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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年05月21日23時03分掲載
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不安的中、いっこうに進まぬアチェ復興 NGOは政府手腕を疑問視
20万人以上の命を奪ったスマトラ島沖大地震・津波から約5カ月が過ぎたものの、未曾有の被害を受けたインドネシア・アチェ州では、地域再建と被災者救済に向けた復興作業が一向に進んでいない。インドネシア政府・議会の非能率と災害対策への不手際・不慣れにより、復興の中心となるべき橋や道路・港湾の再建・建設作業さえ着手されていない。非政府組織(NGO)などは当初から、「自力復興」を掲げるインドネシア政府の手腕を疑問視していたが、早くもこうした不安が的中した形となっている。(ベリタ通信=都葉郁夫)
地元の日刊紙コンパスなどによると、クントロ・アチェ・ニアス復興再建特別庁長官は、就任直後の5月初めに地震・津波の被災地アチェ州を視察、がく然としたという。同長官はジャカルタでの会見で、「ともかく驚いたのは橋、道路、港湾施設のいずれも、復興作業が始まっていなかったことだ」と明かした。その上で、「政府・議会の非能率で救援組織から提供された復興資金が拠出されず、復興計画が実施できていない」と述べ、官僚と政治家らの怠慢を厳しく批判した。
今回の大災害に対し、インドネシア政府は被災地アチェ州が反政府武装勢力との「紛争地」であることなどを理由に、外国政府の救援部隊および国際的なNGOなどの大規模活動の期限を今年3月末までに制限、その後は「自力復興」に努めると大見栄を切った。
この結果、友好諸国の部隊が大型ヘリコプター、ブルドーザー、ショベルカーなどの重機を使って進めていた復興作業は中断されてしまった。外国の救援部隊が去った今、インドネシア国軍の復興部隊などが現地に派遣される兆しはない。最もひどい被害を被ったムラボ地区などアチェ州西岸地区では、各所で橋が落ち、道路が切断されたまま、住民生活は不便を極めている。日常生活に欠かせない住宅の建設さえも始まっていないありさまだ。
クントロ長官によると、アチェ・ニアス復興再建特別庁は国際社会から提供してもらった救援金50億ドル(約5250億円)を復興資金として活用できる権限を与えられている。ところが、政府と議会の手際・連携が悪く、救援金の拠出許可を出すのに時間が掛かっており、この結果、復興計画がほとんど手付かずのままになっているという。
「被災者の窮状が一向に改善されていないのを目の当たりにして衝撃を受けた。食料不足を訴える被災民も多い。国際社会からの善意を生かすため、早急に復興作業に取り掛かりたい」と言明したクントロ長官は早速、ユドヨノ大統領に対し、支援金拠出手続きの簡素化など窮状打開にこれまで以上の指導力を発揮するよう“直訴”した。
と同時に長官は国際赤十字社や米国政府との間で橋梁、道路建設に向けた契約を結ぶとともに、家屋を失った約10万人の住民向けに、本格的な住宅の建設と雇用機会の創出を推進していく考えを明らかにした。
国際社会が最も懸念する救援金の横領・不正使用問題について、クントロ長官は「透明性を高めるよう指示している。違反者には禁固刑など厳しい罰則を与える」と言明した。とはいえ、国際NGO関係者の多くは、「インドネシアの汚職風土が一夜にして変わるとは考えられない」とし、不正防止に目を光らせている
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