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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2004年09月01日02時04分掲載
丸目蔵人:アジア芸能フロント(27)心なごませる大地と風と弦の調べ
弦楽器、モリンホール(馬頭琴)の若手実力奏者として日本でも活動を行い、CD『藍』をリリースしているチ・ブルグッド。そして、モンゴル音楽祭などで何度か来日し、伝統の歌唱法ホーミーとともにモリンホールの腕を披露しているバトオチル。両者の実演を聴く機会を得た際、同様に不思議に思うことがあった。いや、正確には演奏を聴く前に、というべきだろうか。<BR><BR>どちらもパフォーマンスを始める前、自らの楽器をステージ上の椅子の背もたれにかけ、しばらくそのままに放置していたのだ。一般のコンサートでもギターやベースを前もって搬入担当者が準備しておく場合はある。けれど、モンゴルの奏者は自ら一旦観客の前に現れ、自分の楽器をそっと置いてからまた舞台袖に引っ込む。演奏開始と見せかけてのフェイント、仕切直しに、いくぶん拍子抜けしたのは正直なところである。<BR><BR>じらしてコンサート会場の雰囲気が盛り上がるのを待っているのか? それとも他人に愛器を一触らせず、何事も自分で準備するのが当然なのか(カメラマンでこういうタイプの人は多い)。間もなく演奏がスタートし、こちらの意識もそのままコンサートに集中したので深く掘り下げなかったが、モンゴルの遊牧民に取材したドキュメンタリー映画の傑作『らくだの涙』を見て、この下準備の意味がようやく理解できたのだった。
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『らくだの涙』。自分ではどうすることもできない母ラクダの焦燥。家族は昔ながらの方法で、淡々とその心身を癒していく。
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