? もう一つの反戦運動としての脱化石燃料 
    120  今月1日からイタリアのミラノで開かれてた地球温暖化の防止対策を話し合う国連会議、第9回気候変動枠組み条約締約国会議(COP9)が12日、幕を閉じた。温室効果ガスの排出削減目標を定めた京都議定書の実施に向けて20あまりの細則に関し合意に達したが議定書の発効は実現しなかった。「あれぼど大勢の市民が反対したイラク攻撃を阻止できなかったのは、石油をボイコットするだけの決意に欠けていたからだ」と平和運動に反省を促すジャーナリストの声もあった。「脱化石燃料」はもう一つの反戦運動になるという指摘だった。(ミラノ=齋藤ゆかり)(2003/12/17)

  • 高層ビルとともに高くなる上海人の自尊心、背後に生活の質の低下と地...


  • ドイツにもいる懲りない面々 保守的土壌でユダヤ人差別を繰り返す政治家たち
    【ハノーバー(ドイツ北部)25日=田口理穂】ドイツの保守野党、キリスト教民主同盟(CDU)のマーティン・ホーマン議員によるユダヤ人差別発言が波紋を広げている。ホーマン氏の差別発言を支持した陸軍特殊部隊KSKの司令官、ライハルト・ギュンツェル将軍が今月4日、ペーター・シュトルック国防相(社会民主党)によって解任されたからだ。ホーマン氏とギュンツェル氏は、これまでも同様の発言を繰り返してマスコミをにぎわせてきた。日本だけでなく、ドイツでもナショナリズムの片鱗が目立ち始めている。(2003/11/26)


  • 中国メディアは反日感情を本当に煽っているのか 西北大学、買春事件...


  • 南アフリカがエイズ治療薬の無料配布へ 「大きな変化」と支援NGO
     【トゥールーズ(フランス南部)21日=宮下洋一】南アフリカ共和国政府は20日、エイズ治療薬(坑レトロウイルス)の無料配布を実行する考えを明らかにした。5年計画で、500万人のHIV・エイズ患者を治療していく方針で、1年目に4500万ドル(約48億円)を費やすことを決定した。開始時期は未定だが、エイズ問題に取り組む非政府組織(NGO)などは「大きな変化」と歓迎している。21日付のフランス紙「リベラシオン」などが報じた。(2003/11/22)


    野村進ジャーナリスト講座
    ノンフィクションを書く 第11回 取材の方法(4)
     ここで肝要なのは、なぜその人物に会いたいのか、会って何を知りたいのかを、もう一度、自分に問い掛けて、明瞭な答えを出しておくことだ。この点をはっきりさせておかないと、取材が漫然としたものに流れてしまう。この点をはっきりさせたうえで、質問を思いつくままに箇条書きしていくのである。たとえば、いま私が一番インタビューしてみたい人物の一人は、先日、詐欺事件で逮捕された自称「有栖川識仁(さとひと)」氏なのだが、彼に会って訊きたいことを、とりあえず10項目あげてみる...(2003/11/20)

  • 「チベットに3年以内に戻りたい」、中国がダライラマに“踏み絵”迫...
  • 丸目蔵人:アジア芸能フロント(14)ブライオニーに聞くタイ・ポッ...
  • 広がるドイツの「ジュニア選挙」──民主主義を守る政治教育の最前線...


  • 【資料】「政官癒着の脱却には政権交代が不可欠」 天木前レバノン大使の日刊ベリタでの講演全文
     イラク戦争に反対する公電を打ったことがきっかけで外務省を退職した前レバノン大使の天木直人氏が10月23日、日刊ベリタの特別講演会で約1時間のスピーチを行った。狭い会場には約160人が詰めかけ、イラク戦争後、市民による集まりとしては“異例の盛況”となった。天木氏は日本の外交力の低下を憂い、その原因が政治家と官僚の癒着構造にあると指摘し、この11月9日に行われる総選挙での「政権交代」を訴えた。(文責=ベリタ通信)(2003/11/03)

    【現地報告】訴えが多様化するデモ、どこへ向かう米国の反戦・平和運動:ワシントン
    120 【ワシントン31日=村上正子】今月25日、米国の首都ワシントンで米軍のイラク占領に抗議する数万人規模の集会が行われた。イラク戦争さなかの4月に行われた3万人デモ以来半年ぶりの大規模なデモは、なぜ行われたのか、集まった人々は何を訴えたのか、そしてデモは人々の心に何を残したのか。連日のようにイラクで米兵が犠牲になっている中、イラク戦争を止められず、米兵の撤退も受け入れられないため、声を上げることをためらう米国人も多いが、一方で教育費の削減など国内問題を反映しデモの参加者も背景も多様化しているようだ。(2003/10/31)


