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記者飛田正夫欧州 仏大統領選挙、マクロンが当選 棄権票も1969年以来最高を記録 (パリ=飛田正夫)2017年の仏大統領選挙の最終戦は仏前経済 エマニュエル・マクロンとマリーヌ・ルペンフランス極右派系国民戦線との間で7日投票が行われマクロンが第五共和制第8代目の大統領に当選した。65,1%がマクロンを支持した。しかしマリーヌ・ルペンの極右翼党国民戦線(FN)支持も1100万人と史上最高を記録している。同時に、 棄権者は1969年以来の最高を示し25%となっている。特に9%が白紙提出など抗議の投票をしている。ルペンの得票率は34,5%で前回よりも15%伸びている。(2017/05/08) 国際 トルコ改憲国民投票 エルドガン勝利の選挙不正を反対派が抗議、トルコ独裁化に拍車か (パリ=飛田正夫)トルコの憲法改正でエルドガン(Erdogan)トルコ大統領の独裁権力化を問う16日の国民投票結果が夕刻わかった。投票率は85%。開票99,45%時点で51,37%がエルドガンの2029年までの独裁と改憲を支持した。しかし反対派は、エルドガン体制が高等選挙審議会に公式な印証明の押されてない投票用紙を有効票として認めさせたことに抗議している(2017/04/18) 欧州 オランダ下院選挙は極右派系ポピュリズムの台頭に反対投票で勝利 グリーン・レフトが’大幅躍進 (パリ=飛田正夫)15日のオランダ下院議会選挙では2012年よりも12議席多い全150議席が比例代表制直接選挙で選ばれる。マーク・ルート(Mark Rutte)首相の自由民主党(VVD)がトップで31議席を獲得したが過半数の76議席には遥かに及ばなかった。心配されたイスラム嫌いで反ヨーロッパ主義者で知られるゲールト・ヴィルダー氏のトップ当選は避けられて極右派系は19議席と予想に反して伸びなかった。エコロジーのグリーン・レフト(GroenLinks)は2012年の4議席を16議席まで伸ばして注目されている。(2017/03/17) 国際 プーチンがオバマの決定を拒絶 米からロシア外交官35人の1人も引き上げないと (パリ=飛田正夫)オバマ米大統領のロシア外交官35人の国外追放宣言に応えてプーチンロシア大統領はこのオバマの決定を拒絶した。ロシア外交官を米から1人も引き上げないと息巻いている。同時に、ロシア在米外交官への圧力は強くなっているとも伝えられている。(2016/12/31) 欧州 独仏と仏独と国境を二度通過 ミラノで射殺されたベルリン12人トラック突撃殺害犯人 (パリ=飛田正夫)21日夜のドイツの首都ベルリンでのクリスマス市場に集まる群衆に大型トラックを突っ込んで12人を轢き殺し40人程を負傷させた犯人のアニス・アミリは、23日早朝にイタリアのミラノで一般のパトロール中の警察の不審尋問で撃ち合いになって射殺されて死亡したが、ミラノまでドイツからどのような経路で行ったのかが謎になっていた。(2016/12/28) 人権/反差別/司法 家庭内暴力の夫殺害でジャックリーヌさん10年禁固判決 国際フェミニズム団体が抗議 ジャックリーヌ・ソバージュさんは暴力を振るった夫を銃で背中から撃った殺害事件で、オランド大統領は部分的な自由の恩赦を考えていたが、破棄院は10年の禁固刑を24日に宣告した。ジャックリーヌさんは裁判で疲労している。25日、この破棄院判決に失望したジャックリーヌさんと家族は罪の見直しを求めた。(パリ=飛田正夫)(2016/11/27) コラム トランプをどう見るか ヨーロッパの評価基準は人権 飛田正夫 米国の大統領に選ばれたトランプについて、ドイツやフランスの政治責任者や各政党でそして市民が話題にしているのは、日本のような経済関係ではなくて、女性や移民・難民に関する差別や人権違反のことなのだ。(在パリ)(2016/11/21) 米国 米トランプ氏、大統領就任前に多くの裁判が待っている 米大統領選挙に勝利したトランプだが、今後は実業家時代の商業規約違反や企業倒産事件など多くの裁判が待っていて、特にその中で、2000年代にトランプ大学事件は注目されている。(パリ=飛田正夫)(2016/11/15) 欧州 シャンゼリゼ大通りで警官500人が深夜デモ 警官襲撃事件に抗議、一時交通麻痺も 17日深夜から18日午前2時にかけての約2時間、パリのシャンゼリゼ大通りで500人ほどの警察が主にエッソンヌ県から集まって抗議デモを行った。ジャン・マルク・ファルコン警視総監は、警察の職務にあるまじき行為で許されないと談話をだした。一般の警察には特別な場合を除きデモの権限がないので罰せられることは覚悟で集まったと見られる。(パリ=飛田正夫)(2016/10/19) 国際 プーチンのパリ訪問は最終的に中止 戦争犯罪者の受け入れをオランドは躊躇 飛田正夫 日本では安倍政権がプーチンを迎えて領土問題解決と浮かれているが、フランスでは10月19日に予定されていたロシアのプーチン大統領のパリ訪問が中止になった。仏国営ラジオ・フランス・アンフォが11日午後に最終的にロシアはフランス訪問を中止したと伝えた。フランス政府はシリアの独裁者アサド大統領を支援しアレッポ(Alep)東部地区を空爆するロシアを軍事犯罪行為と批判していた。(パリ=飛田正夫)(2016/10/15) 欧州 「フランス国民は全て移民・難民なのだ」 「同化と順応を押し付ける」とサルコジを批判 (パリ=飛田正夫)9月19日にサルコジ大統領が話した「フランス人になったその時から、あなたがらたはガリア人が先祖になる」という言葉が論議になっている。サルコジの考えは同化と順応を押し付けるもので、外国人はフランス人になってガリア人が先祖になるという同化や順応の視点に執着しているというのである。フランスは植民地を多く持っていたのでフランス国民の中には民族的にもローマ人であったりゲルマンであったりアラブ人など多種多様な民族がいるし人種がいる。それを何故フランス人になった時からガリア人が先祖にならなければならないのか?(2016/09/27) 欧州 【仏メディアの旅】サルコジ仏前大統領の「拘置」そして「起訴」 ルモンド紙の解説から 飛田正夫 サルコジ氏は7月2日昼にフランスの大統領では初の拘置が終わって、今度はパリ裁判所に起訴された。もっか16区のフォンテーヌ通りにある自宅に帰って6区の事務所にも顔をだした。夜に民放テレビTF1とラジオヨーロッパ1でサルコジ氏は事件を説明することになっている。サルコジ氏には多くの裁判が今後控えていてそのほんの一部が開始したわけだが、ルモンド紙が特集を組んでいるので解説して紹介したい。(2014/07/05) 欧州 君は手が既に黒いので手を洗う必要はない いまも続くフランスの人種差別 フランスのロワール川の河口右岸にあるサン・ナザール(Saint-Nazaire)造船現場で溶接工としてディプロマを持つ28歳の黒人労働者オワジエ・アブデラ(Oizir Abdallah, réunionnais)氏は、他の労働者との労働・賃金などで同じディプロマを持つ同僚よりもはるかに低い賃金で働かされていた。現場でも人種差別の待遇を数年にわたり受けてきた。君は手が既に黒いので手を洗う必要はない。もう少し笑え! 暗闇では黒人なので見えないなどとからかわれたていた。8日の仏国営ラジオ・フランス・アンフォ(RFI)で報道。(飛田正夫)(2014/01/10) 欧州 中央アフリカ派遣仏軍兵士がナチスマークを腕に 中央アフリカの仏軍兵士 ナチスのSSまがいのワッペンを付け フェイスブックに登場中央アフリカで活躍するフランス兵士がナチスのシンボルである「我が名誉は忠誠である」とドイツ語で書かれたワッペンを腕につけていた。これには32という数字が黒字でフランスの三色旗の色の上に刻まれている。(パリ=飛田正夫)(2013/12/25) 欧州 ウクライナ・キエフでスターリン像引き倒し 国家主義への反発 ウクライナの首都キエフの中心部にある独立広場で8日午後にソ連支配時代のシンボルであるスターリン像が30人ほどの覆面をした者たちによって首にロープを巻かれて地上に引き落とされる事件がおこった。(飛田正夫)(2013/12/11) 国際 ネルソン・マンデラが死亡、享年95歳 飛田正夫 ノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラが死亡したと5日夜23時少し前にテレビで、南アフリカ共和国のジャコブ・ズマ大統領が発表した。享年95歳であった。(2013/12/06) 欧州 買春許可国スイスで初の「セックス・ボックス」がオープン 10月26日にスイス初の「セックス・ボックス」がチューリッヒでオープンした。これは「セックス・ドライヴ・イン」のようなもの。チューリッヒの町の売春婦を町の中心街から遠のけようとするのが目的で2012年3月の住民投票で決まっていた。8月15日にはモデル家屋「セックス・ボックス」を提示していた。場所は元産業地区であった同町の西部で、入り口には東欧では知られている売春地帯のシンボルである赤い傘の目印が置かれている。売春婦からは安全に仕事ができるものという意見も報道されたが、人権団体では買春を許可しているスイスが問題だとして批判している。(パリ=飛田正夫)(2013/10/28) 欧州 フランス電力(EDF)従業員の放射能汚染肺癌死亡に 裁判所が有罪判決 フランス電力(EDF)従業員が肺癌で死亡したことでオルレアン社会保障問題裁判所は8月27日に有罪判決を出していた事を9月8日の日曜新聞(JDD)が明かした。53歳で2009年に死亡した死亡したクロワ(Jean-François Croix)氏はボイラー係としてEDFに30年勤続していた。(パリ=飛田正夫)(2013/10/06) 欧州 パリ郊外でイスラム女性への罵倒と暴力が頻発 背景に「イスラム嫌い」(Islamophobie)の政治的利用も パリ西部郊外のトラップ地区(イブリーンヌ県)で12日17時45分ごろに16歳の若い女性が女友達に電話をしながらバスの停留所に向って歩いていると、クリオの黒色の車がついてきた。二人の頭髪を短く刈った男性が車から出てきて罵倒しながら彼女の顔を覆っていたイスラム女性のフラー(頭部を隠す被り物)をむしり取り腹部や肩などをなぐって暴力をふるい、紙きりナイフで脅したとラジオ・フランス・ブルーで証言している。13日の仏国営ラジオ・フランス・アンフォなどが報道している。(飛田正夫)(2013/08/20) 欧州 エジプト危機で 仏企業が安全策で「一時帰国」と「在留組」と分裂 仏大手公共事業建設事業体のブイグとヴァンシィでは、エジプトの内乱を鑑み安全策として作業員のフランス一時帰国を他の企業よりもいち早く指示した。他企業は残って事業を継続する決定をしている。仏国営ラジオ・フランス・アンフォ(RFI)の情報ではブイグとヴァンシィはコンソーシアムの中で仕事をしていて、16日朝にはブイグの5人の従業員とその家族がヴァンシィの従業員と共に同じ飛行機でフランスに帰ってきたという。残りの従業員も随時帰国する。ブイグでは総ての作業所は封鎖して今後の状況の成り行きを見るとしている。それに対して移動体通信機器の大手オランジュでは多くの従業員はバカンス中で不在のこともあるが、「家で仕事をして待機するように」「特に家からでないように」通達をだしている。(パリ=飛田正夫)(2013/08/19) みる・よむ・きく 木村尚三郎著「都市文明の源流」「欧米は文化」で「日本は野蛮」という興味深いテーマを扱って 飛田正夫 木村尚三郎著「都市文明の源流」(1977年11月7日初版)という非常に魅力ある題名の本が私の本箱にあった。パラパラとページをめくると何箇所かに、「781020」という日付けの入ったふしんばさみが挟まっていて、本にはあちこちに赤線が引かれ書き込みがしてあった。勿論のこと私の関心はその頃とは異なっている。(2013/07/26) イスラエル/パレスチナ 【仏メディアの旅】19人に1人が銃器を所つイスラエルで元軍人が銀行で4人殺害 飛田正夫 5月20日イスラエル南部のネゲブ(Néguev)砂漠の大都市ベエルシェバ(Beersheba)のアポアリム(Hapoalim)銀行が襲われた。犯行者イタマロ・アロン(40歳)は自殺する前に4人を殺害した。殺されたのは同銀行の二人の責任者と2人の男女の客であった。朝に銀行に行った犯行者は金を要求したが拒絶された後に再び銀行を武装して訪れ犯行に及んだ模様。イタマロは元パレスチナ軍隊の隊長で現在は両親と銀行近くに住んでいた。(2013/05/22) 欧州 【仏メディアの旅】オランド仏大統領が6月に初の日本訪問 「トルコへの原発売り込みは象徴的な共同事業」 飛田正夫 オランド仏大統領は6月6日から8日まで経済とエネルギーのパートナーである日本を訪問することをロラン・ファビウス外相がフランス通信(AFP)のインタビューで発言した。