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2017年06月23日
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2017年06月21日
2017年06月20日
2017年06月19日
2017年06月18日



Column

コラム

コラム




農と食
農業のTPP体制化にもとで改めて有機農業の存在を考える  大野和興
 共同代表として関わってきた国際有機農業映画祭が今年で10周年を迎えた。毎年1回東京で開催、やがて全国各地で地域版が開催されるようになった。しかし一方で、この10年、農業はとてつもなく難儀な時代だった。世界のすべてを市場競争に任せるグローバリゼーションが吹き荒れるなかで、農民の農業は淘汰され、農民は土地から剥ぎ取られていった。その難儀さは年々深まっている。有機農業とは何だろう、そのことを考え込む10年でもあった。(2016/12/08)


政治
憲法審査会は嘘臭くてたまらない  根本行雄
 11月16日、参院憲法審査会(柳本卓治会長)は今年2月以来、9カ月ぶりに審議を再開した。自民党の中川雅治氏は9条について「自衛隊の位置付けが明確でなく、自衛権の否定ともとられかねない」と述べ、改正が必要との認識を示した。これに対し、民進党の白真勲氏は「現行憲法を正しく評価し、守ることが今、求められている」と表明した。11月17日、衆院憲法審査会(森英介会長)は参院憲法審査会に続いて審議を再開した。実質審議は昨年6月以来、1年5カ月ぶり。自民、民進、公明、共産、日本維新の会、社民の6会派が「憲法制定経緯」をテーマに意見表明し、その後に自由討議を行った。国会の議論には茶番劇のような嘘臭さがぷんぷんしている。(2016/11/30)


文化
「嬬恋村のフランス料理」18 〜 魚料理のもてなし 〜 原田理(フランス料理シェフ)
群馬、長野は海が無く、我が家では魚介類は日常的に食べることが少ない食材の一つです。そんなところも内陸部分が多いフランスと似ているところかもしれません。 社内の友人を招いて楽しむ会食を我が家は日常的に行なっていますが、時に遠方から妻や私の友人や家族が訪ねて来てくれるときがあります。そんなとき、気合の入った魚料理を作る時間は、僕にとっては格別の楽しみの時間です。今回はそんなときのお話を。(2016/11/23)


TPP/脱グローバリゼーション
行き詰まる新自由主義と“もうひとつ”の世界
 戦後世界を形成していた枠組みが崩れ、新自由主義に基づくグローバル化に時代に入って30年は経つ。東西冷戦が解消し、グロ―バリゼーションの新しい国際的な枠組み・秩序がつくられると誰もが期待したが、そうはならなかった。逆に今、世界は混乱のただ中にある。人びとを豊かにすると考えられてきた市場経済と成長至上主義が逆に中間層の崩壊と貧困の拡大を招いた。それは、長年積み上げられてきた民主主義とそれに基づく近代政治システムを崩し、ナショナリズムと排外主義の横行、「テロリズム」の拡大をもたらした。(大野和興)(2016/10/24)


文化
「嬬恋村のフランス料理」17 〜会食の楽しみ〜 原田理(フランス料理シェフ)
  家族や仲間と食べる夕飯は特別な時間を演出してくれます。今回はそんな日々の話を。仕事をするということは同時に悩みを抱えると言うことでもあって、そんなときは美味しい食事や仲間との会話が日々のストレスを解消してくれます。それは都心でも嬬恋村でも同じことだと思います。が、嬬恋村は車がなくてはコンビニエンスストアにも行くことができない土地柄。仕事が終われば社員寮に帰るのみで、休みの日にも車がなければ部屋にこもることを強制されます。(2016/09/14)


政治
【編集長妄言】共謀罪復活 朝日新聞が珍しく怒っている  大野和興
 朝日新聞がこのごろでは珍しく怒りを込めた社説を出した。「またぞろ、というべきか」という書き出しで始まる8月29日社説「『共謀罪』法案、政権の手法が問われる」である。8月27日、「政府は共謀罪の国会提出を検討」との報道がメディアを通していっせいに流れた。市民の反対によって、これまで3度廃案になった共謀罪を「テロ等組織犯罪準備罪」と名前を変えて秋の国会に提出するという記事である。(2016/08/30)


福島から
住まいを二度奪われる避難者 今、フクシマで憲法を考える   片岡輝美(日本キリスト教団若松栄町教会)
 2005年2月、キリスト者の同級生2名と「九条の会・西栄町学習会」を発足。「自分の言葉で平和を語る」を目標に、10年間毎月の学習会が開催された。「立憲主義とは」から始まった学びは多岐にわたったが、日本国憲法に触れる中で、私は日常生活に憲法を引き寄せて、考えるようになった。そして、2011年3月11日、東日本大震災が発生。東京電力福島第一原子力発電所核事故の起きたあの時、福島県民だけでなく、この国に生きる誰もの人権が原子炉建屋と共に、木っ端微塵に吹き飛ばされたと考えている。(今、憲法を考える会『ピスカートル』36号から)(2016/08/11)


文化
「嬬恋村のフランス料理」16 〜我ら兄弟、フランス料理人〜 原田理(フランス料理シェフ)
僕には4つほど歳の離れた弟がいます。小さい頃は二人ともいわゆる悪ガキで、いたずらや問題を起こして、よく両親に怒られていました。僕の成長が遅く、弟のほうが身長の伸びも早かったので、よく双子に間違えられたりしたものです。僕はフランス料理人になることを早くから決め、16歳で家を飛び出して修行に入り、都内で一人暮らしを17歳の時に始めましたが、最初に自分の部屋に呼んだ家族は弟でした。彼が学生の時分に東京に遊びに来たりして、いろいろな場所に行きましたが、将来について特段意図はありませんでした。ある時、弟が「フランス料理人になりたい」と言っている。と両親から聞いた時は驚きました。兄の背中を見ていたわけではないでしょうが、彼自身が望んで同じ道を歩むことになったのです。(2016/07/06)


文化
「嬬恋村のフランス料理」15 〜わが愛しのピエドポール〜 原田理(フランス料理シェフ)
豚足いわゆる豚の足はフランスではPied de porc(ピエドポール)と呼ばれ、比較的ポピュラーな食材のひとつ。今回はそんな豚足のお話を。日本で豚足と言えば一杯飲み屋で出てくる、刻んでぷにぷにのつまみを思い浮かべる方が多いとは思いますが、パリなどのビストロで豚足と言えば丸焼きか詰め物のことが多いです。豚足の丸焼きだけで商売している店もあるくらいで、丁寧に下処理された豚足は、これがあの豚の足なのかと思うほどに繊細で濃厚な味わい。大好きな料理の一つです。(2016/04/30)


文化
「嬬恋村のフランス料理」14 〜高級レストランへの夢 その2〜 原田理(フランス料理シェフ)
 しゅわしゅわと音を立てながら、ソムリエがシャンパンをグラスに恭しく注ぐときには、何ともいえない高揚感のようなものがあります。レストランの席に付き、やっと着いたという思いと、これから始まるディナーへの高まる期待。充実した泡で喉を潤しながら、メニュ選びへと流れてゆく序曲のようなものでしょうか。(2016/03/17)


文化
「嬬恋村のフランス料理」13 〜高級レストランへの夢〜 原田理(フランス料理シェフ)
フランスにはセレブリティ御用達の高級レストランから本当に庶民的なビストロまで多種多様な飲食店がありますが、フランス料理人を目指す志を持った若人たちは皆だれもが一度は高級レストランへの夢を持つのだと思います。きらびやかな内装、恭しくもフレンドリーなサーヴィス、豪華なワインセラーに辞書のようなワインリスト、そして磨きぬかれた技術と料理への情熱、選び抜かれた食材で作られる、伝統と最新のフランス料理。しかし、その舞台裏は生き馬の目を抜く競争と、評論家やガイドブック、インターネットレビューからのプレッシャーと、たゆまぬ努力による血と汗と情熱の結晶です。(2016/03/03)


文化
「嬬恋村のフランス料理」12 〜真冬のスープ〜 原田理(フランス料理シェフ)
 マイナス20度の世界になり、外に出ると耳がキーンとしてくる底冷えの嬬恋村の真冬は、厳寒一色の銀世界。夜な夜な温かいものに飢えるこの季節は、色とりどりのスープが身も心も温めてくれます。フランスも嬬恋もあたたかなスープは母の味わい。今回はそんなスープの話です。出勤時間が徒歩で3分ほどのホテルまでの路も、夜間に雪が降り積もったあとの早番の出勤だと、一歩ずつスノーブーツで踏みしめながら前に進み、積もり具合によっては10分以上かかります。嬬恋の冬の室内はホテルも家も、ボイラーで炊く暖房の副作用でとても乾燥して、慢性的な冬の脱水状態が続きます。からっからで唇もかさかさ。仕事していてもリップクリームと水分補給は必須です。(2016/01/22)


アフリカ
「ホシン・アイット・アメッド 」 〜アルジェリア民主化の闘士、死す 享年89〜 アブデルマジド・ベンカシ(Abdelmadjid Benkaci)
 ホシン・アイット・アメッド(Hocine Ait Ahmed)は1926年8月20日、アルジェリアの山岳地帯として知られるカビル地方の小さな村で生まれた。アイット・アメッドはその村の名前であるのだ。彼はアルジェリア・ナショナリズムの先頭に位置した人物であり、1954年11月1日に革命を起こした9人の中の一人なのだ。ホシン・アイット・アメッドが自由や人間の尊厳といった価値を学び取ったのはアルジェリア人民党においてだった。この政党はアルジェリアのナショナリズムにとっては欠かすことができない人物であるメッサリ・ハッジ(Messali Hadj)によって設立された。ホシン・アイット・アメッド終生、その道から外れることはなかったのだ。そして、彼はその道をアルジェリアに築いた。しかし、アルジェリア人民党にホシン・アイット・アメッドが入党したのはわずか17歳だったのだ。(2015/12/30)


文化
「嬬恋村のフランス料理」11 我らのサンドイッチ  原田理(フランス料理シェフ)
  時間に余裕がなく、さくっと食事を済ませたいという時によく作るのがサンドイッチ。フランスでも手軽な日常の食事として楽しまれているサンドイッチは忙しい日々の強い味方です。なによりカトラリーを使わずに食べることが出来て、後片付けの手間が少ないのが魅力です。重石だけあればいいのですから。(2015/11/27)


国際
パリで再発したテロ事件
 パリで同時多発テロが起きたという知らせを聞いたのは仕事場でした。「今朝(日本時間で)、パリで大事件が起きたんだ。」驚きを隠せませんでした。パリには知人が少なくないから、彼らの中に怪我をしたり、巻き込まれたりした人はいなかったのかな・・・最初にそう思いました。と、同時に、ニューヨークで2001年9月11日に起きたときのような、悪い時代へと欧州全域が突入していくのではないか、という予感も走りました。(2015/11/16)


文化
「嬬恋村のフランス料理」10 冬のおもいで 原田理(フランス料理シェフ)
 美しかった紅葉も散り、落ち葉が道路をおおい始め、木々が裸になって冬の足音が聞こえてくると、初めて嬬恋に来た頃を毎年思い出します。あの頃の自分はひどく落ち込んでいて、肉体的にも精神的にも人生最悪とも言える状態でしたが、軽井沢の駅からシャトルバスに乗り、山道を進むうちに標高による気圧で耳の中がつんとしながらも、窓の外に見える、雪がうっすら積もった林と、壮大な浅間山がきらきらと美しかったのを昨日のことのように覚えています。(2015/11/04)


文化
「嬬恋村のフランス料理」9 煮込み料理で乗り越える嬬恋の長い冬 原田理(フランス料理シェフ)
  ここ嬬恋村は一年を通して冷涼な気候が特徴ですが、夏が涼しくて過ごしやすいぶん、紅葉が落ち始める今時分から始まる冬の寒さはとても厳しいです。比較的早く溶けるとは言っても、しっかりと積もる雪とマイナス15度の氷点下の世界です。暖房はしっかり効いていますが、湿気のなさは如何ともしがたく、30数パーセントの湿度では肌ものどもからからです。そんな日々が11月〜4月後半の半年間続きます。乾燥した長い冬の部屋に閉じこもるしかない日には、温かい料理を用意しながらキッチンの火口の前にへばりついていたいものです。今回はそんな日に作る煮込み料理の話を。(2015/10/21)


文化
嬬恋村のフランス料理8 深まる秋と美味しいナス 原田理(フランス料理シェフ)
  群馬県・嬬恋村は野菜が豊富です。名物のキャベツをはじめ近隣の直売所ではいろいろな野菜を売っています。週に一回の妻との買出しも野菜を買いに行くことがメインのイベント。一週分の野菜を買いにランチがてら軽井沢まで行き、かごにいっぱい買ってきて、二人で冷蔵庫に収めるというのが二人そろった休日の定番コースです。群馬県はナスも特産で、ここ嬬恋の直売所にもたくさん並んでいます。特に丸ナスは最高です。(2015/09/20)


文化
アルジェリアからの手紙 生贄の祭りが今年も近づいてきた・・・ アブデルマジド・ベンカシ(アルジェリア人ジャーナリスト Abdelmadjid Benkaci)
   イスラム教徒の生贄の祭りは何世紀にも渡って行われてきた宗教儀式です。歴史によればAid El Kebirないしは生贄の祭りとはアブラハム(イブラヒム)の逸話にちなんだものです。アブラハムは神から息子のイシュマエルを生贄にするように命じられ、神に服従の姿勢を示すために実際にイシュマエルを殺そうとしました。その時、神はアブラハムに一頭の羊を送り、その羊を息子の身代わりとして生贄にささげよ、と命じたのです。(2015/09/13)


文化
嬬恋村のフランス料理7 無限の可能性をもつパスタ 原田理(フランス料理シェフ)
  フランス料理ではありませんが、ピザやパスタ、サンドイッチと言った、いわゆる粉ものの洋食は、日本人の生活に浸透しきった感のある西洋料理です。僕自身このどれもが大好きですが、好きな理由は作るときの手軽さもあるように思います。今回はそんな日常の食事の代表「パスタ」の話を。職場でも家庭でもパスタは人気の料理です。麺の種類が豊富で、ソースや味付けも無限大。何より日本人は麺が大好きです。(2015/09/11)


文化
「嬬恋村のフランス料理」6 デザートの喜び 原田理(フランス料理シェフ)
  今日はしっかり料理を作りこんで、愛妻や仲間たちと食卓を囲みたい、という時の夕食に必要なのがデザート。美味しいデザートは食事の最後を甘美な時間で締めくくってくれます。レストランで締めに提供するデザートだと和やかさも大事ですが、どちらかと言うと、それまでの料理よりも華やかにと意識して作り、提供することが多いのですが、家庭ではフィナーレは和やかに。これが家庭とレストランのデザートを分けるポイントかもしれません。(2015/09/05)


政治
大衆運動と政治的な出口
  昨日、8月30日、国会前に安保関連法案に抗議するために集まった人々に話を聞きながら、国民の中に様々な怒りや不満が渦巻いていることを感じました。 (2015/08/31)


文化
「嬬恋村のフランス料理」5 衝撃的なフォワグラ 原田理(フランス料理シェフ)
  最近ではいろいろと、良い面悪い面が取りざたされることが多いですが、フランス料理にとってなくてはならない食材、それが「フォワグラ」です。賛否両論ある中で、今回は勇気を持ってフォワグラについて書くことにしました。書籍で呼んで知ってはいたものの、実際にフォワグラを食べたのは、修行時代にシェフが焼いたものを食べさせてもらったときでした。今でもわすれない、衝撃的にうまかったことを覚えています。(2015/08/27)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP交渉、前のめりの日本だけが浮き上がってまるでピエロみたいだ 山下惣一
 TPP漂流の可能性が高くなってきた。しかし日本の農政はすでにTPPを前提に、TPPを奇貨として国内の農政大改革を“しっかりと”“切れ目なく”進めている。(2015/08/25)


安倍政権を検証する
「知性的」って、どういうこと?
安倍首相は、かつて自著「美しい国へ」で、映画「ALWAYS三丁目の夕日」を絶賛し、「いまの時代に忘れられがちな家族の情愛や、人と人とのあたたかいつながりが、世代を超え、時代を超えて見るものに訴えかけてきた」と書いている。一見、まとも。しかし、彼は、昭和33年には4歳、その時代の庶民感情を知らないはずである。まして彼は、父方の祖父に衆議院議員の安倍寛、母方の祖父に妖怪と呼ばれた岸信介、大叔父に佐藤栄作という政治家一族の次男坊であり、庶民生活にリアリティなど持てない。だから彼は、この文章の直後に、高度経済成長期の庶民の生活を愛国心につなげ、あたかも愛国心が高度経済成長期の日本人の心性であったかのように語って憚らない。虚言、もしくは彼の勝手な妄想である。(伊藤一二三)(2015/08/23)


反戦・平和
特攻隊の生き残りだった父を想う 木村結
  父は3.11の前年5月に亡くなった。生きていれば、91歳になっていた。しかし、父は敗戦が1日でも延びていれば、21歳の若さで命を落としていたし、私を含め4人の兄弟も生まれてはいなかった。父はお酒を飲むと、「戦争がもう少し長引いていたら、お前たちは生まれてはいなかった」が口癖だった。幼い私が「何故戦争に反対しなかったの?何故、特攻隊に志願なんかしたの?」と聴いても、「そんなこと言える時代ではなかった」と言うだけで、それ以上は口をつぐんで話さなかった。私は、もう少しというのは1週間位だと漠然と思っていた。(2015/08/22)


反戦・平和
「戦争絶滅受合法案」について
安倍晋三内閣によって「安全保障法制」の強行という許しがたい暴挙が吹き荒れている。国の根幹に関わる事態であり、100時間を超えたから十分審議は尽くしたなどという詭弁は断じて容認できない。本当に平和と民主主義を標榜するなら、何年でも時間をかけて議論したらいい。(伊藤一二三)(2015/08/22)


国際
「アジアのチトー」とホー・チ・ミン 戦後70周年と戦後40周年 ハンス・モーゲンソーのリアリズム政治学 村上良太
   エリザベス・ヤング=ブルーエルによるたいへん分厚い評伝「ハンナ・アーレント伝」の中にベトナム戦争に触れた一節があります。1965年に政治学者ハンス・モーゲンソーがベトナム戦争に関する米国務省の外交政策を改めよ、と迫る論文を発表したのですが、政治哲学者のハンナ・アーレントがモーゲンソーの見方を支持したというのです。モーゲンソーが唱えたのは北ベトナムを敵視するのはやめ、その指導者であるホー・チ・ミンを「アジアのチトー」にするべきだというのです。北ベトナムのハノイ政府が南ベトナムを侵略している、という米政府の解釈は誤りであり、そもそもベトナムは1つの国なのである、と。(2015/08/16)


文化
「嬬恋村のフランス料理」4 ほのぼのローストチキン 原田理(フランス料理シェフ) 
  ローストチキン、フランス語でプーレ ロティはフランス人たちにとっても、ちょっとしたご馳走。フランスの家庭でも休みの日になると、お父さんが「今日はプーレロティにするか!」などといって台所に立ち、料理を作る父親を尊敬のまなざしで見つめ、子供たちがわくわくしているようなイメージの家庭料理でしょうか。(2015/08/13)


環境
魚釣りと私 滝川雅弘(クラリネット奏者)
  私は父の影響で幼少期毎週の様に魚釣りに連れて行かれてました。母が勉強させないと駄目だと父に対してよく怒っていたのを覚えてます。1970年当時日本は公害大国でしたから、例えば泉南の多奈川発電所横で釣れた魚を食べて大丈夫なのかと子供心に思ったものです。(2015/08/13)


みる・よむ・きく
映画「日本と原発」はもうご覧になりましたか? 木村結
  昨年11月、六本木の劇場で上映が開始されてから10ヶ月。野火のように全国に上映運動が広がり、現在600箇所以上で上映され、この後も約110箇所から予約が入っている映画です。 (2015/08/11)


文化
セルビアの旅 『バルカンのスパイ』を5都市で公演2 公家義徳(俳優・演出家)
  セルビアの国民的作品『バルカンのスパイ』を日本人がどう演じるのか、注目が集まった。およそ10日間の公演で集まったメディアは150社にもおよび、演出の杉山剛志は毎日朝からテレビ出演、記者会見、セルビアで一躍時の人となる。日本を発つ前にはこんなこと想像もしていなかったのだから、ぼくたちは驚き、そして非常に興奮した毎日を送ることになった。(2015/08/09)


政治
60日ルールと憲法59条の2 衆院の優位性とは? 60日ルールを使わなくとも法案は可決できる
  ところでネットでよく見るのが60日ルールを使って、参院での議論を打ち切って、9月半ばの国会会期の間に衆院で再可決するのではないか、とする見方です。確かにそういう可能性があるのですが、しかし、憲法をよく読むと、自民党が何が何でも数にものを言わせて法案を可決する、というのであれば60日ルールを使う必要は全然ないのです。(2015/08/09)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP報道の謎2 ジェネリック医薬品とバイオ後続薬(バイオシミラー)
  アメリカの場合で調べてみると、一般的な化学薬品の場合と、有機物で作るバイオ医薬品(ワクチンや血液製剤、体細胞を使う薬品など)の場合とで特許期間の切れた後続役に対する呼び名が違っており、一般的な化学薬品の後続の場合をジェネリック医薬品、バイオ医薬品の場合はバイオシミラー(bio similar)と呼ぶそうです。2010年に発効したアメリカの連邦法、Patient Protection and Affordable Care Act (PPAC Act)ではFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可から12年間、バイオ医薬品のデータは保護されるとされています。ウィキペディアには次のように書かれています。(2015/08/05)


TPP/脱グローバリゼーション
TPP報道の謎
 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉がニュージーランドがふっかけた議論のために大筋合意が見送られたと新聞で今月報道された。記事では様々な分野の交渉状況が触れられていたのだが、疑問を抱いたのは新薬データの保護期間というくだりである。朝日新聞の記事では米国は12年、日本は8年、ニュージーランド、オーストラリア、マレーシアは5年を主張していると書かれていた。これは新薬メーカーを抱える国ほど国内産業の圧力で、保護期間を長引かせたいことを意味している。ところで、この朝日新聞の記事では「米国はバイオ医薬品については12年」という風に、<バイオ医薬品については>という限定の表現をとっているのである。これはどういうことなのだろうか。(2015/08/05)


文化
「嬬恋村のフランス料理」3   ぼくが嬬恋に来た理由  原田理(フランス料理シェフ)
 人生には自分のその後の方向性を変えてしまう出会いがある。と誰が言ったかはわかりませんが、少なくとも僕と総料理長の対面はそうだった様に思います。人生を賭けた店を、経営に対する疲れから後進に移譲した僕は、絶望のさなかにいました。生活、資金、時間、意志のすべてを投入したフランス料理店は、身内とは言え、別の経営者に移り変わり、15の時より目標であり、結果でもあった自分の分身ともいえる店舗はなくなってしまいました。自分の技術や気持ちを注入する先はもうなく、目の前にあるのはこの先の人生への不安です。もうフランス料理を、いや、お客様に料理そのものを作れないのではないだろうか、と。(2015/08/02)


文化
夏のジャズフェスの想い出 滝川雅弘(クラリネット奏者)
  想い出深い夏のジャズフェスは2005年の「国際クラリネットフェストTAMA東京」で、学生の時にジャズクラリネットを始めたきっかけとなったアイドル、バディ・デフランコ( Buddy DeFranco、クラリネット奏者) と同じステージで演奏出来た事です。(2015/07/29)


文化
「嬬恋村のフランス料理」2 思い出のキャベツ料理 原田理(フランス料理シェフ)
  ここ嬬恋村を車で走っていると、日本ではあまり見かけない広大なキャベツ畑に出くわします。そう、嬬恋村はキャベツの有名な産地、春夏の出荷量では全国一位です。高原が広がり冷涼なところがキャベツの栽培に適しているのです。山肌から平地にかけて広がるキャベツ畑は、この季節、最盛期を迎えます。そして、キャベツ畑の先に小高い丘があります。ここは「愛妻の丘」と呼ばれています。年に一度全国から夫婦が集まって、男が妻に愛を叫ぶイベント「キャベチュー」が行われます。(2015/07/28)


文化
「嬬恋村のフランス料理」1 原田理(フランス料理シェフ)
  毎日木漏れ日を浴びながら夢から覚め、妻の入れたレモンティーを飲んでから、木立を3分ほど歩くと職場に到着。今日の朝食は慌しかっただろうかなどと考えながら、日を浴びて渡り廊下を歩み、自分のデスクに向かいます。ここは嬬恋村にある230室ほどのリゾートホテルで、たくさんの方が避暑に来るトップシーズンには、毎朝夕各600名分ほどの食事を提供します。僕の名前は原田理、料理の理と書いておさむです。フランス料理にささげた25年。料理人です。(2015/07/25)


欧州
拝啓 宮崎駿 様 〜風刺画について〜
  拝啓 宮崎駿 様。フランスの多くのメディアや観客が最高傑作と評価した「風立ちぬ」に感動してから、早一年。まさかこのテーマであなたに反論する日が来るとは、夢にも思っていませんでした。2月16日、貴方はあるラジオ番組で風刺画についてこのように述べました。(寄稿: Ryoka)(2015/03/10)


政治
【編集長妄言】都知事選に思う いま肝心なのは反ファシズムの幅広い陣形づくりだと思うのだが 大野和興
 ナチズムの台頭を許した大きな要因に、当時の国際共産主義運動が提唱した社会ファシズム論がある。社会民主主義はファシズムの一翼であるとして、強大な力を誇っていたドイツ共産党は社会民主主義者、リベラル層に攻撃を加えた。ヒトラー政権成立前、共産党と社会民主党の合計議席数はナチスを上回っていた。(2014/01/22)


