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2005年07月01日22時33分掲載
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NZが全妊婦にHIV検査実施へ
生まれてくる子供には何の罪も責任もない。子供を取り巻くさまざまな状況で、このような言葉をしばしば耳にするが、中でも、生まれてくる子供の命と将来に深くかかわるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の母子感染では、その言葉が持つ意味は極めて深刻だ。このためニュージーランド政府は、新生児に苦難を背負わせるHIV母子感染の可能性を可能な限り低下させようと、すべての妊婦にHIV抗体検査を受けるよう勧める計画を順次実施することを決めた。(ベリタ通信=志岐隆司)
日刊紙ニュージーランド・ヘラルド(電子版)によると、タイから移住してきた母親が出産した男児がHIV母子感染していたことが、生まれてから約2年後に判明したのを受け、ニュージーランド保健省はこのほど、妊婦全員にHIV抗体スクリーニング検査を積極的に奨励する計画を決めた。
保健省によると、計画は当初、同国の最大都市オークランド内の特定地区および同市から約130キロ南に位置するワイカト市で開始され、3年以内に検査実施を全国規模に拡大するという。
同省の統計によると、ニュージーランドでHIV母子感染は年平均3~5例だが、昨年のHIV抗体検査では陽性例が157人と、1990年代の同例数に比べ50%も増えたことが、同計画実施を決めた背景のひとつとなっている。
ニュージーランドでは現在、全妊婦に対し肝炎と梅毒の感染有無を調べる任意検査を行っており、今度はHIVに関しても、全妊婦に対し抗体検査の必要性を説明、納得してもらった上で検査を実施する。保健省によると、全妊婦を対象にした同様の検査は英国やオーストラリアなどでは既に実施されているという。
同政府は年間の出産数を6万人と予測、無料となる検査料11NZドル(約850円)を含め、年間予算として200万NZドル(約1億5400万円)を既に計上している。
▽母乳の禁止措置も
今回の抗体検査計画について、オークランド市病院のウィルキンソン博士は「妊娠初期の段階で母親のHIV感染が分かれば、抗ウイルス薬の投与、陣痛前の帝王切開、そして母乳の禁止を組み合わせることで、母子感染を1~2%以下に抑制できる」と説明している。
同博士によると、HIV検査は、後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルス(HIV)に感染しているかどうか、言い換えれば、血液の中にHIVに対する抗体があるかどうかを調べる。その際、最初に行われるのがHIV抗体スクリーニング検査で、この結果で陽性になった妊婦についてはHIV確認検査で最終的に確認するという。
今回実施されるHIV抗体検査による母子感染の防止策の利点としてもうひとつ指摘されているのが、経費が節減されること。不幸にも母子感染してしまった場合、多種の薬を使い、特別診療を受けるため、年間の経費は2万NZドル(約154万円)にも達するという。こうした高額経費は個人あるいは公的機関にしても、負担するには重すぎる額だ。
同計画実施のきっかけとなったタイ人移民の母から生まれた男児は現在5歳を迎えている。治療に当たっているワイカト病院感染症科のミルズ医師によると、この男児は毎日3回、飲みにくい薬を口にし発症を食い止めようとしているが、他の同年齢の子供に比べて発育状態が遅いという。
ちなみに、日本での妊婦のHIV抗体検査実施率は、2002年度の全国平均が85%だった。また、妊娠中に母親のHIV感染が分かった後、抗ウイルス薬投与などの措置を行うことで、感染児数は大幅に減少しているという。
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