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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年08月06日17時42分掲載
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「旭川工選手の家族たちを甲子園に」 国労音威子府闘争団が協力お願い
甲子園で6日に開幕した夏の全国高校野球全国選手権大会を、わが事のように喜びながらももどかしい日々を送っている人たちがいる。北北海道代表の旭川工業高校チームに3人の選手を送り込んでいる、音威子府(おといねっぷ)村の「国労音威子府闘争団」の家族だ。長年の苦しい生活のなかから息子たちを甲子園の晴れ舞台に送り出した。できればスタンドから声援したいが、旅費や宿泊費が足りない。闘争団は「家族たちを応援へ」と資金協力の呼びかけを始めた。(ベリタ通信)
ショート・レギュラーとして夢の甲子園での活躍が期待されているのは、石澤司君(3年生)。小柄ながら1年生のときからベンチ入りを果たし、北北海道大会の準決勝では4打数2安打1打点の大活躍で決勝進出の原動力となった。
今回ベンチ入りは果たせなかったものの先輩たちの活躍をスタンドから後押ししようと張り切っているのは、渋谷大輔君(2年)と千葉圭介君(1年)。3人はいずれも音威子府中学校の出身で、親が闘争団に加わっている。
音威子府闘争団は、1987年の国鉄の分割民営化のさい採用差別を受けたとして旧国鉄労働者が解雇撤回を求めて裁判に訴えている全国の闘争団のひとつ。原告1047人のうち音威子府闘争団は48人(現44人)。
音威子府村は、人口1091人(2004年)という北海道でいちばん小さな村。かつては国鉄の分岐点として活気があり、酪農地帯として知られたが、国鉄の民営化でさびれた。なかでも、職を失った国鉄労働者の生活は苦しくなった。日々の生活費にくわえて、裁判闘争の費用も捻出しなくてはならない。冬は2〜3メートルの雪が積もるため、多くの家族が東京や札幌などに出稼ぎに行かざるをえない。
しかし、闘争団はへこたれなかった。村に仕事がなければ自分たちの手で仕事をつくろうと、羊かんや味噌づくりを始めた。木工にも挑戦した。製品は支援組織や地域に販売し、事業は軌道に乗ってきた。それでも、子どもたちを高校や大学まで進学させるのは経済的にきわめて難しい。村には高校以上はなく自宅通学は不可能なため、学費プラス生活費が必要になるからだ。
闘争団の団長をつとめる金児順一さんによると、「こんど甲子園出場が決まった子どもたちは、そうやって苦労して育て上げた最後の世代」だという。それだけに今回の快挙は感慨ひとしおなのだ。19年におよぶ長く苦しい裁判闘争のなかで久々にもたらされた「明るいニュース」でもある。
村のホームページも「むらトピ」の臨時号として、《いざ、夢の甲子園へ》を掲載、「甲子園での活躍を期待していますよ! 村人の皆さん! 今年の夏の甲子園大会は見逃せませんね!」と選手たちへの声援を訴えている。
旭川工業の1回戦は大会4日目(8月9日)第1試合。ホームページは「テレビの前で力強い声援をおくりましょう!!」と呼びかける。
しかし、金児さんたちはテレビ応援では物足りない。ぜひ選手たちの親には甲子園で応援してもらいたい。3家族8名を送りたい。交通費と宿泊代で合計100万円ほどが必要だが、個人負担はむずかしいのが現状だ。そこで思いついたのが、資金援助の協力願いだった。金児さんは「あまり派手に呼びかけることはしたくないんですが」と言いながらも、まだ目標額には達していないようだ。
一方、中労委の「採用のやり直し」を求めた裁定を不服としてJRが提訴した裁判は、03年3月に最高裁が「不当労働行為があったとすれば、旧国労に責任がある」としながらもJRの責任を明確には認めない判決を、僅差の多数で下した。これとは別に、闘争団が鉄建公団を相手取って解雇の撤回を求める裁判の東京地裁判決が、9月15日に控えている。
甲子園での子どもたちが緒戦を突破すれば、闘争団の意気も上がりそうだ。
支援金の振込先:北海道労働金庫名寄支店(普)4049608 「音威子府甲子園の会」代表 金児順一 問い合わせ先:金児(国労音威子府闘争団) 電話 01656−5−3368
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北北海道代表・旭川工業高校3選手
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