安倍政権を検証する
安倍政権の「ニュースピーク」 〜特定秘密保護法の「又は」と「かつ」〜 自民党と官僚の日本語に対する攻撃が続く
  教育を改変しようとしている安倍政権だが、一方で日本語に対する攻撃はやむことがない。「積極的平和主義」という言葉の本質は戦争、もしくは戦闘行為にある。これは平和という言葉を汚すだけでなく、言葉に対する攻撃と呼んでもいいだろう。すでに多くの人が指摘するように、ジョージ・オーウェルが未来型独裁国家を描いたSF小説「1984年」で強要される人工言語「ニュースピーク」と通底する言葉である。ニュースピークの象徴的なスローガンは「戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり」である。積極的平和主義はこれと同質の言葉である。(2014/01/13)


安倍政権を検証する
日本の‘女’は子供を何人産むべきか? 〜NHK経営委員になった学者の提言から〜 男女雇用機会均等法の是非
  安倍政権から推薦されてNHK経営委員となった長谷川三千子氏は日本の男女は<しかるべき年齢>で結婚して子供は2〜3人産むべきだと産経ニュースのウェブサイト(正論)で発言している。そうしないと今の出生率でいくと、1000年後に日本人がゼロになってしまうという計算からのようだ。だから、その元凶になった男女雇用機会均等法を廃止せよ、と主張しているのである。(2014/01/09)


安倍政権を検証する
オリンピックと警備〜共謀罪と決められる政治〜
 ニューヨークタイムズには今年2月ロシアで開かれるソチの冬季オリンピックにちなんだ風刺漫画が掲載された。戦車に乗り、銃を肩にしょった兵士が壁に五輪のポスターを糊付けしている。そこには’A celebration of the joyous human spirit!'(楽しい人類の心の祝典!)と書かれている。戦車の腹部には大きくSECURITY(セキュリティ)と書かれており、兵士4人が周囲を監視している。ソチの五輪前にロシアではテロ事件が複数起きている。楽しい祝典と、ものものしい警戒態勢が矛盾していることを描いた1枚。(2014/01/07)


政治
選挙の問題点 〜民意をもっと反映する選挙制度へ〜小選挙区制の見直し、会期末に全法案に対する国民投票(チェック制度)、若者の政治参加
   国民の多くの希望に反して、このように与党が暴走することができた原因はいくつかある。ここで3つ揚げたい。〜挙制度の問題(小選挙区制は民意を正しく表現しているか)∩挙期間の争点と国会でのテーマのずれ若者の政治不参加である(村上良太)(2013/12/07)


農と食
大豆の安全保障を! 印鑰 智哉
大豆は言うまでもなく日本の食文化において要の位置を占める。大豆で作った味噌やしょうゆがなければ日本の食を成り立たせるのは難しいだろう。そして大豆は日本の農業の有機的なサイクルの一部をなす重要な作物でもあった。しかし、近代の日本で大豆の生産は捨てられたままだ。(2013/07/10)


TPP/脱グローバリゼーション
【編集長妄言】TPPと平和的生存権 
 安部政権は、10月基本合意、年内決着という米国・オバマ政権か敷いた政治日程に沿ってTPP参加に向けて前のめりで突き進んでいる。7月に予定されている参議院選挙でも改憲、原発再稼働・輸出推進と合わせてTPP参加を安倍成長戦略の柱に掲げる。いま改めて、TPPとは何か、それは私たちのくらしの場、働く場になにをもたらすのかを考えてみる。(2013/06/18)


中東
燃えたゴラン高原 6月10日な何の日だ?   平田伊都子
 2013年6月10日、アメリカとロシアの肝いりで<シリア内戦国際会議>が開催される予定だった。 シリア政府、シリア反政府代表、国連、アメリカ、ロシア、EU などが参加して、彼らが言うところの<シリア内戦>解決を目指そうとしていた。 大国と国際機関がこれだけ大がかりな<シリア戦場>に武器や戦闘員を送り込んでいて、<シリア戦争>を<シリア内戦>と呼ぶのは無責任な逃げ道を作っているとしか思えない。(2013/06/10)


政治
 政治家の見識と歴史認識   三上 治
 日本維新の会の共同代表である橋下大阪市長の従軍慰安婦について、「当時は軍の規律を維持するために必要だった」、「沖縄駐留のアメリカ軍司令官に風俗の活用を進言した」という発言に対する内外の批判が高まり、よくある政治家の失言という事態を超えた問題になりつつある。この背景には安倍首相の登場以降にわかに強まってきた右傾化的発言に対する内外の批判がある。これは戦後体制脱却を主張する安倍首相等の発言に対する警戒や懸念と言ってもいいものである。もう少し詳しく言えば戦後体制脱却が戦前への回帰、あるいは戦前の肯定的評価としてあることへの批判である。日本国憲法《戦後憲法》の改正という政治的動向に対する警戒もある。(2013/06/03)


経済
【編集長妄言】東京市場で株価暴落 “マネー暴走”の始まり?  大野和興
 23日の東京株式市場で日経平均株価が暴落した。下げ幅は2000年4月17日(1426円安)以来で、歴代11位の大きさを記録した。この暴落をどうみるか。市場関係者のほとんどは「一時的な下落にすぎない」とみていると日経新聞は報じている。果たしてそうか。”マネー暴走”の始まりとは見られないか。(大野和興)(2013/05/23)


政治
小沢一郎政治裁判はまだ現在の政治的事件である(五) 対話風の議論から 小沢一郎政治裁判と日本の政治権力(2)  三上 治
A 君は「憲法の核心は権力の問題である」と言っていたね。それは憲法(法)が政治権力の統治のための道具ではなく、権力を制限し、縛る道具であれということをいいたいわけだ。これが国民の思想となっていないというか、それが肉体かしたものとしては存在していない、それを問題にしていると理解していいか。(2013/05/06)


政治
小沢一郎政治裁判はまだ現在の政治的事件である(二)  三上 治
 戦後の日本の政治権力は国民の政治意思によって代表として選ばれたもので構成されている。という幻想態の中で存在する。国家権力は天皇の意思によって形成されているという戦前の存在とは違う。戦後憲法が国民主権をうたい、法治国家の形態をとっていることでもこのことは言えることである。(2013/04/16)


TPP/脱グローバリゼーション
【編集長妄言】韓国の主要メディアは「日本がTPPに入る、韓国は乗り遅れるな」と一斉に社説で書いているという  大野和興
 韓国とアメリカの自由貿易協定、韓米FTAが発効して今年3月15日で1年が経過した。いま日本で交渉参加をめぐって政治問題となっているTPP(環太平洋経済連携協定)は実質的な日米FTAであるといわれ、日本がTPPに参加した場合、なにが起こるかを知るためには韓米FTAをみるべきだといわれている。そこで、仲間の農民何人かと語らって3月終わり、韓国へ出かけた。(2013/04/14)


政治
小沢一郎政治裁判はまだ現在の政治的事件である(一)  三上 治
 「政治資金規正法違反」の容疑に問われた小沢一郎の裁判は政治裁判だった。このことはその後の選挙で自民党が圧勝するや、きれいさっぱりと忘れ去られたような扱いを受けていることによくあらわれている。政治的利用価値が終わったとして権力側からは見捨てられるようにある。歴史の流れも、政治の流れも速い。それに流されて茫然とたたずんでいるようにあるほかない場所からはこれは忘れさせられていく事態と感得しえることだが、権力の幇間であるメディアはよく知っていて忘却させる役割を演じているのだろう。(2013/04/13)


政治
憲法96条改正の動きを見過ごすことはできない    三上 治
 アベノミクスと称される経済政策《デフレ脱却のための金融・財政・成長戦略》を隠くれ蓑にして憲法改正を準備したいという安倍政権の本音が見え隠れする。まずは経済の浮揚を前面に掲げても安倍政権の根本的な政治構想に憲法改正が置かれていることは誰もが知っていることだが、今、この動きが憲法96条改正の動きとして出てきているのだ。安倍の焦りをそこに見ている人も多と思える。相当に身体が悪いのだろうか。早いうちに憲法改正の道筋を立てて置きたいということか。集団自衛権の行使に執着し、憲法9条の骨抜きをいっそう進めようとすることも同じことである。(2013/03/15)


核・原子力
爆弾低気圧と原発放射性物質   山下茂
 1月14日の東京は大雪でした。雪をもたらした爆弾低気で福島第一原子力発電所の放射性物質はどうなったでしょう。東京電力が公開している放射線量の測定値をみてみました。(2013/02/11)


地域
【伊那谷から】やはり出てきた自衛隊派遣論議  
 やはり、と言うべきか。想定通りの声が政府与党から上がった。 (2013/01/22)


政治
現実と政治・社会の未来 再論(5) 右傾化という言葉が流行であるが…   三上 治
 過日、安倍政権の成立とともに流行の感のある右傾化をめぐって右翼の論客とテレビで討論した。安倍政権の成立とともに外政あるいは内政に対して打ち出したこわもての言動にたいして、国内のみならす。外国からも右傾化という警戒の声がでている。これは対外的には民族主義的で国家主義的な、そして対内的には強権主義的な色彩の濃い政策が打ち出されていることへの懸念である。尖閣諸島問題や拉致問題で中国や北朝鮮に対する対決的な姿勢が示されていることである。また、国内では憲法改正が主張され、強い国家を目指すとされている。自民党という保守政党の内部でリベラル派が消長し、保守民族派の傾向が強まっているのである。7月の参院選挙を控え、それまではこうした主張が前面にでてくることはないとされているが、どうなのだろうか。経済政策が優先されるのは選挙対策だろうが、安倍の政治政策が矛盾にあって現実には具体化が進めにくいのだ。(2013/01/21)


政治
現実と政治・社会の未来 再論(4)花見酒の経済という言葉を思い出したが…  三上 治
 若い人たちはあまり知らないかもしれぬが僕らの年代ではよく知られた言葉が「花見酒の経済」である。1960年の後に池田首相は「所得倍増計画」を打ち出し高度成長ははじまっていた。1962年に当時朝日新聞の主幹であった笠信太郎はこの高度成長に疑念を提示し、「花見酒の経済」という論評をしたのである。これは信用膨張によるバブルであって正常な経済成長ではないのではないか、という懐疑だった。この論評はその後の高度成長の進展でハズレといえるが、バブル経済とその崩壊であたったとも言える。1960年年代の初めのころと現在とでは経済規模も枠組みも違うから、この経済評はそのまま用いられないが安倍政権の経済政策の行方を示唆するところが多分にあると思う。(2013/01/09)


政治
現実と政治・社会の未来 再論(3) 安倍経済戦略の危険性  三上 治
 「経済の再生優先」、誰もが異論のなさそうなところだ。憲法改正して国防軍規定を明記する、集団自衛権行使を容認するなどに比べたら。しかし、その中身を見てみるとすぐに疑念が出てくる。要するにお札を増刷してばらまき、景気を活性化させる、その具体策が公共事業と言う名の土建作業というわけである。これは経済的な不況の度に演じる財政出動や金融政策という伝統的(?)な国家の介入策であるが、国家的借金(国債の累積残高)だけしか残していかない。日本ではバブル経済の破綻とその後に失われた20年という結果がしてか残ってはいるが、根本的な脱出路なきまま、帰らぬ夢をみるような「高度成長」の幻影を求めて一層の泥沼への道を進めるだけである。(2013/01/04)


政治
【編集長妄言】極右政権誕生と社会運動  大野和興
 極右が政権を占拠し、年が明けた。7月の参院選挙の結果次第では憲法改定は年内にも現実の課題として目の前に迫ってくるだろう。改憲勢力が三分の二を超えた今回の総選挙結果をどう見るか。いろんな視座からの分析があるだろうが、自身もその中に身を置く社会運動の場から、なぜこうなったかを考えてみたい。(2013/01/01)


政治
現実と政治・社会の未来 再論(2) アジアと日本は民族主義を超えられるか 三上 治
 民主党政権の敗北は何一つ自己の政治理念に基づくものを実現できなかったということに尽きる。実現できなかったというよりは実践的な試みすらできなかったということにほかならない。僕は民主党が選挙公約時に提示していた外政(日米関係の見直し)、内政《国民の生活が第一》、権力運用(官僚主導政治の転換)を評価していたが、それを実践的に試みる入口のところで躓き、この公約が選挙用の宣伝に過ぎず民主党の面々の身に付いた政治理念になってはいなかったのだと思う。彼らに本当にやりたいことがない、あるいはわからなかったのではないかという疑念を呈しておいたのはこのことだった。(2012/12/29)


政治
現実と政治・社会の未来 再論(1)  三上 治
 福島で開かれたIAEA(国際原子力機関)の会議への福島の女性たちの抗議行動支援の帰りのバスの中で選挙結果についての一報を聞いた。18時を少し過ぎたところだ。自民党と公明党が三百に迫り、民主党は惨敗だということだった。ほぼ、この通りだった。この種のことに関する報道の調査の正確さに驚かされる。帰宅したのは午後も10時過ぎで選挙報道の最中だった。いつもなら、目を釘づけのようにしてテレビ報道をみているが、ちらりと見ただけで早々に寝た。いつもは結構遅くまで起きているが、本を読む気にもなれず布団に入った。なかなか寝付かれず重苦しい雰囲気の中でまどろんでいた。しばらくはこの気分は続くのだろうと、思う。(2012/12/27)


政治
【編集長妄言】坂本龍一さん  日の丸脱原発針谷大輔氏の著書の推薦は取り消された方がよいかと…  大野和興
 日の丸を掲げた脱原発右翼が、憲法九条守れと脱原発が結びつくことに警戒感をあらわにし、その代表格の針谷大輔統一戦線義勇軍議長が「占領憲法破棄、自主憲法制定!自衛隊解体、国軍創設!」とツイッターでつぶやいている。針谷氏の著書『右からの脱原発』には坂本龍一氏が推薦文を寄せ、「脱原発に右も左もない」と書いている。安倍内閣誕生で、憲法の平和的生存権は危うくなっている。針谷氏を推薦する坂本龍一氏は脱原発と憲法・平和的生存権は別物だとでもいうのだろうか。(2012/12/27)


政治
保守反動の時代がやってきたなんて冗談きついぜ!  三上 治
 まだ学生の頃、保守には保守反動という言葉を投げつけ批判していた。保守にもいろいろあることがわからなかった。たとえそれを知っても分かろうとはしなかった。いくらか後に何人かで『保守反動の学ぶ本』《宝島社》を出した。(2012/11/24)


政治
現実と未来(その5)親米・既得権益擁護派の官僚制的権力批判とは  三上 治
 最近、亡くなった若松孝ニ監督は後年に優れた作品を世に送り出し大輪の花を咲かせていた。文学や芸術に歳なんて関係ないように政治にも関係はあるまい。石原慎太郎が新党の結成と国政参加をぶち上げたことに対して老害という向きもあるがそれはないと思う。彼は次の衆院選挙が群雄割拠というか、政党乱立による混迷というか、いずれにせよ乱戦模様を呈し自分の出番がある、と踏んだのかもしれない。石原慎太郎がどのような政治ビジョンと構想を持っているのか、あるいはそれを代表しているのかということが問われるべきである。(2012/10/30)


政治
【編集長妄言】溶けかかる政治システムと社会運動  大野和興
 ダグラス・ラミスさんの『ラディカル・デモクラシー』を読み直している。グローバリゼーションで国民国家が変容し、それに伴い国家を前提として成立してきた議会制民主主義とか政党政治とか三権の分立とか近代のいわゆる民主主義的政治システムが溶けかかっている。日本の政治状況はその典型といえる。(2012/10/29)


政治
現実と未来(その4)「原発依存社会からの転換」の意味を問う  三上 治
 復興予算の流用が報道されているが、これには驚きを通りこして呆れてしまう。東日本大震災からの復興こそが今後の日本の道を決定して行くとは多くの人が語ってきたことだが、この復興予算の実態を見ているとそれとかけ離れた場所に日本の政治があるかが分かるというものだ。復興という名による予算の分捕りと執行は詐欺行為である。国家詐欺である。原発震災の復旧や復興のあまりのひどさに隠れがちに見える大震災の復興だが、被災地からの声を聞けばその遅れは明瞭だし、それを証明しているのがこの予算の実態である。被災地の復興に関係のない予算であれば、それは別に立てればいいのであって、こうした詐欺まがいの行為はやめるべきである。(2012/10/23)


TPP/脱グローバリゼーション
【編集長妄言】くらしの足元からのTPP反対運動を  大野和興
 政治運動として展開されているTPP反対運動だが、そろそろ政府の動向だけでなく日常生活や市場、法制度がすでにTPP体制に入っていることに注意を払うべきだろう。米国政府の意向がどうの、野田政権はどうするか、などといった半分政局に振り回されるような運動で事態は動かないと思うからだ。生活の現場、労働の現場での生存権獲得の闘いとして運動を組み直す時期に来ている。(2012/10/15)


政治
現実と未来(その3)米国アジア優先世界戦略と尖閣問題  三上 治
 IMF総会が開かれているが、中国の消極的対応と相まって印象は薄い。駅からゴミ箱が撤去されたりして、警察の警備体制が目立つだけである。日本に欧州支援の拠出金を出させるだけが目的のような総会であり、アメリカの肩替りを日本はやっているだけで結局のところそれしか見えない。EUにノーベル平和賞が、中国籍作家にノーベル文学賞が送られたのは現在の世界情勢を鑑みてのことならどこか考えさせるところがある。EU《欧州共同体》の受賞理由が戦争の反省と平和や和解の追求であるというのはなかなか意味深である。(2012/10/15)


国際
【平田伊都子の目】危うしオバマ  いまいち盛り上がらない2012年アメリカ大統領選挙  
 「ワタシ、大統領選、投票デキナイ!」と、在日アメリカ黒人歌手のアレックスが、筆者に電話をかけてきた。 「人種差別された?」と、聞き返す。 「不在者投票モウシコミ、オソカッタ」と、アレックス。 「本選挙の11月6日まで、3週間もあるじゃん?」と筆者。「2008年ノ時、2週間前デモヨOK、ケド、今年、2カ月前申シ込ミダッタ。ペンシルバニア州法、変ッタネ」と、アレックス。 「あほか!」と、筆者。(2012/10/14)


政治
現実と未来(その2)今だからこそ憲法9条をアジアに  脱ナショナリズムとしてのアジア主義を構想する  三上 治
 安倍が小泉の後に首相として登板したのは2006年であった。彼は憲法改正を大きな課題として提起した。これは唐突な感じがしたが、戦後体制《レジーム》からの脱却の中心にくるものであり、彼の政治理念やビジョンと言う意味では当然だったのだと言える。その安倍が退陣に追い込まれる事態についてはあらためて述べる必要がないが、今回の安倍の登板との政治状況の違いは確認して置く必要がある。それは一言でいえば、尖閣諸島問題を契機とする対中国問題が大きく浮上していることで、かつての憲法改正などの唐突感はどうなったかである。(2012/10/09)


政治
【編集長妄言】「安倍総裁、憲法改正を争点化」    大野和興
 10月1日の読売新聞朝刊二面2段「安倍総裁、憲法改正を争点化」。日本の三大都市東京、大阪、名古屋と政権をうかがう自民党が従軍慰安婦、南京虐殺はなかったという歴史を無視した排外主義右翼に乗っ取られている。(2012/10/02)


政治
現実と未来(その1)小泉ー安倍路線にさかのぼって考える  三上 治
 自民党の総裁選が話題になりはじめたころはまさか安倍晋三が出てくるとは思わなかった。谷垣前総裁と石破茂の対決になるのかと思っていた。安倍の再登場には政権交代後の民主党政権のだらしなさがあるのだが、民主党の政治路線《戦略》にかつての小泉―安倍路線への回帰が見られるからこれはある意味で当然の帰結といえるのかも知れない。一見すると複雑さが増し、未来のことが一層視界不良になるように見えるが、僕らはここで小泉―安倍路線が登場した2000年の初め位まで政治的―社会的動向を顧みることで流れというか方向を見定めねばならない。これは現在から未来の像がビジョンとして描きだされるというよりは、現実の存在する像の否定によって、その重ねによって視界が開けるというように出現するものだ。僕らは否定による可能性という形でしかこの像に接近できないのであるがこの課題に挑んでみる。(2012/09/30)


国際
【平田伊都子の目】イノセンス・オブ・ムスリム  なんでもかんでもアルカイダ?
 2012年9月21日金曜礼拝の日、「アッサラーム・アライコム(あなた方に平和を)」と集団礼拝をした後、世界のイスラム教徒が抗議デモを繰り広げた。 チュニジアやエジプトは金曜デモを禁止したが、マレーシアなどのアジア各地でデモ隊と治安部隊が衝突し、パキスタンではカラチで14人、ペシャワールで5人の死者を出してしまった。 抗議の対象は、イスラム教の教祖ムハンマドを侮辱した映画<イノセンス・オブ・ムスリム>に、教祖ムハンマドのヌード漫画を載せたフランスの風刺週刊新聞<シャーリー・エブド>が加わった。 9月21日から22日にかけて、ベンガジの群集がリビア・イスラム過激派組織を襲い、11人の死者を出した。 9月22日、パキスタンのビロウル鉄道相は「映画製作者殺害に10万$の懸賞金をかける」と、発表した。 抗議デモは思わぬ展開になってきた。 アメリカは、国際社会は、どう決着をつけるのだろうか?(2012/09/25)


政治
尖閣諸島問題をどう考えるか  三上 治
 昨今の状態は結局のところ石原慎太郎の政治的策謀(背後のアメリカの動きも含めて)に乗せられて、この棚上げ状態から一歩先に進むことを促されてしまったということである。これは中国の反日感情の誘発、それに対する日本での反発を生み出している。双方から激しい声も聞こえるが、これは表面的な一部の声に過ぎない。棚上げ状態から外交交渉へというのが道筋でありそれはどのような経緯を経てであってもじまるだろう。はじめなければならない。棚上げ状態という矛盾の解決は、領土の帰属を明瞭にすることではなく、棚上げ状態の別種の形態(例えば尖閣諸島の共同開発)に進むことである。固有の領土などは存在しないし、それは歴史的なものであるし、その矛盾の発生―解決も歴史的にやるしかない。自国の領土であることの主張は歴史の逆行である。(本文から)(2012/09/23)


核・原子力
政府、『原発ゼロ』目標の閣議決定を見送り  『脱原発基本法』の成立をめざそう  山崎芳彦
 野田内閣は「2030年代に原発稼働をゼロとするよう、あらゆる政策資源を投入する」との文言を記した、エネルギー・環境会議がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定を見送った(19日)。実質的に「原発ゼロをめざす」方針を放棄することを決めたといえる。財界そろっての強硬な反対とおどし、原発立地自治体の地域基盤の見通し不安からの反発、米国はじめ国際的な反応などに加えて、野田首相自身の「原発は必要」の本音や内閣、党内の不協和音によるものだ。福島の教訓はどこへ行ったのか。(2012/09/20)


中国
国有地・尖閣の払い下げ運動を 現状は日本メディアが伝える以上の危機
 尖閣諸島をめぐる問題は日に日に緊迫の度を増しているが、現状を日本メディアは抑制的に伝えている。この姿勢はおそらく正しい。しかし、中国側から入って来る情報を総合すると、メディアが伝えている以上に状況は危機的であり、戦後の日中関係をめぐる最大の試練の場に両国民が立たされているともいえる。悲観的な予測の根拠は、日本側というよりも中国側の反日デモ、世論の暴走だ。この状況に対抗するには、中国政府、中国人の心に届く運動が日本側にも求められている。国有地となった尖閣諸島を中立的な環境団体、日中友好団体などが払い下げを求める運動はどうだろうか。 (2012/09/18)


政治
【編集長妄言】次の総選挙の争点は「憲法」とメディアはきちんと伝えるべき  大野和興
 マスメディアをにぎわしている自民党総裁選。5人の候補が出そろいしゃべっているが、いずれも中身は同じ。東京新聞9月7日号見出し。「タカ派ぶり競う 自民党総裁選」。国士気取りでナショナリズムを煽り、集団的自衛権の行使と憲法9条改正を宣言し強硬路線を競い合う自民党総裁選候補者たち。この中の一人が次の首相になる。安倍はたしか核武装論者だった。次の総選挙の争点はTPP,脱原発、消費税といわれているが、真の争点は憲法だということをマスメディアははっきり打ち出すべきだろう。(2012/09/15)


国際
【平田伊都子の目】シリヤの火消し役は誰だ? 日本人は何もしらない知らされていない知ろうとしない  
シリアの火消役は誰だ? (2012/09/08)


政治
側近に寝首を掻かかれて  三上 治
何とも締りのない国会終盤であるが、聞こえてくるのは乱戦模様の党首選の動きだけである。「ブルータスお前もか」というセリフではないが、側近に寝首を掻かかれる事態が現出している。谷垣自民党総裁も野田民主党総裁も再選が危うい雲行きになってきているのだ。(2012/09/07)


政治
日本の議会制民主主義と民主主義  三上 治
 日本のメディアなんてこんなものなのだろう。『週刊文春』の今週号(9月6日号)が毎週金曜日の首相官邸前行動を主催している首都圏反原発連合のメンバ―と野田首相との会談を取り上げているので読んでみた感想である。題が「『反原発デモ』野田官邸にのりこんだ11人の正体」と言うのだから読まなくても推察できる文春特有の意地悪なのぞき見的論評である。彼らの戸惑いも見えるから取り上げてみる。題名通り会談に参加したメンバ―の履歴や仕事等をあげつらい、得体のしれない面々であることを示したかったのだろうと思う。このメンバ―が大学教授や大会社の代表など俗にいわれる有識者だったら彼らは満足なのだろうか。首都圏反原連の代表たちがこうした面々だったことを評価できないことが文春の見識の限界なのだろう。情けない話だ。(2012/09/04)


