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2005年07月22日14時14分掲載
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カナダ人の間で太りすぎが急増 子どもの肥満も問題に
世界的に肥満の傾向が強まっているが、カナダの新聞各紙はこのほど、カナダ統計局の調査報告を基に、国民が昔に比べ、急激に体重を増やしていると警告した。ナショナル・ポスト紙は一面トップに青色の大型活字を組み、「FAT(太った)」の見出しをつけた。肥満の傾向は、全世代で満遍なくみられるが、特に育ち盛りの若者や、高齢者層の太りすぎが目立っているという。(ベリタ通信=有馬洋行)
同ポスト紙などによると、肥満と認定された成人は、25年前に比べ、9ポイント増え、カナダ成人人口の23%に達した。肥満の傾向は、就学前の児童を除く、すべての年齢層で広範にみられる。
カナダ統計局は2004年に3万5000人を対象に肥満調査を実施した。その結果、2〜17歳の幼・若年層の肥満者数は、25年前に比べ、5ポイント増え、8%に達した。また75歳以上の高齢者の太りすぎも急増し、4人に1人は肥満という。
医学専門家は、肥満は心臓疾患や糖尿病、高血圧、卒中、あるいはがんなどを誘発する恐れがあると警告している。またカナダの公衆衛生当局者は、「肥満は公衆衛生に対する脅威だ」と指摘、食事と運動を組み合わせた全国的な健康増進の計画作りが急務になっていると述べている。
男女間の特徴では、高収入を得ている男性は、肥満になる確率が高い。女性の場合は、中流家庭の出身者に肥満が多くなる傾向があるという。また男女とも野菜や果物を多く摂取する方が、肥満になる可能性は低くなっている。
グローブ・アンド・メール紙によると、ビリットニー・モリソンさん(15)は、長年太りすぎに悩み、最近アルバータ州カルガリーの小児クリニックに助けを求めた。
「クラスの中で一番大きいのは確実。他の女子は皆、やせている」とモリソンさん。現在、身長160センチ、体重は72キロ。「私のことを“太っちょモンスター”と呼ぶ子もいる。とても傷つく」
ピーター・ニーマン博士の下で、運動や食事療法を組み合わせたアドバイスを受けている。このお蔭で、標準体重までに落とせる自信がわいてきているという。
カナダ健康リサーチ研究所のダイアン・ファイングッド博士は、肥満の原因は複雑で、肥満を防止する特攻薬はないと言い切る。食べ物、活動の程度、生活スタイル、それに遺伝子などが、複雑に肥満に関わっていると話す。
医学専門家は、若い層で、肥満の傾向が強まっているとことを懸念している。カナダ統計局の調査では、ティーンの肥満は、生活スタイルと相関関係があるという。テレビやコンピューター、そしてビデオゲームなどに費やす時間が多いほど、太りすぎになる危険性がある。少年期に太りすぎだった場合、成人に達しても、その傾向が続く可能性があるといわれる。
75歳以上の高齢者に肥満が目立つのは、予想外の結果という。「高齢者の間で何が起きているかについて、明らかに注意を向ける必要がある」とファイングッド博士。
一方、カナダの肥満問題は、隣国の米国に比べると、依然はるかに低い水準にある。米国の肥満成人の割合は、全人口の30%。カナダの23%に比べ7ポイントも高くなっているという。
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