・読者登録
・団体購読のご案内
・「編集委員会会員」を募集
橋本勝21世紀風刺絵日記
記事スタイル
・コラム
・みる・よむ・きく
・インタビュー
・解説
・こぼれ話
特集
・アジア
・農と食
・人権/反差別/司法
・国際
・イスラエル/パレスチナ
・入管
・地域
・文化
・欧州
・市民活動
・検証・メディア
・核・原子力
・環境
・難民
・中東
提携・契約メディア
・AIニュース


・司法
・マニラ新聞

・TUP速報



・じゃかるた新聞
・Agence Global
・Japan Focus

・Foreign Policy In Focus
・星日報
Time Line
・2025年04月04日
・2025年04月01日
・2025年03月31日
・2025年03月30日
・2025年03月29日
・2025年03月28日
・2025年03月27日
・2025年03月26日
・2025年03月23日
・2025年03月22日
|
|
2005年07月28日15時53分掲載
無料記事
印刷用
破綻の危機に直面するスーダン和平合意 ICGが警告、国際社会に関与を要請
【東京28日=ベリタ通信】ブリュッセルに本部を持つ有力シンクタンク、インターナショナル・クライシス・グループ(ICG)は25日、「スーダンの危うい和平」と題する報告書を発表、その中で、バシル政権が包括和平協定内容(今年1月調印)の履行作業を遅らせるなどの姿勢を取っているほか、もう一方の当事者である南部の元反政府組織「スーダン人民解放軍(SPLA)」も政治勢力への組織変革に手間取っていることなどから、せっかくの和平協定に破綻の危険性が出ている、と警告した。
ICGはさらに、破綻の危機を回避するには、国連をはじめとする国際社会がスーダン情勢、とりわけ、同国西部で起きているダルフール紛争に関心を持ち続け、解決へ圧力を掛ける必要がある、と指摘している。「新生スーダン」樹立の成否は、暫定政府による和平協定履行努力に加え、国際的な関心がカギを握っている。
報告書によると、スーダンの首都ハルツームで今月9日、和平合意に基づく「暫定政府」が発足し、バシル氏が大統領に、SPLAのガラン最高司令官が第1副大統領にそれぞれ就任し、暫定政府は和平合意内容に従い1)2009年の総選挙実施 2)南部分離の是非を問う住民投票の2011年実施―などに向けて動き出した。
これに対し報告書は、バシル大統領率いる勢力にはSPLAとの協調に消極的な上、総選挙さらには南部での住民投票実施への意欲を欠いていると批判。協定調印はダルフール地方での虐殺に対する国際非難をかわすことなどが狙いだったという。特に南部では、バシル大統領および同大統領率いる国民会議党(NCP)の傘下にある民兵組織「南スーダン防衛軍(SSDF)」=アラブ・イスラム教徒系=などのメンバーたちが「和平協定」に懐疑的な姿勢を強めているとしている。
同メンバーたちは、同協定が定めた09年総選挙が「自由かつ公正」に実施された場合、豊富な地下資源を有する南部地方に(黒人系キリスト教徒の)「独立国家」が樹立され、自分たちが権力の座から引きずり下され、これまでの権益を奪われると懸念しているという。
報告書によると、バシル勢力は今、そうした懸念を背景に、SSDFの活発化と対抗勢力との対立激化、賄賂のばらまきなどを通じ、南部に不安定状況を作り出し、住民投票実施という「和平協定」の合意内容履行をなるべく遅らせる戦術を取っているという。バシル勢力には「情勢悪化」を理由とすれば、住民投票を延期しても国際社会からの避難をかわせるとの読みがある。
このため報告書は、バシル勢力のこうした戦術を阻止するには国連をはじめとする国際社会がスーダン情勢、とりわけ、虐殺・民族浄化が行われている西部のダルフール紛争の監視・解決への努力を示し、同勢力に圧力を掛ける必要がある、と強調している。報告書はまた、国連が和平支援団を同国に派遣、和平内容履行状況を厳しく監視すべきだとも提言している。
一方、報告書はSPLMに対しても、協定破綻と内戦再燃を回避するため、組織変革を速やかに進め、民主的な政治勢力へ早急に移行するよう求めている。報告書によると、SPLAは現在も内戦当時のゲリラ体質から脱皮できておらず、政治勢力として活動する能力を欠いている。その原因のひとつが資金不足であり、このため、同組織内には現在、和平協定が期待したような成果を上げていないとの不満が高まっている。SSDFをはじめとする対抗勢力との和平交渉も暗礁に乗り上げたままという。
さらに、報告書によると、SPLAはこのほど、和平協定に違反して、南部地方での石油資源開発契約を結び、バシル勢力などから非難を浴びたほか、SPLA内部からも批判の声が上っているという。報告書は、SPLAが同契約を即刻破棄するとともに、和平合意に沿って暫定政府内に石油資源問題を扱う「国家石油委員会」を設置し、過去の石油開発契約の見直しを図る必要があと強調。資源問題を複雑化させないため、南北境界線の画定作業を速やかに進めるべきだ、とも呼び掛けている。
スーダンは1983年から約22年間、南部の黒人系キリスト教徒と北部のアラブ・イスラム教徒との間で内戦状態にあった。この南北紛争は、一般にはアラブ系とキリスト系の紛争とみられているが、不均等な経済発展を変革するため、南部ディンカ人出身のガラン現副大統領(SPLA最高司令官)が中央政府を相手に始めたものだった。
包括和平協定によると、暫定政権下ではバシル大統領率いるNCPが議席の52%、SPLAが28%、その他の政党が20%をそれぞれ占める。
内戦は同和平協定で一応終結したが、スーダンでは現在も国境を主としてチャドと接する西部ダルフールで紛争が続いている。ICGのモゼスキー調査員は「ダルフールで紛争が続く限り、包括和平協定の合意内容実現は期待できない」と懸念している。
|
転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。
|
|





|