そのなかでファビウス外相は日本の三菱とフランスのフランス原子力産業のリーダーであるアレバ社が共同でトルコの原発基地開発の共同契約に先週調印したことは両国が一緒に仕事のできるということの象徴的な出来事であったと語った。(2013/05/13) 欧州 【仏メディアの旅】「現金賞与」を返済せよ サルコジ前大統領側近ゲアン氏に内務省労働組合が要求 飛田正夫 サルコジ前大統領の最側近クロード・ゲアン内相(前エリゼ大統領官邸書記総監)は内務省で2002年後にも現金を受けていたことで金を返すように内務省労働者組合(FO-Cantrale)は3日に要求した。ゲアン氏が2006年まで賞与をもらいつづけていたことに驚いている。2月のゲアン氏宅の家宅捜査で現金で賞与を受け取っていた証書が押収されていた。(2013/05/06) 欧州 【仏メディアの旅】シャネル、マリオノー店仏全国20ヵ所で香水やマスカラの販売停止 高級品のイメージを保つため? 飛田正夫 2月21日からフランスの高級化粧品会社シャネルは20箇所のマリオノー(Marionnaud)の販売店に商品を卸さなくしたという。理由はシャネルの高級なイメージに環境や商店の陳列基準の要求を満たしてなくふさわしくないためだという。これは改善されればまた販売することになるだろうとしている。またシャネルはこの措置は人種差別的な理由によるものではないといっている。(2013/05/01) 欧州 【仏メディアの旅】 カメルーン仏人家族誘拐解放 人質交換か身代金か軍事介入か、背景は不明 飛田正夫 フランス政府はカメルーンで誘拐されたタンギ・ムーラン・フルニエ氏の仏人一家7人の解放を確認。彼らは皆元気だと仏国営ラジオ・フランス・アンフォ(RFI)が19日9時50分に報道。オランド仏大統領は2月19日以来2ヵ月に渡る誘拐事件が解放となって肩の荷がおりてほっとしているという。(2013/04/21) 欧州 【仏メディアの旅】スイスから2億 大統領選挙資金としてサルコジ氏に渡った疑惑が浮上 飛田正夫 ベッタンクールの元管財人パトリック・ド・マイストル氏は、サルコジ氏の2007年の仏大統領選挙運動資金として2007年から2009年の間に7回に渡ってスイスのジュネーブのベッタンクール氏の銀行から400万ユーロ(約4億円)をパリに持ち帰っていたが、この資金を国民運動連合(UMP)の会計役で大統領選挙の金庫番を務めていたエリック・ブルト元財務相に渡していたと疑惑が持たれて検査されてきた。(2013/04/21) 国際 【北沢洋子の世界の底流】ダーバンでBRICS首脳会談(その2)市民社会の批判「BRICSはアフリカを分割するな」 一概にして、市民社会は、BRICSに批判的である。したがって、「BRICS開発銀行」についても懐疑的である。すでにベネズエラの故シャベス大統領が提唱した「南銀行」案が動き始めていた。これには市民社会も賛成していた。(2013/04/20) 欧州 【仏メディアの旅】「日本は原発を再稼動させるのか」 仏からMOX燃料輸送開始 飛田正夫 フランスの4月16日のフランス国営放送テレビA2では報道されなかったが、仏国営ラジオ・フランス・アンフォは「プルトニュウムとウラニュウムとを含む危険なMOX燃料がシェルブール港から日本に運ばれる」と短く伝えた。同日の左派系の週刊誌ヌーベル・オブセルバトワールfr.によると、まもなくベアモント・アーグ(Beaumont-Hague)のアレバの工場から放射能の強いMOX燃料が警察の厳重な警戒の中を日本の高浜原発基地に向けて運ばれる。MOX燃料の輸送は2011年に予定されていたが3月の福島原発事故で延期されていた。(2013/04/18) 欧州 「サルコジは拘置」? 仏大統領へのリベート還流疑惑でエリゼ宮大揺れ (2011/09/25) 欧州 仏大統領選、社会党候補のテレビ討論会を500万人が視聴 左派最強候補選出めざす 生活が不安だから、政治が見えないから、より働いてもより儲からないから――。フランス国民のサルコジ政権への不満は高まる一方だ。それを裏づけるように、2012年の大統領選挙の社会党候補者6人による初のテレビ討論会は、3時間を越える政治番組にもかかわらず500万人という驚異的な視聴者を集めることに成功した。(パリ=飛田正夫)(2011/09/19) 欧州 失業者の子供は学校給食打ち切り フランスの市で ジュネーブ湖のローザンヌ対岸側のトノン・レ・バン市で、新学期の9月から失業者の子供には昼の学校給食を出さないことが明らかになった。仏与党国民運動連合(UMP)の市長は、失業者を狙い撃ちしたわけではなく、配膳の席が不足しているためだとしている。しかし、財産や出自や親の職業の有無によって子供が差別されるのはフランスにふさわしくないと問題視されている。(パリ=飛田正夫)(2011/09/14) 欧州 シラク元仏大統領、認知症か 裁判に欠席 1958年以来のフランス第五共和制下で初の大統領裁判となったシラク裁判が5日からパリの軽罪裁判所で始まったが、健康を理由にシラク氏の欠席が認められた。30年前のパリ市長時代(1982年−1995年)に、シラク氏が側近ら37人を市に架空雇用させたことが公共財濫用と信用横領の罪に問われている。(パリ=飛田正夫)(2011/09/12) 欧州 仏大統領選、ドビルパン元首相が立候補へ 2012年の仏大統領選に、ドビルパン元首相が事実上の立候補宣言をした。同氏は、03年2月の国連安全保障理事会で外相として、米国が進めるイラク攻撃に反対する演説をし、大きな拍手が湧き起こったことで世界的に知られている。(パリ=飛田正夫)(2011/09/10) 欧州 『サルコが私を殺す』が大ベストセラー サルコジ大統領への現金手渡しの新目撃証言も 『サルコが私を殺す』という本が、1日の発売から大ベストセラーとなり書店での入手が難しいほどだ。著者はルモンド紙のジャーナリストで、サルコジ大統領に呪われた政治家やジャーナリストの列伝が書かれている。フランスの大富豪で化粧品の世界的大メーカー・ロレアルのリリアン・ベッタンクール社長がサルコジ氏に現金を渡したとされる事件についても、現場を目撃したという社長の元女性看護士らの新たな証言が出ている。(パリ=飛田正夫)(2011/09/09) 文化 モンブラン山頂には「鬼が出る」 自然への畏怖を伝える仏シャモニーのガイド協会の祭り 「シャモニーはひどく貧しい山村で、山に鬼が出ると恐れられていた」─。登山とスキーのリゾート地として世界に知られる、フランスのモンブラン山塊の山道で、3人の古老が日本人観光客の私(飛田)に語った。地元の人びとの自然への畏怖の念は、シャモニーの高山ガイド協会の祭りにも残っている。山の日差しが強い8月、祭りの裏にある現在登山の発祥の地の歴史をさぐってみた。(パリ=飛田正夫)(2011/09/05) 欧州 アウシュヴィッツの悪夢再び ユダヤ人輸送の仏の町で、ロマ人を電車で集団強制立ち退き パリ市に隣接する北東部のサンドニ地区に住むロマ人が8月31日、パリ首都圏交通公団(RATP)の電車によって強制集団立ち退きされた。サンドニの平原は、かつてナチス・ドイツ占領下でフランスのユダヤ人がここからアウシュヴィッツの強制収容所に列車で集団輸送された暗い歴史の記憶がある。電車をチャーターしてのロマ人排斥は異例のことだと、多くの人権団体などが政府の対応を疑問視している。(パリ=飛田正夫)(2011/09/03) 中東 仏、石油提供条件に反カダフィ派に武器援助か パリ支援国会議直前に仏紙が暴露 リビアの暫定政権を表明する国民評議会(NTC)は、カダフィ大佐との戦争でフランスに対し、武器支援を条件にリビア原油の35%を提供することに合意していた、と仏左派系紙リベラションが報じた。NTC側の署名のある4月3日の合意文書も掲載されたが、仏外務省とNTCは報道内容を否定している。この暴露は、サルコジ大統領が反カダフィ派の約60カ国を招請したリビア復興関係国会議がパリで1日に開催される直前になされた。(パリ=飛田正夫)(2011/09/03) 核・原子力 建設中の仏EPR原発のコンクリート水槽壁に穴 手抜き工事が明るみに 仏ノルマンディー半島の西先端フラマンビルに建設中の、世界で一番安全だといわれる第三世代の欧州加圧水型原子炉(EPR)で、完成時に使用済み燃料棒格納の冷却水槽(プール)となる壁面に大きな穴があいていたことが、8月31日の週刊紙カナール・アンシュネで暴露された。普通は写真を載せない同紙だが、今回は証拠写真としてスイスのグリュイエール・チーズのような穴を特別に掲載している。(パリ=飛田正夫)(2011/09/01) 中東 「サルコジとカダフィ、我々が忘れないために」 仏ネット紙が検証記事 リビアのカダフィ体制の崩壊はリビアの人々にとっては自由の実現として喜ばしい知らせではあるが、フランスが長年にわたり、良心のとがめもない独裁者を自国の尊厳を損なうやり方で支えてきたことを私たちは忘れないようにしたい、と指摘する哲学者・作家ピエール・アラン・レイノー氏の記事が、25日の仏ネット紙ル・ポスト紙に掲載された。氏は武器売却や原発提供などを槍玉に上げている。以下がその内容である。(パリ=飛田正夫)(2011/08/31) 中東 リビア両派の虐殺を仏国営TVが放映 勝利に酔うサルコジ政権は無関心 リビア内戦の悲惨な虐殺現場の映像が、28日夜の仏国営放送テレビ3チャンネルで放映された。後ろ手にされたまま一箇所に集められ、ガソリンをかけて焼かれたとみられる黒こげの白骨死体の山だ。カダフィ大佐側の傭兵らの犯行とされるが、同様な虐殺は反体制派の国民評議会(NTC)側にもあったとされる。NTCを支援するフランスは、トリポリ陥落の勝利気分でポスト・カダフィを描いていて、人権違反の戦争責任からは目をそらそうとしている。(パリ=飛田正夫)(2011/08/30) IMF前専務理事の訴追取り下げ NY検察 国際通貨基金(IMF)前専務理事ドミニク・トロスカン氏(62)が米国ニューヨークのホテルで女性従業員(32)に性的暴行を加えたとされる事件で、検察側は22日、追訴の放棄を宣言した。女性の証言には多くの嘘言があり信頼性に欠け、たとえ性的関係があったとしても同氏の有罪性を衣服に付いたDNAからでは立証できないとしている。(パリ=飛田正夫)(2011/08/25) 中東 カダフィ政権崩壊は「サルコジの勝利」と仏大統領側近 過去の蜜月は不問 リビアのカダフィ政権崩壊について、サルコジ大統領とともに同政権への空爆を構想したといわれるフランスの哲学者のベルナール・アンリー・レヴィ氏は、22日夜のフランス国営放送A2で、「自由の勝利だ」と仏の軍事介入の成功を称えた。しかし、サルコジ政権とカダフィ大佐との関係はこれまでけっして悪くなかった。ではなぜ今回、反体制派支援にまわったのか。(パリ=飛田正夫)(2011/08/25) 欧州 外国人旅行者の「麻薬吸引ショップ」入店を禁止 オランダが門戸開放策を転換 オランダの町には、欧州各国から年間140万人ほどの旅行者が大麻(マリファナ、カナビスも同義語)を自由に吸うために集まる。ところが、問題を起こす旅行者が増えていることから、外国人の「麻薬吸引ショップ」への入店禁止を年末までに実施することを、オランダ議会は決めた。オランダ国民には、「マリファナ・カード」を発行して引き続き入店を認める。(パリ=飛田正夫)(2011/08/13) 核・原子力 「広島・長崎は福島でそれはパリだ」 仏各地で広島・長崎被爆記念日の集会 「3・11」の直後、エッフェル塔近くで「福島はパリだ」「原発はノー・メルシー」の声が環境保護派の欧州議員らから上がった。それから5カ月、今年の広島・長崎の被爆記念日にフランス各地で、数は多くないが反戦、反核兵器とともに原発廃止を求める市民らの集会が開かれた。しかし、原発推進国のフランスのテレビは、原爆と原発の結びつきが指摘されるのを恐れてか、国営テレビA2で今年も追悼が行われると簡単に報じただけだった。(パリ=飛田正夫)(2011/08/13) 東日本大震災 仏新車の販売減、日本製部品の搬入停滞も原因 フランスの自動社産業の2011年度の新車の売り上げが4ヶ月連続低下し、7月は前年比5.9%の減となった。新車購入補助金の廃止にくわえ、東日本大震災による日本製部品の搬入停滞が原因とされている。(パリ=飛田正夫)(2011/08/06) 核・原子力 仏原子力企業アレバが「福島」後の戦略を検討 受注の大幅減で 世界最大の原子力企業仏アレバ社は、福島原発事故の影響で6200万ユーロ(約75億円)相当の損失をこうむった、と仏右派系紙フィガロ紙が伝えた。注文の破棄により受注が大幅に減少し、2011年上半期の利益は前年同期比で約181億円の減少となった。リュック・ウルセル社長は会見で、「アレバ社に対する同事故のより長期的な帰結をもっか検討の最中だ」と述べた。(パリ=飛田正夫)(2011/08/06) 欧州 オスロのテロ青年「精神鑑定は日本人医師を希望」 ノルウェーのオスロ大量殺害テロ事件のブライビーグ容疑者(32歳)は、ヨーロッパ人よりは日本人医師に精神鑑定をしてほしいと希望をしている、と2日ノルウェーの新聞で弁護士が明らかにした。