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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年01月18日06時40分掲載
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女性狙った人身売買犯罪が急増 搾取許せないと米若手女性検事
21世紀の新手の国際組織犯罪として各国が警戒しているのが女性や子どもを対象にした人身売買だ。女性たちを“商品”として扱い、売りさばく手荒な手口であり、米国では2000年に人身売買の被害者を救済するための保護法が作られた。女性たちは売春を強要され、ただ同然で働かされるケースも多い。こうした中で、米誌グラマーは、新法の下で、被害者救済にも尽力する女性検事の奮戦ぶりを特集している。(ベリタ通信=有馬洋行)
司法省のアン・ミルグラム検事(34)は、近年急増している人身売買事件の対応に大忙しだ。各州で起きている60−70の事件を監督する立場にあるため、1年の半分は出張中だ。検事といえば、法廷で刑事被告人をとっちめるのが主な仕事だったが、人身売買事件の急増で、司法省内では、被害者救済という新たな職務も加わった。ミルグラム検事は、この分野では、期待の星といわれる若手だ。
国際的な人身売買とは、女性や子どもを外国に連れ出し、売春や、農場、工場での低賃金労働などを強要するもので、ほとんどのケースにおいて、国際秘密組織が関与している。国連の推定では、70億ドルから100億ドルを稼ぐ新手の“ビジネス”になっている。女性や子どもを中心に毎年20万人の被害者が出ている。
新しい組織犯罪のため、実態の把握はまだ進んでいない。米国では1万6000人が毎年、アジアや東欧諸国、それに国境を接したメキシコからも連れて来られている。2003年に、ミルグラム検事は14歳から17歳の4人の少女が、メキシコからだまされて米国に違法に入国し、売春を強要された事件を担当した。
少女たちから信頼を勝ち得るのに時間はかかったが、少女たちはミルグラム検事に対し、裁判での協力を約束した。同検事は、女性の立場からも、人身売買には憤りを感じる。4人の少女は、いずれもメキシコの貧しい家庭の出身だった。読み書きもできない少女もいた。いずれも、米国で結婚するとか、働かせるなどと、甘言を弄して連れ出していた。「まだ、ほんの子どもたちだった」と同検事。
少女たちは、米東部のニュージャージー州にある売春宿に送り込まれ、そこで初めて売春をするよう強要された。1日数十人の客を取るよう指示され、1回につき35ドルの金はすべて取られた。少女たちは、逃げ出せば、米国の警察が彼女たちを刑務所に入れ、そこでレイプされると脅かされていた。02年2月に警察が捜索に入った結果、少女たちが保護された。
2000年の被害者保護法では、捜査当局に被害者が協力すれば、将来米国に滞在することも許可されるとの規定がある。従って、少女たちが、米国で新しい生活を始められるのは確実という。この事件はその後の裁判で、売春宿を管理していた姉妹に禁固17年半の有罪判決が言い渡された。
ミルグラム検事は、最近メキシコの国際犯罪組織の本拠地とされる場所を訪れた。ショックを受けたのは、貧しい家屋が建ち並ぶ中、何台も車をとめ、見るからに潤っている者たちの家を見たときだった。
「誰が、人身売買を行なっているか一目瞭然だった」
「犯罪組織は、被害者の人生を奪い去り、暴力と恐怖で彼らを搾取し、支配している。これは悲劇だ。しかし、新しい法律のお蔭で、被害者が彼らの人生を取り戻せることができる」
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