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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年01月31日13時10分掲載
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シドニー国際空港は世界最悪? 荷物の積み残し相次ぐ
オーストラリア最大の都市シドニー(人口約400万人)は、自然と一体化した見事な景観や多様な文化を誇り、毎年、世界各地から多くの観光客が訪れる。その空の玄関となっているシドニー国際空港に今、国内外の航空会社から激しいブーイングの嵐が起きている。搭乗客の荷物取り扱い・積み込み作業の手際が目立つほか、テロ対策で導入した荷物検査システムの度重なる誤作動などにより、出発時間に大幅な遅れや荷物の紛失が相次いでいるからだ。英国の航空会社などからは「時間のルーズさでは世界最悪の空港」とまで酷評されている。(ベリタ通信=都葉郁夫)
シドニー市南東部ボタニー湾に面するシドニー国際空港は、同国の空の英雄チャールズ・キングズフォード・スミス(1935年没)の名をとり、正式名を「キングズフォード・スミス国際空港」と呼ばれる。
都心部のホテルから車でなら20分の至近距離に位置し、加えてシドニー五輪が開催された2000年には都心とを結ぶ地下鉄も完成し、外国人観光客には利用しやすく開放的な国際空港として人気を集めている。01年には「世界最高の空港賞」(利用客1500万人〜2500万人クラス)の栄誉にも輝いた。
ところが、こうした輝かしい評判が今、180度くつがえされ、「時間のルーズさでは世界最悪の空港」とのらく印を押される状況に追い込まれている。
地元紙によると、昨年後半に、テロ防止などに有効などとして導入された最新型のX線荷物検査システムも混乱に拍車をかけた。鳴り物入りで導入された同システムだったが、実際に設置、使用してみると、誤作動することがしばしばで、検査処理効率は低下する一方。
これにより、搭乗客の預ける荷物検査に時間がかかってしまい、預けてから航空機への積み込みまでに2時間以上も費やすなど作業に手間取り、結局、各航空会社で出発が予定より大幅に遅れる事態がほぼ連日起きている。通常、荷物は預けられてから10分後には、所定の航空機に届くという。
一方、同空港を利用する内外国航空会社で組織する空港運航委員会の調べによると、取り扱いを誤った荷物数は月平均で実に9000個にも達し、この状態が過去三カ月間も続いている。
この結果、荷物が搭乗客と別々になり、後続便で目的地に着くのは当たり前。年明け早々には、いくら待っても荷物が積み込まれなかったため、操縦士がついにしびれを切らせ、積み荷なし状態でドイツ・フランクフルトへ向かった例も報告されている。
それならまだしも、検査に手間取ってうちに、荷物が激しく滞留してしまい、ついには行方不明となる騒ぎも起きる始末。紛失した荷物の弁償を含め航空会社は想定外の出費も強いられているとカンカン状態だ。
空港運航委は問題の発生当初から、運営を母体のシドニー空港会社に事態の早急な改善を申し入れているが、空港会社はその都度、「早急に対応する」「検査システム障害のやまは越した」などと回答はするものの、今月に入っても改善の兆しは一向に見えない。
航空会社の関係者は「シドニー空港会社は口先でごまかしてばかり」と批判するとともに、「空港会社の大株主であるマッコーリー銀行は事態を真剣に受け止め、改善へ全力を挙げるべきだ」と厳しく注文している。
シドニー空港会社の杜撰(ずさん)さにあきれ果てた航空会社の中には、同空港会社に損失分の賠償を求める動きも出始めているなど、荷物取り扱いをめぐる騒ぎはまだまだ続きそうだ。
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