・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・国際
・農と食
・教育
・文化
・アジア
・入管
・中国
・市民活動
・米国
・欧州
・みる・よむ・きく
・核・原子力
・検証・メディア
・反戦・平和
・外国人労働者
・司法
・国際
・イスラエル/パレスチナ
・市民活動告知板
・人権/反差別/司法
・沖縄/日米安保
・難民
・医療/健康
・環境
・中東
提携・契約メディア
・AIニュース
・司法
・マニラ新聞
・TUP速報
・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus
・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2024年11月22日
・2024年11月21日
・2024年11月20日
・2024年11月18日
・2024年11月17日
・2024年11月16日
・2024年11月15日
・2024年11月14日
・2024年11月13日
・2024年11月12日
|
|
2005年07月04日16時10分掲載
無料記事
印刷用
【IPSコラム】もう一杯のコーヒー分で貧困をなくそう クミ・ナイドゥー
先進主要8カ国(G8)首脳会議へ向けて、世界的な貧困に対する運動が勢いを増している中、最貧国へ現在、供与している不十分な援助額を増やすよう、指導者への圧力が強まっている。債務の帳消しと不公正な貿易ルールの改革とともに、最も豊かな国から直ちに援助を500億ドル増することが、世界中の活動家の中心的な要求となっている。(IPS・コラムニスト・サービス=ベリタ通信)
7月1日、ホワイトバンド・ウィークが始まった。この週には、ドイツからグルジア、ネパールからニカラグアまで、何百万人という世界中の普通の人々が、グローバルな貧困撲滅運動(GCAP)の象徴であるホワイトバンドをつけて、団結して立ち上がり、貧困に対して行動を起こすように求めている。
3秒ごとに1人の子供が死んでいる世界的な貧困を終わらせることは、遠い夢ではなく、実際的であり、達成可能な目標であり、経済的に必要なもので、道徳的な義務でもある。7月6月から8日まで、グレンイーグルスで会談する8人の男たちは、世界で最も豊かな国の政策を少し変えるだけで、貧困により毎日、5万人が死んでいるのを食い止める役目を果たすことができることを知っている。
今日、G8の国々はいまほど豊かになったことはない、また、いまほど少ない額しか与えていないことはない。G8の政府は現在、1960年に供与していた半分、800億ドルしか供与していない。これは途上国世界への援助として、1人当たり1週間分のコーヒーの額でしかない。世界が毎年、防衛費に1兆円を使うのに比較すると、G8の指導者に対し、毎年の援助額を500億ドル増やすようGCAPが要求しているのは、小さな変化に過ぎない。G8の市民1人当たり、毎週カプチーノをもう1杯飲む金額に過ぎない。
活動家が、G8に援助を国民所得の0.7%にまでに到達するよう要求しているのは、G8が35年前にした約束に基づいている。
また、われわれは、この追加の援助が役に立つことを知っている。債務の帳消しと援助のおかげで、数百万人の子供たちが、タンザニア、ウガンダ、ケニヤ、マラウィの学校に通っている。同じ理由から、ウガンダ人は基本的な医療保健費を払う必要がなくなっている。それにより、ウガンダの保健クリニックの受診が50%から100%増え、予防接種率は3倍に増えた。これらの人々は、援助が貧困から抜け出す機会を与えることができるという、生きた証明である。
もちろん、まだ先は長い。貧困とエイズに長期にわたり見舞われて、貧しい国の教育、保健システムは、限界にまで伸びきっている。政府が受け取る援助額を超える債務の支払いを迫られている限り、真の開発への希望はほとんどない。
G8の財務相が6月に、18カ国の債務について帳消しにするという発表は、正しい方向への一歩であるが、まだ大海の一滴にすぎない。イラクの300億ドルの債務が一日で帳消しになったように、より大きな政治的な意思が必要になろう。貧困撲滅の目標を達成するために、債務帳消しを必要としているスリランカ、ハイチ、ベトナムなどの44カ国は、この取り決め外にあり、これらの国の債務は増え続ける。
開発金融の批判者の中には、世界の貧困が続いるのを汚職のせいにする者もいる。確かに、もし貧困を過去のものとするには、豊かな国であろうと貧しい国であろうと、政府、国際組織、ビジネス界であろうと、汚職に取り組まなければならない。汚職について政府に責任を取らせるのに一番いい位置にいるのは、結局、途上国の国民である。援助に支えられて、彼らは既にそうしている。途上国世界中で、成長し、力をつけつつある市民団体は、政府が受け取った援助と債務の帳消し分は、最も貧しい人々の生活を最大限に変えるように振り向けるように要求している。
世界最大の貧困撲滅運動にかかわっている数百万人の人々は、透明性があり、市民に責任を負う、貧しい人々の立場にたった政府の政策を要求している。72カ国で国の基盤を越えて、GCAPの運動にかかわっている1億5000万人の大多数は途上国の人々である。彼らは政府に対して、基本的なサービスの提供と開発がより効果的であること、ミレニアム(必要最低限の)開発目標を達成するよう求めている。彼らはまた、女性と子供が最も大きな貧困の負担を負うことが分かっているので、完全な男女間の平等に向けて大幅な進歩を強く求めている。
今こそ、途上国についての古くさい「無気力」という固定観念をきっぱりとなくす時である。この運動が示しているように、世界中の市民が、世界の指導者に対して、援助を倍増し、責任の所在を明らかにし、透明性のある貧困対策を確保するように求めて、一致団結している。彼らは、公正を求めているのであって、慈善ではない。そして首都に向かって行進している。みなホワイトバンドをつけて、彼らは、国境を越えて団結する人々の力を目に見える形で証明している。貧困を撲滅するために、行動を起こせという単純な要求をめぐって。
*クミ・ナイドゥー グローバルな貧困撲滅運動(GCAP)議長。 CIVICUS事務局長。
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|
クミ・ナイド(GCAP提供)
|