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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年09月17日18時57分掲載
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米軍の冷遇でイラク人科学者が隣国に流出 兵器情報拡散の恐れも
米国が対イラク戦争の大義名分とした大量破壊兵器(WMD)は、結局イラクには存在していなかったことが判明したが、米国は、WMDに関与したイラク人科学者の処遇を放置したため、貴重な情報を持つ科学者が、隣国のシリア、イランなど他国へ流出している可能性があるという。また失業し行き場を失った科学者が、過激派組織に接触し、WMD情報を提供する恐れもあり、開戦前より危険な状態になりつつあるようだ。(ベリタ通信=有馬洋行)
米軍は、2003年3月の開戦後、首都バグダッドに侵攻したが、WMDに精通したイラク人科学者たちをどう扱うか、の方針がなかったとされる。WMDは、核兵器や、生物・化学兵器などの大量破壊兵器を指す。米軍は侵攻直後は、フセイン元大統領の捜索と、WMDの証拠集めに奔走し、貴重な情報を握る科学者の安全を確保し、情報を聞き出すことを怠った。
米誌マザー・ジョーンズによると、米国は、当初からイラク人科学者を「悪者」と位置付け、科学者を将来のためのイラク再建などに活用する視点に欠けていた。
米英など連合軍は、第二次大戦中、ドイツのナチに協力したドイツ人科学者らを、米国に大挙移動させ、ナチが進めていた軍事開発を、米国で引き続き研究させた。1991年の旧ソ連解体をめぐっては、米議会が中心になって財政支援を行ない、ロシアのWMD情報を持つロシア人科学者を手厚く保護し、情報が他国へ拡散しないよう努めた。
この歴史に照らし合わせてみると、イラク人科学者への対応は冷ややかだ。フセイン旧政権時代に、WMDに従事した科学者は数千人と推定されているが、ほとんど追跡が行なわれていないため、どの程度頭脳が流出したのかさえ、分かっていない。
フセイン元政権時代、核開発に従事していたイラク人科学者マハディ・オバイディ氏は、自宅の庭に遠心分離機の部品などを、フセイン元大統領の長男ウダイ(イラク戦争で死亡)に命令で、隠匿していた人物。マザー・ジョーンズ誌の中で、開戦直後、米軍に接触したが、門前払いを受けた経験を語っている。
オバイディ氏によると、遠心分離機の部品を隠したのは、1991年の国連査察の開始により、核開発の研究の存続が困難になったためだ。同氏は、イラクの核開発はその時から「死んだ」と話している。ウダイが、隠匿を指示したのは、核開発が復活する時のことを想定したためといわれる。
同氏は、現在米国で家族と共に暮らしているが、多くの優秀なイラク人科学者が米国から冷遇されていることを残念に思っている。
米軍のイラク侵攻後、イラク人科学者の数人は拘束され、また米軍に協力したとされる科学者が抵抗勢力から殺害されるケースも起きている。米軍から逮捕されることを恐れ、また米軍に協力すれば殺害されるのではとの恐怖の中で、多くの科学者がイラクから脱出したとされる。情報筋によると、あるイラクの核開発の女性科学者が、シリアの大学にいることが確認されているという。
このほか開戦後、アラブ諸国から「聖戦(ジハード)」として、過激派組織が、イラクに流れ込んでおり、イラク人科学者との接触によってWMD情報を入手しやすい危険な土壌が作られている。
イラク開戦から2年半が経過した。このため科学者たちとの連絡を復活させるのは困難な状況になっており、科学者から協力を仰ぐのは既に手遅れといわれる。中東地域で21年間にわたって活動を続けた元米中央情報局(CIA)のロバート・バー氏は「混沌とした状況の中で(WMDの技術の)拡散の危険性は以前より高くなっている」と警告している。
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