政治
国会の体たらくを尻目に政治的意志と声を行動に  三上 治
 かつて複雑怪奇という言葉を発して辞任した首相がいた。平沼騏一郎である。彼は1939年の独ソ不可侵条約の締結にたいしてこれを発した。これに比べればこの間の野田首相の問責決議で自民党の取った行動などは可愛いものだと言えるかもしれない。底の見えた行動と言えるからだ。それでも政党間のやり取りには複雑怪奇と思えるところがある。三党合意で作り上げた消費増税に合意しそれを遂行した野田首相の問責《消費増税法案を進めたことの責任を問う》にその共同提案者である自民党が賛成したのだからである。自分に向かって唾をしているようなものだが矛盾に満ちた行動であることはいうまでもない。党利党略といってもあまりに稚拙で傍目からは可哀そうな程である。(2012/09/02)


農と食
【編集長妄言】アジアを襲う食糧不足  大野和興
 米国の不作による食糧不足が現実のものとなって、トウモロコシのバイオ燃料への使用が問題となっている。アジアでも同じ問題がある。バイオ燃料用にキャッサバやパームヤシ、タイヤ向けのゴム。ここ5年、アジアの村でみたのは、田や畑をこうした食べられない作物に転換する光景だった。(2012/08/25)


政治
反○感情を利用する政治家やメディアの言動に注意を  三上 治
 終戦記念日といえば閣僚の靖国神社参拝をめぐって韓国や中国との関係が波立つというのが恒例だった。これについては日本が戦争責任の問題を曖昧にしてきたことに主とした要因があると思えた。その上でここにはまた解決なきまま現在に至っている東アジアの民族問題が横たわっているとも考えてきた。歴史的に反日的な民族感情を東アジアで生成してきたのは日本の近代の東アジア地域に対する対応に存在したことは間違いない。要するに中国や韓国のナショナリズム《民族主義》が日本の政治支配《帝国的所業》に対する反発として出てきたことは歴史的な事実である。このことは民族問題について日本が歴史的負荷を負っていることであるが、これは東アジアの民族問題の解決の可能的基盤である。この負荷が民族問題の解決の契機である。だがこの認識を誤ると民族問題をとんでもないところに持っていくことにもなりかねない。(2012/08/22)


政治
誰も政局をあれこれ言わぬ。共倒れするまでやればよい  三上 治
 オリンピックも結構おもしろいが、国会を舞台にする政治劇はそれ以上におもしろい。「近く」という言葉の解釈がやがてはメディアを含めてにぎわすだろうが、僕らは政局という名の政治劇のお手並み拝見と行こうではないか。消費税増税だけはという官僚の強い後押しと根回しで舞台に乗せた法案を民主党と自民党は猿回しのように処理したら再び抗争劇に入るだろう。自民党の要求するように首尾よく解散にまでたどりつけるか。それぞれの内部抗争で党首交代という結果に至るか。誰も予測はできまい。日本の官僚たちは官僚主導政治の転換を掲げた民主党への政権交代が行われた瞬間からあらゆる手段を駆使してその潰しをはかった。これについてはここであらためて述べるまでもないが、それは今、効を通し最後の局面に入っている。民主党の変節と解体、自民党の政治的復権がそのシナリオである。消費増税法案というお土産まであって彼らはウハウハであるに違いない。(2012/08/11)


社会
レバ刺し禁止令と人民統制   根本行雄
 7月1日、食中毒防止のため、牛の生レバー(肝臓)の飲食店での提供が禁止された。食肉業界は「行政の過剰介入で食文化が消える」と反発したが、厚労省は7月からの禁止を決め、悪質な違反には2年以下の懲役か200万円以下の罰金を科す罰則規定も設けた。ただ、根強い人気があるレバ刺しは違法な提供も予想され、小宮山洋子厚労相は6月29日の記者会見で「チェックを徹底したい」と述べた。また、鶏肉についても、厚労省は今後、規制の是非を検討するという。6月30日夜、生レバーを扱う全国各地の焼き肉店は「食べ納め」の客でにぎわった。(2012/08/04)


政治
頑張れイチロー(一郎)って2度目かな  三上 治
 何気なくテレビをつけたがどうも変だ。イチローがヤンキースのユーニフォーム着て守備についている。しばらく見ていても何が何だかわからない。俺の頭が変になったのかと思っても要領を得ない。イチローが打席になったらスタンドで「さよならイチロー」という横断幕があり、スタンディングべ―ションがあってイチローは移籍したのだというのがわかった。イチローがスタンドに向かって帽子を取ってスタンドのファンに挨拶する姿にはホロリとした。大リーグの野球が好きというわけではないがイチローのことは気になり応援もしてきた。(2012/07/28)


政治
政治・社会の動きと指向線(五)  三上 治
 世界史的の転換の兆候はあちらこちらに見える。こうした中で既得権益の墨守に走る動きも顕著だ。それは保守化から反動化へという動きになってきており、政治権力の強権化として現象化するように思える。民主党の自民党化、自民党のより保守化現象はそれを示しているといえるだろう。(2012/07/26)


政治
政治・社会の動きと指向線(四)既得権益の代弁者となった民主党  三上 治
 何故に民意は政権交代後の政治の中で生きなかったのか。あれよあれよという間に民主党は変質して行ったのか、という疑問が投げかけられるかもしれない。これは現在の日本の政治や社会を展望する上で重要なことであり、問題に気づくことである。政党や政治家の問題が一つある。国民、あるいは民衆と政治権力の関係の関係もある。これについてはもう少し後の方で触れることにして、政権交代後の政治に言及しよう。(2012/07/25)


核・原子力
【編集長妄言】脱原発運動にもちこまれた差別・排外主義、レイシズム   大野和興
 何度か書いり話したりしたことなのだが、このところ社会運動への排外主義・レイシズムの浸透が目立つ。それだけ世の中が右へ揺れ、そうした考えを許容する空気が出てきたことが背景にあるのだろうが、それにしても困ったことだと思う。最初の現象はTPP(環太平洋経済連携協定)反対運動であった。TPPは「国益に反する、亡国の道」という呼びかけで、在日の人たちに対する攻撃を続けている「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)が日の丸を掲げてデモを始めた。つづいて脱原発運動に日の丸が目立つようになった。新右翼一水会のブログでは「原発とは、非常に『不潔な技術『」であり、「 「原発技術なんか朝鮮人にくれてやれ。穢れた技術は、穢れた民族にこそ相応しいのだから」と、差別と排外主義丸出しの主張が堂々と掲載される状況になっている。放射能は生命体を傷つけるが、レイシズムは人の心を殺す。両立などとてもできないはずなのだが。(2012/07/24)


政治
政治・社会の動きと指向線(参)米国の対日統治巻き返しと官僚支配  三上 治
 民主党の政権交代後の変質にはアメリカの民主党政権の変質があることを見ておかなければならない。オバマ政権がブッシュ政権の政治に回帰しているのと日本の民主党政権が小泉―安倍路線に戻っているのと同じである。あるいはそれ以上に反動的なところに足を踏み入れつつあるのだ。この背後にあるのはアメリカの戦後世界体制(政治・社会制度)の保持である。第二次産業経済による高度成長経済の終焉後、かろうじて軍事経済と金融経済の支配力で保持しようとしてきたものの維持である。基軸通貨ドルはアメリカの世界経済支配の根幹だが、実態は失われつつあるのに、制度に固執する矛盾の象徴でもある。(2012/07/24)


スポーツ
【編集長妄言】WBCは野球版TPP  選手会、がんばれ!
 今回のWBC問題の背景にあるのは、成長の東アジアをアメリカ野球の市場として取り込もうというのがアメリカ野球業界の戦略。WBCはそのツール。言い換えればTPP野球版。オスプレイ、TPPで 米国言うなりの野田政権と比べプロ野球選手会は偉い!反TPP民衆運動「TPPに反対する人々の運動」世話人として断固選手会を支持する。(大野和興)(2012/07/23)


政治
政治・社会の動きと指向線(弐) チェンジからオキュパイへ  三上 治
 アメリカの大統領にオバマが登場した時のキャッチフレーズは「チエンジ」だった。今さら思い出したくもないという言葉かもしれないが、僕らは時に振り返った方がいい、これは世界的に現在の動きに対して政治や社会の制度が壊れ、その変革を要求する声が強かったということだ。この声はもうオバマの周辺では反故にされたものであれ、オキュッパイ(占拠)などとして存続しているのだ。(2012/07/19)


コラム
【編集長妄言】16日午後、代々木公園 暑さの中で聞いた言葉  大野和興
 17万人が集まった7月16日の「さよなら原発集会」。うだるような代々木公園の午後、会場の一隅で聞いた、呼びかけ人の一人、大江健三郎の言葉が胸にしみ込んだ。(2012/07/17)


政治
壊れゆく政治・社会制度の中で=政治・社会の動向と指示向線=(壱)  三上 治
 こういう点から見れば民主党政権の変節に抵抗してきた小沢一郎らに真っ当な評価をするのが自然である。そう思って間違いはない。民主党政権に期待と共に危惧を持った人も多かったのだろうが、その危惧とは彼らが民意をどのように理解しているかであった。この危惧は的中したのであるが、以前として民意は存続しているのであれば、これをはっきりさせなければならない。政権交代の契機《力》になった民意は現在も存続している。これは僕の基本的認識である。永田町や霞が関の住人たちはこの事に鈍感なのかもしれない。(本文から)(2012/07/12)


世界経済
「金融取引 ゆがみ招く」  稲垣 豊
 「金融取引 ゆがみ招く」ーこれは、7月5日付けの日経新聞の国際面に大きく踊っている見出しです。トービン税や金融取引税が、金融市場のゆがみをまねくからという理由で反対にあっていることはよく聞きます。とりわけメガバンクなどの巨大金融機関がそのように主張し、トービン税や金融取引税の導入に反対し続けています。今回も金融取引税批判なのかな、とおもったらさにあらず。それは他でもない、金融取引税やトービン税に反対し続けてきた英国第二位の銀行、バークレイズによる金利操作に対するものでした。(ATTAC−MLから)(2012/07/06)


政治
政権交代の終わりと始めなければならぬこと  三上 治
 政治家殺すに刃物はいらぬ。スキャンダルがあればいい。スキャンダルといえばカネと女《男》である。「政治とは敵を殺す」ことである、とはあまりにも有名な埴谷雄高の言葉である。殺すことは政治生命を奪うことであり、直接に殺さなくてもよい。殺し方はさまざまであるし、その手段や方法は現在では巧妙になっている。ありもしない事件を仕立てて裁判に持ち込み政治的に監禁してしまうこともその道である。家族関係や男女関係を暴き打撃を与えることもその方法である。権力の政治的所業はみずから手を汚さずにやることは巧妙になってきても、政治敵を殺すという本質は変わらないのだ。あたかもアメリカの無人の戦闘機が人を殺すという戦争の本質を変えなかったように。僕らはこういう政治そのものを変えるためにこそ政治を志向しているところがあるが、政治の惨憺たる現状を前にしてこれを変えることはあり得るか、と自問する。答えは政治を見識やビジョンというところに立たせる以外にないということだ。(2012/06/30)


政治
造反に理あり、天の声はやがて姿を現す  三上 治
 権力の側のやり口はいつも同じだ。それにしてもだと思う。消費増税や原発再稼働などに異議申し立てをする民主党の小沢一郎や彼に同調する面々への攻撃は凄まじい。これを象徴するのは小沢一郎に対するメディアを含めた攻撃である。小沢一郎を「政治資金法」の容疑などで政治的監禁をしてきたことはその裁判で無罪判決がでることで明瞭になった。体制や権力側はそれでも控訴という形でそれを継続しているだけでない。小沢の家族問題を持ち出し政治生命の抹殺に乗り出しているのだ。家族問題は小沢一郎の抱える悲劇的事柄かもしれないが、少なくとも政治とは関係がない。小沢の政治的信念や理念を殺すために家族の問題を持ち出すことは家族や子供を人質にして脅迫するのと同じであり、この間のメディアの動きは全部リンクしてのことである。政治的裁判、政治的抹殺の報道、除名を掲げての脅迫すべてはつながった行動である。(2012/06/26)


政治
小沢一郎の政治的監禁は何を意味しているか   三上 治
 陽光きらめくと言う季節になってきているが、どうももう一つだ。どこか愚図ついた日が多すぎる。僕だけの感想なのだろうか。これはどうも天気だけのことではない。日本の社会も政治もまたそうなのである。この象徴的なことの一つがなお続けられる小沢一郎の政治的監禁である。政治資金規正法違反をめぐる裁判は一審で無罪になった。もともと、裁判を継続すること事態が無謀なことなのに、検察側が控訴したのは何を意味するのか。それは結局のところ (2012/06/09)


検証・メディア
西サハラの衛星放送局RASD-TV 〜テレビの草創期がここにある〜  村上良太
  昨年暮れの12月、モロッコによる西サハラの占領問題を長年追及しているジャーナリスト、平田伊都子氏に同行して西サハラの難民キャンプに入った。僕の役割は4年に一度開催される大統領選挙・議員選挙のビデオ撮影である。平田氏によれば、この選挙はアルジェリア国内に置かれた西サハラの難民キャンプで行われるのが通常なのだが、昨年暮れの場合は違っていた。アルジェリアからサハラ砂漠をランドクルーザー百台以上を連ねたコンボイで縦断し、彼らのホームグラウンド、西サハラ(非占領地)で行ったのだった。この時、同業者とも言える西サハラの衛星放送局RASD-TVが特に興味深かった。(2012/06/03)


政治
日本経済はカネがないのではない、その使い方が問われているのだ  三上 治
 「六月の花のさざめく水の上」(飯田龍太)。やはり、六月はいい季節であることは確かだ。梅雨の好き嫌いもあるだろうから一般にはいえないのかも知れないが、僕にはそうである。しかし、政治的にはそうとはいえない。六月下旬の国会開催期間をめぐって政局(政党間抗争)は激化し、政党や政治家の病んでいる姿を否応なしに見る事を強要される。今年も例年と変わらず、政治的愚劇を見せつけられそうであるが、愚痴を言っていても仕方がない。原発再稼働の着手という事態も考えられるからだ。(2012/06/03)


文化
モノの形と影   村上良太
    パリのアーチスト、ヴァンサン・ベルゴン(Vincent Vergone)氏の芸に光と影を使った見世物がある。プラキシノスコープと呼ばれる装置を使うものだが、日本では幻灯機と呼ばれてきた。暗闇の中でモノに光を投射し、その影で物語を作るのである。(2012/06/02)


政治
寅さんは消えてしまったのか(?)  三上 治
 寅さんなら『男はつらいよ』の中で生きているよ。葛飾柴又まで出掛けていけば会えるよと言われるかも知れない。確かに、僕の家にも何本かのビデオやDVDもあり、寅さんを見ることは出来る。何かの折に『男はつらいよ』を見ることもある。やっぱり、ついつい引き込まれて最後には心温まるものと哀感が残る。出る度に家族でよく見に行ったことを思い出しもする。僕が言っているのはその寅さんのことではない。寅さんの商売はテキヤ、今らなら露天商というところだろう。それがあまり見かけなくなったということである。(2012/05/31)


政治
二つの40周年から 連合赤軍と沖縄復帰  三上 治
 1972年という年はある意味で象徴的な年だった。その後に大きな影響を与えた事件が起こったのである。アメリカのニクソン大統領が訪中をし、米ソ和解がはじまったのもこの年だった。9月には田中角栄が訪中して毛沢東ト会談しアメリカより先に日中の和解を具体的に進めた。この年の初めには連合赤軍のあさま山荘での銃撃戦があり、後に粛清事件の発覚もあった。また、5月には沖縄の日本返還(日本復帰)があった。そして、40周年記念ということで連合赤軍事件を考える会合に出た。沖縄の記念式典には注目をした。(2012/05/20)


政治
野田首相はアメリカに何をしに行ったのか(?)(その2)  三上 治
 野田首相はアメリカを経由して自民党や公明党の協力を求める工作に行った。これは小沢一郎の判決後の日本の政治の動きとつながっているとも言える。小泉―安倍路線によって敷かれたブッシュ政権下の日米同盟深化路線を野田は受け継いでいることを表明しに行ったのだから。ブッシュ政権を受け継ぎつぎつつもオバマはそれを修正はしている。中国脅威論の導入である。そのオバマの (2012/05/08)


政治
野田首相はアメリカに何をしに行ったのか(?) その1  三上 治
 「民主党政権で初めて公式訪米した野田佳彦首相はオバマ大統領に対し、随所で協調姿勢を際立たせた」。5月2日付けの朝日新聞の記事である。協調姿勢を際立たせた、ものは言いようであると言うが、誰が見たところでアメリカ隷従を際立たせたというだけではないのか。かつて民主党政権が政権交代時にちらりと見せた日米関係の見直しを見直し隷属を再確認しに行っただけではないのか。国内的に孤立する野田政権がアメリカのお墨付きを得て国内政治の再編をすることの後押しを頼みに行っただけではないのか。もっと突込んで言えば自民党や公明党の協力《連立も含め》の根回しだった。背後には消費増税ではすんなりと行かない民主党と自民党(公明を含む)の協調体制の枠組作りがあるのではないか。うがった見方だとういうことにはなるまい。(2012/05/04)


政治
小沢裁判:当たり前の結果であるが失われたものの大きさを思うと…  三上 治
 素人判断と言われようが、有罪はあり得ないと思っていた。そもそもこの裁判は奇怪であったし、どうしても政治というか、権力の匂いを感じざるをえなかった。裁判のいきさつやこの事件の出現の問題についてはこれまであちらこちらで語ってきたからあらためて述べる必要はないだろう。民主党政権が近づいたら西松建設問題や厚労省の村木事件などが登場し、政権交代が実現するや鳩山・小沢の政治資金法疑惑が出てきた。(2012/04/27)


文化
“戦後最大の思想家”吉本隆明の死  精神としての人間を探索  三上 治
 3月16日に亡くなった吉本隆明さんを悼む各種の記事に共通するのは“戦後最大の思想家”と評する点だった。精神的父親のように敬う人も多い半面、敵意を持つ人も少なからずいた。しかし、彼が思想的な巨人であり、戦後最大の思想家であったことは誰もが認めていたことであるように思う。吉本さんに初めて会ったのは19歳の頃であり、それ以来、公私に渡りお付き合いさせていただいた。その恩恵をどのように考えていいのか、未だ測りかねている。それほど大きなものだったが、自分自身の中では最後まで分からないのかも知れない。今はそれでもいいのだと思っている。(2012/04/24)


政治
何故、日本の政治は羅針盤なき状況にあるか 三上 治
 展望もなく次々に問題だけを提起し、混迷を続ける日本の政治。毎度のことながら、こんな言葉を書き連ねるのもいささか恥ずかしい。さりとて、これ以外の言葉が浮かんでこないのも確かである。民主党政権、というよりは野田政権というべきであるが何ひとつましなこともできずに問題を中途半端なまま積み上げて行くだけである。沖縄基地移設問題、TPP参加交渉問題、原発再稼働問題、消費増税問題などである。いろいろの努力をしたけれど、矢が尽きたということなら問題が残ったことの弁解にも耳を傾けられる。どうもそれ以前のところに事態の本質はあるのではないのか。(2012/04/23)


政治
小沢裁判、一体何が争われ何が明らかになったのか  三上 治
 「陸山会事件」といわれる小沢一郎裁判はいよいよ4月26日に判決を迎える。検察側は証拠として提出した調書の採用を退けられただけでなく、検察の調書のねつ造も明らかになった。普通これなら控訴棄却になる事態である。そうでなくても無罪が予想されるところだ。それでも検事役の指定弁護士は禁固3年の求刑をし、裁判結果も予断を許さない。検察審査会を使った小沢一郎の起訴が当人を刑事被告人として拘束することが目的であったように、彼に有罪判決を下すことが目的としてあるという疑惑は消えないからだ。この目的に大きな政治権力が関係しており司法界(裁判所)もそれに通じていると思えるからだ。(2012/03/25)


政治
転形期の日本(その十八)「現在の超越」ということについて  三上 治
 まだ学生のころ「近代の超克」という言葉に魅かれた。「我々は何処へ行くのか」という混沌とした意識の中で考える端緒を与えられるように思えた。今では「現在の超克」という言葉に言い換えた方がいいのかもしれないが、この思想的な問いかけは自己の内で存続している(2012/01/11)


政治
転形期の日本(その十七)人間と自然の関係を考える  三上 治
 人間は自然の一部でありながら、自然との独特の関係を持つ。自然を疎外した人間的自然を生成し、それを介在させた関係を持つのである。人間は自然の一部であると言ってもそれは動物と同じではない。人間的自然として生成されたものが媒介されるからだ。この人間的自然とは精神的内在史と物質史がある。(2012/01/08)


政治
転形期の日本(その十六)成長から成熟へ  三上 治
 子供ころにはカルタ遊びをしたものだ。カルタ遊びというともう少しやくざぽいイメージもある。鶴田浩二の『赤と黒のブルース』が思い浮かぶ。カルタ遊びでなくいくつかのキーワードを挙げながら情勢分析の遊びでもやった方がいいのかと思う。アメリカ離れ、いつになることやら。アジアシフトへ、意外なところから進展するかも。内需拡大論、こりゃないものねだりかな。言葉遊びの情勢分析は面白いかもしれないから、「成長から成熟へ」ということをもう少し考えてみたい。(2012/01/07)


政治
転形期の日本(その十五) 経済成長幻想の呪縛  三上 治
 日本経済は世界経済の危機の進行の中で3・11の大震災に遭遇した。日本経済の予測される危機に対応した日本売りが出てくるというのに反し、むしろ円高(日本買い)が進んだ。これは結局のところ日本経済がアメリカ経済やEU経済に対して相対的にましであるというに過ぎない。日本経済はアメリカ経済やEU経済と同じような状態に入るのか独自の道を展開できるのか、という局面にある。(2012/01/06)


政治
転形期の日本(その十四)増税では財政膨張は止められない  三上 治
 2008年のリーマン・ショックによる世界的な不況はアメリカや日本などの財政出動や金融政策の展開などにも関わらず好転はしていない。アメリカの金融投機に端を発した世界恐慌的事態に財政出動で対応した。国家財政は悪化するわけで政府債務は膨らみ、それが国債の危機になっている。ドルやユーロの価値下落になっている。(2012/01/05)


政治
転形期の日本(その十三)円と人民元の決済  三上 治
 野田首相の訪中が報じられていた。金正日の死去に伴う北朝鮮への対応を協議したとあるが、これは正確なところは分からない。そういう他ない。この会談の中で注目されるのは日本が外貨準備金で中国の国債を買う事に合意したという件である。中国は既に日本の国債の購入をはじめているから、外貨準備金でアメリカ国債を買うということの見直しに発展する契機を内包している。中国の金融面での協力を進め、両国間の貿易での円と人民元での決済が進展するかも知れない。日中間の貿易決済は米ドルを介しているのだから、本格すれば影響は大きなものとなる可能性がある。(2012/01/03)


政治
転形期の日本(その十二)共同幻想としてのアメリカ  三上 治
 アメリカの中からウォール街の占拠等が生まれアメリカ経済や社会の変革の運動が出てきたことは興味深い。オバマ政権のチエンジが見せかけだけで実際はブッシュ政権の踏襲だったことを思えば当然と言える。アメリカは膨大な財政赤字を抱えかつ債務国である。アメリカ経済の不況脱出のための財政出動や金融緩和は機能せず、世界的には垂れ流したドル漬けにした。スタグフレーションの世界版を演じただけなのである。アメリカが世界経済の景気循環を左右していく力がるというのは過去の幻想である。アメリカが世界の護衛官であるというのと同じように。アメリカは軍事力と同じようにドル基軸通貨に依存するが、これはアメリカが世界性であるという共同幻想によっていることである。そしてこの共同幻想はアメリカや日本の政府や官僚たちに生きているだけなのである。(2012/01/01)


政治
転形期の日本(その十一)基軸性を失ったドル  三上 治
 ドルの垂れ流しとか、ドル危機とかという言葉を僕らは耳にタコができるほど聞いた。あるいはパックスアメリカーナの終焉をもである。ドル危機論は1960年代からあったはなしだからかれこれもう50年近くは聞かされてきたことになる。でもこれはオオカミ少年の話ではなく、現実に近づいていることである。ドルの暴落と言う言葉がこれを示すがかつて1ドル360円であったのが77円台である現在からみればドルの価値低下は確実に実現してきたことといえる。これはやがては50円台に推位して行くと予想される。(2011/12/31)


政治
転形期の日本(その十)基軸通貨の危機と円高   三上 治
 冷戦構造解体後の地域紛争の時代を経て「9・11」事件を契機とする反テロ戦争があった。この中で世界の護衛官と称していたアメリカの政治的(軍事的)役割は変わりつつある。アメリカの力《支配力》の衰退である。このことは今後、一層はっきりしていくことであると思える。だから、アメリカは日本に日米同盟という名の軍事的役割を強く求めてくるのであるが、かつて小泉―安倍が取った日本の国家戦略の民主党政権でも踏襲されようとしていることが問題なのである。理念も構想もなき日本の国家戦略であるが、戦後史を振り返れば可能性を見いだせるはずである。アジアに日本が独自の戦略で臨むことであり、カギは依然として憲法9条に基づく国家戦略である。この間に外交文書が公開され1972年の日中の国交回復の経緯が明るみにされていた。そこでも未だ隠されているとされる部分《田中角栄と毛沢東の会談》もあるが、示唆されることも多いのではないか。(2011/12/30)


政治
転形期の日本(その八) アジアとの関係は従軍慰安婦問題を直視することから始まる  三上 治
 韓国の日本大使館前に従軍慰安婦の存在を象徴する少女の像が設立され、日本政府はその撤去を求めたという報道がある。ここに見られるのは日本政府の従軍慰安婦の存在から目をそむけようとする姿である。日韓の首脳会談で李明博大統領は従軍慰安婦問題の解決を求め、このままでは「日本の永遠の負担になる」と述べたと報道されているがこれは正しい立場である。野田首相はあらためて像の撤去を求めたというがこれは恥の上塗りである。日本政府はこの問題に向き合い謝罪と賠償をすべきである。(2011/12/25)


