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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年11月22日15時07分掲載
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米南部国境に「万里の長城」? 移民締め出しに米下院議員が仰天提案
2006年の米議会中間選挙の争点の一つになるとみられる移民問題だが、米カリフォルニア州選出の共和党議員が、移民の流入を防ぐため、米国とメキシコ国境約3200キロにわたって中国の「万里の長城」のような壁を作ろうという奇抜な提案し、驚かせている。仮にこの話が実現すれば、総工費は莫大なものになるが、提案した議員は「これ以上の移民流入を防ぎ、またテロリストが移民に混じって米国に入り込むのを阻止できるため、十分に見合う話だ」と話している。(ベリタ通信=苅田保)
提案者は、ダンカン・ハンター下院議員。計画では、米国南部の陸続きの国境地帯にハイテク機器を備えた高い二重の壁を作る。長さは、カリフォルニア州南部の西海岸からテキサス州南部のメキシコ湾まで。同議員は、イスラエルが、ヨルダン川西岸地区に構築している分離壁によって、爆弾テロの発生を減少させたのを参考に、法案を提案したようだ。
米国にいる不法滞在者は800万から1100万人といわれている。大半がメキシコからの不法流入者で、カリフォルニア、アリゾナ、テキサス州などから連日のように越境し、入り込んできているのが実情だ。
理由は、メキシコでの賃金が低く、この貧しい生活環境から抜け出すためには陸続きに存在する、世界有数の富裕国の米国に行くのが一番手っ取り早い。しかも、米国のドルは、メキシコ通貨より強いため、米国内のレストランなどで働けば、大きな稼ぎが得られるからだ。
▽総工費見積もりは80億ドル
こうした不法流入者対策は、米国の緊急課題の一つ。ブッシュ大統領以下、共和・民主両党の議員が、さまざまな提案をしているが、どれも抜本的な解決に結びつくものは出ていない。既に米国内にいる800万から1100万人という大量の不法滞在者をどう扱うかで、袋小路に陥ってしまうケースが多い。
ハンター提案の致命傷は、壁建設に莫大な費用がかかること。ハンター議員自身、総工費はいくらになるか見当もつかないみたいだ。試算では、1マイル(約1・6キロ)作るのに、約100万ドル(約1億1500万円)かかる。これだと総工費は20億ドル(約2300億円)になる。しかし、別の試算では、総工費は4倍の80億ドル(9200億円)とも見積もられている。
このやや破天荒とみられる提案を後押ししているのは、保守系の非営利組織「レッツ・フリーダム・リング」。壁建設を推進するウェウサイトを作り、壁の必要性を宣伝している。
ハンター提案は、国境地帯を二重の壁をめぐらす一方、不法移民者を安い賃金で働かせている米国内のレストラン経営者らの罰則強化、米国内にいる不法移民の強制送還などをセットにしている。しかし、ブッシュ政権内でも万里の長城やベルリンの壁を想起させる壁建設には異論があり、法案採択の可能性は低い。
移民担当官の組合である全米国境パトロール評議会では、「壁を作るのは“バンド・エイド”的な解決策だ。必死に仕事を求めて流入してくる者にとっては、壁は根本的な解決にはならない」と述べている。
ブッシュ政権を含む歴代政権は、これまで移民問題に対してあいまいな対応を取ってきた。これは、米国内の中小経営者が、ビジネスを維持するため低賃金の不法労働者を必要としていることを、米政府も知っていたからだ。同パトロール評議会は「雇用者が不法移民を採用する限り、(壁があっても)不法移民は、必ずどうにかしてやってくる」と指摘している。不法移民問題の根は深い。
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