1987年、国鉄がJRに分割民営化された際、国労所属を理由にしたJR採用差別が行われ、7628人の職員が国鉄清算事業団に送り込まれた。1990年には、同事業団からも解雇された。2002年、国労闘争団・遺族は、鉄建公団(現・鉄道建設・運輸施設整備機構)を相手に解雇撤回を求める<A href="http://www.h4.dion.ne.jp/~tomonigo/tekken.htm" target="_blank">裁判</A>を起こした。その判決が15日、言い渡される。判決を前に、先月28日開かれた「人らしくフェスティバル」で、中山千夏、鎌田慧、立山学の各氏が、公共性をはがし取った「民営化」の本質について、語り合った。(ベリタ通信)
司会 それではご紹介してよろしいでしょうか。 司会2 それではあらためましてえー座談会。 司会 中山千夏 司会2 トーク進行は中山千夏さん、ルポライターの鎌田慧さん、ジャーナリストの立山学さんです。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) 中山 どうもこんにちは。 中山ちかです(笑)。お古いかたがたは千夏とおもってらっしゃるかもしれませんが、最近変わった(笑)。えとウーマンリブの中山千夏です。なつかしいですねえ、どうぞおかけになってください、立ってるとくたびれちゃう歳になっちゃうし、最近、えー最初にちょっと自己紹介を兼ねて近況を話したいとおもうんですけども、まあ、私の近況はどうってことなくて今は物書きを中心にしてやっております。でこういうことがあると、呼ばれてちょっと行ったりなんかして労働組合とはね、最近、ちょっとこう労働組合ってなんかないでしょ今(笑)。私がほら、革自連やってたころはあったじゃない。わー労働者だーとか思ってみてたんだけど、そういうのがなくなっちゃって。 立山 デモをやってましたからね。 中山 このごろあのーイラク戦争のときにね久しぶりに大きなデモがあって、私出たんですよ。そしたらねえぜんぜん違うの、デモっていわないの、パレードっていうの(笑)。それでわたしがあの、デモ初めて出たときは旗が立ってるのが怖かったんですよ、あのーそういうのウブだったから、赤い旗が立ってたりするとやだなーと思ったんですけどでもホントは。正しいんだから一緒に歩かなくちゃと思ってたんですね、ぜんぜんないのそれがでーそういう赤旗なんかのデモのころはもうちょっとね、一般人に近いよう感じにして欲しいなとおもってたんだけど、最近そのパレードというのに行ってみてね、やっぱり赤旗立ってないとね。やっぱあれないと駄目だね。 立山 フランスデモとかね。 中山 こうゆうやつでしょ。 立山 イヤイヤ道幅一杯に。出来るだけ女の子のそばに近づいてね。 中山 そうゆう時代の移り変わり見たりなんかしてね、でちょっと、どうしたらいいかな、ひどい世の中になってきたんで、もう一度だいぶがっくりきてたんですけど、もう一度がんばってでもやっぱりパレードでもそういうデモがあったってのは、私も励ましてもらってまたがんばろうと、ごそごそやっている中山千夏です。(拍手)それから立山さんは私が運動始めたころに知り合ったんですけど、どうぞご近況を。 立山 えー中山さんと私はね同郷の熊本の出身なんですよ、それであの太田さんの東京都知事選挙のときに革自連の部屋で借りてね、それ以来30年ぶりになるのかな。わたしは爺さんになったけどあんたは若いんでびっくりしたね。 中山 わたしはずいぶん下ですよ。 立山 私はね、ジャーナリストとしてますけど、そのころはデモ屋やってました。社青同というところでデモばっかりやってたというあれですけどね、そのころから選挙がおわったころからどうも私が育てた活動家含めてどうも雲行きがおかしくなったんで、これはほっといたらね私も身動き取れなくなると思って、実は自分で首にした。やめりゃ飯が食えなくなるからマグロの行商をやったりした。そしたらね、一番買ってくれたのが国労の人たちなんですよ。