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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年02月17日20時50分掲載
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黒人とラティーノの反目が激化 米刑務所内、当面分離収容に
米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の刑務所内で黒人とラティーノ(中南米系)囚人とのいがみ合いが激化している。特に同郡は看守の数が収容者数に比して極端に少なく、いったん刑務所内で人種をめぐる暴力事件が起きても、対応できない状態という。黒人とラティノとの反目は、大規模な暴力事件にも発展しており、郡矯正当局者は、刑務所内で黒人とラティーノの収容者を人種的に分離し、刑務所内抗争の鎮静化を図っている。(ベリタ通信=江口惇)
ことし2月4日午後、ロサンゼルスの北方80キロの所にある刑務所で、黒人とラティノの受刑者ら2000人が乱闘事件を起こした。この乱闘で黒人の受刑者1人が死亡、50人近くがけがをした。乱闘は1時間にわたって続き、受刑者は2階の廊下からテーブルなどを下に投げ下ろしたりした。
ここの受刑者の大半は、元ギャング団のメンバーという。しかし、死亡した黒人受刑者は、性犯罪者でギャングのメンバーではなかった。性犯罪者は刑務所内で時として“迫害”されることがあり、ギャングのメンバーと一緒に収容していたのは、問題ではないかと疑問視する声もある。
両者の反目は1990年代から目立ち始めた。米国社会では、白人に次いで多いのは黒人層だったが、ラティーノの人口が急速に増え始め、学校や職場などで摩擦がみられるようになった。特に街のギャング団は人種ごとのまとまって勢力を伸ばしたため、異なる人種組織との抗争が起きるようになった。
4日の乱闘事件は、ラティーノ受刑者グループが、黒人グループに報復するのが目的だったとされる。衝突の起きる数日前に、別の刑務所で、ラティーノの受刑者が、黒人受刑者に刺されるという事件が起きていた。このため、刑務所内に、黒人へ仕返しをせよ、との指令が出ていたようだ。
各種報道を総合すると、乱闘の起きた刑務所は、定員が3800人だが、当時は4000人以上が収容されていた。しかし、看守は80人弱、1人当たりの看守が担当する受刑者は約50人で、これは全米でも最も高い水準とされる。予算不足から看守の不足が恒常化しているようだ。
▽2000人巻き込む乱闘に
当初、衝突は200人程度で始ったが、その後収容者の半数の2000人を巻き込む乱闘に発展した。刑務所内では、人種間の暴力事件が起きた場合、自分の属する人種側を支援しないと、後で報復される可能性がある。このため、暴行に加わるのをためらう受刑者も、自分の身を守るため乱闘に加わったとみられている。
矯正当局では「大半は暴力を働きたくなかったはず。しかし、仮にあるラティーノと黒人が争えば、他の者は闘わざるを得なくなる」と話している。
刑務所での衝突は、その後も発生し、矯正当局では、当面刑務所内では、黒人とラティーノの受刑者を分離して収容するなどの緊急措置を講じている。
人種間の摩擦を引き起こすような分離政策は、憲法上は許されない。米連邦最高裁も2005年に、一緒に収容ができないような異常事態でもない限り、受刑者の分離収容はできないと判示している。
しかし、矯正当局では、今回のケースは異常事態に該当すると判断、当面分離収容を続けるとしている。
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