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橋本勝21世紀風刺絵日記
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2006年02月23日18時35分掲載
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米国の学校でいじめ深刻化 被害者の損害賠償請求増える
米国の学校でのいじめが深刻化している。暴力的で悪質ないじめも少なくないという。しかし、学校や地元警察の甘い対応は、いじめの被害者の家族らにとっては必ずしも満足させるものではない。いじめを行なった者への軽い処分や学校当局の責任の回避など、被害者の家族の不満は高まる一方だ。こうした状況から、いじめ被害者の家族が、いじめを行なった者の家族や、学校当局を相手に損害賠償を求めるケースも目立っている。(ベリタ通信=有馬洋行)
全米学校心理学者連合によると、米国では生徒の15〜30%が、いじめに加わったり、いじめに遭った経験をしている。いじめは教育現場の大きな問題になっているという。いじめは暴力のほか、脅迫、からかい、嫌がらせなどを含む。小学校のころから始まり、中学校でいじめはピークを迎え、高校で減少するのが一般的なパターンといわれる。しかし、言葉の暴力は、途切れることなく続くのが特徴だ。
いじめは、それを行なう者や、いじめの被害者の双方に悪影響を与えるともいわれる。いじめが原因になって、双方が学校を中途退学する割合も高くなるという。将来的に非行に走る危険性も増すといわれる。
いじめ被害者からの訴訟が目立っていることについて、ノースカロライナ州にある「学校暴力防止センター」は、いじめ被害者の家族は、警察、学校がいじめを受けた者への救済に本腰を入れていないからだと指摘する。
同センターには、1999年の米コロンバイン高校での銃乱射事件の前までは、1週間で1、2件の電話照会があっただけだが、現在は毎日十数件の問い合わせがある。さらにその4分の1が、損害賠償などを求める意向を漏らしているという。
各種報道を総合すると、エマ・シルバーブラットさんの家族は、13歳の時、娘が学校の同級生の女子にいじめを受けたとして、いじめの加害者や学校当局を相手取って5万ドルの損害賠償を求めている。
エマさんはユダヤ出身で、米オハイオ州のメイフィールド高校で同級生の女子から恒常的に悪口を言われ、時々顔をたたかれた。また反ユダヤの言葉を浴びせられたこともあった。2004年3月には、ロッカーの前で、その女子に髪をつかまれ、地面に引きずり倒され、頭を床に何度か打ちつけられた。
エマさんの家族は、いじめ加害者への警察や学校の処分が甘いと主張している。エマさんは、いじめにより、頭、首にけがをしたほか、視力の乱れなどが生じ、集中的な治療が必要になっているという。
しかし、家族の弁護士の話では、訴訟の本来の狙いは金銭ではなく、地域社会がいじめ問題に関心を持つ機会を作り出すためだと述べている。
これに対し、学校当局もいじめ問題への対応の重要性については認識している。しかし、子どもたちは近年、ますます暴力的な傾向を強めているという。このため学校の対応も遅れがちになっているのが実情だ。
子どもたちは、テレビや映画の影響で、いじめの手法を学んだりする。これは一面の真実だが、いじめ問題のある専門家は、親による子どもへの過保護が、いじめを生み出す原因の一つだと指摘している。親が子どもをちやほやするだけでなく、何が許されない行動かを教えることも必要だと述べている。
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