何の関係なしに立山学は飯食えねえみたいだ、かわいそうだからマグロ買ってやれって、マグロ買ってくれた。それで選挙のときに一生懸命応援してやった国会議員どもはね、肩書きがなくなったら鼻にもかけない。だから私は国会議員をね、議員会館の中でマグロひっくり返した。だから私は国鉄労働者に義理があってね、理屈じゃないの義理返しに一生懸命やらなきゃいかんと(拍手)。それで自分でですね、国鉄労働者の家族を励ます会というのをやるわけです。それをやってる間にね、心筋梗塞になってこないだぶっ倒れちゃいました。けどまあいい勉強になりますよ、心筋梗塞とか事故とかいうのは(笑)。ほんとのことですから、そこからどういう教訓を学ぶかということでこれからまたがんばりたいと思ってますから、またよろしくお願いします。(拍手) 中山 もちろん、それで私も国会に出たりしたんですけども、そのとき民営化の話が持ち上がってねえ、それで一生懸命反対をした、そういうところでも奮闘をしてきます。やっぱりいつ頃からか知り合いになってですね、こういう集会があると一緒になるのが鎌田さんなんですよね。鎌田さんどうぞ。(拍手) 鎌田 こんにちは鎌田です。中山千夏さんとはあの多分、三里塚の闘争のときしが会館で記者会見をしたとき来てもらったのがはじめだと思います。ピアニストの高橋ゆうきに頼まれまして、その後、戦う選挙の歌を佐川清が作曲して中山さんが歌った名曲があるんですけど、今あれCDはないんですよね? 中山 あのずっとマンガNO,1ていう本を赤塚さんが出してて、それでCD、CDっていうかレコードみたいなものが付いててそこには入ってるんですよ。
「国鉄分割民営化っていうのは偽装倒産なんです」
鎌田 管制塔占拠というのがありまして、いまその被告たちに1億円の損害賠償の請求が来ていて、それも今カンパの運動をやってます。ですから国労のカンパもしないといけないし、管制塔の占拠もしないといけないし、同じところから集めるんで申し訳ないんですけど(笑)、これは管制塔の占拠は4000万円の被害なんですけど、この無金利時代に年5%の金利が付いて1億円になってるんですね。国家ってのは本当に冷酷無残非情で1億円を月収から差し引きしてるんで、それがあまりにもひどいっていうんで今、カンパ活動やってます。ぜひあの闘争に感動した人たちはタダ見ってわけにはいかないからやっぱり感動した分払って欲しいっていうふうに思っています。(笑)それから立山さんは都電撤去が60年代後半にありましてから、その次に社青同の幹部だったらしいんですけど、新宿からずーと都電が日比谷公園、四谷を通って日比谷公園に行きまして、夜出発してで朝になって歌舞伎座についたんですね。その屋上に乗っていて逮捕されたのが立山さんで歌舞伎座の前で逮捕された瞬間を僕が写真で写しているっていうそういうふうな間柄で、まあ三里塚とか都電撤去とか今度は国労ですけど、都電撤去のやり方と国労のやりかたがかなりまあ似てるとか。いろいろ本題に入るんですけど、国鉄分割民営化っていうのは偽装倒産なんですね。よくやる方法で中小企業なんかが組合ができてうるさいと会社つぶしてしまうって言う、そういう汚い手を国家がやった。もちろん国家的不当労働行為といってますけど、その前に国家が組合を潰すために会社を潰して、それでめんどくさい奴を追っぱらって新しい会社にして勝手にやろうって言う、勝手にやってみた結果が今度の事故になったとそういう因果関係なんですね。それは立山さんもずーとやってきているし、僕も参加組合のほうからずーと関わっていますが、まあいろんな宣伝広告をうったり、JRに人権をという朝日新聞で宣伝広告を打った後にJRからクレームがきてJRに人権はあるよ、というふうにいってきたらしいんですけど、今度の事件を考えると本当に人権がなかったから、人の人権を粗末にしたとそういうことがはっきりしたと思います。僕だけ話しててもしかたないんで。(拍手) 中山 先ほどビデオも見ましたけれど、私なんかずっと民営化の運動なんかのはじっこにかかわってきたからね、テレビの前ですぐに、ほら!民営化するからだこのやろうとか怒ってるんですけどねえ、そうですよね今の。