政治
転形期の日本(その七) 国家意志と国民の意志  三上 治
 アメリカとの関係の見直しのために憲法9条の改定による国家武装を強調する連中はそれを口実にしての国家武装を本格化したいだけである。岸信介の系譜にある右翼や保守はアメリカとの関係を見直す気はなく、ナショナリストは仮面である。日本がどのような名目にせよ軍備を強めてもそれだけではアメリカ関係の見直しにはならないのである。親米右翼、あるいは保守に対する反米右翼、あるいは保守も存在する。(2011/12/23)


政治
転形期の日本(6)改めて憲法九条を考える  三上 治
 大震災や原発震災の復旧や復興も何処まで進展しているのか曖昧なまま に年越しになりそうである。沖縄で暴言をはいた防衛局長の更迭と連鎖し た防衛大臣の辞任問題が解決しないまま政府はアクセス評価書の提出だけ は強行する腹のようだ。これだけは現防衛大臣にやらせようとするのか (?)アメリカ議会は海兵隊のグァム移転予算を凍結し、軍事費削減に進 まざるを得ない状況になっている。日本政府はアメリカや中国関係の中で 今後の構想を持たなければ袋小路に入っていかざるを得ない。その場合に 戦争と安全保障についての基本的な理念がどうしても必要である。その意 味では憲法9条のことをあらためて考えざるをえない。アジア地域の安全 保障と憲法9条でもいいのであるがこのことを念頭において見なければな らない。日米関係の見直しとアジア関係の進展にはこのことがなければな らない。(2011/12/21)


【編集長妄言】反TPPで国家主義の原発推進派もいれば脱原発の排外主義者もいる 何ともねじれたこの国の論調  大野和興
 いまこの国や国民が突き当たっている基本的な問題で、論調に奇妙なねじれがこのところ目立つ。それを強く意識するようになったのは、3月11日の東日本大震災からである。(2011/12/15)


政治
転形期の日本(その四) 小泉―安部路線と田中―小沢路線  三上 治
 日米の開戦から今日は70周年になる。メディアなどで開戦時の見直しの報道や記事もあるらしいが、僕にはさほどの興味はない。今の日米関係に感心が集中しているからだ。9・11の後にアメリカの戦争戦略との関係で日本は選択を迫られたが、当時の小泉首相は従来よりもアメリカの戦略に同調した。ブッシュ路線に同調し、自衛隊の海外派兵までやったのである。(2011/12/15)


政治
転形期の日本(その三) 日米関係とアジア関係  三上 治
 大震災や原発震災で人々の関心がそれされた感のする沖縄の基地移設問題は野田政権の踏み込みで再び緊迫度を増してきている。防衛省局長の本音とでもいうべき発言で混乱しているが、政府は本当に辺野古の新基地建設が可能と見てアクセス評価書を提出しようとしているのか、それともアメリカの合意履行要求に応えるためのゼスチァー(?)であるのか。膠着状態にあるかのように見える基地移設問題で防衛省を中心とする官僚は地元の工作を進めているとも伝えられる。(2011/12/14)


政治
転形期の日本(その二) 戦後日米関係の落とし穴 三上 治
 大震災と原発震災に直面して菅内閣はそれにあたるだけの任に耐える事が出来ずに野田内閣に取って替わった。野田内閣は『何よりも復興に全力をあげる』と述べたが、そのためのさしたる進展はみられない。『復興は遅れている』という事態は続いているし、原発問題では推進派の巻き返しの前に後退が続いている。そして、野田内閣が推進したのはTPP参加交渉であり、沖縄の基地移設問題への踏み込みである。さらには消費税を含めて増税の準備である。(2011/12/13)


政治
転形期の日本(その一) 歴の流れをつかむ行為  三上 治
 僕の住所の近くで年末になると「世田谷ボロ市」がある。12月15日・16日と翌年の1月15日・16日に開かれる。400年を超す歴史があるようだ。いつもボロ市の声で年末を実感してきたのであるが、今年もそうである。テレビではもう年末を演出する場面が見られるが、国会では恒例となった感のする閣僚の辞任騒ぎが起きている。何も変わらないことに絶望と妙な安心を感じながら年末の光景につき会わされることになるのだろうか。(2011/12/12)


核・原子力
【たんぽぽ舎発】最悪の公害輸出 原発輸出を止めよう 欠陥商品であることが露呈した日本製原発  山崎 久隆 
 日本は現在、ベトナム、ヨルダン、韓国、ロシアと原子力協力協定締結のための承認案が衆議院外務委員会で可決され、衆議院本会議に送られた。このままでは今年中に衆参両院で可決され、成立してしまう。最悪の公害輸出、それが原発輸出なのだが、外務委員会には恐ろしく見識の無い議員がそろっているとしか言いようが無い。いったいあなたたちは誰のために仕事をしているのか。原発輸出で利益を上げるメーカーのために、こんな恐ろしい協定を結ぼうというのか。これが国会で承認されるとするならば、最悪の政権として歴史にその名を残すだろう。(2011/12/11)


久しぶりの日本で気づいたこと
 2年ぶりの日本への一時帰国を終えて、先週、英国に戻りました。 日本にいて、あれ?と思ったことはいろいろありましたが、「もっとこうしたほうが、楽しくなれるのではないか」、「不便だなあ」と思ったことも結構ありました。(ロンドン=小林恭子)(2011/12/09)


政治
日米関係の問題が依然として中心にあるのだ  三上 治
 奥歯に物のはさまったような野田首相の発言をテレビで見ていて感じるのはこれが日米関係を象徴しているということだ。TPP参加交渉をめぐる日米の食い違いが表面化しているが、これ自身が日米関係を現わしている。よくも悪くもアメリカ政府や首脳はアジア・太平洋地域の経済政策を政治政策も含めて持っている。その世界的な理念をも語り得る。これに対して野田首相や日本政府の首脳は曖昧にしかことをしゃべれない。何故なのだ。いつも僕はこんな自問自答を繰り返す。自民党首脳も経団連の面々の前ではTPP交渉参加に反対ではないという始末だから、お前らもというつぶやきもでる。(2011/11/18)


政治
TPP参加交渉と日本の政治経済の今後(3)日本はアジア地域の経済連携を構想すべき 三上 治
 アメリカのグロバリゼーションは市場解放や市場原理に基づくものであったにしてもそれは理念通りのものではない。アメリカの国益が含まれたものであり、TPPの場合にはアジア諸国のブロック化が戦略の根幹にある。日本はアジア地域での経済的連携を構想すべきであり、通貨問題での戦略的構想をもつべきである。これには日米同盟論の軍事的・政治的側面のみならず経済的側面を理解すべきである。その見直しとアジア地域との経済的連携を重視した構想を考えるべきである。(2011/11/17)


政治
TPP参加交渉と日本の政治経済の今後(2)TPPはドル基軸通貨体制維持のためのブロック化  三上 治
 野田首相はTPP交渉参加の理由としてアジア・太平洋地域の成長力を取りいれなければならないというが、これも抽象的過ぎる。第一に「失われた10年後」の日本経済の停滞を救ってきたのはアジア経済の成長である。特に中国やインド、韓国、ASEAN諸国の経済成長である。そしてこのTPP交渉には韓国や中国、インド、インドネシアやタイというASEANの中枢国は参加してはいない。アジア諸国の成長力を取り入れるとはアジア地域の一部のブロック化を避けるべきである。TPPはアメリカのアジア経済の成長力の取り込みであり、ブロック化であるが、ここにはドル基軸通貨維持のための経済圏の確保という戦略がある。(2011/11/16)


政治
TPP参加交渉と日本の政治経済の今後(1)貿易立国論の幻想  三上 治
 アメリカではオバマ大統領の再選問題が重要な政治的主題となりつつある。「チエンジ」という流行語まで生み出したオバマ大統領の誕生であったが何が変わったというのだろうか(?)これが偽らざる評価である。同じことは政権交代で誕生した民主党政権に当てはまる。このことをあらためて感じさせたのがTPP参加交渉をめぐるドタバタ劇である。野田首相らの立場は日米同盟深化の経済展開というべきものだろうが、客観的にはオバマの大統領再選に向けた経済戦略に日本の民主党政権や官僚が同調《パフォマンスも含めて》したに過ぎない。野田内閣にも、官僚にもTPP参加までことを進めるだけの政治的力はないと思う。今回の反対の動きは今後有効に働くと思うし、政治的な抑止力として機能するだろう。(2011/11/15)


政治
円高問題の根本的解決は何処に存在するのか(ニ)  三上 治
 ドルとユーロという基軸通貨は経済的基盤を反映して不安定さを露呈している。これは基軸通貨が基軸通貨の意味を失い実質は無基軸通貨時代を迎えているのに、基軸通貨であることを維持するほかない矛盾に現代世界があるからだ。準基軸通貨の役割を背負わされている円はその矛盾を円高という形で引き受けさせられている。この円高は日本経済に取ってプラス面とマイナス面があるが、どちらかというとマイナス面(輸出中心企業は競争の面で苦境になる)が強調され危機感が煽られる。輸出主導産業が我が国の経済を支えているという信仰に似た考えが刷り込まれているからだ。(2011/11/09)


政治
円高問題の根本的解決は何処に存在するのか(一) 三上 治
 依然として世界経済はリーマンショック以来の危機を脱してはいない。欧州に飛び火した金融危機は政府の債務問題や国債を抱えた金融機関の危機としてある。アメリカ政府はリーマンショックに際して大量の資金を導入によって金融機関や大企業を救済した。これは立ちどころにアメリカ政府の債務危機となった。ギリシャなどの債務危機に端を発するユーロの危機も基本的には根は同じである。これはウォール街の占拠に出ている若者たちの行動の基盤でもある。(2011/11/08)


核・原子力
経産省前テント村から     三上 治
 かつてなら「がんばろう…燃え上がる女の拳がある戦いはここから戦いは今から」という勇ましい歌が聞こえてきたかもしれない。しかし、こんな光景はなかった。「原発いらない福島の女たち」の経産省前座り込みである。そこにあったのは座り込み中に毛糸で編んだひもを鎖としと経産省を囲むものだったし、終始、笑顔の絶えない穏やかなものだった。座り込みの最終日を飾るデモだってそういえるかもしれない。しかし、ここには従来のイメージとは違う力強があった。解放区のような様相を呈した経産省前では生活や日常から出てくる力強さがあり、人々のこころに響きあう旋律があった。これは10月30日からの「原発いらない全国の女たち」の座り込みに受け継がれているが、また、全国にまかれた種としてやがては新しい運動の芽にもなって行く。(2011/11/03)


政治
おかしいと言えば、こちらの裁判もそうだね(三)  三上 治
 小室直樹というおもしろい学者がいた。彼の「憲法論」は深みもあり、凡百の憲法論を読むならこれを読めと進めたいものだが、彼の遺書と言われるものに『日本いまだ近代国家に非(あら)ず』といのがある。副題に「国民のための法と政治と民主主義」とあるように政治書であるが、これは田中角栄擁護の本でもある。立花隆が田中角栄を政治的悪の象徴としてえがいているのに対極にあるものだ。(2011/10/20)


政治
おかしいと言えば、こちらの裁判もそうだね(二)  三上 治
 例の立花隆が「週刊現代」で小沢一郎の悪口を書いている。「小沢一郎よ、お前はすでに終わっている」という表題の文章で小沢一郎の裁判批判を反批判しているのである。例によってカネにまつわるうわさ話を真実のように仕立てて、結局のところ金権政治批判を繰り返している。「立花隆よ、お前の文書や思想こそすでに終わっている」というべきである。(2011/10/19)


政治
おかしいと言えば、こちらの裁判もそうだね(一)  三上 治
 世の中には悪役の良く似合う俳優がいる。子供のころは本当にその俳優が出てくると憎らしくてたまらなく思ったものだ。田舎の夏の順回映画ではスクリーンに向かってヤジが飛び、口笛が鳴らされた。小沢一郎はその師である田中角栄とともに政治的世界の中でふり当てられた悪役なのだろうか。(2011/10/10)


政治
世界の経済的危機と日常生活の危機 《その参》 三上 治
 アメリカではウォール街に対する若者たちの行動が全米に拡大している様相が伝えられる。アメリカ経済は脱出路なき袋小路に追い詰められている。この根本にあるのは第二次産業経済後への産業経済構造の転換の失敗であり、これは現在の日本経済を映す鏡でもある。第二次産業経済後の産業経済の創出は世界経済、とりわけ先進地域《先端地域》の共通課題でありかつ現在的課題である。アメリカは1960年後半からこの課題を負っていたが、軍事の経済化と金融経済の肥大化がそれを疎外してきた。その背後にあったのはドルの基軸通貨であった。アメリカ経済はその実体的力を失っているのに、世界経済を牽引する役割を背負わされる矛盾の中にあったといえる。ドルが基軸通貨という力を失いながら、基軸通貨であり続けている矛盾はその象徴といえる。軍事の経済化と金融経済は実体経済から剥離しながら肥大化してきたが、これは国家の財政 (2011/10/07)


政治
世界の経済的危機と日常生活の危機 《その弐》  三上 治
 ギリシャの財政破綻によるユーロの危機は依然として続いており、これはユーロに対する円高として現象している。アメリカの経済的な危機も去ったわけではなく、その現象はいろいろ現れている。ウォール街占拠に繰り出した人々の行動は全米各地に広がっていると伝えられる。これは世界経済の危機が日常的場面に出てきたことであり、世界各地に広がる可能性もある。日本の新聞では円高(対ドル、対ユーロ)が取り上げられ、政府の無策が批判されている。歴史的な円高が輸出産業を苦境に追い込み、苦境に立つ産業界が海外移転に脱出路を求めている報道がなされている。そしてこれが日本の産業の空洞化をもたらすという危機感が喧伝されているのである。逆に言えば、円高の経済効果もあるはずだがこれはあまり報道されない。(2011/10/06)


政治
やはりおかしいよね、この裁判は  三上 治
  はじめから結論は出ていればそれを理屈づけることはどうにでもできる。日常的によく見られることだ。そうなるんじゃないかと予想していた。いくらか手の込んだ演出《検事側の証拠不採用》をしただけに余計に後味も悪い感がするが。小沢一郎の秘書らに問われた「政治資金規正法」違反の裁判結果である。小沢一郎の裁判もはじまるがこちらもこの延長上で展開されるのだろうか。(2011/10/04)


政治
世界の経済的危機と日常生活の危機 《その壱》 三上 治
  今年の台風は変だ。変だと言っても上手く説明がつかないのだが、従来の台風とはどこかが違う。台風は日常を超える自然の動きで被害をもたらすにせよ、どこか人々を興奮させる所がある。台風の後の落ち葉の中をさまよい、水たまりに取り残された小魚を見つけた思い出が残っているためかもしれない。こういう雰囲気も変わってきているのではないか。台風の脅威はもっと露骨でむき出しになってきている。3月11日の大震災の影響はこんな風にあるのだろうと想像する。ところで世界ではもう一つの台風がある。目は欧州の政府債務危機→金融危機であり日本はそれが円高となってその暴風圏に巻き込まれている。(2011/09/27)


政治
9・11日を契機したアメリカの戦争と日本の選択  三上 治
  アメリカの二つの戦争について多くの論評が出ているが、現在でも続いているこの歴史的な愚行を日本の選択の問題と関係させて明瞭に論評しているものには残念ながら出会わなかった。日本では3月11日の大震災があり人々の意識や視線が内向きになってはいるが、この9月11日事件に端を発した戦争は続いており日本の選択も是正されないままにあることを指摘しておかなければならない。この事件はアメリカの自作自演ではないかという説は強くなっているが、それはともかくとしても、この事件を戦争として把握し戦争で持って応えたことは根本的な誤りであった。それに同調した日本の選択も同じである。(2011/09/16)


政治
やっぱり権力を観視し、不断の異議申し立てを  三上 治
  別れた後の男女の発言には深みがある。人はこういう場面では天使にでもなるのであろうか。歌をはじめそう思わせるようなものを見かける。そういえば菅前首相の退任後の話も良かった。以前にも鳩山元首相の反省の弁もなかなかのものだった、という記憶がある。鳩山の場合には所信表明とか注目すべきものもあったが結局のところこの退任後の発言が一番良かった。(2011/09/13)


福島から
「福島のトラックが来ると放射能がばらまかれる」 福島差別の渦中に身を置いて感じたこと  大野和興
  福岡市の市民グループが進めていた福島支援ショップが開店中止に追い込まれたニュースは、新聞、テレビで報じられて全国に知れ渡った。「福島からのトラックは放射能をばらまく 」などといったメールが相次ぎ、店舗を貸すオーナーが運営する市民グループに 出店をやめてほしい と断ったためだ。実はこのプロジェクト、筆者を含む仲間と福島県の農村女性グループが共同で取り組んでいる福島の農と食を再生をめざすささやかな実践に、北九州で有機農産物の生産と流通をおこなっている市民資本の事業体九州産直クラブが共鳴、市民に呼び掛け「ふくしまショッププロジェクト」を立ち上げて進めてきたものだ。福島差別の渦中に当事者の一人として身を置いてみて、その陰湿さに驚嘆すると同時に、こうしたことを許す日本の社会に暗然となった。(2011/09/11)


政治
菅首相が嫌われていた反動であろうが  三上 治
  豚も褒めれば木に登と言われるが、「俺はそんなこと言われなくても名産の福島の桃を木に登って食べているぜ」と原発20㌔圏内で野生化した豚はのたまうかも知れない。野生化した家畜の中でも豚は賢くてこれくらいのことはしていると想像できる。これは笑い話にしておくが、庶民は野田政権をとりあえず褒めておくにしかずと思っているのだろう。僕は庶民の知恵を無視する気はないが、野田新内閣にむしろ今は警戒の目を向けるべきだと考えている。(2011/09/06)


政治
新内閣に注文したってしかたがないと思うが  三上 治
  『源氏物語』に除目の事が出てくる。国司などの諸官を任ずる儀式の事であるが、一族の命運を期待する上級・下級貴族の悲喜劇が良く描かれている。大臣に任命されるか、どうかで大騒ぎの様相が伝えられる度に昔の名残かと思ったものだが、最近はこういう雰囲気は幾分か薄れてきているようだ。こうたびたび内閣が変われば、大臣の権威も下がってきているのだろう。こうした制度的な地位に伴う権威ではなくて、彼らが何をやりたいのかが問題になればいい。(2011/09/03)


政治
ご祝儀の言葉も言う気にならない新政権  三上 治
  テレビでは世界陸上の選手のインタビューが続く。聞いた人も多いだろうが準決勝戦で敗れた福島千里の発言は好感が持てた。これに比べて民主党の代表選候補の発言は興味はあったが共感できるものはなかった。野田新首相の発言もそうである。このような対比をすること自体が紋切型なのだよという声も聞こえてきそうであるが、これはやはり考えさせられるところでもある。(2011/09/01)


政治
混迷を深める政治は脱出路を見いだせるか(二) 大衆政治家の仮面  三上 治
  甲子園の高校野球が終わると何となく秋を感じさせる。猛暑や真夏日が続いていたのだからどこか不思議な思いもして、これが季節ということなのだろうかと感じたものでだが、最近の気候はこの微妙な動きを壊し始めているようにも思える。真夏の孤独感とは違う秋の気配に漂う寂しさを味わうことなんて出来なくなるのだろうか。政権の執着していた菅首相もその座を降りるようで、後継を目指してうごめく面々が報道の世界を賑やかにするが、政治的混迷からの脱出を託せるような人物は見いだせない。(2011/08/27)


政治
混迷を深める政治は脱出路を見いだせるか  三上 治
  ある新聞にこんな日本なのに何故円高(?)なのかというコラムがあった。答えは単純でアメリカやヨーロッパは日本よりももっと悪い状態である、というのであった。悪い状態というのは経済的にということであろうが、妙に説得力を感じた。そう言えば新興国として力を誇示していた中国も一時の勢いはない。(2011/08/22)


政治
政権交代後の自分たちの所業に反省はあるのか  三上 治
  僕は民主党が政権交代時に掲げた「日米関係の見直し」「政治的主体の脱官僚」「生活が第一」という理念的な枠組みを支持してきたし、それは間違ってはいなかったと思う。この理念がスローガンの域を出ない曖昧なところが多いことは懸念していたにしても。大震災や原発震災はこの理念を試すリトマス紙の役割を果たしたが自分たちの政治的所業の中でこれを検証すべきである。これをやれなければ民主党には次はない。明日はないと言うべきか(2011/08/21)


政治
夏に怪談が流行のは昔の事と思っていたが  三上 治
  子供ころの怪談や肝試しは怖かった。どこでもそうだろうが怪談のうまいのが上級生に一人や二人はいて眉唾をして聞いていても最後には震えさせられてしまっていた。最近の子供たちは怪談を聞く機会があるのだろうか。もっとも、放射線という恐ろしいものが現実にあっては怪談どころのことではないのかもしれない。(2011/08/19)


政治
ドイツは社会的に憲法9条を創出した  三上 治
  8月は戦争について僕らが考える季節だ。若いころは暑い広島に出掛け、デモをやったこともあった。また、ある時期は書評紙で時評をやっていたが、この季節になると論壇のテーマが戦争になって行くのを知った。儀式めいているという思いがしないではなかったが、戦争が国民的課題として大きな位置を占めているのだと納得もし得た。戦争について論壇で展開されるものは時代によって大きく変わってきたが、変わらないのは戦後に国民的意志として深まった非戦の意識であろうか。僕も8月になると戦争についての議論や認識にいつもの月よりも意識が向くのだが、今年に一番注目しているのはなにだろうか。ドイツの原発からの撤退である。(2011/08/08)


政治
ドル安は必然なのだ  円高恐怖を克服し、これを復興の契機にせよ  三上 治
  日本人は日本列島という島群の中で生きてきたためか、時に内向きになりがちである。ここには鎖国時代が遺伝子のように存在しているためかもしれない。だから時には世界の動きに過剰に反応する。それとは無縁ではない。3月11日の大震災以降は人々の視線や意識は概ね内向きになってきた。(2011/08/01)


政治
復興の精神と日本の帰路(五)原発事故、経団連に責任はないのか  三上 治
  暑さは人から冷静さを奪う。同じ熱さでもこちらは違う。「なでしこジャパン」から伝わってきたのはこの熱さであるが、経団連の夏季セミナ―における菅首相や政府批判はどうやらこちらの暑さのようだ。新聞やネットで伝えられるところによればセミナ―では菅首相批判の嵐のようだ。とりわけ、脱原発発言に対する批判が強く、原発の再稼働が止められたことへの苛立ちが高まっているようにうかがえる。このままだと電力供給が逼迫し、やがては電力コストが上昇し企業は海外に移転するというものだ。このことは雇用の喪失につながるという、半ば脅しのような発言が続いている。原発によるコストの安い電力に未練たらたらのような発言なのである。(2011/07/22)


政治
復興の精神と日本の帰路(四) 人間と自然の代謝(交流)に敵対する原発 三上 治
  露地物のトマトやキュウリが美味し季節になった。井戸にほりこんであったトマトやキュウリなどに一塩をふってかぶりつくのが何よりも好きだった。少年期を田舎で過ごした記憶が濃厚だったせいか、露地物のトマトなどは箱ごと買うのが恒例になっていた。子供を故郷に連れた帰ったとき、何よりも味あわせたかったことだ。子供はカブトムシや蝉取りに夢中になったけれど、僕の思いはそうだった。でも「もう露地物」はという気分にさせるのが放射能汚染である。これだけでも原発がいかに僕らの生存に反しているかが分かる。(2011/07/11)


コラム
わたしの脱「テレビ視聴」宣言 後期高齢者として目と脚を大切に 安原和雄
  前回まで6回の記事は脱原発であった。今回は趣向を変えて、わたし自身の脱「テレビ」宣言としたい。告白すればすでに後期高齢者2年生であり、目と脚にかつての健全さは期待できなくなりつつある。だからここで日常の自分の暮らし方、生き方を考え直したい。7月24日からテレビは地デジに変わる。こちらからお願いしたわけでもないし、無造作に受け入れる必要はないと考えた。そこで思いついたのが脱テレビである。(2011/07/09)


政治
復興の精神と日本の帰路(三) いま大事なのは原発震災の責任を明らかにすること 三上 治
  政局をめぐる愚劇と株主総会の茶番劇は日本の政界と経済界のどうしようもなさを僕らに見せつけている。菅首相の退陣と法案成立の取引に内閣人事の絡んだ政争は大震災や原発震災の復旧や復興を後景に退かせ、内閣・議会・政党への人々の不信を増大させる(2011/07/01)


政治
復興の精神と日本の帰路(二)  「日本精神」論を生んだ関東大震災の教訓  三上 治
  誰もが思うだろう、遅すぎやしないかと。復興基本法のことである。復興基本法成立に時間がかかったにしても、具体的な復旧作業が進んでいればこういう批判の声は出てこなかったのであろうと思う。具体的で現実的な復旧策ということとある程度の長期的視座をもった復興構想とが区別されて考えるだけの政治的力があれば、人々の不満や批判は出てこなかったと推察される。(2011/06/30)


政治
首相は思惑通り延命できるのか(?)  三上 治
  世の中には約束事とか仁義とかの言葉がある。これは僕らの普通の人間関係のルールを意味している。このルールはその当事者を超えた関係によって破られたりする。そこでいろいろと悲劇も生まれるのだが、のっけからというか最初からこう簡単に破られるのは驚きである。鳩山由紀夫と菅貞人が交わしたとされる約束《菅の首相退陣と信任》が反故とされるような事態が出てきているのだ。菅首相の退陣時期の居直りに対して鳩山が「まるでペテン師」と非難をしているのである。一体どうなっているのというのが普通の人々の反応だ。(2011/06/10)


