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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年08月14日16時07分掲載
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心のストレス障害に苦しむ米女性兵士 蘇る戦時体験
「爆発で海兵隊員の顔の一部が失われていた」──。対イラク戦争に従軍し、任務を終え米国に帰国した陸軍予備役衛生兵キャロリン・バーキーさん(32)は、2年前に手当てをした海兵隊員を記憶が、今でもまざまざと蘇ってくる。爆発現場では一部炭化した他の兵士らも倒れていた。「うめいている者もいた。皮膚の焼けただれたにおいが漂っていた」。アフガニスタン、イラク戦争を通じて、女性兵士の従軍数が増えるに従って、バーキーさんのように帰国後、戦場でのショッキングな体験が蘇り、精神的に苦しむ女性が目立っている。(ベリタ通信=有馬洋行)
米紙プレス・エンタープライズによると、心に強い衝撃を与えた過去の出来事がフラッシュバックのように蘇えり、精神的に苦痛を与える疾患は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と呼ばれている。情緒不安、苛立ち、睡眠障害などの影響が出る。バーキーさんの場合は、料理の焼けるにおいが引き金になって、海兵隊員の顔が蘇ってくる。
1991年の第一次湾岸戦争以来、女性兵士が、従来男性に限られていた軍務に広範に就くようになった。軍用ヘリのパイロットが、その代表的な例だ。米国防総省の方針では、女性兵士は、直接戦闘には加わらないようになっている。しかし、イラクでは、連日のように銃撃戦、自動車爆弾テロなどが発生し、後方支援に当たる女性兵士であっても、日常的に危険な状態下に置かれている。
従軍日数も、かつて女性兵士は半年程度と短かったが、最近は1年と長期化し、女性兵士への心理的負担も増えている。
米カリフォルニア州の陸軍病院のイダリア・カニェス医師(心理学)は、「女性はPTSDになりやすいとの報告が出ている。女性が戦場に晒されるケースが増えれば増えるほど、女性のPTSDが増えると懸念している」と話す。
1年前にイラクから戻った陸軍州兵の技術兵アビー・ピケットさん(22)も戦地での体験による心の後遺症に苦しんでいる。米誌サイコロジー・ツデーによると、人が集まるモールや、青果店などでパニックに襲われた。人々の群れを前にして、戦場のように自分を守る銃を持っていないため、恐怖感に襲われたのだ。
自宅にいても、ラジエターのうなる音が、迫撃砲弾のやって来る音に聞こえ、緊張する。「夢をよく見る。銃撃戦の真っ只中にいる夢だ」とピケットさん。
女性は、男性に比べ、精神的な障害についての治療を受けるのが遅いという。前述のカニェス医師は「PTSDの場合は、治療を受けるのが遅れれば遅れるほど、症状が悪くなる」と警告する。
一方、女性兵士の場合は、戦地での性的嫌がらせも増えている。また故国に夫や、子どもを残して戦地に向かう女性兵士も多く、心理的なストレス要因になっている。
帰国後、夫と離婚する女性兵士もいる。また、特に長く別れて生活していた子どもとの関係を再構築するのにも神経を遣う。前述のバーキーさんは、イラクから帰国後、現在6歳の娘と、かつての関係を取り戻すのに4カ月かかった。不在中、祖父母が面倒を見ていたせいか、当初は、娘は、母親の存在を無視するような態度をしたという。
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