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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年09月08日14時22分掲載
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中東
一兵士からベストセラー作家に イラク従軍の体験を綴る
イラクに派遣された若い兵士が、自らの体験を綴った本が発売後ベストセラーになっている。内容は、戦争に派遣されるなど、夢にも思っていなかった若者が、現地で体験した驚き、悲しみ、怒りを表現している。米メディアからも引っ張りだこで、本人も一兵士から、一夜にして著名人の仲間入りしたことに驚いている。(ベリタ通信=有馬洋行)
米紙オーランド・センティネルによると、この人は、ジョン・クロフォードさん(23)。フロリダ州兵当時、イラク派遣を命じられ、2003年3月に始った攻撃では、クロフォードさんの所属部隊は、米陸軍第3歩兵師団とともにイラク国境を越えた。
クロフォードさんの文才を発掘したのは、米軍といわゆる“埋め込み”取材で行動を共にしていた、リベラルのオピニオン誌「ネーション」の記者クリスチャン・パレンチ氏。バグダッドのアパートを借用した軍宿舎の蒸し暑い一室で、ラップトップのコンピューターに向かい、エッセイを書いているクロフォードさんを認めた。
▽「私が絶対に話せないこと」
クロフォードさんは、爆死したイラク人の子どもについて書いていた。パレンチ記者は、その内容に「天賦の才能」を感じ取った。戦争という厳しい状況下で、物を書こうとする、その強い意志。これこそ「良い書き手となる重要な要素」とパレンチ記者は言う。
パレンチ記者はクロフォードさんからコピーをもらい、知人の出版関係者に連絡。その1週間後、クロフォードさんに、その関係者から連絡が入った。その後、エッセイを本にまとめるとの契約が成立、多額の原稿料が前渡しされることになった。出版の経験のない人物に対するものとしては、破格の扱いだ。
本のタイトルは「私が絶対に話せない事(仮題)」で、全219ページ。本は出版後ベストセラーになり、クロフォードさんは、テレビのトーク・ショーに招かれたり大忙しだ。一流紙にも一文を寄せるなど、瞬く間に知名人になった。
クロフォードさんは、自らを「思いがけずに兵士になった男」と形容する。3年間にわたって米陸軍空挺師団に所属した後、フロリダ州立大学に入学した。学費を稼ぐため、フロリダ州兵として登録した。州兵は、有事でない限り、週末に出勤するだけで給料がもらえるからだ。戦地に行くとは夢にも思っていなかった。
大学4年で結婚し、カリブ海で新婚旅行を楽しんでいた時、イラク派遣の命令が来た。大学では人類学を専攻していたが、卒業まで2単位を残して戦場に向かった。
当初3カ月の任務と言われたが、延び延びとなり、1年以上従軍した。帰国後は、戦場の緊張と、内地の空気の落差に戸惑い、酒におぼれた。離婚の話も起きた。
しかし、出版契約のプレッシャーが良い方向に動き、酒を断ち、執筆に専念した。出版が話題になり、反戦組織からも招かれるようになった。しかし、政治的な活動には一歩距離を置いているという。
クロフォードさんとともに従軍した友人のクリス・カーさんは、「作品は極めて正確だ。多くのことを忘れていたが、彼は、私の記憶を呼び覚ました」と話している。
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