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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年04月28日20時30分掲載
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「近隣国渡航にパスポート」は大統領も異論 米国の厳しさ増す国境監視
米国人は国境を接するカナダ、メキシコへは、短期間ならパスポートなしでも、何らかの身分証明書を提示すれば陸路出入国ができた。しかし、国務省と米国土安全保障省が、米国人に対してもパスポート携帯を義務付ける方針を打ち出し、波紋を広げている。特にカリフォルニア州南部の国境からは、メキシコ北部の国境の町ティファナに従来、米国人は簡単に出入国できていただけに、メキシコ観光への足が鈍るのではとの声も上がっている。(ベリタ通信=江口惇)
ブッシュ大統領は、この新しい国境政策を事前に承知していたはずだが、新聞を読んでその内容を知って驚き、米国人にもパスポート携帯義務を課すことに難色を示した。「もし、パスポート所持が必要になれば、往来に流れに支障が生じる。法律的にもっと柔軟さを」と、ライス国務長官らに再検討を指示した。
パスポート携帯義務は、2001年の9・11同時多発テロの後の制定された情報改革テロ防止法に基づいて準備されてきた。ことし末からカリブ海諸島などからの米国人入国者にパスポートの所持を義務付ける。カナダ、メキシコを訪問する米国人には、2007年までにはパスポート所持を義務付ける。
米国でパスポートを所持している人は、あまり多くない。所持者は、全人口の2割に当たる6000万人にすぎない。広大な土地を持つ米国民にとっては、自分で全米50州を見て回るのも大変で、海外旅行まで手が届かないのかもしれない。
そうした中で、国境を接するメキシコは、近場の海外旅行先として人気がある。現在は、短期間の国境越えの場合、米国人は入国に際し、運転免許証などの身分証明書の提示だけでOK。米国で登録した車の乗り入れも許可されており、簡単に異国情緒を楽しめる格好の観光地になっている。
米紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューンによると、メキシコから陸の国境を通じて米国に入国したのは、1億9300万人。ちなみに北のカナダから陸路米国に入ったのは、3000万人に達している。国境を挟んで、両国民は自由に往来を繰り返していることを裏付けている。
カリフォルニア州南部のサンディエゴ郊外のサン・イシドロ国境は、最も両国民の出入りは激しい場所だ。この国境を通過した人は、4800万人にも及ぶ。毎朝、労働許可証を持ったメキシコ人労働者が、国境を超え米国に入国。夕方、仕事を終え、再びメキシコの戻る光景もみられる。
それだけに米国人にもパスポート所持義務の動きは、各方面に驚きを持って受け止められた。サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙は、最近社説で「国境でパスポート?」の見出しで、この問題に言及した。米国の若者が、週末に軽い観光気分でティファナに食事など繰り出す実情を取り上げ、将来、パスポート所持の規則を知らない若者が、ティファナから米国に戻れないことも起きるかもしれないと指摘した。
同紙は、ブッシュ大統領が、米国に戻る米国人に対しては、パスポート所持に変えて、指紋照合などの簡便な措置の検討を指示していると紹介。その上で、ティファナに単にディナーに出かけるだけのために、米国人に対しパスポートの所持を義務付けるより、はるかにましだと論評している。
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