「国鉄民営分割政策を見直ししないと安全優先の経営体質にならない」
立山 もうその通り。あのねひとつ言えばJRがあれだけの事故起こしたものだから利益優先がいけないって、これはね、たいていの人が言うわけですね。利益優先の経営体質はいかんと、これはねなにも言ったことにならんのですよ。利益優先の経営体質を作ったのは国鉄民営分割なわけですね。民営分割はほっといたままで利益優先の体質はいかんと口だけは言えるけど、中身はかわりっこない。だから国鉄民営分割政策を見直ししないと安全優先の経営体質にならない。そこまで踏み込まないとそんなこといったってできないんじゃないかと議論があるだろうけども、そんなことはないです。今のビデオのなかなかよくできていましたけども、イギリスではね、イギリスのイラク侵略を手伝ったり気に食わんことはいっぱいあるんだけども、民営化した結果、事故おこったんだけども、その原因を探っていったら線路を変えなきゃいけないということになったんだね。線路を変えるには電車が上がったままでは、線路を切り替えるわけにはいかんね。電車止めてやっと利益優先の経営形態のままでは線路の健全化はできないわけ。 中山 電車止められないから。 立山 だからあのイギリスさえ株式会社形態をやめたからといってこういう格差だからね。日本で山陽新幹線絶対危ないですよ。山陽新幹線には乗りたくないですね。じゃあ飛行機に乗ればいいかって言うと。 中山 飛行機危ないよ。 立山 じゃあなに乗っている。 中山 しょおがないから乗ってますよ。この間も乗ってどっかでまたね、事故起こしてるんだろなと思いながら。 立山 俺だからね新幹線にも乗りたくない。 中山 友達に一人ね、お父さんとお兄さんが国鉄という人がいるのね。その子なんかお兄さんからしょっちゅうね、前と後ろには乗るなといわれてる。こないだ尼崎事故もあったり。鎌田さん、あのマスコミの話もちょっと出たここまではいえるけどということが出たけどいま相当状況がひどいでしょう。
「民営化の問題というのは公共性を全部はずすということなんです」
鎌田 いま結局民営化にマスコミは全部賛成ですよね。朝日新聞の社説も民営化賛成を堂々と書いていますよね。小泉が参議院で郵政民営化を否決される直前に朝日が民営化賛成です。朝日が小泉の政策を支持しているのとおんなじですよね。そういうふうな時代になって、国鉄のときはひどくて、国鉄の人はもうみんなご存知でしょうけど、カラスの鳴かない日はあっても国労の悪口を書かない日はなかったといってるんですけども、ほんとにああいう宣伝というかマスメデイアが全部が1箇所に一挙に集中して国労つぶしに加担したというのは、分割民営化はまあ、だから郵政のあとに電電公社とか郵政とか民営化されてきていますけども、マスコミは全部賛成しているんですね。どうしてかというと、財界が儲かると思うものには反対しないんですね。財界が儲かるものには賛成なんですよね。いわゆる人民の側に立っていない。財界の側に立っている、そういうふうな構造があるもんだから民営化については批判できないというそういうふうな感じになっていますね。民営化の問題というのは公共性を全部はずすということなんですね。公共性をやめて民活商法を活性化させる、ビジネスチャンスをつくる、もうけるチャンスをつくる、それが狙いではっきりしていて公式的、立山さん流に公式的に言えば、独占資本の欲望、国家独占資本主義段階のまあまったくそうですね。公共性をはずす、全部儲けににしていけばいいそういうふうな攻撃で、だから僕は19年前の3月31日に国鉄が終わりになって今なくなった国労会館の一番上の会議場で最後の集会があったときに演説したんですけども、必ずもう一回公共交通に戻すっていうふうにアジったんですけども、それは単にほらを吹いているんではなくて、絶対鉄道は、国鉄は公共性でないとまずいんですね、基幹の交通はね。