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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年06月06日07時59分掲載
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セクシーな広告は若者には不人気? ミレニアルズ世代の素顔
米国では、セクシーさを売り物にしたテレビ・コマーシャルが日常的にあふれている。最近も、人気テレビモデル兼タレントのパリス・ヒルトンが、きわどいスタイルで外食産業のコマーシャルに出演している。ところが、こうしたセクシーな広告は、「ミレニアルズ世代」といわれる若者には、あまりインパクトがないのでは、との意見がマーケット業界から寄せられている。(ベリタ通信=エレナ吉村)
ミレニアルズは、現在10歳から27歳までの世代を指す。この世代の前の「ジェレーションX」や「ベビー・ブーマー世代」に比べ、ミレニアルズたちは、子どものころからデジタル世界に親しみ、両親の世代であるベビー・ブーマーたちとは思考方法も異なるとされる。
ミレニアルズは、マーケットの分野では、豊富な購買力を誇り、特にアパレル(衣料品)業界では、最大のお得意様だ。米ウーマンズ・ウエア・デーリーによると、ことし2月末までの1年間の集計では、ミレニアルズたちが、アパレルに消費した金額は、5・4%増の642億ドル。この金額の約3分の2は、女性によって支払われたという。
こうした小金を持つ十代や、二十代の若者にアパレル商品を売り込むために、セクシーさを商品イメージとして強烈に印象づけるのは、あまり賢明ではないとするマーケット関係者が目立つ。露骨なセクシー描写より、商品ブランドの持つ価値を印象づけるような繊細さを持った広告が受けるという意見だ。
人気歌手クリスチーナ・アギレラは、製靴メーカー「スケッチャーズ」のイメージ・パーソンになっている。その広告は、彼女のセクシーさを強く表現したものだが、ひっとしたらミレニアルズたちには、敬遠されている可能性もある。
ミレニアルズたちは、ジェネレーションXやベビー・ブーマーと違い、性の面であまり制約のない情報過多の時代の中で育ってきた。60年代、70年代には社会的な制約があったからこそ、セックス革命、性の解放といった時代を画する現象が起きた。ミレニアルズたちにとっては、こうした時代の激動は無縁のことであり、すべてが当たり前のことだった。
セクシーな広告に免疫になったミレニアルズたちは、セクシーなタレントなどを使ったイメージ広告に飽き飽きし、特にアパレルでセクシーさを売り物にする商品には、「まやかし」といった印象を抱き、好感を持たないとする意見もある。
事実、若者の間で保守化の動きも目立つという。十代はセックスに対して用心深くなり、その証拠に、妊娠や中絶件数も、かつてないほどの低い数字を記録している。一部の若者のファッションも、昔の東部名門高校の生徒が着ていたスタイル、つまり「プレッピー」に回帰しているともいわれる。
セクシーさを売り物にした広告は、ベビー・ブーマー世代には歓迎されたが、その子どもの世代であるミレニアルズたちの心まではつかめないようだ。
しかし、こうした意見には当然反論もある。広告代理店のアーサー・コーラント氏は「十代前半の子どもたちの性に関する知識には驚くべきものがある。セクシーなイメージは、十代や若者たちにアピールするためにさらに必要になるだろう」と強調する。
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