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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年05月04日02時56分掲載
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「地図が読めない女」は本当か? 全米地理コンテストでは男子が優勢
学校での地理の勉強と言えば、地球上の地形や人口、都市、産業などの状態や様子を学ぶことだが、この地理の勉強をめぐり米国で、女子生徒は男子生徒に比べ、地理が苦手との意見がある。地理に詳しい生徒が参加する全米の地理コンテストでも、優勝者は大半が男子生徒という。最近、東部の名門ハーバード大学のサマーズ学長が、女子は先天的に数学と工学に強くないのではと発言、物議を醸したことがある。日本では男女の発想の違いを分析した書「話を聞かない男、地図が読めない女」がベストセラーになったことがあったが、本当に女子生徒は地理に弱いのだろうか?(ベリタ通信=江口惇)
米ニューハウス・ニュースなどによると、米国では、1989年以来、全米地理学会が、地理に強い生徒による「ナショナル・グラフィック・ビー」と呼ばれるコンテストを開催している。コンテスト開催のきっかけは、米国の若者の地理に対する知識が、あまりに低いことが調査で当時指摘されたためだ。5人のうち1人が地図上での米国の位置を知らなかった。
地理コンテストの参加者は、小学校4年から中学3年までで、オープン制だ。各州ごとに選抜が行なわれ、筆記テストや州の最終選抜で勝ち残った生徒が、全米の最終コンテストに出場する。優勝者には2万5000ドルの奨学金が付与される。ことしの最終コンテストは5月下旬に実施される。これまで、高学年の中学3年生が圧倒的に優勝をさらっている。
女子生徒が地理に弱いのとの“仮説”は、過去16回のコンテストの優勝者は、圧倒的に男子のためだ。男子の優勝者に対し、15人女子はたった一人だけという。スペリングのコンテストなどでは、女子が男子以上に活躍することもあるが、地理となると、思わぬ差が出るようだ。確かに、女子はスペリング・コンテストなどでは、男子に劣らず活躍している。
全米地理学会の調査では、元々地理に関しては、男女の差はないが、高度なレベルのコンテストになると、圧倒的に男子が優勢になる。5月下旬の最終決選には、50人が出場するが、女子は4人という。
こうした差が出る原因については様々な意見がある。男子は女子より、生物学的に空間的な認識に優っているので、地図を理解したりするのが容易との解釈もある。
ニューハウス・ニュースは、地理の勉強について女子生徒の様々な言葉を拾っている。「地理は本当に大変!」から「女子は、マニアみたいに見られるのを嫌がっているので、一生懸命に勉強しない」とか、「女子は、意見を述べるのは得意だが、男子は、事実を述べるのが得意」──などだ。
90年に地理コンテストで優勝した唯一の女性、バトコ・ヨビノさんは、現在メリーランド大学医学部に在学中。学校時代、世界の様々な場所についての地図や本をよく読まされられた。「面白かったので、退屈なこととは思わなかった」。女性だから、地理が苦手という意見には与しない。ただ、地理に関しては、周りから女子に対して、勉強への働きかけがないようだと話している。
一方、地理コンテストは若者の地理の知識向上を目指したものだが、効果は上がっているのだろうか。02年の最新調査では、米国が侵攻したアフガニスタンの地図上の位置が知っていたのは、17%にすぎなかった。18歳〜24歳を対象にした調査では、「米国の人口」を知っていたのは4分の1で、「太平洋」の場所を知っていたのは、3分の1にすぎなかった。ちなみに米国では、地理は暗記ばかりが強調され、人気のない学科という。
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