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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2005年12月27日13時50分掲載
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【IPSコラム】食糧援助ではなく開発を 北朝鮮の食糧危機の解決策 クリスティン・アン
国連総会は、米国と欧州連合が主導した、北朝鮮の人権侵害を非難する決議案を採択した。採決に合わせて、CNNで公開処刑とやせ衰えた北朝鮮の子供たちが食料をあさる映像が放映された。北朝鮮は拷問と収容所についての疑惑に対処すべきである。が、北朝鮮の開発を妨げることは、北朝鮮の2200万人の人権を向上させることにはならない。(IPSコラムニスト・サービス=ベリタ通信)
北朝鮮政府は国連に対し、食糧援助などの人道援助から、開発プロジェクトの支援に移行するよう求めたが、米国と多くの西側諸国からの反対に出合った。北朝鮮は、食糧は十分にあり、10年前の外部からの衝撃により立ち直っていない農業と産業部門の開発で具体的な援助が必要だとしている。
国連食糧農業機関の統計によると、北朝鮮は公共配給制度を通して、基本配給量を提供するためには450万トンの穀物が必要である。収穫は近年、かなり増加した。2005年には、北朝鮮は推定600万トンのコメを収穫した。その結果、政府は、公共配給制度が1990年代半ばに襲ったタ食糧危機以前の配給水準まで戻ったと発表した。
しかし、米国と多くの西側諸国は、北朝鮮が開発援助を求めている本当の理由は、食糧援助より監視が難しいためだとして、開発援助への移行に反対している。北朝鮮が十分な食糧があるのかどうかは別にして、米国務省は食糧援助を主張している。なぜなら、それは米国にとって交渉で利用できるからであり、米国の巨大穀物企業に利益をもたらすからである。
世界食糧計画への最大の拠出国である米国は、食糧などの救援援助のほとんどを現物で提供している。救援への対応を計画する際に、食糧援助への偏りがあるのはそうした理由がある。欧州連合は食糧援助の90%を現地で調達する。なぜなら、その方が運賃がかからないからであり、より迅速で安く、受入国の農業と開発を支援するからである。対照的に、米国の食糧援助の1%だけが米国外で調達されている。なぜなら、食糧援助は米国の大規模なアグリビジネスのために市場を提供しているからだ。過去20年間、粉ミルクの3分の1、コメの15%、小麦の12%%が米国の食糧援助として輸出されている。
重要なことは、主に食糧援助という形で行われている現在の人道援助は、北朝鮮の人々が安心して暮らせるようには寄与してこなかった。食糧援助を送ることと開発援助の違いは、1キログラムのトウモロコシを送るのと、180キログラムのトウモロコシを収穫することが可能な1キログラムのトウモロコシの種を送ることの違いである。適切な種の生産や作物生育技術などの開発援助は、農業を改良し、北朝鮮の食糧危機に対する永続的な解決策を実施する最も効果的な方法である。
北朝鮮が飢饉に向かったのは1980年代末、食糧生産が減少したことに始まる。肥料や農薬などの外部からの投入に大きく依存することによってもたらされた土壌の劣化によるものだった。北朝鮮の人々が食糧不足に見舞われたのは、世界で最も高度な集中的単一作物体制の一つを発展させたからであり、社会主義貿易圏の崩壊に伴い、農業投入物と燃料が突然、削減されたためである。
農業における世界的な進歩により、このシステムは土壌を破壊するということが明らかになっている。世界の先進的な科学者と政策立案者は、土壌の肥沃度を維持し、持続可能な生産を可能にする代替農業システムを作り上げるようになった。北朝鮮の食糧危機の解決策は、農民と機関が既存の資源とインフラに基づいて、これらの新しい農作方式を利用するのを助けることである。
北朝鮮政府は、農民にコメやトラクターを与えるだけではそもそもの危機を生み出した依存を強めるだけであると認識している。スウェーデンやスイス、国連開発組織は、やり方を変え、エコロジカルな持続可能な食糧生産を最優先にし、1998年以来、食糧援助を大幅に削減した。北朝鮮の人々は変える準備ができているが、米国と西側世界は、北朝鮮で人権を促進することは、食糧、健康、開発、究極的な平和を通じて達成された真の安全保障を確実なものにすることであると理解することができるであろうか。
北朝鮮における人権を求める世界的な運動が勢いを増している中、われわれは開発援助を提唱しなければならない。なぜなら、それが人々の安全保障を促進する確かな方法であるからである。もう一つの道は、2003年国連統一アピールにはっきり述べられている。「1950年から1953年における朝鮮半島での紛争に対する受け入れられる決議がないことが北朝鮮の人々が直面している主要な問題として残っている」。開発と平和は、北朝鮮のすべての人々安全と人権を確実なものにするための重要な方策である。
*クリスティン・アン オークランド研究所特別研究員
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