政治
喜劇か、あるいは悲劇か。それとも茶番劇か  三上 治
  「生きるか、死ぬかそれが問題だ」というハムレットにはまだ人間の悩みも生きることの苛酷さも伝わってくる。だが、菅首相の信任をめぐる騒動にはそういう精神の動き伝わってはこなかった。テレビで放映される国会の議場内の風景からは政治家たちの苦悩は感じられなかった。民主党の松木代議士を説得しようとする動きが目についた程度だ。菅首相は不信任の動きの広がりに対して退陣を表明することで先手を打った。(2011/06/03)


政治
怪談めいたことが続く日本の権力の周辺だが   三上 治
  まだ八月ではないのに怪談めいた話が横行している。震災直後の福島第一原発の危機的事態への対応を巡る政府と東電の奇怪な関係が伝えられている。震災直後の原子炉への海水注入を巡るやり取りである。この件は官邸、議会、東電、原子力安全委員会などを巻き込んだ騒動の様相を呈していた。今さら、海水注入の経緯ではあるまいとは思うが、人々がこの件に注目してきたのは政府や東電などの情報隠ぺいや操作の体質が改まったように見えないためであると思う。(2011/05/28)


政治
政党や政治家に政争の愚を説くつもりはないが  三上 治
  西岡武夫参院議長が菅直人首相に「即刻、辞任すべきであるという書簡を送ったことが波紋を広げている。僕はこれをテレビの会見で見ておやと思った。菅首相の続投をめぐっては様々の動きがあることは知ってはいるが、それがこのような形で現れてくるとは想像をしなかったからである。西岡参院議長は三権の長の一人であり、首相の進退についてこういう発言をするとは念頭になかつた。(2011/05/25)


政治
震災復旧の中でも世界が動いているのを忘れるな  三上 治
  5月12日の朝日新聞夕刊は米上院のレビン軍事委員長らの与野党の重鎮と目される面々が普天間基地の辺野古基地移設を断念し、嘉手納基地への統合を検討するように国防総省に求める声明を発表した、と報じている。沖縄の辺野古基地新設による普天間基地移設に異議を申し立てたアメリカの内部の声として注目される。アメリカの内部でもかつての日米合意(自公政権下での合意)の再検討を求める声があることは伝えられてはいたが、このような形で明確にされたのははじめてである。(2011/05/19)


TPP/脱グローバリゼーション
【編集長妄言】TPP参加へとまい進する「新自由主義的震災復興」のシナリオとどう対抗するか  大野和興
  案の定出てきたな、というのが率直な感想だ。日本経団連が4月18日、日本の通商戦略に関する提言を発表した、その内容についての感想だ。提言は、大震災後、論議が停滞しているTPP(環太平洋経済連携協定)について、「早期参加は依然重要な政策課題」とそたうえで、「震災後の経済復興に向けたグローバルな事業展開、円滑なサプライチェーンの構築に不可欠」と主張。参加しなければ「国内生産拠点がTPP参加国に移転してしまう」と、脅しとも見える言及をしている。(2011/05/17)


核・原子力
原発は憲法違反である  大河原礼三
【たんぽぽ舎原発情報】新聞に投書された原稿で、優れた内容です。しかし、大手新聞には残念ながら載りませんでした。(不採用)。原発は憲法違反であることを具体的にフクシマ事故に即して書かれた内容で広く皆さんに知っていただきたく、著者の了解を得て掲載します。(たんぽぽ舎柳田真)(2011/05/16)


東日本大震災
【編集長妄言】首都圏の消費者はそんなにえらいのか! 大野和興
  こんな「つぶやき」がでまわっている。福島県知事が東京で野菜のアピールをしているのをとらえ、「全くこの県知事は悲劇のヒロイン面して、毒入り野菜を首都圏の住民に食べさせる気か!」と毒づいている。不安と苦悩になかで土を耕す福島の被災農家への思いなどみじんも考えない、典型的な差別言説。ある福島の農業女性に読んでもらった。「ひどい」と一言。電話の向こうで泣いている気配がした。首都圏の消費者はそんなにえらいのか!だったら原発は東京につくれ!(2011/05/14)


政治
大震災後の復興に円高はマイナスではない  三上 治
  円高というとどこか身構えてしまうところがあるのかもしれないが、これを怖れる必要はない。円高の度に声高に語られる日本経済の危機は輸出主導の経済からの声であって日本経済の危機ではなかった。輸出主導で高成長を遂げてきた日本経済の構造的転換が出来得ていないことに経済の停滞《危機》はあるのであり、大震災からの復興過程の中でやらなければならないのはこの転換である。(2011/05/12)


政治
ビンラディン殺害はテロ問題の解決になったか  三上 治
  アメリカ政府はパキスタンにおいてビンラディン殺害に成功したと報じている。この報道を聞いて反射的に思い浮かんだのは「だったらテロ問題は解決するのか?」という疑念だった。テロ問題は解決することもなくアフガニスタンでの戦争が終わることもない、と思う。ビンラディンを対アメリカ聖戦の殉教者にしてアメリカ兵などの万骨をイラクやアフガニスタンの大地にさらしただけではないのか。(2011/05/05)


政治
大震災と日本の社会経済(その二)  ドル基軸通貨体制と震災復興  三上 治
  ドルはアメリカの国家通貨であるという側面と基軸通貨であるという側面を持っている。そしてこの基軸通貨という意味は金に代わる世界通貨を意味していた。アメリカ経済が戦後の一時期のように世界経済を意味していたならドルが世界通貨的な意味での基軸通貨であったことは矛盾なく存在しえた。(2011/05/03)


検証・メディア
【編集長妄言】大前研一さん、ありがとう! ゴリゴリの原発推進派から批判派に寝返っていただいて  大野和興
  高名な評論家で経営コンサルタント業の大前研一氏がネット上の一部の原発批判派の間でちょっとした有名人になっている。3・11以降の福島第一原発の暴走を受け、原発批判を始めたからだ。彼はついこの間まで原発推進派の最先端にいて、アジっていた人だ。その彼が、福島第一原発が爆発した直後の3月15日、大前氏は「日経BPネット」というインターネットサイトで「日本の原子力開発は事実上、終わった」と書いた。君子は豹変する、実に見事な君子ぶりである。(2011/04/30)


政治
大震災と日本の社会経済(その一)  円高とドル安  三上 治
  日本復興の議論はなかなかまとまらないと伝えられている。今回の大震災が日本経済や社会に与えた影響を今の段階で誰も語れないのが現状だろうから、復興議論と言ったところでまとまりはつかないし、共通の枠組みというべき認識すらつくることも出来ないのだと思う。(2011/04/26)


核・原子力
ドイツの脱原発論に接して  花崎皋平
  二〇一一年四月初め、ドイツを旅行していてフランクフルター・アルゲマイネツアイトゥング紙の四月三日日曜特集を手にする機会があった。日本の新聞には見られない非常に明確な主張の脱原発特集がなされていた。一面トップの見出しが「われわれの敵、アトム」で、「ビショップ・マルクス:早くやめよ。トリッティン:次期の任期中に脱却可能」という副題が付いていた。マルクスはミュンヘンのカトリック大司教、トリッティンは緑の党の代表である。(2011/04/22)


東日本大震災から1カ月が過ぎて  三上治
  大震災と言って僕の日常生活で変わったところはない。震災に遭遇した人々の事を心に留めながらあれこれ考えて過ごしているだけである。過度の自粛は良くないし、それが波及する事態を憂慮している。だが、この大震災が僕のこころのなかの光景や時間感覚を変えてしまったことは疑いない。(2011/04/13)


農と食
放射線を浴びた野菜   鬼塚忠(出版エージェント・作家)
  この一週間で、福島を中心とした産地の野菜が、都心のスーパー店頭から消えました。それはもちろん、野菜から放射線が検出されたからです。見えない放射線を恐れているわけです。放射線の人体に与える影響にいろいろ議論はありますが、私は、何を今さら言っている、と思いました。というのも、実は日本では、すでに数十年前から放射線を浴びた食品を日常的に食べているからです。(2011/04/02)


東日本大震災
この機会に世直し運動を  落合栄一郎
  強度9.0の地震に端を発する津波がもたらした今回のかってない大規模な天災と、それに付随した原発の重大事故という人災、発生後20日がたち、避難所で不便な暮らしを強いられている人々も多いし、災害地での生活手段の崩壊でこの先どうなることか、途方にくれている人々もまだまだ沢山おられます。そのような時に下のようなとてつもない(と考えられるかもしれない)提案など、耳を貸せないと思われるかもしれませんが、この機会を、日本(ひいては世界)の「世直しの機会」と捉えるのが、今回の犠牲者への贖罪となるだろうし、また、ことは急を要するのではないかと思う。というのは、今年度の予算案その他の審議、決定に、ここで提案することは、斟酌されるべきだと考えるからです(2011/04/01)


福島から
【編集長妄言】暗闇を取り戻す思想と行動を  大野和興
  断続的に続く停電。4月が近いのに底冷えがする。外へ出てみると、満天の星空。これまで目を凝らしても見えなかった小さな星も見えている。ここは秩父市のはずれ、横瀬町と境を接する小高い山の上だが、こんな星空をみたのはいつだったろうと記憶をたどる。20年、いや30年くらいさかのぼるかもしれない。(2011/03/31)


政治
今こそ日独同盟(?)が必要ではないか  三上 治
  春の兆しの感じられる高速道路(常磐道)をくだって福島のいわき市にある老人センタ―に救援物資を運んできた。僕の所属する「9条改憲阻止の会」の有するトラックを利用してささやかながらではあるが救援活動をやろうということになったのだ。前日に箱根まで出掛け10藩憧錣傍佑瓩討發蕕辰震梢紊100個が歓迎された。現地では飲料水や野菜などの食材が欲しいとのことだったが、第二弾、三弾を準備したい。(2011/03/30)


核・原子力
原子力発電の安全神話と必要性の再検討を 木村浩東京大学准教授に問う  金子章予
  東京大学の准教授の木村浩氏(原子力社会工学)によれば、「原発を推進する国、地方自治体、電力会社、そして国民の多くでさえ「原発は安全」と思っていた節がある」という(「読売新聞」3月25日朝刊11面「経済復興を聞く」)。確かに原子力学会が昨年1月に実施した世論調査では国内の4割以上の人が原発利用に肯定的であり、やめるべきだとの意見は1割前後だったということから、そのようにも推論できる。しかし、本当にそうであろうか。(2011/03/29)


政治
緊急の救援と復旧そして復興のために  三上 治
  過日、友人の主催する演劇を見に出掛けた。こういう時期によく開催したと思ったがいつもより解放感を得た。「今年の桜はかわいそうだね」とは女房と散歩のついでに口から出たものだが、春を待ってせっかく咲くのに気持ち良く愛でてはもらえないだろうと思えたからだ。(2011/03/25)


東日本大震災
新浦安の震災   鬼塚忠(出版エージェント・作家)
  東北地方にきた巨大な地震。甚大な被害をもたらしました。ほとんど地震のない鹿児島から移り住んだ私は、地震の怖さをよく理解せず、さらには津波も人ごとのように思っていました。もちろん知識では知ってはいるものの、自然災害といえば火山の爆発をもっとも意識していました。今回、あらためて地震の怖さを思い知らされました。被災地の方々にはお悔やみ申し上げます。マスメディアとは少し違った視点で、今回の地震について書きます。(出版エージェント「アップルシード・エージェンシー」のメールマガジンより)(2011/03/24)


政治
政治的な愚行は何を暗示しているか  三上 治
  献金問題での前原外相辞任劇は政治的な愚行である。辞任した方もほうだが、それで鬼の首でも取ったように騒いでいる面々もおかしいのだ。政党には政争劇という宿病があってそこから逃れられないということか(?(2011/03/11)


政治
辞任ではなく自己の政治見識をこそ問うべきだ  三上 治
  この程度のことでとやかくいうのはばかばかしいということがある。針小棒大というがそんなところである。前原外相の政治献金に伴う辞任劇についての正直な感想だ。辞任に追い込まれた方もそれを止められなかった民主党の首脳陣も情けないが、それがまた政府や民主党の現状なのであろう。(2011/03/08)


政治
露呈したアメリカ世界権力体制の矛盾  重なる天皇制温存と中東独裁政権利用  三上 治
  「占領政策成功例の日本かアメリカに従(つ)きイラクへも行く」(『雪月の家』田宮朋子)。最近の楽しみは散歩のついでにブックオフという古本屋に寄ることだが、この歌はそこで見つけた本から拾ったものだが僕は作者のことは知らない。中近東におけるアメリカの動向を考えていたので引用させてもらった。アメリカのブッシュ政権はイラク侵攻の理由として「イラクの自由化や民主化」を掲げた。また中近東の自由化や民主化をも。一方でチュジニアやエジプト、バルーンなどの専制―独裁国家を支持していた。それらの地域で権力の変革をめざす民衆の行動が起きていることを思えば矛盾に満ちたものである。(2011/03/04)


政治
中近東から沖縄を思う  自己決定権という理念の登場の世界史的意味を問う 三上 治
  僕は中近東での民衆の行動を伝え聞きながらこの間の沖縄の人々の行動のことを考えた。中里効は沖縄の人々の動きを「自己決定権の樹立」に理念化しながら、構成的権力の登場として世界史に連動していると述べていた。示唆に富む優れた見解として記憶に残る。何故に彼らは「民主主義」ということではなく、「自己決定権の樹立」と言う言葉を使うのか。これには理由がある。日本やアメリカは「統治権力の近代化=自由化や民主化」にある国家だと民主党の面々が言う時、彼らは沖縄の人々の意思(意識)である自由や民主主義とは違っていることを知っているからだ。同じ、自由や民主主義という言葉を使っていても明らかに異なるのである。(2011/02/28)


政治
中近東民衆の動きから見る「近代」  テレビのことを気にかけながら一日中考えていたこと(2)  三上 治
  リビアの動きを中心に中近東での民衆の専制的―独裁的権力に対する抵抗が伝えられ中で、自分の記憶にあるかつての像とは明らかに異なると思えるものがある。(2011/02/26)


政治
民族解放闘争とは何だったのだろう  テレビのことを気にかけながら一日中考えていたこと(1)   三上 治
  ちょいとした外出でもテレビのことが気になる。むかしまだ熱烈な巨人ファンだったころは野球の結果が気になって腰が落ち着かないことがあったが今は違う。そうなのだ。リビア等のことが気になって仕方がなかったのである。もう革命というか、カダフィ独裁の打倒に行くと思うが…やはり気になる。(2011/02/25)


政治
混乱を生みだしているのは民主党首脳陣である  三上 治
  外からは見えにくいのが近親憎悪と呼ばれる動きだ。これは政治的な集団の中だけに見られる現象ではないが、僕らが身近で目撃した政治的現象としては連合赤軍事件や内ゲバと呼ばれる新左翼の党派抗争がある。僕自身もその近辺にいたし、党派抗争の一種というべき争いで組織的な政治活動を止めた経験もあるから綺麗ごととして言いたくないのだが、そこでの問題は渦中や当時者とそれに距離のある人間とでは事態が違ってあるということだ。これは当時者として振舞っている自己とそれを見ているもう一人の自分とではということでもよい。これは人間の存在や行為にまつわる矛盾といってもいいのだけれど、政治的な集団の動きを外から見る場合の難しさとして自覚のいることだと思う。(2011/02/23)


みる・よむ・きく
新聞を読む   鬼塚 忠
  日本の出版エージェントの草分け、鬼塚忠氏。「歌舞伎町裏案内人」の李小牧など多数のライターを発掘し、支援してきた。また「海峡を渡るバイオリン」(陳昌鉉、岡山徹と共著)、「ザ・エージェント」、「Little DJ〜小さな恋の物語」など自らも筆を執る。その情報収集には独特のものがある。今回の寄稿は鬼塚氏の会社「アップルシード・エージェンシー」が出しているメールマガジンから、世界の新聞について。(2011/02/22)


政治
鳩山発言をメディアは批判できる資格があるのか  三上 治
  朝日新聞の夕刊に素粒子という小さなコラムの欄がある。辛口のコラムが載っている。2月15日号には「正直で率直な人。首相の考えが<一笑に付されていた>と。官僚の壁を破る気概もなく、米国に直談判もせずに逃げただけ」とあった。鳩山前首相が普天間基地移設先を辺野古に回帰させた理由として「海兵隊は抑止力」は方便だった語ったことへの批判である。2月13日付の沖縄タイムスに掲載されたもので言葉が軽いといえばそれまでだが正直な感想というのが僕の印象だった。僕がここで取り上げたいのは朝日新聞の批判である。このコラムも含めた批判への疑問である。(2011/02/21)


政治
エジプト民衆の行動が想起させる記憶と現在  三上 治
  あれは中学三年生の時だった。エジフトのナセル大統領のイギリスやフランスに対する戦争が伝えられた。また、ハンガリーではソ連軍の侵入に対する民衆の抵抗が報じられた。スエズ動乱とかハンガリー暴動というような言葉であったように思うが衝撃的だった。1956年のことだ。(2011/02/18)


政治
今、日本の政治に問われているものは何か(7) 現政権は首の皮一枚にかけよ  三上 治
  『名古屋発 どえりゃあ革命!』という本がある。河村たかしが選挙向けに緊急に出したものである。革命かどうかはともかくとして河村の好きな「どえりゃあ」ことが愛知知事選、名古屋市長選、市議会の解散などを問うトリプル選挙において実現したことは言うまでもない。上京した河村たかしと大村秀章が小沢一郎とエールを交換している映像も流された。(2011/02/12)


政治
今、日本の政治に問われているものは何か(6)小沢排除の影にちらつく戦後権力構造  三上 治
  記憶に残る言葉は少ない。同じように記憶に残る政治的事件も少ない。菅や仙谷が政府や民主党の中枢にあって行っていることなどすぐに忘れ去られていくだろうし、誰も記憶に留めはしないだろう。これに比べれば小沢一郎の政治資金規正法での起訴事件は不幸な出来事ではあるが疑いもなく記憶に残るに違いない。それだけこの事件が現在の政治を象徴するようなところがあるからだ。僕らはこの事件の意味するものを想像力によってつかまえ、現在の政治に対する認識と判断を明瞭にしなければならない。それは同時に現在の政治に対する異議申し立てを意味するものでもある。(2011/02/03)


政治
今、日本の政治に問われているものは何か(5) 中国・北朝鮮脅威論を疑え  三上 治
  よく色眼鏡で見ているということが言われる。それはイデオロギーや宗教的な理念で物事を判断しているという意味でもある。これはその種の立場にある人の存在があらかじめ分かっているという意味でそれに戸惑うことはない。ある種の疑念を持って対応できるからである。だが色眼鏡でない見方や判断というように思われているものはそうでないから厄介である。例えばメディアは党派に偏しないとか中立であるとか称されそれが常識のように浸透しているから難しいところがある。だから、僕らは色眼鏡をかけてはいないと称している面々の色眼鏡を見ていなければならないし、そこに届く眼光が必要である。(2011/02/01)


政治
今、日本の政治に問われているものは何か(4) 戦後日本の政治的惰性  三上 治
  「法華の太鼓」という言葉がある。打てば打つほどその音色はよくなるという意味だが、民主党政権での施政方針演説などは逆でやればやるほど貧相になる。この政権の政策や政治構想と旧政権(自民党と公明党)とほとんど変わらなくなるかそれよりも悪くなってきている。このまま行くと政権維持のために民主党枯れるという状態になる。政治的な思想や哲学)を持たず政局を演出する才や技術だけは長けた連中が政府首脳だからが始末は悪いと言える。(2011/01/29)


政治
今、日本の政治に問われているものは何か(3)アメリカの狙いは元の自立化の阻止  三上 治
  新聞は米中首脳会談を華々しく報じている。「米中 2強が組む」がその見出しである。だが、この報道にはこの会談の両国の狙いもその結果も伝えられてはいない。朝日新聞の社説は2009年の秋にオバマが訪中した時のような米中主導時代の提唱のような声は聞こえてこないと論じていが、この会談が儀礼のような側面が強かったことを物語っている。9年の秋の訪中ではオバマが中国を世界で最も重要な国と語ったとして大騒ぎになったことが想起される。これは日本での報道が誤訳に基づくものであったというおまけ付きのものであった。(2011/01/24)


政治
今、日本の政治に問われているものは何か(2) 知恵も構想力もない菅民主党外交 三上 治
  過日、僕の家の近辺で「世田谷ボロ市」が開かれていた。暮れの12月15日と16日、新年の1月15日と16日に毎年行われる恒例の市である。433年前に「楽市楽座」の一つとして生まれ今日まで続いているらしい。雑踏のような人混みの中で骨董品などに目をやりながら、甘酒のはしごをして歩いただけだが何となしに人を魅せるものがある。祭りの持つ自然な匂いや雰囲気がそこにはあるのだろうと思う。時間を経ても持続してきた人の気分をそそるものといえるが、今の政治に欠如しているのはそれだろうとも思えた(2011/01/23)


文化
フランスの女性映画監督たち 〜時代の転機を先取りしてヒット作を作ってきた〜
  フランスの女性映画監督にはヒットを飛ばしてきた人が何人かいる。時代の転機を先取りし、通念に挑み、新しい生き方を提案してきた。それらの映画は興行的にヒットしただけではなく、国の政策にすら影響を与えてきたと思われる。フランスの女性監督による3本の映画を例にとりたい。(村上良太)(2011/01/19)


政治
今、日本の政治に問われているものは何か(1) マニフェストは付け焼刃の作文だったのか  三上 治
  「真夏日」という言葉ほどの喚起力はないが、「真冬日」という言葉が聞かれる日もある。やはり寒い日が多い。なんとはなしに少年期までを過ごした郷里の鈴鹿降ろしと呼ばれる寒風を想起する。それに身を切られる思いの中を中学へは自転車通学をしていたのだった。これらの季節の中で感受する寒さは自然に属しているものだが、僕らは今、この日本列島の中でもう一つの寒さを感受している。政治や社会に反応するこころ(心的)の動きである。そこでまた、僕らは寒々としたものを感受しているのだ。(2011/01/16)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(11) 視えないものを可視化する想像力を 三上 治
  日々の政治的動きの背後にあって決定力として機能しているものをあぶりだしたいという欲求があって長い論評になってしまった。そこには視えない力の存在という意識が働いている。日本の政治権力は権力の所業を被権力者の目から隠すことにあった。「知らしむるべからず」というのは伝統であった。アメリカは統治や支配を背後に隠すことでそれを機能させるという巧妙な関係を日本との関係で取ってきた。(2011/01/12)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(10)基軸通貨ドルの補完物としての円   三上 治
  1980年代の後半に研究会をやっていたことがある。主宰者はかつて中国(満鉄の上海支店)にいた人であり、経済的にも明るい人だった。「情勢分析研究会」がその名称だった。1980年代の半ばから1990年代にかけて日本経済はバブル経済に突入し、やがては破綻して行く時期であったが、主宰者がよく語っていたのは「中国に本格的に投資をし、経済の軸を対中国からアジアに切り替えていけばいい」という事だった。現在の中国の経済発展を予測していたわけで驚くべき先見の明だった。(2011/01/09)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(9) 中国異質社会論のあいまいさ  三上 治
  年越しの宮参りをしなくなってから久しい。さしたる理由があるわけではない。NHKの「ゆく年くる年」をかわりにして早々に寝てしまうのが最近の恒例だったが、気がつけばこの論評は年をまたぐことになってしまった。戦後の日本が第三の曲がり角にあって、アメリカに舵を握られているのではないか、という危機感がこの動機になっている。冷戦構造の終焉の後にアメリカは9月11日の事件を契機に世界戦略をイスラム圏との対抗を軸に再編成した。ここには地域紛争への対応やイスラム文明への対抗ということがあるが、アメリカの世界性がある。アフガニスタンからイラク、さらにはイランを睨んだアメリカの戦略である。(2011/01/06)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(8)  西郷的なるものと田中角栄、あるは官僚権力と地域との対峙について  三上 治
  友人の送ってきたメールで小沢一郎と菅原文太のラジオ対談を採録したものがあった。この中で菅原は小沢に日本の政治家は「何でアメリカに怯えているのか」という質問があった。これに対して小沢は「アメリカの巨大な力とアメリカに従っていると楽だという二つがあるのではないか」と答えていた。(2011/01/04)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(7) 田中角栄の存在を改めて思う  三上 治
  ある小冊誌(『はなかみ通信』)を読んでいたら鶴見俊輔が小文で「前と後ろが見えてくるときがある。1960年は多くの日本人にとってそういう時だった」と述べていた。そういえば今年は1960年の安保闘争から50年目であるが、僕はあのとき前と後ろが見えていたのだろうか。今はどうなのだろうかという自問が自然と沸いている。(2011/01/03)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(6) 現状を超える国家構想を  三上 治
  毎年同じようにボヤいているようなのでやめるが、日本の政治が袋小路に入っていることは誰の目にも明らかだ。菅や仙石は何をしたくて政治家になったのだろう、とはいくらか彼らのむかしを知る連中が集まるとでる話だ。マスメディアや官僚や保守派知識人、あるいはそれに連なった知識人などの妄言が戦後の日米関係の実体を見えにくくしているが、そこを切開できれば菅や仙石などが嵌めこまれている場所も視界が開かれるように見えてくるかもしれない。(2011/01/02)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(5) 反米右翼という存在  三上 治
  新聞記事を丁寧に読んでいてもなかなか見えない事がある。戦後の日本とアメリカの政治的関係である。表面上は日本とアメリカは対等な独立的関係としてあるがためだけではない。アメリカの日本への支配は支配という形態を背後に隠したものだからである。この支配は時に露呈することもあるがなかなか姿をみせないのであり、支配の気配を見せない支配として存在している。これを自覚せずにいると日本の政治権力の奇怪な動きが見えないことになる。(2010/12/31)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(4) 菅政権を縛る米国の「統治なき統治』体制  三上治
  民主党の首脳部の「政治とカネ」問題の政局化という動きを見ていると誰しもが何をやっているのだという思いがするのだと思う。政治的論評や報道の端々にその事態への苛立ちの言動をよく見かけるようになった。何でこんな問題が政治の中心的主題になるのという疑問だが、そこには政治権力の内部にいるものしか見えないことがあるかもしれない。小沢一郎と菅首相の会談後に「菅首相が随分と感情的になっていた」という小沢の感想は示唆的である。(2010/12/27)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(3) 三重構造としての国家と国民と世界権力  三上 治
  新聞の記事を一面から読んでいけばいろいろな記事があることに気がつく。一面が一番の記事ということなのだろうが、なるほどと思わせるものから何でこれがと思うものまである。だからと言って一面の記事に一番興味が引き寄せられるということではない。斜め読みで飛ばしてしまう事も多い。新聞を読んでいると社会の多様化と拡散に気づくし、今、根本的に国家や社会の中心にあり、それを律しているものを析出するのが難しいのは分かる。でも、そういう誘惑にかられることも避けられない。現在のような状況の中で中心にあるも考えることは可能かという自問を含みながらである。(2010/12/20)