日本人のほうがノルウェー人の臨床医よりも自分をよく理解してくれそうだからだいう。(パリ=飛田正夫)(2011/08/04) 核・原子力 「欧州加圧水型原子炉でも福島では耐久不能」 仏アレバ社に専門家が反論 福島原発事故発生の5日後の3月16日、仏原子力産業のリーダー、アレバ社のアンヌ・ローベルジョン社長は記者会見して、第三世代の「欧州加圧水型原子炉(EPR)であったならば、福島の放射能の漏れは避けられたのではないか」と話したが、同事故ではEPRでも耐久不可能であったことがオーストリアの原子力専門家ヘルムート・ヒルシュ教授の研究報告で明らかになった。環境団体グリーンピースが「EPR:リスクの過小評価!」と題して、7月25日公表した。(パリ=飛田正夫)(2011/08/02) 中東 イスラエルの反政府デモ、全土で15万人に ネタニヤフ首相をムバラクらと同列批判 住宅難や物価の高騰に抗議するイスラエル国民のデモが7月31日、全国で15万人に膨れ上がった。プラカードには「ムバラク、アサド、ネタニヤフは出て行け」と、アラブの独裁者たちとともに自国首相の名が並べられた。仏誌ヌーベル・オプセルバトゥールの特派員は、「15日目に及ぶ抗議は新たな展開を見せてきた」と報じた。(パリ=飛田正夫)(2011/08/02) 欧州 ノルウェーの連続テロ容疑者、内閣の総辞職と王室の廃止も要求 ノルウェー・オスロの連続テロで逮捕されたアンネシュ・ブライビーグ容疑者(32歳)は、内閣の総辞職と、将軍ならびにノルウェー王室の廃止を要求していた、と7月30日夜の国営テレビ(NRK)が伝えた。また同日のベルデンス・ガング紙によると、青年はノルウェー王宮と労働党本部も爆弾攻撃の標的としていたという。(パリ・飛田正夫)(2011/08/01) 欧州 オスロのテロは「精神鑑定」では解決せず 西欧の「歴史的イスラム憎悪」が仏でも問題化 ノルウェーで起きた極右キリスト教原理主義青年による連続テロをめぐり、フランス政府は事件がサルコジ政権の一連の右傾化政策と関連づけて言及されるのを避けようとしている。政府スポークスマンのバレリー・ペクレス財務相は、27日の仏国営ラジオで、オスロの事件と移民排斥などを叫ぶ同国の極右政党・国民戦線(FN)との関係を問われ、「この事件はすべてを超越していて、FNとも全く無関係である」と述べた。しかし、「9・11」米同時テロ以後の、仏を含めた欧米社会の反イスラム感情の高まりを指摘し、ノルウェー青年の精神鑑定で解決する問題ではないとの声もある。(パリ=飛田正夫)(2011/07/30) 欧州 ノルウェー・オスロ殺りくテロは、キリスト教原理主義青年の「反イスラム」=「十字軍遠征」思想が背後に ノルウェーの首都オスロ中心部での爆破と近郊の島で銃と爆弾を使って92人を殺りくし、世界を震撼させた事件では、32歳のノルウェー人青年が容疑者として逮捕された。青年(アンネシュ・ブレイビック容疑者)の単独犯行であることを、24日、警察側も認めた。(パリ=飛田正夫)(2011/07/25) 検証・メディア ノルウェー紙も米の外交機密文書を公開 ウィキリークスとは別に独自入手 ノルウェーの新聞アフテンポステンが、内部告発サイト「ウィキリークス」と同じ米国の外交機密文書を独自に入手したとして、その一部を掲載しはじめた。ウィキリークスは英紙ガーディアンや独誌シュピーゲルなど欧米の5紙誌に事前に文書を提供し、メディア側がそれぞれ独自に検証、追加取材をした上で同時に報道するという連携関係をとってきたが、アフテンポステンはそのような関係なしに文書を公開するという。入手先は秘密とされている。(パリ=飛田正夫)(2011/01/13) 経済 2011年:「お先真っ暗」は仏が世界一、「期待もてる」のトップはベトナム 53カ国調査 フランスは世界のペシミスト(悲観論者)国のチャンピオンだという。53カ国を対象としたBVAギャラップの調査で、2011年はお先真っ暗だとする人が61%もいたからだ。同国は恒例の年末の花火大会が禁止された。フランスだけでなく社会保険制度が整い資産を多くもつ西欧諸国で将来への不安感や悲観論が高くなっている。これに対し、途上国では新年に期待するオプチミスト(楽観論者)が多くなっている。(パリ=飛田正夫)(2011/01/05) アフリカ コートジボワールで内戦再発の危機 大統領選で2候補が「当選」 アフリカ西部コートジボワールで、11月下旬の大統領選挙の結果をめぐり、ロラン・バグボ前大統領とアラサン・ワタラ元首相の両候補が共に勝利を宣言、2人の大統領が誕生する異例の事態となり、両派の衝突による流血が拡大している。旧宗主国のフランスや国連はバグボ氏の退陣を求めているが、同氏は国際社会の陰謀と反発、内戦の再発も懸念されている。(パリ=飛田正夫)(2010/12/31) 欧州 モロッコ反体制活動家の謎の失踪から45年 仏政府の開示機密資料は空白だらけ モロッコの反体制社会主義者メヒディ・ベンバルカがパリで謎の失踪をしてから45年。事件の真相を明らかにしたいという家族の願いを受けて、フランスの予審判事が今年12月、開示された事件の機密資料を政府から入手した。だが資料の大半は、白紙に「Z」文字が並んでいるだけだった。フランスの20世紀最大の謎とされる事件の解明は宙に浮いたままとなっている。(パリ=飛田正夫)(2010/12/22) 欧州 2012年仏大統領選の候補者選びが始動 サルコジ対ストラカンIMF専務理事の決戦か 2012年のフランス大統領選にむけて、各陣営の候補者選びをめぐる動きが活発化している。ニコラ・サルコジ大統領は再選をめざすが、支持率は低下。有力な対立候補は国際通貨基金(IMF)専務理事のドミニック・ストラカン氏(元社会党財務相、「DSK」と愛称)とみられている。社会党からは、07年の大統領選の決戦投票で敗退したセゴレーヌ・ロワイヤル前元家庭担当相が党予備選に出馬する意向を表明したが、政権奪回をめざし候補者選びは慎重に進められている。(パリ=飛田正夫)(2010/12/19) 検証・メディア アサンジ氏逮捕で、「国境なき記者団」が英国に公正な裁判を請願 国際NGO「国境なき記者団」(RSF)は、内部告発サイト「ウィキリークス」の創始者ジュリアン・アサンジ氏が英国で逮捕されたことで、同氏の公正な裁判を英政府に請願する書簡を発表した。書簡はRSFのジャン−フランソワ・ジュリアー総書記長から、英国のケネス・クラーク国家書記官(司法担当)宛に7日に出された。(パリ=飛田正夫)(2010/12/11) 検証・メディア 「仏メディアは権力監視の意識なし」と米大使 ウィキリークス情報をルモンドが掲載 仏紙ルモンドは10日、内部告発サイト「ウィキリークス」に暴露された、フランスのメディアの体質を批判した米国大使の発言を掲載した。駐仏大使は、フランスの大手メディアのジャーナリストたちはしばしば政府の役人と同じエリート校の出身で、彼らには権力の監視という職業意識が頭にない、と指摘。米国のメディアに比べると、政治・経済的な圧力の下に置かれていて独立してないと述べている。(パリ=飛田正夫)(2010/12/11) 検証・メディア 仏、サーバー会社にウィキリークスの発信停止を要請 「犯罪者は追放」 フランスのエリック・ベッソン産業・エネルギー・デジタル経済相は3日、仏北部にあるサーバー会社OVHに対して、内部告発サイト「ウィキリークス」の情報発信を停止させるよう求めた。ベッソン氏は同サイトを「人びとを危険にさらす犯罪者」と批判している。ウィキリークスはすでに米国のアマゾンのサイトからは1日に追放されていた。(パリ=飛田正夫)(2010/12/05) 欧州 外国人犯罪者は即時国外退去 スイスの国民投票結果に「人権差別」の批判 外国人犯罪者を即時国外退去させる法案が、スイスで11月末の国民投票で承認された。発議者の中道右派政党、国民党(UDC)は「国民が安全問題を憂慮していることが証明された」と投票結果を評価したが、人権団体などは欧州の人権尊重の価値観に背くものと強く反発。シモネッタ・ソマルーガ連邦会議審議員(裁判と警察担当)は「実施に当たっては今後のさらなる協議が必要だ」と慎重姿勢を示している。(パリ=飛田正夫)(2010/12/04) 欧州 武器輸出国への賄賂が仏政治家に還流か カラチ仏人殺害事件で仏前首相が疑惑指摘 武器輸出と賄賂──。パキスタンで2002年に起きたフランス人技師11人の殺害事件をめぐり取りざたされていた両者の関係について、当時の仏大統領官邸書記総監で前首相のドビルパン氏がこのほど、事実関係を明らかにした。同氏は記者会見で、事件と賄賂の関係は否定したものの、フランスが武器輸出契約のさいに相手国関係者に賄賂を支払うことは合法とされてきたため、その一部が自国政治家に還流された疑いがあると述べた。(パリ=飛田正夫)(2010/12/02) 欧州 仏がユダヤ人のドイツへの輸送を初めて謝罪 米国でのTGV入札が狙い フランス国鉄(SNCF)のギヨームー・ペェピ総裁はこのほど、第2次世界大戦中に同鉄道を使ってユダヤ人をドイツの収容所に送り込んだことを認め、初めて正式に文書で謝罪した。だが謝罪は、米国フロリダ州などの高速鉄道建設の入札にフランスの超特急列車(TGV)を参加させる狙いがあったと見られ、同州の「ユダヤ人虐殺の教育普及と資料センター」副会長ロジッタ・ケニスブルグ女史は、「的外れなことをしないで、謝罪するなら犠牲者に直接すべきだ」と述べ、総裁の謝罪を拒絶している。(パリ=飛田正夫)(2010/11/26) 国際 人員削減やミサイル防衛の対露協力も NATO首脳会議が「歴史的な」協議 北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が19日、ポルトガルの首都リスボンで始まった。ラスムセン事務局長はルモンド紙(16日付で)で、この会議を「NATOの歴史で最も重大なものになる」と位置づけ、人員削減や指揮系統の改革が主要議題となることを明らかにしている。欧州を守るミサイル防衛(MD)計画の整備をめぐり、ロシアとの協力を強化する方針だ。(パリ=飛田正夫)(2010/11/20) 欧州 警察にも「法の前の平等」求め追悼集会 05年の仏移民暴動発火点の町で その日は朝から曇天だった。5年前の郊外青年暴動で亡くなった2人の移民少年を偲ぶ5回忌追悼集会がパリ北近郊のクリシー・スー・ボワの町であった。家族側のミニャー弁護士は、「少年たちを死に追い込んだ警察の裁判が近く決まった裏には政治的な事情がある」と少し笑いながらも、死亡事件が今やっと裁判にかけられようとしていることを歓迎した。集まった300人ほどの市民は口々に「警察も法の前で平等に裁判を受けるべきだ」と主張した。(パリ=飛田正夫)(2010/11/11) アフガニスタン 仏軍10人死亡はタリバンへの袖の下を忘れたため? フランスで真相求める声 アフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)に参加するイタリア軍が反政府勢力タリバンに袖の下を贈って攻撃を免れていた、とする15日の英紙タイムズの報道がフランスで波紋を広げている。 この報道が事実であれば、イタリア軍の後続部隊のフランス軍がタリバンの待ち伏せ攻撃に遭い10人が死亡したのは、フランス軍がこの慣行に従わずに金を払わなかったためだという可能性があるからだ。遺族や野党議員は政府に対して、真相を明らかにするよう求めている。(パリ=飛田正夫)(2009/10/31) 検証・メディア 仏・伊の報道の自由度低下を懸念 米・日は改善 「国境なき記者団」発表 報道の自由の向上をめざす国際NGO「国境なき記者団」(RSF、本部・パリ)は20日、2009年度の世界各国の報道の自由度ランキングを発表した。オバマ政権が誕生した米国が大幅に改善、20位(昨年35位)となったのに対して、西欧民主主義を標榜するフランスは43位(同35位)、イタリアは49位(同44位)へといずれも低下した。日本は17位(同29位)に上昇し、カナダやドイツを抜いた。(パリ=飛田正夫)(2009/10/24) 仏大統領の子息に親の七光り批判 政府系機関トップ人事に女性大臣も諫言 フランスのサルコジ大統領の子息ジャン・サルコジ氏(23)が、パリ郊外の新都市開発公団EPADの会長候補になったことをめぐり、親の七光りではないかと、論議を呼んでいる。与党国民運動連合(UMP)のラマ・ヤッド・スポーツ閣外相は選挙への影響に懸念を表明、大統領に苦言を呈したもののその後発言を撤回。野党・社会党のフランソワ・オランド前書記長は「問題なのは、子供ではなく父親なのだ」と批判した。世論調査では与党支持者も反対が半数以上を占めている。