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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年04月22日05時00分掲載
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イラク取材は「ホテル・ジャーナリズム」 治安悪化で外出できず
治安の回復が遅れてるイラク。首都バグダッドで取材活動を続けるマスコミ関係者も、テロ警戒から取材が制約されている。ベトナム戦争時代に比べても、取材は危険が伴うという。記者は、従来中立・客観報道を掲げているため、当事者の紛争に巻き込まれるのが少ないと指摘されていた。しかし、イラク戦争では、記者でも誘拐、テロの標的になっている。このため、現地取材に派遣されても、記者が、滞在先のホテルから、おおっぴらに外出することができず、「ホテル・ジャーナリズム」とも揶揄されている。(ベリタ通信=有馬洋行)
ベトナム戦争時代にニューヨーク・タイムズ記者として活躍したデイビッド・ハルバースタム氏(71)は、「(イラクは)ベトナムでは考えられなかった形で、危険な場所になっている」と米紙ロサンゼルス・タイムズに語っている。
日々、神経をすり減らす取材活動について、米誌アトランティックに、ウィリアム・ラングウイッシュ記者が「ホテル・バクダッド」と題して、現地から報告を送っている。記者が、活発な取材をできない苛立ちが伝わってくる内容だ。
同記者が滞在しているのは、バグダッド中心部にあるホテル「花の国」。6階建てで、部屋数は約30。玄関前には、コンクリートのブロックが置かれ、車の出入りには、自動小銃を掲げた警備員がチェックに当たる。
周辺は、迫撃弾が時折飛び交い、治安は悪い。記者は、このホテルが、反政府勢力からの直接攻撃を受けていないのは、多くの外国人ジャーナリストを攻撃よって殺傷するより、誘拐などの標的にしているためだと分析している。
優秀な取材活動に贈られることしのピューリッツア賞では、カメラマンを除き、イラク戦争取材で記者の受賞はいなかった。記者が、取材で外出するのが困難な状況では、注目を集める取材をするのにも大きな制約があったともいえる。
現在、イラクで活躍中のジャーナリストは、新聞社や内外のテレビ局、それにフリーの記者らだ。バグダッド市内の各種ホテルに滞在し、パソコンなどを通じて記事を送っている。ラングウイッシュ記者が滞在するホテルは満室ではないが、大手テレビ局の中には、本社の指示で、ホテルから、外に出るのは禁じられているケースもあるという。
外出が危険なため、イラク人のスタッフを使って、記事を書くことも多くなり、「ホテル・ジャーナリズム」とも指摘されている。当局側の発表で書くことも多くなり、これに異なる見解を取れば「バイアスがかかっている」と、記者が批判されやすい状況にもなっているという。
しかし、ラングウイッシュ記者は、「ホテル・ジャーナリズム」の批判については、一部の記者は、危険を冒して外に出て、取材を行なっていると反論している。
一方、イラク戦争では、戦争開始前から、約600人以上のジャーナリストが、米軍と行動を共にする、いわゆる「埋め込み取材」に組み込まれた。当時のトミー・フランク中央軍司令官は、新しい形の戦争取材の形として評価した。
「埋め込み取材」については、ジャーナリストが、軍と一体化するなど、メディアの批判精神が薄れたとの批判する声も強い。前述のハルバースタム氏は、「現代の戦争では、多数の記者を前線に送る場合は、埋め込み取材に代わるものはないだろう。記者は現地につけば、通常の記者活動を行なうものだが、イラクでは、その活動ができなくなっている」
ラングウイッシュ記者も、軍との埋め込み取材でなければ、市内に出られない、とその状況を嘆いている。
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