そういうふうに今、立山さんも言ったようにイギリスの民営かも戻ってきているし、最近発行されたハード・ワークという東洋経済で発行されたのジャーナリストの本がありますけれども、これはイギリスの民営化がいかに退廃を生んだかという新聞記者のレポートで病院の看護とか全部仕事が分断・下請けされたんですね。下請けに出して全部任せるから、さっき国鉄が300社に分割したと同じように仕事を全部細分化して業者に任せたら、たとえば隣の仕事患者さんがベッドから落ちていてもそれは見ていて、それを見た人がそれは自分の仕事じゃないからやらないというふうにそういう分割民営ってのは人間を分断していくんですね。そういう公共性と利益が対立していくうち人間性と非人間性の関係になっていくというのが分割民営であるっていう、それは僕ら堂々と主張していかなくてはならないと思います。(拍手)
「男の人が不幸なのは、せっかく金にならないとこにかかわってこない」
中山 えっとあのー私もちょっと何年か前に「金を乗り越える」っていう本を書いたんですけどね。お金が儲かるための仕事しかないっていうのは不幸ですね。国鉄さっき一人ね、どなたか参加してらっしゃる女性がですね。是非言って欲しい、国鉄赤字がこんなにあるこんなにあるって、さんざん騒がれてたんだけども本当はないんだと、赤字なんかはね、そのことをもっとみんなに言って欲しい。逆にあのー私なんかが思うのはね、赤字でなんでいけないのっていう、使うところにはお金使っていいじゃない、自衛隊なんかボカーやったらたくさんお金飛んじゃうわけでしょ。ああゆうのは赤字って言わないでしょ。だからそうじゃなくて、みんなのために使うお金なんだから、そうなんだから赤字になってもいっこうにかまわない、私はいいよって、赤字は嫌じゃない。今の人間の不幸っていうのは人間らしく生きられない、なにやっても全部金でしょ。なにやっても、だから経済的な人間の側面しか私たちもてなくなってんじゃない。これ何とかしないとね。唯一の解放区はウチの中の家事だけでしょ。あれは金になんない。男の人が不幸なのは、せっかく金にならないとこにかかわってこない。だから男の人人間がだめになっちゃう。金にならない家事というのは拠点にしてそこから一挙に運動にしていこう、ここを突破口として家事を突破口としてやったらどうかなと私は思うんだけども、とにかくお金が、国鉄なんか鉄道なんか儲からなくていいんですよ。私たちはだせばいいんですから、そのために税金を払うことはぜんぜんやぶさかではないてことを私はいつも思うんですけど。立山さんは今の政治はどうですか。 立山 私はね、としのくせに千夏ちゃんみたいにさとりは開けなくてね。やはりお金のほうに行くんだな。貧乏人はね、貧乏人ほどお金が欲しいのよ。差し押さえられちゃうから。だけどお金だけじゃないのは事実だね。大事なことは電車の中で見てるとさ、多重債務整理致しますと書いてあるじゃない。国がやってたのは、それなんですよ。国鉄に借金をうんとさせてわざとさせるわけ。これは税金の横取りと同じですよ。大騒ぎしたら再建させないといけないから、そのためには民営化だ、リストラだなんだかんだ言って、増税だとかやるんです。それにだまされてきちゃって、先ほどから鎌田さんがいわれたようにマスコミががんがん言うわけね。借金があって大変だ誰が借りてるかというと、今のところ国民が国債を買ってやってるわけ、そういう構造を今日来ている経済の先生がいらしててね、分析しないといけない。借金をみんなでおっつけるためにやっているだからね。この基は何だと聞かれたら、軍事費ですよ。アメリカのクリントンは色きちがいやったけどもだけどね。財政はいっぺんに黒字になった。ブッシュは敬虔なクリスチャンだったんですけども、とんでもない戦争屋だから、いっぺんにイラクに侵略して大赤字になってしまった。だからブッシュは、「小泉、お前は俺のペットなんだから日本の郵政を民営化して350兆円をアメリカによこせ」といっている。それが郵政民営化の背景だ。 中山 鎌田さんいかがですか。
「赤旗があっちこっちに広がっている、それが健常な社会なんです」