(パリ=飛田正夫)(2009/10/17) 「オバマ大統領のノーベル平和賞は激励賞」 国際人権連盟のベラアッセン会長 オバマ米大統領のノーベル平和賞受賞決定が報道された9日、国際NGO、国際人権連盟(International Federation for Human Rights)のスワィ・ベラアッセン会長に人権擁護の立場から感想を伺った。同会長は開口一番私(飛田)に、このニュースは「まったく寝耳に水で予想してなかった」と述べながらも、「オバマは受賞で後には引けなくなった」と今後の行動への激励賞と位置づけた。(パリ=飛田正夫)(2009/10/11) アフガニスタン アフガン派兵に仏国民の64%が反対 米国人は57%が賛成 フィガロ紙世論調査 治安の悪化が進むなか、アフガニスタンの大統領選が20日、投票された。これに先だちフランスで行われた世論調査で、フランス人の64%がアフガンへの仏軍の派兵に反対していることがわかった。アメリカ人では賛成派が57%と多かった。フランス人の賛成派は36%で、内訳は57%が与党国民運動連合(UMP)支持者で社会党(PS)支持者は26%であった。左派の仏人やアフリカ系アメリカ人では参戦反対の傾向が特に強く、仏米ともに女性にその傾向が顕著だった。(パリ=飛田正夫)(2009/08/20) 「期待ないから失望もなし」「金融危機で不運」… 仏大統領の支持率低下めぐり多様な声 支持率の低下に悩んでいるのは、日本の麻生首相だけではない。就任から3年目に入ったフランスのサルコジ大統領に対しても、国民の65%が「失望」と答え、「満足」は24%以下という世論調査結果がでた。この数字をどう見るかをめぐって同国のメディアはさまざまな国民の声を紹介している。「公約の雇用、教育が果たされていない」という批判、「世界的な金融危機に見舞われ不運」との同情、さらには「私が失望しないのは何も期待していないからだ」という皮肉など、なかなかにぎやかだ。(パリ=飛田正夫)(2009/07/04) イランの抗争:ベネズエラ、ロシアはアフマディネジャド大統領支持 仏大統領はムサビ派に期待 イラン大統領選の開票をめぐる混乱は、最高指導者ハメネイ師が19日、アフマディネジャド大統領の勝利は決定的なものだとして、敗れた改革派のムサビ元首相支持者らに抗議行動の停止を求めたあとも、収まる気配がみられない。フランスは、1978年のイラン革命の指導者ホメイニ師の亡命先だったこともあり、イランのイスラム体制の行方に大きな関心をもっている。国営放送A2テレビなどフランスの各種メディアが伝えたハメネイ師の講演の模様や各国の見解を紹介する。(パリ=飛田正夫)(2009/06/21) 仏大統領に「必要ないので、帰ってください」 ガボン大統領の葬儀で民衆から野次 ガボンの首都リーブルビルで16日行われた同国のボンゴ大統領の葬儀に出席したサルコジ仏大統領に対して、数十人のガボン民衆が「我々はあなたを必要としないので、帰ってくれ」「サルコジはガボンを破壊した」などと野次を浴びせた。故大統領は、フランス各地で高級住宅などの私的不動産を購入するためにガボンの公金を横領した疑いをはじめ、両国にまたがる不透明な関係が解明されないままに、ガンのため73歳で8日にスペインの病院で亡くなった。(パリ=飛田正夫)(2009/06/18) 「虐待」か「行過ぎたしつけ」か 仏で盗癖ある10歳の息子を父が鎖で縛り、地面で食事 10歳の息子を1年以上も庭先の柱に鎖に縛りつけ、地面で食事をさせていたとして、フランスの地方都市の父親が児童虐待で警察に拘束された。調べに対して45歳の父親は、少年には兄弟の持ち物を泥棒する癖があったため、「これが私のしつけのやり方だ」と主張し、担当検事も父親に理解をしめしている。(パリ=飛田正夫)(2009/06/18) トルコのEU加盟などで米仏大統領に方法論的な相違 ノルマンディー作戦65周年記念で会見 第2次世界大戦での連合軍によるノルマンディー上陸作戦65周年を記念するためフランスを訪問したオバマ米大統領は、記念日の6月6日、追悼式典に先立ち下ノルマンディーの首都カンで、サルコジ仏大統領と記者会見にのぞんだ。両大統領は米仏関係、中東問題、イランの原子力開発、イスラム社会との対話、トルコのEU加盟について持論を述べた。トルコのEU加盟やイスラム教徒との共生問題で両大統領に方法論的な認識の相違が見られた。(パリ=飛田正夫)(2009/06/14) 天安門事件20周年の欧米のネット、TV報道を中国が検閲 米国は民主化要求 20年前の天安門事件で殺害もしくは行方不明になった中国の学生や市民の名簿を、クリントン米国務長官が3日公表した。これに対して中国外務省スポークスマンは4日、「大変な干渉だ」と記者団に不満を述べた。「北京の春」を記念する米欧のネットやテレビの報道が中国当局によって検閲されている、とフランスのレクスプレス誌やリベラション紙などは伝えている。(パリ=飛田正夫)(2009/06/06) 経済危機下、左派の伸張に注目 欧州議会選の投票始まる 仏有権者の関心はいまひとつ 欧州議会の選挙の投票が4日から始まった。欧州連合(EU)加盟国27カ国の3億7500万人の有権者によって、7日までに736人の議員(任期5年)が選出される。世界的経済危機の中で、右派政党で構成される多数派の欧州人民民主党に対して、欧州社会党などの左派がどれだけ議席を伸ばせるかが焦点となっている。バローゾ欧州委員会委員長を交代させることを左派政党は狙っている。最近のフランスの世論調査から市民の関心や反応を紹介する。(パリ=飛田正夫)(2009/06/04) 228人乗り仏機消息絶つ リオ発パリ行き、ブラジル沖で エールフランス航空のブラジル・リオデジャネイロ発パリ行きエア・バス330-200型機(乗員・乗客228人)が1日、ブラジル沿岸沖で消息を絶った。フランス航空では落雷に遭った可能性が高いとみており、空港側では「どんな希望も持てない」といっている。(パリ=飛田正夫)(2009/06/02) 「10005が私の名前だった」 グアンタナモ収容所から釈放のアルジェリア人、悪夢の日々を回顧 「番号10005号が私の名前でした」─グアンタナモ米軍基地にテロリストとして7年間拘束されていたアルジェリア人ラグダ・ブーメヂエネ氏(43)は、5月25日パリのレストランでピザとオレンジジュースを前にして自由な空気を吸いながら、収容所での悪夢の日々をルモンド紙の記者に少しずつ話し始めた。「光が入らず、冷房が最大限に調整されていて凍るような寒さ」の独房で、同氏は拷問に耐えながら無実を訴え続けてきたという。(パリ=飛田正夫)(2009/05/30) 6歳と10歳の小学生を警官6人が連行 自転車泥棒容疑で 父母らの抗議で仏政府が調査開始 フランス西南部の地方都市フローィラックの町で19日、下校途中のイシャム君(10)と従兄弟(6)を6人の警官が警察署へ連行、2時間近い尋問の後で釈放した。自転車泥棒の容疑という。オリビエ・ル・グエストレ県公安副局長は「たとえ未成年でも、取調べはする」と警察を全面支持したが、イシャム君の母親は自転車は寄贈を受けたものだと反発、「別のやり方があったはずだ」と警察の手荒な扱いを批判した。教員や父兄も大きなショックを受け、政府が事情調査に乗り出す騒ぎとなっている。(パリ=飛田正夫)(2009/05/28) 「ヨーロッパの日」、シューマンの墓参禁止騒ぎ 仏の与野議員が野党議長に反発 「ヨーロッパの日」の5月9日、フランスのフランソワ・バイル民主運動(モデム)議長が、欧州共同体の生みの親の一人であるロベール・シューマン(1886-1963)の墓参りを拒否されそうになった。与党国民運動連合(UMP)の上院議員で、墓のある地方の審議会議長を務めるフィリップ・ルロワ氏が反対したためだ。バイル議長は結局、献花できたが、この騒ぎは名跡への同議長の墓参がメディアで話題になることに対するライバル政党のやっかみがからんでいたようだ。(パリ=飛田正夫)(2009/05/24) グアンタナモに拘束のアルジェリア人、7年ぶりに釈放 パリで家族と再会 キューバのグアンタナモ米軍基地のテロ容疑者収容所に7年間拘束されていたアルジェリア人、ラグダ・ブーメヂエネ氏が釈放され、16日パリで出迎えの妻子との再会を果たした。同氏は2001年末にボスニアで逮捕されたが、米国は08年11月に同氏はテロリストでないと認定した。米国は容疑の晴れた拘束者30人ほどの受け入れをヨーロッパ各国に要請していた。本国に帰還すると迫害を受ける恐れがあるためだという。(パリ=飛田正夫)(2009/05/19) アタックにネスレがスパイ容疑 スイス地裁の免訴判決を控訴院が破棄、再審を要求 反グローバリズム運動を展開するNGO、アタック(ATTAC)に対して、世界的食料品メーカーのネスレ社が委託した安全警備保障会社セキュリタス社がスパイ行為をしていたとされる事件で、ローザンヌ地方裁判所は4月23日に会社側に好意的な免訴の判決を下した。しかし、スイス控訴院はこの決定を証拠不十分だとして破棄し、地裁に差し戻し再審査を要求した。原告のアタック側の訴えを一部認めるかたちとなっている。(パリ=飛田正夫)(2009/05/17) チャドで政府軍と反政府軍が激戦、247人が死亡 アフリカ中部チャドの東部で8日、政府軍と反政府組織、レジスタンス連合軍(UFR)との戦闘で少なくとも247人が死亡した。同地域にはダルフール紛争のスーダン難民やチャドの国内避難民ら45万人がおり、NGOなど多くの国際組織が支援活動を行っている。戦闘の激化で、いくつかの組織は避難し従業員も減り活動を縮小しているという。(パリ=飛田正夫)(2009/05/10) 「我々はテロリストではない」 パリのタミル人移民がスリランカ政府の攻撃停止求めてデモ 「われわれはテロリストではない。国際社会は大量虐殺の停止に立ち上がってほしい」─。スリランカ政府軍による反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)への最終攻撃通告で民間人の犠牲増が懸念されるなか、フランス在住のタミル移民約5千500人が5月1日のメーデーにパリでデモを行い、仏政府に支援を訴えた。LTTEはヨーロッパではテロリストとして見られているが、参加者たちは「テロリストはスリランカ政府だ。祖国に平和を!」と叫んだ。(パリ=飛田正夫)(2009/05/09) ソマリア海賊からの救出戦で死亡した仏人は、仏特殊部隊の銃撃で被弾 ラジオ・ヨーロッパ1報道 5月4日のラジオ・ヨーロッパ1は、4月10日にアデン湾沖で起きたソマリアの海賊とフランス軍との銃撃戦で死亡したフランス人フローラン・ルマッソン氏は、仏特殊射撃部隊の弾丸にあたっていたことが明らかになったと報じた。情報源は明かしていない。ヘルベ・モラン仏国防相は、17日の司法解剖検査の結果からは同氏の死因がフランス側の弾丸によるものかどうかは判断ができないとしていた。4日朝、管轄のレンヌ裁判所検事は、まだ調べは終わってなく特殊部隊という軍事機密に関わるため、この報道は承認も否認もできないと語った。(パリ=飛田正夫)(2009/05/06) 仏メーデー、労働者もマイノリティも 歴史的な統一デモを実現、資本主義退廃に多様なスタイルで抗議 5月1日のメーデー。フランスでは全土約300ヶ所で120万人以上が参加、雇用の安定と賃金アップなどを求めさまざまなパフォーマンスを展開した。今年の特徴は、すべての組合が参加するという歴史的な統一デモを実現させたことだ。大企業管理者の巨額な報酬や買収された企業の役員が巨額の退職金を得るゴールデンパラシュートといった資本主義の退廃的状況に、労働者や市民団体の怒りが爆発、社会変革に向けた闘いを押し出した感がある。アフリカ系サンパピエ(滞在許可書不所得者)やスリランカのタムール、キューバ、コロンビアなどフランス社会在住のマイノリティー移民集団が祖国の人権抑圧に抗議するなど多様なスタイルで参加した。(パリ=飛田正夫)(2009/05/05) イスラエルはなぜ差別主義者なのか イラン大統領にスイスTVが単独会見 ジュネーブで4月20日に開催された国連の人種差別反対世界会議の再検討会議で、イランのマハムード・アハマディネジャド大統領が、イスラエルは人種差別政府だと反ユダヤ主義的演説を行い、これに抗議するフランスなど欧州の25カ国ほどの代表が退場する一幕があった。普遍的なはずの人権が、イスラム教の世界と西欧とでなぜ異なって解釈されるのかを糾そうと、スイスのテレビ局TSRが同大統領に単独会見した。その一問一答を紹介する。(パリ=飛田正夫)(2009/05/04) 金融サミットと米国との首脳会議控えEUに戸惑い 議長国チェコで内閣退陣 欧州連合(EU)議長国チェコの下院は26日、トポラーネク首相の中道右派連立政権に対する不信任案を可決、内閣は総辞職する見通しとなった。EU議長国の政権の任期途中での退陣は異例。チェコの国際的威信の低下だけでなく、4月2日にロンドンで開く金融サミット(G20)と同5日にプラハで開かれる予定のオバマ米大統領とEUの首脳会議を控え、EUは対応に苦慮している。