政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(2) 第一の敗戦は戦後改革で完成した  三上治
  「わたしが一番きれいだったとき ラジオからはジャズが溢れた 禁煙を破った時のようにくらくらしながら わたしは異国の甘い音楽をむさぼった」[(茨木のり子)。敗戦直後の田舎町を走り抜けるアメリカ軍のジープが怖かった。路地に隠れて震えている夢を幼い日にみた。あれは夢だったのだろうとは後の日の記憶だった。そのアメリカ兵からジャクナイフをもらった。敗戦期を経て日本の第一の敗戦は完成し、そしてそれを乗り越えようとする動きも出てきた。(2010/12/15)

政治
12月8日と日本の「第三の敗戦への端緒」(1)  鳩山・小沢排除の背後のあったもの  三上治
  僕は1941年の生まれだ。この年に日本はアメリカと開戦した。僕は4月生まれだがもちろん記憶はない。戦争についての記憶は1945年という末期の空襲などをかすかに覚えているに過ぎない。1945年8月の無条件降伏が敗戦であったことは誰の目にも自明である。バブルの崩壊とその後の「失われた10年」を日本の第二の敗戦という。これは必ずしも明瞭になっている概念でもないし、ポピユラーなものとして流通している言葉ではない。しかし、戦後の世界関係の主要な対象であったアメリカとの関係を表すものとしては明瞭であると思う。僕は政権交代後の日本の歩みを第三の敗戦という言葉で呼びたい気がする。第三の敗戦の端緒に入りつつあるということでもいいのであるが。(2010/12/11)


文化
コラムニストがいた時代  酒場で育ったマイク・ロイコ    村上良太 
  1980年代だったろう、コラムという耳慣れない言葉がわが国に入ってきたのは。勿論アメリカからだ。最も有名だったのはボブ・グリーンだろう。コラム集の「アメリカン・ビート」や「チーズバーガーズ」は日本でもベストセラーになった。またアート・バックウォルドの場合は、権力批判をベースにしたおちょくり気味のユーモアコラムだった。しかし、バックウォルドには世界を冷徹に見るジャーナリストの目があった。一方、上流階級を描くタキというギリシア系のコラムニストや、少し古風な作風のラッセル・ベイカーという人もいた。政治コラムニストではジェームズ・レストンが健在だった。ロジャー・サイモンの辛口コラムというのもあった。80年代にはこうしたコラムニストによるコラム集が日本で次々と出版された。(村上良太)(2010/12/11)


検証・メディア
ハッカーとリーク 
  ハッカーという言葉にはアウトローあるいは反国家のイメージがつきまとう。ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジュ氏も元ハッカーだという。しかし、青少年時代にハッカーでならし、逮捕歴もある人たちの中にも、その後、米国防省や情報セキュリティ産業のビッグネームになっている人々がいる。ハッカーは一見、反体制のシンボルのようだが、特定の国家の利害と結びつくケースがある。彼らの磨いたハッキング技術はその後、国防や情報戦争に使われるのである。(村上良太)(2010/12/05)


検証・メディア
ウィキリークスの理想は?
  今回、ウィキリークスによって入手された米外交文書は25万点にのぼる、と言われる。非合法で入手した外交公電を大量に公表することは本当によいことなのだろうか。ウィキリークスの大量の情報公開を肯定する論理は一体どこにあるのだろうか。政府が一切秘密を持たないようになることが理想なのか。今回のリークの目的はどこにあるのか?(村上良太)(2010/12/02)


政治
なし崩し的な政策転換に歯止めの政治戦略を  三上治
  袋小路に追い詰められているような民主党政権であるが、その動向に僕らが失望を感じるのはなし崩し的な政策転換に歯止めがないと思う事だ。政権の首脳陣の政治的見識のお粗末さからくるのだろうが、戦略的構想もないためにこのままずるずる行く感がするのだ。(2010/11/23)


政治
沖縄知事選挙は単なる地方の首長選挙ではない  三上 治
  沖縄という言葉にも琉球という言葉にも一種独特のものを僕は感じている。この名状しがたい感じはうまく説明しがたいのだけれど、この沖縄では今、知事選がたけなわである。仲井真候補とイハ(伊波)候補の一騎打ちであるが伯仲した状況にあると伝えられる。この選挙では自民党と公明党は仲井真を支持し、民主党政府も陰では支持している。それは仲井真が普天間基地の県外移設を口にはしているが、以前のように辺野古新基地建設の容認への転換が期待されるためである。(2010/11/22)


政治
頭も尻も出してしまえばいいではないか  三上 治
  「頭は隠したがるが尻は出したがっている」なんて文句をひねっている間にさっさとケツを捲くられてしまった。例の映像の流出である。こんなのどうという事ではない。いつの間にか、いろいろ枝葉が競り出してきて面白可笑しく論じているうちに幹が見えなくなっているだけのことだ。枝葉末節というがつまらないことは切り捨て幹の部分を見ればいいのである。(2010/11/14)


政治
「茶会旋風」なんて茶化しているのではないが  三上治
 「茶会旋風」は新聞の報道で知ったくらいなのでよくわからないところがある。だから、想像力を働かせるしかないが民主党側の対抗運動は不発であったらしい。オバマの登場を可能にした「チエンジ」を求める動きが保守側に移行したかに見える「茶会旋風」に対して民主党側の対抗運動が成功しなかったことに僕の興味はまずある。民主党やオバマが政権の座に就き、その具体的動きがかつての「チエンジ」を支えた人たちの期待を失望させたであろうことは想像できる。その場合にオバマの取ったどのような政策が失望を誘ったかであるが、緊急の経済対策(財政出動)や医療制度・金融制度改革などがそうであったと思われない。外交上での一定の協調政策がそうであったとも思わない。(2010/11/08)


文化
カフカ作「変身」の中身         村上良太
  中学高校で課題図書として本が何冊か指定され、感想文を書かされる事がある。カフカの「変身」はそうした課題図書の中で最も短い本のひとつであり、僕も読んだ記憶がある。そればかりか美術の絵のモチーフにも使う事ができた。ところでこの小説の主人公であるグレーゴル・ザムザが変身した虫は具体的に何だったのか?という有名な謎がある。(2010/11/01)


政治
本当に日本は法治国家であるのか  三上 治
  中国の人権活動家劉暁波に対するノーベル平和賞の授与をめぐって波紋が広がっている。中国の国家体制や政治体制の批判としてである。少し、前に民主党の枝野幹事長代理は「中国は悪しき隣人であり、政治体制や価値観を共有していない、法治主義の通らない国である…」と述べて物議を醸した。(2010/10/17)


政治
小沢氏よ、民主主義者たらんとすればあと一歩だ  三上治
  政治家をめざしてきた小沢一郎にとってその晩年をこんなかたちで迎えることは不本意なことであるかもしれない。彼の中には師であった田中角栄のことが去来していると想像できる。僕も「政治資金規正法」違反をめぐる事件の帰結が検察審査会での強制起訴の議決に至った時、田中角栄の最後を思い起こした。それは決して悪いイメージとしてではない。(2010/10/08)


政治
尖閣列島をめぐる騒動から想起すること  三上治
  旧ユーゴスラビアを舞台とする民族的・宗教的紛争が地域紛争と呼ばれる戦争に発展したのを見た時、ヨーロッパでは一方でEU(ヨーロッパ共同体)が進展しているのにこれはなんだと思った。ヨーロッパでは国家を超えて共同体が展開しているのにその裏庭というべきところでは民族紛争というべき戦争が起こっているのが衝撃だったのだ。そしてこの報道を見ながら、東アジアではこうした問題が解決されずに残っているのだと思った。EUをモデルにした東アジア共同体の基盤は確実に拡大しながら、民族間対立の問題は解消されずにあるのだと思えたのだった。僕は今度の尖閣列島周辺の海域での中国籍漁船の逮捕事件から生じた騒動でこのことを想起した。(2010/10/05)


政治
その場を取り繕うこととさしあたりの処置は違う  三上治
  尖閣列島周辺の海域での中国籍漁船の逮捕事件に対する日本政府の対応は妥当である。一見、中国の強硬策に押し切られ歯切れの悪さを感じさせるにしても、摩擦の拡大が深刻化される事態の中ではさしあたっての処置ということになる。ただ、官房長官や首相らが那覇地検のとった処置であり、自分の下した判断でないかのように振舞うのは気にくわない。野党筋やメディアから弱腰外交と批判されることを避けたいためだろうが那覇地検の処置を認めたことは彼らの政治判断でもあるというべきである。この問題を政局の材料にしたい野党などの対応は論外である。強気出ることが支持を得るというのは錯覚である(2010/09/28)


政治
露呈する検察問題と全体の構造  三上 治
  郵便制度悪用の文書偽造事件(虚偽有印公文書作成・同行使)に問われていた厚生労働省の元局長・村木厚子被告に対して大阪地裁は無罪を言い渡した。この裁判に関しては検察側のずさんな捜査が以前から指摘されており、無罪判決は予想されていたが、今度は検察による証拠の改ざんという恐るべき事態も露呈した。これは検察というシステムの持つ問題である。(2010/09/23)


二極化社会を問う
淀川長治氏と「中流」
  映画評論家の淀川長治氏は晩年、こんなことを映画青年に説いていた。「映画監督に向いているのは極貧とか、大富豪の出身者です。自分がその中間だと思う人は、意識して自分を中流から外してみる努力が必要です」(2010/09/23)


政治
現在に対する見識と構想を(6)国民の意見や意識には層的な差異がある−世論調査における民意と現実の乖離に関連して−  三上治
  大手メディアの世論調査なるものが世論(市民や国民の現実の意思や意識)の調査結果ではなく、世論として作り出されたものであると前回述べた。作り出されたという言葉には誘導されたという意味は含まれているが、作為されたり偽造されりして出来た世論という意味ではない。民意と呼ばれる現実の世論とは乖離のあるものだという方が適切かもしれない。世論調査なるものを見るたびにどこか違うぜ、何かが違うよと舌打ちしたくなるのはこの乖離感からくるものだと思う。だが、この構造はなかなか析出しにくい。僕らが実感している世論とは乖離していると思えても、この世論がどのような基盤としてあり、生成されているのか、つまり再生産の構造にあるのかつかみづらいためである。(2010/09/20)


政治
現在に対する見識と構想を(5) 重要なのは戦後日米関係の見直しなのだが  三上治
  民主党の代表選は菅の勝利で終わった。これはある程度予測できたことだが党員やサポータの票がこれだけ開くとは予想外であった。現職の総理大臣であることやマスメディアの有形無形の支援が功を奏したのだと思う。結果は雨降って地固まるになるか、政界再編の始まりになるかは予測できない。この代表選を通じて僕が期待していたのは菅と小沢の両氏が政治的見識と構想を明確にした論争を展開してくれることだった。(2010/09/15)


政治
現在に対する見識と構想を(4) 世論調査という共同幻想 三上治
  若いころに新聞記者にあこがれた人は少なくないはずである。僕もそう思っていた。高校の同級生で新聞記者やジャーナリストになったのは意外に少なくないのが驚きなのだが、それに一度はあこがれを持った人は多かったのではないかと思う。それが社会正義を貫ける仕事である、あるいは自由な仕事であるというのが幻想としてあったためであると推察される。メディアへのこうした幻想はとうの昔になくなっているのだが、それにしてもマスメディア(大手のメディア)のありようには首を傾げることが多い。マスメディアの世論形成への影響力が無視できないだけにそう思えるのである。(2010/09/14)


政治
現在に対する見識と構想を(3)陰謀史観は好きじゃないけど  三上治
  僕は陰謀史観というものは好きではないし、政治を陰謀と結び付けて論じることは避けてきた。だが政治の中には機密という名において隠された部分があり、密約などの例があるように、見えないところで重大なことが運ばれることも知っている。さしてさらに政治的力は政治的主題や事柄とは関係のないところで働くことがある。関係のない事件や行動が政治的含みを持った行動であることがあり得る。ここでは想像力を働かせることが重要である(2010/09/12)


政治
現在に対する見識と構想を(2)”政敵追い落とし”と「政治と金」  三上治
  「小沢一郎議員を支援する会」というのがあり、僕は世話人の一人に名を連ねていて9月3日にちょっとしたシンポジウムをやった。これは検察審議会に対する疑念を検討し、質問状を出すために準備してきたのだが、民主党の代表選中ということもあって盛況だった。僕らはこの間の検察のありようを批判してきたが、今回の代表選挙でも依然として「政治とカネ」のことが問題になっているのでそのことをもう少し述べて置きたい。(2010/09/07)


政治
現在に対する見識と構想を(1)鳩山を突き動かしたものは何か  三上治
  猛暑日・真夏日・熱帯夜など暑さをあらわす言葉がテレビのキャスターから聞こえてくる。本来なら秋の気配が感じられる日々だがそれはない。民主党首脳には一足先に秋風が吹き始めているのだろうか。政権交代から一年しか経たないのに代表選挙というわけだ。でも、はじまったのだから彼らの政治的見識と構想を明瞭にして支持を得るしかあるまい。僕は小沢一郎を支持し彼の方に幾分かの期待をしている。この理由についてはこの論評の中でも明らかにしたい。(2010/09/06)


語学に再挑戦2        村上良太
何年か前、取材でワシントンDC郊外のホテルに宿泊しました。その時、衝撃を受けたのはホテルのスタッフが掃除のおばさんから、レストランのシェフ、給仕、フロントまで、ほぼ全員スペイン語を母語とする人々だったことです。その多くはエルサルバドルなど、中南米から働きに来ている人々でした。そこで、こう思わざるをえませんでした。「あと20年もしたら、スペイン語ができなかったらアメリカの取材は難しくなるだろう・・・・」(2010/08/17)


ボルネオ島からの手紙  木村哲郎ティーグ
  村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』に元兵士が過去を振り返る場面がある。『間宮中尉の長い話』だ。その中に次のような一節がある。『故郷の土地を守るためなら、私だって命を捨てても戦います。しかしこんな穀物ひとつ育たない荒れた土地のためにひとつしかない命を捨てるなんてまったく馬鹿げたことです。』(村上春樹、ねじまき鳥クロニクル(文庫版)、第1部、P266)。イラクにいた6年前、私はこの元兵士の言葉の意味を知った。(2010/08/15)


真夏の夜の空襲         村上良太
  ドイツ人が第二次大戦中に体験した空襲についてドイツの作家W・G・ゼーバルト(1944-2001)がすさまじい有様を書いています。「1943年盛夏、長びく猛暑のさなかに、イギリス空軍は応援のアメリカ第八空軍とともにハンブルクを連続爆撃した。<ゴモラ作戦>と称する作戦の目標は、市街を及ぶかぎり完全に潰滅させ、灰燼に帰せしめることだった。」(2010/07/08)


教育
語学に再挑戦       村上良太
中公新書 「「超」フランス語入門」を手に取ったときの感動と震えは今でも思い出します。著者は東京外国語大学教授の西永良成氏。僕がこの本で本当に感動したのはおよそ200ページの中のわずか2ページでした。それはこんな文章です。「e で終わっている単語の多くは女性で、それ以外が男性だということがわかるでしょう。」(2010/07/02)


社会科学者・高島善哉に今学ぶこと 激動の「昭和」を生き抜いた生涯 安原和雄
  ヨーロッパ近代の経済思想に学びつつ、激動の「昭和」を生き抜いて、日本独自の社会科学の構築に生涯をかけた社会科学者・高島善哉に今、遺された後世の我々が学ぶべきことは少なくない。そこに一貫しているのは、国家権力にそれなりの批判的な姿勢を持続させたことである。二つの具体例を挙げたい。一つは、あの戦時中、出陣学徒に向かって「生きて帰ってこい」と励まし、当時の潔(いさぎよ)く死を選ぶ「常識」に抵抗する姿勢を変えようとはしなかった。この反権力の姿勢は今のテーマに翻訳すれば、反「日米安保」に通じるのではないか。(2010/06/26)


中東
サダム・フセイン弁護団の思い出  村上良太
  サダム・フセインがまだ生きていた頃・・・・こう書くと、今ではもうずっと昔のことのように思われますが、あるきっかけでサダム・フセインを弁護する国際弁護団の取材をすることになりました。イラク戦争の翌年、2005年の夏のことで場所はヨルダンの首都アンマンです。(2010/06/25)


沖縄/日米安保/米軍再編
沖縄の基地問題をアメリカに学ぶ 2         〜 トーマス・ペインという生き方 〜  村上良太
  「地球上にアメリカほど幸福の可能性を秘めた国はない。アメリカの位置は、紛争の絶えない世界から完全に隔離されている。アメリカがそれらの国と関係を持つのは、ただ貿易だけだ。」(トーマス・ペイン著「アメリカの危機」)今、これを読むと、一体、どこのアメリカのことだ?と思うでしょう。(2010/06/15)

沖縄の基地問題をアメリカに学ぶ     村上良太
昨今、沖縄の基地の移設問題をきっかけに日米安保条約の是非について居酒屋などで一般人が盛んに論じている、といわれています。イラクではイラク戦争後すでに主権移譲がなされたのに戦後65年近く経ても未だ日本はアメリカの属国なのではないか。そんな怒りがその根底にあるようです。しかし、そもそもアメリカ人はその建国以来、自由とか独立を重んじていたのでは?そんなことを考えさせる一冊の本に出会いました。トーマス・ペイン(Thomas Pain1737-1809)の「コモン・センス(Common Sense)」です。この本は独立宣言が出された1776年に刊行され、アメリカで空前のベストセラーになったそうです。(2010/06/10)


電車の中で    村上良太
関東の私鉄電車に乗っていてヒヤッとする場を見ました。ドアが閉まり際にお年寄りが1人乗り込んできました。何とか無事に入れましたが、杖がドアに挟まってしまったのです。近くの人が手伝ってその杖を引き込もうとしましたが、努力も甲斐なく、電車は杖をはさんだまま走り出してしまいました。杖は窓の外に少なくとも50cm〜60cmぐらいは突き出していました。(2010/06/03)


社会
チャレンジ(挑戦)していく情熱 還暦女優・由美かおるの『青春』 安原和雄
  メディアの伝えるところによると、TBS系テレビドラマ「水戸黄門」で女忍者として活躍した女優の由美かおるが近くレギュラー役を引退する。今年11月に還暦(60歳)を迎えるというが、その彼女が引退記者会見で「生涯青春を突っ走っていきたい」とみずみずしい容姿を印象づけた。彼女にとって青春とは「チャレンジ(挑戦)していく情熱」だそうで、そういう生き方には大いにあやかりたい。希望を見出しにくいこの21世紀初頭にあって、青春、すなわちチャレンジ(挑戦)とはどういうイメージ、行動スタイルなのか、を考えてみたい。(2010/05/10)


健康人を増やす医療改革と健康教育 後期高齢者に辿り着いて想うこと 安原和雄
  高齢者を差別するのか、という批判が渦巻いている、あの後期高齢者に私自身もついに辿り着いた。やはりなにがしかの感慨を覚える。少年時代、病弱に苦しんだ体験から健康には人一倍関心が強い。高齢者になってもなお健康を維持するためには何が必要か。本人の心遣いという意味での自己責任はもちろんだが、これまでとは異質の医療改革と健康教育が不可欠である。医療改革では健康維持に努力している者が報われる「健康保険料の一部返還請求権」の新設、一方、健康教育では「いのちと食と健康」のあり方を三位一体式に捉えて小学生の頃から教育し、実践すること、などを提案したい。これは病人を減らし、健康人を増やす医療改革・健康教育にほかならない。(2010/03/13)


農と食
村には地下水が流れている  大野和興
  正月、締め切りがすぐ来るなあと気にしながらぼんやりとテレビの駅伝中継を眺める。走者が次々と画面に現れ、次の走者にたすきを渡して消えていく。(2010/01/01)


社会
作文「進化する親切」の波紋に期待 相手が喜ぶからこそ自分も楽しい 安原和雄
  新聞投書はよく読むようにしているが、最近は寒々とした光景、殺伐とした体験などをつづる投書が目立つ。現実の日常生活でも路上を歩いていて、あるいは電車の中で争いや乱暴な姿勢に出会うことが珍しくない。有り体にいえば、その背景には破綻したはずのあの新自由主義(=自由市場原理主義)路線の残影が色濃く浮き出ている。弱肉強食の争いの渦中で目先の私利、小利を追い求める自分本位の姿勢が目立つのである。しかし救い、希望がないわけではない。「小さな親切」作文コンクールで女子中学生が受賞した「進化する親切」は光っている。(2009/11/23)


社会
裁判員裁判、やっぱり、ほころびが出た   根本行雄
  静岡地裁浜松支部において、交際中の女性(当時46歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われた無職、松田孝一被告(50歳)の裁判員裁判で、10月29日、判決後に記者会見した裁判員4人全員が、再び裁判員に選ばれることに難色を示した。うち1人は「重要なところは裁判員の意見が反映されなかったと感じる」と評議の進め方に不満を述べた。こういう訴訟指揮に対する不満がいつか出てくるだろうと予想されていた。これからが裁判員裁判の正念場だ。(2009/11/07)


文化
イギリス、 図書館で電子書籍を借りる話   小林恭子
  英国のいくつかの図書館では無料で電子書籍を借りることができる。その結果、図書館の利用者が増えているという。まず、このサービスを提供する地元の図書館で名前を登録し、図書館のメンバーとなる。図書館内であるいは自宅で、その図書館のウェブサイトにアクセスし、自分のメンバー登録の数字を入力する。すると、選択した電子書籍をコンピューターにダウンロードできるようになっている。(2009/10/30)


《インターナショナルヘラルドトリビューンの論客たち》(1)  イラン抜きの中東の平和はありえないと説く<ロジャー・コーエン>  村上良太
  インターナショナルヘラルドトリビューン(以下ヘラトリ)は国際的な影響力を持つニューヨークタイムズ傘下の国際紙です。日本でも一部160円で売られています。ヘラトリには編集部が書く論説が2つと、寄稿者によるコラム・論説が6つほど毎日掲載されています。これから数回にわたって、論者一人一人の思想・傾向やプロフィール、そしてバックグラウンドなどに少しでも迫っていければと思います。第1回は、Roger Cohen (ロジャー・コーエン)。コーエンは最近精力的に執筆しているコラムニストです。特にイランの核開発問題にからむコラムを多数書いています。イランにはたびたび出かけて取材を行っているらしく、イラン大統領選挙後のデモ現場にも駆けつけています。コーエンはイランに一定の理解を示し、イランの協力をテコに中東に平和を打ちたてようと考えているようです。(2009/08/10)


文化
スーザン・ボイルさんへの過剰報道から考えるストリートカルチャー
(2009/06/10)


オーストラリア留学フェア 青い空と厳しい現実
  今月27日から、日本国内の4都市でオーストラリア政府主催のオーストラリア留学フェアが行われる。オーストラリアは教育大国として自国を売り込んでおり、世界各国からの留学生が大学などで学んでいる。(文と写真:木村哲郎ティーグ)(2009/05/26)


ペットとの別れ ― いのちと感謝 安原和雄
  久しぶりに会った学生時代からの友人Aが浮かぬ顔をしている。聞いてみると、「共に暮らしてきたペットのネコが最近あの世へ旅立った。いささかの寂寥感にとりつかれている」と胸の内を明かしてくれた。ペットとの暮らしについて彼が語ったところを紹介しよう。(2009/01/10)


除夜の鐘に思う ― 非暴力・平和 安原和雄
  知人の清水秀男さんから以下のような08/12月のメッセージ「除夜の鐘に思う」が届いた。「 煩悩、特に怨念について思いを巡らしてみました」とある。清水さんからは毎月メッセージをいただいているが、「除夜の鐘に思う」は年末年始にふさわしい内容なので、その大要を紹介し、末尾に私(安原)の感想を述べる。(2008/12/29)


【コラム】指紋を採る国「日本」を考える 来日しないという自由もあるが…
  今年4月1日。日刊ベリタに「来豪する日本人に対し、オーストラリア政府が指紋採取を義務付ける方針を明らかにした」という主旨のエイプリルフール記事を出した。これに対し、インターネット上のいくつかの日本語サイトでは、ジョーク記事に勘違いした多くの者が「嫌豪感情」を表明。「指紋を採るなど許せない」「オーストラリアには絶対に行かない」などのコメントが多く寄せられていた。ただ、これらのコメントの中に、日本政府が外国人に対し指紋採取を義務づけている事実を指摘した意見は皆無に等しかった。今月半ばまで4年半ぶりの日本を訪れた筆者も、日本入国の際に指紋を提供している。(豪アデレード=木村哲郎ティーグ)(2008/11/28)


人間性退歩の兆候 メラミン、無差別殺人、サブプライムローンに見る規制なき社会の危うさ
  先に「悪/政治/戦争/新自由主義とサイコパス」なる記事(日刊ベリタ2008.07.17)で、人間性が退歩しつつあるようだということを述べた。我々の毎日の生活は、人間が基本的には「善」を行うだろうことを前提として営まれている。例えば、普通は対向車線の車はこちらに飛び出してくることはないだろう;飲み水の水源に毒を入れるような人間はいないだろう、などなど。こういう前提を仮定できないとすると、日常の生活は恐ろしくて仕方がないであろうし、正常な生活は出来そうもない。残念なことには、こうした前提があまり確固としたものとして仮定できないような事象が最近非常に増えて来ている。メラミン、事故米、秋葉原での無差別殺人などなど。(バンクーバー=落合栄一郎)(2008/10/09)