鎌田 ぼくは今度の裁判の結果が9月中旬にでますけども、それはもちろん勝たなくちゃいけないですけども、国家がやるんで結果がどうなるかわからないんですけど、ただ裁判の結果がどうなろうとやっぱりこの国鉄分割民営化っていうのは世紀の大不正だったと思うんですね。だから絶対勝たなきゃいけない、こういう気持ちを固めておきたいんですね。なにが不正かっていったら、ものすごい露骨だったわけですよね。瀬島という陸軍参謀のところに井出とか松田とか葛西とかしょっちゅう行ってて、彼らの指導によって分割民営化してるんですね。中曽根、瀬島、三塚この三悪人が自分で会社を3つに分けておいて、6つに分けておいて一番おいしいところ、JR東日本・西日本・東海の間違いなく儲かるところの社長になってですよ。これは犯罪行為ですよね。自分たちが分割して社長になっておいて徹底的に労働者いじめをやって、そして事故を起こすっていう、これは本当に犯罪行為ですよ。それでそのあたり、最近になって安全性向上計画っていうのを発表したんですね。西日本鉄道が安全性と、だいたいこのことばが気に食わない。これは生産性と同じ言葉なんですね。絶対安全ではなく安全性パーセンテージなんですよね。パーセンテージを高めていく発想自体が絶対安全性でなくて、安全を高めていく生産性向上の裏返しの安全性向上計画なんですねこれ。そうゆうところに彼らはぜんぜんこの安全性についての考えが弱いところで今回の事故ですね。すべてが儲け中心主義で、そして問題があったということを安全最優先の意識が隅々にまで浸透するには至らなかった。安全性が最優先ではなかった。もうけが最優先の意識が隅々にまで行き渡って安全性に至らなかった。それだったら全部やっぱりどうするか、儲け至上主義で、立山さんが言ったように儲け至上主義というのは民間会社の至上命令であった。こういう安全性を扱う鉄道はやっぱり公共性がなくちゃいけない。公共性に配慮しないような経営主義というのは、もっともっと罰する必要があるわけですね。社長たちは刑事罰に問われるわけなんですよね。まあそういうふうに日本の社会はたがが外れてきているし、あのJCOの事故も労働組合も弱くなってきていますし、これも西日本の労働組合をつぶした結果であるし、やはり言いたいことの言える組織というのは労働組合を強めることであるし、そういうとこにもう一度中山さんが赤旗が見られないのが寂しいといってましたけれど、赤旗があっちこっちに広がっている、それが健常な社会なんですよね。(拍手)
「国鉄民営分割化政策全体の見直しを」
立山 鎌田さんがおっしゃるとおりですね。ちょっと言っておきたいことは、安全性を向上するっていうやつは安全を優先しろということで、職場で事故を芽のうちから発見してチェックする労働組合の力を認めてあげないといけないですね、だって事故の芽を見つけるのは現場の人たちでしょう、それは事故になってまずいのちを失うのは鉄道労働者だから、このことを認めることによって国鉄時代にも事故はありましたが 世界一と評価される安全な輸送ができるようになったのは国鉄の安全闘争が盛り上がったからなんですね。だから世間ではいかにも大人なんてさ順法闘争をやったときに混乱したようなことをいいますけども、あれほど一番事故が減ってるんです。あれを証明するのは定刻発車という本が最近出ていますから、それをご覧になればね、順法闘争をやってたころには安全で遅れは少ないんですよね。それに2番目はね、そういうことをやったときにはね細かいことは別にしても国労と当局の間でもし遅れた場合に、もし遅れた場合無理な回復運転は絶対にしないという協定がむすばれているんですよ。これがいまだに生きていたら尼崎事故はなかったわけです。つまり無理な回復運転をしない、そうゆう圧力をかけませんということを労働組合と当局との間で結ばなきゃいけないですね。そのためには労働組合がね、経営から自立しなければだめなんだな。実際、経営の言いなりになるような組合ならだめなんでしょう。それとさっきから言ってるように、そういう労働組合があって、線路危ないからここのところを修理しなさいと言ったときにですよ、修理するか言うこと聞けるかという話になったらどうしますか。