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ジャーナリストの読書ノート


古典、旧刊、たまに新刊紹介




【古典、旧刊、たまに新刊紹介】(5) イアン・エアーズ著、山形浩生訳「その数字が戦略を決める」
 米国から成田に戻ってタッチ・アンド・ゴーで南洋へと、しばらく海外出張続いた。旅先にはどうせ読み切れないと分かっていても、取材資料だけでなく、山ほど本を持っていくのが常なのだが、今回はスーツケースに詰め込むものがあまりにも多すぎた。で、旅の合間、機内などで読む本を1冊に絞った。旅立つ前にめくった最初の数ページで、本書に引き込まれたためでもある。イアン・エアーズの「その数字が戦略を決める」(文春文庫)。とにかく、現代社会の「秘密」が満載されている。「この本、絶版か発禁にして、他の人に読ませないようにできんものかな」。そう言いたくなる本だった。(2011/03/05)

【古典、旧刊、たまに新刊紹介】(4) 新渡戸稲造「武士道」
 内田樹氏の「日本辺境論」(新潮新書)は梅棹忠夫氏の「文明の生態学」(中公文庫)の「読み間違い」も含めた新味のない本だと前回書いたが、「日本辺境論」がもう一つベースにしているのが新渡戸稲造の「武士道」(PHP文庫)だ。おそらく、この本ほど、日本の知識人、特にリベラル派の知識人たちが「読まず嫌い」のままでいる名著はないだろう。その意味では渋沢栄一の「論語と算盤」、岡倉天心の「東洋の理想」などに類する名著だ。かくいう私も通読したのは最近である。(道原良司)(2011/02/13)

【古典、旧刊、たまに新刊紹介】(3) 内田樹「日本辺境論」
 昨年の新書大賞に輝いた本書は、内田樹(たつる)氏の弁明から始まっている。「本書は体系的でないのみならず、ビッグ・ピクチャー(「大風呂敷」とも言います)、つまりたいへん大雑把な話です」。「学術的厳密性ということは一切顧慮していません」。中身を読むと、謙遜とは思えない。内田さんはよく分かっていらっしゃる。でも、「この仕事はボランティアで『どぶさらい』をやっているようなものですから」はないでしょう。ベストセラーになったこの本の印税を受け取らなかったといった話は聞いてませんが、どうなんでしょう、内田さん。(道原良司)(2011/02/02)

【古典、旧刊、たまに新刊紹介】(2) 梅棹忠夫「文明の生態史観」(下)
 さて「文明の生態史観」の続きである。 (2011/01/31)

【古典、旧刊、たまに新刊紹介】(1) 梅棹忠夫「文明の生態史観」(上)
 ジャーナリストを名乗っている以上、新しく出版された本をいち早く入手し、その内容を評したり、紹介することも仕事のうちだ。だが、新刊、特にベストセラーの類いの本が己れの知識の血肉となったことはまれだ。古典や旧刊の中にこそ、夢中になって読み通し、心と脳に深く刻まれたまま今に至る本は多い。ということで、タイトルそのままの企画である。たまには新刊も取り上げつつ、お勧めの本を私の読書ノートとともに紹介する。 (2011/01/27)








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