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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年02月13日15時16分掲載
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旧ソ連諸国の女性に売春強要 トルコが人身取引の最大市場に
世界的に女性の人身取引が問題になっている中、欧州連合(EU)への加盟を切望しているトルコが、性搾取の最大の市場の一つになっているという。近隣の旧ソ連諸国などから多数の女性が、「働けるから」と誘われてトルコに連れてこられ、着いた途端、旅券を奪われ、売春を強要されるケースが相次いでいる。国際移住機関(IOM、本部ジュネーブ)では、トルコ政府の支援を受け、トルコ国民に対し、被害者の女性に関する情報提供を求めるキャンペーンを開始している。(ベリタ通信=江口惇)
IOMの最近の発表によると、トルコには、旧ソ連諸国のモルドバ、ウクライナ、ウズベキスタン、タジキスタン、カザフスタンなどから若い女性が、地下組織を通じて送り込まれている。こうした女性たちは、トルコでは“ナターシャ”と総称されている。
年齢層は、18歳から24歳までが最も多いが、子どもを持つ若い母親も含まれており、その数は5000人に達しているとされる。売春業者は顧客1人から150ドルの金を取り、1日15人の客を相手にするよう女性たちに強要している。女性たちには、一銭も払われていないという。この結果、業者たちが2005年に売春によって得た利益は、36億ドル(約4200億円)と推定されている。
多くの女性がウエートレスやダンサーとして働く条件で、入国してくる。しかし、これは真っ赤なうそ。トルコ入国後、旅券を奪われ、暴力やレイプを受けた後、売春を強要されたりしている。
トルコのほか、女性たちは湾岸諸国や韓国、東南アジアのタイ、マレーシアなどにも送り込まれている。
米紙ロサンゼルス・タイムズによると、昨年夏、トルコの治安部隊が地中海に面する保養地アンタリヤで、地下の窓のない部屋に監禁されていた5人のウクライナ女性を救出した。
女性たちは、親子の売春業者に10カ月間にわたって監禁され、客をとるよう強要された。拒否すると、熱湯を脚や局部にかける暴行を受けたという。客の1人が、当局に密告したため、監禁が明るみに出た。
トルコでは売春は合法化されているが、トルコ政府は、不当な人身取引の摘発に乗り出している。同国外務省当局者は「われわれは(反人身取引の)モデル国家になることを目指している」と話している。
昨年は470人の女性が救出され、このうち220人がIOMの支援で、無事国に帰還を果たした。しかし、5000人と推定される女性たちは、依然として闇の世界で過酷な性労働を強いられていると予想されている。
このためIOMは、トルコ政府と協力し、テレビや新聞を通じて、女性についての情報提供を求めるキャンペーンを行なっている。
全国放送のテレビのコマーシャルでは、モルドバ出身の母親たちの行方を捜す4人の子どもが登場し、たどたどしいトルコ語で協力を求めている。
コマーシャルに子どもを使ったのは、トルコが伝統的に家族を大事にする国柄のため、女性たちに接触する顧客たちが、このコマーシャルを見て心が動かされるのを期待したためという。
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