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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年10月13日06時54分掲載
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宗教右派に遠慮するブッシュ米政権 最高裁人事で奇妙な動き
ブッシュ米大統領が、宗教右派と密接な関係があることはよく知られている。しかし、今月3日に、オコーナー連邦最高裁判事の後任に指名されたリエット・マイアーズ大統領法律顧問(女性)に関して、ホワイトハウスが指名発表の2日前に、キリスト教右派の実力者、ジェームズ・ドブソン氏(69)に、事前に相談していたことがわかり、波紋を呼んでいる。ドブソン氏に連絡を取ったのは、大統領の腹心、カール・ローブ次席補佐官。与党共和党ですら、なぜブッシュ政権が最高裁人事について事前に政府以外の者に相談するのか、と不満の意を表明している。(ベリタ通信=江口惇)
ドブソン氏は現在、コロラド州コロラド・スプリングスを本拠する福音派の活動組織「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」の主宰している。同氏はロサンゼルスにある子ども病院の医師、南カリフォルニア大学の教授などを歴任した。
同組織は、ラジオ番組のほか、雑誌、本の出版も行なっている。一週間のラジオの平均聴取者は、700万から900万人といわれ、保守系の人々に大きな影響力を持っている。
宗教右派は、聖書の書かれていることを信じ、その内容を政治の場に反映させようと活発に動いている人たちだ。PBSテレビによる最新の世論調査では、宗教右派の指導者の中で、ドブソン氏の人気は高く、支持率は77%に達している。
最近、反ブッシュの急先鋒であるベネズエラのチャベス大統領を暗殺せよと発言し物議を醸したパット・ロバートソン氏の55%、またジェリー・ファルウェルの46%を、大きく引き離している。
ドブソン氏の雑誌などは「保守は民主主義、人権、自由の大義を世界中に広げる」と主張、それに対しリベラル派は「中絶、ポルノ、同性愛を守る」などと批判している。
米紙ロサンゼル・タイムズによると、ドブソン氏は、2004年の大統領選でブッシュ氏再選のために大きな役割を果たしたほか、同時に実施された上院中間選挙で、民主党のトム・ダシュル院内総務を落選させるため、多くの眠っていた宗教右派の有権者を掘り起こし、ダシュル氏落選を実現させた。
最高裁人事をめぐり、宗教右派の関心事は、妊娠中絶を合法化した最高裁判例(1973年)を覆すことだ。報道によると、ローブ次席補佐官は後任人事が発表される2日前の1日に、ドブソン氏と話し、マイアーズ氏は、中絶反対の立場をとる福音派教会に属していることを説明したという。
この会話の際、ホワイトハウスが、マイアーズ氏は73年判例を覆すと、ドブソン氏に対し確約したかははっきりしていない。しかし、ドブソン氏は、判事経験のないマイアーズ氏に対する保守勢力の評価がばらばらな状況下で、いち早くマイアーズ氏支持を打ち出している。
最高裁判事の指名承認は上院が行なうが、与党共和党からも、指名承認の審議が始まる前に、こうした宗教右派指導者とホワイトハウスが頭越しの話をしたことに不満の声が上がっている。上院司法委員会のスペクター委員長らは、ドブソン氏に議会で事情を聞くこともありうるとしている。
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