「本来、人間の持つ生命力をテーマに劇映画を撮る予定でいたのですが、地震以降の模様を映像として記録するうち、やはりドキュメンタリーの形で作品とすることになりました」▼“この地震”とは、1999年9月21日午前1時45分頃、台湾中部を襲ったマグニチュード7.3の激震を指す。震源地は南投県集集鎮埔里、一般に「九二一地震」と呼ばれる大災害のことだ。ドキュメンタリー作家として、寡作ながら『月の子供たち』(月亮的孩子)、『陳才根と隣人たち』(陳才根的鄰居們)など、優れた作品を残してきた呉乙峰(ウー・イフォン)監督は、4年以上の歳月をかけて『生命(いのち) 希望の贈り物』(原題:生命)を撮り終え、昨年台湾での公開へとこぎ着けたのだった。
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