また次期内閣の性格によっては、リスボン条約の批准やチェコへの配備が予定されている米国のミサイル防衛(MD)システムにも影響が出るものと見られている。(パリ=飛田正夫)(2009/03/28) 08年の世界の死刑執行は前年比2倍の2390人 最多は中国 アムネスティ発表 2008年の1年間に世界で執行された死刑は25カ国で2390人を数え、前年の1252人の2倍近く増加したことが国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルから24日に発表された。最も多いのは全体の72%を占める中国で、次いでイラン、サウジアラビア、パキスタン、米国。この5カ国で93%に上る。(パリ=飛田正夫)(2009/03/26) NATO首脳会議に抗議する平和の旗に警察が撤去命令 開催地の仏ストラスブール 北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が4月3〜4日に開催されるフランスのストラスブールでは、世界23カ国500団体から3万人の平和主義者が集まり、軍事同盟への抗議集会を予定している。これに先だち、市民が家に掲げた平和を示す七色旗に警察が撤去命令を出した。市民や議員からは、公共の自由を侵す違法行為だとする強い非難の声が上がっている。(パリ=飛田正夫)(2009/03/24) 仏全土で300万人が政府の「改革」批判のデモ パリの参加者たちの声を聞いた フランス全土で300万人が参加して、企業や大学、病院などの人員削減に反対し政府の改革政策に修正を求めるデモが19日、行われた。プジョー、シトロイエンなど民間企業の労働者も多く参加した。共和国広場からバスチーユ広場へ向かうパリのデモ行進は、さまざまな考えを持った人々の交歓の場のような雰囲気に包まれ、参加者は思い思いにデモの意義を述べた。しかし、このデモに対しサルコジ大統領は「ノーコメント」で無関心を装った。(パリ=飛田正夫)(2009/03/20) スーダンで国境なき医師団の3人を拉致 バシル大統領への逮捕状と関連か 国際NGO、国境なき医師団(MSF)のベルギー支部のメンバー5人が10日夕、内戦の続くスーダン西部のサラフ・ウムラ地域で拉致された。2人の現地採用の労働者はすぐに釈放されたが、フランス人とイタリア人の医者とカナダ人の看護婦の3人は身柄を拘束されたままだ。フランスのメディアによると、国際刑事裁判所(ICC)がスーダンのバシル大統領に戦争犯罪の罪で逮捕状を出したことに関連があるものと見られている。(パリ=飛田正夫)(2009/03/14) 世界経済 「奴隷制度の復活は許さない」 仏海外県の労組指導者が対決姿勢強める カリブ海のフランス海外県グアドループで1月20日から物価高騰への抗議行動を続けている、急激な島の開発に反対するグループ(LKP)は、経営者側から200ユーロ(約22000円)の賃上げを勝ち取ったが、中小企業家連合Medefは賃上げ締結の議定書を認めないと宣言した。Medefは、植民地主義時代から島の産業を一手に握っているベッケと呼ばれる家系が大きな力を持っている。LKPの象徴的指導者となったエリー・ドモタ氏は5日、賃上げをまだ渋っている企業に対し「我々は奴隷制度を復活させるベッケを許さない。彼らが議定書に同意するか、グアドループの島を出てゆくかだ」と発言、対決姿勢を強めている。(パリ=飛田正夫)(2009/03/14)
新ネット「あなたの宿題やります」は一日で閉鎖に フランス 【パリ7日=飛田正夫】6日に、フランスのエリート養成高等教育機関の出身者が、宿題などを代行する「 Faismesdevoirs.com 」(英語訳:DoMyHomework.com)というネットを、米SNS大手のフェースブックフェースに立ち上げたところ、直ちに批判が起き、数時間後に閉鎖に追い込まれた。(2009/03/08) 大学改革に反対、教員らの無期限スト4ヶ月目に パリ大学ソルボンヌ校 【パリ7日= 飛田正夫】政府の大学改革案に反対するパリ学生全協会(Ageps)の呼びかけに応じて、パリ第4大学ソルボンヌ校では6日、ほとんどの授業が停止された。改革は将来の教員の質を悪化させる危険性があるなどとして撤回を求める大学教員・研究者と政府の話し合いはすでに4ヶ月近くに及び、この間学部によっては無期限ストが打たれて授業が全然行われてない。5日にはパリ市内で5万に及ぶ改革反対のストが行われたばかりであった。(2009/03/07) 世界経済 仏海外県グアドループ島の賃上げ行動、一部は勝利 労組員が銃撃で死亡 【パリ28日=飛田正夫】物価高騰にともなう労使の対立が長期化している、カリブ海のフランス海外県グアドループで27日夜、労組の要求する200ユーロ(約24000円)の賃上げに経営者側が合意した。合意書に調印したのは2労組だが、40組合を率いるLKPは勝利と評価し、今後さらに他の組合でも同様の成果を勝ち取りたいとしている。しかしマルチニック島の交渉は進展が見られず、サルコジ大統領が解決に乗り出す意向を示した。(2009/03/01) カリブ海の仏海外県で長期ゼネスト 物価高騰への抗議と人種差別がからむ 【パリ13日=飛田正夫】カリブ海にあるフランスの海外県、グアドループとマルチニックで、物価高騰に対する住民の抗議行動が激化している。グアドループではゼネストが13日で24日目に入り全島が麻痺状態となっているが、政府は打開策を見出せないでいる。マルチニックでは人種差別や奴隷制の問題もからみ、事態を複雑にしている。(2009/02/14) 住民の野次は知事と県警局長に責任 仏大統領の懲罰に「時代錯誤」の批判噴出 サルコジ仏大統領がノルマンディー地方を訪問したさい、住民から野次を浴びたことで、同地方の知事と県警公安局長が責任を問われて更迭された。コルシカ島でも数ヶ月前、大統領の機嫌を損ねた警察長官が警備不行き届きで処罰を受けている。あいつぐ懲罰人事に「ベルサイユ時代の専制裁判の再来か」という批判が与野党議員やメディアから上がっている。(パリ=飛田正夫)(2009/02/04) 労働問題 雇用削減に反対、仏で250万人がストとデモ 公共労働者に民間労働者も合流 【パリ29日=飛田正夫】金融危機などで失業が深刻化するフランスで29日、雇用削減反対と収入増を訴える大規模なストライキが始まった。国鉄、電力、病院、教員、郵便などの公共機関だけでなく民間のルノー自動車などの労働者も合流し、労働総同盟(CGT)の発表によると、ストに参加した250万人が全国200ヶ所以上で政府への抗議デモをを行った。国民の69%がストを支持しているという。(2009/01/30) イスラエル/パレスチナ イスラエルが単独停戦を票決か ハマスは軍撤退を要求 死者1199人に 【パリ17日=飛田正夫】イスラエルは、エジプトと米国がガザ地区への武器密輸を止める約束をした後に、17日夕にもオルメルト首相を中心に安全閣議を招集し、同地区での単独停戦を票決するとの情報が16日に伝えられた。だが、イスラエル軍は17日も明け方から空爆を続け、パレスチナ人権センターによるとパレスチナ人の死者は1199人に達した。(2009/01/17) イスラエル/パレスチナ 国連事務総長はガザの即時停戦を、ビンラディンはイスラエル軍への聖戦を呼びかけ 【パリ15日=飛田正夫】ガザ地区の停戦協議のため中東歴訪を始めた国連の潘基文(バンキムン)事務総長は14日、ハマスのイスラエル領へのロケット攻撃とイスラエルの過度な軍事展開を非難し、双方に戦闘の即時停止を繰り返し呼びかけた。一方、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディンは、ガザ地区でのイスラエル軍の攻撃に対し聖戦を呼びかけていることが同日わかった。この中で、ビンラディンはパレスチナ人民の苦しみを語っている(2009/01/15) イスラエル/パレスチナ 仏国営TVがイスラエル軍の攻撃で誤報 メディア諮問機関が報道監視を強化へ 【パリ14日=飛田正夫】フランス国営テレビA2は、5日昼のニュースで、イスラエル軍の攻撃によるものだとして、ガザ地区最大のパレスチナ難民キャンプがある北部のジャバリヤでトラックが爆発し大勢の犠牲者が地上に横たわる映像を流した。しかし、同国の視聴覚高等諮問機関CSAは、このニュースは誤報と指摘、A2に対し正確な報道とその確認を勧告した。CSAはこれを機に他のメディアへの監視強化の方針を決めたと13日発表した。イスラエルの友好国のフランスとしては、A2のような反イスラエル的な行為は好ましくないと判断されたようだ。(2009/01/15) イスラエル/パレスチナ 欧州NGOと国連のガザ救援活動が始動 イスラエルの3時間攻撃停止で 【パリ8日=飛田正夫】ガザ地区での1日3時間の停戦が7日に決まったのを受けて、「次第に一大強制収容所の様相を呈してきた」(バチカンのレナト・マルチノ枢機卿)同地区のパレスチナ人に対する、ヨーロッパのNGOと国連機関の救援活動が活発化している。欧州の各種メディアによると、これらの国際機関は (2009/01/10) 仏大統領と首相がともに海外で年末バカンス 「経済危機のさなかに不謹慎」との声 【パリ31日=飛田正夫】フランスのサルコジ大統領とフィヨン首相はともに、クリスマス以降、海外で年末休暇を過ごした。これは、数万人の労働者が失業し多くの企業が閉鎖されるという国の危機を省みない不謹慎な行為だと嘆く、少数右派「立て共和党」の創立者ニコラ・デュポン−エニョン議員の声を24日のリベラション紙やフィガロ紙は伝えた。支持率低下に悩むサルコジ政権への国民の信頼を取り戻そうと、フィヨン首相は「国民の一般的なモラル感覚からはずれた」大臣や与党議員を叱責したばかりだが、自らの襟をただすのは忘れたようだ。(2008/12/31) ノーベル医学賞選定で収賄疑惑 スウェーデン検察が予備調査を決定 【パリ24日=飛田正夫】今年度のノーベル医学賞の選考過程をめぐる疑惑を解明するため、スウェーデンの検察当局が18日、予備調査を決定した。同賞は独仏3人で分け合ったが、受賞者の1人であるドイツのハラルド・ズール・ハウゼン氏の発見したワクチンは、「英−スエーデン」系アストラ・ゼネカ製薬会社が子会社を介して、特許権による利益を得ている。ところが、受賞者を選ぶカロリンスカ研究所の選考委員長ベルティル・フレドーム氏が、同社の顧問であったことから、選定にあたりなんらかの影響があったのではないかとの疑惑が持たれている。(2008/12/24) 仏が人権担当相を廃止 「人権だけでは外交はできない」と外相 国際人権デーに 【パリ20日=飛田正夫】仏外務省のラマ・ヤッド人権担当相のポストの廃止が発表された。クーシュナー外相は「私が創設したポストだが、これは誤りだった。人権だけでは外交はできない」とパリジィアン紙のインタビューで答えている。ヤッドさんはサルコジ政権の人権外交の迷走に批判的だった。外相発言が世界人権宣言60周年記念の今月10日になされたことに、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルはショックを受けている。(2008/12/20) 世界経済 36%値引きの新車も 自動車の売れ行き不振で、仏政府が業界に低金利支援策 【パリ17日=飛田正夫】フランスでも自動車の売れゆき不振が深刻化し、新車の36%ダンピングという中古よりも安い価格まで登場していると15日のフランス国営放送A2テレビが伝えた。下請け関連企業の連鎖倒産を危惧する自動車業界は、政府に対して低金利の資金支援を要請している。サルコジ政権はこれに条件付きで応じる姿勢を示している。また新車の購入希望者に対して、10年以上の車を1千ユーロ(約15万円)で下取りする優遇策を打ち出している。(2008/12/17) 09年度のミス・フランスは初の「仏−アフリカ系米国人」の19歳 オバマ旋風なのか 【パリ11日=飛田正夫】来年度の第62代のミス・フランスに、初の「仏−アフリカ系米国人」が選ばれた。クローエ・モルトーさん(19)で、フランス人を父親に、ミシシッピイから25年前にやって来たアフリカ系アメリカ人を母にもつ、米仏の二重国籍。今年度のミス・フランスのバレリー・ベーグさんと同じくメティスと呼ばれる有色混血だが、アフリカ系のミス・フランスは初めてだという。しかも6日におこなわれた今回の最終選考では2位以下4位までをメチィス系が占めた。オバマ旋風が追い風になっているようだ。(2008/12/11) 「クリアストリーム事件はサルコジ大統領の演出」 ド・ビルパン前仏首相が逆襲 【パリ6日=飛田正夫】大統領就任前のサルコジ氏(当時内相)を陥れようとしたとされる謀議事件で訴追されたド・ビルパン前首相が、1日のラジオ・ヨーロッパ1で、無実を宣言すると共に、事件はサルコジ氏によって仕組まれた演出だったとして、大統領を厳しく告発した。