労働組合って命まで売っていないんだから、当然要するに抗議行動まで要求運動やりますよね。それを認めるか認めないかが安全が決定的に問えるんですよ。それをいまだにJR東のほうが認めないわけですね。千葉動労の皆さんが線路が危ないって順法闘争をやったら処分したじゃないですか。いまだに安全優先の仕事をしている労働組合の労働者は処分される、ここを変えなきゃだめですね。それはだからどの労働組合であろうとも関係ない。それがそのみんなのね、この集まりの大きな課題じゃないかと。もう一つはマスコミはそろって民営化に賛成しているけれどね、かつて20年の国鉄労働者悪玉キャンペーンのときのような国鉄民営化神話と言うのですか、その影響力がずーっと下がってきてね。だから郵政民営化法案が参議院で反故になっちゃたんで、そのためにもうひとつはね、民営化のあとをね告発し続けた原告団がいたからですよ。この運動があったからそれをどうして(拍手)、あの告発しなかったらさあ納得させられちゃうことになっちゃうんですね。これを告発できたということがあと郵政民営化で一発蹴りを入れたような大きな意義がある。ただし、獲物を傷つけたら、行儀のよいイノシシは仕留めないと危ないんだよね。仕留めないと。どうも野党はね腰が引けている、−野党あったけー(拍手)民営化の止めをさす戦略をこれから使わなければいけない相手側はね、意外とねかなり震えているんですよ。加藤寛さんがなんていってるかというと、最初はね、エコノミストかなんかでこういうことを言って、JR西日本は民営化は利益優先じゃないんだ、利益優先化だ民営化だというやつは間違っている。その間違った事態にしたのが西日本だ、JR西日本は慌てて株を上場する必要はなかった、こういうふうに言っている。これ大事ですよね。この間までJR 西日本は民営化の優等生だった。この優等生が落第生にすることによって民営化政策を擁護しようとしているのですね。そういう論法に切り替えざるを得なかったあのあつかましい加藤が民営化全部が正しかったと言えなくなったし、しかし、もし加藤寛が言うようにJR西日本が間違った利益優先の国鉄民営分割化の政策をやっていたとするならば、それを監督管理する政府はなにをやっていたのか。だからそういうことは一歩突っ込んでいけば国鉄民営分割化政策全体の見直しを日本においてもですね、合理的にやらざるを得ない運動さえ盛り上がれば。ここは世論を高めるべきではないでしょうか。だからね、安全問題は現場だけの問題ではないですよ。安全問題は社会が先ほど千夏さんが言われたように安全、人の命は金よりも尊いですね。その価値観を社会がもっと持たない限り、安全性は否定されるんですね。で、私は、千夏ちゃんなかなか詳しかったのはね、万里の長城だったか歌がありますね、普通ね、万里の長城に行くとね、秦の始皇帝はえらいやっちゃという話になるんだ、千夏ちゃんのつくった歌はそうじゃないんだ、万里の長城を作った人は大変だったろうなと、今の企業社会人間の価値観と全然違うんですね、これが民主主義じゃないんでしょうか。健康なんじゃないでしょうか。あの今、小泉選挙は何やっているかというと小泉、非情でいいと言っている非情、非情を売りにしているわけです。選択のためには非情つまり人を殺そうと、騙そうとその非情の最たるものがですね、人材活用センターであり清算事業団ですね、見に行ってで私ははじめて解りましたよ。それまではね、あんなにひどいことやるとは思わなかった。だからああ非情という本を私が本を書く前に千夏ちゃんはが万里の長城を歌ってた。
「シベリアに送られたデカブリスト」
