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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年02月18日06時02分掲載
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記者の脊椎付近に銃が命中、メキシコで武装グループが新聞社を襲撃
AK47などの軽機関銃で武装した3人の覆面姿の男たちが突然、新聞社のオフィスに押し入り、銃を乱射した。オフィスの窓ガラスなどが飛散し、映画の場面のような凄惨な事態になった。弾はオフィスにいたベテラン記者に5発命中、一部の弾は同記者の脊椎付近にのめり込んだ。中米メキシコのヌエボラレドで起きた新聞社襲撃事件は、メキシコがジャーナリストにとって、極めて危険な地域であることを改めて印象付けた。(ベリタ通信=苅田保)
ヌエボラレドは、米テキサス州と、大河リオグランデをはさんで位置するメキシコの都市。ここから米国の国際検問所まではすぐだ。ヌエボラレドから検問所を抜けテキサスに入る幹線道路は、米国への麻薬の主要ルートとして知られる。
近年周辺では、二つの麻薬組織が縄張り争いを続けている。ジャーナリストもこうした麻薬組織の活動について執拗に追跡している。しかし、麻薬組織は、ジャーナリストが組織に都合の悪い暴露記事などを書くのを嫌がっており、時として暴力によってジャーナリストの口封じに出ている。
今月6日、ヌエボラレドにある日刊紙エル・マニャーナ襲撃事件も、一方の麻薬組織が報復のため仕組んだ可能性が高いという。同日午後、編集室には20人以上のスタッフがいた。突然、武装した3人の男が乱入し、30発以上を乱射した。
この銃撃で、ハイメ・オロスコ・テイ記者(40)に5発銃弾が命中。武装グループは、ののしりの言葉を吐いた後、立ち去る前に手りゅう弾を投げた。外に二台の車が停車しており、犯人たちはこれに乗って逃走した。
手りゅう弾は最近、麻薬組織がしばしば使用するようになったという。通常、軍隊にしか手に入らない。どのような形で麻薬組織に流れたのか、警察当局が調査している。
オロスコ記者は重傷で病院に運ばれたが、医者の話では、半身不随になる恐れがあるという。他の記者らも割れて飛び散ったガラスの破片などでけがをした。
▽ジャーナリストにとって中南米で最も危険な国
ジャーナリスト保護委員会(CPJ、本部ニューヨーク)によると、メキシコは中南米諸国の間では、ジャーナリストにとって、最も危険な国の一つになっているという。
過去5年間で取材に直接関係した事柄で殺害されたジャーナリストは、5人に上っている。また他の5人も仕事に絡んだ問題で殺害された疑いが強いとされる。
エル・マニャーナ紙では2004年にも、社説担当の記者が自宅まで何者かにナイフで刺殺される事件も起きている。
CPJでは昨年9月、メキシコのフォックス大統領と会談、ジャーナリスト殺害事件の真相究明を行なうよう要請している。これを受け、同大統領は捜査を行なう特別検察官の発令を約束していたが、延び延びの状態だったという。しかし、今回のエル・マニャーナ紙襲撃事件を受け、特別検察官が近く任命される可能性が強まっている。
エル・マニャーナ紙は、事件後、読者宛ての「手紙」を掲載し、ジャーナリストの安全確保のために、麻薬組織に関する記事を意図的に減らす意向を表明している。
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転載について
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
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