(2008/12/06) 世界経済 冬の貧困層を支えて24年、仏の「心のレストラン」の食料配給に金融危機の影 【パリ1日=飛田正夫】12月1日は、フランスの貧困層を支えてきた重要な協会の誕生日だ。喜劇役者のコリッシュ氏が創立した「心のレストラン」のことで、協会による冬の困窮者への食料配給はいまではクリスマスと同じ冬の風物詩となっている。昨年の冬には9100万食分が配られたが、24周年を迎える今年は、経済の悪化で受給希望者が急増しているため1億食分を用意している。くわえて折からの金融危機の中で、食糧が高騰しそれを調達する寄付金もぎりぎりだという。(2008/12/01) 冬のパリ、今月3人目のホームレス死者 【パリ日29日=飛田正夫】冬の寒さが増すパリの東のバンセーンヌの森で25日、11月に入り3人目のホームレスの死体が見つかった。サルコジ仏大統領は28日、「国は緊急収容施設を用意し、そこでは暖かな食物があり、治療が受けられる。シャワーもある」とホームレスに呼びかけたが、「あそこは煩くて、不安で、眠れない」と忌避する者もいる。パリの中心部を離れて、バンセーンヌの森など目立たない都市周辺部を棲家とするホームレスが増えているといわれ、死者の増加が危惧されている。(2008/11/29) 世界経済 仏極左政党指導者ブザンスノ氏の人気が上昇 サルコジ政権と対決、資本主義打倒の新党結成へ 【パリ29日=飛田正夫】フランスの極左政党、革命的共産主義者同盟(LCR)代表のオリビィエ・ブザンスノ氏の人気が高まっている。郵便配達員の同氏は、サルコジ大統領の住むパリ西部郊外の高級住宅街ヌィーイ市で自転車で郵便物を配達しているが、大統領の金融危機対策を痛烈に批判。11月6日の集会で、「資本主義を打倒し新しい社会を建設しよう」と強く訴え、来年1月末に新党アンチ・キャピタリズム(NPA)を結成すると発表した。なぜ今、極左人気なのか。(2008/11/29) インターネットで赤ちゃんを売買 貧しいベルギーのカップルが裕福なオランダの夫婦に ベルギーの若いカップルが、生まれた赤ん坊を経済的に育てることができないとし、インターネットで売却したとされる事件が明るみになった。買ったのは、子どもがいないオランダの裕福な若い夫婦。ベルギーには子ども売買禁止の法律がなく、カップルは虚偽の出生届けと養子縁組法違反の容疑で取り調べが行なわれている。有罪の場合は懲役刑5年以内が科せられる。(パリ・飛田正夫)(2008/11/27) 話題の仏の女性法相に、今度は疑惑の指輪 【パリ23日=飛田正夫】フランスのサルコジ大統領からの信任が厚いラシダ・ダチ法相。在任中に妊娠を公表するなど、とかく話題をさらう女性法相だが、今度は、フランスの裁判官や弁護士など534人から公式な謝罪を要求された。理由は、10月に収容施設で起きた16歳の少年の自殺をめぐって、同法相が取り調べ当局に過度に厳しい対応をみせたこと。一方、この記事を伝えた保守系フィガロが、ダチ法相の資料写真に“修正”を加えて掲載した疑惑も浮上する始末だ。(2008/11/24) 「社会主義的価値の実現めざす」オブリさんが勝利 仏社会党書記長選の決選投票 【パリ22日=飛田正夫】フランス社会党の新書記長に22日、マルチン・オブリ前雇用相・現リール市長(58)が選出された。決戦投票でセゴレーヌ・ロワイヤル前大統領候補(55)との大接戦の末に42票の僅差で勝利した。オブリさんはサルコジ大統領のネオリベラリズム政策の混迷を厳しく批判し、「みなさんは社会主義の実現を望んでいるのでしょう」と社会党の立ち位置を鮮明にしたのが勝因とみられている。(2008/11/22) 「バスク祖国と自由」の戦闘隊長テロキィを逮捕 【パリ19日=飛田正夫】スペインのバスク地方の分離独立を求める組織「バスク祖国と自由」(ETA)の過激活動家で新世代を代表する戦闘隊長と目される、ミゲエル・デエ・ガリコイズ・アスピアズ・ルビナ、通称テロキィ(35)が、巡礼地ルルド近くのピレネー山中の町で17日朝に逮捕され、18日にパリに身柄送検された。ETAはヨーロッパと米国のテロリスト組織リストに掲載されており、この40年間のテロ活動で824人が犠牲となっている。(2008/11/20) タリバンが仏軍のアフガン撤退要求 「次はパリだ」とテロ予告 アラブTVで 【パリ18日=飛田正夫】アフガニスタンのイスラム原理主義反政府勢力タリバンが、17日夕に中東の衛星テレビ、アルアラビーヤをつうじて、仏軍のアフガンからの撤退がなされない場合にはパリを襲撃すると脅迫した、と仏各紙が報じた。タリバンはまた、8月に仏部隊が首都カブール北部で待ち伏せ攻撃を受けて兵士10名が死亡した事件についての犯行声明も出した。声明をおさめたビデオが本物かどうかは不明だが、仏メディアは政府のテロ対策の強化を求めている。(2008/11/19) 先人巨匠の影響受けた画家ピカソに迫る パリで大掛かりな展示会 【パリ18日=飛田正夫】20世紀に活躍した巨匠パブロ・ピカソ(1881−1973年)の業績を辿る「ピカソと巨匠たち」という大掛かりな展示会がことし10月からパリの国立ギャラリー・グランパレで開催され、人気を集めている。ピカソは多くの偉大な芸術家の影響を受けたことで知られるが、今回の展示は、ピカソと他の巨匠画家たちの作品を展示し、合わせてピカソの画風の変遷を辿ろうというものだ。グランパレに足を運び、入館者の声を拾ってみた。(2008/11/18) 「超極左」グループが仏特急列車の運行妨害テロか 独でも同様の事故 【パリ15日=飛田正夫】フランスの特急列車TGVが8日、パリ─リール間で相次いで遅れる事故があり、「超極左」のアナーキスト約20人が鉄道の運行妨害のテロ容疑で当局の調べを受けている。現在までに彼らの犯行の証拠となる指紋もDNA鑑定も出ていないが、ドイツでも超極左グループによる原子力廃棄物運搬の列車阻止が起きており、捜査当局は彼らと独、英、米のグループとの関係も調べている。(2008/11/15) 西欧の宗教画と東洋思想の接点にも関心 パリでルオーの没後50年記念展 20世紀最大の宗教画家ルオーの没後50年を記念する展覧会が、パリのピナコテック(美術館)で開催されている。ルオーのコレクションで世界的に知られる日本の出光美術館から、400点以上の所蔵品のうち70点が展示され、フランスにおける戦後最大のルオー展となっている。諸万聖節で学校が休みということもあり多くの観客を集めて盛況だ。禅や東洋思想の神秘主義がブームのなか、作品を前にルオーにおける西欧と東洋との接点をさぐろうする人も見られる。【パリ=飛田正夫】(2008/11/02) 欧州移民新世紀 「闇に葬らないで」 仏移民暴動から3周年、発火点の町でアフリカ系青年の追悼式 パリ北部近郊のクリシー・スー・ボワ、と聞いても日本人の大多数はわからないだろう。でも、3年前にフランス全土を揺るがしたアフリカ系移民の暴動の発火点となった町、といえば思い当たるかもしれない。同市に住む移民二世の2人の青年が警察の追跡で変電所に逃げ込み感電死した事件に対する住民の抗議は、その後の3週間にわたる300箇所ほどの都市での暴動事件へと発展していった。その日から3周年目の10月27日、同市では200人ほどが集まり2人の記念碑に献花した。事件はまだ裁判も行われず、闇の中に葬り去られるのではないかと心配する住民らは口々に早急な事実の究明を訴えた。(パリ= 飛田正夫)(2008/10/29) 農と食 フランスで食品の「値上げ隠し」が明るみに 価格は据え置き中身を減量 【パリ25日=飛田正夫】フランスの大手食品製造会社の商品値上げのやり方が問題になっている。包装や価格は従来のままにしておいて中身だけを減量するというやり方を採っていたという。それは消費者の眼を欺いた実質的な値上げだ。そのために国家消費統計局(INC)の物価上昇の数字にも正確に反映されにくい。その実態を暴露した月刊誌「6千万人の消費者(60 millions de consommateurs)」(10月号25日発売)は、「インフレ隠しのたちが悪いやり方だ」として企業の倫理的側面を追及している。(2008/09/25) 環境にやさしいパリの新名物タクシー 半電動の三輪車を体験 パリ市内に昨年夏から登場している半人力・半電動三輪車のタクシー。運転手が後輪をペダルで漕ぎ、前輪を電気モーターで動かす省エネの乗り物だ。パリの交通手段といえば、地下鉄にタクシーが一般的だったが、最近は市が貸し出す自転車も人気で、環境にやさしい乗り物に、一段と注目が集まっている。この三輪車を運営しているウーバン・カブ社の半人力・半電動三輪車に乗ってみた。(パリ=飛田正夫)(2008/09/21) 「花形狂言」に「面白い」「日本人は異質だ」 パリ公演をフランス人が堪能 【パリ13日=飛田正夫】大蔵流狂言師茂山千作率いる「花形狂言」の一団がパリにやってきた。パリと京都市が姉妹都市になっている関係で公演が実現した。会場は市内中心のシャンゼリゼ大通りに近い大統領エリゼ宮殿となりのピエール・カルダン劇場。木曜日の夕刻8時からの開演で、しかもあいにくの大雨にもかかわらず、日本贔屓のフランス人ら3百名ほどが熱心に鑑賞した。日本芸能の語りと舞いを異国の人たちは「狂言は面白い」「日本人は異質だ」と評した。(2008/09/13) イタリアがリビアに植民地支配を謝罪 賠償でインフラ整備などを援助 イタリアのベルルスコーニ首相は先月31日、リビアの最高指導者カダフィ大佐とトリポリで会い、「自分たちのせいで大変に苦しい思いをさせてしまった」として同国の植民地支配(1912―1943)を謝罪した。大佐はヨーロッパの嫌悪する植民地時代の清算を他のアフリカ諸国にも要求するよう訴えている。イタリアは損害賠償金として50億ドル(約5400億円)をリビアのインフラ整備に還元した形で今後25年に渡り支払うという。(パリ=飛田正夫)(2008/09/11) 仏ルノーが4千人を「自主的解雇」へ 車の売れ行き不振で、高齢者中心に技術開発部門も 【パリ9日=飛田正夫】フランスの自動車メーカー、ルノーは9日、4000人以上に及ぶ従業員の削減計画を発表した。欧州での販売成績の悪化によるもので、生産部門だけでなく技術研究開発部門も含まれている。そこで働く高齢の技術者は私(飛田)のインタビューに、「誰も何も話さない。しかしみんな不安を抱いている」と言葉少なに答え、こうつけ加えた。「ガソリン価格の上昇や新エネルギー開発で世界の自動車産業は曲がり角にある。今日はルノーだが明日はトヨタかもしれない」。(2008/09/10) 「欧米のグルジア紛争報道は偏向」 祖国の悪者視に反発するパリのロシア人たち 【パリ6日=飛田正夫】パリには昔から多くのロシア人が住んでいた。画家のシャガールはモンパルナス界隈で藤田嗣治と親交があったし、革命家レーニンはモンマルトル近くにいた。いまもさまざまなロシア人たちが暮らしている。彼らは異国にありながら祖国が関わったグルジア紛争に強い関心をいだいている。私(飛田)が彼らの声を聞きに市内のロシア食料品店を訪れたところ、次々に返ってきたのは「欧米のメディア報道は偏っていて真実を伝えていない。先に手を出したのはグルジア軍だ」という、ロシア擁護論だった。皆、ロシアからの放送やインターネットで情報を入手し、それを信じているようだった。(2008/09/06) アルジェリア自爆テロ、ラマダン(絶食月)で急増か パリ大学留学生に聞いたその背景と意識 【パリ3日=飛田正夫】8月だけでもアルジェリア自爆テロの死者は125人を数えた。この数字は前月に比べて著しく増加している。イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQMI))による犯行声明もだされた。テロの増加を巡り自爆テロとラマダン(絶食月)との関係がフランスの新聞ではささやかれ「アルジェリアは9月1日より殉教と贖罪の恐怖のラマダンに突入するため、イスラム主義者のテロが増加するのでは」ないかと心配されている。しかしその理由は言及されてない。パリ大に留学中のアルジェリア人学生にアルジェリアでのテロとアマダンの話を偶然に聞くことになった。氏は自爆テロはコーランの教えに逆行しており、地獄に直行なのだと話してくれた。(2008/09/04) タバコに放射性物質ポロニウム 賞味保全のため生産会社が隠蔽と米研究チーム 【パリ30日=飛田正夫】タバコと葉巻に放射性物質のポロニウム210が入っていることを米国のタバコ生産会社は40年以上も隠し続けてきた、と同国の研究チームが「米公衆衛生ジャーナル」誌の9月号で暴露した。ポロニウムは農薬に混入していて、それがタバコの葉に付着するが、除去する作業はタバコの味を悪くするとして隠蔽したのだという。フランス国営放送・テレビA2がこのほど報じた。ポロニウムの毒性は2006年に英国で起きた元ロシア人スパイの暗殺事件でも注目された。(2008/08/30) 祖国の平和と安全を祈る人たちが次々に パリのグルジア人東方正教教会 【パリ日26日=飛田正夫】パリにグルジア人の東方正教(ギリシャ正教)教会があった。