中山 ちょっと鎌田さんにマイクを回したいと思います。 鎌田 ええとまあ、今の立山さんのお話はあっちこっちに広がったので受けようがないんですけど、ひとつ言いたいのは安全闘争という問題で今、本当に安全闘争というのが現場でとれなくなったっていう組合が弱体化してるからですよ。しかし安全闘争というのは共通な要求なので、なんで闘い組めるということなんですよね。分割民営化が始まったときに抵抗なくして安全なしっていう三池労組のスローガンをずーといいつづけてきて国労の集会のたびに、私は抵抗なくして安全なしっていう、どうして三池あれだけの大惨事が、失業者が大量発生した63年の事故が発生したかっていう、それを60年の民主闘争に労働組合が敗北したからですね。労働組合が敗北したから大事故が発生したわけで、これはこじつけじゃないんですね、こじ付けでまったくない現実の問題として抵抗する組織がなくなったから現場に三池の坑内では安全委員が厳しく安全点検をやっていたわけですね。安全点検ができないと現場に入れないというそういう徹底した安全闘争があって安全性が確保されていた。そこの組合を全部つぶしたから安全チェックができなくて大事故につながっていった。今度の事故とまったくおんなじなんですね。そういうふうに安全てのは現場の労働条件だけじゃなくて社会的な責任があるわけで、労働組合の責任問題もあるんですね。そこをがんばる、今回の問題提起にしてこれだけ分散化している労働組合が安全性を巡って住民の安全性のために立ち上がれるのかって言う、それによって労働組合をもう一回どう強くしていくかそれが問われていますと思うんですね。国労と国労内部の周りの人たちは本当に少数派だけども知れないが、安全要求をてこにして拡大をどうはかるかそれが突きつけられていると思うんですね。それから日航の事故のほうが本当に危ない整備工とかパイロットとよく話をするんですけども、全部時間経過してるわけですね。日航のほうは儲かる整備っていう、いろんなところの自分の会社でも手一杯なのに、いろんな会社の整備をもってきた。そしてあぶなくなってきた今は逆に全部下請けにしていく本工の仕事の古い労働者の下にいろいろな下請け孫請けの、経験が少ない人がわけですね。しかしそれはマニュアル化する。しかしマニュアルってのはすべてを包含できない、やっぱり整備は匂いを嗅ぐとか音を聞くとかそういう何十年間かやってきたベテランが異常を発見するわけであって、スチュワーデスも機内にいて飛行するときのエンジンの音を聞いてるとか、そういうふうな全部が経験によって安全性が守れてきたわけですね。そこを全部日航はとっぱらっちゃった。だから羽田沖事故で片桐機長さんの精神疾患があって事故が発生した後、機長会は労働組合になったんですね。そういうふうにひとつの事故を契機にして機長さんが管理職の長が労働組合になって安全点検をしてきたっていうふうな経験があります。そういう意味で、少数でたしかに追い詰められているけど、しかし乗客とか社会的運動とどうつながっていくのかという、そういうふうな大胆な闘争がやっぱり必要だっていうこと。それからずーっとがんばってきたから今こうして広がってきている、最近ほんとに広がってきていますよね、こういうふうな広がりは本当にこの被解雇者や家族ほんとに家族の話は涙ぐましい話で涙なくては聞けない、そういう人たちがやっぱり支えてきた、僕は政治犯であると言ってるわけですけど、ほんとに人活センターに行ったときにはシベリアに送られたデカブリストって言うんですけども、ロシア革命の政治犯がまるで寒いツンドラ地帯に送られてひどいめにあっているようなイメージで考えているんだけど、ああいうふうな状況がずーっと続いていく、驚くことに分割民営化されてもずーっと続いてきた。そして、日勤教育という形で徹底的にいじめてきたわけですね。教育が支配の道具にされたということこれはほんとに現在日本の象徴的な事件だと思います。「日の丸、君が代」の内容も教育を使った人民支配であるし、そういうふうなところにきて、だからJRの問題とか国労の問題じゃなくて、日本の社会がどういうところにおかれていて、それに対して僕たちがどうするのかっていう、それが支配することだと思うんです。だからこれによってどう反撃していくのかっていうそういうふうな集会だと思います。今日の集会は。(拍手)
「負けて負けてきたけど、どっかで勝つ、これが国労の被解雇者が実践した成果だと思います」
