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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年01月25日03時53分掲載
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シドニーのオペラハウスが世界遺産へ再挑戦 豪州政府が登録申請
国際観光都市シドニーを象徴する建築物「オペラハウス」を世界遺産に──。ハワード首相率いる豪州連邦政府とシドニーを州都とするニューサウスウェールズ州政府はこのほど、20世紀の代表的建築物とされる「シドニーオペラハウス」の世界遺産(文化遺産)登録に向けた申請を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に行った。連邦政府のウェブサイトはオペラハウスを「建築設計と建築技術が見事に融合した傑作」と自賛、登録承認に自信をみせている。(ベリタ通信=都葉郁夫)
シドニーオペラハウスは1957年1月の設計競技に入選した作品で、設計者はデンマーク人の天才的建築家ヨーン・ウツソン氏(87)。ヨットの白い帆あるいは白い貝殻をイメージしたとされ、絶妙なカーブを描く球面屋根が、シドニー港の景観の中でもひときわ威容を誇り、観光客らを魅了し、美しい思い出を与えている。
工事は1959年3月に開始されたが、この独特な形状を持つ屋根の最終デザインと構造設計の難しさ、ウツソン氏と州政府との確執、さらに建設予算問題などから、結局、完成したのは同氏の設計発表から数えると、16年後の73年10月のことだった。
紆余曲折を経ての完成だったが、澄み渡ったシドニーの青空の下、優美かつ瀟洒(しょうしゃ)な姿を現したオペラハウスは、たちまち市民や観光客らの心をとらえ、20世紀を代表する建築物のひとつに数えられるようになった。
オペラハウスはまた、背後に広がる緑豊かな植物園、西側を南北に架かるアーチ型の「ハーバーブリッジ」、さらに対岸の伝統ある連邦総督邸ともよく調和し、世界3大美港のひとつと称されるシドニー港を形成するシンボルともなっている。
▽時期尚早と見送られた過去
実は、連邦・州両政府がシドニーオペラハウスを文化遺産として世界遺産に登録申請したのは、今回が初めてではない。両政府は1980年に最初の登録申請を試みたが、その時は「時期尚早」との意見が多く、登録を見送られた。
今回はその時の苦い経験も参考に、満を持しての再登録申請で、連邦政府のウェブサイトには保存状況への大きな自信を示すとともに、「オペラハウスはこの国にとどまらず、世界からも注目される建築物。デザインと建築技術が見事に融合した現代建築の傑作」と自賛している。
再登録申請を正式発表した州政府幹部も「このオペラハウスは人類の英知と創造力を傾けて造られ、現代建築の流れを大きく変えた傑作」と胸を張った。
オーストラリアは世界遺産大国ともされ、これまでに登録された世界遺産は今年1月現在で16件に上っている。このうち「グレート・バリア・リーフ」や「ウルル・カタジュタ国立公園」などの自然遺産が11件。残りは文化と自然を対象とした複合遺産(カカドゥ国立公園など)が4件。
しかし「すぐれた普遍的価値を持つ建築物・遺跡」とされる文化遺産は、2004年に登録された「メルボルン王立博覧会ビル・カールトン公園」の1件だけ。
政府関係者によると、今回のシドニーオペラハウス登録申請の結果は来年中ごろに判明するという。シドニー市民らは、オーストラリアで2件目となる文化遺産誕生の吉報に、早くも大きな期待を寄せている。
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