地下の小礼拝堂だけの簡素なもので、外からは教会の存在は気づかれない。バカンスの雨模様の日曜日にグルジアの人々が祖国の戦争を心配して祈りに集まった。「教会」は、国が侵略され政治的騒乱に陥ってもつねにグルジア人のアイディンティティーを育み擁護してきた「精神の愛の母体であった」と、教会に来ていたグルジア人青年アルシル氏は語った。(2008/08/26) 「おろしてくれ!」と乗客が家族の携帯電話にメッセージ スペイン機事故に複数の証言 乗員・乗客153人が死亡した、スペインのスパンエア航空機の爆発炎上事故の原因に関して、フランスのメディアには複数の証言が出ている。家族への携帯電話のメッセージに乗客から「飛行機が変だ、おろしてくれ!」との記録が残されてあったとの報道や、飛行機は離陸はしてなくて滑走路上で爆発して舵翼が破損したとの証言、同社が離陸許可を整備士に強制していたとの証言もでている。同社の経営不振による労働者解雇が事件の裏にあったともいわれている。遺族らは原因の究明と会社の責任を求めている(パリ=飛田正夫)(2008/08/25) アフガン派兵めぐり揺れるフランス 大統領は継続表明、国民の過半数は撤兵支持 【パリ22日=飛田正夫】アフガニスタンで反政府勢力タリバンとの戦闘で亡くなった若いフランス軍兵士10人の国葬が、21日パリの教会で挙行され、サルコジ大統領は遺体にフランスの最高勲章レジョンドオヌールを飾った。同大統領は兵士たちの名誉の死を称えアフガンへの派兵継続を表明したが、最新の世論調査では国民の過半数が撤兵に賛成している。派兵の是非を巡りバカンス明けの9月に議会で論戦が繰り広げられることになる。(2008/08/22) 「バスク祖国と自由」の爆弾テロ地域が拡大 スペイン南部の海水浴場でも爆破 【パリ19日=飛田正夫】バカンス客でにぎわうスペイン南部マラガ市の海水浴場で17日、小型爆弾が爆発した。負傷者はなかった。犯行声明は出ていないが、スペインからのバスク地方の分離独立を求める反政府組織「バスク祖国と自由」(ETA)が事前に警告を出していた。警察はETAの犯行と相似していると発表した。ETAの爆弾テロはピレネー山脈のバスク地方以外の地域に拡大してきている。(2008/08/20) 仏極右政党がパリの党本部建物を中国上海大学に売却 共産党市長の町へ移転 【パリ15日=飛田正夫】ジャンマリ・ルペン氏(79)が率いるフランスの極右政党、国民戦線(FN)は11日、党の政治的後退と財政の行き詰まりで売りに出していた党本部の建物を、中国の上海大学に売却する契約に調印した。同本部の周囲はパリの西側を流れるセーヌに隣接する高級住宅地でナポレオンのサン・クルー御殿もあった場所だ。上海大学はこの建物を改装してフランス語学習のコースを設置するという。FNは共産党の町ナンテール市へ引っ越す。(2008/08/15) コロンビア元大統領候補の解放を「メディア化」 仏大統領が支持率回復策に サルコジ仏大統領のテレビ好きは有名だが、それは見るのではなく出演することだ。毎日必ずテレビに姿を見せる。だが口先だけで公約が実現されないことにうんざり気味の国民は、これを「サルコ劇場」とか「サルコ・ランド」と揶揄している。最近の世論調査で支持率36%まで下がった大統領は、武装勢力から6年ぶりに解放されたコロンビアの元大統領候補ベタンクルさんの訪仏をメディア利用して、自分の人気挽回をはかろうとしている。(パリ=飛田正夫)(2008/07/13) リスボン条約批准に国民は「ノー」 最新世論調査で逆転 アイルランド 【パリ12日=飛田正夫】アイルランドで欧州連合(EU)が策定したリスボン条約の批准をめぐる最新の調査で「反対」の意見がはじめて「賛成」を上回った。そのためアイルランドの首相は6日、国民に同条約の批准に賛成するようあらためて呼びかけた。EUのうち26カ国は既に議会でリスボン条約を批准しているが、アイルランドのみが批准しておらず、国民投票で批准の是非を決めることになっている。その投票はきょう12日に行われる。一カ国でも反対するとこのリスボン条約は無効になるため事態は重大だ。(2008/06/13) 原発事故めぐりテスト中に発生と虚偽報告 スロベニア政府をオーストリアが批判 【パリ9日=飛田正夫】スロベニア南西部のクルスコ原子力発電所で4日、一次冷却水漏れの事故が発生、原発は運転を停止した。同国政府当局者は、人や環境汚染の問題は心配ないと発表したが、その後、事故発生時に虚偽の通報がなされたことが分かった。隣国のオーストリアがこの問題でスロベニアに警告、同国政府は謝罪した。欧州における原発事故の情報提供安全協約である「エキュリー・システム」のあり方が問題視されるに至っており、欧州議会で論議されることになった。(2008/06/09) インド洋上に米の秘密監獄 艦内で「テロリスト」を尋問、収容 英国人権団体が告発 【パリ6日=飛田正夫】米国は対テロ戦争の一環として戦艦を海に浮いた獄舎として密かに利用することで、投獄された人びとの身元と行方を不明瞭にしていたと英国の人権団体「プリエーブ」が告発した。秘密監獄の存在は、ルーマニア、ポーランド、タイ、アフガニスタンなどにCIAの秘密監獄があるとされ、その映像がメディアで報じられるなどしてきたが、「洋上監獄」の存在が明るみに出たのは初めて。(2008/06/06) 360キロのプルトニウムを英から仏に秘密輸送 襲撃も容易なフェリーで 政府と企業の責任追及へ 【パリ5日=飛田正夫】英国からドーバー海峡を越えて360キロものプルトニウムが、密かにフランスに運び込まれていたことがグリンピースなど調べで明るみに出た。運搬に使用されたのは一般のフェリー船で、原子力物資輸送専用船ではなかった。フェリーでのプルトニウム輸送はテロリストによる襲撃の危険性も大きい。原子力情報の公開、透明性の問題をめぐり、フランス政府と企業の責任が問う声が上がっている。(2008/06/05) 「地中海同盟」土台にチュニジアとの関係深める アジアとの市場競争視野に仏大統領 フランスのサルコジ大統領はアジア諸国との市場競争を視野に入れ、「地中海同盟」を強化する戦略を4月末にチュニジアの企業家を前に語った。大統領は「アジアでは、近隣諸国は同化しあい、お互いに補完し合う術を心得ていたが、逆に、地中海の北と南とは互いに相容れなく反発し合ってきた悲劇があった」として、チュニジア側の「養成するだけで使える労働力」とフランス側の「多くの知識と労働者養成のノウハウ」との共同提携を提言している。(パリ=飛田正夫)(2008/06/04) キブツの夢「平等神話」の失墜 格差広がる建国60年のイスラエル この5月に建国60周年を迎えたイスラエルのキブツ(集団農場)はその具体的な平等社会の一つのシンボルだった。当時の建国者が描いたキブツの神話は現実的要請の前で時と共に譲歩し変容して夢となってしまった。現代のイスラエルは社会の多様性の中で発展し、むしろ米国的な不平等社会を呈していて、そのパイオニアたちが夢見たようなキブツを普遍化したものではなくなっている。(パリ=飛田正夫)(2008/05/31) 遺伝子組み換え作物の栽培認可法案を仏上院が否決 与党からも反対、1票の僅差で 【パリ24日=飛田正夫)】遺伝子組み換え作物(GMO)の栽培を認める法案が、フランス上院議会で1票差(賛成135、反対136)で否決された。社会党、緑の党、共産党にくわえ、与党多数派の国民運動連合(UMP)からも反対票が投じられた。フィヨン内閣は上下両院に再審議委員会を設置し、同法案の成立を急ぐ構えだが、予想外の身内の反乱は支持率低下に悩むサルコジ政権にとって大きな打撃となりそうだ。(2008/05/24) 「EUの奴隷ではない」 物価急上昇に賃金追いつかず ルーマニアのルノー下請け労働者が反旗 「ルーマニアよ目覚めよ!われわれは欧州共同体(EU)の奴隷ではない」。4月10日、このようなスローガンが書かれた旗を掲げ、自動車大手ルノーに対する数千人の抗議デモがルーマニアであった。ルノーの「ロガン」を製造しているルーマニアのダシア社の労働者賃金が「ヨーロッパ価格ではない」という理由で組合は19日間にわたるストライキを続けた末、ようやくルノー本社との交渉が妥結した。ルーマニアの労働者側の不満の背景には、EUに加盟して物価は急上昇したにもかかわらず、賃金の上昇が追いつかないという問題があるようだ。(パリ=飛田正夫)(2008/05/14) コソボ首相がセルビア人の臓器密売に関与? 「囚人殺害して提供」と戦犯法廷元検事が近著で告発 【パリ13日=飛田正夫】今年2月、圧倒多数の賛成で一方的に独立を宣言、欧米25カ国や日本による国家承認も得たセルビアのコソボ「自治州」のハシム・サチ首相をめぐり、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(TPIY)のカルラ・デル・ポンテ元主席検事(女性)がニューヨーク・タイムズ紙記者との共著「私の戦争犯罪者摘発」の中で、サチ首相が数百人の囚人殺害を指揮したうえ、臓器売買に関与していたとの衝撃的な告発をした。同検事の告発内容が事実であれば、独立宣言まもないコソボをめぐる一大スキャンダルとなるになることは必至だ。(2008/05/13) ビルマ民主化 「軍政はサイクロン災害を権力維持に利用」 ビルマ民主化勢力が非難 【パリ12=飛田正夫】「彼らは災害を政治に利用している」─サイクロン被災者への国際的な救援活動を拒むビルマ(ミャンマー)軍事政権に対して、隣国タイで民主化運動をつづけるビルマ人らは怒りをぶちまけた。フランスの国営テレビ局A2は12日、ビルマ・タイ国境から、犠牲者の増加を懸念する国連と軍政の対応を非難するビルマ難民らの声を伝えた。(2008/05/12) ビルマ民主化 フランスがビルマ救援で軍艦船を派遣 600万人がなお苦境に 【パリ10日=飛田正夫】先週末にミャンマー(ビルマ)南部を襲った大型のサイクロンは多大の被害を残した。ビルマ政権は潘基文国連事務総長や欧米世界の奨める援助を拒絶し続けており、既に失われた人命の数は取り返しのつかない数に上っている。フランスはビルマ側の援助受諾の返答を待たずに、救援のための軍艦船の派遣を決定した。(2008/05/11) ビルマ民主化 ビルマ政府、支援関係者にもビザ出さず 救援物資も足止め、死亡者10万人の予測も 【パリ8日=飛田正夫】フランス各紙の報道によると、サイクロンの直撃を受けたミャンマー(ビルマ)では、多くの家屋が倒壊し、100万人が家を失い路頭に迷っており、7日までに死者は23000人を超えた。行方不明は42000人以上で、死者は10万を超えるとの見方もでている。国際社会は緊急支援活動を進めており、救援物資も世界中から集まってきているが、ビルマ政府が支援団体関係者への入国ビザを拒否しているために、現地へ入れずタイのホテルには足止めされた物資が溢れかえっているという。(2008/05/08) フランスが紛争に積極介入姿勢へ 米共和党候補マケイン氏と意気投合? フランスは今年になってアフガニスタンへ1000人の軍隊増派を決めた。またM51核ミサイル搭載の最新型原子力潜水艦「テリーブル」を新たに竣工させた。サルコジ・フランス大統領は3月に米大統領選の共和党候補マケイン氏とも会談し、国際紛争に積極介入の姿勢をみせるなど、軍事面でよりタカ派の姿勢を示し始めている。(パリ=飛田正夫)(2008/05/07) アルジェリアで高まるキリスト教聖職者への活動制限 布教理由に有罪判決も 【パリ1日=飛田正夫】アルジェリアでプロテスタント聖職者への圧力が高まっている。近年のプロテスタント教会の活発な布教活動の中、イスラム教徒の改宗に成功した者には1人当たり5000ユーロ(80万円)が支払われているとの噂が広がったことが原因の一つのようだ。(2008/05/01) ワインに水道水比で2330倍の農薬 NGOの調査報告に仏ワイン業者が「安全」と反論 チリ産のワインでは水道水の農薬最大含有許容量CMA(*)の5800倍、仏ボルドー産の特級ワインでも2330倍の農薬(殺虫剤)が検出された、と農薬使用に反対するNGO「PAN Europe」が欧州議会で発表した。これに対して、ブドウ酒製造農家側は、ブドウ栽培使用の農薬は最大許容量「LMR」を超えるものではなく消費者に危険はないと別の基準をあげて反論。両者の主張はかみ合っていないが、NGO側はこれを機に欧州議会でこれまで曖昧だったワインの農薬規制を強化するよう働きかけていこうとしている。(パリ=飛田正夫)(2008/04/27) チベット問題 ダライ・ラマを「名誉市民」にとパリ市長 企業は中国での仏製品不買運動に困惑 【パリ18日=飛田正夫】パリのベルトラン・ドラノエ市長は14日、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世に「パリ名誉市民」の称号を贈呈することを市議会に諮ると発表した。チベットの文化的アイデンティティを維持するための比類なる戦いに、パリ市は連帯するのだという。