中山 そろそろ時間が来たんですけども、私ぜんぜん違う角度からね、ちょっとだけ変な意見を言いたいと思うのはね、これから皆と一般の利用者がつながってその国鉄時代の悪口を言われたときにつながれない部分があった。それ何かって言うとね、うちのお母さんねそのころ結構年だったんだけどね、国鉄の改札のところ入るっていったり、もぐっていったり、それ怖いって言ってた。私も実感してね、態度悪かったよ。それね、民営化されてよくなったよ、ひとつだけ。愛想がよくなった。愛想がよくなった代わりにそれがインチキだというのは、うちのお母さん切符買うの大変、全部機械でやらされるから。私もこれからだんだん老人になるから、あんなのいやでね。人間から買いたいですよ。そういう結局見せ掛けだけのお愛想でね、ほんとに利用者の中の弱者にね、老人という弱者にねやさしくない状態になっているんですけど、今後その私たちが一般の利用者とつながっていくためにはね、そこのところを反省とともに考えて一緒に一般の老人ともつながっていく、そういう労働組合やってく必要があるんじゃないかと思うんですけどどうでしょう。(拍手) 立山 そのとおりですよ。国民とむすびついていかないとね。だからといって筋を曲げちゃいけない、私はね3つのことで言いたい。第一は民営化反対って言うことを明確にする。これ国鉄民営分割はもうすぐ20年になるんですよ。国鉄民営分割20年の総括と点検をきちんとやって民営化国鉄だけではなくてあらゆる民営化の間違いを検証するこれが第一、第二はですねノーモア尼崎運動ですけども、安全問題をこれも国鉄だけではないわけですね、アスベストがあり、いろんな意味で命を粗末にされている事故がある。この問題を取り上げていく、それから三番目は鉄建公団の戦いを裁判がどう出ようと必ず勝利させる。正義ははっきりしているんだから、問題は試されているのは相手側なんですよ。ちゃんとやれる裁判制度が日本にあるかのかどうかということを試されている。だから結果がどうであれ、この勝たせる、勝たせるためには原告団の最低助成、もっと保障しなければならないのね、いうことを基礎として労働運動の停滞期を、この三本の矢をですね、改憲阻止という大きな縄で一つに束ね、国民戦線をつくって突っ込んでいくと。ということやらないと、一本一本バラバラにされるといかに有効であっても相手をね倒せないんだ。小泉はもう手負いなんだから、心臓をブスリやらなきゃあいけない。以上です。(拍手) 中山 じゃあ鎌田さん最後に。 鎌田 魯迅も、中国の小説家の魯迅も川に落ちた犬を撃て、と言っていまして、徹底的にやっていかなければいけないですね。いつも権力は仲裁してくるんですね。村山政権なんかも権力の仲裁の最たるもんだったわけですけども、ああいうふうな政治的なんというのかな、判断ミスというのは今までずーっとあったと思うんですね。チャンスを逃してきた、それはやっぱり個人個人があのー判断するっていう、まあ戦後っていうか日本の歴史の戦後の総括であれば、自分たちの力によっていろんな改革を取るというのはないわけで、それがほかの国とまったく違うと思うんですね。僕この間はじめて8月15日に韓国に行って光復節というものに行って、ノムヒョンの演説聞きますと、韓国は本当にああいう軍事関係から民主化を自分たちの手によって、学生たちや労働者の本当に血を流した闘争によって勝ち取ってきてるわけですね。そういう意味に比べても日本は安閑と暮らして全部お上にまかすとか政党とかそういうふうにやってきたけど、やっぱり自分たちでやっていくんだという、そういうのがこれからようやく始まっていくんだなというふうに思ってます。そういうのが負けて負けてきたけど、どっかで勝つ、これが国労の被解雇者が実践した成果だと思います。 中山 という話が出たところで話は尽きないと思いますが、一応私たち時間が終わりました。どうもありがとうございました。(拍手)
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