日米安保体制解体を提言する 安保後の日本をどう築くか 安原和雄
  私は先日、「平和をどうつくっていくか」をテーマに講話する機会があった。その講話の眼目は「日米安保体制解体を提言する―安保後の日本をどう築くか」である。日米安保体制は軍事・経済2つの同盟の土台となっており、この日米同盟が「諸悪の根源」ともいうべき存在となっている。軍事面では日本列島は米軍の出撃基地になって、世界の平和を破壊しており、一方、経済面では市場原理主義路線によるいのち軽視、貧困、格差、偽装が日本列島上を覆っている。いずれも多くの国民にとっては巨大な「負の効果」であり、その元凶が日米安保体制である。(2008/09/20)


もし私が新首相に選ばれたら その時の「所信表明」の中身 安原和雄
  タイトルの「私が新首相に選ばれたら」の私とは、私(安原)というよりもむしろ多くの国民一人ひとりを指している。その私の心にある政治への期待、見解、希望を描いてみる。自民党総裁選後、新総裁が臨時国会冒頭で新首相に選ばれるのは間違いないだろう。所信表明演説の後、解散、総選挙になるのであれば、その所信表明の中身こそが総選挙の行方を決めるカギになるのではないか。その中身は私たちの期待や希望に十分応えるものになるのかどうか、そこが見どころである。(2008/09/10)


車依存型から脱出するには 洞爺湖サミット後の世界と日本 安原和雄    
  私は08年8月末日、「洞爺湖サミット後の世界と日本」というテーマで講話する機会があった。場所はアート、コンサート、会話を楽しめる小規模空間として人気を呼んでいるギャラリー&カフェ「space461」(広島県福山市芦田町、平田博康代表)で、車で30分もかかる近隣地区などから約30名が集合した。地球温暖化を防ぐ決め手の一つとして、過度に車(マイカー)に依存した車依存型からどう脱出し、改革していくかが中心テーマとなった。(2008/09/05)


日本柔道は「道」を失ったのか 過去最少のメダル獲得の背景 安原和雄
  毎日新聞は特集ワイド欄(08年8月25日夕刊・東京版)で「五輪と日本柔道」と題するテーマを取り上げている。北京五輪で、男女合わせて過去最少のメダル獲得数7個(金4、銀1、銅2)に終わった日本柔道。一本柔道は消え、「JUDO」に席巻されてしまうのか ― という危機感から組まれた特集である。日本柔道から「道」の精神が失われてきたと指摘されており、共感するところが多い。これは現世をどう生きるかという人生論でもあるので紹介したい。(2008/08/27)


悪/政治/戦争/新自由主義とサイコパス精神 ブッシュは一例、正常な「良心」が欠落
  人間は、根本的に「善」である、いや「悪」であるという議論はいつまでも解決を見ないようである。キリスト教では、人間は生まれながらにして「罪」を背負っている(原罪説;すなわち「性悪」説)としているし、日本文化では、どちらかと言えば「性善」説が信じられているようである。それは多分に仏教の影響によるものかもしれない。仏教では、人間には「業」があるが、それから解脱することは可能である;すなわち「性善」ではあるが,悪を犯し易いとする。(バンクーバー=落合栄一郎)(2008/07/17)


  • 2008/07/14 「メリーと雅子」なぜこうも違うのか


  • 消費者庁より生活者庁の新設を 「生活者」が主役を担う時代へ 安原和雄
      福田康夫首相の主導のもとで消費者庁を新設する動きが進んでいる。商品の安全にからむ事故が多発し、その犠牲者も少なくない。消費者は怒り心頭に発し、不安の中の生活を余儀なくされている。安全だけではない。「生活の質」をめぐる多様な問題が山積している。消費者庁の新設でこれらの課題に十分応えることができるのだろうか。消費者庁ではなく、生活者庁の新設こそ真剣に検討すべき時だと考える。消費者が主役の時代はすでに終わった。今や「生活者」こそが主役を担う時代である。消費者庁にこだわるようでは時代感覚がずれている。(2008/06/25)


    人類の未来と科学技術と一般教育と 宗教者の「環境・平和」提言への私的補足
      以下は、筆者が1999.05.14に、「高等教育フォーラム」に投稿した文章を現在に適合するようにわずかに改訂したものである。これは、先の安原氏による「宗教者」の提案に関する記事の補足的な意味で、ここに提起する。「宗教者」の提案が、精神面を強調した(筆者もそれには賛成であるが)のに対して科学・技術が今後の人類に何を貢献出来るかを問うものである。人類が直面する問題にはどんなものがあるだろうか、それに対して科学技術は何が出来るか、そして教育はなにが出来るだろうかを考えてみたい。。(バンクーバー=落合栄一郎)(2008/06/21)

    環境
    今がピークオイルの真っただ中? 気候変動めぐる国際会議からの報告
     日本ではガソリンの値段が1リットル170円を超えた、とネット新聞で読んだ。ここアメリカでもガソリン価格が上がり続け、1ガロン(約3.8リットル)4ドルの時代についに突入した。テレビニュースにチャンネルをあわせれば、ガソリンスタンドで不平不満をぶちまける人びとの映像が、繰り返し流されている。1999年に、1ガロン1ドル以下になったこともあるガソリン価格は、2004年にはじめて2ドルを越え、2007年の11月から、ずっと3ドル台を推移していた。(TUPエッセイ本文から)(2008/06/10)


    「もったいない」を生かす時 船場吉兆の廃業から学ぶこと 安原和雄
      高級料亭「船場吉兆」がついに廃業に追い込まれた。客が残した料理を歪められた「もったいない」精神から別の客に回していたことが発覚したことがきっかけとなった。消費者軽視の表れ、という声もあり、決して褒めた話ではない。しかし「もったいない」精神を蔑(ないがし)ろにする行為、事例は身近な暮らしから国の政策に至るまで日常茶飯事に発生している。船場吉兆を非難して、事足れり、と自己満足しているようでは、やがてわが身に災難となって降りかかってくるだろう。船場吉兆の廃業から学ぶべきことは何か。この機会に「もったいない」精神をどう生かすか、そのためにはどこにメスを入れたらよいのかを改めて考えてみる。(2008/06/07)


    宇宙基本法の危険すぎる路線 新たな軍拡競争と巨額の浪費 安原和雄
      宇宙の軍事利用を進める宇宙基本法が自民、公明、民主の3党の賛成多数で08年5月21日、参院本会議で成立した。反対したのは日本共産党と社民党である。この宇宙基本法の成立が意味するものは何か。宇宙開発のあり方が従来の平和利用から軍事利用へと質的に転換していくことである。この危険すぎる路線がもたらすものは、宇宙における新たな軍拡競争であり、そのための巨費の浪費である。地上での道路などへの税金の無駄遣いに飽きたらず、今度は天上にまで無駄遣いの宴(うたげ)を広げるつもりなのか。(2008/05/31)

    捕鯨問題
    窃盗による告発は許されない グリーンピースによる鯨肉告発問題を考える
      日本の各メディアが報じている通り、調査捕鯨による副産物である鯨肉の乗組員による横領が環境保護団体グリーンピースにより明らかにされた。同団体が調査捕鯨を実施する共同船舶社のユニフォームを着ている関係者から入手した情報によると「家を建てるくらい」の量の横領もあったという。物的証拠が出てきている現在、乗組員による鯨肉の横領、つまり乗組員による鯨肉の窃盗があったことは、捕鯨関係者が隠すことのできない状況になっている。ただ問題は、グリーンピース側による鯨肉の入手方法だ。グリーンピースは西濃運輸が運んでいた鯨肉を配送所から窃盗し、それを物的証拠にあげた。つまり窃盗品を窃盗したのだ。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2008/05/25)

    21世紀版・小日本主義の勧め 今、石橋湛山に学ぶこと 安原和雄
      第二次大戦前から「大国主義」を捨てて、その代わりに「小日本主義」への転換を唱えたことで知られる石橋湛山は戦後、首相の座を病のためわずか2か月で去らざるを得なかった「悲劇の宰相」ともいわれる。その湛山がいま、もし健在であれば、日本が選択すべき針路としてどういう構想を提示するだろうか。やはり21世紀版「小日本主義」を勧める構想以外には考えられない。敗戦直後の改正憲法案の9条(戦争放棄、軍備及び交戦権の否認)をみて「痛快きわまりない」と叫んだ湛山である。その湛山に学びながら、21世紀版「小日本主義」の構想について憲法の平和理念をさらに発展させ、具体化させる方向で考える。(2008/05/17)


    憲法9条、世界遺産に登録 市民団体10年越しの夢、実る 安原和雄
      画期的な大ニュースが飛び込んできた。平和憲法9条が世界遺産に登録されたというのである。これは政府の努力による成果ではなく、市民団体の10年越しの夢が実ったものである。東京新聞など一部のメディアは早速紹介しているが、どういうわけか大手メディアは報じていない。市民メディアの『卯月新報』号外(2008年4月1日付)がくわしく伝えているので、要旨を以下に紹介したい。(2008/04/10)


    サブプライム問題と米帝国の終末 「リベラル21」での論議から 安原和雄
      アメリカのサブプライム・ローン問題は結局のところ何を意味するのか。不動産バブル崩壊から始まった今回のサブプライム・ローン(信用力の低い個人向け住宅融資)の破綻は単に信用・金融の破綻にとどまらない。マネーゲーム型資本主義、新自由主義経済路線の行き詰まりとその病根をあらわにし、世界的な株安、ドルの大幅安(1ドル=100円の大台割れ)を招いた。そのうえ覇権主義をめざす「アメリカの時代」、「アメリカ帝国」そのものの「終わり」という展望にまで広がってきている。 (2008/04/06)


    道路特定財源論議の盲点をつく 脱「車」、脱「道路」の設計を 安原和雄
      道路特定財源の一般財源化、暫定税率を維持するか廃止するか―をめぐる国会論議は、政府・与党と野党との対立が解けないまま3月末でひと区切りとなる。しかしこの国会論議では肝心のテーマが盲点となってはいないか。それは脱「車」、脱「道路」をめざすという挑戦的な課題である。ガソリンで走る車中心の交通のあり方には石油資源不足のため限界がみえてきた。車のための際限のない道路づくりも過剰投資の浪費を背景に批判が高まってきた。目先の税制問題を超えて長期的視野から、脱「車」、脱「道路」の設計図をどう描くかを急ぐときである。日本列島各地の動向にも目を配りながら、新しい設計図を描いてみる。(2008/03/31)


    日銀総裁空席は「深刻な事態」か 新総裁に必要な資質を提案する 安原和雄
      日銀総裁のいすが戦後初めて空席となって「深刻な事態」と大騒ぎである。日銀の福井俊彦総裁らが2008年3月19日任期満了となるのに伴い、後任候補として政府は、武藤敏郎日銀副総裁、さらに田波耕治国際協力銀行総裁を提示したが、2候補とも野党が多数を占める参院で不同意となったからである。しかしここは冷静に対応したい。むしろ好機と捉えて、新総裁にふさわしい人物論を考えるときであろう。私は最低必要な資質として、経済倫理観を身につけていること、経済や暮らしに混乱と破壊を招いている新自由主義路線(=市場原理主義)に一定の距離を置くことができること―の2点を挙げたい。(2008/03/21)


    米国とは距離をおこう オバマ候補に真の「変革」を期待できるか? 落合栄一郎
      先頃から、米国の帝国主義/好戦性の全体像をこの欄で略述した(日刊ベリタ2007.12.13、2008.01.08、2008.01.05)。日本は、現在アメリカの政治、軍事、経済的(その他の文化も含めて)影響を非常に強く受けており、少なくとも政治に携わる人々はそれを歓迎していて、日本はアメリカの実質的な属国となっている。もう一度、アメリカの問題点を考え直して、日本の皆さんにアメリカへの追随を止めてほしいと念願するものである。アメリカ的文明は、遅かれ早かれ、地球文明から消滅せざるをえないものである。(2008/03/03)


    自衛隊は生命、財産を守るのか イージス艦「あたご」の廃艦を 安原和雄
      海上自衛隊のイージス艦が漁船に衝突し、漁師の父子2人が行方不明になった事件は大きな波紋が広がっている。父子は行方不明のままで地元の漁協など関係者は2月25日捜索を打ち切らざるを得なくなった。この機会に自衛隊は本当に「国民の生命と財産を守ること」を任務としているのか、を考えたい。さらに衝突事件を起こしたイージス艦「あたご」の防衛上の役割は何か。「あたご」は必要な兵器なのか。廃艦にすべし、という説も飛び出していることを紹介したい。(2008/02/28)


    三浦元社長の逮捕は国際人権規約違反 日本メディアは「容疑者」扱いもやめよ
      三浦和義元社長のサイパンでの逮捕をめぐり、日本のメディアは集中豪雨的な報道を続けているが、日本も米国も批准している国際人権規約に違反していることについては、ほとんど触れられていない。国際人権規約14条7項には、「何人も、それぞれの国の法律及び刑事手続に従って既に確定的に有罪又は無罪の判決を受けた行為について再び裁判され又は処罰されることはない」との一事不再理の原則が明確に書かれている。(稲元洋)(2008/02/27)

    いのちの外国依存は危険だ! 食と安全保障の自立を求めて 安原和雄
      中国製ギョーザによる中毒事件、沖縄での米兵による少女性暴行事件、そして海上自衛隊イージス艦が漁船に衝突し、漁師の父子2人が行方不明になった事件―大きな衝撃を与えたこの3つは、関連のない別々の事件のように見えるが、実は深部ではつながっている。その背景にある共通項は、何にもまして大切な日本人のいのちを外国に頼るという自立性を失った依存型政治経済構造である。この歪(ゆが)められた危険な構造に着目し、食と安全保障の自立をどう実現していくのか、いいかえれば「いのちの安全保障」を国民の手に取り戻すことができるのか、を問う時である。(2008/02/22)


    山坂多い人の世と「平和論」 百歳近いご老体の人生に学ぶ 安原和雄
      近隣の寿司屋さんで貰った「人の世は山坂多い旅の道」と題する一枚の文面を紹介しよう。あの世から迎えが来たら、「まだまだ早い」などと答えてみてはどうか、という含蓄に富んだ文言が並んでいる。これは長生きのすすめである。誰しも長生きは望むところだが、問題は我が人生をどう生きるかである。百歳近いご老体の「平和の道」を求める人生行脚に学びたい(2008/02/16)


  • 2008/02/05 


  • ミライ・ナガス選手のアイデンティティは米国、「日本代表」は期待薄
      フィギュアスケートの全米選手権は1月26日、ミネソタ州セントポールで行われ、初出場のミライ・ナガス(14)が優勝した。大会史上2番目の若さでの優勝でもあり、全米メディアはその快挙を大きく伝えた。日本でも米国と同じようにメディアが注目したが、「両親が日本人」、「日米両国の国籍を持つ」などと独特な視点での報道が目立ち、ナガスが日本を代表して国際試合などに参加する可能性まで示唆している。移民の国である米国で生まれた一米国人選手を、日本メディアは素直に一米国人だと認めることが出来ないのだろうか。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2008/02/04)


    冷水摩擦でカゼを退治しよう 健康のすすめとニッポン改革 安原和雄
      詩的感覚のゆたかな人は春の訪れが間近いと感じているとしても、日常の生活実感としては厳冬の最中である。風邪でお困りの方々も多いと思うので、この機会に冷水摩擦という私の体験的健康法を披露し、風邪を退治しようと呼びかけたい。同時に一人ひとりが健康で過ごすにはどうしたらよいか、それにはどういう医療・社会改革が必要なのかを考え、提案したい。(2008/02/04)


    捕鯨問題
    あなたはオーストラリアを知っているのか ユーチューブ「白豪主義オーストラリアと反捕鯨」作者に問う
      南半球の夏は私にとり憂鬱な季節だ。日本はオーストラリアの南にある南氷洋に捕鯨船団を送り、それを調査捕鯨だと正当化し主張。オーストラリアは日本の捕鯨が実質的な商業捕鯨だと批判する。私は環境と人道の立場から日本の捕鯨を論理的に否定しているが、捕鯨問題には感情に流され私見を垂れ流す者が少なくなく、オーストラリア、日本の双方からお互いを罵る言葉を聞くことになる。世界的にここ数日注目を浴びているユーチューブの「白豪主義オーストラリアと反捕鯨」も例外ではなく、オーストラリアを強く感情的に批判している。そしてこの動画の作者はオーストラリアに対する知識が希薄であることから、いくつかの疑問点がある。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2008/01/15)

    今こそ「生活者主権」の確立を 「生活者、消費者が主役」とは 安原和雄
      福田首相は、1月4日の年頭記者会見で「生活者、消費者が主役に」と語った。首相発言の真意は今ひとつ不明だが、首相の発想自体は悪くない。貧困層が増えるなど国民生活が混乱、不安に陥っている今こそ「生活者を重視する生活者主権」の確立を求めるときだと考える。あのバブル経済が崩壊した1990年代の初頭に政府が「生活大国計画」を打ち出し、また首相が「生活者主権の確立」を唱えたこともある。生活者、生活者主権とは何を意味しているのか、この機会に生活者主権のあり方を提案したい。(2008/01/10)


    日本国という宗教 生きる拠り所を見失う人びとへの再布教の危険性 落合栄一郎
      日本と周辺国との歴史には、近代以前は、元帝国(モンゴール)による2回にわたる日本侵攻の試みがあり、戦国時代後半秀吉が明帝国攻略を意図して朝鮮へ2回にわたり出兵したなどがあったが、古代には、中国、朝鮮との交流は盛んであり、特に日本による彼の地の文化/文明の摂取は日本の歴史形成に大きく貢献した。すなわち、秀吉の試みを除けば、江戸時代末まで、周辺国とはかなり友好的な関係が保たれたようである。中国は、その中華思想に基づいて、日本を遇していたとしてもであるが。しかし、明治維新以来日本は周辺国への侵略者になってしまった。(2008/01/10)


    アメリカ帝国主義の一形態―「エコノミックヒットマン」の物語― 落合栄一郎
      先に「アメリカの帝国主義的心情と戦争意識」(*関連記事)でアメリカが中南米諸国などで、武力によって政府転覆などを試みて来たことを例をあげて述べた。武力によらない、帝国主義的外国支配も種々試みられてきた。ここではその一端を紹介する。これは、エコノミックヒットマンという人々が中心になって、国際金融機関(IMF)や世界銀行(WB)を介して発展途上国を経済的に縛り付ける─いわば植民地化するやりかたである。こういうヒットマンの一人であるジョン・パーキンスという人がその活動を暴露した「エコノミックヒットマンの告白」(注)という本から、そのやり方を紹介する。(2008/01/05)

    「義」を期待できるか08年 「偽」に明け、暮れる07年 安原和雄
      波乱に満ちた2007年は「偽」に明け、「偽」に暮れようとしている。この「偽」にまつわる感想を多くの人からいただいた。友人の清水秀男さんから定期便(月1回)のメッセージ(07年12月分)が届いた。「一年の世相を表す〈今年の漢字〉に選ばれた〈偽〉の問題を私自身の反省もこめて取り上げた」と書いてある。もう一つは、日本経営道協会代表 市川覚峯さんからの「覚峯メッセージ」で、「今年を表す言葉、"いつわり瓩蓮日本として恥ずかしい。残念な事」とある。どちらも「偽」にかかわる示唆に富んだ一文なので、以下に紹介する。来年08年は「偽」ならぬ「義」を取り戻すことはできないだろうか。そういう期待を込めて一年を振り返る。(2007/12/28)


    MD「成功」こそ最大の「偽」 国民に大重税を強要する計略 安原和雄
      一年の世相を表す恒例の「今年の漢字」に「偽」が選ばれた。今年ほど政府、企業によるごまかし、偽装、悪質な手抜きが氾濫した一年がかつてあっただろうか。その最後に登場した今年最大の「偽」として日本の海上自衛隊による初のMD(ミサイル防衛)実験の「成功」を挙げたい。防衛省は「成功」をはやしているが、技術的に仕組まれた「成功」ではないかという疑問が残る。その上、この「成功」に浮かれていると、気づいたときは、時すでに遅し、で国民は大重税にあえいでいるという偽計に陥っている懸念がある。(2007/12/24)


    台頭するローカリゼーション 経済グローバル化への果たし状 安原和雄
      ローカリゼーション(地域第一主義)という名の新しい挑戦が日本を含めて世界中で台頭し、広がりつつある。これは経済のグローバル化(世界化)への対抗軸として、グローバル化が生み出す弊害を克服するために市民たちが突きつけた果たし状ともいえる。ローカリゼーションが目指すものは何か。その実践はどこまで進んでいるのか。リーダー役を果たしている2人の女性活動家の見方、主張、実践を追った。これは「世界を壊していくグローバル化」(07年12月13日掲載)の続編である。(2007/12/21)


    農薬、放射能、そして癌 本物のグローバリストの警告 カーソン生誕100年、再読「沈黙の春」
      「私たちの住んでいる地球は自分たち人間だけのものではない」。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」の最終段落の一節である。今年5月27日は、レイチェル・カーソンの生誕100年であった。4年の年月と自らの生命をかけ、1962年に出版された「沈黙の春」は、当時、農薬の空中散布により大きな被害を出していた米国だけでなく、日本も含む農薬の怖さを認識せずに大量使用していた国々で翻訳され、大きな反響を呼んだ。本来、海洋生物学者であったレイチェルがなぜ「沈黙の春」を書いたのか、鳥の鳴かない春の寓話に始まり、「別の道」で終わる「沈黙の春」を今一度、読み直してみたいと思う。(加藤〈karibu〉宣子)(2007/12/14)


    アメリカの帝国主義的心情と戦争意識(上) 落合栄一郎(バンクーバー九条の会)
      現在アメリカ合衆国はこの地球上の唯一のスーパーパワーである。そして良い意味でも悪い意味でもアメリカの動向は世界を動かす。2001年9月11日の事件以来、特にテロとの対決という半永久的戦争に世界を巻き込んでいる。特に、日本の現政権はその影響を非常に強く受けているし、アメリカとの絆を更に強めつつある。この時にあたり、アメリカの本質的なものを再検討することは重要であると思われる。(2007/12/08)


  • 2007/12/01 


  • 運命を分けるものは? 在日ビルマ人社会の不安と動揺 シュエバ(田辺寿夫)
      2007年11月7日、Tさん一家は港区港南にある東京入国管理局へ出頭した。在日ビルマ(ミャンマー)人であるTさん(46歳)と奥さんのSさん(44歳)、それに息子のNさん(21歳)の3人である。SさんもTさんもビルマ中部の古都マンダレーの出身である。2人は1984年にビルマで結婚しNさんは1990年に、Sさんは1991年にそれぞれ来日した。2人は多くの外国人がそうであるように短期滞在ビザ(90日)を延伸することなく日本の飲食店などで働きつづけた。滞在期限はとっくに超過したオーバーステイであり不法就労者でもある。(2007/11/30)


  • 2007/11/26 


  • 防衛利権の構造的巨悪にメスを 軍需専門商社元専務らの逮捕で 安原和雄
      東京地検特捜部は07年11月8日、軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)=日本ミライズ前社長=らを業務上横領などの疑いで逮捕した。防衛利権をめぐる疑惑にどこまで捜査の手が及ぶかが注目されるが、防衛省と特定の軍事関連企業との疑惑に視野を限定すべきではないだろう。今こそその底に潜む「政軍産官複合体」という構造的巨悪の存在に「市民の視点」で目を光らせ、メスを入れるときである。日米安保=軍事同盟を支える政軍産官複合体を聖域視する時代は終わりつつある。(2007/11/10)


    農業と平和は切り離せない 花の種を焼かれ、桑を引き抜かされた時代があった 大野和興
      日本がアジアを侵略したりアメリカと戦争をしたりしたことなど知らない世代が増えた。ぼくは大学などでパートタイムの教員として農業関連の講義をすることがあるが、どんなテーマのときにも必ず学生たちに話すことがある。それは、農業と平和は切り離せない関係にあるということだ。アジア太平洋戦争の真っ只中、花づくりやリンゴ栽培が非国民として時の政府によって糾弾され、桑を引き抜かされてイモやムギを植えさせられた記憶が、日本の農民にはある。戦争は百姓を兵隊に引き抜いたばかりでなく、作る自由さえ奪ったということを話しても、信じられないような顔をしている。(2007/11/08)


  • 2007/11/06 
  • 2007/11/03 


  • イラク戦へ流用疑惑  「インド洋給油」の徹底解明を 池田龍夫(ジャーナリスト)
      福田康夫新政権の誕生から1カ月余。新聞各紙は「劇場政治」から脱皮して地味で落ち着いた政権に戻ったことを評価しつつも、「新政策展開の具体性に乏しい」と、一様に論評していた。とにかく、年金・医療・教育・政治資金問題などのほか、外交・防衛をめぐる諸懸案が山積している。今月号では、当面の「テロ特別措置法」(11月1日で期限切れ)の動向に絞って考察を試みたい。「テロ特措法」については、9月号本欄でも取り上げたが、隠されていた実態がその後次々明るみに出てきており、それらの情報を踏まえて、問題点を指摘したいと思う。(2007/11/01)


    「ごまかし」満載の日本列島 根因は憲法と日米安保との矛盾 安原和雄
      メディアは連日のように相次ぐ官民のごまかし、偽装を伝えている。「ごまかし」満載の日本列島 ― といっても決して誇張ではない、目を覆いたくなるほどの乱脈ぶりである。なぜこれほどのごまかしが広がってきたのか。その根因を探し求めていくと、見えてくるのは、平和憲法体制を掘り崩していく日米安保体制の強化である。その矛盾を覆い隠すかのように黒を白と言いくるめてきた歴代保守政権の曲がった姿勢が浮かび上がってくる。この憲法体制と安保体制との矛盾を是正しないで官民のごまかし、隠ぺいを根絶する妙手は期待できないのではないか。(2007/10/28)