一方、カルフールなどのフランス企業は、同市での北京五輪聖火リレーの混乱に反発して仏製品のボイコットを呼びかける中国のインターネットへの対応に苦慮している。(2008/04/19) チベット問題 仏メディアまで「検閲」 聖火リレーの中国側過剰警備を仏テレビがルポ 【パリ11日=飛田正夫】パリでの北京五輪聖火リレーを取材中のフランス国営テレビ局A2のカメラマンが、中国の特別ガードマンの指示を受けた仏警察官によって取材車から降ろされる場面があった。その様子を報じた10日の同テレビの人気ルポ番組「特別取材班」は、これ以外にも中国側の過剰警備ぶりをいくつか紹介。自国メディアだけでなくフランスのジャーナリストへの介入も当然とみなすかのような中国の行動を、「ルモンド」紙(9日)は「検閲」という大見出しで一面トップ記事で報じ、「ヌーベル・オブセルバトワー」誌(11日電子版)は「専制主義者の法律を強要」と批判した。(2008/04/12) チベット問題 フランス人、中国人、チベット人が激論 五輪聖火リレーのパリ市庁舎前 【パリ8日=飛田正夫】北京五輪の聖火リレーは、ロンドンにつづいてパリでも7日、激しい抗議にさらされた。それと並行して、正面壁に「パリは世界のあらゆる所での人権を擁護する」と大きく書かれた看板が下げられた市庁舎前の広場では、チベット問題など中国の人権状況をめぐって、フランス市民だけでなく中国人とチベット人を交えた激しい論議の輪があちこちにできた。(2008/04/09) チベット問題 北京五輪控え人権問題を国際社会にアピール? 各地でチベット人が抗議行動 【パリ15=飛田正夫】チベットのラサで14日起きた暴動に先立ち、このところ世界各地で中国の圧制に抗議するチベット人たちの行動が続いていた。フランスのメディアはそれを詳しく報じ、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の支持者らが、あと5ヶ月後に迫った北京オリンピックを前に、チベットの人権問題を国際社会の舞台に持ち込む戦略に出たのではないかと見ている。(2008/03/15) サルコジ仏大統領が市民に「ばかやろう!」 ビデオで現場が流れ、閣僚ら大慌て フランスのサルコジ大統領が、市民に対して「ばかやろう、出て行け」と怒鳴りつける場面がビデオで流され、国民から「礼節を欠いている」との批判が巻き起こっている。大統領周辺の閣僚らはマスコミで大統領擁護の釈明に大わらわだが、大統領の暴言は今回が初めてではない。大統領の支持率低下に追い討ちをかけ、近く行われる地方選挙に影響がでるのではないかとの懸念も与党国民運動連合(UMP)には広がっている。(パリ=飛田正夫)(2008/03/06) 予想ずみだが、今後の影響力に注目 カストロ・キューバ議長の辞任に仏メディア 【パリ19日=飛田正夫】病気療養中のキューバのフィデル・カストロ国家評議会議長(81)が19日、健康上の理由で国家評議会議長の辞任を表明したというニュースは、フランスではいちはやく大きく報じられたが、予想されていたことと冷静に受けとめられている。メディアは、1959年のキューバ革命以来の「新時代のページがめくられた」(リベラシオン紙)としながらも、同氏が今後もどのような影響力をもつのかどうかに注目している。(2008/02/19) 人質解放の兆候なし ゲリラによる密林での拘束生活6年に コロンビアの元大統領候補 【パリ3日=飛田正夫】「クリスマス前までには解放を」。コロンビア最大の左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)に誘拐されて6年、同国の元大統領候補イングリッド・ベタンクールさんの関係者らの解放がまたも実現しなかった。ベネズエラのチャベス大統領がコロンビア政府とゲリラ組織との仲介に乗り出して交渉を重ね、ベタンクールさんの誕生日であるクリスマスまでに人質解放が実現する可能性があると伝えられていただけに、フランスでも家族や関係者の落胆は大きかった。(2008/01/04) ボージョレ・ワインに“偽装”疑惑 多量の砂糖投入、地元スーパーも不正に関与 【パリ23日=飛田正夫】日本でも高い人気のあるボージョレ・ワインが“偽装”疑惑で揺れている。許容量を超える多量の砂糖添加がされ、しかもその砂糖が現地ボージョレ地方の巨大スーパーマケットが不法に製造・販売していたものであることが、12月初めに明るみになったのだ。ワインはフランスを代表する伝統的生産物なだけに、警察の今後の調べによっては、同地方のワインの名誉に関わるだけでなく、他のブドウ酒製造地域にも事件が飛び火することも予測されるとして、メディアは関係者の困惑の様子を伝えている。(2007/12/23) 産業スパイ容疑の中国人留学生にフランスで実刑判決 欧州でのスパイ暗躍説の犠牲者に 【パリ21日=飛田正夫】親日家で知られたシラク大統領から中国重視の姿勢を鮮明にしているサルコジ大統領に交代したフランスで、中国人留学生が大学のカリキュラムの一環として実習していた企業から企業機密を窃取したと訴えられ、産業スパイ容疑で逮捕されてから2年8ヶ月、ベルサイユ軽罪裁判所で12月18日、禁固2カ月執行猶予1年の判決が下された。第一世界大戦下のパリでドイツのスパイとして活躍したとされるマタハリにたとえられ、フランスメディアが競って伝えてきた事件の結末は、利害が交錯する中仏経済関係の中で、フランスが振り上げたコブシの落としどころを探る内容となった。(2007/12/22) 政治と恋愛は別? サルコジ大統領の恋人は社会党支持者 移民法案にも反対 【パリ19日=飛田正夫】サルコジ・フランス大統領は恋人のイタリア・トリノ生まれのカーラ・ブルーニさんとパリのディズニーランドで15日にデートした際、メディア向け写真ポーズにも応じるなど交際の「情報公開」を続けている。二人のデート写真は19日発行のフランスの週刊誌「ポワンド・ビュ」「パリマッチ」などの表紙を飾った。だが、不思議なのは、ブルーニさんが5月の大統領選では社会党候補を熱心に応援していたことだ。二人にとって「政治と恋愛は別」なのだろうか。(2007/12/19) 欧州の価値観を損なう恥ずべき行為と批判 大統領の中国への原発売り込みで仏メディア 【パリ12日=飛田正夫】フランスのサルコジ大統領は11月の財界人を引き連れた中国訪問で、フランスの原発を中国に売り込む契約を成功させたが、左派系の新聞リベラション紙のジョフラン編集長は、中国は「世界で一番死刑の多い国で、公害の垂れ流しを平然と行い、労働組合もなく、メディアの言論が統制され、人間の自由の補償のない」人権が尊重されていない国だとし、中国とフランスが手を組むことは「恥ずかしいことでもある」と批判した。(2007/12/13) 仏大統領の「人道解放仲裁」外交に疑問符 裏で関係国と武器売買交渉か 【パリ10日=飛田正夫】サルコジ仏大統領は11月6日、コロンビアの左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)に人質になっている同国の女性政治家の解放交渉の仲介役を買って出た。しかしコロンビア政府の非人道的政策を批判するNGOは、フランスが同時に同国に兵器販売交渉を進めているとして、大統領の行動に疑問を投げかけている。フランスは今夏にもリビアで拘束されていたブルガリア人らの解放に人道仲介したが、今月10日にパリを訪問予定の同国のカダフィ大佐との間で武器などの大型売却契約が話し合われる予定とされ、この仲介の裏にも兵器売買がからんでいたのではないかとの声がでている。(2007/12/10) ダライ・ラマが中国政府の介入阻止で発言、波紋呼ぶ 【パリ4日=飛田正夫】中国政府が、亡命中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマへの締め付けを強化している中で、ことし夏に72歳の誕生日を迎えたダライ・ラマが、後継者問題について中国政府の対応に反論する発言を行い、波紋を呼んでいる。(2007/12/06) ロシア下院選に「疑似民主主義」「茶番劇」との批判 プーチン強権下で野党のカスパロフ候補逮捕も 【パリ2日=飛田正夫】ロシアで2日、下院選挙が行われたが、プーチン大統領の強権的な独裁体制は続いており、与党・統一ロシア党の勝利は間違いない。選挙には多くの少数党が候補を立てているが、「複数政党制がロシアに存在することを証明するための見せかけの茶番劇」との指摘もある。フランス各紙によると、選挙の結果が「目標に達しない」地方では、ロシア連邦保安局(FSB)がその地方官僚を呼び出して汚職問題などを暴露して罷免し、裁判にかける。プーチン政権下のロシアでは言論の自由や人権が侵されているが、好調な経済の中で人々は消費社会の喜びを味わい、強権的な政治でも支持せざるを得ない状況に置かれているという。(2007/12/02) レバノン大統領が不在に 紛争の再発回避へフランスが積極外交 【パリ24日=飛田正夫】反シリア派与党と親シリア派野党の対立が続くレバノンで、ラフード大統領の6年の任期が11月23日の真夜中に終了したが、議会による次期大統領の指名がなく空席状態が続いている。親シリア派の同大統領は「緊急事態」を発令して軍部に治安維持権を託したが、反シリア派のシニオラ首相が率いる政府は「憲法に反する」としてこれを拒否した。ルモンド紙(電子版)によると、政治的混乱が紛争再発につながることを危惧するフランスのサルコジ大統領は、クーシュナー外相をレバノンに派遣するなどして打開策をさぐっている。(2007/11/24) キュー・サムファン元議長の弁護を無料で 仏の高名弁護士が名乗り 【パリ23日=飛田正夫】1970年代後半にカンボジア人を大量虐殺・餓死させた旧ポル・ポト派の最高幹部の一人、キュー・サムファン元国家幹部会議長(76)が19日に逮捕され、ポト派の犯罪を裁くカンボジア特別法廷に身柄を引き渡された。これで旧ポト派幹部の逮捕者は計5人になった。本裁判は来年行われる予定で、人道の罪などで裁かれるが、キュー・サムファン元議長の弁護人としてフランスの高名なジャック・ベルジェス弁護士(82)が、早くも名乗りを上げている。同弁護士は、元議長がフランスに留学時代に知り合ったという。無料で弁護すると意気込んでいる。(2007/11/23) フランスで移民にDNA鑑定を要求 人権侵害の違憲性はなし、と憲法審議会が裁定 【パリ22日= 飛田正夫】外国人労働者の家族呼び寄せに際して親族関係の確認をDNA鑑定で義務付けようとする移民法案が、 フランス国会で与党・国民運動連合(UMP)の賛成多数により10月23日に可決された。社会党などの野党は、同法案は出自による差別の禁止や法の前でのすべての人の平等の保障を定めた同国憲法に反するとして、憲法制定審議会に異議を申し立てていたが、審議会は合憲とする裁定を11月15日に下した。法律の実施までには困難が予想されるが、この法案はサルコジ政権の右傾化を示すものとされている。(2007/11/22) フランス鉄道員スト、焦点は年金納入期間 生活スタイルめぐる論議も 公務員・学生もストに合流 【パリ20日=飛田正夫】地方の警察官の待遇改善要求のストライキに続いて14日から始まったフランス全土での鉄道員の無期限ストライキは7日目に突入、依然として国鉄や地下鉄、首都圏高速網(RER)、超特急列車(TGV)の混乱は 続いており、さらに大学の民主化と独立を要求する学生のストライキが合流した。これに20日からは教員・病院・ポスト等の公務員ストライキが連動、社会経済活動は麻痺状態に陥っている。(2007/11/21) フランス・ジャーナリズムの冬 政財界のメディア支配進む 【パリ14日=飛田正夫】フランスでは、サルコジ政権が誕生した今年5月の大統領選挙前後から、権力によるジャーナリズムへの介入が問題になってきてい る。サルコジ大統領と財界の癒着が指摘される中、巨額な資本を背景にした企業のメディア支配が進んでおり、「ジャーナリズムの冬」が到来しつつあるとの懸 念が広がっている。(2007/11/15) 人道支援か人身売買か 仏NGOによるチャドの「孤児」の欧州移送を阻止 【パリ12日=飛田正夫】フランスのNGO「ゾエのアーシュ(ゾエの箱舟)」がアフリカのチャドから103人の子どもを連れ出そうとして活動家らが逮捕された事件が、人権の国フランスで大きな波紋を広げている。NGO側は「孤児たちを欧州で養子縁組させるための人道支援活動」と主張しているのに対して、チャド政府は「人道支援に名を借りた組織的な人身売買」であり、「孤児ではない」と非難。この組織の活動にフランス政府が支援をしていたこともあり、サルコジ大統領がチャド入りして問題解決に乗り出しているが、逮捕された活動家の裁判権などをめぐり両国の主張は対立している。(2007/11/12) |
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