まもなく卒業式シーズン。東京都教育委員会は2003年の通達以来、式で「君が代」斉唱の際、起立しなかった教員に対して懲戒処分を強化している。05年度の入学式で不起立の根津公子さん(立川二中)は停職一ヶ月、河原井純子さん(調布養護)は減給六ヶ月。河原井さんは今年1月の周年行事での不起立で停職一ヶ月が心配され、根津さんも不起立を繰り返せばさらに重い処分、免職すら懸念されている。都民の6〜7割が「君が代」の処分付き強制に反対しているにもかかわらず、強権姿勢を崩そうとしない石原都政の狙いは何か。教育の場から自由な議論を奪い取り、物言わぬ教師を大量生産し、さらに物事への疑問と自主的判断をいだかせない子どもたちを育てようとすることにあると見られている。事は、「君が代」だけにとどまらず、教育の根幹にかかわるものなのである。このような憂慮を共有する教員・市民が、職を賭けて「君が代」不服従を貫こうとする教員への処分の撤回と阻止を都教委に求める緊急署名活動を開始した。(ベリタ通信)
2006年2月18日 市民運動団体の皆さま 労働組合の皆さま
都教委の累算加重式「君が代」処分を止めさせる取り組みにご参加ください
もうすぐ卒業式シーズンです。 皆さますでにご存じのように、都教委の教職員に対する「君が代」処分は全国にその例を見ないひどいもので、回を重ねるごとに重くする累算加重処分です。ですから、ごく近い将来、不起立、伴奏拒否だけで停職や免職にされる教員が生じるのが必至です。今最も危ないのが、根津公子さん(立川二中)と河原井純子さん(調布養護)です。「がん細胞は徹底的に潰す」と言い放った鳥海教育委員のことばどおりのことが進行しています。 この状況を変えなくてはならない。教育的良心から不服従を続ける教員を、都民・教員、全国の人たちみんなの力で免職にさせないようにしなくてはという差し迫った状況から、都教委に向けて署名活動に取り組み始めました。言うまでもありませんが、これは、教員だけ学校だけの問題ではなく、どういう社会の実現を求めるかという問題であると思います。どうぞ、多方面から賛同団体に入って頂きたく、関係諸団体の皆さまにご検討をお願いする次第です。 併せて、添付しました署名活動にご協力をお願いします。差し迫ったこととして、河原井さんへの都教委事情聴取および処分発令が懸念されますので、2月中にひとまず、お送りくださると有り難いです。
河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 連絡先:遠藤(042−573−4010) 加藤(042−524−9863) 古荘(042−592−3806)
なお、メールでのやりとりは当面、根津公子が当たります。 nya-nya@fa3.so-net.ne.jp
都教委は、「君が代」不服従の教員を停職処分にするな! 免職(解雇)にするな! ──その声を都教委に届けましょう。緊急署名にご協力ください。
◆まさか?「君が代」免職が始まろうとしている? 2003年10月23日に出した通達で東京都教育委員会(以下、都教委という)は、「君が代」斉唱の際、不起立・伴奏拒否をした教員に対し、懲戒処分をすると発表。2年間で311名の教員を処分しました。しかも、都教委は1回目は「戒告」ですが、2回目「減給1月」、3回目「減給6月」と、累算式に処分量を加算しており、全国的にもこうした処分の例はありません。 すでに05年度の入学式で、根津公子さん(立川二中)には「停職1月」を発令しました。また、その時「減給6月」だった河原井純子さん(調布養護)は、この1月25日に行われた周年行事の不起立で、「停職1月」が心配されています。「君が代」強制はおかしい!と声に出し、行動する教員たちに、停職そして免職すら危惧される事態です。都民の60〜70%は、こうした「君が代」の処分付き強制に反対しています(昨年5月に東京新聞、朝日新聞が行った調査)。 こんな流れをくい止めましょう。子ども達の未来がかかっているのですから。
◆学校における「日の丸・君が代」の取り扱いの実情 今、ほぼ100%の学校の卒業・入学式で、壇上中央に張られた「日の丸」に向かって礼をさせ、「君が代」を起立し斉唱させられます。主人公は子ども達ではなく「日の丸・君が代」です。戦前の学校教育を受けた年代の方には、当時を連想させる光景です。 数年前までは都立高校の90%が「君が代」のない形でした。それは学校に論議を尽くして結論を出す土壌があり、自由・平等・平和を願う子ども達主体の卒業・入学式が行われていたからです。日常も自由な空気が流れ、民主主義が活きていました。しかし、石原都政に替わってから、教育委員会は、学校を「監視と処罰」の場に変えました。校長や教員たちを弾圧することによって、式の内容も変え、「君が代」実施率100%にしたのです。 教員たちの大半は、今のような式のあり方、「日の丸・君が代」の実施の仕方を良くないと思っています。校長たちの中にさえも都教委のやり方に、不満がくすぶっています。都民も教員も、多くの人がおかしいと考えていることが、都教委の意思だけで行われるなんて・・・、異常な事態だと思いませんか?
◆職責をかけて不服従を貫く教員を支援しよう。 教員は、「自分で考え判断することを大切にしよう」「自分らしく生きることを大切にしよう」「イヤなことはイヤだといっていいんだよ」と言って、日々子どもと接しています。だから「日の丸・君が代」の強制に服従できないのであり、不服従を職責と考えているのです。ところが、そういうことを実践している教員が、「次は免職だぞ」と、脅され、職を追われようとしています。 絶対に、こんな違法な停職処分・免職処分をさせないよう、署名活動にご協力下さい。
河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 連絡先:遠藤(042−573−4010) 加藤(042−524−9863) 古荘(042−592−3806)
*署名用紙は下記からダウンロードできます。(PDF・約450KB)
http://www.nikkanberita.com/download/200602211208472.pdf
*賛同団体:アジア・ヒストリー(多摩市) 石川中裁判を支える会 君が代不当処分撤回を求める会 小弥「君が代」処分を考える会 東京・ココロ裁判をすすめる会 「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会 武蔵野・学習指導要領を考える会 アイム‘89東京教育労働組合 多摩島嶼教職員組合 東京都障害児学校労働組合 吉峰法律事務所 千葉学校労働者合同組合(2/18現在)
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