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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年01月22日15時26分掲載
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男性のヌード画は「汚い」と女性が抗議 画家は芸術作品と反論
昔から多くの有名画家が、女性の裸体画を描いてきた。フランス印象派のルノワールの描いた裸婦などは、女性の幸せな表情を巧みに描写している。多くの人が、女性の裸体画をわいせつだとあまり過剰な反応を示すことはまれだ。しかし、これが男性のヌード画になるとどうなるのだろうか。米カリフォルニア州南部の小都市エスコンディドで、市内の画廊に展示された男性のヌードの油絵をめぐって、芸術かわいせつかをめぐって論争が起きている。(ベリタ通信=江口惇)
エスコンディド市は、ロサンゼルスから南へ車で2時間程度の距離にある。ダウンタウンは昔からのたたずまいを残し、年輪を経た建物も多い。秋口に訪れると、真っ青な空と、紅葉した木々のコントラストが、美しい街だ。それもそのはずで、市当局では、エスコンディド市を芸術の町として発展させる努力をしているという。
論争が起きたのは昨年暮。市内の画廊の2階に男性のヌード絵が街路に向かって陳列されたからだ。この絵を描いたのは、地元ではかなり知られたロバート・ファーガソン氏。
主に風景画を多く描き、1000点以上の作品を販売してきた。ヌード絵は、男性が片手で頭をささえ横臥しているもので、局部も描かれている。画布には絵ブラシのタッチが残っている。ファーガソン氏の画風である印象派の技巧を用いて描かれており、絵全体の印象は、騒ぎ立てるほど写実的ではないとされる。
米紙サンディエゴ・ユニオン・トリビューンによると、昨年、1歳半の息子を持つ母親が、画廊のそばを通り、ガラス越しに見える男性のヌード絵を見て、直ちに市に苦情を申し立てた。
この母親は、1歳半の息子が街中で、こうした作品を目にすれば、悪い影響を受けると主張。「親として子どもを守りたい」と話している。
市は直ちに調査したが、結果は「作品はポルノではない」として、不問に付すというものだった。
この間、ファーガソン氏は画廊の勧めで、抗議した母親と直接話し合ったが、母親は「汚い作品」と主張。これに対し、ファーガソン氏は「いや、汚くない」と応酬し、平行線のままだった。
母親は、市が撤去を含めた何らかの行動を取らなければ、市議会に問題を持ち込むと一歩も引かない構えだ。
この論争をメディアが報じた後、ファーガソン氏の所に抗議の電子メールなどが殺到した。同氏を「神に背いたホモ」などと決めつけるものが目立った。
ファーガソン氏は、自分はゲイではないと述べる一方、「芸術に対して誤解がある」と指摘。裸体画は6年前から始め、男性も女性も描いていると話している。しかし、オブジェとしては、男性の持つ筋力や骨格的特徴から、男性を描くほうに魅かれると話している。
エスコンディド市長は芸術ファンとして知られ、ファーガソン氏の作品を支持しているという。同氏の娘のサーシャさんは、父親の作品を「神に背くもの」と批判する人がいることについて「父は芸術家として仕事をしているだけであり、馬鹿げている」と反発している。
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