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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年04月28日14時13分掲載
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スパイ視される米国のアラブ系兵士 忠誠心疑われ苦悩
イラク戦争に従軍するアラブ系米国人の兵士は、様々なプレッシャーを受けている。米国内では、まるでイスラム社会からのスパイであるかのように猜疑心の目でみられることもある。また米国内のアラブ系社会からも、なぜイラク人同胞を殺害するのかと批判される。アラブで生まれながら、米国で育ったアラブ系軍人にとっては、米国への忠誠を疑問視されることが、一番辛いという。第二次大戦中、日系2世の軍人が、米国への忠誠心を疑われた時に似た雰囲気が漂ってるようだ。(ベリタ通信=エレナ吉村)
米海兵隊のジャマル・バーダニ特務曹長(40)は、エジプト生まれ。「多くの米国人は、われわれを疑っている。(米国内の)アラブ系社会も、自分たちの行動に反対している」
米誌パレードによると、アラブ系兵士は、アラビア語という共通の言語、同じ文化を持った者を「敵」として戦うことを余儀なくされている。この心理的プレッシャーは大きいという。この心理的負担のほかにも、米国内のアラブ系社会から、厳しい目が向けられ、死の脅迫を受けることもあるという。
なぜ、自分と同じアラブ人の同胞を殺害するのか。イラクを破壊し、なぜ無辜の人々を殺害することに加担するのか。アラブ系兵士に対する身内からの批判の声は大きい。
米国内のアラブ系兵士への潜在的警戒感もある。軍服を着ていても、空港で飛行機に搭乗するときには、厳重なチェックを受ける。
米国の総兵力は、現在約260万人。国防総省は、正式な数字を公表していないが、このうちアラブ系軍人は3500人という。その割合は、全兵力の1%以下だが、軍トップにもアラブ系兵士が進出している。イラク戦争で活躍した米中央軍のアビザイド司令官は、レバノン出身だ。
オマル・マスリ曹長(25)は、父親がレバノン系米国人、母親がサウジアラビア人だ。イラクに派遣される前、母親は彼に対し、「イラクの人々に米国の良さを示すように」と話したという。
マスリ曹長は「アラブ系米国人というより、アラブの先祖を持つ米国人と思っている。人々が、米国人として忠誠心を問題にするときは、辛い」
2004年6月にイラク駐留海兵隊員が、武装抵抗勢力に拉致される事件が起きた。この隊員は、レバノン系米国人。中東のテレビ局アルジャジーラは、目隠しされたこの隊員のビデオを公開した。
しかし、この隊員はその後、ベイルートの米国大使館に姿を現した。その拉致事件は、背景がはっきりしなかったが、米軍は結局、この隊員を脱走兵扱いにしている。この事件は、その後も米軍内のアラブ系兵士の忠誠心を疑わせる結果になっているようだ。
一方、アラブ系兵士は、軍隊内でアラビア語の堪能な者が不足しているため、逆に重宝されているとの指摘もある。アブドル・モンタセル伍長(23)は、イエメンの出身。イラクに派遣される前までは、同僚の海兵隊員にアラビア語を教えるよう要請されていた。
イラクでは、米軍当局が、地元のイラク人通訳者を信頼できないとして、モンタセル伍長を通訳として呼び出した。「長時間シフトになり、次から次への駆り出された」と同伍長は話している。
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