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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年01月11日01時33分掲載
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中南米系の屋台締め出しに反発 背景に米国の反移民感情?
街頭でホットドッグ売りの屋台などが出るのは、米国では珍しくない。しかし、米南部テネシー州ナッシビル市では、ヒスパニック(中南米系)が営業する屋台に関しては、衛生上問題があるとして出店禁止を検討しているという。米国で急速に進んでいる反移民感情を浮き彫りにするような事例だが、同じようなケースは、米中部のカンザスシティーでも起きており、ヒスパニックの支援組織は、マイノリティー(少数派)に対する偏見・差別だとして反発を強めている。(ベリタ通信=苅田保)
ナッシビル市では近年、メキシコ出身のヒスパニックの人口が急速に増えている。ヒスパニックが住む地区には、中南米の伝統的な食べ物であるタコス(鶏肉、豚肉をパンに似たトルティーリャで巻いたもの)などを売る屋台のトラックや他の移動式屋台が多く出現している。
各種報道を総合すると、同市では、05年夏に屋台の衛生チェックをしたところ、衛生上問題があることが判明した。このため同年暮れに市議会に屋台のトラックや、移動式屋台を禁止する法案を提出する準備をしていることを明らかにした。
法案が成立すれば、屋台はお祭りなど特別な行事以外出店ができなくなる。しかし、米国の伝統的な露天商であるホットドッグ売りなどが規制の対象外という。 ヒスパニックの屋台業者らは、衛生上の理由ではなく、ヒスパニックを追い出すための差別だと、強く反発し波紋を広げた。
ナッシビル市では、批判の声の高まりで、議会への提案を延期しているが、断念したとは言っていない。
▽スペイン語を話すな
一方、米国では、保守層の間で、米国に移り住んだからには移民はすべて英語を話すべきだとの意見がある。スペイン語の会話を続けていては、米国の文化圏にいつまでたっても同化できないとの主張だ。
このスペイン語の使用をめぐってのもめごとが、カンザスシティーで起きた。05年11月、公立高校生のサチ・ルビオ君(16)は、校内で休憩時間中に、友人にスペイン語で「1ドル貸してくれるか」と話しかけた。
この会話を耳にした教師が校長に通報した。校長はルビオ君に父親に連絡を取るように述べ、その日と翌日の1日半の停学処分を通告した。父親は、校長から学校ではスペイン語を使わないことになっていると停学の理由を告げられたという。
少年の父親はメキシコ出身だが、米市民権を得ているが、家庭ではスペイン語が使われており、米国の典型的なバイリンガルの家庭だ。
米国では日常的な会話にスペイン語を使っても警察に逮捕されることはない。米国の市民権を得て、米憲法に基づく市民の権利を学んでいた少年の父親は、学校の校則にスペイン語の使用禁止は明記されていないなどとして地区教育委員会に抗議。その結果、同委員会は直ちに処分を撤回し、陳謝したという。
父親はその後、「息子はヒスパニックであるために停学という処分を受けた」として学校側に損害賠償を求めて提訴している。ヒスパニックの支援組織は、ルビオ君のようなバイリンガルは、国家の資産であると認識すべきだとしている。
これに対し、米バージニア州の保守系団体「イングリッシュ・ファースト」などは、校長が少年を停学処分にしたのは正しいと反論。少年の市民的権利が侵害されたの主張に対しては「この国では、別の言語を話す権利は認められていない」と指摘している。
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