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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年07月25日14時29分掲載
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復員兵のホームレスを支援 全米に広がる「スタンド・ダウン」
米国には、ホームレスになっている退役軍人が50万人いるという。戦地での想像を絶する緊張状態により、復員後の実生活になじめず、社会からドロップアウトするためだ。こうしたホームレスの退役軍人に支援の手を差し延べようと、17年前に米カリフォルニア州サンディエゴで始まったボランティア支援活動「スタンド・ダウン」が、今や全米に広がっている。(ベリタ通信=江口惇)
米国は現在、アフガニスタン、イラク戦争に多数の兵士を派遣し、対テロ戦争の真っ只中にある。今後戦地から復員した兵士が、社会に溶け込めず、ホームレスになっていく可能性も高く、「スタンド・ダウン」の重要性が一段と高まりそうだ。
「スタンド・ダウン」は、ベトナム帰還兵が社会から逃避し、ホームレスの生活を送っているの憂慮した、サンディエゴ在住の二人の帰還兵が中心となって始めた。支援活動は、数日間にわたって食事を無料で配給するなどだった。
以後、「スタンド・ダウン」は全米に広がり、各地でボランティアの手で開催されるようになった。「スタンド・ダウン」という言葉は、軍隊では、激しい戦闘が行なわれていた戦場から、疲弊した兵士を、一時的に安全な場所に退避させ、休養を与える意味に使われた。
現在の「スタンド・ダウン」では、食料の無料配給のほか、エイズや肝炎の検査、就職相談、それに心のケアなど多様なサービスが提供される。開催の目的の一つには、社会の底辺に隠れて暮らしているホームレスの復員兵を、短期間であれ、コミュニティー社会の人々と接触させ、社会への復帰を促すのが狙いもある。この活動には、各種ボランティア団体のほか、米復員軍人局も協力している。
米紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューンによると、2001年の9・11米同時多発テロ以降、米国は、アフガニスタン、イラクに延べ110万人の兵士を派遣してきた。今後、イラクなどからの帰還兵が増え、社会に復帰していく過程で、ホームレスになっていく復員兵が増加すると予想されている。特に女性復員兵士のホームレスが増えるとみられている。
全米ホームレス復員兵連合によると、全米のホームレスの23%は復員兵という。このうち、76%が、アルコール、麻薬、精神障害などの問題を抱えている。
兵士は、軍隊で厳しい規律のある生活を強いられる。仕事の内容もはっきりしている。しかし、除隊後、社会に戻ろうとすると、復員兵は、様々な障害にぶつかる。仕事の内容は、軍隊ほど明確ではなく、軍隊での生活と、一般社会のリズムについていけないジレンマに陥る。復員兵としてプライドから、他人に相談もできず、次第に麻薬に逃避し、最後はホームレスになっていく。
スティーブ・ロサドさん(32)は、アフガニスタンでの従軍後の03年8月に除隊になった。その後一般社会に同化しようとしたが駄目だった。「人々のリズムの中に戻るのが、難しかった。自分が時代遅れのように感じた」
ホームレスとなり、ショッピング・カートを押しながら路上生活をした。ホームレスになった直後、けんかで足首を痛めた。自殺も考えたが、3週間前にサンディエゴにある麻薬常習者向けの救援シェルターの扉を叩き、リハビリ生活を始めた。サンディエゴで、7月12日から始まった第18回「スタンド・ダウン」には、カウンセリングを受けるため参加したという。
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