    戦争を拒むヨーロッパを求めて、イタリアの市民ら30万人が平和行進
    120  【ペルージア13日=齋藤ゆかり】イタリア中部の町ペルージアで9日から開かれていた第5回「人民の国連総会」は12日、「平和のためのヨーロッパ」を求めるアッシジまでのピースウォークに合流、その幕を閉じた。総会に出席していた世界100余国からの市民社会代表250人は、イタリア全国各地からバスなどを借り切って参加した約30万人(主催者側発表)の市民とともに、ペルージアからアッシジまでの24キロを行進した。(2003/10/13)

  • 「おそるべき外交劣化、政権交代が何より不可欠」 天木前大使の外国...


  • 【追悼】サイードは真の知の巨人だった ムスタファ・バルグーティ
     サイードは真の知の巨人だった(ムスタファ・バルグーティ、パレスチナ・ナショナル・イニシアチブ) エドワード・サイードは偉大なる勇気と明確な信念の持ち主であり、混迷する世界のなかで輝く光明だった。真の知の巨人として、サイードはあらゆる分野に知的刺激を与える業績をあげた。その知的能力に情熱が吹き込まれることによって、彼は明確なビジョンを描ける人間となり、大いなる賞賛と信頼と尊敬を受けることになった。(2003/09/30)


    【メディア】『噂の真相』休刊後、岡留編集長は沖縄移住 「最低1年は仕事しない」と明言 その後に復刊の可能性も?
    【東京26日=稲元洋】過激にして鋭い切れ味のスキャンダリズムを売り物に、政界や芸能界を揺るがす数々のスクープを放ってきた月刊誌「噂の真相」の来年4月をもっての休刊がとうとう本決まりになった.「経営的には優等生」の月刊誌の休刊には、惜しむ声とともに、理由をいぶかしがる人も多い.岡留編集長を含む関係者の話を総合すると、休刊は「雑誌編集者として晩節を汚したくない」という氏なりの美学と、権力や右翼勢力と対峙し続けてきた長年の雑誌編集の緊張感から離れ、少なくともしばし安逸と享楽に身を沈めてみるという氏ならではの粋な選択だったようだ。岡留氏は、休刊後、沖縄に移住する。(2003/09/26)


  • SARS基金でコンサート開催に疑問の声 香港で大物招聘イベント
  • 北京五輪用に現場警察官向けの英語教材 法輪功取材を阻止する具体例...
  • 途上国へのコピー薬調達に関するWTO合意を批判 国境なき医師団


  • 米国29州62都市でヒロシマ・ナガサキ平和集会 核廃絶からイラク駐留米兵帰還の願いまで 多様化する「原爆の日」の光景
    120  【ワシントン8日=村上正子】全米各地でヒロシマ・ナガサキの日の集会が行われている。米国の平和活動団体「平和と正義の連合」が把握しただけで、8月5〜10日の間にイベントを計画している地域は29州62都市に及んだ。各地集会の内容は例年になく多岐にわたっている。ダイ・インや日本から高齢の被爆者を招き被爆体験に耳を傾け、鎮魂の祈りを「灯籠流し」に託する従来のものから、「反戦・平和の象徴の日」としてイラクに駐留する米軍の帰還を訴えるものまで登場。かつては「ヒロシマ・ナガサキ」を口にすれば「リメンバー・パールハーバー」と話を遮られるのではないかと危惧すらした米国で、「原爆の日」が多様化している。(2003/08/09)


  • 米で横行するにせ卒業証書 インターネットでも売買
  • 星川淳:インナーネットスケープ@屋久島(12)情報水理学による次...
  • 【外国人記者の眼】「うぶで、気前のいい日本人女性は格好の餌食」 ...
  •  「民主国家の早期形成」訴える スーチー氏の拘束前夜スピーチ、在...