    米国民主主義の崩壊 「大統領府によるクーデターが進行」と市民メディアが警鐘 落合栄一郎
      現状のアメリカは民主主義の崩壊としか表現しようがない。アメリカのオールタナテイヴメデイアの一つ、AlterNet2007.10.23は「大統領府によるクーデター(武力によらない)が進行しつつある」と表現している。分立した3権のうち、立法府が弱体化、司法はすでにかなり長い間骨抜きにされていて、行政府(大統領府)が思いのままに政策を進めている。過去数年のうちに国会を通った法規のうち1、000件を越すものに、大統領が付記して(殆ど大統領の恣意で)場合によっては法規に拘束されないとしている。(2007/10/25)


    正しい「もったいない」精神を 老舗「赤福」の不祥事に考える 安原和雄
      企業の不祥事が相次いでいる。最近耳目を集めたのは、創業300年の歴史を誇る餅菓子の老舗「赤福」(本社・三重県伊勢市)が売れ残り商品の製造日偽装問題で本社工場の無期限営業禁止処分(07年10月19日)となった不祥事である。回収品の再使用などのルール違反をつづけていたもので、社長は「もったいない」をその理由に挙げている。しかしこれは「もったいない」精神の無理解のうえに立った誤用である。本来の正しい「もったいない」精神は、どういう意味かを改めて考えさせる不祥事といえよう。(2007/10/21)


  • 2007/10/08 


  • 人生初期の洗脳—その種々相 間違った世界観はいかに植え付けられるのか 落合栄一郎
      子供の脳は、基本的配線以外は、誕生後の一瞬一瞬に受容するシグナルに基づいて配線される。母親とその愛の認識から始まって、すべての経験が脳に記録され、それに基づいて作られるニューロン間の配線が、外からのシグナルへの反応も形作る。人間の通常の生活環境で作られるこうした配線は、人間生活での行動に必要な脳活動を保証するように出来ているようである。それはしかし、新生児/幼児/学童期に正常な環境にあることを前提にしている。理性、分析力などはそれまでに形成された種々な脳能力の総合として前頭葉部位に徐々に作り上げられる。しかし、理性、分析力、判断力、総合力といった上位の脳能力は、成長期18才位までには十分には発達しないようである。したがって、理性、判断力などが十分に形成される以前に脳に植え付けられた考え方、思想などは、たとえ不合理、不正確であろうと後になって変えることは不可能ではないらしいが、非常に難しい。このことを、ある種の大人達は、自分達に好都合な人間を育て上げるのに利用している。(2007/09/12)


    原爆と靖国─被害と加害 関千枝子(ノンフィクションライター)
      夏になり、夜明けが早くなるころになると、夢を見る。少女の声が私を呼んでいる。「富永さーん(私の旧姓)」。為数美智子の声だ。まだ夢の中にいながら、私はこれが夢であることを知っている。そして多分、死ぬまでこの声が耳から離れないことも。原爆の生き残りは、自分たちが命を永らえたことを「すまない」という。自分が原爆を落としたわけでもないのにと思いながら、やはり「すまない」という。私は当時広島県立第二高等女学校二年生。クラスは、爆心地から一キロ強の雑魚場町(市役所裏)の疎開地後片付け作業に行き、被爆、全滅した。(2007/08/26)


    知足と簡素な生活のすすめ  脱「経済成長」が時代の要請 安原和雄(仏教経済塾)
      私(安原)は07年7月23日、日本プレスセンタービル(東京都千代田区)内で開かれた「仏教経済フォーラム」定例研究会で「知足と簡素な生活のすすめ」と題して講話を行った。安倍首相は今回の参院選で「成長を実感に!」などと相変わらず経済成長主義に執着しているが、経済成長によって資源エネルギーを浪費し、地球環境の汚染・破壊をさらに進めていくことはもはや許されない。ゼロ成長でもよし、と考える脱「経済成長」こそが時代の要請であることを強調したい。(2007/07/26)


    ベジタリアンとファッション 皮革製品が殺す10億の動物
      英語のベジタリアンという言葉は日本語ではカタカナ表記されることが多いが、「菜食主義」という漢字を使った日本語訳もある。筆者はこれまで、菜食主義が水問題など「環境にも優しい」点を説いてきた。だがベジタリアンにとり一番の関心事は、やはり、命を大切にすることだ。多くの人間は、食事だけでなく服飾や家具においても皮製品などを使用し、命を粗末に扱っている。オーストラリアのファッション誌「YEN」が最新号で服飾などに関するベジタリアン哲学を特集した。その内容を紹介する。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2007/07/05)

    世界に軍隊の無い国はあるの? 落合栄一郎(バンクーバー9条の会)
      日本国は憲法の建前上は、軍隊がないことになっています。皆さんご存知のように、現実には事実上の軍隊=自衛隊があり、その規模は世界でも有数の大きいものです。現在、日本政府与党は、憲法(9条)を改定して、これを本当の軍隊にし、堂々と国外にも派兵しようとしています。憲法9条の精神は、国際紛争は武力によらず話し合いで解決すべきであり、日本はそうするというものです。したがって、軍隊は持たないと宣言しています。多くの人の懸念は、外国が攻めて来たとき、軍隊がなくてどうして防御できるのかということのようです。軍隊がなくて国家が成り立つのだろうか。実は軍隊をもたなくとも国は成り立ちうるのです。世界には軍隊を持たない国がすでに27カ国もあるのです。(2007/06/28)


    菜食主義での育児は「殺人」か 米国の事件から考える
      米国アトランタに在住するヴィーガン(乳製品や卵も食さない「完全菜食主義者」)のカップルが生後6週間のわが子を餓死させたとして、アトランタの高等裁判所は5月9日、「殺人罪」を認定、2人に終身刑を命じた。ニュースは日本でも報じられたが、このカップルがわが子を病院へ連れて行くことを拒んだ虐待の事実などは伝えず、菜食主義の危険性がダイレクトに強調された報道内容になっていた。では実際、菜食主義は育児にとり危険な行為なのだろうか。検証してみたい。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2007/06/22)

    アジア映画共同製作ブームの火付け役は日本 深化への期待高まる
      漫画やアニメ、コスプレ、カラオケなど日本が発信源となり東南アジアに広がった文化は数々ある。ホラー映画もそのひとつで、火付け役となったのが中田秀夫監督の「リング」(1998年作品)である。その後、米国リメーク版も製作され、「呪怨(英題:グラッジ)」や「仄暗い水の底から(英題:ダーク・ウォーター)」といった作品も飛び出している。(クアラルンプール・和田等)(2007/06/19)

    財界人の戦争・平和観を追う 侵略戦争を認識した村田省蔵 安原和雄(仏教経済塾)
      安倍晋三政権は憲法9条(戦力不保持、交戦権の否認)を改悪し、「戦争のできる国・日本」を目指しており、それを経済界のリーダーである財界人の多くも支持している。しかし当の財界人たちがどのような戦争・平和観を抱いているのか、ほとんど語られることもないまま、財界には「憲法9条改正」は当然という空気が高まっている。半澤健市著『財界人の戦争認識―村田省蔵の大東亜戦争』は、日本海運界のリーダーであり、大東亜戦争を支えた村田省蔵という財界人が、戦後どのようにしてあの戦争を侵略戦争だったと認識し、平和志向へと転換していったかを追跡している。同著作を手がかりに財界人の戦争・平和観を考える。(2007/06/16)


    「憲兵隊」を持つに至った自衛隊 軍による国民監視が始まった
      自衛隊はとうとう旧日本軍なみの「憲兵隊」を持つに至ったようだ。6日に日本共産党が入手してメディアに公開した「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」などと題した陸上自衛隊の内部文書は恐るべき内容だ。全国41都道府県の289団体・個人に関するビラまき、集会、講演会などの情報が166ページの文書の中に詳細に書かれている。作成した「情報保全隊」の本務は、軍事上の秘密保持のための隊員の監視、施設襲撃対策だが、どうみてもその本務を超えている。反戦・非戦や平和を訴える集会やデモなどには、自衛隊の「スパイ」が必ずやってくる―。国民が「軍」に監視される時代になったのだ。(河合敦)(2007/06/07)


    米国政治の再生は可能か イラク撤退期限なしの予算案通過の背景 落合栄一郎
      ついに、アメリカ国民の多くの反対にも拘らず、民主党がブッシュ大統領に屈して、軍事補正予算案が大統領の主張通り、イラクからの軍隊撤退の期限付きなしで米議会を通過した。民主党は、この軍事予算を完全にカットすることも比較的容易に出来たはずなのに、である。なぜなのか。このようなアメリカの政治体制はどのようにして出来し、これを変えることは可能なのだろうか。(2007/05/27)


    ベジタリアンへの理解なき先進国 日本における菜食主義者の苦悩
      日本は先進国で唯一、ベジタリアン(菜食主義者)であることが、環境問題などに対して倫理的な選択の一つであることが理解されない国だ。ベジタリアンの米国人英語教師の日本での苦悩が、在日外国人向けのウエブ・サイト(The Foreigner)で綴られている。彼女の同サイトへ投稿を紹介、日本文化とベジタリアン問題を考えた。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2007/05/08)

    軍隊はやはり捨てられませんか 米日両国首脳にサルから遺憾の告発状 安原和雄
      今回は一風変わった趣向である。サル社会のサル太君からブッシュ米大統領と安倍日本首相に対する要望書が届いたので、仲介役としてここに紹介したい。その趣旨は「人間様はサルよりも上等だと思っていたが、そうでもないらしい。その上等でないところは、米国を例に挙げるまでもなく強大な軍事力を行使して、世界を混乱と破壊に追い込んでおり、それに日本が追随していることです。米日両国首脳殿、軍隊はやはり捨てられませんか」と遺憾の意を表している。これは広く人間社会への、特に日米両国首脳への一種の告発状ともなっている。(2007/04/29)


    なぜ現米大統領は中東戦争継続に固執するのか—キリスト教右派の終末思想との関連 落合栄一郎
      2006年の中間選挙で、米国民はイラク戦争反対の意志を表明した。にも拘らず,ブッシュ大統領は頑に中東戦争継続に固執している。先に「アメリカの戦争意識と平和運動と平和憲法」(2007/2/16)なるコラムにおいてアメリカの現在の政権が遂行している戦争—特にアフガニスタンとイラク─についての彼らの意識と動機をかいつまんで議論した。要点は、(1)石油企業/軍需産業などの利益獲得意識,(2)イスラエルのザイオニストによるアメリカ政治上層部操作、(3)キリスト教右派の終末意識の三つである。再び(3)を取り上げてもう少し掘り下げてみたい。日本の皆さんに、アメリカのやることに唯々諾々と追従することの間違いに気がつき、そして、憲法を改定してまでそのようなアメリカと行動を共にすることが、日本を不本意な戦争に巻き込む危険性を理解して欲しいと念願するからである。(2007/04/29)

    人間の幸せか、景気動向か 財界人と企業人の器量の差 安原和雄(仏教経済塾)
      朝日新聞(永田稔記者、2007年4月18日付)は経済小説の分野で異色の直木賞作家であった城山三郎氏(3月79歳で逝去)を悼んで、財界人らの回想記を織り込んだ特集記事を組んだ。その趣旨は、真の財界人なら「人間の幸せ」のために行動すべきだが、昨今の企業人は「景気動向」しか視野にない、本来あるべき「経営者の志」はどこへ行ったのか、が城山氏の問いかけであった。同じ経営者でも、財界人として評価されるためには、器量(その地位にふさわしい能力や人徳)が備わっていなければならない。ところが、目先の小状況しかみえず、器量が乏しいのは、ただの企業人にすぎない―が城山文学の基調ではなかったか。(2007/04/19)


  • 2007/04/18 


  • 「利潤という利己的遺伝子」の放棄は可能か 地球と人類の存続のために 落合栄一郎(化学者)
      R.Dawkinsが唱え始めた「利己的遺伝子」という概念がある。それは遺伝子というものは自己の再生産のみを追求する利己的なものであり、それによってすべての生物進化や多くの生物の挙動が説明されるというものである。これは生物の基本的性格である自己再生産が、自己の存在と継続にとって必須であることに基づいている。自己再生産がなければ、その生物は死に絶えてしまうからである。すなわち生き続ける生物は存在しなくなる。したがって、遺伝子は利己的にならざるをえない。もちろん遺伝子そのものが、意識的に利己的であるという意味ではない。現在の社会/環境問題の多くは「利己的遺伝子たる利潤」なるものの追求に起因する。(2007/04/12)


    バンコク、シンガポールに進出したメイド喫茶、ビジネスに2分化傾向
     東京・秋葉原を発祥の地にしたメイド喫茶を中心としたメイド・ビジネスが東南アジア地域にも広がっている。シンガポールやタイ・バンコクにメイド喫茶が開店したのはその一例だ。そこでメイド喫茶やメイド・ビジネスの分析を試みてみた。(クアラルンプール=和田等)(2007/04/10)


    財界人の品格度を採点する 危うさ示す「御手洗ビジョン」  安原和雄(仏教経済塾)
      最近「おねだり財界人」という批評が広がりつつある。企業人としての立場からビジネスや企業競争力強化のための施策を政府におねだりするという意味である。同時に「おごる財界人」ともいわれる。多くの国民を踏み台にして企業利益の追求に余念がない、というほどの意味であろう。それぞれ一面の特質を指摘しているが、これに加えて私は危険な路線を選択する「危うい財界人たち」と言いたい。リーダーにふさわしい品格はどこへ? という想いさえつのってくる。財界総本山の日本経団連(御手洗冨士夫会長)が07年元旦に発表した将来構想「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を読み、その後の動きを追跡すると、そういう印象が強い。(2007/04/08)


  • 2007/04/05 


  • 「社長の品格」を決める条件は ライブドア拝金主義に実刑判決 安原和雄 (仏教経済塾)
      粉飾決算で不正な利益を荒稼ぎし、罪に問われた拝金主義・ライブドアの被告に次々と実刑判決が言い渡された。企業の犯罪、不祥事は1980年代のバブル時代から絶えることがない。厳しく問われているのは、「企業の品格」、「社長の品格」であり、同時に企業をどん欲な利益追求に走らせる自由市場原理主義そのものである。(2007/03/25)


    なぜ日本人に反捕鯨の声が届かないのか 背景に言語問題 
      2月15日に起きた捕鯨母船日新丸での火災により水産庁はその後、南氷洋での調査捕鯨中止を決定した。南氷洋に近い反捕鯨国であるオーストラリアやニュージーランドにとり捕鯨中止は歓迎されているが、日本人船員の死亡の事実もあり、喜ぶべきニュースではない。また日本が捕鯨に関する考えを根本的に改めたわけではなく、来夏になると再び日本の捕鯨船団が南氷洋にやって来ることは確実だ。多くのオーストラリア人やニュージーランド人はなぜわれわれの強い反捕鯨のスタンスにも関わらず、日本は南氷洋に捕鯨にやって来るのだろうか、と首を傾げている。捕鯨問題をめぐってオーストラリア、ニュージーランドの各紙に英文で寄稿した筆者の記事の要旨を日本語でも紹介する。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2007/03/22)

    円高よ進め 「懸念報道」に欠ける庶民の視点
      今月初めからやや進んだ円高をめぐり、大手メディアは「円高で輸出関連企業の収益に懸念」など、相変わらず円高に転じるたびに、あたかも国民生活に不利益をもたらすかのような報道を繰り返している。はたしてそうなのだろうか。高度成長時代から1990年ごろまでは、輸出関連企業の収益悪化は企業に働く労働者にとっても賃金の抑制など不利益な材料に確かになった。しかし、「いざなぎ超え」の好景気で大企業は高収益を上げながら、労働者へのベア回答は1000円以下。労働分配率が下がり続けている。であれば、庶民にとってはガソリン価格を始め、輸入品価格の低下、海外旅行の割安感などが生まれる円高こそ歓迎すべきだ。(稲元洋)(2007/03/22)


    むしろ再生不能資源の過剰消費を問題とすべき 地球温暖化議論の盲点 落合栄一郎
      もうこの問題は議論する余地がないほど、原因がはっきりしていると思われている。人為的に排出される温室効果ガス(2酸化炭素その他)が主因と科学的に立証された感がある。科学的にそのように結論するのは難しいことは、科学者自身感じていても、政治的にそう言いづらい雰囲気ではある。私自身は、2酸化炭素の人為による急増は事実であり、地球温暖化にある程度の影響を及ぼしているかもしれないが、問題はそこにはなくてこの急増に象徴される人類の活動(産業、交通等)による資源の過剰消費のほうに重点があると考えている。そしてこの問題はこの面から議論されるべきである。3月初旬、BBCのチャンネル4で、「Great Global Warming Swindle(GGWS)」なる温室効果ガス説(GHG)を徹底的に批判する番組があったのを機会にこの問題をもう一度議論してみたい。これは、アル・ゴアの「不都合な真実 (inconvenient truth)」に対応するものである。(2007/03/19)


  • 2007/03/06 


  • 戦争でだます人、だまされる人─あの大悲劇を繰り返さぬために 安原和雄(仏教経済塾)
      60年以上も昔の1945年8月、日本の敗戦で終結したあの侵略戦争にかかわる「だます人、だまされる人」の話である。戦争が終わってから、多くの民衆は「だまされていた」と感じた。では一体誰がだましたのかというと、東条英機(開戦時の1941年=昭和16年12月当時の首相)ら処刑されたA級戦犯だというのが一つの答えである。それでは彼ら以外はすべてだまされたのかというと、そうではなく、だます人に手を貸した多くの人がいたのではないか、そうでなければ戦争は遂行できないという問題が浮上してくる。重要なことは、これは単なる過去の物語ではなく、実は目下同じ過ちを繰り返しつつあるのではないかという容易ならざる話である。(2007/03/04)


    気になる「忘れ薬」への米国防総省の関心 落合栄一郎(元米ジュニアータ大教授)
      プロプラノロールなる薬は、スコットランドの科学者、ジェイムズ・ブラックによって1950年代に発見され、高血圧の薬として広く用いられている(発見者はこれにより1988年ノーベル賞受賞)。これが最近、忘れ薬として用いられるようになった、とアメリカCBSテレビの報道番組「60分」で、昨年11月26日に報じられた。報道されたのは、PTSD(=Post Traumatic Stress Disorder)症状の軽減に用いられて成功した例であるが、番組の最後に少しだけ言及されたことが大変気になる。それは、米国防総省がこの薬に興味を示しているとのことである。(2007/02/26)


    貪欲から知足へ大転換を 仏教経済思想に立って  安原和雄 (仏教経済塾)                 
      私は2007年2月20日、国際文化会館(東京・港区六本木)で開かれた「グローバルジャパン特別研究会」(米欧亜回覧の会=泉三郎理事長=主催)で「貪欲から知足へ大転換を―仏教経済思想に立って」と題して講話した。その趣旨は、(1)軍事力依存症にかかった米国のブッシュ政権、それに追随する日本の安倍政権は共に世界の中で孤立しつつあること、(2)そこから脱出するための針路として従来の貪欲執着路線から知足追求路線への大転換が不可欠であること、(3)望ましい日本の路線選択として石橋湛山の小日本主義に学び、それを継承発展させること―などである。(2007/02/24)


    アメリカの戦争意識と平和運動と平和憲法 落合栄一郎(元米ジュニアータ大教授)
      アメリカは、南北戦争終了後の19世紀後半以降、西ヨーロッパ諸国には大分遅れをとったが、帝国/植民主義政策を遂行してきた。それは企業/資本家の徹底した資本主義市場経済の拡張主義を実現するためである。その伝統は今でも生き残っている。20世紀に入り、多くの西ヨーロッパ諸国は二つの世界大戦によって疲弊し、植民地の多くを手放さざるを得なくなったし、露骨な植民主義はタブーになった。殆ど唯一の、疲弊を免れたアメリカは、西ヨーロッパも含む疲弊しきった世界で、しばしの間慈善的国家の役割を果した。日本人のアメリカという国に対する好感は、この期に作られたものと思われる。これは、おそらく第2次世界大戦後の10年ぐらいの期間であった。その後、1950年代半ばぐらいから、アメリカの覇権主義はまた顕著になる。(2007/02/16)


    ペコちゃん、さようなら ブレーキの壊れた企業経営 安原和雄 (仏教経済塾)
      企業の不祥事、不始末が後を絶たない。なぜ企業体質を思い切って変えられないのか。ペコちゃん、ポコちゃん人形で知られる大手洋菓子メーカー、不二家が品質管理の不始末から消費者離れに見舞われている。すでにペコちゃん、ポコちゃんの人形は店頭から消えた。先日東京・銀座を散策していたら、「ペコちゃん、さようならー」という小学生らしい女の子の声が聞こえてきた。声の方角に目をやると、不二家銀座店の店頭に寂しそうな表情で立っている。(2007/02/05)


    新教育基本法「骨抜き」のすすめ 矢倉久泰(教育ジャーナリスト)
      あの日―2006年12月15日を境に、日本は平和国家から大きく遠ざかることになった。「平和な国家・社会を形成する市民」の育成をうたった教育基本法が改悪されると同時に、防衛庁が防衛省に昇格され、自衛隊の海外派兵が「本来業務」に格上げされることになったからだ。教職員組合、市民団体らは教育基本法「改悪阻止」のために請願署名、集会、デモ、国会前での座り込みや「ヒューマン・チェーン」などを展開して闘ったが、残念ながら阻止できなかった。「虚しさだけが残った」という人もいるが、私はそうは思わない。(2007/01/22)


    21世紀の持続的経済社会とは─仏教経済学の視点から  安原和雄(仏教経済塾)
      私はNPO「循環型社会研究会」(代表・山口民雄氏)主催のセミナー(07年1月17日東京都内で開催)で「21世紀の持続可能な経済社会とは─仏教経済学の視点から」というテーマで講話した。その趣旨は(1)仏教経済学の8つのキーワード、(2)「持続可能な発展」という概念の多面的な内容、(3)21世紀の持続的経済社会をめざす変革プランーの3つに大別できる。以下に質疑応答を含めて、その概要を報告したい。(2007/01/20)


  • 2007/01/03 


  • この国に生きる〜ビルマ人たちの師走 ウー・シュエバ(田辺寿夫)
      携帯電話は便利である。在日のビルマ人にとってもありがたいはずである。ビルマの人たちがぼくに電話をするとしよう。携帯電話が普及していなかった時代には勤め先や自宅へ電話はかかってきた。必ずしもぼくが出るとはかぎらない。ほかの人が受話器をとった場合、ビルマ人たちは日本語で話さなければならなかった。彼ら、彼女らにとってこれはなかなかむすかしい。今は心配することはない。携帯ならぼくが出ることはわかりきっている。それでも運の悪い人もいる。(2006/12/29)


  • 2006/12/24 


  • 「いのち」ってなに? 地球のいのちも視野に 安原和雄 (仏教経済塾)
      2006年もまた地球規模で多くのいのちが無惨にも消えていった。戦争という国家権力による暴力行為によって、大規模災害によって、感染症によって、飢餓という非人間的な環境下で、さらに自らの心の苦しみと共に。その一方で「いのちってなに?」が論議された年でもあった。改めて「いのち」をテーマに考える。(2006/12/22)


  • 2006/12/18 


  • 「不倫は日本の文化」か 労働環境とドラマから不倫の土壌を考える
     ある男性芸能人が「不倫は文化」と発言してからはや、10年が過ぎた。当時の日本では、自身の行動に対する言い訳と理解され、批判された。しかし近年日本で続く不倫報道に加え、日本のテレビドラマをオーストラリアで何本か見た後に、「やはり不倫は日本の文化」なのでは、と思えるようになってきた。長時間労働とそれによる心の寂しさが土壌となっているのではないか。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2006/12/14)


  • 2006/12/10 


  • 広がってきた「もったいない」 足利知足塾ともったいない学会 安原和雄(仏教経済塾)
      足利知足塾(塾長・柿澤さな江さん、顧問・安原和雄)の会報「野の花通信」(2006年10月24日付)が届いた。この知足塾は05年7月、栃木県足利市、柿の実農園内のそば屋さん「大海戸・だいかいど」(店主・柿澤一雄さん)にて「食と農」に関心を抱く地元の人々が集まり、発足したもので、それ以降、知足(=足るを知ること)にまつわる多様な活動を繰り広げている。今回は足利知足塾における「もったいない」をテーマとする美術展開催のほか、もったいない学会の発足など広がる「もったいない」の近況を報告する。(2006/11/09)


    なぜ私はベジタリアンか 食肉の悪にあなたは気付いているのだろうか
     スシ、カラオケ、プレーステーション。どれも世界に広がる日本の文化である。だが、日本を一言で紹介するうえで、これとない説明方法が他にもある。それは日本が「ベジタリアンのいない唯一の先進国」であることだ。禅宗など仏教の僧侶らを含めれば、確かに日本のベジタリアン人口はゼロではない。だが、日常、私自身がベジタリアンであることを日本人に伝えると、まるで「変人では」とでも言いたげな目つきで見られる。菜食主義は理解されず、どうやら私は、「葉っぱ」を食べて生きている毛虫と似たような存在らしい。(アデレード=木村哲郎ティーグ)(2006/11/08)

    「子供を悪く育てたい14ヶ条」 逆説的教育再生論 安原和雄(仏教経済塾)
      近隣の評判高い寿司屋さんからお土産として貰った一枚の紙片に「子供を悪く育てたい14ヶ条―和尚のひとりごと」と題して、以下のような条件が記してある。読んでみて、思わず笑ってしまったが、実はまじめなお話である。この逆を実践すれば、それがたちまち「子供を立派に育てたい14ヶ条」に早変わりする。これは逆説的教育再生論ともいえるのではないか。(2006/10/23)








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