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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年12月09日16時44分掲載
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エイズ隠し独女性2人と性交渉の男性に禁固12年、豪の裁判所
エイズウイルス(HIV)に感染していることを知りながら、コンドームを故意に使わずに2人の女性と性交渉し、それぞれにエイズをうつしたアフリカ系オーストラリア人に対し、シドニーのニューサウスウェールズ州地方裁判所がこのほど、「道徳心を欠いた、卑劣な行為」と決め付け、禁固12年の有罪判決を言い渡した。エイズ問題でこの種の判決が出たのは同州では初めて。判決のあった12月1日は、奇しくも「世界エイズデー」で、法廷に姿を見せた被害女性の洋服の胸には、エイズ予防を表す赤色のリボンが着けられていた。(ベリタ通信=都葉郁夫)
有罪判決を受けたのは、スタニスラス・カネンゲレ・ヨンジョ被告(42)。アフリカ中部にあるコンゴ民主共和国(首都キンシャサ)の出身で、1993年に政治難民として豪州への移住が認められた。
ヨンジョ被告は、一家で豪州に移り住んでから約6年後の99年2月、医者からエイズ感染を知らされた。
それにもかかわらず、同被告は2003年1月から3月にかけて、シドニーを訪れていたドイツ人女性ら2人と性交渉を持った。2人の女性ともその後、エイズに感染しているとの診断を受けたという。
裁判では、2人の女性が証言台に立ち、エイズ感染を心配してコンドーム使用を求めたのに対し、同被告は「エイズ検査を受け、感染はしていない」などとウソをつき、コンドームを使わぬまま、性交渉したという。
▽「すべてを奪った」と被害者
被害者のドイツ人女性(36)は公判で、「ヨンジョ被告は私の人生、幸せ、生きる力、そして安穏をすべて奪った」と、感染を知った際の精神的な衝撃の大きさを声を震わせながら証言した。
また、もう1人の被害女性(28)も「エイズの怖さを知っている妹は、歯ブラシをいつも私のとは離して置いている。こんなに辛いことはない」と述べ、感染者として日常生活を送る困難さを訴えた。
判決に当たり、同地裁のウォーウィック・アンドルー裁判官は「エイズ感染の可能性を知っている被告がとった行為は道徳心を欠き、冷淡かつ人間の尊厳を無視したもの」と厳しく断じた上で、「被告は今、その行為を強く反省している」ともし、禁固12年の有罪を言い渡した。エイズが広がる可能性がある中で、裁判所が厳しい判断をした格好だが、今回の判決で被害者の苦しみが消える保証はない。
ヨンジョ被告は直ちに収監され、少なくても9年間は恩赦を受けられず服役することになる。 被害を受けた女性が今後、損害賠償訴訟を起こす可能性もあるが、被告の返済能力の問題もあり、今後の動きは分かっていない。
一方、国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)は「世界エイズデー」を前に、2005年版のエイズ報告を発表、その中で、同年のエイズ感染者総数が推定で約4000万人に達したと明らかにした。
また、この1年間で新たにエイズに感染した者は世界で約490万人、死亡した者は約310万人に上り、エイズの拡大に依然として歯止めが掛かっていないと強く警告した。
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