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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2004年12月18日18時33分掲載
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【IPSコラム】アフリカにおけるエイズとの戦い 国際的支援が必要 ワンガリ・マータイ
今年のノーベル平和賞の受賞者でケニアの環境保護運動家のワンガリ・マータイさんによると、エイズがアフリカで引き起こしている破壊は、深刻さと規模において、ほかではみられない。アフリカの平和と安全にとって、重大な脅威となっている。エイズとの戦いには国際的な理解、連帯、実際的な支援が必要である。ジェネリック薬品の製造の承認、貧困の撲滅、栄養の改善などが必要である。(IPSコラムニスト・サービス=ベリタ通信)
【ナイロビ=IPS】悲惨な貧困と見捨てられた状況の中、エイズがアフリカで引き起こしている破壊は、深刻さと規模において、ほかではみられない。アフリカの平和と安全にとって、それは音のしない、誤解された、重大な脅威となっている。
村々を歩きまわると、人々が死んだ人を親族の墓のそばで埋葬しているのに行き当たる。エイズで何百万人もの人々が死んだという現実は、多大な苦痛と将来に対する不安を呼び起こす。
エイズで孤児となった子供たちはまもなく、1500万人近くに達するであろう。家々は空っぽになっている。住んでいた人たちはみな死んでしまったからだ。年かさの子供たちは兄弟の世話をするため学校に行かなくなってしまう。こうした子供たちは将来、一人で、やっていかねばならなくなり、著しく弱い立場におかれる。これはアフリカにとって、前例のない難題である。
正しい情報が地域社会に届くことが重要である。教えるだけでなく、力を与えることが重要である。地域社会はエイズについて真剣に取り組まなくてはならない。検査を受け、病気が広がるのを防がなくてはならない。結婚している女性は、夫が感染していることがわかった場合は、コンドームを使わない性交渉を拒否する権利を持たなくてはならない。
女性や少女は交際や社会における経済的立場により、エイズに感染する。教育や医療を受けられず、財産権がなく、少女たちはますます暴力、レイプ、売春の犠牲になっている。病気になったときには、少女たちは介護者になることが期待されている。特に懸念材料なのは、多くの貧しい少女たちにとって、性を売ることが唯一の生き延びるため手段となり、それによって高い感染の危険にさらされることだ。
子供たちや社会的弱者を守るために、道徳的価値や大人の責任はどうなったのか。公正と平等はどうなのか。ほかに選択はないのか。耳を傾けている人はいないのか。誰か世話をする人はいないのか。
エイズは神ののろいであるとか、処女と寝れば治るのなどという誤った考えや情報に対し私は警告してきた。この地域では、こうしたことが信じられ、レイプや子供たちへの暴力が急増した。
エイズ・ウイルスはアフリカ人を壊滅するために白人や白人権力が開発したものだなどということは全くない。私ははっきり言明する。そうした見方は間違いであり、破壊的でもある。
エイズと戦うためには、われわれの伝統的社会を守ってきたいい面での社会的価値を維持することが必要である。それは若者の禁欲、結婚生活での貞節を守ることである。今日では、コンドームを使うことも選択の一つである。重要なことは、あらゆる選択が適切に、責任をもってなされることである。
われわれアフリカにいる者はエイズの脅威についてより自由な、より開けた議論をしなければならない。同時にエイズに対する戦いでの成功からも学ばなくてはならない。ウガンダでは15年前、エイズは社会全体を破壊してしまうのではないかと恐れられた。今日、ムセベニ大統領の責任感のある政治的な指導力のおかげで、劇的に改善した。
アフリカのすべて男の指導者は、エイズと戦うために多くの時間と努力を払っている南アフリカのネルソン・マンデラ前大統領とザンビアのケネス・カウンダ前大統領に触発されるべきである。
エイズがアフリカにおける平和と安定のために脅威となっている事実は国連安保理で議論されてきたし、アナン事務総長が特に重大な懸念であると述べてきた。エイズはアフリカ連合の政治的課題の最優先課題とすべきだ。
アフリカにおいては、エイズとの戦いはわれわれだけでは勝利することができない。文化的な脈絡についての国際的な理解、連帯、実際的な支援が必要である。薬を広く行き渡らせるため、ジェネリック薬品の製造の承認、貧困の撲滅、栄養の改善などが必要である。
これは政治的、宗教的指導者にとって地球的規模の挑戦である。世界の他の地域からの励まし、支援、強力が必要であるが、解決策がわれわれ自身の価値体系の中から生まれてくるような尊敬と信頼も必要としている。
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