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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年07月03日07時19分掲載
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女性はFBIの秘密兵器? かつては「差別の牙城」
米連邦捜査局(FBI)と背中に書かれたジャケットを着て現場で活躍する捜査官たち。これまではその危険な任務から、男性の職場と言われてきたが、最近は女性も進出している。ジェニファー・コフィンダッファーさん(38)は、その数少ない一人。FBIでは、犯罪捜査に関係する人物は男女半数ずつという現実を踏まえ、今後ジェニファーさんのような女性エージェントを増やしていく考えという。(ベリタ通信=エレナ吉村)
米誌グラマーは「女性:FBIの秘密兵器」と題して、ジェニファーさんの活躍ぶりを紹介している。現在テキサス州ヒューストンに駐在している。身長155センチ、体重45キロと小柄だが、麻薬取引業者やテロリストの捜査に加え、FBIのSWAT(特殊攻撃隊)のメンバーでもある。
最近の仕事ぶりをみると──。2004年5月、ダラス発ボストン行きのアメリカン航空306便の機内トイレで、爆弾を予告する紙切れが見つかった。見つけたのは非番の女性添乗員。同機はテネシー州ナッシビルに戦闘機にエスコートされ、緊急着陸する騒ぎになった。しかし、爆弾は発見されず、不審者も見つからなかった。
ジェニファーさんは、この添乗員の発見時の様子を再現するよう求めたが、やけに情報が詳しい。不審に思ったジェニファーさんは、まず女性同士の気安さから、この添乗員の気持ちをほぐした。
添乗員は、男性捜査官に退席を求め、ジェニファーさんに犯行を自供した。知人関係ももつれから、相手の関心を引こうとしたためという。「罪悪感を感じている者は、誰かに打ち明けたいもの。打ち明ける相手は、やはり(男性より)女性でしょう」とジェニファーさん。
犯罪事件の捜査で、FBIが事情を聞く相手は女性も多い。このためFBIは目下、女性やコンピュターなどの特殊才能も持った人を増やす計画を持っている。
ジェニファーさんがFBIを目指したのは、カンサス州のウィッチトー大学在学中にレイプされかかったのがきっかけ。専攻をコンピューターから犯罪捜査に変更、その後FBIに入った。
現在、医療機器関係で働く夫との間に、5歳の息子と3歳の長女がいる。SAWTメンバーとして銀行強盗の現場に出動することも多い。夫はいつも「気をつけて」と声をかける。
▽「女性を採用しない」との過去の手紙も
FBI内での女性捜査官の地位はどうなっているのだろうか。元女性捜査官のローズメリー・デューさんは「FBIは、性差別に関して言えば、最悪の政府機関」と話す。
ジェニファーさんは、女性は結婚し、妊娠したりするので、キャリアと育児を両立するのは難しいと認める。しかし、周りの男性FBI捜査官については「私の兄弟と思っている」と話す。
彼女の職場にある机の引き出しの中に、フーバー元FBI長官が1971年に、FBI志望の若い女性宛てに書いた手紙のコピーが入っている。
フーバー氏は長期にわたってFBIのトップに君臨した伝説的な人物だが、手紙の中で「われわれは、女性を採用しない。われわれはどのような状況にも対応できる者を必要としている」と書いている。
女性に対して排他的な雰囲気を持つFBIだが、ジェニファーさんは、女性捜査官としての自負がある。この手紙を見るたびに、彼女は、気持ちが引き締められるという。
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