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2005年10月11日00時38分掲載
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徘徊する独裁者マルコスの「亡霊」 夫人が英雄墓地埋葬を画策
フィリピンで今、独裁者マルコス(元大統領、1989年9月死亡)の「亡霊」が再び徘徊(はいかい)し始めている。「亡霊」を登場させたのは、約20年に及んだ独裁政治を“二人三脚”で推し進めたイメルダ・マルコス夫人(76)で、元大統領の遺体を現在安置されている出身地ルソン島北イロコス州から、マニラ首都圏タギック市内の「国立英雄墓地」に移送、埋葬したいと請願したのが発端。これに対しアロヨ政権が態度を明確にしていないが、独裁政権に弾圧され続けたメディアからは「独裁者は英雄か」といった厳しい論調が相次ぐなど、イメルダ夫人の画策する「亡霊」復活への道は極めて険しいようだ。(ベリタ通信=都葉郁夫)
イメルダ夫人が「マルコス復活=国立英雄墓地埋葬」への執念を明らかにしたのは、元大統領の88回目の誕生日となった9月17日のことだった。夫人はこの日、北イロコス州民らから寄せられた「元大統領の国立英雄墓地への埋葬嘆願書」を公表、「多くの国民が元大統領の国立英雄墓地埋葬を願っている」と訴えた。
弾圧と汚職まみれの独裁政治を続けた元大統領は1986年2月、「ピープルパワー」を核とする民主化要求の大波を受けて米国に亡命。89年9月、失意のまま、夫人に看取られながらハワイで病死した。
遺体の帰国が認められたのは、それから約3年後、91年12月のことだった。しかし、国民の「反マルコス感情」が依然強かったため、マルコス一家が望んだマニラ首都圏での埋葬は実現せず、遺体は出身地北イロコス州に運ばれ、「マルコス廟」に安置された。
それから約14年後の今年、亡夫復活へ向けてイメルダ夫人が再び動いた。
選挙不正疑惑で弾劾問題に苦しむアロヨ大統領の窮状を見て取った夫人は、反アロヨで知られる長女アイミー・マルコス下院議員の「弾劾採決欠席」を取引材料にすれば、悲願である「国立英雄墓地埋葬」も可能と読んだといわれる。
事実、弾劾申し立ての却下を決めた下院本会議の当日、同議員は何とシンガポールに滞在していたことが判明した。マルコス一家がアロヨ政権との間で密約を交わし、「弾劾採決欠席」という恩を売ったとのうわさが流れた。
しかし、マルコス一家のこうした画策に対し、厳しい姿勢を相次いで突きつけたのが地元マスコミだった。有力英字紙インクワイアラーは9月13日、「過去の蒸し返し」と題する社説を掲載、その中で元大統領を「歴史を改ざんし英雄となった独裁者」と断罪するとともに、人権を弾圧して多くの犠牲者を出し、その上、汚職で国民の金をくすねた政治家が英雄ではあり得ないと厳しく論じた。
社説は最後に、「マルコスを英雄墓地に埋葬するなら、ドイツはヒトラーを、ロシアはスターリンを同様の扱いにし、また、バチカン(カトリック教会)はユダを聖人に叙せねばならないのか」とまで主張、英雄墓地埋葬に真っ向から異議を唱えた。
メディアからの反対はこの社説だけにとどまらなかった。同月21日の英字紙スターも「独裁者は英雄か」と題する社説を掲載、「マルコス政権下で犠牲になったのは国民。われわれは独裁者の手先が与えた苦痛、拷問そして処刑を目撃した。同政権下でまん延した汚職は今もこの国を蝕んでいる」とした上で、「独裁者マルコスを英雄として埋葬することは断じて認められない」と厳しく反対した。
と同時に、イメルダ夫人やマルコス下院議員の見え透いた画策に沈黙を続けるアロヨ政権にも批判の矢を向け、「独裁者を英雄として埋葬するという異常事態を座視してはならず、それ以上に、英雄の定義を変更するのは許されない」と強く訴えた。
民主政治を手にした国民の間からも、「独裁者の英雄墓地埋葬」を後押しする大きな動きは一向に見られない。イメルダ夫人の抱く「マルコス復活」の執念が実現する可能性は極めて低い。
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