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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年11月04日21時15分掲載
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観光都市カンクンを復興せよ!、ハリケーン被害でメキシコ大統領
カリブ海やメキシコ湾上で発生する熱帯性低気圧ハリケーン。メキシコのユカタン半島の先端に位置する国際的保養地カンクンも、ハリケーン「ウィルマ」の直撃を受け、白い珊瑚と澄んだ青い海が売り物だった海岸線が大きな被害を受けた。カンクンは、外国人観光客が大量にドルを落とすため、メキシコ経済にとっては、国家収入のドル箱的存在。被災地に乗り込んだフォックス大統領は、クリスマス客が見込まれる12月15日までに、カンクンを復興しようと大号令をかけている。(ベリタ通信=エレナ吉村)
ことしはハリケーンの当たり年といわれる。8月末に超大型ハリケーン「カトリーナ」は米南部ニューオリンズを直撃、深刻な洪水や浸水被害を与えた。その後発生した「ウィルマ」は10月にキューバ、ユカタン半島を通過した後、フロリダに上陸、大きな被害を与えた。
カリブ海に面したカンクンには10月21日に接近。以後数日間にわたり時速200キロを超す強風が観光都市を吹き荒れた。道路は冠水し、電気はストップ。国際便も数日間ストップしたため、米国などの観光客が多数足止めを食う事態になった。
米コプリー・ニュースなどによると、カンクンの人口は75万人だが、このうち観光関連の仕事に従事している地元の者は、31万4000人。外国人観光客がいなくなれば、地元住民の生活は成り立たなくなる。しかし、「ウィルマ」の被害は、予想以上に大きく、多くのホテルやレストランが営業再開の見通しが立っていない。
保険会社の算定では、被害額としては、メキシコ史上最悪の自然災害となるという。1988年にユカタン半島を襲ったハリケーン「ギルバート」では、12億ドル(約1390億円)の保険金が被災者に支払われているが、「ウィルマ」はこれを上回るとみられている。
▽雇用不安も高まる
メキシコが外貨を稼ぐ主要柱は、順に石油収入、外国で働いている者からの送金、そして観光収入。観光収入の33%は、カンクンが占めるという。それだけにカンクンが一時的にせよ、観光が下火になるのは、メキシコ経済にとっては大打撃だ。
ホテルの従業員の間では、雇用不安が高まっている。既に一時解雇を言い渡された者もいる。フォックス大統領は10月下旬、カンクーンでホテル経営者と懇談し、従業員を解雇しなければ、ホテルに財政支援を行なうことを約束したのも、こうした事情を知っていのことだ。
この際、フォックス大統領は「目標は12月15日までに、世界で最高の観光地カンクンを復興させることだ」と檄を飛ばした。
クリスマスや新年休暇は外国からの予約客でにぎわい、ホテルなどサービス産業にとっては最大の稼ぎ時。距離の近さも手伝って、カンクンでは外国人観光客の半数は米国人。「ウィルマ」に直撃された時、カンクンには1万8000人の米国人観光客がいたという。
カンクン市内では、倒れた街路樹の撤去や、ホテルの修復作業が既に始まっている。高級ホテルの美容室で働いていたイボンヌ・ロサドさんは、ホテルの被害が大きく、今後1年間は再開できないのでは、と心配する。「ホテルが動き出さなかったら、どうやって働けばいいのか」と話している。
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