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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年02月23日18時24分掲載
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国際的保養地アカプルコの治安悪化 麻薬組織が縄張り争い
メキシコ太平洋岸の国際的な保養地アカプルコ(人口9万人)は、比較的犯罪とは無縁な観光地だったが、近年治安が悪化しているという。故ケネディ大統領とジャクリーン夫人が1953年にハネムーン旅行をしたこともあるアカプルコだが、その明るい表の顔とは対照的に、裏ではメキシコの二大麻薬カルテルの抗争が激化、死者も出ている。メキシコ政府では、市内郊外をライフル銃で武装した州や連邦警察の警察部隊を動員して警備強化に乗り出しているが、大きな成果は上げていない。(ベリタ通信=苅田保)
コプリー・ニュースによると、1950年代、アカプルコには世界中からセレブ(著名人)がリゾートに訪れた。ハリウッド女優エリザベス・テーラーが映画プロデューサーとここで再婚したほか、歌手フランク・シナトラも常連客の一人だった。
しかし、犯罪率は現在メキシコの都市の中で5番目に高く、また麻薬組織の抗争激化により、昨年は51人が死亡している。治安の悪化で、現在外国観光客の占める割合は、全体の15%程度に落ち込んでいる。
抗争を続けているのは、「シナロア」と「ガルフ」という二大麻薬組織。両者は長年停戦をしていたが、2003年に「シナロア」が「ガルフ」の縄張りである米国境に近いヌエボラレド市に進出を図ったことから、停戦が破られ、仁義なき闘いが始った。
「ガルフ」も、「シナロア」の拠点であるアカプルコに突撃部隊「セタス」を派遣、抗争がエスカレートした。両組織は、メキシコ太平洋岸から米国・メキシコ国境に沿った麻薬密売ルートの主導権確保を目指して争っている。
▽「私にも家族が」と恐れる知事
アカプルコでは昨年8月に、レストラン前で警察幹部が殺害されるなど、麻薬組織は近年、取り締まりを強化する警察幹部らへの攻撃を強めている。
この結果、州や市などの自治体も麻薬組織摘発の先頭に立つことに及び腰になっている。セフェリノ・トレブランカ州知事は、麻薬組織の報復を極度に警戒、地方自治体よりも連邦政府の警察部隊が中心になって摘発を行うよう求めている。同州知事は「私には子どもも家族もある。これが私が恐れる理由だ」と述べている。
アカプルコでは先月、警察部隊と麻薬組織が検問所で銃撃戦を展開、ギャング4人が殺害される事件があった。しかし、その後の現地紙の報道では、当日、警察が麻薬組織を安全に検問所から通過させるとの事前約束があった。
しかし、連絡ミスで銃撃戦が起きたという。警察の腐敗ぶりを浮き彫りにする内容だが、事件後、アカプルコの警察トップが、なぜか辞任している。報道では、麻薬組織から「へまをやった」と死の脅迫状が送りつけられていたためという。
フォックス大統領の指示の下、アカプルコには連邦警察部隊が中央から派遣され、地元の警察と共同で警戒に当たっている。しかし、アカプルコ市内のホテル周辺など、目のつく場所に警察を配備すると、外国観光客に不安を与え、またアカプルコの観光業界に悪影響を及ぼすとして、現在は郊外で警備についている。
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