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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年06月08日00時22分掲載
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麻薬組織に狙われる女性たち 獄中で苦悶の日々
米国と国境を接する中南米のメキシコ。隣の米国が世界有数の富裕国家であるとは対照的に、メキシコは経済発展が遅れ、貧困に苦しむ人が多い。そのメキシコで今、麻薬組織が、貧困な家族の女性たちを麻薬の運び屋として利用するケースが目立っているという。警察に摘発されれば、刑務所行きが待っている危険な仕事だが、金の誘惑が、女性たちの正常な心を狂わすようだ。(ベリタ通信=江口惇)
米紙サンディエゴ・ユニオン・トリビュンはこのほど、中部メキシコなどから麻薬組織にリクルートされ、麻薬の運び屋になった女性たちにメキシコ内の刑務所でインタビューした。女性たちは、多くが低所得層のシングル・マザーだ。彼女たちは、麻薬を体などに隠し、メキシコ北部の国境の町ティファナなどに運ぶ途中、逮捕され獄中の身になった。ティファナの国境を越えた先には、世界有数の麻薬消費国家である米国が広がっている。
女性の麻薬の運び屋は、メキシコでは数年前まではまれだった。しかし、現在は逮捕者の半数は女性という。メキシコの捜査関係者は「(麻薬組織は)女性は男性より信頼が置けると考えている。事実、女性は派手に動かず、しかも(組織に)忠実だ」と指摘する。
ティファナの関係者は「女性が、麻薬組織に使われ、また貧困のために搾取されている。運び屋の女性は捕まっても、組織の幹部には手が届かない」と嘆く。女性は報復を恐れて組織のことを公言するのを避けるため、麻薬組織にとっては好都合なのだ。
彼女たちが運ぶのは、マリファナやコカイン、ヘロインなどだ。中部メキシコは麻薬の産地で、米国への密輸の中継拠点となるティファナまでの運搬役の確保が必要になっている。生活の苦しい女性たちにとって、麻薬運搬は犯罪行為であると知りながらも、簡単にお金の入る手段でもある。
運搬に成功すれば家の修繕や、中古車も買える、などと甘言をろうして女性を犯罪に引きずりこむのがパターンだ。しかし、警察に発見されれば、最低でも禁固10年、最高で25年の刑務所暮らしが余儀なくされる。
2001年11月に逮捕されたベルサ・フェリックス(36)は、ヘロインを1ポンド運べば、1100ドルの謝礼を渡すとの条件をのんだ。それまでの職業は小学校の用務員だった。給料は一週間50ドル(約5300円)ばかり。母親ががんの治療を受けており、医療費が必要だった。
ヘロインは体に巻いて隠した。初めての運び屋の仕事だったが、それが最後になった。逮捕され、判決は10年6カ月の実刑。2人の子どもに会えないのが辛いという。
ホセフィーナ・ロドリゲス(36)は、3人の子を持つ未亡人。スーツケースにヘロインを隠していたが、空港で発見された。脳障害の7歳の娘にプレゼントを買うお金が必要なため、運び屋を引き受けたが、判決は10年の実刑。
家に戻りたいという。「家に戻っている夢を見る。目が覚めると、まだ(刑務所に)いるんだけれど」
刑務所の担当者のフランシスコ・ヒメネスさんは、麻薬犯罪を犯した女性たちは、当然の罪の報いを受けていると強調する。「彼女たちは、多くのひとを苦しめた。麻薬は社会、家族を破壊し、また若者を堕落させる」と語っている。
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