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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年01月05日15時23分掲載
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許せない!津波被災地で多発する婦女暴行や略奪 スウェーデンでは不明者探しの留守宅に空き巣
【東京5日=ベリタ通信】死者約15万人という未曾有の災禍をもたらしたスマトラ島沖大地震・津波で、国際社会が本格的な救援活動を展開している中、インド洋沿岸の被災地では、混乱に乗じた婦女暴行や窃盗など悪質な犯罪が多発している。さらに、肉親の安否を心配して被災地へ向かった家族らの留守宅を狙った空き巣や、善意につけ込んだ「振り込め詐欺」までが起き、犯罪手口は多様だ。史上最悪といわれる今回の災害を悪用、被災者たちの悲しみと弱み、善意にまでつけ込んだ犯罪に、各地の人権・女性団体は「許せない」と怒りの声を上げている。4日付の英スコットランド日刊紙スコッツマン(電子版)が報じた。
それによると、今回の大災害を悪用した犯罪は多数の死者を出したインドネシア、スリランカ、タイなどだけでなく、スウェーデンや香港にまで及んでいる。
このうち犯罪が最も懸念されているのが、大津波の直撃を受けたスリランカ。同国の女性団体などの報告によると、スリランカでは自宅を津波に押し流されて行き場を失い、命からがら避難所にたどり着いた成人女性や女児を狙った暴行事件が多発している。
犯罪者たちは救援チームなどがまだ入り込んでいないなど、警備が不十分な避難所を襲っては、女性・女児たちに暴行を加え、中には集団で暴行する悲惨なケースも出ている。親を、夫を、子どもを失った悲しみが癒える間もない女性たちを襲うこうした悪質な犯罪に対し、女性団体は「人間の尊厳をこれでもかと踏みにじる悪質な犯罪。許すことができない」と怒りの声を上げるとともに、避難所などへの警備を早急に強化するよう当局に求めている。
また、スリランカではリゾートホテルなどが略奪される事件も相次いでいる。犯罪者たちは旅行者らの持ち物と思われるカメラや携帯電話、さらにはテーブルや椅子などを盗み出している。警察署も例外ではなく、散弾銃が盗まれ、治安維持面でも懸念が出ているという。
南国の海岸リゾート地が津波にのまれたタイでは、特に外国人旅行者たちの被害が多く出たカオラック地区で、警察官や救援班員に成りすました悪者たちが、津波に押し流され散乱するがれきの中から旅行者たちの荷物を探し出しては、貴重品を盗んでいる。中には、破壊されたホテルに入り込み、現金などの入った金庫を持ち出す犯罪者もいる。新興の海岸リゾート地として、西欧人らに人気のあるカオラック地区では外国人旅行客を中心に、約3000人の死者が出たといわれる。
今回の災害につけ込んだ犯罪は、何も被災地だけで起きているわけではない。タイなどで25人の死亡が確認され、依然、約2500人の安否が不明となっているスウェーデンでも、被災家族らの気持ちを逆なでする被害が広がっている。
狙われているのが、メディアなどで死亡や行方不明が報じられた家族などで、肉親の遺体確認や安否捜索のため被災地へ向かった留守宅が空き巣被害に遭っている。このため政府、警察、メディアは犯罪防止もあり、死者らの氏名公表を慎重に行うよう配慮している。
警察当局者は空き巣狙いの発生件数を明らかにしていないが、災害などを悪用した犯罪は今回が初めてではなく、1994年9月に大型フェリーがバルト海で沈没し、スウェーデン人551人が犠牲になった事故当時も、同様の犯罪が起きたという。 ノルウェー警察も犯罪者たちが津波の犠牲者リストを悪用し、他人(死者)に成りすましたり、保険金詐欺を企てる懸念があるとして、国民に警戒するよう呼び掛けている。2001年9月の米同時多発テロ事件でも同様の保険金詐欺事件があったという。
一方、香港では被災者向けの義援金を募る動きを悪用した「振り込め詐欺」が起きている。非政府組織の救援団体オックスファムによると、香港の市民の間に今、「津波災害への募金をお願いします」といった、善意につけ込んだ電子メールが送りつけられている。振込先はキプロスにある銀行となっているが、メールの送信元は正体不明という。オックスファムは「怪しげなメールが求める募金には応じないこと」と市民たちに注意を喚起している。
また、最大の被害を蒙ったインドネシアのアチェ州ではこのほど、津波によって陸にまで押し流されたヨット内を荒らそうとした犯人が、失敗して燃料ボンベに火をつけてしまい、周囲の家屋にまで延焼する騒ぎが起きた。犯人は燃料不足から同ボンベが高値で売れると踏んで、盗もうとしたらしい。
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