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2005年10月15日00時24分掲載
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「疫病神」に挑むインドネシア大統領 燃料価格の値上げ
昨年10月の就任以来、スマトラ島沖大地震・津波などの厳しい洗礼を受け続けているインドネシアのユドヨノ大統領が、貧困層への打撃が大きいことを重視し、同国ではタブー視されている「燃料価格引き上げ」に踏み切るという。原油価格高騰により燃料向け政府補助金が急膨張、その結果、火の車状態に陥った国家財政を立て直すのが狙いだ。しかし、同引き上げは歴代大統領が実行しようとして、その都度、国民から猛反発をくらい、政権崩壊への導火線となった「疫病神」でもあるという。(ベリタ通信=都葉郁夫)
ユドヨノ大統領は今回、歴代政権のてつを踏まぬため「貧困世帯対策」を並行して実施するとしているが、早くも各地で燃料不足と「値上げ反対」デモが発生するなど、不吉な状況が起き始めている。
「国家財政の破綻を回避するため、10月1日に燃料価格引き上げを実施する」―ユドヨノ大統領が悲壮な決意で、値上げ方針を発表したのは、9月23日のことだった。政府によると、原油価格高騰に伴い、今年度(1〜12月)の「燃料油補助金」は当初予算の89兆2000億ルピア(約8920億円)をはるかに超える113兆7000億ルピア(約1兆1370億円)にも膨れ上がり、財政破綻が避けられない窮状に追い込まれるという。
30年にわたり強権政治を敷いたスハルト元大統領だけでなく、その後のメガワティ前大統領も悪化する国家財政の元凶となった「燃料油補助金」(国家予算の約4分の1)の対処に苦慮し、その削減に向け同引き上げを決めたものの、結局、それが政権の座から転落する発端となった。
このため、ユドヨノ大統領は歴代大統領の失敗例を参考に、今回の値上げ方針決定に当たって、同時に発表したのが「貧困世帯への現金支給」という苦肉の策。発表によると、値上げが実施される10月から12月までの3カ月間、全国の貧困世帯計1565万世帯(約6000万人)に対し、「補助金名目で月額10万ルピア(約1000円)、計30万ルピア(約3000円)の現金を一括支給」し、その財源として新たに4兆6500億ルピア(約465億円)を確保、支給準備を進めているという。
つまり、政府はこの「つかみ金」とも言える、短期の新補助金を支給することで、値上げで真っ先に打撃を受ける貧困層を取りあえず沈黙させ、社会不安の発生を抑えたい考えだ。
インドネシアでは貧困層のほとんどが料理用などの熱源を電気・ガスではなく、政府補助金付きの安価な灯油を使ったコンロに頼っている。また、ガソリン(1リットル=約28円)などの燃料油の値上がりは輸送費を引き上げ、これが諸物価上昇に直結、貧困層を二重に苦しめる結果となる。
ユドヨノ大統領は値上げ幅について「国会が近く決定する」とし、具体的には言及しなかった。しかし、経済関係閣僚らの発言から同幅が最低でも50%に達するとみられ、値上げが貧困層の台所を直撃するのは確実。
値上げ方針が発表されたのを受け、首都ジャカルタや地方都市では早くも、市民、学生、労組による値上げ反対のデモが起きているほか、値上げ前の灯油やガソリン買いだめによる燃料不足、日用品の買い占めも出始めている。さらに、メガワティ前大統領の率いる野党・闘争民主党などは値上げを機に、ユドヨノ政権を揺さぶり、あわよくば政権崩壊を図る構えを露骨に見せている。
ユドヨノ大統領はスマトラ島沖大地震・津波で素早い対応策を打ち出し、最近ではアチェ州の分離・独立を目指していた反政府武装組織「自由アチェ運動」と和平協定を結ぶなどの成果を上げた。それだけに、イスラム教の断食月(ラマダン)入り間近という微妙な時期に実施する「燃料値上げ」という「疫病神」にどう挑み退治するのか、その政治手腕が注目される。
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