  • 野村進ジャーナリスト講座
    ノンフィクションを書く 第5回 資料の集め方(1)
     私が20代のころ話題になったあるインタビュー集の著者が、こんなことを言っていた。自分はこれからインタビューする相手に、先入観のない白紙の状態で臨みたいので、資料調べや事前調査はいっさいしたことがない、と。そんなものかなと当時の私は思い、二、三度まねしたことがあるのだが、このやり方は読者には絶対にお勧めできない。よくよく考えれば、くだんのインタビュー集の著者は、相手が有名スターばかりだったからこそ、その手法でも通用したのだった。ようするに手持ちの情報がすでに相当あったわけで、私がこれから述べようとしているノンフィクションの取材とは性質を異にするものだったのである。(2003/06/17)

  • 世界最難関=K2登頂に挑戦するスペイン女性 モデル業で資金捻出 ...
  • 星川淳:インナーネットスケープ@屋久島(5)お手本は自然界 課題...
  • 東ティモール独立1周年『真の独立へ遠い道のり』(中)元独立兵士た...
  • 星川淳:インナーネットスケープ@屋久島(2)「地球の心は水心?」
  • 日本は「理解されることを理解してない国」  第三世界通信社・IP...


  • 5万人が反戦デモ、若者の関心高まる 東京・芝公園
    120  【東京21日=佐々木敬一】英米による対イラク戦争がはじまって2日目のこの日、東京の芝公園で大規模な反戦デモ「ワールド・ピース・ナウ」があり、主催者の同実行委員会によると約5万人が参加した。午後1時ごろには芝公園内に市民が集まり、主催者や呼びかけ団体などがあいさつ。午後1時半から3時半ごろにかけて、警察による厳戒態勢の中、アメリカ大使館と銀座の2方面にデモ行進した。(2003/03/22)

  • 【コラム】「反戦記者」の迷いと揺らぎ 「大義」に欺かれぬために ...


  • 「米の言いなりなら植民地の方がまし」 リッター元査察官会見
    120  【東京5日=佐々木敬一】元国連大量兵器査察官のスコット・リッター氏が4日、東京・永田町の参議院議員会館で記者会見し、参加した日本の国会議員多数に対し、「米国の言いなりになるだけなら、日本はアメリカの植民地になったほうがまし」と批判し、国際世論の反対を押し切って対イラク戦争の準備を進める米国を制止させることができると訴えた。(2003/02/05)


  • NHK朝の連ドラ、シナリオ変更なし 結末はヒロインがシャトルに搭...
  • ルソン島での旧日本軍の大量虐殺を証言 スージー・オーカンポさん
  • 「ヒーローになってみせる」 バルセロナの小学校人質事件
  • 「マスコミは戦時中と同じ」 北朝鮮報道のあり方を問う集会=日本


  • 全国の朝鮮学校への嫌がらせ300件超える、多数の激励も
     【東京29日=佐々木敬一】17日の日朝首脳会談以降、全国各地の朝鮮学校で電話や電子メールでの脅迫、生徒への暴行未遂事件が相次いでいる。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)教育局によれば、17日から26日の間に、これらの嫌がらせは確認されているだけで308件に上る。(2002/09/29)


    「この社会にうんざりしている」 フランスに不法滞在23年のジャメルさん
    120  アルジェリア出身のジャメルさんは、11歳のときに母国を離れ、フランスに渡った。子供時代は、フランス市民と同様、フランスでの教育課程を通じてフランス人同様の生活を送ってきた。現在、38歳になったジャメルさんは、不法滞在者(サン・パピエ)として23年をフランスで過ごしている。パリ市北郊外のサン・ドニで、サン・パピエを支援する市民団体からの援助を受け、滞在の合法化に向けて闘いつづけている。(パリ=宮下洋一)(2002/08/25)


    ドイツ旅行記:まずはフランクフルトの中華料理店で 各国のユーロ事情
     フランス南部ペルピニャンから、約1時間30分の飛行で、ドイツのビジネス都市フランクフルトにやってきた。欧州中央銀行やドイツ銀行本部などが建ち並ぶこの町は、ヨーロッパ経済を堂々と象徴しているかのようだ。かつて作家・詩人のゲーテもこの町に生まれ育った。諸外国から数日間のビジネス滞在をしている人々も多く、必ずしもドイツ語だけが飛び交っているわけではない。英語、トルコ語、アラビア語などがあちこちで耳に入ってくる。(2002/08/13)


    子供も大人も熱狂 第89回ツール・ド・フランス
     欧米諸国では昔から人気の高いスポーツのひとつに自転車ロードレースがある。とくに有名なのがフランスの「ツール・ド・フランス」で、参加選手は毎年行われるこのレースに多大な時間と体力を費やす。人々は、テレビの生中継に釘付けになり、自国の選手や外国の選手を応援している。(2002/07/19)


  • 【ディリ通信】7月某日 日本、国連、ポルトガル



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