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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年07月04日04時41分掲載
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機密漏洩の情報源はローブ米大統領顧問か 同氏の弁護士は漏洩を否定
米中央情報局(CIA)の工作員の氏名がマスコミに漏らされ、フィッツジェラルド特別検察官が機密情報漏洩の疑いで調査しているが、米誌ニューズウィーク最新号(電子版)は、米タイム誌が裁判所に提出した証拠書類から、情報源の1人はブッシュ大統領の懐刀であるカール・ローブ上級顧問であると報じた。これに対し、同顧問の弁護士ロバート・ラスキン氏は2日、ローブ顧問が米タイム誌の取材を受けたことを認めたものの、工作員の氏名を漏らした事実はないと反論した。(ベリタ通信=有馬洋行)
工作員の氏名漏洩問題とは、ブッシュ政権のイラク戦争を批判していた元ガボン米大使ジョセフ・ウィルソン氏の夫人の素性が、マスコミに公表されたのがきっかけ。2003年7月14日、保守のコラムニスト、ロバート・ノバク氏は、ホワイトハウスの複数の政府当局者の情報を基に、夫人の実名を挙げ、CIAの秘密工作員だと暴露した。この情報漏洩は、政府批判を行なっていたウィルソン氏への報復との見方も出ている。
情報は、ノバク氏以外にも、同じ情報源から別の複数のジャーナリストにも漏洩された。このうち、タイム誌のマッシュー・クーパー記者と、ニューヨーク・タイムズ紙のジュディス・ミラー記者は、検察側に情報源の出所を明かすことを拒否したため法廷侮辱罪に問われた。下級審で有罪となり、両記者は上告したが、連邦最高裁は5月27日、両記者の訴えを門前払いし、有罪が確定した。
量刑言い渡しは、同事件を審査した地裁判事が6日に行なう予定で、両記者は、1年半にわたり収監される可能性があった。しかし、米タイム誌は1日、クーパー記者の収監を回避する目的で、同記者と編集者とのやり取りなどを記録したEメールなどの記録を、クーパー記者の反対を押し切って裁判所に提出した。
タイム誌は、最高裁の決定には逆らえないとの声明を出したが、米ニューヨーク・タイムズ紙は、取材源を秘匿するジャーナリズムの精神に反するとして失望の念を表明している。
情報源はローブ顧問とする今回のニューズウィーク誌の報道は、このタイム誌が裁判所に提出した書類を基づくものとされる。またこの情報は、ホワイトハウスに近い弁護関係者から得たという。同誌によると、ホワイトハウスは、検察側が、機密漏洩問題でローブ顧問に対し関心を寄せていることに憂慮を深めているという。
ウィルソン元大使は、妻の素性が公表された直後、情報源はローブ顧問であるとメディアを通じて公言。当時、ニューズウィーク誌は、ローブ氏を含め3人の政府関係者の名前を挙げて質問している。これに対し、ホワイトハウス報道官は「馬鹿げている」と完全否定している。
同顧問は、機密漏洩問題では、過去の3度、連邦大陪審で証言している。フィッツジェラルド検察官は、ブッシュ大統領やチェイニー副大統領からも事情を聞いている。
ウィルソン元大使は、2003年7月6日のニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し、ブッシュ政権がイラク侵攻の口実しても使った、イラクがアフリカのニジェールから核兵器の材料となるウラン(粉末)を入手しようとしていたとの情報は、元々誤りだった、と指摘していた。
一方、元大使の妻の素性がノバク氏によって暴露されたのは、このブッシュ政権を批判する記事が出てから8日後の14日。このため、政府批判派は、素性暴露は報復を意図したものと批判している。タイム誌のクーパー記者は、この数日後にこの問題を記事にしているが、ニューヨーク・タイムズ紙のミラー記者は、取材はしたが、記事にはしていない。
事件解明のカギを握るノバク氏が、検察側から既に事情を聴取されたかははっきりしていないが、同氏は、米CNNに対し、事件が間もなく解明されると述べ、そうなれば、事件の実態を公表すると、最近発言している。ノバク氏と検察側との間で、何らかなお秘密の取り決めがあるとの見方も有力だ。
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